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第1158回
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平成24年2月3日(金)公表

日本放送協会第1158回経営委員会議事録
(平成24年1月17日開催分)

第1158回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1158回経営委員会

 

<会 議 日 時>

平成24年1月17日(火)午後1時30分から午後3時45分まで

 

<出 席 者>

〔委  員〕

  數 土 文 夫 安 田 喜 憲 石 島 辰太郎
    石 原   進   井 原 理 代 勝 又 英 子
    北 原 健 児   倉 田 真由美 幸 田 真 音
    竹 中 ナ ミ   浜 田 健一郎
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔役  員〕

  松 本 会 長 小 野 副会長 永 井 技師長
  金 田 専務理事 大 西 理 事 今 井 理 事
  塚 田 理 事 吉 国 理 事 冷 水 理 事
  新 山 理 事 石 田 理 事 木 田 理 事

 

 

<場   所>
放送センター  21階役員会議室

 

<議   事>

 數土委員長が開会を宣言し、本日の付議事項および日程について説明。第1157回経営委員会(平成23年12月20日開催)の議事録を承認し、所要の手続きを経て、平成24年1月20日に公表することを決定した。

 

 

付議事項

1 視聴者のみなさまと語る会(長崎)報告(資料)

 

2 議決事項

 (1) 平成24年度収支予算、事業計画及び資金計画
(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)(資料5)(資料6)

 (2) 平成24年度国内放送番組編集の基本計画について(資料1)(資料2)

 (3) 平成24年度国際放送番組編集の基本計画について(資料)

 

3 報告事項

 (1) 平成24年度国内放送番組編成計画について(資料)

 (2) 平成24年度国際放送番組編成計画について
(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)(資料5)(資料6)

 

 

議事経過

 

1 視聴者のみなさまと語る会(長崎)報告(資料)

 (板野経営委員会事務局長)
 平成23年度の第6回は、11月5日(土)に長崎放送局の3階スタジオで開催しました。登壇したのは、経営委員では石原委員、幸田委員、竹中委員、執行部は金田専務理事、新山理事、長崎放送局の合田局長の合計6名でした。司会は、野村正育アナウンサーでした。事前の申し込みが55名からあり、全員に参加案内をお送りしましたが、当日の参加者数は41名でした。これは申し込み数の74.5%にあたります。終了後のアンケートでは、回答者の48.6%が「経営委員会の仕事を知らなかった」としていましたが、「語る会」の参加後にはおよそ77.1%の方が「経営委員会の活動について理解が深まった」と答えています。「語る会」終了後に、「『坂の上の雲』制作秘話」と題して、番組の藤澤浩一チーフ・プロデューサーのトークショーを開催しました。概要や反響等については、報告書の1〜2ページに記載しています。
 冒頭で、協会の基本方針や重要事項の説明として、石原委員から経営委員会の役割、平成24年〜26年度NHK経営計画について説明しました。その内容は2〜4ページに記載しています。
 意見聴取は「放送」と「経営全般」の2つのテーマで実施しました。災害時にラジオ放送が果たす役割、放送機能の地域分散化に対する意見、NHKオンデマンドに関するご意見など、多岐にわたりました。これらは5ページ以降に掲載しています。
 終了後の参加者当日アンケートの結果とアンケートに記された具体的内容は27ページ以降に記載しています。

 

 

2 議決事項

 (1) 平成24年度収支予算、事業計画及び資金計画
(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)(資料5)(資料6)

 (石田理事)

