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平成29年度 第5回
視聴者のみなさまと語る会in熊本
(平成29年10月28日(土))

 

<会 合 の 概 要>

 「経営委員会による受信者意見聴取」の平成29年度第5回は、熊本放送局で実施し、「公共放送の役割」などNHKの経営全般に関すること、「NHKの全国放送や地域放送のあり方」など放送に関すること、の2つのテーマについて、公募による52名の視聴者から意見を聴取した。

 

<会 合 の 名 称>

視聴者のみなさまと語る会in熊本

 

<会 合 日 時>

平成29年10月28日(土) 午後1時30分〜午後3時40分

 

<出  席  者>

〔参 加 者〕

視聴者の皆さま52名

〔経営委員〕

石 原  進   (委員長)

 

高 橋 正 美  (委員)

〔執 行 部〕

堂 元  光   (副会長)

 

坂 本 忠 宣  (専務理事)

 

山 下   毅   (熊本放送局長)

〔 司 会 〕

西 東  大    アナウンサー

 

< 会    場 >

 熊本放送局 汎用スタジオ

 

< 開 催 項 目 >

 以下のとおり進行した。

 

1 開会あいさつ

2 経営委員による説明

  協会の基本方針、その他協会の運営に関する重要な事項について

3 意見の聴取

 (1) NHKの経営全般について

 (2) NHKの放送について

4 閉会あいさつ

 

 「視聴者のみなさまと語る会」終了後、「『ブラタモリ』制作の舞台裏」と題して、中村貴志チーフ・プロデューサーによる講演会を開催した。

 

<概要・反響・評価>

  • 公募の結果、はがき、ホームページを通じて132名から参加の申し込みがあった。

  • 語る会には、52名が参加し、「受信料」「公共放送の役割」などNHKの経営全般に関すること、「NHKの全国放送や地域放送のあり方」など放送に関すること、の2つのテーマについて意見や提言を募った。

  • 参加者からは、「受信料の公平負担」「コンプライアンス」「2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた取り組み」「地域放送の充実」など、多岐にわたる意見や提言が寄せられた。

  • 語る会終了後に行ったアンケートには、52名全員から回答があった。主なアンケートの結果は次のとおり。

    <参加者の満足度>
     「大変満足」9名、「満足」29名、「普通」9名、「不満」2名(未記入3)

    <経営委員会の仕事について>
     「今回のイベントに参加して、経営委員会の活動について理解が深まりましたか」との質問に対し、「経営委員会の活動について理解が深まった」との回答が40名からあった。


◆協会の基本方針・重要事項の説明

 (高橋委員)

 はじめに「公共放送の役割」についてご説明します。公共放送、NHKの大きな役割の一つは、「命と暮らしを守る」ということです。
 NHKは、災害対策基本法で、報道機関として唯一、指定公共機関に定められています。防災・減災報道はNHKの重要な使命です。地震、津波、台風などの災害、人命や国民生活に重大な影響を及ぼす非常事態が起きた場合、NHKでは、公共放送として、正確で、わかりやすい情報をより早くお伝えするために、全力を挙げて取材・報道に取り組んでいます。
 また、NHKには公共放送として、正確で公平・公正な情報や豊かで良質な番組を幅広く提供し、健全な民主主義の発展と文化の向上に寄与するという大きな役割があります。そのためにも、報道機関として不偏不党の立場を守り、番組編集の自由を確保し、何人からも干渉されず、ニュースや番組は外からの圧力や働きかけによって左右されてはなりません。NHKは、放送の自主・自律を堅持することを徹底しています。
 豊かで、かつ、よい番組の放送を行うこと、それにより文化水準の向上に寄与すること、これも放送法で定められているNHKの役割です。この基本理念のもと、地上・衛星・ラジオで、7つの放送波を使い、あまねく日本全国に放送を届けることで、公共の福祉の増進と、文化の向上に最善を尽くしています。
 放送の発展の歴史においてNHKは、放送技術の進歩における先導的な役割を果たしています。8Kスーパーハイビジョンなど、新たなサービスやメディアの創造に向けた取り組みを積極的に進めています。
 日本発の情報を世界に発信していくことも、重要な責務の1つです。NHKでは、日本から世界へ英語で情報を発信するテレビ国際放送、NHKワールドTVをはじめ、4つの海外向けサービスを行っています。
 また、地域を応援するために、全国各都道府県で地域に根差した番組を制作しています。熊本でも「クマロク!」など、夕方6時台のニュースをはじめ、さまざまな地域番組の放送やイベントを開催しています。
 このような公共放送の役割を果たすための財源は、皆さまからの受信料です。受信契約の締結は放送法でも定められていますが、皆さまに公平に負担していただく受信料だからこそ、特定の利益や意向に左右されることなく、公共放送としての役割を果たすことができます。このように、公共放送NHKは、皆さまに広く支えられて運営されております。
 このような公共放送としての重要な役割をNHKが果たしていくために、NHKの経営に関する基本方針の議決や、NHK執行部の役員の職務の執行の監督、会長の任命、副会長及び理事の任命の同意など、NHKの経営に対して重い責任を負っているのが経営委員会です。
 放送法には、経営委員会の設置や権限、組織などが定められています。経営委員会の委員は、「衆参両議院の同意を得て内閣総理大臣より任命される」、「委員の選任にあたっては、教育、文化、科学、産業、その他の各分野及び全国各地方が公平に代表されることを考慮しなければならない」と定められています。委員の任期は3年、定員は12名です。
 また、経営委員の中から監査委員が任命されることになっており、経営委員を含めた役員の職務の執行を監査する役目を担っています。私もその一人です。
 そして、私たち経営委員がその重責を果たすため、視聴者の皆様のご意見を直接伺うことも放送法に定められており、本日はその機会として、熊本放送局にお集まりの皆さま方から、NHKに対する忌憚のないご意見をお聞かせいただきたいと心より思っています。

