キャンサーボードの役割

近年、がんの治療現場では、緩和ケアチーム、リハビリチーム、栄養サポートチーム(NST)など、さまざまなチームが活躍しています。これらのチーム医療を実践する際に中心になるのがキャンサーボードです。キャンサーは「がん」、ボードは「会議」を意味する英語で、がんの診断や治療に関連して、医師や看護師のほか、さまざまな職種の専門家が参加して合同で方針を相談し、決定する会議のことをいいます。
チーム医療が必要とされるようになった背景には、医療が専門領域に細分化され、高度化・複雑化してきたことがあります。また、患者さんは、がん以外の持病があったり、生活・家庭環境、仕事など、さまざまな悩みを抱えていたりします。
これらの状況を考慮しながら、最も適した治療を選ぶためには、それぞれに対応できる専門家が集まるチーム医療が不可欠です。キャンサーボードでは、多くの専門家がそれぞれの視点から患者さんの希望や悩みをすくい上げ、治療に反映させていくことで、患者さんにとって最もよい道を模索していきます。