体内時計と健康の関係 朝食・昼食・夕食を食べるベストな時間とは?

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「いつ」食べるかが健康に与える影響が、近年進んでいる「時間栄養学」の研究でわかってきました。
人間の細胞には、一定の時間的なサイクルを持つ体内時計(時計遺伝子)があります。体内時計によって、内臓にはそれぞれ「活発な時間」や「休憩する時間」が決まっており、例えば消化吸収に関わる内臓にとっては、活発な時に食事をとったほうが良く、休んでいる時の食事は負担になるので、とらないほうが良いと考えられます。

体内時計がずれるとおこる影響

また、体内時計はズレやすく、その乱れが「肥満」とそれに関連する疾患、「心疾患」や「脳出血」、さらに「老化」や「うつ」にも影響を与えることがわかってきました。ただし、そのズレは「食事」を適切な時間にとることによって、合わせることができます。
つまり、朝・昼・夕の食事には、体内時計を合わせる、または体内時計に合わせたベストのタイミングが存在します。

朝食・昼食・夕食のベストタイミング

朝食のベストタイミング

起きてから「すぐ」が理想です。遅くとも「2時間以内」、朝7時に起床する人であれば、せめて9時までには食べるのが望ましいです。朝食には、毎朝ズレている体内時計のズレをリセットし、体内時計のサイクルと生活のサイクルを合わせる重要な役割があります。

昼食のベストタイミング

朝食をとってから5時間、8時に朝食をとっていれば、13時が理想。体内時計の働きにより、消化吸収に関わる臓器は日中活発に活動します。その時間に食事をとることで、エネルギーを効率的に得ることができ、かつ、内臓への負担も少なくてすみます。

夕食のベストタイミング

朝食から10時間、遅くとも12時間以内が理想です。朝8時に朝食をとった人は18時くらいがベストで、20時くらいまでに食べてください。夜遅くなるほど、内臓の消化や吸収能力は落ちるため、非効率なうえ、内臓への負担も大きいからです。また、夜遅い食事は、翌朝の食欲を減退させる恐れがあり、体内時計を合わせる大事な「朝食」をとりにくくなってしまいます。

残業や夜勤がある人は?

夜勤などで体内時計をずらさないコツ

仕事の都合で、体内時計に合っていない食事をしてしまうことがありますが、うまく生活スタイルに体内時計を合わせるコツもあります。
例えば夜勤がある人は、夜を昼間とみなし、起きたタイミングですぐに食事をとること。また、起きた時につける室内灯を太陽光に近い「白色灯」に変え、光をあびると、体内時計がそのタイミングを1日の活動開始として認識してくれます。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2022年10月 号に掲載されています。

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