 「平成24年度収支予算、事業計画及び資金計画」について、ご審議をお願いします。
 NHKは、放送法第70条の規定により、年度ごとに収支予算、事業計画及び資金計画を作成し、経営委員会の議決をいただいた後、総務大臣に提出することになっています。平成24年度予算につきましては、これまで予算編成方針や予算編成要綱など、計4回にわたってご審議をいただきました。今回は、これまでの議論を踏まえ、最終的に予算書として内容を取りまとめました。
 内容の説明に入る前に、おのおのの資料について概略を説明します。
 まず、「予算書」です。これは、放送法第70条第1項で、NHKが作成して総務大臣に提出することを義務づけられているものです。放送法第70条第2項では、総務大臣はこの予算に意見を付し、内閣を経て国会に提出し、国会の承認を受けなければならない旨を規定しています。また、放送法に基づく放送法施行規則には、収支予算、事業計画、資金計画に記載する具体的な事項が定められています。
 次に、「予算書」の説明資料です。まず「平成24年度収支予算と事業計画の説明資料」は、「予算書」の内容、重点事項の柱を詳しく分かりやすく説明するための資料で、昨年12月6日の経営委員会でご説明した「平成24年度収支予算編成要綱」をベースにした内容になっています。なお、「平成24年度収支予算編成要綱」に、20ページの「ジャンル別番組制作費」、46ページの「平成24年度末予定貸借対照表」、47ページの「平成24年〜26年度経営計画」の資料を追加しています。
 「NHK平成24年度収支予算と事業計画〔要約〕」は、予算・事業計画のポイントや受信料収入、公共放送の機能強化をはじめとする経営計画に沿った4つの重点目標など、「平成24年度収支予算、事業計画及び資金計画」のエッセンスを1枚にまとめたものです。記者発表、国会など外部対応の際には、これら2つの資料を使いながら説明しています。
 「平成24年度収支予算、事業計画及び資金計画に関する資料」は、「予算書」の参考資料です。収支予算等の内訳を詳しく記載しています。
 国際放送関係交付金の決定に伴い、24年度予算案の修正がありますので、参考資料で修正点をご説明します。政府予算案の国際放送関係交付金の決定に伴い、収支予算案を一部調整します。12月24日に政府予算案が確定し、23年度と同額を計上していた国際放送交付金が194万3,000円の減になりました。この減額分と同額を事業支出の国際放送費から減額することにより、収支均衡予算を維持します。以上の変更を盛り込んで、今回の予算書等の資料を作成しています。
 続いて、参考資料のうち、要約に基づきまして、平成24年度予算のポイントを簡単にご説明します。資料の「平成24年度収支予算と事業計画〔要約〕」をご覧ください。「24年度予算、事業計画のポイント」についてですが、24年度は3か年経営計画の初年度として、経営計画に掲げた4つの重点目標に取り組んでいきます。重点目標の1つ目の「公共」では、東日本大震災の経験を教訓に、安全・安心を守る公共放送の機能強化と震災の復興支援に取り組みます。2つ目の「信頼」では、世界に通用する質の高い番組の放送や、日本、そして地域の発展につながる放送を充実させます。3つ目の「創造・未来」では、完全デジタル化後の放送と通信の融合時代にふさわしい新たなサービスを充実していきます。最後に4つ目の「改革・活力」では、効率的な経営の推進と営業改革による受信料の公平負担の徹底に努めていきます。収支のポイントです。まず、事業収入は受信料の支払率や収納率の向上に努めますが、24年10月から受信料の値下げを実施する影響などで、前年度比114億円減収の6,489億円になります。事業支出は、重点目標の1つである公共放送の機能強化を実施するとともに、放送サービスのさらなる充実を図りますが、一方で業務の棚卸しによる経費の削減を行うことで、前年度比で74億円減の6,489億円とします。受信料の値下げで事業収入は大幅な減収となりますが、支出面で経費削減を図るなどの経営努力により、収支均衡予算としています。収入、支出ともに前年度を大幅に下回る厳しい財政状況ですが、効率的に業務運営を行っていきます。また、収支予算の表の下にある「建設積立金」と財政安定のための「繰越金」について説明します。現在の放送センターは、昭和40年の第1期工事の完成から46年が経過して老朽化が著しく、スペース不足の課題も抱えており、大規模災害時にも放送の中枢機能を果たしていくため、建て替えを検討しています。平成30年前後の着工を想定して、新放送センターの総工費の財源の一部に充てるため、24年度に財政安定のための繰越金から400億円を建設積立金に組み替え、外部からの借り入れを極力抑制します。この結果、24年度末の繰越金は789億円になります。
 続いて、平成24年度収支予算、事業計画及び資金計画、いわゆる「予算書」を説明します。
 3ページから始まる予算総則はNHKの受信料額や予算の使用方法に関する決まり事を規定しています。まず、第1条で、平成24年度の収入及び支出を7ページ以降の別表第1のとおり定めています。また、第2条では、契約種別ごとの受信料額及び割引額等について規定しています。また、第2条に関連して、11ページの「別表第2 契約種別」から16ページの「別表第7 団体一括支払における割引額」まで、受信料額を規定するために必要な条項を記載しています。今回は、平成24年10月から受信料値下げを実施するため、その値下げを織り込んだ受信料額や割引額を記載しています。例えば、12、13ページの別表第4における受信料額は、9月30日までと10月1日以降で別々に記載しています。
 続いて、第3条以降は予算の使用方法を規定しています。第3条では、本予算は予算の各項に定めた目的以外にこれを使用することはできないという原則が記載してあります。第4条では予算の流用について定めています。第5条では、予算の繰越について定めています。第6条では、予備費の使用について定めています。第7条では増収した場合の使用方法、第9条では減収により事業収支差金が赤字になった場合の補てんの方法、第10条では前年度の決算で繰越金が増加した場合の使用方法について規定しています。なお、予算の使用についての予算総則は、一部を除き経営委員会の議決を経て適用します。
 7ページから10ページまでが収支予算書です。7ページは一般勘定の事業収支で、要約でポイントをご説明したとおりです。8ページは一般勘定の資本収支です。資本収入は1,122億円、資本支出は1,098億円となり、24億円の黒字になります。資本収支差金24億円については、翌年度以降の財政安定のための財源として繰り越します。9ページにはNHKオンデマンド事業の収支に係る番組アーカイブ業務勘定、10ページには、協会の保有する施設の賃貸等による放送法第20条第3項の収支に係る受託業務等勘定について記載しています。
 17ページからは事業計画です。今まで予算編成要綱などでご議論していただいてきた予算の重点事項と金額をまとめています。放送法施行規則により、5項目について記載するようになっています。計画概説、建設計画、事業運営計画、受信契約件数、そして要員計画について記載しています。まず19ページの「計画概説」については、先ほど要約でご説明した予算・事業計画の概要を記載しており、加えて、建設計画や国内放送等の事業運営の基本的な考えを記載しています。また、21ページの下段の「建設計画」では、衛星放送施設整備計画、テレビジョン放送網整備計画といった科目ごとに、重点事項と金額をそれぞれ記載しています。公共放送の機能強化のための整備も含め、総額698億円を計上しています。23ページ下段からの「事業運営計画」は、国内放送、国際放送などの科目別に、重点事項と金額をそれぞれ記載していますので、ここでは主な項目をご説明します。まず、国内放送については、地上、衛星、ラジオ放送のチャンネルごとに記載しています。総合テレビジョンについては、基幹的な総合サービス波として、国民生活に不可欠なニュース・情報番組、創造的な文化・教養番組や娯楽番組等の調和ある編成を行います。教育テレビジョンは、未来を生きる子供たちや明日を担う若者を対象にした番組を強化します。また、福祉番組や趣味・実用・教養番組等の充実を図ります。BS1は、世界の今を伝える国際情報や生放送によるスポーツ番組、報道の背景を深く掘り下げる番組を中心に、独自性を高め、柔軟で機動的な編成を行います。BSプレミアムは、本物志向の教養番組や娯楽番組を中心に、多彩な分野の良質で個性的な番組を編成します。24ページの最後の行からはラジオ放送についてです。ラジオ第1は、ニュース・報道番組の充実に取り組み、災害等の緊急時には、迅速に情報を伝えます。ラジオ第2放送は、語学番組の利便性を考慮した編成を行うとともに、福祉番組や国際放送と連動した番組を充実します。FM放送は、優れた音質を生かした多彩な音楽番組を中心に編成します。25ページ下段からは地域放送について記載しています。地域放送では、地域に密着したきめ細かなニュース・生活情報や地域の課題に取り組む番組等を編成し、地域の安全・安心と再生・活性化に貢献します。また、群馬県、栃木県で県域テレビジョン放送を開始します。26ページの補完放送では、データ放送、字幕放送、解説放送、ワンセグ等を実施します。26ページの最後の行から記載している放送番組の提供等では、放送番組の提供やインターネットによるサービス等を記載しています。27ページ下段の国際放送については、外国人向けと邦人向けのテレビジョン国際放送及びラジオ国際放送を実施するとともに、インターネットによるサービスを行います。テレビジョン国際放送は、日本やアジアをはじめとする世界の情報を伝える英語ニュースを強化するほか、東日本大震災からの復興と新生に取り組む日本の姿や、幅広いジャンルの多様な番組を全世界に向けて発信し、経済・文化交流と相互理解の一層の促進に貢献します。ラジオ国際放送については、日本・世界の最新の動向や、幅広い情報を伝えるニュース・情報番組の充実を図り、地域の特性に応じた多様な手段で伝えます。29ページ中段は契約収納についてです。受信料の公平負担の徹底に向けて、契約収納活動を強化するとともに、受信料制度に対する理解促進を図り、支払率と収納率の向上及び受信料収入の確保に努めます。続いて、受信対策については、衛星セーフティネットの終了に向けて、新たな難視聴対策や混信への対策等を実施します。31ページでは、経営計画の重点目標の1つである「効率的な経営の推進による公共放送の価値の最大化」を記載しています。計画の進捗状況を適切に評価・管理する仕組みを確立し、マネジメントの強化を図るとともに、業務の棚卸し等により効率的かつ効果的な業務体制を構築します。さらに、放送・サービスの質を向上させるため、高い使命感を備えた人材を確保するとともに、人材育成施策を充実し、活力ある職場づくりを目指します。33ページの「受信契約件数」には、地上契約と衛星契約、特別契約という、契約種別ごとの有料契約見込件数と、受信料免除見込件数を記載しています。35ページの参考1では、これらをまとめて記載しています。24年度初頭有料契約見込件数は総数で3,751万件であり、24年度は45万件上乗せして、最終的には3,796万件とする計画です。この45万件の内訳としては、地上契約が27万件の減少、衛星契約が72万件の増加を見込んでいます。37ページは「要員計画」です。業務の効率化を積極的に推進し、80人の純減を見込んでいます。その結果、予算人員は1万0,482人になります。次に、39ページ以降の資金計画では、資金計画の概要、すなわち資金の需要及び調達について記載しています。放送法施行規則では、資金計画の概要として、受信料等の入金および事業経費、建設経費等の出金について記載することが規定されています。24年度の資金計画としては、入金は7,049億円、出金が7,078億円で、全体として資金が不足することなく業務運営を行う計画です。

