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平成29年度 第4回
視聴者のみなさまと語る会in福島
(平成29年9月16日(土))

 

<会 合 の 概 要>

 「経営委員会による受信者意見聴取」の平成29年度第4回は、福島放送局で実施し、「公共放送の役割」などNHKの経営全般に関すること、「NHKの全国放送や地域放送のあり方」など放送に関すること、の2つのテーマについて、公募による35名の視聴者から意見を聴取した。

 

<会 合 の 名 称>

視聴者のみなさまと語る会in福島

 

<会 合 日 時>

平成29年9月16日(土) 午後1時30分〜午後3時30分

 

<出  席  者>

〔参 加 者〕

視聴者の皆さま35名

〔経営委員〕

本 田 勝 彦  (委員長職務代行者)

 

井 伊 雅 子  (委員)

 

渡 邊 博 美  (委員)

〔執 行 部〕

上 田 良 一  (会長)

 

菅   康 弘  (理事)

 

鈴 木  仁   (福島放送局長)

〔 司 会 〕

山 田 賢 治   アナウンサー

 

< 会    場 >

 福島放送局 汎用スタジオ

 

< 開 催 項 目 >

 以下のとおり進行した。

 

1 開会あいさつ

2 経営委員による説明

  協会の基本方針、その他協会の運営に関する重要な事項について

3 意見の聴取

 (1) NHKの経営全般について

 (2) NHKの放送について

4 閉会あいさつ

 

 「視聴者のみなさまと語る会」終了後、「紅白、ニュース、そして『ごごナマ』」出演:阿部 渉 エグゼクティブ・アナウンサーによる講演会を開催した。

 

<概要・反響・評価>

  • 公募の結果、はがき、ホームページを通じて96名から参加の申し込みがあり、会場スペースの関係から抽選を行い、66名に参加案内を発送した。

  • 語る会には、35名が参加し、「公共放送の役割」などNHKの経営全般に関すること、「NHKの全国放送や地域放送のあり方」など放送に関すること、の2つのテーマについて意見や提言を募った。

  • 参加者からは、「受信料制度」「受信料の公平負担」「前会長の言動や任命の経緯」「公平公正、正確な報道」「震災・原発報道」など、多岐にわたる意見や提言が寄せられた。

  • 語る会終了後に行ったアンケートには、35名から回答があった。主なアンケートの結果は次のとおり

    <参加者の満足度>
     「大変満足」14名、「満足」13名、「普通」3名 (未記入 5名)

    <経営委員会の仕事について>
     「今回のイベントに参加して、経営委員会の活動について理解が深まりましたか」との質問に対し、「経営委員会の活動について理解が深まった」との回答が26名からあった。


◆協会の基本方針・重要事項の説明

 (渡邊委員)

 はじめに「公共放送の役割」についてご説明いたします。
 公共放送NHKの役割は、まず、「命と暮らしを守る」です。NHKは災害対策基本法で、報道機関として唯一、指定公共機関に定められており、「防災・減災報道」はNHKの最大の使命の一つです。
 東日本大震災から6年がたちましたが、震災の教訓も踏まえ、地震・津波・台風などの災害、人命や国民生活に重大な影響を及ぼす非常事態が起きた時、NHKは、公共放送として正確でわかりやすい情報をより早く伝えるために、全力をあげて取材・報道に取り組んでいます。
 続いては、「知りたいにこたえる」です。NHKには、公共放送として、正確で公平・公正な情報や豊かで良質な番組を幅広く提供し、健全な民主主義の発展と文化の向上に寄与する、という役割があります。
 そのためにも、報道機関として不偏不党の立場を守り、番組編集の自由を確保し、何人からも干渉されず、ニュースや番組が外からの圧力や働きかけによって左右されてはなりません。NHKは、放送の自主・自律を堅持することを徹底しています。
 続いて「豊かで、かつ、よい番組の放送を行うこと。それにより文化水準の向上に寄与すること」です。これは、放送法でも定められているNHKの役割です。この基本理念のもと、NHKは多様な番組を作り続けています。
 NHKは、地上、衛星、ラジオ、それぞれ特徴を持った7つの放送波を使い、あまねく日本全国に放送を届けることで、公共の福祉の増進と文化の向上に最善を尽くしています。
 続いて、「放送の未来を創る」です。放送の発展の歴史において、NHKは放送技術の進歩における先導的な役割を果たしています。
 現在、情報技術の進展やインターネットの加速度的な普及などを背景に、放送を取り巻く環境は大きく変化しつつありますが、そうした新しい時代においても、NHKは新たなサービスやメディアの創造に向けたさまざまな取り組みを積極的に進めています。
 次は、「日本を世界に伝える」です。「日本発」の情報を世界に発信していくのは、公共放送の重要な責務の一つです。NHKでは、日本から世界へ、英語で情報を発信する国際テレビ放送『NHKワールドTV』をはじめ、4つの海外向けサービスを行っています。
 また、「地域を応援する」ために、NHKはすべての都道府県で地域に根ざしたさまざまな番組を制作しているほか、地域の活性化や地域貢献活動にも取り組んでおり、福島の『はまなかあいづToday』など、夕方6時台のニュースをはじめ、さまざまな地域放送番組の放送やイベントを開催しています。
 このような公共放送の役割を果たすための財源は、皆さまからの受信料です。受信契約の締結は、放送法でも定められておりますが、税金でも広告収入でもなく、みなさまに公平に負担していただく受信料だからこそ、特定の利益や意向に左右されることなく、公共放送NHKとしての役割を果たすことができます。今後とも、NHKへのご理解と受信料のお支払いをお願いいたします。
 このような公共放送としての重要な役割をNHKが果たしていくために、NHKの経営に関する基本方針の議決や、NHK執行部の役員の職務の執行の監督、会長の任命、副会長および理事の任命の同意など、NHKの経営に対して重い責任を負っているのが、経営委員会です。
 放送法には、経営委員会の設置や権限、組織などについて定められており、経営委員会の委員について、「衆参両議院の同意を得て、内閣総理大臣より任命される」、「委員の選任にあたっては、教育、文化、科学、産業その他の各分野及び全国各地方が公平に代表されることを考慮しなければならない」、「委員の任期は3年、定数は12名」、ということも定められています。
 また、経営委員の中から、監査委員が任命されることになっており、経営委員を含めた役員の職務の執行を監査する役目を担っています。
 そして、私たち経営委員がその重責を果たすため、視聴者の皆さまのご意見を直接伺うことも、放送法に定められており、本日は、その機会として福島放送局にお集まりの皆さまから、NHKに対する忌憚のないご意見をお聞かせいただきたいと思います。
 平成29年度は、3か年経営計画の最終年度として、経営計画の5つの重点方針に沿った、事業運営を着実に実施してまいります。
 事業収入は、受信料収入の増などにより、前年度予算に対して101億円の増収となる7,118億円を見込んでいます。
 事業支出は、4K・8K番組の制作強化やピョンチャンオリンピック・パラリンピック放送を実施するなど、国内放送や国際放送を充実する一方で、給与の削減をはじめ、事業運営の一層の効率化により、前年度予算に対し83億円増となる7,020億円を見込んでいます。
 以上により、事業収支差金は98億円となりますが、平成30年度以降の新サービスの充実に備え、全額を財政安定のための繰越金に繰り入れます。
 経営委員会としては、平成29年度予算の執行にあたっては、受信料の重みを自覚し、コスト削減や効率的な事業運営に心がけ、予算、事業計画の着実な実行に努めることを求めています。
 また、来年度、2018年度からはじまる、次の3年間の経営計画の策定に向けて、私ども経営委員と執行部の間で、現在議論を重ねています。
 ただ今、ご説明しました「公共放送の役割」および「29年度収支予算・事業計画」を着実に実行するためにも、視聴者の皆さまからいただくご意見やご要望は、大変、貴重なものとなると考えております。
 本日、福島放送局にお集まりの皆さまから頂戴するご意見・ご要望は、私ども経営委員全員はもちろん、執行部とも共有して、今後のNHKの経営に反映させて参りたいと考えています。

