NHK INFORMATION
経営委員会議事録

  第906回



 

平成13年7月2日(月)公表


日本放送協会第906回経営委員会議事録
(平成13年5月29日開催分)


第906回 経 営 委 員 会 議 事 録



<会 議 の 名 称>
 第906回経営委員会


<会 議 日 時>
 平成13年5月29日(火)午後3時から午後5時まで


<出  席  者>
  〔委  員〕
  櫻 井 孝 頴   鳥 井 信一郎
    大 下 龍 介   宮 崎   満   尚   弘 子
    八 島 俊 章   矢 野 征 男   平 岩 弓 枝
    松 野 春 樹   堀 部 政 男    
  (◎委員長 ○委員長職務代行者)

  〔監  事〕
  中 里 監 事 梶 谷 監 事 内 川 監 事

  〔役  員〕
  海老沢 会 長    
  菅 野 副会長 中 村 技師長 板 谷 専務理事
  山 村 理 事 笠 井 理 事 関 根 理 事
  山 田 理 事 吉 野 理 事 伊 東 理 事
  安 岡 理 事    


< 場   所 >
 放送センター  21階役員会議室


< 議   事 >  
 須田委員長から、本日の付議事項および日程について説明があった。
 続いて、第904回経営委員会(平成13年4月24日開催)議事録を承認し、所要の手続きを経て平成13年6月4日に公表することとした。   
  これに続き、付議事項の審議に入った 。


付議事項
1 議決事項
 (1) 日本放送協会平成12年度業務報告書および総務大臣への提出(監事の意見書を添付)について
 (2) 日本放送協会平成12年度貸借対照表等およびこれらの総務大臣への提出(監事の意見書を添付)について
 (3) 株式会社エイ・ティ・アール音声言語通信研究所等4社への平成13年度出資について
 (4) テレビジョン、ラジオ、FM中継放送局の新設等について


2 報告事項
 (1) テレビジョン中継放送局の開局について
 (2) NHK情報公開の概要について


3 その他
 (1) 日本放送協会平成12年度業務報告書に添付する監事の意見書について
 (2) 日本放送協会平成12年度貸借対照表等に添付する監事の意見書について
 (3) 平成13年度管理職異動について
 (4) ABU理事会出席報告について
 (5) 放送技術研究所公開実施結果について
 (6) バンフ国際テレビ祭について


議事経過
1 議決事項  
 (1) 日本放送協会平成12年度業務報告書および総務大臣への提出(監事の意見書を添付)について    
  山田理事から、概略以下のような説明があった。    
  業務報告書は、放送法で、事業年度経過後2か月以内に総務大臣に提出することになっており、本日の委員会での審議、議決を得た上で、監事の意見書を添えて、決算とあわせて5月30日に総務大臣に提出する予定である。内容は、国内放送、国際放送をはじめ、調査研究、営業活動、視聴者関係業務、放送設備の建設、業務組織、財政の状況など、平成12年度事業全般にわたっている。12年度の特徴としては、12月1日に開始した衛星デジタル放送について、「放送番組の概況」、「営業及び受信関係業務の概況」、「放送設備の建設改修及び運用の概況」の章などで多角的に記述したこと、衛星デジタル放送のデータ放送の二次利用によるニュースのインターネットホームページへの掲載について記述したこと、NHK情報公開基準の策定をはじめとする自主的な情報公開の開始に向けた諸準備をとり進めたことについて記述したことなどがあげられる。また、従来「その他」の章の1項目として 記述していた関連団体等の概要に関して新たに章を設けわかりやすくするとともに、資料の内容も拡充した。なお、業務報告書は、従来に引き続き、NHKの各事業所へ備え置くほか、インターネットホームページへも掲載し、公開していく。
これに関する主な質疑および意見は、次の通りである。
  ・ 肥大化批判への対応のためにも、インターネットホームページへのニュース掲載など放送を補完するサービスについては、一般にもわかりやすく説明することが必要ではないか。
  ・ NHKの関連事業への関心が高いので、資料編でNHKの副次収入の欄を設けたことを含め、関連団体についての記述を充実したのは評価できる。
  ・ 業務報告書は1年間のNHKの業務を過不足なく記述する必要があるため、このような形式になるのはやむを得ないが、対外的な発表にあたっては、今年の報告書の特徴をあげて、メリハリをつけた説明をしてほしい。
  ・ NHKの事業規模について理解を得るために、外国の放送事業者の規模との比較など、さまざまなデータを使って説明することも必要ではないか。
これに対する関係役員の主な発言は、次の通りである。
  ・ インターネットホームページへのニュース掲載は、放送サービスを補完するものとして実施しているが、徐々に関心が高くなってきている。説明のしかたについては、引き続き工夫していきたい。本件について採決した結果、原案通り議決した。