 (北原委員)

 細かいことをお聞きしますが、「平成24年度収支予算、事業計画及び資金計画」の20ページに、国際放送について、「国際放送は、自主自律の編集権を堅持し」と記載してあります。これは国際放送だけに限ることではなくて、国内放送の報道、制作、すべてに関係することだと思います。どうしてあえて国際放送だけにこの文言が書いてあるのですか。最近、何か自主自律の編集権を侵害するような事例があったのですか。

 (石田理事)

 国際放送については、政府から交付金をいただいているという事実がありますので、それを踏まえて「自主自律の編集権を堅持し」という文言が入っています。

 (北原委員)

 政府の言いなりにはなりませんよということですね。

 (數土委員長)

 確認ですが、今説明していただきました「平成24年度収支予算、事業計画及び資金計画」の最初に予算総則は、放送法の施行規則にのっとって書かれているということですが、3ページから始まる予算総則は、毎年度、同じ内容を書いているのか、それとも今回変更した部分はどこなのかが、要約版のポイントを見ても記載がありません。これについてコメントしてもらうと委員の皆さんにも分かりやすいと思います。

 (石田理事)

 基本的には昨年度とほとんど変わっていないのですが、例えば第9条に、「事業収入が予算額に比し減少することにより、事業収支差金が予算額に比し減少するときは、経営委員会の議決を経て、資本収支差金又は前期繰越金を事業収支差金の不足の補てんに充てることができる」と記載されているのですが、24年度の資本収支差金は黒字になるということで、資金収支差金を事業収支差金の不足の補てんに充てることができることを追記しています。また、第10条の、「その増加額は、経営委員会の議決を経て、その一部又は全部を建設積立資産への繰入れ又は設備の新設、改善に充てることができる」の部分について、昨年度まではテレビジョン放送のデジタル化への対応に充てることができる旨の記載があったのですが、地上放送のデジタル化は、昨年7月に東北3県を除いて終了しており、東北3県もことしの3月31日で終了ということで、文言が一部変更になっています。しかし、そのほかの条文は基本的には前年度と同じです。ただし、別表は、もちろん収支の数字が違いますし、10月から受信料の値下げを行うことから受信料額を2つに分けて記載していることなどが、23年度から変更になっています。

 (數土委員長)

 一般企業の中期計画や単年度計画では、予算総則というものはないものですから、非常におもしろいなということと、毎年度同じ内容かどうなのかということを確認したかったのが趣旨です。

 (石島委員)