 

 

《視聴者のみなさまからのご意見とNHK側からの回答》

 

第1のテーマ:NHKの経営全般について

(司会)
 皆さまからご意見を伺う前に、事前のアンケートでいただいたご意見・ご要望の中から、「受信料の公平負担の徹底」について、経営委員と執行部からお答えします。

(井伊委員)
 NHKは税金で運営している国営放送ではなく、視聴者の皆さまからの受信料で支えられている公共放送です。
 国営放送の場合、国家の強い管理下に置かれ、国民が放送に対して意見を自由に言うことができない場合もありますが、公共放送は国民・視聴者の皆さまの放送であり、国民・視聴者の皆さまで作り上げていくものです。
 きょうの「視聴者のみなさまと語る会」も、お集りの皆さまからNHKに対するご意見を伺うことも、皆さまからいただいている受信料で成り立っている公共放送だからこそできることです。
 このような受信料制度を理解していただき、公平負担の徹底に向けて、NHKではさまざまな取り組みを行っています。
 経営委員会では、これらの取り組み状況と効果を注視し、公平負担の徹底に向けて、適切なサポートをしてまいります。

(菅理事)
 NHKは公共放送として、「命と暮らしを守る情報」「正確で公平・公正な報道」「豊かで良質な番組」等を、国民の皆さまにあまねくお伝えすることが使命だと考えています。
 受信料は、公共放送の使命を達成するために、国民の皆さまにご負担いただく特殊な負担金であり、受信料の公平負担を徹底することは、とても大事なことだと考えています。
 受信料制度をご理解いただき、皆さまにお支払いいただくために、お支払いいただいていない方を一軒一軒訪問し、契約をしていただく活動に日々取り組んでいます。
 現在、今年度末に支払率80%の達成を目標に、営業部門の職員をはじめ、NHK全体でさまざまな施策に取り組んでいます。

【会場参加者】
 NHKは、受信料を支払っていない人に対して、具体的にどのような取り組みを行っているのでしょうか。

【会場参加者】
 「NHK杯」という名称が付く競技が行われていますが、1年間で行われる「NHK杯」の数と、予算がどれくらいなのか、教えてください。

【会場参加者】
 29年度の予算・事業計画の重点項目に「創造と効率を追求する、最適な組織に改革」とあります。
 監査委員は、経営委員から任命しているようですが、監査委員の独立性がなければ、きちんとした監査を行うのは難しいのではないでしょうか。

