腕・手に力が入らない時は要注意!脳梗塞の危険な症状・兆候とは
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体の片側がうまく動かない
「腕」「脚」「顔」の片側に麻痺(まひ)が起こります。
「腕」に麻痺が出た場合は、手のひらを上に向けて両腕を前に伸ばすことで、脳梗塞による症状かどうか、素早くチェックすることができます。麻痺が出ている腕は、力が入らないため、手のひらが内側に向いて、腕が下がってきます。
「脚」に麻痺が出た場合は、麻痺のある側の脚に力が入らず、体が傾いてうまく歩くことができません。
「顔」に麻痺が出た場合は、本人はほとんどわかりませんが、いつも顔を合わせている家族などが見れば、いつもと顔が違って見えます。

思うように話せない
「ろれつが回らない」場合があります。「今日はいい天気です」など、短い文章を繰り返して発音してみます。言いにくかったり、途中の言葉や語尾が抜けたりします。
また、思うように言葉が出てこない、言っていることが理解できないなどの「失語症」も起こる場合があります。
たとえば、「めがね」などを指差して「これは何ですか?」と質問されたとき、「めがね」と答えられないことがあります。
見え方がおかしい

両目で見ても、左右どちらかの目だけで見ても、同じ側の視野の半分が欠けてしまいます。目の病気と勘違いして、眼科を受診してしまうケースもありますが、これは脳梗塞の症状なので注意が必要です。
3つの症状が消えても要注意!脳梗塞の本格的な前兆「一過性脳虚血発作」

脳梗塞の3つの症状「体の片側がうまく動かない」「思うように話せない」「見え方がおかしい」が現れたあと、数分から数十分ほどで自然に症状が消えてしまう場合があります。場合によっては、症状が1時間以上続く場合もありますが、長くても24時間以内にすっかり消えてしまいます。
これを一過性脳虚血発作(TIA)といいます。血栓が脳の血管に詰まってしまったものの、短時間のうちに血栓がとけて血流が再開するために症状が消えるのです。
一過性脳虚血発作は、本格的な脳梗塞の前兆であるので、決して安心してはいけません。治療せずに放置すると3か月以内に6人に一人が脳梗塞を発症し、その半数が48時間以内に脳梗塞を発症するというデータがあります。
症状が消えたからと安心せずに早めに適切な治療を受けるようにしましょう。
ためらわず救急車を呼ぶ

脳梗塞はもちろんのこと、一過性脳虚血発作(TIA)の症状が現れたときは、迷わずに救急車を呼び、神経内科や脳神経外科など脳卒中の専門医がいる医療機関に搬送してもらい、適切な診断と治療を受けましょう。 夜間に軽い症状が現れているような場合、「寝れば治る」と、朝まで様子を見てしまうケースが多くあります。ためらわずに救急車を呼びましょう。
発症後すぐの治療が重要!脳梗塞の治療とは