思春期のニキビ徹底解説 症状と原因、気になる治し方・予防法

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見られたくない!ニキビの悩み

ニキビの悩み

ニキビは、以前は「青春のシンボル」として、病気とは認識されていませんでしたが、「尋常性ざ瘡」というれっきとした病気です。対処を誤ると悪化して、人に見られたくない思いから、外出が億劫になるといった悩みを抱えることもあります。
また、炎症がひどいニキビは元の肌に戻らない場合もあり、放置してしまったり、誤った治療をしてしまったりすると「ニキビ痕」が一生残ってしまう可能性もあります。
早めに適切な治療を受けましょう。

今回は、俳優の前田航基さんとニキビについて考えます。また、ニキビの経験がある23歳から25歳の男性5人に集まってもらい、ニキビの原因や対処法について聞きました。

ニキビの悩み

ニキビに関するクイズ

ニキビの基本を知るためにクイズを出題します。正しいと思うものはマル、間違いだと思うのものはバツでお答えください。

問題1:油っぽいものや甘い物を食べるとニキビができやすい

問題1:油っぽいものや甘い物を食べるとニキビができやすい

正解は「バツ」です!

「特定の食材」によってニキビができたり、悪化したりといったことは、今のところニキビと直接関連があるというはっきりとした根拠はありません。ただし間食をしすぎたり、極端にバランスの悪い食事を続けることは良くないと考えられています。

じゃあ逆に、「これを食べればニキビ肌に効果がある」ってものもない?

「特定の食材」で、ニキビが良くなったりすることはありません!バランスが良くて規則正しい食生活を心がけましょう。

問題2:小さなニキビは指でつぶすと治りが早い

問題2:小さなニキビは指でつぶすと治りが早い

正解は「バツ」です!

「ニキビ」はたとえ小さくても、指でつぶしてはいけません。手や指にはいろいろな菌がついていますが、爪などに入り込んだ菌はなかなかとれず、菌が入るとさらに炎症がひどくなるおそれがあるので、自己判断でニキビをつぶすのはやめましょう。

問題3:1日1回 洗顔すると予防になる

問題3:1日1回 洗顔すると予防になる

正解は「バツ」です!

肌を清潔に保つことは大切ですが、1日1回では足りません。ニキビの治療ガイドラインでも効果が認められているのは「1日2回」の洗顔です。

ニキビの4つのタイプと経過

ニキビの4つのタイプと経過

実は、「ニキビ」にはいくつかのタイプがあります。 白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビ、黄色ニキビと、大きく4つに分けられます。

  • 白ニキビ:ニキビの初期段階で、毛穴が閉じている状態
  • 黒ニキビ:ニキビの初期段階で、毛穴が開いている状態
  • 赤ニキビ:“白ニキビ”や“黒ニキビ”が炎症を起こした状態
  • 黄ニキビ:“赤ニキビ”がさらに悪化し、黄色い膿が発生している状態

をそれぞれ指しています。
特に“赤ニキビ”や“黄ニキビ”は炎症を起こしている段階で、クレーターのようなニキビ痕が残りやすいため、できるだけ早く治療を受けましょう。

ニキビの原因

それぞれのニキビはどのように発生するのか

ニキビの原因

毛穴の奥には「皮脂腺」と呼ばれる、皮ふの表面の保護やうるおいなどを 保つために「皮脂」を分泌する腺があります。皮脂腺から皮脂が分泌されると毛穴にたまります。 通常は皮膚の表面に出ていき潤いができます。

ところが、主に男性ホルモンの影響で、皮脂腺から皮脂が過剰に分泌されると毛穴が詰まってしまいます。毛穴が詰まった状態が続くと、「ニキビの原因菌(アクネ菌)」が そこで増え、炎症が起きてしまいます。すると、ニキビの初期段階白ニキビ”が発生します。

白ニキビ、黒ニキビ、黄ニキビ、赤ニキビ 経過

そして、“白ニキビ”や“黒ニキビ”が悪化すると、アクネ菌によって毛穴が炎症を起こした状態の“赤ニキビ”に。さらに、炎症が激しく黄色く膿んでしまった状態の“黄ニキビ”へと進行するのです。

ニキビはどのような人にできやすいのか

若い頃に「ニキビ」ができやすいのはどうしてなんですか?

それは、一言で言うと「男性ホルモンの影響」が考えられます。男性ホルモンは12歳~18歳くらいまでに多く分泌され、皮脂の分泌量を増やすので、ニキビが出来やすい肌になるのです。

では、女性はニキビができにくいということですか?

そうではありません。女性も卵巣や副腎から代謝されて男性ホルモンが分泌されています。また、ニキビは男性ホルモンのほかにも、さまざまな原因でできてしまいます。

どうすれば防げるのか?正しいスキンケア方法とは

思春期のニキビは、洗顔などのスキンケアによって皮脂の量と水分量を適度に保ち、肌を清潔に保つことが大切です。スキンケアは次のことを意識して行いましょう。

洗顔

  1. はじめに手をしっかりと洗う
  2. ぬるま湯でさっと顔を洗います
  3. 洗顔石鹸をしっかりとよく泡立てる
  4. 優しく洗顔。このときできるだけ手が直接肌に触れないように、泡を転がすイメージで汚れを落としますことがポイント。
  5. 顔をすすぐときもごしごししたり、ニキビを押さないように優しく行う
  6. 洗顔が終わったらすすぎ残しがないかチェック。清潔なタオルでそっと水分をふきとる

保湿

洗顔のあとの保湿が大切です。このときも優しく、肌になじむように化粧水を使います。化粧水を使用して皮膚が乾燥しすぎるのを防ぐことで、肌の水分量が適切に保たれます。

日焼け止め

最後は日焼け止めを使用します。紫外線も肌を痛めニキビ肌のリスクとなります。特に夏のこの時期は出かける前に紫外線対策も重要です。

スキンケアでは日焼け止めを使うんですね!

化粧は?

ニキビがあるからといって、化粧をしないわけにはいかないのが実際のところでしょう。
ニキビの上に油性のファンデーションなどを使用すると毛穴を詰まらせてしまう原因になることもあります。解決策として、ポイントメイクを行うことで視線をニキビから逸らすなどが考えられます。

ニキビの治療法

ニキビの治療法

「ニキビ」のタイプによって治療法が違います。悪化した赤や黄色ニキビのことを「急性炎症期」と言いますが、急性炎症期では、毛穴のつまりをとりのぞく効果がある 「BPO(過酸化ベンゾイル)」、 アクネ菌の増殖や炎症を抑える「抗菌薬」を内服や外用で、さらに「漢方薬(荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)など)」を使用することもあります。

そして炎症が落ち着く「維持期」にあたる白ニキビ・黒ニキビでは、さきほどの「BPO」※1や毛穴のつまりを改善させる「アダパレン」※2などを使用します。

急性炎症期から維持期

ただし、アダバレンやBPOといった薬は副作用として肌の乾燥が見られることがあります。その場合は保湿剤と一緒に使用することもあります。

ニキビ 受診のタイミング

早期治療が大切ですので、ニキビが1つでもできたら、皮膚科を受診して相談しましょう。

※1:12歳未満の子どもに対する安全性は確立されていません。妊娠中やその可能性のある人、授乳中の人の使用はなるべく避けてください。授乳中の人がやむをえず使用する場合には、授乳は避けましょう。
※2:12歳未満の子どもに対する安全性は確立されていません。妊娠中やその可能性がある人には使用してはいけません。授乳中の人の使用はなるべく避けるのが望ましいですが、やむをえず使用する場合には、授乳は避けましょう。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2019年8月 号に掲載されています。

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