足がつる・こむら返り 原因・対処法、効果的な漢方薬

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セルフケア・対処熱中症腰痛末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)足・脚

足がつる、こむら返りとは?

足がつるとは

足がつるというのは、簡単に言うと「筋肉が縮み過ぎている状態」のことです。医学的には「有痛性筋けいれん」と呼ばれていて、痛みを伴う筋肉のけいれんだと考えられています。
例えば、背伸びをするとき、通常は筋肉が適切に縮んだところで、縮みすぎないように脊髄から神経を介して信号が送られ、筋肉の動きにストップがかかります。しかし、神経や筋肉に何らかのエラーが起こることがあります。そうすると信号が正しく伝達されず、筋肉が縮み過ぎてしまいます。これが「つる」という状態です。そして縮み過ぎたことで、筋肉に大きな圧力がかかり、痛みが生じます。足がつる原因は厳密には解明されていませんが、大きく分けて「筋肉の疲労」と「神経のトラブル」が主なものだと考えられています。

足がつる原因

足がつりやすくなる原因

筋肉の疲労

例えば、サッカーの試合で終盤に足をつる選手がいますが、負荷の高い運動が長時間続いて筋肉が疲労すると、つりやすい状態になります。筋肉量や柔軟性の低下も関係します。特に加齢や運動不足で筋肉が細くなったり硬くなったりすると筋肉が疲労しやすくなるため、年を重ねれば誰でも足がつりやすい状態になると言えます。

神経のトラブル

加齢などで、椎間板という背骨のクッションの弾力が落ちたり、背骨が変形したりすると、腰の神経が圧迫され、筋肉への信号にエラーが生じることがあります。また、糖尿病による神経障害によって足がつりやすくなることもあります。

血流の低下、ミネラルの不足、妊娠

血液は筋肉や神経に酸素や栄養を運んでいますが、血流の低下などによって血液の循環が悪くなると、筋肉や神経の機能が低下し、足がつりやすくなります。また、ミネラルは筋肉と神経の連絡に必要で、特に筋肉の動きに関わるカリウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムの血中濃度が異常に低くなると、筋肉と神経の連絡にエラーが生じることがあります。
また、妊娠中は「子宮による圧迫で脚の血流が低下する」、「マグネシウムなどのミネラルが不足する」、「体重の増加によって筋肉への負荷が大きくなる」などの要因で足がつりやすくなると考えられています。

薬の副作用

薬の副作用

薬の副作用によって体がつりやすくなる場合もあります。副作用で足がつる可能性のある薬は、コレステロールを抑える「スタチン系の薬」、血圧を下げる「利尿薬・ベータ遮断薬・カルシウム拮抗薬」などです。薬の副作用が原因の場合、薬の処方を変えることで解消する例が多くあります。しかし、自分で薬の判断をするのは危険ですので、気になる人は治療を受けている医師に相談しましょう。

受診が勧められる症状は“足がつる+○○”

病気のサイン

  • 足がつる+「体中がつる」
    熱中症が進行し、脱水によりミネラルバランスが大きく崩れている可能性があります。
    危険な状態の可能性があるので、場合によっては救急車を呼んだ方がよいことがあります。
  • 足がつる+「体重の増減・多汗・けん怠感」
    甲状腺機能の異常により、代謝・神経系に不調を来している可能性があります。
  • 足がつる+「片足が冷える・青白い・歩くと痛む」
    動脈硬化などによって足の先まで血が行きづらくなる「末梢動脈疾患」という病気の可能性があります。片足にのみ症状が出やすく、「間欠性跛行(はこう)」という症状も現れやすくなります。間欠性跛行とは、歩いていると足に締め付けられるような痛みやしびれが出て、少し休むとまた楽に歩けるようになるという症状です。
  • 足がつる+「腰痛・足のしびれ・歩くと痛む」
    「脊柱管狭さく症・椎間板ヘルニア」など腰の疾患の可能性があります。この場合も「間欠性跛行」の症状が現れることがあります。

上記の症状のほかにも「つる頻度が急に増えてきた」、「つっている時間が長い」などの場合は、一度受診をしましょう。まずはかかりつけ医で症状や不安を伝えて、そこでの診断を通じて、専門の検査を受けることが勧められます。

症状を軽く抑えて上手につきあうための対処法

加齢や筋肉の衰え、腰の疾患によって足がつりやすくなった場合、つる回数をゼロにするのは難しいのですが、「筋肉のストレッチ」や「漢方薬」によって症状を軽く抑え、上手につきあっていくことを考えましょう。

筋肉のストレッチ

薬を使わない対処法で最も有効なのが「筋肉のストレッチ」です。

  • ポイント①「膝はなるべく伸ばす」
    足がつったときはつま先を両手で持って、膝をなるべく伸ばすようにすると、ふくらはぎの筋肉が伸びて効果的です。つま先まで手が届かない人は、タオルなどを使うとよいでしょう。
  • ポイント②「反動をつけず、伸びをキープする」
    反動や勢いをつけると逆に筋肉のダメージにつながることがあります。反動をつけずに20~30秒伸ばした状態をキープしましょう。

予防効果も期待できるので、寝る前に行うのもおすすめです。また足がつりそうな時は足首を曲げてふくらはぎの筋肉を伸ばすとよいでしょう。

即効性のある漢方薬「芍薬甘草湯」(しゃくやくかんぞうとう)

足がつる人には、筋肉の緊張を緩める働きのある漢方薬が有効です。芍薬甘草湯は内科や産婦人科などの診療科で広く処方されています。漢方薬ですが、「即効性」のあることが特徴で、服用から5分ほどで症状が治まる場合もあります。ただし、継続的な服用や、服用量・年齢・持病によっては、まれに血圧上昇・むくみなどの副作用が現れることもあるので、用法・用量を守りましょう。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2023年9月 号に掲載されています。

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    シリーズ家庭の医学 どうする?気になる症状「足がつる」