(菅理事)
 NHKでは、受信料をお支払いいただいていない方を一軒一軒訪問し、テレビをお持ちであれば受信契約をお願いする活動を行っていますが、お伺いする回数は、1年間で累計1億回以上になります。また、お会いできない方で、住所がわかる場合には、契約のご案内をお送りすることもあります。
 面接できた方には、公共放送の意義や受信料制度について誠心誠意、丁寧にご説明し、ご理解をいただけるように努めていますが、それでもなおご理解いただけない場合は、最後の方法としてやむを得ず、民事手続きによる支払督促の実施や、民事訴訟を実施する取り組みも行っています。
 また、都市部は、世帯移動も多く、契約のある方がNHKに住所変更の届けをせずに引っ越しをされた場合、新しい住所でもお会いするための活動が必要になります。
 特に、東京、大阪、横浜などの大都市圏では、オートロックマンションが多く、お訪ねしても面接することが難しい状況があるため、マンションの住民の方向けの説明会に参加し、受信料について話をさせていただく施策なども実施しています。今年度末の目標である支払率80%が達成できるよう、取り組んでいるところです。
 「NHK杯」についてご質問をいただきましたが、「NHK杯」は、スポーツの大会だけでなく、教育分野の放送コンテストや音楽コンクール、NHKの地方局が主催しているものなどがあり、28年度に実施した「NHK杯」と付くものを抽出すると、全国で136件ありました。なお、基本的に「NHK杯」は、放送することが前提となりますので、NHKは放送に関わる経費を番組制作費で賄っていると考えていただければ、と思います。

(渡邊委員)
 経営委員の中から監査委員を任命することについて、ご意見をいただきました。
 12名の経営委員がいますが、経営委員の選任は、「教育、文化、科学、産業、その他の各分野および全国各地方が公平に代表されることを考慮しなければならない」と定められています。
 また、経営委員は、衆参両議院の同意を得て、内閣総理大臣に任命されていることもあり、執行部とは適度な距離感・緊張感を持ち、常に適切な判断が求められています。
 監査委員は、経営委員会が委員の中から任命することを、放送法で定められています。また、監査委員には、執行部の取り組みを適切に把握し、経営委員に正しい情報を伝える役割もあり、経営委員の中から監査委員が選ばれています。
 経営委員会としては、基本的な考え方を守り、視聴者の皆さまからいただいている受信料で運営していることを自覚しながら、取り組んでいきたいと思います。

【会場参加者】
 前会長は、発言などでいろいろと物議を醸しましたが、会長は経営委員会が任命するということを知りました。会長の任命には、政府の関与があるのでしょうか。
 また、予算や決算ならば政府が関与することもわかるのですが、そのほかNHKの運営に政府がどの程度関与しているのか、教えてください。

【会場参加者】
 福島県内の受信料不払いの方に対して、5件の民事訴訟を行ったとの記事がありました。悪質であればやむを得ないとも思いますが、非常にショッキングな記事だと思いました。

【会場参加者】
 受信料として公平に負担する制度となっていることで、負担する側も、負担を求める側も、お互い嫌な気持ちを持ってしまうことになるのだと思います。デジタル信号やパスワードをかけて、支払っている人だけが見ることができるようなシステムを導入する、という考えはないのでしょうか。

(本田代行)
 会長選任は、経営委員会にとって大変重要な案件であり、会長の任期が切れる半年くらい前から、経営委員全員で慎重な審議を行います。
 まず、資格要件の議論を行い、しかるべきタイミングで委員の皆さんから候補者を出していただきます。もちろん、現職の会長も候補者の一人です。
 今回、上田会長を選任した時も、7月に指名部会を立ち上げ、経営委員全員で資格要件を定め、複数名の候補者の推薦があり、議論を進めながら、全会一致で上田会長を選任しました。会長の選任の過程において、政治的な介入は一つもございません。

(菅理事)
 9月12日に、福島県で未契約世帯5軒の方に対し、民事訴訟を簡易裁判所に提訴いたしました。5軒の方には、何度もお伺いし、受信料制度のことをご説明させていただきましたが、どうしてもご理解をいただけなかったため、提訴に至りました。
 今までも20の都道府県で270件程度の提訴を行っていますが、そのうち136件はお支払いいただけることになり、提訴そのものを取り下げています。

(上田会長)
 NHKの執行部を監督しているのは経営委員会であり、直接的に政府が関与していることはありません。
 NHKの場合、予算を国会で承認していただく必要があるため、承認いただくまでの過程において、国会議員の質問に対して対応する必要があります。
 私も1月25日に会長に就任してすぐに、通常国会の予算審議に入り、就任翌日から予算の説明を行いましたが、「与野党全会一致で承認いただくことが公共放送のあるべき姿」ということを心がけ、与党、野党を問わず、私から直接説明をさせていただきました。その結果、4年ぶりに衆参両議院全会一致で、予算の承認をいただくことができました。
 その意味では、国民、視聴者の皆さまを代表され、いろいろなご意見の方がいる国会において、全議員のご了解を得て、予算の執行にあたっている、ということになります。
 また、スクランブルをかけ、受信料を支払わない方に放送番組を視聴できないようにしてはどうか、というご意見をいただきました。
 NHKは、公共放送として健全な民主主義を育成するために、NHKを見ている、見ていないに関わらず、社会的インフラとして、事実に基づいて公平・公正、不偏不党を貫いて皆さまに情報を提供していくことや、皆さまの安心・安全のために、災害時等に適宜、適切な情報をお届けする役割があります。「見たい人だけ、受信料を支払っている人だけ見せればよい」ということは、公共放送の役割ではありません。
 放送法でも「あまねく日本全国において受信できるよう」と定められています。離島でも、山奥でも日本全国の皆さまに見る、見ないに関わらず電波でお届けすることは、NHKの義務であり、このような社会的インフラを支えていただく特殊な負担金として、受信料をお支払いいただいている、とご理解していただければと思います。
 私は、「NHKが期待されている公共放送としての役割をしっかり果たし、納得していただいているか」ということを私に対する最大の課題として、「視聴者、国民の皆さまからの最大の信頼を得ること」を私の最大の目標として、経営のかじ取りをさせていただいています。

