治すつもりが……市販薬でかえって症状悪化


市販薬の中には、長期にわたり使用するとかえって症状の悪化につながるものがあります。
- 鎮痛薬
片頭痛や緊張型頭痛がある方が鎮痛薬を長期間使用すると、頭痛が悪化し「薬剤の使用過多による頭痛」という病気になることがあります。「薬によって脳内で痛みの抑制がききづらくなり、痛みを感じやすくなっている」と考えられ、頭痛患者の約15%の人が当てはまると言われています。 - 便秘薬
特に、腸の粘膜に作用する「刺激性下剤」に注意が必要です。長く使いすぎると便を出す力が弱まり、腸が薬にも反応しづらくなり、便秘が慢性化します。 - 点鼻薬
使用が長引くと、鼻の粘膜が厚くなり鼻づまりが悪化します。薬も効きづらくなります。 - 睡眠改善薬
使用が長引くと耐性がつき、薬がないと眠れないなど症状の悪化につながることがあります。
市販薬はあくまで対症療法で、根本治療を目的としていないものが多いです。症状が長引く人、市販薬の使用が長い人は医療機関を受診してください。
市販薬を使ってよい期間は?

▲ある鎮痛薬の使用上の注意
市販薬の使用期間は、薬に同封されている添付文書の「使用上の注意」に必ず書いてあります。それを超える場合、医師、薬剤師、医薬品登録販売者に相談をしてください。市販薬は、症状が良くなれば1回で服用をやめても構いません。
添付文書 ここだけは確認

「使用上の注意」の中で、特に確認してほしい項目が2つあります。
- 「してはいけないこと」
一緒にのんではいけない薬や、のんではいけない人が書かれています。命を守ることにつながるため、体調が悪くても確認が必要です。製品の箱にも書かれているため、購入前にも確認してください。 - 「相談すること」
気をつけるべき副作用や医師に相談する症状が書いてあります。
困ったら……薬剤師や医薬品登録販売者に相談を


薬について不安や疑問がある場合、薬剤師や医薬品登録販売者に相談することが大事です。近年、オンラインで相談できる取り組みも始まっています。
相談のコツは「写真を撮ること」

薬剤師に相談する際は、過去に使用していた薬や現在使用中の薬の情報をお知らせください。より体に合った薬を選ぶことができます。
この時おススメなのが「箱の写真を撮っておく」ことです。
市販薬には「プラス」「プレミアム」「EX」などバリエーションがある製品が多くあり、それぞれ入っている成分の種類や量が異なります。写真を撮ると、正確な商品名がわかり、副作用の原因や体に合わない成分をより的確に判断できます。また、日付データから購入日や服用した日も分かるため、市販薬を購入したら薬箱の写真を撮ることを習慣づけましょう。