【患者体験談】レジャー中に大けが!正しい対処とは

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休日のイベントで悲劇が!

日頃の運動不足解消のため、ときどきサイクリングを楽しむというAさん(女性)。5年前、夫と一緒に地元のサイクリングイベントに参加しました。周囲がベテラン揃いだったため、Aさんは遅れまいと、ついていくだけで必死だったと言います。

折り返し地点まで来たところで悲劇が起きました。Aさんの前を走る自転車が左折したときに、Aさんの自転車と車輪同士が接触し、Aさんは転倒してしまったのです。

倒れた衝撃で、Aさんは左ひざを地面に強く打ち付けてしまいました。かなり痛かったものの、打撲だろうと考えたAさん。ほかの参加者に迷惑をかけたくない一心で応急処置もせず、すぐに自転車に乗り、痛むひざで20キロの道のりを自力でこいで帰りました。

「病院に行くとか救急車を呼ぶとかは、まったく考えつきませんでした」

診断は「骨折」

どうにか自宅に帰り着いたAさん。しかし、そこからが大変でした。左ひざがどんどん腫れてきて、激痛で脚を少しも動かすことができないほどでした。しかも日曜日のイベントだったため、近くの医療機関はどこもやっていません。困ったAさんは、ひざに氷を当てながら、じっと痛みに耐えるしかありませんでした。

翌日、ようやく整形外科を受診。検査の結果、打撲どころか、ひざの後ろ側の骨を剥離(はくり)骨折していたことがわかりました。完全に治るまでには8か月もかかってしまったのです。
では、Aさんはどうすればよかったのでしょうか?

大丈夫だと思っても・・・無理は禁物

実は、けがをした直後は感覚が麻痺(まひ)して、本来感じるはずの痛みを感じにくくなっています。強い興奮状態で、脳からアドレナリンが大量に分泌されるからです。しばらくして興奮が収まると、本来の痛みを感じるようになります。

打撲やねんざ、骨折は自分では区別がつかず、適切な応急処置や治療が遅れると、治るのに時間がかかったり後遺症が残ってしまったりすることがあります。Aさんの場合も、より悪い状況を想定し、その場ですぐに適切な応急処置をした上で、タクシーや救急車を呼んですぐに医療機関を受診した方が、早く回復できた可能性があります。

「せっかくレジャーに来たのに・・・」という気持ちがあっても、けがをしたら無理をせず、レジャーを中断して医療機関を受診するという判断も大切です。いざというときに慌てないよう、応急処置の方法や受診の目安を知っておきましょう。

具体的な応急処置や受診の目安はこちら

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