≪骨盤底筋トレーニング 実践編≫
骨盤底筋トレーニングは、自分でできる尿もれ対策です。
指導:山梨大学医学部看護学科教授 谷口珠実さん
動画の内容は下記で確認できます。
【1】骨盤底筋の位置を知る
トレーニングを正しく行うためには、骨盤底筋の位置を知ることが重要です。骨盤底筋は、骨盤の底の部分を覆っている筋肉です。

骨盤底筋トレーニングのポイントは、「膣(ちつ)の周辺を締める」だけでなく、「骨盤底筋全体を引き上げる」イメージを持つことです。
【2】行う前に

椅子の中央に腰かけ、足を肩幅に開きます。このとき、寄りかかったり前かがみになったりせず、骨盤をしっかり立てることも大切です。両手の親指で腰骨をギュッと持ち上げるとやりやすいです。
そして、大きく深呼吸をしてリラックス。息を吸って肩を持ち上げ、息を吐き肩の力をしっかり抜きます。このとき、顔は正面を向きましょう。
トレーニングでは、ゆっくり動かす「遅筋」と速く動かす「速筋」に分けて鍛えます。
【3】ゆっくり動かす「遅筋」のトレーニング
下記の①~⑤を10回繰り返します。

①おならを我慢するイメージで「肛門」を締めます。

②さらに「尿道」と「膣」の周りもキューッと締めるように意識します。

③そのまま骨盤底筋をお腹の上の方に引き上げます。

④5秒後、ゆっくり力を抜きます。

⑤5秒休みます。
【4】速く動かす「速筋」のトレーニング

遅筋のトレーニングのときより強い力で、すばやく締めながら引き上げ、緩めます。これを10回繰り返します。
【5】どのぐらい行えばよい?
遅筋と速筋を10回ずつ繰り返して1セットとし、1日5セットを目安に毎日行います。
骨盤底筋トレーニングは、とにかく続けることが大切。2~3か月続けると、7割に効果がみられるとされています。
≪骨盤底筋トレーニング 確認編≫
動画の内容は下記で確認できます。
骨盤底筋トレーニングがきちんとできているか、確認したい場合の方法です。
【1】衣類の上から確認できる方法

①指を尾てい骨の先端にやさしく添えます。締めて引き上げたときに、尾てい骨が上がるのが感じられれば、正しくできています。

②膣周辺の会陰(えいん)に触れて筋肉が動いているか確認する方法もあります。
【2】触れて確認する方法

お風呂に入ったときに、膣に指をあてて、指の周りの筋肉が締まっているかどうかを感じるという方法もあります。
【3】医療機関で確認する方法

骨盤底筋トレーニングの効果を実感できないときには、医療機関で行う超音波検査で、正しくできているかどうか視覚的にチェックすることもできます。

こちらはお腹の超音波画像、黒くうつっている部分が、ぼうこうです。
きちんとできていれば、骨盤底筋全体を引き上げたときに、ぼうこうの底が少し持ち上がるのを確認できます。