【会場参加者】
 不偏不党という意識を持っていることはよくわかりますが、どうして「政府が右と言うものを左と言うわけにはいかない」と言うような前会長を選任してしまったのでしょうか。
 当時、上田会長や本田代行も経営委員でしたが、なぜ、きちんとした見識を持っている方が、前会長のような方を選ばれたのか、今でも理解ができません。3年間、NHK予算の国会承認が全会一致にならなかった、という状況にした前会長を選んでしまったのは、どうしてでしょうか。

【会場参加者】
 放送法には「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」という条項がありますが、「契約」とは双方の合意、同意によって初めて成り立つものであり、放送法の「契約」が適切な表現なのか、疑問です。
 契約であれば、同意していない人から「受信料を徴収されることは納得できない」という声が出てくることも不思議ではありません。法律の条文の用語に不備があるのではないか、と思います。

【会場参加者】
 放送法で「受信設備を設置した者は、契約をしなければならない」という規程になっている一方で、契約は、契約自由の原則で「することができる」です。そこに、若干のそご、隙間があることが、視聴者との間で起こるトラブルの要因になっているのではないでしょうか。
 受信契約の合憲性などについて、最高裁の大法廷で審議するとのことですが、この若干のそご、隙間を埋めるような措置を、法律的に講ぜられることになっていくのではないか、と期待しています。

(本田代行)
 前会長の言動については、執行部の監視監督機関である経営委員会として、3回ほど注意を行いました。その結果、任期の後半は、そのような発言は無くなり、経営については確実に進めていただいたと思いますが、NHK予算が3年連続で国会の全会一致をいただけなかったことは、非常に残念なことだと思っています。

(上田会長)
 私も、当時は経営委員を務めていましたが、前会長を選任する段階では、民間企業の社長、会長を経験され、新たな会長に求められるIT分野に対する知見や国際的感覚をお持ちだということで、会長に選任させていただきました。
 ただし、就任後の発言等について、経営委員会として注意喚起するとともに、私も監査委員として、衆参両議院の総務委員会で答弁するなど、全力で対応するよう努めてきました。
 次に、契約に関するご意見についてです。放送法第64条には、「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。」と規定されています。テレビをお持ちの場合は、自動的に契約を締結しなければいけないことが、放送法に定められていることになります。受信契約を結ばせていただきますと、日本放送協会放送受信規約によって、受信料の支払義務が生じます。これらに基づき、未払いの場合は支払督促、契約に応じていただけない場合は、民事訴訟を提起する、などの対応をしています。
 現在、受信契約の合憲性について問題提起され、ご指摘のように「法律で締結義務を課すことができるのか」という根本的な議論が最高裁で行われていますが、現行の法律では、「テレビをお持ちの場合、受信契約の締結が必要」であり、受信規約において「受信料の支払義務を負っている」ということです。ただし、罰則に関する規定はありません。
 一方、NHKとよく比較されるイギリスの場合は、受信許可料の支払義務が法律で規定されており、加えて刑事上の罪を問えるようになっていますので、実際に収監される方がいらっしゃいます。
 ただし、刑事罰を科すことで、国家権力の介入を招く可能性もあり、イギリスのような形が望ましいのかどうか、いろいろな議論がある状況です。

【会場参加者】
 私の友達には、「NHKにお金を支払いたくない」という人がたくさんいます。理由を聞くと、「NHKを見ない、あんなニュースを見てもしょうがない」、とNHKに対して非常に不信感を持っています。
 私は、放送法の条文を見たことがありませんが、民事訴訟の話を聞くと、脅かしているように聞こえますし、見せしめのようにも聞こえます。
 また、前総務大臣からNHKに対する要望書が送られたようですが、NHKのニュースで取り上げていません。政府や与党からどういうことを言われたのか、もう少しざっくばらんに話をしていただきたいと思います。

【会場参加者】
 受信契約に関して不信感を持っている方達の根本にあるのは、「テレビがあれば受信料は必要」ですが、ラジオやワンセグを所持していても、調べられることはありません。その結果、「NHKを見ていなければ支払わなくてもよいのではないか。テレビ受信機は持っていないことにしてしまおう。」という認識が生まれ、2割以上の人が受信料を支払っていないことにつながっているのではないでしょうか。
 先ほど、スクランブルに関する話がありましたが、時代の流れとして、そろそろ考えていく必要もあるのではないか、と感じています。

