末梢動脈疾患(PAD)になったとき -私のチョイス-
足が痛くて歩けない
Aさんは71歳の時、日課の散歩中、突然右のふくらはぎに痛みを感じ、思わずしゃがみこんでしまいました。
「ぐーっと締め付けられるようになって、歩くと動けない。ひどいときには50歩くらい歩いただけでもう痛くて、休憩しないと歩けなくなってきた。これはやばいなと思って」
病院で詳しく調べたところ、「末梢動脈疾患」と診断されました。
右足の太ももの血管が詰まっていたのです。
血管内治療を受けたのに・・・
Aさんがまずチョイスしたのが、短期間で受けられる「血管内治療」です。
血管内治療とは、カテーテルと呼ばれる細い管を、詰まった血管に挿入して広げる治療です。広げた後は金属の網の筒「ステント」を入れて固定します。
Aさんは、手術直後は調子が良く、4000歩ぐらいなら軽く歩ける程にまで回復しました。しかしその半年後、全く同じ場所に再び耐えきれない痛みが生じました。急いで受診すると、ステントで広げた血管が、また詰まっていたのです。
そこで、Aさんはもう一度血管内治療を受け、ステントを2本追加して血管を再び広げました。しかし、その後も半年ごとに痛みは現れ、結局2年で4回も血管内治療を受けることになってしまいました。
「嘘だろう、嘘だろうと思いながら4回まで我慢しちゃった。半年に1回やったのでは、計画が立たないし、これでほんとうに大丈夫なのかなって心配になりました。」
バイパス手術をチョイス
そこでAさんは病院を変え、別の治療をチョイスしました。「バイパス手術」です。
バイパス手術とは、詰まった血管に新しく脇道となる血管を縫い合わせる手術です。
Aさんは、自分の足の静脈を使ってバイパスを作ることになりました。
血管内治療と比べると手術時間も長く、入院も10日間かかりましたが、無事に退院。
手術から1年半、足が再び痛むこともなく、元気に生活しています。