 (2) 日本放送協会平成12年度貸借対照表等およびこれらの総務大臣への提出(監事の意見書を添付)について
 笠井理事から、概略以下のような説明があった。
 平成12年度の収支決算については、第904回経営委員会(平成13年4月24日開催)で、その概況を報告したが、本日の委員会での審議、議決を得た上で、放送法第40条に基づき、監事の意見書を添えて、業務報告書とあわせ、5月30日に総務大臣に提出する予定である。なお、この収支決算は、放送法第40条第2項、第3項に基づき、会計検査院の検査を経て国会の審議にゆだねられる。平成12年度の事業収入は 6,525億6,100万円で予算に対し35億9,900万円の減収、事業支出は6,301億7,800万円で61億2,900万円の予算残となった。これにより、 事業収支差金は223億8,300万円となり、予算に対して25億2,900万円の収支改善になった。この収支改善額は翌年度以降の財政安定化資金に充当することとし、この結果、12年度末の財政安定のための繰越金は、559億2,300万円になる。事業収入の内訳は、受信料収入が 6,265億2,300万円で、予算に対して47億9,800万円の減収、副次収入が76億400万円、財務収入が46億円1,100万円、特別収入が106億9,700万円等である。事業支出の主なものは、国内・国際放送費が2,706億5,100万円、契約収納費が614億1,200万円、給与が1,428億1,500万円等である。また、資本支出は、前年度からの繰越額と当初予算をあわせた1,055億9,200万円の予算に対し、決算額は1,032億9,600万円となったが、当初予算のうち、建設計画未了分等の2億2,200万円を13年度に繰り越すので、予算残は20億7,300万円となる。なお、12年度収支決算にあたり、一般勘定における、経費の節減により生み出された財源の退職手当・厚生費等への流用、有珠山噴火等の取材経費及び被災施設の復旧経費等への予備費の使用、また、受託業務等勘定における、受託業務等収入の増収額の受託業務等費等への振当てのため、予算総則第4条第1項に基づく予算の流用、同第6条に基づく予備費の使用、同第7条に基づく増収額の振当てを行う。
 これに関する主な質疑および意見は、次の通りである。
  ・ 情報公開の流れの中で特殊法人への関心が高まっているなか、NHKの決算については、他企業と比してもそん色のない公開を行っているが、一般の企業会計との比較ができるようなわかりやすい決算の説明のしかたを工夫してほしい。
これに対する関係役員の主な発言は、次の通りである。
  ・ NHKの経理は、原則として企業会計原則にのっとって行っており、決算諸表として貸借対照表や損益計算書等を作成し、インターネット等により広く情報公開に努めている。今後ともわかりやすい決算に向けて検討をしていきたい。なお、新しい会計基準という大きな流れの中で、どのような会計処理がNHKにとってふさわしいか、現在監査法人等とも相談しながら検討しているが、わかりやすい決算諸表の作成を進め、よりいっそうの情報公開に努めたい。
本件について採決した結果、原案通り議決した。

