2016年2月13日(土)未来人のコトバ

トラストバンク 社長 須永珠代さん 「今はなりたい自分になる途中」

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5,000円の寄付をすると、お礼にもらえるというスイカサイダーのセット。
山形県尾花沢市の特産品です。

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愛知県碧南市では、20,000円の寄付で、バラのシロップとジャムがもらえます。

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「現代の名工」に選ばれた鬼瓦職人に表札を作ってもらえるのは、群馬県藤岡市。

今、人気のふるさと納税
その情報を1つにまとめたサイトを立ち上げたのが、須永珠代(すなが・たまよ)さんです。
使いやすさが受けて、ふるさと納税を後押し。
2008年の開始当初から、納税額は4倍以上になっています。

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愛知県 碧南市 伊藤宏匡さん
「自治体と全国をつなぐ“懸け橋”のような存在だと思っています。」

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山形県 天童市 沼澤賢次さん
「地方自治体、生産者にとっては、まさに“救世主”に近い存在なのかなと思います。」

地方の活性化とビジネスを結びつけた須永さん。
そのコトバに迫ります。

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竹内
「今日(13日)は、今人気のふるさと納税を後押しするビジネスを始めたトラストバンクの社長、須永珠代さんです。
2008年から始まったふるさと納税制度。
地方自治体に寄付すると、住民税と所得税が軽減される制度で、自治体側は寄付に対して特産品などをお礼として送るようになっていて、人気となっています。
須永さんは、それまでバラバラだった全国のふるさと納税の情報や手続きを1つにまとめる新しいサービスを始めました。

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その須永さんが大切にしているコトバが、こちら。
『今はなりたい自分になる途中』です。」

●今はなりたい自分になる途中

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およそ30人の社員やスタッフを率いる須永さん。
オフィスの入り口付近には、大きな日本地図がありました。

トラストバンク 社長 須永珠代さん
「全国1,788の自治体がありますので、それぞれの自治体の地図がわかるように、すべて表示されています。」

須永さんは、1年の3分の1は地方に足を運び、自治体関係者や生産者と会うことで、地方の特産品を発掘しています。

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須永さんが運営する、ふるさと納税のサイト。
全国の自治体の寄付に対するお礼の品が一目でわかり、誰でも簡単に申し込むことができるようになっています。

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竹内
「いろんなお肉とかお米とか、そういう種類で選べるということなんですね?」

トラストバンク 社長 須永珠代さん
「そうですね。
一番人気はお肉ですので。」

竹内
「お肉ですか、やっぱり。」

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トラストバンク 社長 須永珠代さん
「このように、ずらーっと下まで出てきます。」

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さらにお金を納めた人が、環境や子どもの教育など、その使い道を選べるようにもしています。

竹内
「ふるさと納税に目を付けられたわけですけれども、地方に目を向けたきっかけは何だったんでしょう?」

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トラストバンク 社長 須永珠代さん
「お金が首都圏から地方に流れ、地方からお礼の品が首都圏に流れ、最近では観光や移住定住などで人が首都圏から地方に行き、という循環が作れるのではないかと思ったんですね。
循環を作るのに決定的に足りていなかったのが情報だったんです。」

須永さんは、大学卒業後、派遣社員やアルバイトなどで、10以上の仕事を経験してきました。
いつか起業することを胸に、ウェブデザインの専門学校にも通いました。
しかし、34歳のときリーマンショックの影響で失業を経験。
そのとき須永さんを支えたのが、「今はなりたい自分になる途中」という言葉でした。

竹内
「“今はなりたい自分になる途中なんだ”という諦めない心というか、くじけないというか、そこが何なのだろう、何から生まれているのだろうと思うんですけれども?」

トラストバンク 社長 須永珠代さん
「いえいえ、私はもう諦めていますし、何度もくじけていますので。」

竹内
「そうなんですか?
諦めていたんですか?」

トラストバンク 社長 須永珠代さん
「もう何度も諦めましたし、何度もくじけました。
ただ、諦めてもくじけても、理想の自分を追い求めていても、今が同じであれば、そのあとどっちを選択するとなったときに、そのまま諦めたままでいるのか、理想の自分を追いかけるのかは、その選択肢は誰にでも与えられている。
それは自由ですよね、今ある状況は同じですから。
であれば、やっぱり理想の自分をもう一度描いて、そっちに向かっていったほうがいいんじゃないかなって。」

