2017年2月4日(土)特集 フロントライン

徹底解説!今さら聞けない“仮想通貨”

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野口
「今夜の『特集フロントライン』は、仮想通貨です。
竹内さん、私も優しく解説できるほど知らないんですけど、仮想通貨はどんなものか分かりますか?」

竹内
「よく目にしますけれども、仕組みとか詳しくは分からないです。
注目されている、ということはよく分かっているので、知りたいという気持ちはあります。」

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野口
「金融界でも注目されている仮想通貨。
今日(4日)は、基礎から最新の動きまでわかりやすくお伝えしようと思っています。
仮想通貨の中で代表的なのは『ビットコイン』、日本では利用できる店が先月末で6,000か所になり、1年前に比べると実に6倍に増えたということなんです。
日本でも徐々に利用が広がっているとして、新たな法律も今年(2017年)施行されることになっていて、今年は“仮想通貨元年”とも言われています。
まず、知っておきたいのは、仮想通貨は私たちが使っている円やドルとは大きく違うということなんです。

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例えば、私たちが普段使っている円を発行しているのは日本銀行です。
その日銀の信用によって価値が生まれていると言えます。
これに対して、仮想通貨は、まず仮想ですのでモノはありません。
それに、基本的に誰かが発行しているというものではないので、その信頼性はインターネット上でやり取りされた記録が支えていると言ってもよいかもしれません。
これは少し大事なことなんですが、この説明だけでもまだ分からないと思いますので、仮想通貨についての素朴な疑問をいくつか挙げてみます。」

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竹内
「まずは、“仮想通貨ってどんな仕組みなの?”。
そして、“どうやって使うの?”。
さらには、“どんなメリットがあるの?”。
そして、やっぱりこれ大事ですが、“信用できるの?”。
これらの疑問に応えるVTRを、まずはご覧ください。」

●基礎からわかる仮想通貨

野口
「森永さん、この仮想通貨、どんなところに注目していますか?」

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経済アナリスト 森永卓郎さん
「ブロックチェーンというのは、取り引きをする人同士で評価してチェックするんです。
成果主義の評価のときに、『ピアモニタリング』と言って、みんなで評価したほうが上司が評価するよりも正確に評価できる。
だから危ないということはないと思うんですけど、上司が評価権を失う。
お金で言うと、日銀という管理者がいないというところが、私はちょっと古い人間なので大丈夫かなと、金融政策ができなくなってしまうのではないかと心配しています。」

野口
「スタジオには、経済部の山田記者です。
今、不安な話が出ましたけど、仮想通貨のメリットはどんなところですか?」

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山田裕規記者(経済部)
「まさに今“ブロックチェーン”という言葉が出てきましたけど、低コストで運用できるため、安くて早い取り引きができるということなんです。

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送金や決済をする場合、これまでは金融機関が仲介をして取り引きを行っていたので、手数料も時間もかかっていました。
しかし、仮想通貨はインターネット上でやり取りされていて、金融機関の仲介が無いということで、コストも安くて早く済むということなんです。
これはブロックチェーンという技術が支えていて、取り引きのデータをコンピューターのネットワーク上で分散して共有していて、1つが改ざんされても全部改ざんされることは難しいということで不正も起こりにくいと言われています。」

竹内
「ただ、やっぱり利用しようと思うと“本当に信用できるのか”というところが疑問なんですけれども、数年前、取引所で通貨が無くなる事件もありましたよね?」

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山田記者
「3年前の『マウントゴックス事件』ですけれども、東京のマウントゴックスというビットコインの取引所から顧客の巨額のビットコインが無くなってしまい、日本で仮想通貨への不信感がかなり高まりました。
これは取引所の社長が顧客の資産を着服していたとされていて、“ビットコインの仕組み自体には問題はなかった”とされています。
日本では数十万人がビットコインを利用していますが、値上がりを目的とした人が多いと言われています。
価格の変動のリスクには見極めが必要だと思います。」

