薬で病気をコントロールし長生きできる「慢性骨髄性白血病」の治療法

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慢性骨髄性白血病 やせてきた 体がだるい 吐き気 全身

慢性骨髄性白血病の治療

2001年まで慢性骨髄性白血病の治療は移植が中心だった

現在、慢性骨髄性白血病の治療の基本は薬物療法ですが、以前は、慢性骨髄性白血病になるとほとんどの場合が数年で症状が急激に悪化し、骨髄移植以外では治療が困難でした。

しかし、2001年にイマチニブという分子標的薬が登場して以来、薬をのみ続ければ症状をコントロールできるようになっています。

慢性骨髄性白血病は通院で治療可能

慢性骨髄性白血病の治療に使用する分子標的薬は、のみ薬なので外来で治療を受けられ、それまでと変わらずに仕事や家庭生活を送ることができます。ただし、薬をのみ忘れると効果が落ちてしまうので、きちんとのみ続けることが大切です。

慢性骨髄性白血病の治療薬「分子標的薬」

慢性骨髄性白血病に効く分子標的薬

分子標的薬とは、BCR-ABL遺伝子から作られるBcr-Ablという異常なたんぱくに結合して、白血病細胞の増殖を防ぐことができる薬です。2001年に登場した第1世代の「イマチニブ」という薬を使用した結果、5年生存率が95%という成績が報告され、慢性骨髄性白血病の治療が大きく変わりました。

ただし、がん化した造血幹細胞を完全には死滅させることができないため、薬をのみ続けることで、病気の進行を防ぎます。

分子標的薬の種類

慢性骨髄性白血病の治療

分子標的薬には、いくつかの種類があり、2001年に第1世代として「イマチニブ」が登場し、2009年に第2世代の「ニロチニブ」と「ダサチニブ」、2014年に同じく第2世代の「ボスチニブ」という分子標的薬が出てきました。

最近の慢性骨髄性白血病の治療では、ほとんどの場合で効果が高く副作用が少ない第2世代の薬から使い始めます。

分子標的薬への耐性が起きた場合の治療方法

第2世代までの4種類の薬は効果が高いのですが、使い続けているとBCR-ABL遺伝子に変異が起きて、薬に対する耐性がついてしまうことがあります。4種類の薬はそれぞれ特徴が異なる薬のため、耐性が起きた場合は、使用している薬ではない薬に変更して、治療を行っていきます。

ただし、4種類とも効果がないこともあり、その場合は第3世代の「ポナチニブ」という分子標的薬を使用して治療を行います。「ポナチニブ」は、アメリカで先に使用されはじめ、2016年に日本でも承認された薬です。

分子標的薬の副作用

分子標的薬は効果が高く、のみ続けることで慢性骨髄性白血病を治療することができますが、副作用もあります。主な副作用の症状として発疹や貧血、むくみなどが起きることがありますが、軽度の場合がほとんどです。

まれに重篤な副作用が現れることもあり、その場合は使用している分子標的薬を変え、副作用の症状を緩和する薬を使用します。

慢性骨髄性白血病の移植手術による治療

慢性骨髄性白血病の治療の基本は、分子標的薬の登場によって薬物療法に変わっています。造血幹細胞移植による治療が検討されることもありますが、体力のある若い人の場合に限ります。

慢性骨髄性白血病は治療できる病気

現在では、慢性骨髄性白血病は薬で治療ができる病気です。病気の原因であるがん化した造血幹細胞を完全になくすことはできませんが、薬をのみ続けることで症状をコントロールすることができ、今まで通りの生活や仕事を続けることが可能になっています。

ただし、慢性骨髄性白血病を放置すると、病気が進行し、急速に症状が進む急性白血病のような状態になって、治療が困難になってしまいます。慢性骨髄性白血病は自覚症状がないため、健康診断や他の病気の検査時に白血病の数に異常がないか確認して、異常がある場合は詳しい検査を行い、速やかに治療を開始することが大切です。

慢性骨髄性白血病の症状やなりやすい人とは

この記事は以下の番組から作成しています

  • きょうの健康 放送
    増える血液がん「慢性骨髄性白血病」