【会場参加者】
 NHKでは、テレビ番組のインターネット配信を予定していると聞きましたが、利用者に受信料を徴収する予定があるのか、教えてください。

(上田会長)
 公共放送で一番大事なことは、視聴者の皆さまからの信頼であり、その信頼がなければNHKの存立基盤が揺るがされることになりますので、「NHKを見たくない」など、NHKに対する不信感をお持ちの方がいらっしゃることは、非常に残念なことであり、放送を通じて、信頼していただけるように、最大限の努力をしていきたい、と思います。
 現在、約8割の方に受信料をお支払いいただいていますが、約2割の方からはお支払いいただいていない状況です。社会的インフラとして、特殊な負担金である受信料を、皆さまからお支払いいただくという法律的な枠組みの中で、支払わない人がいることを黙認することは、公平負担に反するのではないか、というご指摘もあり、できる限り裁判など、事を荒だてる手段を取ることは避けたいところではありますが、公平負担を徹底させるために、やむを得ない場合には、民事手続きを取っています。
 次に、インターネット配信の質問についてです。若い方をはじめ、インターネットを通じていろいろな情報にアクセスしているため、NHKの放送を通じて情報をお届けしても、見ていただけないケースが増えています。したがって、インターネットでも、われわれの放送を提供できるような「放送と通信の融合」ということを、この環境の変化の中で実現したいと考えています。
 諸外国の主だった公共放送では、原則インターネットでも電波でも番組を見ることができます。日本でも諸外国並みに、通信手段を用いてインターネットでも番組を見られるようにしてほしい、と要望しておりますが、そのためには、放送法の改正が必要です。
 法律を改正するためには、総務省が法案をつくり、国会に提出するということになりますが、その法案をつくるために、総務省の中に「放送を巡る諸課題に関する検討会」が設けられ、NHKとしても要望やいろいろな意見を言っています。
 前総務大臣からの要望書、というお話がありましたが、前総務大臣からは、この検討会に関するご意見をいただいたということです。
 また、ラジオのみをお持ちの方は、受信契約の対象とはなりません。一方で、ワンセグ受信機については、「テレビを設置したことと同じ」と見なすかどうかについて、裁判が行われています。判決が出た3件のうち、2件が受信料の支払いを命じるNHK勝訴の判決が出ており、1件は敗訴しましたが、現在、控訴審で争われている状況です。
 最後に、インターネットの常時同時配信では、法律の改正も含めて、受信料のあり方についても検討していかなければなりませんが、現段階では、すでに受信契約を締結していただき、受信料をお支払いいただいている方から、追加の料金をお支払いいただくことは考えていません。

 

 

第2のテーマ:放送について

(司会)
 皆さまからご意見を伺う前に、事前のアンケートでいただいたご意見・ご要望の中から、「地域放送の取り組み」について、経営委員と執行部からお答えします。

(渡邊委員)
 NHKは全国に拠点を持ち、全国の視聴者の皆さまからいただいている受信料で支えられています。
 福島放送局でも、『はまなかあいずToday』を月曜日から金曜日まで放送しているほか、地域に寄り添っていろいろな工夫をした番組を企画、放送しています。
 視聴率だけでは判断できませんが、かなり高いレベルで皆さまからご支持をいただいているのではないか、と思っていますが、ぜひ、番組に対するご希望やご意見をお聞かせいただきたいと思います。
 また、東日本大震災からの復興については、特に福島県、宮城県、岩手県では、まだ道半ばの状況です。福島県内でも、ことし3月にようやく帰還できるようになった地域の方、ある程度普通の生活ができるようになった地域の方など大きな温度差があり、NHKでも、復興支援に関するさまざまな特別番組を制作し、放送しています。
 ご覧になった方もたくさんいらっしゃると思いますが、復興に関する番組に対してもいろいろなご意見があると思うので、ぜひお聞かせください。

(鈴木局長)
 いつもNHK福島放送局を温かく見守っていただきまして、本当にありがとうございます。
 福島放送局としては、ニュースや番組はもちろんですが、ホームページやイベント等を通じて、福島県の魅力を県内はもちろんのことですが、全国の方々、海外の方々に、いろいろな媒体を通じて、伝えていければと思っています。
 福島は、東日本大震災からの復興、福島第一原子力発電所の事故という課題に直面しています。われわれとしても、直面している課題をできるだけ多角的な観点から、さまざまな手段を使ってお伝えできればと思っています。
 さらに、復興に向けて前向きな動きや明るい話題もお伝えし、福島県の皆さまに少しでも元気になっていただけるような仕事をしていかなければいけないと考えています。
 また、福島県は自然災害が非常に多い地域です。われわれとしては、県民の皆さまの暮らしと安全を守るための減災・防災報道にも、一層力を入れてまいりたいと考えています。

【会場参加者】
 東日本大震災から6年半がたちましたが、「福島イコール原発事故、放射能、あるいは危ないところ」というイメージが固定化されつつあるような気がします。
 5月12日の『クローズアップ東北』、5月24日の『クローズアップ現代+』では、安全なのに売れない福島の米という現状が取り上げられました。
 これからは、福島の外に向かって、原発事故が起きた福島だけでなく、新しく変わりつつある福島の姿を、継続的に発信していく必要があるのではないかと、強く感じています。
 NHKには、福島第一原発の廃炉作業の報道も含めて、今後の福島を継続的に伝えてほしいと思います。

【会場参加者】
 国会中継を見ていると、11時54分から全国の天気予報がはじまり、審議途中で中継が終わってしまうことがあります。国会中継を最後まで放送し、そのあとで天気予報を放送してほしいと思います。

【会場参加者】
 私は、震災前に家庭医制度を学ぶ機会がありました。家庭医制度は、今まで私たちの身近になかった制度で、「この制度があったら、震災で混乱した地域医療の現場を何かとクリアできたのではないか」と、非常に重く感じました。
 『あさイチ』で一度だけこの家庭医制度について取り上げているのを見ましたが、それ以外では見たことがありません。家庭医制度について福島から発信してほしい、と思います。