竹内
「森永さん、日本は世界で見ると普及は遅れているんですか?」

経済アナリスト 森永卓郎さん
「日本はまだまだ現金社会なので、どうしても現金に偏っているんですけれども、世界で見ると、ビットコインで普通にeコマースでネットショッピングが簡単にできるようになっているんです。
だから、どんどん広がっていくのは抑えられないというか、逆に言うと、我々にとっては低コストで簡単に取り引きできるので、すごく便利になる面は確かにあるんです。」

野口
「日本の場合は現金主義もあるし、円の信頼がまだあるからですよね?」

山田記者
「日本ではビットコインを使える店も増えてきていて、政府も取引所の規制強化に乗り出すということで、利用が増えてくるのではないかとも言われていますけれども、まだ海外に比べて“国際送金とかの需要がどうかな”という面はあると思います。
世界では、国によっては通貨の信用が無くなってしまったんです。
自国通貨の信用が無い国や価格が値下がりし続けてしまった国とかでは、ビットコインのほうが安全ということで需要が高まることはあると思います。
さらに外国に出稼ぎしている人なんかでは、国際送金が安くて早く便利だということで使っている人も多い。
世界では1千数百万人が利用していると言われています。」

野口
「この仮想通貨の利用が広がると困るのは、手数料を収益の1つとしてきた金融機関です。
今、銀行の間では、仮想通貨のブロックチェーンの仕組みを取り入れた対応を模索する動きが始まっています。」

●ブロックチェーン 広がる可能性

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山田記者
「VTRにあった銀行独自の仮想通貨なんですが、三菱東京UFJ銀行では今年4月から行員を対象に運用を始めて、来年(2018年)春には金融当局の許認可を受けた上で、一般向けに広げたいとしています。」

野口
「ブロックチェーンの仕組みを使っていくということですけど、話を広げると、ブロックチェーンが持っている可能性はどんなところですか?」

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山田記者
「地域活性化にもつなげられると期待されています。
地域通貨とか商店街のクーポンなどをブロックチェーンを使って、コストをかけずに簡単に発行することができます。
福島県会津若松市で去年行われたアニメのイベントでは、地元の大学やベンチャー企業が、このイベントで参加者がゴミ拾いをしたり交流をすることで仮想通貨が発行されてもらえるという実証実験をしました。
今までの紙や電子マネーといった地域通貨ではコストがかかっていて普及しづらいというケースもあったんですけれども、これならスマホがあればすぐ作れてしまうということです。
ブロックチェーンの技術はお金に限らず、例えば不動産登記や医療データにもデータのやり取りなど使えると期待されています。
経済産業省は“ブロックチェーンの技術で生まれる市場規模を将来的には67兆円に拡大するのではないか”としています。」

野口
「森永さん、仮想通貨で言うと、例えば“ネットのシステムが大丈夫か”とか価格がこれだけ上下するのは相当リスクがあるでしょうし、今、インターネットでは怪しいサイトもたくさんあるので、いろんなリスクは介在すると思うんですが、ブロックチェーンについての可能性についてはどうですか?」

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経済アナリスト 森永卓郎さん
「ブロックチェーンについては、間違いなく大きなマーケットになっていくと思うんです。
ただ、どこが勝ち残るかというのがまだ見えないんです。
仮想通貨自体も何百種類も出ていて、今はビットコインの独り勝ちなんですけど、私は安泰ではないと思っています。
もしかすると、三菱UFJがやるような通貨とリンクの強いものが主流になってくるかもしれないですし、そこはちょっと見えないんですが、全部ネットに依存しているので、インターネットへの接続がダウンしたときに貨幣経済がどうなるのか心配ではあります。」

野口
「今までクレジットカードも含めて電子マネーもそうですし、インターネットにある程度寄りかかったシステムがあるわけです。
仮想通貨は全部そこですもんね?」

経済アナリスト 森永卓郎さん
「そうですね。
今はいざとなったら“お札で払えばいいや”という最後の砦があったんですけど、それを無くすところまでいってしまうのかなというのは怖いですね。」

野口
「特集で扱ってみて分かったのは、はるかに早いスピードで仮想通貨のシステムが普及しているような気がします。
仮想通貨とそれを支えるブロックチェーンがどんな変革をもたらすのか。
社会をどう変えていくのか、これからも注目です。」