 1つ単純な質問です。「NHK平成24年度収支予算と事業計画〔要約〕」の収支予算の建設積立金のところに、「新放送センターの建設に備え、財政安定のための繰越金から400億円を組み替えます」という記載があります。繰越金から400億円引くと、789億円ではなくて764億円になるのですが、実際には375億円の減で済んでいるのは、資本収支差金の黒字が繰越金に計上されるということですか。

 (石田理事)

 そうです、資本収支の黒字24億円が繰越金に入るということです。

 (石島委員)

 これだけを見ていたら、数字が合わないと思ったのですが、そういう理解でいいということですね。

 (石田理事)

 そのとおりです。

 (井原委員)

 単純な質問を1つと、基本的なことを1つお願いしたいと思います。単純な質問というのは、「平成24年度収支予算と事業計画の説明資料」の20ページにある「ジャンル別番組制作費」について、23年度と比べて、上限が全体的に低くなっているという感じがするのですが、これはトータル管理などいろいろ工夫をして、結果として制作費の目安を低くすることができたと理解すればよろしいのですか。

 (石田理事)

 1つは、税抜表示にしているということがあります。

 (井原委員)

 やはり税抜表示が影響しているということなのですね。

 (石田理事)

 それが一番大きな影響です。

 (井原委員)

 下限はあまり変わっておらず、上限が変わっているので、トータル管理によるものと思ったのですが、そうではないのですか。全体的に、どの番組区分においても総じて上限のほうが低くなっているのです。

 (石田理事)

 ドラマは下限が23年度1,020万円だったのが、24年度は990万円に下がっています。教養番組などは変わっていませんが、音楽・劇場公演は逆に上がっており、バラエティは23年度260万円だったのが、24年度は230万円になっています。

 (井原委員)

 少しご質問を変えます。税抜といういわば事務的なことを除いて、せっかく「ジャンル別番組制作費」を記載してくださったので何らかの工夫がありましたかということをお聞きしたいということです。

 (金田専務理事)

 今回の番組編成計画の中で新規に設けた番組、改定で終了する番組などの改編があり、各番組の広がりを求めようなど、いろいろ検討した結果、こういう目安の額が出ているということです。

 (井原委員)

 分かりました。これは文字どおり参考にします。

 (金田専務理事)

 個別番組のトータルコストの数字については、現在詰めている段階としてご理解いただければということです。

 (井原委員)

 分かりました。もしかすると、今のことにも関係すると思いますが、もう1点、全体に関わってお願いしたいことがあります。予算全体を今までずっとご説明いただいて、次期経営計画に依拠したものだと理解していると同時に、申し上げるまでもなく、予算が事業計画と表裏一体の関係にある財務計画だということが、分かりやすいものになったと認識しています。そのうえでのお願いなのですが、執行にあたりご留意をいただきたいことがあります。改めてあるいは繰り返してと言うべきかもしれませんが、予算管理を十分に有効に機能させていただきたいということです。予算管理は予算編成と予算統制から成る一連のプロセスで、言い方を変えるとマネジメントコントロールのシステムなのだと言われるわけですから、マネジメントコントロールの具体的あるいは効果的な手段になるように、コントロールの部分と調整の部分も今後しっかりと進めていただきたいと思います。予算編成にあたっていろいろ工夫したと、これまでご説明いただいていますが、同じように調整にあたっては組織間における水平的なあるいは垂直的な調整であるとか、あるいは統制にあたっては事前・事後、そして期中のコントロールをいろいろ検討し、工夫しながら予算管理に努めていただきたいということをお願いしておきたいと思います。

 (石田理事)

 承知しました。1つは今回の予算編成の中で、例えば衛星放送の収支や配賦基準の見直しを行っており、それに基づく予算の執行管理を行っていきます。トータル管理について言うと、衛星放送の収支のほか、番組単価、地域別での営業コストなどについても、施行管理をしていきたいと考えています。予算を作成しただけではなくて、執行の過程をきっちり行っていくために、ある程度執行が進んだ段階で、予算の検討委員会を全役員で開催して、執行が適正に行われているか、どこかに無駄がないかとかということをきちんと管理しながら進めていきたいと思っています。会長がいつも言っているように、24年度は、事業収入・事業支出とも減る厳しい予算だと受けとめています。役員レベルだけではなく、現場に至るまで執行管理をきちんと行えるように、検討していきたいと思っていますので、その時々ごとにご指摘いただければ、それに対する考え方や対応をご説明していきたいと思っています。

 (井原委員)

 ありがとうございます。まさに今おっしゃったように、これまでに、衛星放送の実施に要する経費の配賦基準の見直しの考え方をご説明いただいたのですが、これからの予算統制で十分に生かしていただけたらいいと思っていましたし、制度も踏まえてそういう形で行っていただけるということを伺いましたので、ぜひそのようにお願いいたします。

 (石原委員)

 「平成24年度収支予算、事業計画及び資金計画」の最後の42ページに、資金計画について記載があるのですが、われわれが一般的に見ているものとかなり違っています。一般的な資金計画では、減価償却や利益など社内に残るお金は資金収入として計上されます。われわれが作る資金計画とは全然違っており分かりにくいと思います。政府は大体こういう形でずっと行っているのでしょうか。

 (石田理事)

 このスタイルがあまり見慣れないということはあるのですが、資金計画の記載事項は、放送法施行規則の第28条に定められていて、このようなことを記載して総務大臣に提出するようになっています。

 (石原委員)

 NHKの事業収支では減価償却費を経費として入れて損益を出していますよね。ところが、その分は資金として内部に留保されるにもかかわらず資金計画に計上されていません。引当金などもそうです。また、最終的に収支で利益が出れば、それも資金計画上の収入となるわけですがこれも計上されていません。われわれが普通に見ている資金計画とかなり違っており、分かりにくいと思います。

 (石田理事)