 

 平成29年度は3カ年経営計画の最終年度として、経営計画の5つの重点方針に沿った事業運営を着実に実施します。
 事業収入は、受信料収入の増などにより、前年度予算に対し101億円の増収となる7,118億円を見込んでいます。
 事業支出は、4K、8K番組の制作強化や、ピョンチャンオリンピック・パラリンピック放送を実施するなど、国内放送や国際放送を充実する一方で、給与の削減をはじめ、事業運営の一層の効率化により、前年度予算に対し、83億円の増となる7,020億円を見込んでいます。
 以上により、事業収支差金は98億円となりますが、平成30年度以降の新サービスの充実に備え、全額を財政安定のための繰越金に繰り入れます。経営委員会としては、平成29年度予算の執行にあたり、受信料の重みを自覚し、コスト削減や効率的な事業運営に心がけ、予算、事業計画の着実な実行に努めることを求めています。また、次の3年間の経営計画の策定に向けて、経営委員と執行部の間で議論を重ねています。
 本日、熊本放送局にお集まりの皆さまからいただくご意見、ご要望は、経営委員はもちろん、執行部とも共有し、今後のNHKの経営に反映させてまいりたいと考えています。

 

 

《視聴者のみなさまからのご意見とNHK側からの回答》

 

第1のテーマ:NHKの経営全般について

(司会)
 皆さまからご意見を伺う前に、事前のアンケートでいただいたご意見・ご要望の中から、「受信料の公平負担の徹底」について、経営委員と執行部からお答えします。

(高橋委員)
 公共放送の意義を考えた時に、受信料をお支払いいただいていない方に対して、放送を提供しないということは難しいと思います。
 NHKは災害対策基本法で、報道機関として唯一、指定公共機関に定められており、地震、津波、台風などの災害が起きた時に、受信料をお支払いいただいていないからといって情報をお伝えしないということは許されません。
 受信料制度の重要性について、十分ご理解をいただき、一人でも多くの方にお支払いいただくような努力を今後とも続けていきたいと思います。
 経営委員としては、公平負担を徹底していくことは、公共放送の責務を果たすために非常に重要なことだと理解しています。

(坂本専務理事)
 公共放送NHKは、いつでも、どこでも、誰にでも、確かな情報や豊かな文化を分け隔てなく伝えるということを基本的な役割としており、その財源が受信料です。皆さまに公平に負担していただく受信料だからこそ、特定の利益や意向に左右されることなく、公共放送の役割を果たしていけると考えています。
 受信料制度は、視聴者の皆さまに公平に負担していただくことが大原則であり、公平負担を徹底し、不公平感を解消することは、NHKの重要な責務だと考えています。そのため、受信料をお支払いいただいていない方を一軒一軒訪問し、テレビをお持ちであれば受信契約をお願いする活動を行っており、現在、公平負担の徹底に向け、公開競争入札等による外部法人の委託の拡大や、訪問によらない契約・収納方法などの営業改革に取り組んでいるところです。さらに、事業所や世帯に対する未契約者への民事手続き、未払者に対する支払督促を確実に実施するなど公平負担に向けて、最大限の取り組みを行なっています。
 また、放送やイベント、ホームページ等を活用した公共放送の役割や受信料制度の理解促進を図るなど、受信料の公平負担、支払率の向上に組織を挙げて取り組んでいきたいと考えています。

【会場参加者】
 若い人たちのNHK離れが気になります。受信料の公平負担は当たり前ですが、さらに財源を確保し、すべての年齢層の視聴者に対して魅力ある番組を制作・放送することを考えるべきではないでしょうか。
 また、海外ではコマーシャルを流し、広告収入を得ている公共放送もあります。そのような方法による収入増を図るということも検討してはいかがでしょうか。

【会場参加者】
 自宅にテレビがあるのに受信料を支払わない人に対してNHKが裁判を起こしていることをニュースで知りました。裁判の結果により、NHKがどのように対応するのかを教えてください。

【会場参加者】
 NHKの民営化を検討してはどうでしょうか。視聴者からの受信料だけで運営するのは、少し時代に遅れているのではないか、という気がします。

(堂元副会長)
 受信料をお支払いいただいていない方に対し、いきなり裁判に持ち込むというようなことはありません。まずはお願いをし、ご理解をしていただくというのが大前提です。お願いを重ねてもなお、お支払いいただけない方に対して、支払督促や未契約訴訟を行うこともありますが、これは、最後の手段というのがNHKの考え方です。
 最高裁の裁判について、その中身に言及することは差し控えさせていただきますが、現在の受信料制度が憲法に違反するかが最大の焦点になっています。
 放送法で明文化されているように、NHKの放送を受信することのできる設備を設置した場合には、受信契約をしていただかなくてはならず、総務大臣の認可を受けた受信規約において、受信契約をいただいた場合は、受信料をお支払いいただかなくてはならないことが定められており、NHKは、この定めが「憲法上違反するものではない」ということを裁判で主張していますが、現段階においては、裁判結果を見守るということ以外に申し上げにくい状況です。
 民営化と広告収入についてのご意見もいただきました。NHKは、広告収入を財源としていませんが、韓国など海外の公共放送の中には、コマーシャルなどの広告収入を財源の一部としているところもあります。
 しかし、広告収入が財源となれば、特定の利益に左右されることになり、NHKの「公平・公正」「自主・自律」という公共放送の使命に大きな影響が生じることも考えられます。また、民営化は財源を広告収入に依存することになりますので、NHKとしては慎重にならざるを得ません。
 日本の放送は、公共放送であるNHKと民間放送の二元体制で成り立っています。NHKが巨大な民間放送局となることは望まれておらず、現時点において、NHKの民営化を検討する状況にはありません。

