詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2019年7月号に詳しく掲載されています。

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日本の医療機関でよく処方される便秘薬は、「酸化マグネシウム」と「センナ」という薬草が原料の便秘薬、主にこの2種類です。
酸化マグネシウムは、便を軟らかくして排便を促す薬です。緩下剤(かんげざい)と言います。慢性的に便秘が続いているときに適していて、定期的に使用しても安全と言われています。
ただ、多く使うと血液中のマグネシウム濃度が上がることがあります。腎機能障害のある人や腎機能が低下している人、高齢者は、マグネシウム濃度が上がりやすく、筋力低下などを招く場合があります。使用する場合は、医師の指示に従って、定期的に血液検査を受けることが大切です。
センナなどの刺激性便秘薬は、使い方に注意が必要です。刺激性便秘薬は、大腸を刺激して大腸が波打つように動く「ぜん動運動」を高めて、強制的に便を排出する薬です。便秘がとてもつらいときに限って一時的に使います。ただし、この薬を日常的に長期間使っていると、耐性(薬に対する抵抗)が増し、ぜん動運動の動きが弱くなります。その結果、薬の量を増やさないと便意が現れなかったり、便意そのものがなくなったりすることがあります。
薬局で刺激性下剤かどうかわからない場合は、販売店の薬剤師や登録販売者に相談の上、購入しましょう。
最近になって、従来から使われてきた便秘薬とは働きが異なる新しい薬が、次々と登場しています。
小腸に入った食べ物・つまり便の元を、腸液の分泌を促進することで便を軟らかくし、便の移動をスムーズにして排便を促進する薬です。ルビプロストンは、特に若い女性で吐き気などが起こることがありますが、大体1週間程度で治まります。妊娠の可能性がある人や妊婦などには使用できません。
リナクロチドは、もともと過敏性腸症候群の治療に使われていた薬です。腹痛や腹部不快感がある場合に適していると考えられています。
胆汁酸の吸収をコントロールする薬です。胆汁酸は、その95%ほどが小腸で吸収されて、残り5%が大腸まで届きます。胆汁酸は大腸を強力に動かし、さらに、なめらかな便をつくるための粘液の分泌を促しています。ところが便秘の人では、大腸に届くこの胆汁酸の量が不足しています。エロビキシバットは、小腸で胆汁酸が吸収されるのをごく一部 妨ぎ、大腸に胆汁酸が十分届くようにすることで、便秘を改善します。
いずれの薬も、腎機能との関連や耐性の問題を心配する必要はほとんどありません。ただし、下痢や腹痛が起こることがあります。その場合は、薬の量を調整したり、中止してください。その後、医療機関を受診した際に必ず報告してください。
詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2019年7月号に詳しく掲載されています。