(鈴木局長)
 福島第一原発に関連した、『クローズアップ現代+』と『クローズアップ東北』をご覧いただき、ありがとうございます。
 先ほども申し上げましたとおり、収束に向けての道のりがまだ険しい中、その時々に直面する課題を伝えることが求められていると思います。福島の外に住んでいると、6年半が経過すると記憶や関心が薄れてしまう、ということもあろうかと思いますので、「福島には、まだまだ課題がある」ということを、さまざまな機会を捉えて伝え続けることが必要だと思っています。
 ただし、課題や問題だけを指摘すればよいかというと、そうではないと思います。非常に前向きな動きや、一生懸命頑張っていらっしゃる方がたくさんいらっしゃると思いますので、ぜひ、そうした前向きな動きも、県内はもとより、全国そして海外に、より一層力を入れて伝えていきたいと思います。

(菅理事)
 福島第一原発の廃炉は40年かかると言われておりますが、NHKでも、NHKスペシャル『廃炉への道』で毎年取り上げています。この番組は、企画を採用した時点で、廃炉が終わるまで続ける決意ではじめた番組です。
 このほかの番組でも、福島の現状をお伝えしていくこと、福島がプラスの方向に変わってきている現状をお伝えすることを心がけています。
 ことし5月に『公開復興サポート 明日へ in 南相馬』を開催しましたが、これ以外でも地元の方に楽しんでいただけるようなイベントや、NHKが福島のためにできることはたくさんあると思います。被災地の皆さまに寄り添った形で、いろいろな番組をつくっていきたいと考えています。
 国会中継について、ご意見をいただきました。国会中継は、基本的に時間が決まっていますが、審議が延長する場合や途中で中断してしまう場合もあり、すべてを予定通り放送できないことがあります。そのような場合は、最後まで収録し、深夜に放送しています。定時で天気予報などをご覧になる方もいらっしゃいますので、ご理解いただきたいと思います。
 家庭医制度につきましては、東京に戻り、ご意見があったことを現場にも伝えさせていただきます。

【会場参加者】
 ラジオを聞いていると、「番組の途中ですが」と断りを入れて、地震速報などを伝えることがありますが、ときどきタイミングがとても悪い場合があるように思います。
 命を守る放送を大事にすることは理解できますが、あまり関連のない県外の緊急報道は、流さないようにしてほしいと思います。

【会場参加者】
 『紅白歌合戦』の出演者は、どのように決めているのか、教えてください。

【会場参加者】
 NHKは、日本文化の大切な核になり、ぶれずにものを伝えてほしいと思っています。
 そのため、NHKに関わっている方々には、アナウンサーだけでなく、すべての方々に日本の文化や言語、特に国語教育等について学んでいただきたいと思っています。今、若い方含めて、NHKではどのような教育を行っているのでしょうか。

(鈴木局長)
 ラジオで緊急速報を上乗せする件ですが、これはケース・バイ・ケースだと思います。ニュースの重要度と緊急度にもよりますが、特に地震の場合はできるだけ早くお伝えする必要がありますので、番組の構成をある程度無視する形で割り込む場合もあります。また、県外や、福島県に直接関係ないニュースの上乗せについても、ケース・バイ・ケースだと思います。
 福島周辺の複数の県にまたがるようなニュースをブロック放送や全国放送で伝えると、番組の途中でカットされてしまうことがあるかもしれませんが、NHKとしては、「できるだけ多くの方の暮らしと安全を守る」という視点で取り組んでいますので、ご理解いただければと思います。

(菅理事)
 『紅白歌合戦』の出演者についてですが、まず、その年にヒットした曲ということが挙げられます。そして、『紅白歌合戦』にはテーマがありますので、そのテーマのなかで歌い継がれてきた曲を歌っていただくこともあると思います。
 また、幅広い年代の方に見ていただけるような『紅白歌合戦』にしたいということで、若い方から年配の方まで見ていただけるような人選を、現場では考えていると思います。
 加えて、1年を通じて多くの方からいただくお手紙やメール等も参考にさせていただいています。

(上田会長)
 確かに、NHKは公共放送として、日本文化や日本語を大事にしていかなければいけないと思います。
 今、次の3か年経営計画を策定していますが、NHKが追及する「公共的価値」とはどういうものか、われわれは何をやらなければいけないのか、を改めて確認をしようと思っています。
 昨日、福島放送局の職員に私の考える「公共的価値」について話をしました。簡潔に申し上げますと、「正確で、公平・公正な情報を提供すること」、「安全で安心な暮らしに貢献すること」、「質の高い文化の創造に貢献すること」、「地域社会への貢献」、「日本と国際社会の理解促進」、「公共放送として教育と福祉への貢献」の6つです。特に、「地域社会への貢献」では、私が会長になってから、地域に寄り添うことに力点を置いています。
 こういったことを改めてNHKが追及する公共的価値として定義し、この軸足は放送をやる上で絶対に外してはいけないという形にしていきたいと考えています。
 職員に対する教育については、入局してからいろいろなプログラムがありますが、新たに職員倫理の徹底について、教育の充実を図ろうとしています。
 NHKには本体で1万300人、関連団体を含めますと1万6,000人を超える役職員がいますが、不祥事の発生が続いていることについて大変申し訳なく思っており、教育の際、単に技術的に教えるのではなく、放送人として基本的な職業倫理を持つように教育してくことが必要不可欠だと考え、今までの教育プログラムに加えて、特に倫理面に関する教育に力を入れるべく、取り組んでいるところです。

(司会)
 ラジオの上乗せについて、緊急度の高いものは別ですが、例えば大相撲の取組の途中や、歌の途中に入れることは、聞いている人の中には不快に思う人もいると思いますので、タイミングよく入れるように、福島放送局のアナウンサーにも伝えたいと思います。