(石原委員長)
 日本の放送は、公共放送と民間放送の二元体制で成り立っています。公共放送であるNHKは視聴者・国民の皆さまからいただく受信料によって支えられ、民放はコマーシャルによる収入で運営されていますが、受信料がNHKの財源であることについて皆さまにご理解をいただくことは、とても重要だと考えています。
 視聴者・国民の皆さまに直接支えていただいているからこそ、何人にも干渉されず、放送の「不偏不党」「公平・公正」「自主・自律」が保障されているのです。
 NHKは、皆さまの判断のよりどころとなるような情報を発信する民主主義のインフラとして、国民の皆さまの命と暮らしを守る情報を的確にお伝えし、政治や経済の動きなどを公平・公正に伝えることが使命です。その役割を果たすためには、さまざまなご意見を持つ国民の皆さま全員から受信料制度についてご理解をいただき、受信設備を設置した方から受信料をお支払いいただくことが大切です。
 現在、受信料をお支払いいただいている方の割合、支払率は79%です。まだ約5分の1の人が支払っていないことを不公平に思われる方もいらっしゃると思いますが、公平負担の徹底に取り組むことで、最近は毎年1%ずつ支払率が向上しており、今年度は支払率80%を目標に取り組んでいるところです。
 例えばイギリスなど、公共放送の受信料を支払わないと罰則がある国もありますが、日本では罰則がないにもかかわらず、国民の皆さまの80%近くの方に受信料をお支払いいただいています。
 NHKが優れたよい番組を制作し、放送番組の充実を図ることも受信料制度の理解促進につながりますので、引き続き国民の皆さまに評価していただけるよう、取り組んでまいりたいと思っています。

【会場参加者】
 熊本県内の受信料の支払率は、何パーセントでしょうか。

【会場参加者】
 受信料を支払わない人が見られるような仕組みがあるということがおかしいと思います。「公共」の再定義という意味では、受信料を支払っている人しか視聴できない仕組みを取り入れることが必要だと思います。

【会場参加者】
 再放送が多いと感じます。再放送を行う基準や、定められた割合などがあれば教えてください。

(山下局長)
 熊本県の受信料の推計世帯支払率は28年度末で79.9%です。全国平均より少し上ですが、さらなる支払率の向上を図るため、取り組んでいるところです。

(坂本専務理事)
 公共放送の再定義というお話がありました。NHKは、正確で公平・公正な情報、安全・安心の情報を提供することで、地域の皆さまの期待に応え、さまざまな公共的な価値というものをお伝えすることを目指しています。
 民間放送は広告収入、NHKは受信料という形で財源を得ていますが、NHKは視聴者の皆さまに広く受信料をご負担いただくことで、特定の利益、あるいは視聴率に左右されることなく、確かな情報を届けるという使命を果たすことができる、と考えています。
 また、分け隔てなく情報を提供するということが、我々に課せられた大きな役割であり、緊急報道や災害報道の際に、あらゆる地域の方々に、あまねく情報を提供することが義務づけられています。
 スクランブル(視聴制御)をかけ、受信料を支払わない方に放送番組を視聴できないようにする、という方法についてのご意見もいただきましたが、番組にスクランブル(視聴制御)をかけることは、緊急報道、災害報道を通して国民の皆さまの地域の安全・安心を守る情報をお届けするというNHKの使命とは相いれないものだと考えています。

(石原委員長)
 視聴者・国民の皆さま全員に受信料をご理解いただき、お支払いいただくことが公平負担ということですが、まだ2割近くの方にお支払いいただいていません。ご理解をいただける努力をして、さらに支払率をあげていくことが大切です。
 また、スクランブル化は全国どこでも放送を分け隔てなく視聴できるようにするという公共放送の理念と矛盾するため、問題があると考えています。

【会場参加者】
 受信料の支払率は100%が理想だと思いますが、80%でも「すごい」と思いますし、支払率が100%になるというのは、少し怖い気がします。いろいろな考えの方がいるので、受信料を支払わない20%の人の存在を認めることも大事ではないかと思います。

【会場参加者】
 私たちが日常生活を生きていくためには、ライフラインがあり、電気やガス、水道など公共性の高いエネルギーを使います。それは生きていくために大事なものであって、当然使ったらその対価を払います。
 もう一つ、私たちが生きていくために大事なのは、情報です。私がなぜNHKをよく見るのかといえば、情報を買うために見ているのです。民放も見ますが、NHKのすばらしいところは、ニュース番組の中で、経済問題にしても、政治問題にしても、必ず専門の担当者が解説をしてくれるところだと考えています。民放のように、コメンテーターがよくわからないことを堂々とコメントをしているのを見る気になれず、そのような情報は買いたくありません。
 NHKは、大きく自信を持っていただいて、自分たちが提供しているニュースは不偏不党、公正・公平であるということを、こうした会を通して、広く伝えていってほしいと思います。

【会場参加者】
 益城町で被災した際、受信料が免除になったことについて、お礼を申し上げさせていただきます。ありがとうございました。
 公平という点から言うと、受信料の支払率100%を目指したいところですが、例えば母子家庭など、経済的に支払いたくても支払うことができない方たちに対する配慮などはあるのでしょうか。