 ご趣旨はよく分かるのですが、法律と規則でそのようになっているので、正式な文書としては、こういう書き方をせざるを得ないということです。

 (石原委員)

 分かりました。もう1つ質問ですが、同じ42ページで区分に「前期末資金有高」という記載がありますね。第1四半期に記載されている額は、年度当初スタート時の資金額と考えていいという意味ですか。すなわち23年度の第4四半期末の資金ということでよいですか。

 (石田理事)

 そうです。スタート時点でこの金額が資金としてあるということです。

 (石原委員)

 第4四半期の期末資金有高730億円が年度末の資金になるということですか。

 (石田理事)

 そういうことです。

 (石原委員)

 NHKの資金の動きというのは年度中にいろいろあるのだけれども、大体700億円ぐらいからスタートして700億円ぐらいが残るという感じで見ていればよろしいですか。

 (石田理事)

 現預金はこのぐらいだということです。

 (石原委員)

 現預金の有高ですので、有価証券などを購入したら変わってくるわけですか。

 (竹田経理局予算部長)

 

 有価証券の購入は、すでに資金計画に織り込んでいますので、この資金有高からは、有価証券は除いてあります。

 (石原委員)

 除いたということであれば、今度は、有価証券を放送センターの積立金にしますが、それは現金として科目を変えただけということですか。

 (竹田部長)

 それは、すでに有価証券として持っていますので、資産の区分が変わるだけです。

 (石原委員)

 そういうことなのですね。そうするとNHKの経営としては大体どれくらいのキャッシュがあればいいのですか。有価証券に変えたものをすぐ売るわけにいかないでしょう。

 (石田理事)

 キャッシュがどのくらい必要かについては、逆に言えばNHKの場合は、6か月、12か月の前払で入ってくる受信料があるのでキャッシュは安定的に入るということになります。

 (石原委員)

 借り入れを考えなくもいい会社だということですね。

 (福井経理局長)

 ただし、年度末の現金としては、最低限の有高にしています。

 (石原委員)

 それ以外は少しでも運用に回すということですか。

 (福井局長)

 はい、現金以外では定期預金や有価証券にするということです。

 (石原委員)

 24年度末730億円とありますが、その相当部分は定期預金で運用しており、それ以外の資金は有価証券になっているということですか。

 (福井局長)

 そういうことです。

 (石原委員)

 入ってきたらすぐ運用に回すということですね。何に回すのですか。

 (福井局長)

 大体月末に短期譲渡性預金、資金としては3年債、5年債、10年債など、目的別に振り分けて運用しています。

 (石原委員)

 分かりました。何に回すかは注意が必要ですね。

 (福井局長)

 現金は極力残していません。

 (數土委員長)

 総則にも繰越金についての記載がありますが、今までは経済が右肩上がりでしたので、繰越金を現金で保有するのはまずいということで、有価証券などの債券を買って運用していましたが、今後はやはり注意を要する環境になってきていると思います。

 (福井局長)

 財政安定のための繰越金は全額有価証券なのです。

 (數土委員長)

 有価証券でも、世の中は時価会計主義になってきたりしていますから注意が必要だと思います。繰越金が潤沢に2,000、3,000億円になっても持っていていいと私自身は思っていますが、これについては、皆さんと議論が必要です。繰越金の在り方について、今回はこれでいいと思いますが、今後執行部と経営委員会で意思の疎通を図りながら、どうあるべきかを考えていかなければいけないと思っています。そういう時代に入ってきているのではないかと思い、石原委員が言われたことに関連して私も意見を述べました。

 (倉田委員)

 予算の話ではないのですが、「平成24年度収支予算と事業計画の説明資料」の35ページに、要員構成の記載がありますが、性別構成比のパーセンテージを見ると、男性が85.8%、女性が14.2%となっています。やはり男性・女性の比率が相当アンバランスだなということを改めて感じたのですが、今後もう少し女性の比率を増やしていくつもりがあるのかということと、現在、新卒採用の男性・女性の比率がどれくらいなのかについて、お伺いしたいと思います。

 (吉国理事)

 以前は、NHKは職員として女性をあまり採用していませんでしたので、全体の比率としてはそれを引きずっています。今は3割以上女性を採用していますので、この比率は今後変わっていくと思います。

 (倉田委員)

 これからどんどん女性が増えていくということですか。

 (吉国理事)

 はい、そうです。

 (倉田委員)

 分かりました。

 (數土委員長)

 建設積立金が400億円ということでしたが、私は妥当な線ではないかと思っています。しかし、放送センターの建設における将来のあるべき姿について、3年間の間も継続的に検討し、われわれの中で意見を調整していくべきではないかと思っていますのでよろしくお願いいたします。

 (松本会長)

 建設の件については、計画そのものはいろいろな変動がありますが、具体的にどういう形かということが決まりましたらご報告したいと思います。

 (數土委員長)

 私は、建設会社の社外重役も担っていますが、今は相当単価が下がってきていますので、早く計画額を計上してしまうとひとり歩きすることがあります。その辺については、石原委員や松本会長も重々ご存じだろうと思いますので、これからも意思疎通を図りながら、対外的にアカウンタビリティーを持つようにお願いしたいと思っていますのでよろしくお願いします。
 ほかに意見等はございますか。それでは、ただいま説明いただき、意見交換および質疑応答を行った「平成24年度収支予算、事業計画及び資金計画」について、議決を行います。

 採決の結果、原案どおり議決。 

 (數土委員長)

 24年度予算は、3か年計画の1年目として非常に重要な位置づけだと思います。特に赤字で終わるということは何とか回避するよう努力していただき、執行部の役員の方々の成果を見せていただきたいと思っています。執行にあたっては、経営計画にのっとって行う受信料の値下げの影響が非常に大きいわけですが、一方、3か年で810億円の増収を図るよう活動していくのだという非常にありがたい決意も承っています。大きな目標があるということで、松本会長をはじめ執行部の皆さまには、何とかこの目標を達成するという決意のもとに全力で取り組んでいただきたいと思います。議決にあたってひと言感想を述べさせていただきました。松本会長、決意その他ありましたらお願いいたします。