【会場参加者】
 NHKの報道を見ていると、最近、少し萎縮しているように感じます。例えば、事件現場の報道では、本当はもっと近づかなければいけないところを、危ないからやめているように思います。また、加計学園や森友学園の報道についても、突っ込み不足だと思います。
 民放では、重要な問題だと連日放送されていますが、NHKではニュースで少しだけ放送し、後日、まとめて掘り下げることはありますが、そのときにはニュースとしての新鮮さが失われてしまっています。
 私は、最近のNHKの報道番組は、味が薄く感じてしまい、満足感が得られません。現場の記者の皆さんには、いろいろな圧力に負けずに、取り組んでほしいと思います。圧力に負けずに取り組むことは、勇気がいりますが、これをやらないとジャーナリストとしての価値はありません。
 政治的な報道について不偏不党を貫くことは、非常に難しいことだと思いますが、皆で議論し、正しいこと、言わなければならないことに対しては、少数意見であっても放送してください。右と左の意見を足して2で割って放送しても、何も意味がありません。もう一度、「国民にどう伝えるべきか」ということを皆で議論して、番組を作っていただきたい。

【会場参加者】
 金曜の夜8時から、『歴史秘話ヒストリア』を見ることを楽しみにしていますが、東北地方のブロック放送で、放送されないときがあります。そういうときは、マルチ放送で、『歴史秘話ヒストリア』も東北のブロック放送も、両方やってほしいと思います。

【会場参加者】
 インターネット上で、国会閉会中に審議が行われた加計学園問題のNHKの報道姿勢について、批判的な意見が多数掲載されていました。
 私は、ふだんNHKしか見ておらず、NHKは正確で公平・公正な放送をしていると信じています。NHK自身も公平・公正な報道をしていると言っていますが、「公平・公正」の基準は、組織のトップの人や一部の人の意見によって変わってしまうものなのでしょうか。

(菅理事)
 事件・事故の報道について、ご意見をいただきました。現場の記者には、取材に行ったときに、まず身の安全を確保することを徹底しています。報道している記者が、取材に行って二次災害に遭うことは、報道機関としてあってはならないことです。
 今、記者がスマートフォンで撮影しながら中継を行うこともありますが、自分の背後が見えなくなったり、落ちたり、転んだりなど非常に危険なことが起きる可能性がありますので、研修などを通じて、現場での安全確保を第一に考えるように指導しています。
 また、NHKでは、「NHK放送ガイドライン」を作成し、ガイドラインに従って、番組・ニュースを制作しています。ガイドラインには、「公平・公正」、「不偏不党」だけでなく、「番組編集の自由を確保し、何人からも干渉されない」ことが明記されています。NHKの番組制作に携わっている者は、このガイドラインを読み、放送の自主・自律を堅持しています。
 このほかに、NHKの番組に対して、放送番組審議会や番組モニターの方、視聴者の方からさまざまなご意見をいただいており、いただいたご意見はすべて現場の制作者に届くようなシステムを構築しています。
 また、マルチ放送についてご意見をいただきました。マルチ放送はとても便利ですが、画質が落ちてしまうという欠点があります。NHKはよい画質で放送することを原則としており、マルチ放送を行うのは、スポーツ中継が予定の時間より延伸してしまったときや、Eテレの高校講座のように、毎週同じ時間に見て学習されている方がいるような番組としています。
 『歴史秘話ヒストリア』は、東北のブロック放送が行われたとき、ほかの日に放送する編成となっていますが、周知のやり方を工夫する事もできるかもしれませんので、現場に伝えさせていただきたいと思います。

(上田会長)
 放送内容については、「NHK放送ガイドライン」があり、放送番組審議会や番組モニター、電話等で寄せられる視聴者の皆さまからのご意見を共有する仕組みもあって、公平・公正、不偏不党を貫くための枠組みがありますので、私は経営の舵取りを行い、番組については、原則、現場にすべて任せることにしています。

【会場参加者】
 昨年4月、行政機関や民間事業者において、「障害者に対して不等な差別的取扱いは禁止」など、合理的配慮の提供が規定された障害者差別解消法が施行されました。NHKのニュースでも全国の自治体の取り組みなどについて取り上げていますが、周知が広まっていないので、障害者差別解消法に関する番組をもっと放送してほしいと思います。

【会場参加者】
 私は、衛星放送の時代劇と『LIFE〜人生に捧げるコント〜』が大好きで、欠かさず見ています。番組の担当者の方が、ソーシャルメディアで情報を発信していますが、ほかの番組でもソーシャルメディアで情報発信を行えば、もっと興味深く番組を見ることができるのではないでしょうか。
 また、『はまなかあいずToday』のアナウンサーの方がブログを書いていますが、ニュースを読んでいるときとは別の一面を見ることができます。このように、さまざまなメディアを活用して、情報発信を行うことで、より身近なNHKになるのではないでしょうか。

(菅理事)
 NHKでは『ハートネットTV』などの福祉番組を制作していますので、頂戴したご意見は担当者に伝えさせていただきます。
 ソーシャルメディアによる情報発信について、ご意見をいただきました。今、若者のテレビ離れが課題となっていますが、ソーシャルメディアなどを使って若い方たちにNHKの番組を見てもらうことができないか、どのメディアを使えば効率的に訴求することができるか等について、研究を進めているところです。

