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平成26年2月25日

経営委員会

2月12日経営委員会での議論について

 

 2月12日の第1207回経営委員会で行われた、籾井会長の発言に関わる議事内容の一部を公開します。

 

 −第1207回経営委員会議事録(抜粋)−

 (浜田委員長)

 本日の議題は以上ですが、全体を通じて発言等はありますか。

 (美馬委員)

 会長にお聞きしたいと思います。きょう承認いただいた前回の経営委員会の議事録の中にある、私の質問についてです。今起こっている事態の収拾をどのようになさっていくお考えなのか、具体的なアクションについて質問させていただいたところ、放送法にのっとり職責を粛々と実行していきたいというお答えをいただきました。その後2週間の間にいろいろな動きがあったと思います。私自身は、これは組織における危機的事態だと認識しています。会長として、このクライシスマネジメントをどのような体制で行うのか、そしてその計画はどうなっているのかについてお伺いしたいと思います。欠陥商品あるいは不祥事などが生じた際、発生発覚後の対応によっては組織の信頼が失墜することがあるように、今回のことは、公共放送機関としてのNHKの存亡にかかわる事態に発展する可能性もあると考えます。そこで、具体的な今後の対策や組織体制等を教えていただければと思います。

 (籾井会長)

 まずこういう事態になったことについては、私自身、公式の記者会見で私的意見を述べたことについて大変申しわけなく思っています。ただ、私の発言の真意とはほど遠い報道がなされているわけです。これはぜひ理解していただきたいと思います。また、ぜひ会見の議事録を通読していただきたいと思います。現実に何が起きているかというと、私は、衆議院・参議院等々に出向き、いろいろな質問に答えています。要するに何を言われているかというと、私が個人的に言ったことの一つ一つについていろいろ質問されています。ご承知のとおり私が個人的意見として申し上げたことが、記者会見では認められなかったわけです。認めるも認めないも、私はそういう場であれするかどうかは分かりませんが、そういうことだったので、ぜひ一回見ていただきたいと思います。今の状況については、国会に行き、陳謝もし、衆議院の予算委員会3回、参議院の予算委員会1回、衆参総務委員会にそれぞれ1回出席し、質問に答えています。あすも衆議院の予算委員会において質問を受ける予定になっていますが、まずこの場を乗り切ろうと考えています。また、クライシスマネジメントをどうするかについては、やはりこつこつと放送法にのっとり放送を続けるということではないかと思います。何回も言っているとおり、私は個人的な意見を放送に反映させる気は毛頭ありません。そういうことを続けていくことによってNHKの信頼は回復できると思っています。以上です。

 (美馬委員)

 そうすると、例えばこれから想定される損害、例えば収入減に対して何か対策を立てる、あるいは海外のメディアでも今いろいろ問題になっていますが、そこへの信頼回復に向けて特段何か実行するわけではなく、粛々と番組を作り放送していくということでよろしいでしょうか。

 (籾井会長)

 よろしいと思います。それから、ぜひこの前の記者会見のテキストを全部見ていただきたい。

 (美馬委員)

 もう十分読みました。

 (籾井会長)

 それでもなおかつ私は大変な失言をしたのでしょうか。

 (美馬委員)

 その場での発言がどうだったかということを言っているのではなく、その後発生した今起きている事態に対して、組織としてどのように対応していくのかについてお尋ねしたのです。私は経営委員として、NHKがこれまでの信頼を回復して、ぜひとも世界に誇る公共放送機関として存続していただきたいと考えています。私もそこにかかわっていることから、組織としてどうしていくのかについてお聞きしたわけです。

 (籾井会長)

 今申し上げたように、われわれとしては、放送で信頼を回復していくことが、たぶん長い目で見た場合の方向だと思います。それから直近としては、営業で収入減が起こるとすればそれを回復していくということです。美馬委員から見ると原始的に思えるかもしれませんが、実際にセールスというのは営業でカバーするのが一番の方法だと思っています。対策をどうするかということについては、正直よく分かりません。というのは、就任記者会見を就任したその日に行うということは、今後は避けたいと思います。なぜならば、記者会見のルールも知らないときに会見を行ったわけです。別に私が言ったことを弁解しているわけではありませんが、そういうことも含めてやり方についてはもう少し検討させていただきたいと思います。

 

<付記>

 

 なお、本日(平成26年2月25日)開催の第1208回経営委員会の中で行われた、「第1207回経営委員会の議事録確認」の際、籾井会長から次の発言があった。

 

 議事録を確定する前に、私から前回の経営委員会での発言について一言申し上げたいと思います。この中で、私は美馬委員の発言を受けて「それでもなおかつ、私は大変な失言をしたのでしょうか」と申し上げました。これは、私の真意とは程遠い報道がなされていることに対して、私の真意、気持ちを理解していただきたい一心で申し上げたものです。
 会見で申し上げたかった私の真意は、放送法を守り、公平・公正な放送を行っていくということです。しかし、個人的な見解を発言してしまったことで、その真意がきちんと伝わらなかったのではないかと思うに至りました。前回の経営委員会での発言は、その思いを申し上げたつもりでしたが、皆さまの誤解を生む結果になってしまいました。深く反省し、お詫びいたします。よろしくお願いいたします。

 

 これを受けて、浜田委員長から籾井会長に対して、以下の申し入れを行った。

 

 私からも一言申し上げたいと思います。放送法を守り、公平・公正な放送を行っていくという真意・気持ちを理解していただきたいという一心から発せられた一言であったとお聞きしました。しかしながら、就任会見以降、NHKとして事態の収拾にあたっている状況において、経営委員会で再度、誤解を招く発言をされたことについては、ご自身の置かれた立場に対する理解が不十分であると言わざるを得ません。一刻も早い事態の収拾に向けて、役職員一丸となり、誠心誠意、取り組んでいただくよう経営委員長として重ねて要請いたします。

 

 籾井会長からは、「一同一丸となって、誠心誠意努めてまいりたいと思います」と発言があった。

 

以上