【ストレス解消&対処法】思考の変え方、行動を起こす、運動

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ストレス対処 4つの切り札

ストレスは、生きていくうえで避けては通れないものですが、うまく解消したり、ストレスとうまくつきあう方法を身に付けることは可能です。何事も悲観的、否定的に考えるとストレスがたまりがちです。ストレス改善のためには、そうしたネガティブな考え方を変えていくことが肝心です。
「自己肯定」「自己効力」「首尾一貫」「自己回復力」の4つの切り札を使って、ストレスとうまくつきあっていきましょう。

ストレス対処の切り札「自己肯定」「自己効力」「首尾一貫」「自己回復力」

自己肯定

どんな自分も受け入れて認めることです。これによって、他人からの評価に左右されることなく、自分の価値を感じることができて、認めることができるようになります。「自己肯定」の感覚をもつためには、自分の特徴について、肯定的に言いかえたり、見方を変えてみましょう。また、自分が"ダメ"な理由の分析よりも、「どのようにしたらうまくいくのか」という具体的な方法を考えるようにします。

自己効力

何か行動するにあたって、"きっとできるだろう" "耐えられるだろう"と思える感覚のことです。「自己効力」の感覚を身に付けるのに有効なのは、「成功体験」です。成功体験を積むと、自信がもてるようになり、さらなる成功体験を得ようと努力する傾向があります。「うまくいくだろうか」と、悲観的な結果の予測ばかりをするのではなく、「ここまで十分に努力してきた」という実感や、「まだ余力がある、まだやれる」というプラスのイメージをもつこともポイントです。

首尾一貫

ここでいう「首尾一貫」とは、一般に使われる場合の意味とはやや異なり、「ストレスに対処するための強い"支え"がある」ということです。次の3つの感覚が柱となります。

ストレスの対処 首尾一貫の柱

①困難を乗り越えて生きようとする感覚
新しいことへのチャレンジや任されたことが、「自分にとってどんな意味があるのか」を常に考えることで磨かれ、困難に対しても意欲的になることができます。

②将来起こることを予測できる感覚
身の回りの出来事を正確に把握することによって得られます。それによって、将来起こる展開をある程度予測することができ、余裕をもって対応できるようになります。

③周囲からの協力が得られるという感覚
共同作業や人とのつきあいを大切にすることで得られます。これにより、周囲の人との間に協力する関係が生まれ、"できる"という感覚が得られやすくなります。

自己回復力

誰もがもっている"心の回復力"、ストレスをはね返す、"心の弾力"のことです。自己回復力を保つためには、悲観ばかりせずに、「まんざら悪くない」と、肯定的に受け入れるようにします。誘われた集まりなどにはいろいろと参加してみて、興味や関心を広くもつようにしましょう。ストレスを減らすことよりも、自己回復力を刺激することに重きを置くとよいでしょう。

考えるより行動しよう

自分なりに考えてストレスに対処しようとしていても、日々、多くの難題がやってくるものです。そのようなときは、考えるより行動してみるとよい場合があります。

職場のあるケース

考えるより行動。職場のあるケース

  • クレームや、思いもよらないことばで精神的なダメージを受けた。
  • 荷の重い仕事を課せられた。
  • プライベートでの出来事がうまくいかず、仕事に影響している。

こういった経験をした場合、「考え方や気持ちのもち方だけで対処する」というのは、難しいものです。そこで、気持ち自体を何とかするよりも、行動を起こしましょう。

行動で対処する

  • 少しずつ、段階的に取り組む。
  • 取り組む前に、情報を集めて策を練る。
  • 同僚、家族、友達などに打ち明ける。または、聴いてもらう。
  • その状況から抜け出すために、(断る、やめる、遠慮するなど)思い切った決断をする。

ストレス解消法 まずは運動から

嫌な出来事を悔んで生活するよりも、今を楽しみながら過ごしたいものです。じつは、手軽で簡単にできる方法があります。それは、運動して脳内ホルモン「エンドルフィン」をつくり出すことです。エンドルフィンは、心肺機能を高める運動を行うと分泌されるホルモンで、高揚感や満足感、幸福感が高まり、嫌な感情や不安が和らぎます。
ランニングなどの本格的な運動でなくても、通勤や通学などの際に、今までより歩幅を広くしてリズミカルに歩いたり、公園などで少し速度を上げて散歩するだけでも効果的です。

ストレス解消法の散歩

お勧めは「休日の散歩」です。晴れた休日に散歩をすると、エンドルフィンが分泌されるだけでなく、五感も刺激されてリラックス効果が得られます。散歩中に飲み物を飲んだり、店に入って飲食をすれば、味覚も刺激されます。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2020年2月 号に掲載されています。

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