 (松本会長)

 分かりました。そのように努めたいと思います。年度途中の管理等についても、収入が計画どおりに入って経費が出せますので、その辺のチェック等も慎重に行っていきたいと思います。

 (數土委員長)

 ありがとうございます。それでは、執行にあたってよろしくお願いいたします。

 

 (2) 平成24年度国内放送番組編集の基本計画について(資料1)(資料2)

 (金田専務理事)

 定款第13条第1項第1号クの規定により、「平成24年度国内放送番組編集の基本計画」の議決をお願いします。この基本計画は、12月6日の経営委員会においてすでに内容のあらましをご説明し、ご審議いただきました。今回、基本的に大きな変更はありませんが、「編集の基本方針」を一部加筆していますのでご説明します。12月19日の中央番組審議会に諮問した際に、NHKらしいニュースや番組で「幅広い視聴者に見ていただくこと」を目標として明確にうたったほうがよいというご助言を得ました。審議会のご意見を踏まえ、「平成24年度国内放送番組編集の基本計画(案)」1ページ目の「編成の基本方針」の第4パラグラフの冒頭に、「幅広い世代に親しまれる番組をお届けすることは公共放送の重要な使命である」旨の記述を追加しました。12月6日の経営委員会でご説明した資料には、9項目の編集の重点事項の3つ目に「幅広い視聴者層に親しまれる番組」と記述していましたが、これを1ページ目の「編集の基本方針」に加筆したということです。
 「『平成24年度国内放送番組編集の基本計画』のポイント」は全体の概要をポイントとして押さえたものです。編集の基本方針としては、基本的には3か年経営計画を体現する編成計画としており、ポイントとしては、「日本人に希望と元気を与え、復興を支援する報道、番組を放送する」、「放送やデジタルサービスを通じて国民の命や安心を守るために貢献する」、「多様な関心に応え、幅広い世代に親しまれる番組、編成を心がける」、「激動する世界の政治や経済が日本の国民の暮らしに与える影響を分かりやすく伝える」、「以上の方針に基づいて、各波ごとの部門別の編成比率の基準に従って、バランスよく、ジャンルに偏りが無いように編成する」ということです。編集の重点事項として9つの柱を設けています。その結果として、次のページに参考として数値データを記載していますが、総合テレビにおける報道の定時放送時間の比率が増加しています。全体で48.2%となり、23年度と比較して1.6%の増加ということです。それの裏返しですが、娯楽については20.0%となり、23年度と比較して1.9%減になっています。地域放送番組の放送時間は、総合テレビで指定ローカル枠が1日あたり10分間の増加となります。それから地域局制作のドラマを考えており、最低5本、大体6本ぐらいを計画しています。字幕放送付与時間は、すべての波で計画どおり増やしており、今後は生放送番組や総合波以外の番組についても順次字幕を拡大していきます。大阪放送局、名古屋放送局に字幕装置を配置し、地域放送でも一部のニュースから字幕を付与していくことを目指します。解説放送の時間増加も掲載したとおりです。概要は以上です。

 (安田代行)

 私が3年間経営委員を務めさせていただくなかでいつも感じていたことが1つあります。経営委員は個々の番組の内容について述べてはならないという鉄則があります。しかし、委員長は、ご持論なのですが、「番組」は商品であり、経営を議論する際に商品の質を議論しないでどうやって経営するのかとおっしゃっています。私は、そこに経営委員が骨抜きにされていくプロセスがあったのではないかと、ずっと考えていました。私たちは番組審議会委員の委嘱について議決しています。本日も予算総則をご説明いただきましたが、平成24年度予算総則には、第4条〜10条までのほとんどに「経営委員の議決を経て」という記載があります。つまり経営委員が議決しなければ何物も動かないということです。今後こういったことをもう少し改めていただいて、今、金田専務理事からご説明があった編集の重点事項を本当に体現した番組はどれなのか、そして、それをどこで誰が判断するのかということを執行部と経営委員の間で議論を深めていければありがたいと思います。私が3年間ずっと考えていたことです。

 (金田専務理事)

 どのような考え方に基づいて番組を編成するかについては、このあとの「平成24年度国内放送番組編成計画」でご報告したいと考えています。

 (竹中委員)

 3か年計画の中で字幕放送あるいは解説放送等々、枠の拡大、時間等の拡大をかなり行っていただけるということで大変感謝しています。「平成24年度国内放送番組編集の基本計画」のポイントの2ページ目で、字幕放送付与時間の増加について増加した時間数も丁寧に記載していただいていますので、ご関心を持っていらっしゃる方々に、私自身もブログなどでぜひお知らせしたいと思います。また、政見放送の字幕付与について、先日、総務省の担当の方が私のところに来てくださり、今NHKに大変ご尽力いただいて、このような段階まで字幕付与することができてきていますというビデオも見せていただきながら、お話を聞かせていただきました。それについても改めて感謝いたします。

 (金田専務理事)

 NHKは、政見放送は編集しないという前提の中で、字幕放送を付与するという課題にどう取り組むかについて、まだ少し時間がかかるかもしれませんが、検討させていただいています。

 (竹中委員)

 少し補足しますと、字幕を付けることに尽力したNHKが、逆に何か責任を負わされることがないように、総務省も条例を変えています。あくまで政見放送をされる政党、あるいは語られる候補者の方の責任においてということが条例の中でも別途明記された形で、協力し合いながら、推進していただいているということですので、ぜひそのような方向で進めていただければと思います。

 (金田専務理事)

