新型コロナウイルス重症化のリスクが高い腎臓病 透析中・日常生活での注意点

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セルフケア・対処 慢性腎臓病(CKD) IgA腎症 急性腎障害(AKI) 腎臓

腎臓病と新型コロナウイルス

握りこぶしくらいの大きさの臓器、腎臓
体内の水分や塩分・ミネラルを調整し、不要物を尿中に排泄する働きがある

腎臓は握りこぶしほどの大きさの臓器で、体の左右に1つずつあります。体内の水分や塩分・ミネラルを調整し、不要物を尿中に排泄するのが主な働きで、全身の血液が大量に流れ込みます。ところが、糖尿病高血圧、免疫の異常などにより、腎臓の機能が低下してしまうのが腎臓病です。進行すると、定期的に透析を受ける必要があります。

こうした腎臓病の人が新型コロナウイルスに感染すると、腎臓の機能がさらに低下すると言われています。新型コロナウイルスで肺炎を併発すると、低酸素血症や血圧が不安定になります。腎臓は低酸素状態に敏感に反応するのですが、同時に血圧の低下から、腎臓内で血流不足が起こります。すると、濾過されるべき血液が減少して、老廃物が排出されにくくなり、さらに腎臓機能が低下してしまうのです。これが急性腎障害という状態です。

また、ウイルスは血管に作用し、血管内に炎症を起こすとも言われます。腎臓は血管が多く集まった臓器です。ですから腎臓がダメージを受けやすいのです。さらにウイルスは、尿を作る尿細管に入り込むことも指摘されています。

国内に1300万人!慢性腎臓病

注意が必要なのは、透析が必要な重症の患者だけではありません。国内には推定1300万人に上る慢性腎臓病患者がいると言われます。これは実に成人の8人に1人の割合です。

年代別慢性腎臓病患者の割合をあわらすグラフ

年齢別のデータで見ると、60代で15%、70代で3割程度、80代では男女ともにほぼ半分、2人に1人が慢性腎臓病になっています。

慢性腎臓病は初期には症状がない人がほとんどで、症状を自覚する頃には腎臓の機能はかなり低下していて、元に戻るのは難しいことも少なくありません。慢性腎臓病かどうかを知るには毎年、血液・尿検査を受けることが大切です。

慢性腎臓病の検査方法についてはこちら

慢性腎臓病だと新型コロナウイルスに感染しやすい?

慢性腎臓病 新型コロナウイルスの感染に注意

慢性腎臓病は、高血圧や糖尿病が原因でこの病気になった人が少なくありませんが、その原因になった病気のために免疫が弱くなっている場合もあります。

また、抗体が腎臓内にたまるIgA腎症や、腎臓から尿中にたんぱくが漏れ出すネフローゼ症候群は治療のために免疫抑制薬を使います。その結果、免疫も低下してしまうので、ウイルスなどに感染しやすくなってしまいます。腎移植を行った場合も、拒絶反応を防ぐために免疫抑制薬を使用しているので注意が必要です。

また、透析を行っている場合には、ミネラルの異常や栄養不足に陥りがちです。栄養不足になるとリンパ球や白血球の機能が低下して、免疫がうまく働かず感染しやすくなります。

透析の際に新型コロナウイルスの感染リスクを下げるには?

透析中に新型コロナウイルス感染しないために気を付けること

血液透析が必要な患者さんは、決められた時間に必ず透析を受けに行く必要があります。感染を防ぐため、透析前にロッカールームで着替えなどを行うときも、他の人と距離を保ち、ときには時間差で入室して他の人との同室を避け、着替え中もマスクを外さず会話も控えましょう。

新型コロナウイルスに感染しないために 血液透析編

透析中もマスクは外さず会話は控え、飲食はしないでください。そして、カーテンを閉めるなど、周りから遮断する対策もできればとったほうが良いでしょう。

腎臓病の方へ 日常生活での注意点

治療を継続することが何より大切です。そのためには薬はきちんと服用しましょう。薬の継続であれば、病院に電話して処方だけしてもらうことも可能です。薬局に行くときも、混みあう時間を避けることで感染のリスクを下げることができます。

また、腎臓に負担がかかり血圧も上昇する塩分を控え、減塩生活に取り組みましょう。コショウやレモン汁などで味付けする工夫も有効です。しょうゆも「かける」のではなく「つける」程度に抑えることで、減塩できます。

また、じっとしていることは腎臓にもよくありません。家事や庭いじりなどで、体を少しでも動かすことが大切です。人ごみに近づかなければ散歩もよいでしょう。無理せず少しずつ運動しましょう。

この記事は以下の番組から作成しています

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