(司会)
 では、最後に、全体を通しての感想を、各経営委員よりいただきます。

(本田代行)
 本日は大変貴重なご意見、また、ご要望をお聞かせいただきまして、本当にありがとうございました。
 視聴者の皆さまとの結びつきをより一層強めて、ご意見やご要望を適切に事業運営に反映させていくこと、また地域の視点に立った業務運営は大変重要であることを、きょう改めて強く感じました。頂戴いたしましたご意見やご要望は、参加した3名の経営委員に限らず、経営委員全員と共有いたしまして、そして執行部とも協力しながら、今後のNHKの経営に反映させていきたいと考えております。

(井伊委員)
 身近にあるものは、ついありがたみを忘れてしまいがちですが、NHKもそういうところがあるのではないかと思っています。
 NHKとよく比べられることの多いイギリスのBBCですが、ある有名なイギリスのコラムニストが、「BBCというのはイギリスの注目に値する宝石の一つだ。政府のものではなくて国民のもの。それも今生きている国民だけでなくて、未来の国民のものなんだ」ということを言っています。
 私たち日本人も、「NHKは日本の誇るべき宝石なんだ」と胸を張って言えるように、これからも皆さまに支えられながら、NHKがよい番組をつくっていけるよう、取り組んでまいりたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

(渡邊委員)
 改めて、視聴者の皆さまの受信料によって支えられているという責任の重さを、きょうのお話を聞いて痛感しました。
 また、世の中の多様性が進んでいる中で、家庭医制度の問題や、障害者に対する新しい方向づけなど、われわれも詳しくは知らないことが大変多いことを認識するとともに、公共放送として取り上げていくべきではないかと思いました。きょうはありがとうございました。

 

 

<視聴者のみなさまと語る会in福島>参加者当日アンケート

※全表の単位はすべて人数

質問1:性別

男 性 女 性 未回答
24 9 2

質問2:年齢

10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代
0 1 0 8 4 10 9 3

質問3:今回のイベントを何でお知りになりましたか(複数回答)

放送(テレビ) 放送(ラジオ) ホームページ 新聞 メール Twitter その他
6 0 6 2 24 0 1

質問4:今回のイベントに参加していかがでしたか

大変満足 満足 ふつう 不満 大変不満 未回答
14 13 3 0 0 5

質問5:一番印象に残ったコーナーはどこでしたか(複数回答)

経営重要事項 経営など全般 放送について 講演会 特になし 未回答
11 9 10 6 0 8

質問6:NHK経営委員会の仕事を知っていましたか

よく知っていた 知っていた 知らなかった その他 未回答
0 16 18 0 1

質問7:今回のイベントに参加して、NHK経営委員会の活動について理解が深まりましたか

理解が深まった 特に変わらない わからない その他 未回答
26 4 0 0 5

 

 

<アンケートに寄せられた主なご意見>

 

経営全般について

  • 受信料制度について、ほかの視聴者の不満がたまっていることを知り少し驚いたが、これらの意見が今後のNHKの運営に反映されることを期待する。
  • 受信料制度に関する最高裁判所の判断は興味深い。
  • 会長が話した6つの提言の遂行に向けて、最善の方法で取り組んでほしい。
  • 「公共的価値」という言葉が印象に残った。
  • 「地域に寄り添う」という会長の言葉を心強く感じた。
  • NHKの仕事をいろいろと学ぶことができ、ますますNHKの放送を楽しめるようになった。

 

放送について

  • これからもたくさんのジャンルの番組を放送してください。
  • 大雨、大雪の時、衛星放送が映らない時があり、残念だ。
  • 『はまなかあいづToday』のビデオコーナーを復活させてほしい。
  • 原発でイメージダウンした福島をイメージアップする番組をたくさんつくり、世界に発信してほしい。
  • 海外の放送局のニュースをリアルタイムで見たい。
  • 衛星放送で流されたドラマを地上波でも後日放送してほしい。
  • 東日本大震災と、ほかの震災との違いを描いてほしい。
  • 震災直後と比べて、全国放送で福島を取り上げる番組が減ってしまい、残念。全国に知らせることが、国民の生命・財産を守ることにつながる。
  • 全国放送と地域放送を、マルチチャンネルを活用して同時に放送してほしい。
  • 『あさイチ』のレポーターに、違和感のある人がいる。
  • 歌番組が減っている中、NHKの『うたコン』等の番組はありがたい。
  • Jアラートの表示は、直後は大きく取り上げ、あとは画面の隅に表示すればよい。
  • 深夜時間帯では、震度2以下の地震情報は流さなくてよいのでは。
  • 公平・公正なニュースに期待する。
  • 番組の内容について、たいへん満足している。
  • 『こでらんに5』に、リクエストコーナーを設けてほしい。
  • 災害発生時、NHKのチャンネルのひとつを災害専用にしてほしい。

 

運営、その他について

  • 参加者のさまざまな意見に対し、登壇者が丁寧に答える姿に好感を持った。
  • ほかの視聴者の意見が聞けて大変良かった。
  • 登壇者の方々がきちんとした説明をしていて、NHKの取り組みを聞くことができてよかった。
  • もう少し若い方たちの語る会があってもよいと感じた。
  • 会長が大変丁寧かつ誠実に回答や話をされていたことに感心した。
  • 経営委員や執行部の生の意見を聞く事ができ、参加して大変良かった。
  • 福島県の交通の便を考えると郡山市で開催してほしかった。
  • 語る会の進め方は、10人程度毎にグループ分けしてはいかがか。