【患者体験談】大人の歯の矯正 治療の方法や装置、期間について

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矯正歯科治療を受けるとき -私のチョイス-

歯並びのせいで 口が閉まらない

Aさん(女性・36歳)は子どもの頃から前歯が出ていました。成長するにしたがって、外見が気になってきたといいます。
さらに、食事をするときにも、時間がかかりました。

「食べるのがすごく遅かったです。ほうれん草を食べていてもいつまでも長いまま。かみきれないし、すりつぶせなかったから。」
それでも、Aさんは治療が必要だとまでは思っていませんでした。

ところが28歳のとき、異変が起こりました。突然、口が閉まらなくなったのです。無理に閉めると、あごの付け根が痛くなります。さらに頭痛も起こりやすくなりました。家族からは、歯ぎしりをするようになったと指摘されました。

そこでAさんは歯科を受診しました。すると、このような症状の原因のひとつが、「歯ならび」だと指摘されました。前歯が出ているだけでなく、顎のつくりが小さくて、入りきらない歯がでこぼこに並んでいる状態だったのです。

矯正の前に7本も抜歯!?

この状態を治すには、装置による矯正だけでは限界がありました。そこで親知らずを含め、歯を7本抜くことを歯科医から提案されたのです。

「歯の数が揃っていても機能していない状態よりは、歯の本数を減らして全体のかみ合わせを安定化した方がメリットが大きい」
と歯科医から説明されました。やっと納得したAさんは、この方針による治療を受けることを決心しました。

矯正治療で使用した装置、治療の期間

Aさんの場合、抜歯をしてスペースがあいた分、歯を大きく移動させる必要がありました。
そこで、ワイヤータイプの矯正装置の他に、「アンカースクリュー」と呼ばれる金属の杭のような装置を歯の根元の骨に打ちました。そこに矯正用のゴムをかけて引っ張ると、目的の歯だけに適切な力が加わり、正確な位置に移動できます。さらに、ブラケット(1本1本の歯に接着するボタンのようなもの)の間にもゴムをかけて上下両方の歯に働きかけ、効率的に動かすことにしました。

装置をつけた直後は痛みが強く、2~3日はおかゆや卵豆腐を食べていたAさん。しかし、「痛いのは歯が動いているということだ」と思い、痛みに耐えながら治療を続けました。
装置をつけてから2年後に子どもを出産しました。この頃には、あごの痛みや頭痛はなくなっていました。

そして治療開始から6年後、ついに装置を外す日が訪れました。
「ある日『じゃあ、今日外します』って先生があっさりおっしゃって、『来たっ~!』って思いました。嬉しかったです。」

矯正が終わってから、Aさんは、固いものでもためらわず食べられるようになりました。
「前歯が機能している感じがします。おせんべいや焼き肉も思いっきり食べてかみ切ることができるなっていうのを実感してすごく嬉しいです。」

矯正装置を外した後も治療は続く

Aさんは現在、矯正で動かした歯が元に戻らないようにする「リテーナー」と呼ばれる装置をつけています。あと3年ほどは、つけ続ける予定です。
「真面目につけないと元に戻ってしまうので、がんばります!」

この記事は以下の番組から作成しています

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