人にうつるイボとうつらないイボの違い 種類別の治療・予防法

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〝うつるイボ〟と〝うつらないイボ〟

イボは、子どもから高齢者まで幅広い世代で起こりますが、痛みやかゆみなどの症状はありません。イボにはさまざまな種類があり、人から人にうつる「ウイルス性のイボ」と、うつらない「非ウイルス性のイボ」に大きく分けられます。

うつるイボ「ウイルス性イボ」

イボ発症のメカニズム

「ウイルス性のイボ」は、皮膚に傷があると、傷口から入り込んだウイルスによってイボができることがあります。皮膚の傷口から入ったウイルスは、表皮の最下層にある基底層まで到達し、細胞の核内に入り込みます。ウイルスはしばらく潜伏していますが、やがて増殖して皮膚を押し上げ、イボが現れます。

イボ発症のメカニズム
ウイルスはしばらく潜伏しているが、やがて増殖して皮膚を押し上げ、イボが現れる

ウイルス性のイボで代表的なものが、ヒトパピローマウイルスに感染して起こる「疣贅((ゆうぜい)」です。疣贅には、主に「尋常性疣贅」「扁平疣贅」の2種類があり、イボの性状やできやすい部位も異なります。

尋常性疣贅

ウイルス性いぼ、尋常性疣贅の症状

尋常性疣贅は、主に手の指や足の裏などに起こりやすく、隆起した丸みを帯びた形で、表面がザラザラしたイボと、ツルツルしたイボがあります。通常大きさは直径1cm程度までですが、イボどうしがくっついて、大きくなることもあります。

扁平疣贅

ウイルス性いぼ、扁平疣贅の症状

扁平疣贅は、主に顔や腕、手の甲、膝から下などに起こりやすく、平たいイボで、肌の色や茶色です。20~40歳代の女性に多くみられます。顔にできた扁平疣贅は、ニキビと間違われやすく、なかには美顔器でケアしてしまい、イボが顔中に広がってしまったケースもあるので、注意が必要です。

ヒトパピローマウイルスは、子宮頸がんの原因としても知られています。
しかし、疣贅の原因となるヒトパピローマウイルスは、子宮頸がんを起こすものとは種類が異なるため、疣贅ががん化する心配はないとされています。

伝染性軟属腫(水イボ)

伝染性軟属腫(水イボ)の症状

また、広く知られているのがいわゆる水イボです。正式な病名は「伝染性軟属腫」で、ウイルスに感染して起こるイボです。プールで感染しやすく、子どもに多く発症します。表面が滑らかで光沢があり、やがて中央がへこんできます。体のさまざまな部位にできる可能性があります。

うつらないイボ「非ウイルス性イボ」

非ウイルス性のイボは、加齢が大きな原因となるため、中年期から増えます。

脂漏性角化症(老人性イボ)

脂漏性角化症(老人性イボ)の症状

顔や手の甲、腕などに起こりやすく、表面がザラザラして褐色や黒色に盛り上がるイボです。紫外線によるシミがイボになるため、男女を問わず、長年日焼けしやすい生活を送ってきた人に多くみられます。

軟性線維腫

軟性線維腫の症状

主に首の周りに起こりますが、上胸部やわきの下、鼠径部など皮膚が薄くてやわらかい部位にも起こりやすく、褐色や黒色の、やわらかく出っ張ったイボになります。皮膚が、ネックレス、衣服の襟や袖などと擦れることで起こります。

イボのタイプによって治療法が異なる

非ウイルス性イボの治療

早めに皮膚科を受診して、イボの種類に応じた適切な治療を受けることが大切です。

液体窒素凍結法

足の裏以外の尋常性疣贅や一部の扁平疣贅、脂漏性角化症に対して行われます。液体窒素に浸した綿棒を患部に押し当て、表皮の細胞ごと破壊し、イボを治療します。扁平疣贅の場合は、過度に行うと、水疱が生じたり、あるいは、色素沈着が起きてしまったりすることがあるので、一部に液体窒素凍結療法を行う、あるいは、軽めに液体窒素凍結療法を行うことが望ましいと考えられています。

液体窒素凍結法

サリチル酸軟膏

角質が厚い足の裏にできた尋常性疣贅の場合は、サリチル酸軟膏を塗り、イボの角質を柔らかくして、剝がれやすくします。

ヨクイニンエキス

尋常性疣贅や扁平疣贅では、漢方薬のヨクイニンエキスののみ薬を併用することがあります。ヨクイニンエキスには、免疫細胞の1つであるナチュラルキラー細胞を活性化する作用があり、免疫の働きを高めるとされています。

イボの除去

伝染性軟属腫では、皮膚にテープタイプの局所麻酔薬を貼って患部に麻酔をかけ、ピンセットでイボを摘み取ります。軟性線維腫では、医療用のはさみを使ってイボを切除します。

レーザー療法

脂漏性角化症伝染では、患部にレーザーを照射してイボを治療することがあります。

イボを予防するための注意点

イボを予防するためには、日常生活で次のようなことに注意しましょう。

ウイルス性イボの場合

イボの原因となるウイルスは、手足の傷や指のささくれ、顔の小さなひっかき傷などから侵入するので、傷をつくらないようにします。また、ワセリンなどの保湿剤などを塗っておくと、ウイルスの侵入を防ぐことが期待できます。さらに、免疫の働きを保つことも大切です。そのためには、栄養バランスのとれた食事や十分な睡眠などを心がけましょう。

非ウイルス性イボの場合

脂漏性角化症を予防するためには、日焼け止めを塗るなど紫外線対策を行いましょう。また、軟性線維腫を予防するためには、ネックレス、襟や袖が硬いシャツなどは避けましょう。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2020年5月号に詳しく掲載されています。

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