 参議院の比例代表選出議員選挙を対象に、政見放送中に字幕を付与するという状況まで来ているということです。

 (竹中委員)

 そのように私もお聞きしました。ありがとうございます。よろしくお願いします。

 (數土委員長)

 私は、前回も番組編集の説明を受けたのですが、もう少し番組の編集方針について執行部側と経営委員側との意見の交換があってもいいのではないかという感じがしています。例えば、教育テレビからいつの間にか名称が変わったEテレは、子供中心にという話があったのですが、私は4つのチャンネルの中でもう少し存在価値を高めてもいい大きな分野のひとつではないかと思っています。これには2つの面があって、少し堅すぎるので、楽しい番組にしたい、要するに教養のレベルは保ちながらも見てもらうようにするということが1つです。もう1つは、子供向けにということは、非常にいい観点だと思うのですが、日本の子供が内向きになっているときに、例えば世界で活躍している澤穂希さんに出演してもらうだとか、子供が世界に行きたい、または留学を希望するように、子供の時からグローバルな観点が持てるような番組に変えられないのかということです。子供が率先してEテレにチャンネルを合わせるということは非常に少ないのではないかと思います。少し宝の持ち腐れ的なところがあるのではないかと思います。安田代行と私は少し考えが違い、私は商品に口を出してはいけないと思っており、経営委員会は作られた番組に対してコメントしてはいけないと思っていますが、将来どうあるべきかについての意見交換はさせてもらいたいと思っているということです。経営委員の間でもこの前少し話し合ったのですが、この世の中にあって、番組審議会と経営委員との間で意見交換をフランクにできないかとか、国際放送についてもそういうことがあってもいいのではないかと私は思っています。しかし、これは皆さんの意見を聞かないといけません。今、Eテレについても意見を言いましたが、もう少しわれわれの思いを聞いていただいてもいいのではないかと思っていますので、よろしくお願いいたします。

 (金田専務理事)

 教育チャンネルに対しての認識は、私も同じです。番組の数が多く、興味の幅が非常に広いがゆえに問題を持っているということも認識を同じくしています。実際に、幼児期までは非常にNHKが見られていて影響力があるのに、小学校に入学するころからNHK離れが起きてくるというところをどうしていくのかについていろいろ考えています。

 (石原委員)

 番組の編集方針については、東日本大震災に関する扱いは非常に大切です。復興は日本の使命だと思うのですが、一方で総合テレビの番組は、あまりにも震災に関連させすぎているような感じを受けるのです。それが果たしてこの段階においていいのかどうかということです。日本は現在、財政赤字、社会保障、長引く経済の停滞など、多くの問題を抱え、まさに正念場にあります。このままいったら欧州危機のようになる危険性すらあります。この国を建て直さなければいけないのですが、私は時間がもうあまりないのではないかという感じがしています。そこのところにNHKがどういうスタンスで、今後どう関わっていくのかということを考える大切な時期ではないかと思います。民放においても、番組によっては非常に勉強になる番組があるのです。それに対して、NHKはどうなっているのかなと感じることがあります。私は、個々の番組の善し悪しでなく、基本的な番組制作のスタンス、考え方について申し上げています。それは日本を再び成長軌道に乗せたい、国民の生活を豊かにしたいということです。こうした見地に立った番組編成に、よりいっそう取り組んでいただきたいと思います。

 (金田専務理事)

 そのことも考えて一生懸命作っていると思いますし、いい番組が出てきていますので、ご説明の機会を得たいと思います。一方、今「明日へ」というプロジェクトを組んで、震災復興支援、あるいは、震災による問題の政策的な事柄も含めて、多角的に放送しようとしていますので、確かに目にとまる機会も多いと思います。来年度もそのような形で続けたいと思います。ただし、重い話ばかりをずっと放送して、皆さんがテレビをつけないようなことが6、7月にはありましたので、やはり前向きに取り組んでいる人たちも併せてどのように放送していくかということについて、しっかり議論して、改善しながら放送を続けています。小さくPDCAを回しながら取り組んでいますので、石原委員のご指摘のような取りこぼしが全くないとは申し上げませんが、相当頑張っていますので、そのところについてはご理解をいただく機会を得たいと思っています。

 (石原委員)

 よろしくお願いします。

 (幸田委員)

 編集の基本計画には復興とティーンズの両方が記載されていますが、東日本大震災は不幸な震災ではありましたが、若年層が社会性に目覚めるきっかけになったという一面もあります。それまではやる気をなくして、閉塞感ばかりだった若年層が、何か人や社会の役に立ちたいとか、NPO、NGOを含めて、社会活動に目覚め、公共という意識を持ったり、人生の目的のようなものを見つけ、それをさらに起業に結びつけるという動きもあります。実際にNHKでは、そういうことを取り上げていらっしゃる番組も出てきていますので、私はその点は高く評価されていいと思っています。先ほど、幼児期はNHKを見るけれども、なかなかティーンズまで広がらないというお話がありましたが、そのあたりにひとつの可能性というか、きっかけがあるのではないかと私自身は思っており、期待もしています。ひいては、先ほど石原委員がおっしゃったように、そうした若者たちの活動が、日本経済の底力につながるような、日本人の若者たちの可能性を広げるような番組作りを、大きな方向性のひとつとしてぜひ持っていただけるとありがたいと思いますのでよろしくお願いします。

 (竹中委員)