(坂本専務理事)
 災害時における受信料免除のお話がありました。他にも障害者の方や生活保護の方には受信料免除の制度があります。それから、家族割引という学生や単身赴任の方に向けた割引制度も設けています。
 先ほどスクランブル化のご意見もいただきましたが、特に緊急・災害報道のときのことを考えた時に、あらゆる地域の視聴者の皆さまに情報を届けることが何よりも公共放送の大事な使命ですので、「スクランブル化はしない」という考え方に立っております。

【会場参加者】
 NHK側においても、公共放送の基本的な定義がなされていないのではないか、という気がしました。
 海外の例が出ましたが、受信料を支払わないという選択権がないのであれば、税金に該当する可能性があるのではないか、という感じも受けます。公共放送の絶対的な定義が一つあって、それをどこまで拡大解釈するのか、という説明がないと、振れ幅が大きくなり、収拾がつかなくなってしまうのではないでしょうか。

【会場参加者】
 民放と比べて、番組制作費に差があるのでしょうか。職員の人件費は民放と比べてどのようになっているのでしょうか。また、経費節減を行うなど経営努力をしているのでしょうか。

【会場参加者】
 私の周りには子育て世代の人が多く、受信料を支払っていない人に「何で支払わないの」「夕方の子ども番組など見ないの」と聞くと、NHKどころか、そもそもテレビ自体をあまり見ない、という方も多くいることに驚いています。
 子どもはビデオやインターネットでユーチューブなどを見ており、「別にNHKも民放もいらないよ」と言われました。また、情報が欲しければ、「インターネットで検索するので、テレビをわざわざつけなくてもよい」という人もいました。
 私は、NHKの情報は正確で早く、「何かあったときにはすぐNHK」と思っていますが、そのように思わない人も増えてきていることを考えると、受信料を支払わない人が増えているということもわからないでもない、という気がしています。

(石原委員長)
 法律上は、テレビをお持ちであれば、NHKと受信契約をしていただく義務があります。そして、受信契約をすれば支払いの義務が発生します。しかし、イギリスのように罰則によって強制する法律上の仕組みはありません。
 NHKでは、一生懸命よい番組を制作し、受信料制度をご理解いただくことで、皆さまに受信料をお支払いいただけるよう日々努力をしていますので、ぜひ、ご理解いただきたいと思います。

(堂元副会長)
 公共放送として一番大事なことは、放送を通じて皆さまの生命と財産を守ることです。そして、福祉の充実や、健全な民主主義の発達に資することなども公共放送の役割です。
 そのような放送を成り立たせるためには、広告収入ではなく、国民の皆さまから直接お金をいただいて運営する公共放送が必要だという歴史的考えがあったのではないかと私は理解していますが、80%近くの方々に受信料をお支払いいただき、支払率が向上しているということは、公共放送に対する理解が進んでいるのではないか、と思っています。
 また、若い人たちが受信料をお支払いいただいていないという話がありました。確かに若い人たちのテレビ離れは進んでいますが、「テレビ」から逃げているのであって、「映像文化」から逃げているのではない、と私は理解しています。
 その観点に立ち、NHKとしては若者が逃げないコンテンツをどれだけ提供するのか、ということが大事だと思います。
 そして、民放との関係についてのご質問がありました。例えば、NHKは数年前に給与の引き下げを実施しましたが、それは民放との比較というよりも、貴重な受信料を財源としている以上、NHK自身においてきっちりと脇を締めていくということが大切だということであり、絶えず努力をしなければ、公共放送に対する信頼、受信料をいただく信頼が揺らいでしまうことになります。必要なところにはお金をかけますが、きちんとチェックしていかなければ理解を得られない、という現場の共通した感覚だと思っています。

【会場参加者】
 受信契約に関する個人情報の流出、というニュースを見ました。それ以前にも、記者の傷害事件などのニュースもありました。職員の不祥事を受けての再発防止策や職員教育について、公表しているのでしょうか。

(堂元副会長)
 平成16年に「紅白歌合戦」の元チーフ・プロデューサーが制作費を横領するという不祥事があり、収入が大きく減るという大変な事態に陥り、「NHKはつぶれてしまうのではないか」と感じるほどの厳しい批判にさらされました。
 この平成16年の大きな不祥事を機に、「もう1度ゼロからスタートしよう」「再出発しよう」というのが、今につながるコンプライアンスの原点です。
 全国の放送局を訪れたとき、必ずコンプライアンスの話をします。過去の不祥事を再確認するとともに、受信料をいただくということの重要性について必ず話すようにしています。不祥事を起こした際の処分も厳しく対処することを基本に仕組みが変わり、職員の意識も変わってきたと思っています。
 また、先日、受信料のクレジットカード払いのお申込みをされた方の個人情報を含む帳票の廃棄処理を受託した業者が、約3,300枚の帳票を紛失していたことがわかりました。NHKには、受信料をお支払いいただいている皆さまの個人情報が膨大にありますが、個人情報の紛失というのは、あってはならないことであり、二度とこのようなことが起きないよう、再発防止策の徹底に取り組んでいるところです。

 

 

第2のテーマ:放送について

(司会)
 皆さまからご意見を伺う前に、事前のアンケートの中でいただいたご意見・ご要望の中から、「地域放送の取り組み」について、経営委員、執行部からお答えさせていただきます。