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“どんな事業をおこすのか?”。
思い悩んでいたときに、大きなヒントとなったのが、群馬県の実家で交わした父との会話でした。
ある日、須永さんは父親から“家電が壊れたので買って来てほしい”と頼まれました。
地元の電気店に見に行ったものの、インターネットの通販のほうが安いと思い、何も買わずに帰宅。
すると父から厳しい言葉が返ってきました。

トラストバンク 社長 須永珠代さん
「地元の量販店で買えば、地元の店にお金が落ちると。
私自身、今までの消費の価値基準の中に、どこにお金を落とすかという価値は全く持っていなかったんですね。
そういった考え方って、とても素敵だなと思い、とにかくその地域が元気になるようなサービスを開始したいと思いました。」

ふるさと納税を、サイトを通して後押しする現在の事業。
年々、納税額は増え続け、全国の自治体からも感謝の声が相次ぐようになっています。
それでも須永さんは、まだ「なりたい自分になる途中」だと言います。

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トラストバンク 社長 須永珠代さん
「ずっとこれは一生なんだろうなと思っているんですけれども、常になりたい自分の途中でいて、それに少しずつ近づいていればいいかなと。
ふるさと納税を通じて、地方自治体にヒト、モノ、カネ、情報が流通しだしたんですけれども、その中でも、まだヒトという部分について、なかなか地方へのヒトの移動は起きていません。
今後はそのヒトがどう地方に、人材が地方に行くか、または、地方で人材を育てるかというヒトに焦点をあてて、いろんな事業を展開していきたいと思っています。」

竹内
「髙田さん、どうご覧になりましたか?」

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ジャパネットたかた 前社長 髙田明さん
「須永さんに会いたくなりましたね。
すばらしいですね。
あのようなことをおっしゃっていただくお父さんというのは、またすばらしいですよね。
須永さんが“今はなりたい自分になる途中”とおっしゃっていたんですけど、僕もその言葉が大好きで、“人は思う通りの自分になる”とゲーテが言っているんですよ。
これはすごく情熱を持って、毎日、自己更新をかけて、
“人のために役に立ちたい”という須永さんの思いで
ふるさと納税のサイトができたんだろうと思うんですよ。
でも、ふるさと納税は全体的にこれが充実しているかということではなくて、実体間でお金を回しているだけだという考え方もありますよね。
こちらが良くなれば、こっちが少なくなっている。
だから、日本は地方創生と掲げているが、返礼品が有名になればそこで雇用が生まれてくるという、そこにつなげていくのが、ふるさと納税が一番目指すべきところじゃないかなというふうに思うんです。」

野口
「まさにおっしゃっていたヒトのところですよね。
髙田さんは、『未来人のコトバ』で登場いただいたとき、今も言葉がありましたが、“常に自己更新”だとおっしゃられて、須永さんも同じ意味ですよね?」

ジャパネットたかた 前社長 髙田明さん
「そうですね。
やっぱり人は情熱を持っていけば、なれるんじゃないかなと思うんですけども。」

竹内
「私もインタビューをさせていただいて、もう1つ印象的だったのが“どうしても実現させたいことがあるときは、覚悟をすることが必要”だとおっしゃっていたんですね。
須永さんの場合は、30代後半で、その当時、比較的順調だった仕事をきっぱりと辞めて、退路を断つという覚悟をしたからこそ、今の須永さんの姿があるということで、覚悟をするからこそ、なりたい自分になっていけるのかなと思いましたね。」

ジャパネットたかた 前社長 髙田明さん
「覚悟をする。
そして、やり続ける、継続していく。
企業もそうしていけば、頑張れるんじゃないでしょうかね。」