 (3) 株式会社エイ・ティ・アール音声言語通信研究所等4社への平成13年度出資について
  吉野理事から、概略以下のような説明があった。
  (株)エイ・ティ・アール音声言語通信研究所、(株)エイ・ティ・アール環境適応通信研究所、(株)エイ・ティ・アール知能映像通信研究所、(株)次世代情報放送システム研究所の4社に対して、平成13年度の出資を行うこととしたい。これらの研究会社は、基盤技術研究促進センターの出資制度を活用して設立され、放送に関連する基盤技術の研究開発を行っており、NHKはこれまで、研究開発の進展にあわせて出資を行うとともに、各社に研究者を派遣して、NHKの研究開発と密接な連携を図ってきた。しかし、現在審議中の「基盤技術研究円滑化法の一部を改正する法律」により、基盤技術研究促進センターの出資制度が廃止され、基盤技術に関する研究開発が通信・放送機構から民間に委託されることになるため、各研究会社では当初の研究開発計画を短縮し、概ね13年度上半期を目途に研究開発を終了するとともに、新たな委託制度のもとでこれまでの研究成果を生かした研究開発活動を行うことを検討している。NHKは現行制度のもとでの各研究会社の研究成果を確保するため、各社の要請にこたえて出資を行うこととしたい。出資総額は概ね13年度上半期分に相当する1,910万円である。
  本件について採決した結果、原案通り議決した。
  なお、吉野理事から、本件については、放送法第9条の2の規定に基づき、総務大臣あて認可申請を行う旨の説明があった。

 (4) テレビジョン、ラジオ、FM中継放送局の新設等について
  吉野理事から、概略以下のような説明があった。
  平成13年度は、外国電波による混信の改善のため、テレビジョン中継放送局(総合テレビ)1局(千葉県千葉・13年度完成)とラジオ中継放送局(第1放送)2局(熊本県南阿蘇・13年度完成、高知県大豊・ 13年度完成)、FM放送の受信改善のため、FM中継放送局3局(福島県西金山・13年度完成、群馬県三波川・13年度完成、群馬県万場・13年度着工で14年度完成)を新設することとしたい。また、CATVへの全戸加入により受信世帯が皆無となっているテレビジョン中継放送局6局(青森県六ヶ所尾駮、新潟県羽茂、奈良県吉野南大野、岐阜県上石津、埼玉県三田川、埼玉県小鹿野宮沢)を平成13年9月に廃止することとしたい。
  本件について採決した結果、原案通り議決した。



2 報告事項
 (1) テレビジョン中継放送局の開局について    
 吉野理事から、概略以下のような説明があった。    
 第898回経営委員会(平成13年1月23日・24日開催)で設置計画が議決され、その計画に基づいて建設を取り進めていた、富山県の 新川テレビジョン中継放送局が平成13年4月27日に開局した。これにより、26,000世帯の外国電波混信による受信障害が改善されることになる。

 (2) NHK情報公開の概要について    
 菅野副会長から、概略以下のような説明があった。    
  NHKは、視聴者からの受信料によって運営されていることから、放送による言論と表現の自由を確保しつつ、事業活動や財務内容等について視聴者に説明する責務を有する。これまでも、財務諸表、経営委員会議事録等をはじめ、多くの情報提供に努めてきたが、これまで以上に開かれた事業運営を実現し、視聴者の支持と信頼をより強いものにしていくため、昨年12月に「NHK情報公開基準」を策定した。この「NHK情報公開基準」にのっとり、視聴者の求めに応じて情報を開示する新たな仕組み(情報開示)を自主的に始めることとした。情報開示の仕組みは、視聴者からの「開示の求め」と、NHKの判断結果について再検討を求める「再検討の求め」から成っている。なお、視聴者からの開示の求めは、7月2日(月)から、全国の放送局・支局で直接または郵送により受け付ける。今後は、情報提供をいっそう推進するとともに、情報開示により視聴者の求めにきめ細かくこたえることで、視聴者の支持と信頼をより確かなものにしていきたい。  