(高橋委員)
 現在、執行部において「地域放送改革」を進めており、熊本放送局は、その地域放送改革のモデル局となっています。
 NHKでは、これまで番組制作の中心を東京に移してきたことを改め、地域からの発信力を強めていこうと考えており、地域のよい番組、おもしろい番組を日本全国で放送すること、地域の皆さまの声に沿った番組をつくっていくことも極めて重要だと考えています。
 今、日本は、観光立国をめざしていますが、日本のことをもっと正しく、世界に理解してもらうことは、非常に重要なことであり、この観点から見ても、地域でつくられた番組を、日本を訪れる外国人の方にきちんと届けることは、大切なことです。
 最近、国際放送で「九州キャラバン」といって、九州の情報を世界に発信する取り組みを行いましたが、非常によい評判を得ることができました。経営委員会では、地方の放送の強化を進め、地域の放送は地域の放送局がつくり、世界にも広げていくことが、非常に重要だと考えています。

(山下局長)
 熊本放送局は、去年の熊本地震を踏まえ、「命と暮らしを守るための防災・減災報道」に全力を挙げています。熊本地震から1年半が過ぎましたが、地震の記憶が風化することのないよう、被災地の現状や課題を息長く伝え続けています。そして、ことし6月に、新放送会館がオープンしたこともばねにして、地震からの復興や、地域の活性化を後押しする放送に取り組んでまいりたいと考えています。
 熊本放送局は来年で開局90周年を迎えます。これからも、地域に寄り添って、信頼される放送局であり続けたいと思っています。
 また、再来年の大河ドラマ「いだてん」では、日本マラソンの父と呼ばれた熊本出身の金栗四三さんが主人公の一人となります。この大河ドラマともタイアップして、地域を盛り上げていきたいと考えています。

(堂元副会長)
 国際放送では「九州特集」など、地域のさまざまなテーマを世界に向けて発信しており、去年10月とことし4月に九州のニュースや番組を集中して編成し、国際放送で放送しました。
 主なタイトルを紹介すると、去年の10月は「そうだ、温泉に行こう、熊本」「九州の鉄道復旧最新情報」「それでも阿蘇に生きる〜御田祭り復興への祈り〜」。
 ことし4月には、「15歳 私たちが見つけたもの〜熊本地震3年3組の半年」「熊本〜絶景の阿蘇と復興のあゆみを訪ねて」「くまモンの一大事〜熊本と東日本 キズナの物語〜」「鉄道は観光資源 JR九州の地域戦略」という番組を世界に発信しました。
 国際放送を日本国内でご覧いただくためには、国際放送を放送しているケーブルテレビ局や、スマートフォンのアプリで手軽にご覧いただくこともできます。

【会場参加者】
 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに関心があります。オリンピック・パラリンピックの放送を実施するために、どのような組織編成をしているのでしょうか。
 年間のNHKの予算の中で、オリンピック・パラリンピックのための経費は別枠で確保しているのでしょうか。

【会場参加者】
 熊本の活性化の話が出ましたが、人口減少が進む中、熊本の人口を増やすための「活性化」に関する番組を考えられているのでしょうか。

(坂本専務理事)
 きょうでオリンピックまであと1000日ということで、中継も交えて1000日前のイベントなどをきょう1日しっかり伝えます。
 今後、東京オリンピックの開会する2020年7月24日に向けて具体的なイベントが進むことになりますので、放送総局の中にオリンピック・パラリンピックの実施本部を立ち上げ、具体的なアイデアを練っているところです。
 我々としては、東京オリンピックの競技はもちろん、その前の聖火リレーを非常に大事なイベントだと考えており、NHKでは「聖火リレー1964再現プロジェクト」を立ち上げ、地域の皆さまと一緒になって、1964年の東京オリンピックの時のエピソードや映像、写真などを収集するため、視聴者の皆さまからのさまざまな情報提供を求めているところです。
 年が明けると2018年となり、あと2年で次の聖火リレーが始まりますが、NHK熊本放送局、地域の民放局とも一緒になって、放送やインターネットで伝えていければと思います。このような機会により、スマートフォンなどでもNHKの番組が同時に視聴することができる常時同時配信がより広がる機会になるのではないか、と考えています。
 特に若者のテレビ離れが急速に進んでいますが、我々は「若い人たちにどのようにしたらうまくアプローチできるか」ということを考えながら、放送事業者としての制約がある中、テレビだけではなく、モバイルをいかに活用していくべきか検討しているところです。
 オリンピック・パラリンピックについては、世界トップクラスの取り組みとしてスーパーハイビジョンがあります。
 4K8Kというより高精細な映像と音声をお送りすることができる本放送が衛星放送で2018年12月から始まります。今後、オリンピックに向け、最もよい鮮明な映像で、実況もよりすばらしい音響で楽しんでいただくための準備を進めており、2月のピョンチャンオリンピックでも8K放送の実験的な取り組みを行っていこうと考えています。東京オリンピックは、我々NHKにとっても、スーパーハイビジョンを実用的に広げる一番のいい機会になると思っています。

(山下局長)
 熊本の活性化のための番組についてのご質問をいただきました。熊本放送局では、「くまもとの風」という番組を金曜日の夜7時30分から放送しております。今年度は年間8本を計画しており、先週10月20日には、熊本地震で被災をした益城町の木山中学の中学生が高校生に成長した姿を描いた番組を放送しました。
 この「くまもとの風」は、熊本放送局で制作していますが、まずは県域向けに放送し、すぐれた番組については九州全体、あるいは全国、できれば世界に向けて発信をしていきたいと考えています。
 また、国際放送のNHKワールドなどにも番組を展開していますが、NHKワールドをご覧いただいた外国の方が熊本に関心を持っていただき、熊本に来たいと思っていただくことで、インバウンドの観光客の方が増えることになります。県外、全国の方も同様であり、我々は番組を通じて熊本の魅力を発信していきたいと思っています。
 放送だけではなく、イベント展開も行っていきます。今月15日に熊本市の尚絅(しょうけい)学園で、「公開復興サポート」という公開番組とイベントを開催したところ、雨の中、3,600人以上の方々にご来場いただきました。11月12日には、熊本出身の内村光良さんの出演する「LIFE!」の公開収録を熊本学園大学で行います。
 こうしたイベントなどを通じて地域の活性化を図り、熊本の元気を全国、全世界に発信していきたいと考えています。

