お出かけのとき 熱中症の落とし穴とは?
まず、お出かけの際に熱中症になってしまうケースをご紹介します。
下記の状況にリスクとなるポイントが4つ隠れています。当ててみてください。



熱中症のリスク①「蒸し暑かった」
熱中症は、気温だけでなく、湿度にも注意が必要です。湿度が高いと、汗が蒸発しにくくなるからです。そもそも体温が上がると、私たちの体は汗をかいて、体温を下げる働きをしますが、湿度が高いと洗濯物が乾きにくくなるように、汗が蒸発せず、体の熱を逃がしにくくなるのです。
また、湿度が高いと、のどの渇きを感じにくくなります。そのため、水分補給を怠ってしまうことにつながりかねません。
熱中症のリスク②「久しぶりに」
コロナ禍の3年間、家にこもってあまり外に出かけていなかったことで、暑さ慣れができてない、体力も落ちているとなると、特に高齢者にとっては熱中症のリスクが高くなります。
私たちの体は、暑さに慣れてくると汗をかきやすくなり、体温を下げるようになります。これを暑熱順化(しょねつじゅんか)といいますが、「久しぶりに」おでかけに行く人は、暑熱順化が十分ではない場合があります。
熱中症のリスク③「張り切っていた」
お孫さんとの久しぶりの遊園地で、楽しいからと張り切りすぎると、夢中になり、水分や休憩を取るタイミングを失いがちになります。さらに、前日によく眠れなかったり、朝早くの出発で寝不足になっていると、自律神経の働きが乱れ、熱中症のリスクになります。
熱中症のリスク④「しばらくして異変に気付く」
熱中症の症状は、めまい、手足のしびれ、だるさ、吐き気など多岐にわたり、放置するとどんどん悪化していきます。しかし、自分で熱中症だと気付くのは困難なのです。夏、暑いところで体調不良の人がいたら、まず熱中症を疑いましょう。
熱中症対策!お出かけ編

対策①天気予報などの情報を確認
天気予報などで、気温や湿度、熱中症に関する情報を確認することができます。
また、環境省の熱中症予防情報サイトでは、熱中症へのかかりやすさを示す「暑さ指数」や危険な暑さへの注意を呼びかける「熱中症警戒アラート」を確認できます。出かける前などに、活用しましょう。
環境省の熱中症予防情報サイトはこちら
※NHKサイトから離れます
対策②計画には休憩時間を
旅行やお出かけの計画には、休憩時間を入れ、必ず水分補給を行いましょう。暑い日であれば、できれば1時間に1回は水分補給を行いましょう。大切なポイントは、のどが渇いたらではなく、のどが渇く前にこまめに飲むということです。
おすすめの飲み物
- 冷たい飲み物
- 汗をかくような場面では、スポーツドリンクなど糖分・塩分が入ったもの
汗には水分のほかに塩分なども含まれていて、体から失われていきます。体から塩分が少なくなると、水を飲んでも吸収されず、脱水症状になる危険があります。体を動かすとエネルギーも消費するため、スポーツドリンクがお勧めです。
ただし、スポーツドリンクの糖分は多いので、糖尿病の人や糖質制限がある人などは、注意が必要です。塩分補給できるという飲み物や、あめやタブレットなどを利用するのも一つの方法です。
注意したい飲み物
- ビールなどのアルコール飲料
- 紅茶・コーヒ・緑茶などカフェインが含まれた飲料
こうした飲み物は利尿作用が強いため、注意が必要です。
たしなむ程度は問題ありませんが、水や麦茶などで水分補給をすることをお勧めします。ビールだけでは水分補給にはならないことを覚えておきましょう。
対策③持ち物
スポーツ飲料などの飲み物や、塩分を含んだお菓子、タオル、うちわや扇子、携帯用扇風機、さらに氷をたくさん入れた水筒を持って行きましょう。

- タオルはさまざまな場面で使うことができます
汗を拭くのにも使えますし、頭にのせるなどすれば、直射日光を防ぐこともできます。また、水などを含ませて体に当てることで、体を冷やす道具としても使えます。
万が一、熱中症で具合が悪くなった人がいた場合は処置にも使うことができます。最近は、水で濡らすと冷えるタオルもあるので、利用するのもよいでしょう。 - 氷をたくさん入れた水筒
氷が長持ちするため、長時間冷たさを保つことができ、飲みきってしまったら水などを継ぎ足しすることも可能です。
対策④服装
帽子はキャップではなく、できれば麦わら帽子のようなつばが大きいもの、衣服は黒色を避け、吸水性が高く速乾性もあるもの、例えばポリエステルの素材などがお勧めです。

高齢者の中には、綿の下着を好む人が多いのですが、吸水性が良くても、速乾性に優れていません。夏はサラサラな乾きやすい衣服にすることを心がけましょう。
例えば、高齢の親と一緒に遊園地や動物園にお出かけにいくときには、事前に速乾性のある肌着などをプレゼントするのもよいでしょう。
対策⑤手のひらを冷やす
冷たいペットボトルなどを持って、手のひらを流れている血液を冷やすことで、体から熱を逃がすことができ、熱中症予防につながります。