飽和脂肪酸・不飽和脂肪酸とは?適切な摂取量について

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食で健康づくり動脈硬化太ってきた全身循環器・血管胸・心臓

アブラは必要な栄養素

とりすぎると肥満の原因にもなり、心臓病や脳梗塞、そして認知症をも引き起こす動脈硬化の原因ともなるアブラ。しかし、だからといって控えすぎるのも禁物。貯蔵できるエネルギーになるだけでなく、臓器を守ったり、寒さから私たちの体を守ってくれるなど、なくてはならないものでもあります。

理想的な栄養バランスの円グラフ

厚生労働省が定めた日本人の食事摂取基準でも、肥満や生活習慣病を防ぐための栄養バランスをみると、私たちが摂取するエネルギーのうち、脂質、つまりアブラの成分を20~30%とることが望ましいとされています。

とるべきアブラ 控えるべきアブラ

不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸

アブラには常温で固まる「脂」と、常温で液体の「油」があります。「脂」の主な成分は「飽和脂肪酸」と呼ばれるもので、肉やバター、ラードなど動物性の脂に多く含まれます。

一方、植物や魚の「油」に多く含まれるのが「不飽和脂肪酸」と呼ばれます。
「飽和脂肪酸」はとりすぎると血液中に悪玉コレステロールを滞らせ、動脈硬化の原因となる脂肪酸です。つまり「飽和脂肪酸」を控え「不飽和脂肪酸」に置き換えることが、私たちの健康につながるのです。

飽和脂肪酸は脂質全体の3割以下が望ましい

日本人の食事摂取基準でも「飽和脂肪酸」は、脂質全体の3割以下に抑えることが望ましいとされているのです。

理想の食事「日本食」

動脈硬化という観点から私たちの健康を考えると、昭和40年代頃に私たち日本人の食卓に上っていた、魚、野菜、大豆が中心の「日本食」が理想の食事。かといって過度の我慢もよくありません。脂身の少ない部位の肉なら毎日食べても問題ないですし、揚げ物の週に1~2度ならかまいません。アブラの性質を理解して、賢く、健康な食生活を送りましょう。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2019年11月 号に掲載されています。

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