(堂元副会長)
 再放送に関する質問をいただきました。再放送を行う際、まず参考とするのは、視聴者の皆さまから寄せられたご意向や反響の多さです。番組には、皆さまの声が全国から寄せられますが、非常に反響が多い、評判がよい番組が一目瞭然にわかる仕組みになっており、視聴者の皆さまから寄せられた声を参考にしながら、再放送の判断を個別にしているのが現状だと思います。
 1964年の東京オリンピックの時は、私は中学生でした。あのオリンピックを見た時は、たいへん感動しました。このオリンピックがもう一度日本に来る、東京で開催されるということで、待ち遠しくてしようがありません。
 オリンピックに関する予算についての質問をいただきましたが、オリンピックは一大イベントですので相当なお金がかかります。オリンピック放送にかかる経費を単年度で準備することは困難なため、平成27年度からオリンピックのための積立金を毎年積み立てて、財源を確保することとしています。
 また、前回のリオデジャネイロ・パラリンピックの際、パラリンピックの競技を毎日生中継しました。次の東京オリンピック・パラリンピックの方針はまだ決まっていませんが、パラリンピック競技の生中継は、拡大していくと思っています。
 このように、オリンピックに向けて、NHKは総力をあげ、可能な限り全国の地域がかかわる放送やイベントにつなげていく、という方針であるとご理解いただければと思います。

【会場参加者】
 最近の教養番組や芸術番組などで、タレントを出演させて、「きゃー」「わー、すごい」などと言わせるような、安易な番組づくりが多々見られると感じています。特に教養番組や芸術番組では、安易なタレントの起用は控え、内容の充実をお願いしたいと思います。

【会場参加者】
 私は、近ごろ、世の中がとても危険な方向にあるのではと心配になっています。それは、今の政治のあり方です。
 いまだに沖縄は戦争の犠牲にあること、被災地福島のことが解決しない状況にあること、地震国であり、頻繁にあちこちで地震が起こっているにもかかわらず原発を止めないこと、ことし6月の共謀罪の強行採決など、なぜ反対の意見をもっと丁寧に考えてもらえないのでしょうか。
 私たち国民にとって大事なことを、国民一人一人が考えられるように、新聞も、各放送局も伝えていないことがとても残念でなりません。
 受信料で成り立つNHKが国民の味方であるというのは当たり前のことだと思いますが、確かな情報の提供をお願いします。

【会場参加者】
 私はドキュメンタリーを中心に、NHKの番組しか見ていません。報道番組で、ことしは「忖度」という言葉がはやりました。NHKのトップの人事は、おそらく政府が決めるのだと思いますが、政府に対するスタンスや考え方、報道する際の仕組みは、どのようになっているのでしょうか。

(坂本専務理事)
 出演者の起用についてのご質問がありました。NHKには、取材、制作の基本的な方針を明記している「放送ガイドライン」というものがあり、現場で徹底を図るようにしており、出演者については、番組編成や放送番組そのものの多様性の確保に向け、新しい出演者を探す努力をすることや、公共放送としての公平・ 公正を保つ上でも、特定の人に偏ることのないように、幅広く人選を行うようにしています。
 いずれにしても、公共放送にふさわしい出演者の起用というのが重要であり、さらに努めていきたいと思います。
 一方、より多くの皆さまに番組を楽しんでいただきたいということもあり、一般になじみがなく、なかなか難解だというような内容を、より身近に視聴者に近いゾーンで理解してほしいというねらいから、タレントの方にも出演していただくこともあります。より難しい内容をわかりやすく、視聴者の方からの親しみやすさ、わかりやすさというところも我々は留意しておりますのでご理解をいただければと思います。
 番組の内容、あるいは、番組の出演者の起用については、毎日、全国からお電話、手紙、電子メール、FAXなどでさまざまなご意見をいただいています。よい評価もあれば厳しい評価もあり、再放送のご希望についても多くいただきますが、いただいたご意見やご要望の一つ一つを番組担当者に伝え、できるだけよいものを視聴者の皆さまにお届けできるよう、日々取り組んでいます。今後も、引き続き、視聴者の皆さまのご期待に応えてまいりたいと考えています。
 報道の伝え方についてのご意見もいただきました。NHKの放送は、放送法とNHKの国内番組基準、国際番組基準を基本としています。
 放送法第1条では、放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって放送による表現の自由を確保することが規定され、第4条では、国内放送の放送番組の編集等について公安及び善良な風俗を害しないこと、政治的に公平であること、報道は事実を曲げないですること、意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすることが規定されています。
 このような放送法の規定を受け、NHKでは、国内番組基準について「日本放送協会は、全国民の基盤に立つ公共放送の基本機関として、何人からも干渉されず、不偏不党の立場を守って放送による言論と表現の自由を確保し、豊かでよい放送を行うことによって、公共の福祉の増進と文化の向上に最善を尽くさなければならない。その上で、政治上の諸問題は公正に取り扱う。意見が対立している公共の問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにし、公平に取り扱う」と定めています。
 また、NHKでは、NHKの職員をはじめ、NHKの放送に携わるすべての者の判断指針となる「放送ガイドライン」を定めていますがNHKの取材・制作の基本的な考え方や仕事の進め方について理解を深めていただくとともに、NHKとしての説明責任もしっかり果たすため、ということで、視聴者の皆さまに公表しています。
 このように、放送法や番組基準、放送ガイドラインに則って、日々の番組、ニュースを伝えているということをお伝えしたいと思います。

