片頭痛になったとき -私のチョイス-

頻発する片頭痛で生活に支障が
Aさん(48歳・女性)は、20年以上も片頭痛に悩まされてきました。
「頭痛の始まりは、頭の芯あたりがジーンとしてきて、そのうち首の後ろ、頭と首の付け根と広がってくる。ジンジン痛くなってきて、頭全体に反響する感じになって、頭の中が熱くなる。」
Aさんの場合、生理周期だけでなく、赤ワインの匂いやテレビの電源ランプまで、日常生活のさまざまな刺激が片頭痛を誘発してします。そのため、日常生活にも支障を来していました。
「30分後に具合がいいかどうか分からないわけですよ。突然わーっと悪くなる時もあるし、半日くらいかけて何となく悪くなっていく時もあります。それは自分では、分からない。いつもギリギリな感じで生きている。」
片頭痛の「予防薬」
改善の兆しが見えないまま頭痛に悩まされ続けていたAさん。インターネットで治療について調べていたとき、「日本頭痛学会」のホームページを見つけました。そこで紹介されていた専門医を訪ねることにしたのです。
片頭痛と診断されたAさんには、「トリプタン」という片頭痛専用の痛みの発作を抑える薬と、毎日のむことで片頭痛の回数を減らす予防薬が処方されました。ところが、薬をのんでも、効果はほとんどありませんでした。
そのため仕事でも・・・
「職場の全員が知っているわけではないので、突然のスケジュール変更や、会議だけど現れないとか、ご迷惑をおかけしてきたと思います。」
いろいろな予防薬を何年もかけて試しましたが、ほとんど効かず、毎日のように片頭痛に苦しめられ続けました。
登場!片頭痛治療の新たなチョイス
そんなAさんに、新しいチョイスが現れました。「ガルカネズマブ」という予防薬の注射です。トリプタンとは違うメカニズムで片頭痛をおさえます。

片頭痛が起きている人の脳の中では、「CGRP」という物質が増えていることがわかってきました。CGRPが三叉神経の末端から放出されると、脳の血管が拡張し、同時に血管の周囲に炎症を引き起こすため、片頭痛が起きると考えられています。
ガルカネズマブはCGRPと直接くっついてこうした作用を防ぎ、片頭痛を予防します。
毎日のまなければならないこれまでの予防薬に比べ、月に1度注射するだけで予防効果を得られるのが特徴です。
「その前の週まではずっと調子が悪かったけど、打ったその日から頭痛が止まりました。4週間でまだ3回しか頭痛は起きていません。しかもその強さが全然違う。頭痛の入口程度かなという感じです。」