2017年10月7日(土)特集 フロントライン

広告が変わる!? マイクロインフルエンサー最前線

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野口
「今夜の特集のテーマは『マイクロインフルエンサーが広告を変える』。インフルエンサーとはもともと“世間に影響を与える人”という意味です。そのインフルエンサーたちが主に活躍する場が『インスタグラム』という写真共有のSNSサービスです。自身のアカウントを使って、ネット上に無料で簡単に画像を投稿することができます。」

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八木
「その内容を常に見ている人、いわゆるファンの人たちを『フォロワー』と呼びます。フォロワー数が多い人ほど、影響力が高い、ということになります。フォロワーの人数が100万人以上というのは、『トップインフルエンサー』と呼ばれ、これは一握りの芸能人や著名人ですが、今日(7日)特集する『マイクロインフルエンサー』は、フォロワー数は数千から数万人くらいという一般の人たちで、このマイクロインフルエンサーこそが、これまでの広告を変えると、注目されているんです。どんな人がマイクロインフルエンサーになって、企業側の期待はどこにあるのか、まずはこちらをご覧ください。」

●広告を変える!? マイクロインフルエンサー

八木
「スタジオには、マイクロインフルエンサーに詳しい戦略PRプランナーの、本田哲也(ほんだ・てつや)さんにお越しいただいています。」

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野口
「この話だと、まず最初にステルスマーケティング、ステマって言われていますけど、企業から報酬をもらっているのに広告とは言わずに“いいわよ、これ”なんてやっているのが問題にありますが、この話は本田さんにあとでゆっくり聞くとして、まず最初に見ていただきたいのは、こちらの調査。『どのようなメディアを信頼するか?』ということを複数回答で聞いた調査です。企業のウェブサイトやテレビ広告よりも、友人や家族からの推薦が一番多くなっているということなんですが、本田さん、つまりここがマイクロインフルエンサーの居場所というか、信頼されている証なんですか?」

ブルーカレント・ジャパン社長 本田哲也さん
「結局、昔から“口コミ”っていうことがありますけど、企業が言っていることよりも友人とか知人とか、なんなら家族の言っていることを信頼する。これは当たり前の話であって、デジタル時代になって、一般の方が情報発信を始めて“メディア化”したところが、インフルエンサーがこれだけ活躍するようになってきている1つのポイントじゃないかと思います。」

野口
「マイクロインフルエンサーは、家族というより“友人的”な人たちの情報を信用するというか、大事なことはどういうことですか?」

ブルーカレント・ジャパン社長 本田哲也さん
「“信用”もすごく大事なポイントだと思うんですけど、もう1つ、“共感”ですね。先ほどのVTRでも企業の方がおっしゃっていましたが、いかに共感していただくかというのがポイントになったときに、テレビのCMがいくら“おもしろい、すごいな”となっても、共感することとは、またちょっと違うポイントだったりしますよね。なので、この共感をどう得るかというところがポイントかなというふうには思います。」

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八木
「その共感を得るためには、やっぱりフォロワーが多いほうがいいのではないかと思うんですが、夏野さん、100万人いるトップインフルエンサーではなく、あえてフォロワーが1万人程度のマイクロインフルエンサーに企業が働きかけていく点もおもしろいですよね?」

慶應義塾大学 特別招聘教授 夏野剛さん
「100万人規模になってしまうと、広告ですよね。100万人クラスでは、自分の私生活を全部出すというよりは、少し宣伝的な目的があったりするんですけど、こういう1,000人、2,000人、あるいは1万人ぐらいの方は、本当に自分でライフスタイルを全部表現して、それに共感して、それを見てる人たちですので、まったく違う。広告というよりは“深告”、深い告知ができるんですよね。そうするとまったく違う役割がありますね。」

野口
「本田さん、ステマの話ですけど、今、マイクロインフルエンサーの人たちはステマとの区別はしているんですか?」

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ブルーカレント・ジャパン社長 本田哲也さん
「“関係性”って言いますけれども、企業と自分たちの関係を見せることがポイントだったりするんです。例えば、マイクロインフルエンサーの方がいろんな情報をあげたときに、ハッシュタグ『♯PR』と入っていますが、これはやり方の1つなんですけれども、これは企業から商品を提供いただいたりして、“関係が一応ありますよ”と、“PRということでやっていますよ”ということをフォロワーに分かっていただくために入れている。」

野口
「ステルスじゃなくて、見えるようにしているために『♯PR』というハッシュタグを入れるということなんですね。」

ブルーカレント・ジャパン社長 本田哲也さん
「ただ、これを皆さんがやっているかというと、そうでもないというのが今、問題としてはあります。」

野口
「ここまでは、20代の女性が中心のマイクロインフルエンサーを見ていただきましたが、企業はここだけではありません。どうやらシニア層にも同じような動きが出始めているようです。」

●シニアのインフルエンサー 今後 企業は…

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野口
「シニアの動きでしたが、本田さん、シニア層へのマイクロインフルエンサーの広がりをどんなふうに見ていますか?」

ブルーカレント・ジャパン社長 本田哲也さん
「すごく可能性があって、おもしろい話だなと思います。シニアって言うんですけど、そもそも今のご年齢の方々って、スマホも相当使いますので、そこがまず、それほど難しくなくなってきているというのがありますよね。あと、いわゆるシニアビジネス、シニア向けのビジネスがインスタグラムなんかと相性がいいわけです。例えば、料理。あと旅行。世界一周クルーズとかありますよね。ああいった、いわゆる“インスタ映え”って言いますけども、非常にビジュアルとして相性がいいんです。こういうことを考えると、これからすごく伸びてくるんじゃないかなというふうに思います。」

●マイクロインフルエンサー 企業の対応は

野口
「じゃあ、これから企業は、マイクロインフルエンサーとどういう付き合いをしていくのがいいんですか?」

ブルーカレント・ジャパン社長 本田哲也さん
「ひと言でいうと、対等なパートナーみたいなことかと思っています。これまでの広告ですとか、あるいはタレントの起用というのは受注・発注とか、取り引きという意味合いが強かったと思うんですけど、これが対等に、お互いのメリットになるというパートナーみたいな関係というのを気をつけることが大事だと思います。」

●広告を変える!? マイクロインフルエンサー

八木
「夏野さんは、こういった広告業界の変化も含めて、ここまでどうご覧になりましたか?」

慶應義塾大学 特別招聘教授 夏野剛さん
「ITとか、スマホとか、こういった技術が何をもたらしたかというと、個人と企業の関係性、これを本当に変えてしまった。ですから、20世紀はやっぱり会社のほうが上で、個人というのは非力で、小さい存在ということが、この需要の世界でもまったく変わって、本当にみんなが対等になった。場合によっては個人のほうが強いというようなことも出てくる。そういう時代になったということですね。」

野口
「こういう話はデジタルですが、お2人の話を聞いていて、私は商品の手触り感というか、それをどうやって伝えるかっていうのが多様な時代になったんだなというのを、つくづく感じました。」

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