【会場参加者】
 いつも良質な放送を見せていただいて、ありがとうございます。
 私は、熊本大地震の放送で感じたことと、ことしの沖縄の慰霊の日の放送で感じたことを述べさせてもらいたいと思います。
 熊本大地震では、連日震度3以上の地震が続き、震源地が天草・八代だったこともありましたが、原発のある川内の震度がほとんど放送されていませんでした。福島の原発の事故以来、「川内原発は大丈夫だろうか」と考える人は多いはずであり、私の周囲でもこの点に疑問を持ったという人がたくさんいました。
 また、沖縄の慰霊の日である6月23日の「ニュースウォッチ9」では、はじめにフリーアナウンサーの女性が亡くなったことが伝えられ、沖縄の慰霊の式典については後のほうで少しだけ伝えられたと記憶していますが、公共放送として伝える順序が逆ではないか、と感じました。

【会場参加者】
 ニュース番組で、職員がお互いに向き合って話していること、パソコンを見てつぶやきながら話していることが気になります。話が聞き取りにくい時や2人で楽しんでいるのを見せられているような印象を持つことがあります。
 ニュース報道はしっかりと、見ている者に伝わるような放送をしていただきたいと思います。

【会場参加者】
 歌は心を温かくし、時代をつくってきました。しかし、現在は、歌番組が非常に少なくなってきているように感じます。
 熊本県出身のミュージシャンが東京へ出て頑張っています。そういう人たちを特集した番組を放送することも、面白いのではないかと思います。熊本放送局で熊本のミュージシャンを世界へ紹介する歌番組をぜひ企画してください。

【会場参加者】
 私はBSプレミアムの「コズミック フロント☆NEXT」が大好きで、いつも必ず見ています。この「コズミック フロント☆NEXT」のような番組を制作する際に、自然科学と人文科学をあわせて考えるような番組の企画があればよいと思いました。

(山下局長)
 熊本地震後の対応についてのご質問がありました。地震が起こった際、鹿児島県の川内原発にどういう影響があるのか、運転に影響があるのか、安全に影響があるのかということについては、視聴者の皆さまも関心をお持ちだと思いますので、近くで地震が起こった際には、川内原発の運転が止まっているのか、いないのかも含めて取材をして、報道をするように心がけています。
 熊本出身のミュージシャンをもっと紹介してほしいというお話がありました。まだ十分にご紹介しきれてない部分があるかと思いますが、例えば、「お掃除ユニット 熊本CLEAR’S」という若い女性たちのグループにNHKワールドTVやBSプレミアムで放送している「J−MELO」という世界に向けて日本の音楽を発信している番組に出演いただきました。
 また、去年の紅白歌合戦では、NHK全国学校音楽コンクールで入賞した熊本市立帯山中学校の皆さんに歌手のmiwaさんと一緒にバックコーラスで出演いただきました。これからも熊本出身のミュージシャンの方にもご協力いただきながら、熊本の魅力を発信していきたいと思っています。

(坂本専務理事)
 ニュースでお伝えする項目の順番については、報道機関としての自主的な編集判断に基づいており、国内番組基準に基づいて、ニュース番組の編集責任者が総合的に判断しています。
 各担当責任者が時間帯ごとに、その日に起きたさまざまなニュース全般を見た上で、重要度、緊急度、視聴者の関心の度合いや広がりという要素を勘案しながら総合的に判断し、限られた放送時間に収めるということも踏まえながらニュース番組を制作しており、今後も、放送現場において適切に対応してまいります。
 NHKの番組の中で、出演者同士でやりとりをしていて、視聴者とあまり向き合ってないのではないかという、非常に厳しい、大事なご指摘をいただきました。
 私たちが番組を制作する上で、少なくとも視聴者に届かない番組というのはよい番組ではない、と私も受けとめています。視聴者に何を伝えたいのかということがわからなければ、その番組は成立しないと考えており、自分たちだけの中でのやりとりだけにしてはいけない、という非常に貴重なご意見をいただいたと思っています。今後の番組づくりに生かしていければと思っています。ありがとうございました。

(司会)
 最後に、全体を通してひとこと経営委員から述べさせていただきます。

(石原委員長)
 きょうは大変勉強になりました。最初に、公共放送に対する考え方の話が出ましたが、常に我々自身も、公共放送の意義、必要性を考えながら経営をしていかなければならないとあらためて感じました。公共放送は、公平・公正を維持し、民主主義の基盤を守っていくという放送ですので、ぜひ、受信料制度に対するご理解をいただきたいと思います。
 また、若者のテレビ離れの話もありました。これは非常にNHKにとって重要な課題であり、若者がテレビを見なくなる一方でインターネットを活用するようになっていることを踏まえ、インターネットで放送の常時同時配信を行っていきたい、と考えています。常時同時配信を行うためには、放送法の改正が必要となりますが、現在、実施に向けて一生懸命取り組んでいるところです。
 NHKにとって、地域放送は、最も重要なテーマの取り組みの一つであり、地域を元気にするためにNHKができることとして、地域放送の活性化に取り組んでまいりたいと思っています。
 そして、オリンピック・パラリンピックは日本のプレゼンスを上げる大事なイベントだと思っています。国民の意識が盛り上がるための国を挙げたイベントであり、NHKも最大限の力を尽くしてまいりたいということです。
 番組についてもいろいろなご意見をいただきましたが、経営委員は、放送法の規定により、個別番組の具体的な中身や編集について干渉はできないという立場にあり、あまり発言することができませんでした。しかし、経営委員会は、番組編成基準を決める権限があり、この番組編成基準に基づいて、皆さま見たいと思っていただける番組、役に立つ番組、よい番組を放送していけるよう努力をしていきたいと思います。
 本日、皆さまから伺った率直なご意見を、今後のNHKの経営に生かしてまいりたいと思います。ありがとうございました。

