生理痛や更年期症状など、つらーい「女性のお悩み」。いま、ヨガの効果が科学的に明らかとなり、健康プログラムではなく、医療の現場でも導入が進んでいます。今回は、産婦人科の専門医・高尾美穂さんに、「更年期症状」と「PMS(月経前症候群)」の改善を期待できるヨガを教えてもらいます。

ヨガの基本「呼吸」の効果とは?
ヨガを行う前に、ぜひ覚えて頂きたいのが「呼吸」。深くゆっくりとした呼吸を行うことで、体のさまざまな働きを調節する自律神経のバランスを整えることが期待できます。ポイントは、「鼻から4秒かけて吸って、鼻から6秒かけて吐く」。横隔膜にある自律神経が刺激され、副交感神経(リラックスモード)が優位になっていきます。

更年期のお悩み「尿もれ」を改善するヨガ
閉経時期の前後10年間(45歳から55歳ごろ)の更年期に起こるさまざまな心身の不調。そのなかで、深刻なお悩みのひとつとなっているのが「尿もれ」です。40歳以上の4割以上が経験するといいます。原因のひとつが、尿道の動きをコントロールする「骨盤底筋」の衰え。更年期に起こる女性ホルモンの減少によって引き起こされるのです。そこで、ヨガで、「骨盤底筋」を鍛え、「尿もれ」改善を狙います。


仰向けになってヒザを立て、左右の足の裏を合わせて押しつけながら、お尻を上げます。
【ポイント】
1回9秒を3セット スキマ時間に行うことがオススメ

生理前の不調「PMS」を改善するヨガ
最近よく耳にするPMSとは「月経前症候群」の略称で、生理前に起こるさまざまな心身の不調を指します。原因のひとつと考えられているのが、生理前に起こる女性ホルモンの急激な変化による自律神経の不調です。体を活動モードにする交感神経が優位となり、メンタルの不調やけん怠感、体の痛みやむくみなどの引き金になっていると考えられています。そこで、副交感神経を優位にする「呼吸」をベースにしたヨガを行うことで、PMS症状の改善を狙います。 今回は、6つのポーズを紹介します。


【ポイント】
1ポーズ10秒×6で1セット 1日2回行うことがオススメ
子どものポーズ
息を吐きながら上半身を前に倒し、おでこを床につける。

牛のポーズ
おへそをマットに近づけ、おなかの力を緩める。目線を上げて胸を広げ、しっかり呼吸をする。

猫のポーズ
目線をヒザからおへそに向け、背中を持ち上げる。

板のポーズ
四つん這いの姿勢から、片足ずつ後ろに伸ばし、両足をそろえて頭からカカトまでを一直線にする。

コブラのポーズ
足の甲を寝かせ両手でマットを押して、上半身を持ち上げる。

下向きの犬のポーズ
両手でマットを押し、両足で踏ん張り、お尻を上に持ち上げる。

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