3 その他   
 (1) 日本放送協会平成12年度業務報告書に添付する監事の意見書について
  内川監事から、概略以下のような説明があった。
  平成12年度、日本放送協会は、公共放送の使命を達成するため、公正で信頼される報道と多様で質の高い番組の放送を行うとともに、12月1日から衛星デジタル放送を円滑に開始した。また、NHK情報公開基準を定め、自主的な情報公開を実施することとした。放送受信契約は、増加計画を達成できず、受信料収入は予算を下回ったが、経費の節減など、経営全般にわたり効率的な業務運営に努めた結果、財政の安定を維持した。これにより、おおむね所期の成果を収めたものと認めると評価した。国内放送については、今後とも公共放送の役割と責任を再確認して公正で的確な報道と多様で質の高い番組の放送を要望 した上で、衛星デジタル放送について、その特性を生かした魅力ある番組を積極的に開発し、普及促進に努めること、地域放送について、地域に密着したサービスを強化すること、災害などの緊急時には迅速かつ的確な報道に引き続き万全を期すること、青少年問題や高齢化問題を考える番組の放送や障害者向けサービスを引き続き拡充すること、放送倫理の徹底を図ること等を要望した。営業活動等については、今後とも視聴者に対する公共放送・受信料制度についての理解を深める活動を推進すること、特に受信料収入の予算に対する減収を厳しく受けとめ、受信契約の増加と受信料の確実な収納を図ること、公平負担の徹底を期するため、面接困難な未契約者への対応をいっそう強化すること等を要望した。業務運営・財政については、今後とも視聴者に開かれた効率的で活力ある業務運営の推進および受信料収入の確保と経費の節減による財政安定の維持に努めること、NHK情報公開基準を適切に運用すること、関連事業は引き続き公共放送にふさわしい節度 をもって推進すること、新たに策定した「IT時代のNHKビジョン」 を着実に具体化し、公共放送としての責任を果たすこと等を要望した 。

 (2) 日本放送協会平成12年度貸借対照表等に添付する監事の意見書について
  内川監事から、「平成12年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書」については、協会の財産および損益の状況を正しく示しているものと認める旨の説明があった。   

さらに、海老沢会長から、以下の4項目について概要の説明があった 。  

 (3) 平成13年度管理職異動について
  メディア環境の変化や高度かつ多様な業務展開に迅速・的確に対応する体制を構築することなどを目的として、6月4日に今年度の管理職異動を実施することとした。今年度は特に地域サービスの充実を目指して、地域の異動スパンを原則3年以上とする地域定着型人事を推進し、異動件数を昨年に比べて22%縮減した 。  

 (4) ABU理事会出席報告について
  5月17日、18日の両日、NHK放送センターでABU(アジア太平洋放送連合)の第70回理事会が開催された。アジア太平洋地域を代表する13の放送機関の代表が一堂に会し、ABUの「21世紀に向けたビジョン」の策定などについての話し合いが持たれた 。

 (5) 放送技術研究所公開実施結果について
  5月17日から20日にかけて、放送技術研究所の公開を実施した。今年は、「進化するデジタル放送」をテーマに、BSデジタル放送の魅力をアピールするとともに、今後のデジタル放送の発展を展望した。また、将来の放送技術の進展に必要な基礎基盤技術などの研究成果を展示した。また、現研究所の建物として最後の公開となることから、特別展示として放送技術研究所の71年の歴史を振り返り、これまで放送技術研究所が果たしてきた役割や研究成果を紹介した。4日間の来場者は12,000人を超えた。

 (6) バンフ国際テレビ祭について
  NHKは、毎年6月にカナダのアルバータ州バンフで開催される北米最大規模のテレビ祭である「バンフ国際テレビ祭」に、「バンフ国際テレビ祭・NHK会長賞」を創設した。これは、ハイビジョンの国際的な振興を推進するため、全世界を対象に、ハイビジョンの優れた作品やハイビジョンに貢献した活動を顕彰するものであり、第1回目の授賞式が現地時間の6月11日夜に行われる。


 上記の通り確認する。         

平成13年6月26日  
   櫻 井 孝 頴
 
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