(高橋委員)
 NHKの経営につきまして、多岐にわたる問題提起をしていただきありがとうございました。
 NHKの活動について、役割について、また、受信料というものの性格について、国民の皆様にもっとご理解いただくような努力をしなくてはいけないと深く反省し、もっと頑張らなくてはならない、という元気をいただいたと思っています。
 放送につきましては、私も「もう少しNHKの番組を見なければ」と反省した次第です。さまざまな番組に対し、非常に多角的に建設的なご意見をいただきましたことを心から御礼申し上げます。
 経営委員として、まだ駆け出しではありますが、皆様から愛されるNHKになるように、NHKの経営について精一杯頑張ってまいりたいと思います。

 

 

<視聴者のみなさまと語る会in熊本>参加者当日アンケート

※全表の単位はすべて人数

質問1:性別

男 性 女 性
28 24

質問2:年齢

10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代
0 0 2 4 11 17 15 3

質問3:今回のイベントを何でお知りになりましたか(複数回答)

放送(テレビ) 放送(ラジオ) ホームページ 新聞 メール Twitter その他 未回答
5 3 12 0 29 0 2 1

質問4:今回のイベントに参加していかがでしたか

大変満足 満足 ふつう 不満 大変不満 未回答
9 29 9 2 0 3

質問5:一番印象に残ったコーナーはどこでしたか(複数回答)

経営重要事項 経営など全般 放送について 講演会 特になし 未回答
11 17 17 10 0 5

質問6:NHK経営委員会の仕事を知っていましたか

よく知っていた 知っていた 知らなかった その他 未回答
2 24 25 0 1

質問7:今回のイベントに参加して、NHK経営委員会の活動について理解が深まりましたか

理解が深まった 特に変わらない わからない その他 未回答
40 9 2 0 1

 

 

<アンケートに寄せられた主なご意見>

 

経営全般について

  • 地域放送強化に取り組んでいることがよくわかった。
  • 知らないことがたくさんあり、登壇者のわかりやすい説明に納得した。
  • 「公共放送への考え方」について、NHKと視聴者の間で考え方の違いが大きいと感じた。
  • 公共放送としてのあり方も理解できるが、海外の例も参考にして、スクランブル化や罰則を検討してほしい。
  • 受信料未払いの人に対し、「スクランブル(視聴制御)はかけない」とのことであったが、「災害報道」のみスクランブルを解除するのはどうか。
  • 公平・公正、不偏不党について本当に実現できているのか?と感じた。
  • 収支についてもっと詳しい説明を聞きたかった。
  • 公開放送やイベントを増やし、NHKを身近に感じられるようにしてほしい。
  • 熊本放送局は熊本のための局であるという意識を強く持ち、放送を通じてこれからも熊本に貢献してほしい。
  • コンプライアンスは重要であり、職員への研修をきちんとしてほしい。
  • 受信料を支払うことが義務であるのなら、強い姿勢で視聴者に臨むべき。そうしなければNHKの質、信頼の低下につながる。
  • 「職員の士気の低下=放送の質の低下」につながりかねない。早急にしっかりとした受信料徴収の仕組みを考えるべき。
  • 合理化を進めるため、要員を見直し、放送時間を短縮してはどうか。
  • 深夜帯の放送は、減らしてもよいのではないか。
  • 「時の権力に忖度するNHK」にならないようにしてほしい。
  • 私たちも受信料の公平負担の徹底に向けて、協力していきたい。
  • NHKは巨大マスメディアだが、末端まで風通しのよい組織であってほしい。

 

放送について

  • 国際放送の番組を国内でも見られるようにしてほしい。
  • 「ニュースチェック11」についての参加者の意見に共感した。見ていて「軽すぎる」と感じる。
  • あらゆる世代に良識のある番組を届けられるよう、努めてほしい。
  • 世界への発信力を高めてほしい。
  • 今のNHKの番組に大変満足している。
  • 首都圏の番組でも視聴したい番組があることがある。インターネットなどで見られるようにしてほしい。
  • よい番組が放送されれば、視聴者も増えると思う。
  • きちんと取材した番組の制作への対価として、現在の受信料は安い。
  • これからも暮らしに役立つ番組を楽しみにしている。
  • 高齢化社会をテーマに、80代、90代の年長者が心豊かに生活するコツなどを伝える番組があればよいと思う。

 

運営、その他について

  • 会に参加して初めて、受信料を支払う義務が放送法によって規定されているということを知った。
  • 事前アンケートで聞いたことに対して答えてほしかった。
  • 「ブラタモリ」の中村CPの話が面白かった。
  • より若い人の意見を聞く会を開催してはどうか。
  • 質問に対する答えになっていないこともあったが、このように経営委員や執行部と直接話し合いができる機会をさらに増やしてほしい。
  • もう少し質疑応答の時間が欲しかった。
  • 参加者の皆さんの「聞いてほしい」という思いが伝わってきた会だった。