 今の幸田委員のご意見とも関連するのですが、ご存じのように、きょうは阪神・淡路大震災からちょうど17年目の1月17日です。被災当事者であった自分が、この17年間を振り返るとともに、昨年の3月11日の東日本大震災のことを思いました。幸田委員も言われたように、阪神・淡路大震災のとき極めて幼かった子供たちが、17年たって大学生になられ、あるいは成人され、今回の3月11日の東日本大震災に対しても非常に大きな関心を寄せて、神戸で被災を経験したからこそ自分たちは何かしたいということで、相当な動きも起きています。まだまだ本当に被災地は悲惨であろうとは思いますが、その地域ごとで復興に向けて努力されています。政治も混乱しており、それを声高に責める番組を放送するだけではなく、本当にひとりひとりが立ち直っていこうという努力が、一番大きな原動力になると思っています。私は、NHKの番組はそういうところを非常に丁寧に放送していただいていると思っており、これからも、地元力だとか、若者力があるのだということを世界的に発信していただくと同時に、若い方々がそういう番組を見て、自分のできることももっとあると自覚していただけるような流れができればと思いますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いします。

 (松本会長)

 私から補足でご説明します。「平成24年度国内放送番組編集の基本計画」のポイントに記載していますように「編集の基本方針」は「3か年の経営計画を体現する編成計画とする」という書き方になっています。いろいろ議論していただいた経営計画を基本として、公共放送の原点に立ち返って、役割をきちんと果たしていくということを前提に編成計画を作るという方針です。また、個々の番組は別として、それらを含むトータルとしてのNHKの役割がどういう評価になるのかについては、視聴者の皆さまの期待度に対するNHKの実現度という形で示されます。したがって、公共放送の役割を果たすということが編成計画の柱になっていると思います。また、中央番組審議会の放送に対する質的評価も加わることになります。
 また、震災報道に限って言えば、「平成24年度収支予算と事業計画の説明資料」の13ページ、重点事項の2のところにこのテーマがあります。このテーマの基本は、復興を支援するということです。今回の東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓を、将来の防災につなげるとともに、先ほど阪神・淡路大震災の話もありましたが、きちんと映像として残して、将来に役立つ歴史的な資産を作るという役割があるのではないかと思っています。また、被災地の方々の心を癒し、励ます番組作りや元気づける取り組みを通じて、日本の国民が立ち上がるために公共放送としての役割を果たすことが基本になると思います。重点事項の5に国際放送でも日本が復興で立ち上がる姿を示していこうということが柱の中に入っています。
 このように、全体の考え方をきちんと統一しながら取り組んでいくということです。それが、先ほど言いましたトータルとしてのNHKの実績になり、公共放送の役割を果たしているのかどうか評価されることにつながっていくのだと思います。

 (數土委員長)

 この編集方針に関しては、もう少し経営委員会の中でも話をしたいと、私はこの前の経営委員会で申し上げたのですが、できましたらわれわれも3か月に1回ぐらいは経営委員間で話し合う、また執行部と意見交換をする機会があってもいいのではないかと思います。放送した個々の番組について意見は言いませんが、今後どのような方針がいいかどうかの意見は聞いていただき、その中で感得、感受していただいたらいいのではないかと思います。経営委員の皆さんと検討して、執行部の皆さんとも話をしたいと思いますのでよろしくお願いします。

 採決の結果、原案どおり議決。

 

 (3) 平成24年度国際放送番組編集の基本計画について(資料)

 (今井理事)

 平成24年度国際放送番組編集の基本計画については、国内放送と同じく、定款第13条第1項第1号クの規定より議決をお願いする事案です。先月6日の経営委員会で、この基本計画については、私が出張中でしたので金田専務理事に説明をお願いしてご審議いただきました。その後、先月9日の国際放送番組審議会に諮問し、答申を得ましたので、きょう提出した次第です。
 「平成24年度国際放送番組の基本計画(案)」の1ページの基本方針です。基本は、東日本大震災からの復興、原発事故収束への取り組みをはじめとする日本からの情報発信です。また、アジアや世界の動向を正確に多角的に伝えるということです。基本的な方針については変わりませんが、国際放送番組審議会で、基本方針の文言についてご指摘・ご助言をいただきましたので、文言の一部修正がありました。上から8行目、第2パラグラフの2行目の最後の「正確な情報の発信」という文言は、当初の案では「正しい情報の発信」という文言でしたが、「正確な」という文言に変えました。その2行下の「アジアの代表的な公共放送」は、当初案では「アジアを代表する公共放送」ということでした。これを「代表的な」という文言に変えました。それに続く「民主主義の理念のもと」のあとに「しっかりとしたジャーナリズムの精神で」という文言があったのですが、当たり前のことなので削除しました。そのあとの「日本、アジアそして世界の情報を」のあとに、当初はありませんでしたが、「日本の観点から」という文言を挿入しました。以上、4か所が変更点です。
 2ページ以降の編集の重点事項と各波の編集方針については、ご審議いただいたとおりです。よろしくお願いします。

 (石原委員)

 「代表する」という文言が「代表的な」に変ったことはいいのですが、代表する公共放送という気概と意識はぜひ持って取り組んでいただきたいと思います。

 (今井理事)

 そのつもりです。

 (石原委員)

 現実はそうではないのだということをおっしゃっているのかもしれませんが、NHKが代表するのだ、NHKは世界の三大放送になるのだということで頑張っていただきたいと思います。

 (松本会長)

 さきほど、「国内放送番組編集の基本計画」でお答えした事柄ですが、1ページの下から3行目に記載があるように「復興と新生に取り組む日本の姿を積極的に詳しく世界に発信していく」ということと「日本の今、日本の魅力、そしてアジアや世界の動向を、正確に多角的に伝えていく」ということが国際放送の基本方針にも書かれています。

 (數土委員長)

 3か年計画の1年目、24年度は世界で見ると、今、円高・ユーロ安、ドル安です。日本におけるこの円高は、いろいろエネルギー問題などもありますが、観光が非常に打撃を受けるだろうと思います。そういう観点から考えると、NHKは、国民の利益のためにということであれば、円独歩高というこの時期に、観光に力を入れるのだというニュアンスを入れることは、政治的にも重要ではないかと思いますので、もし考える余地があれば、ご検討いただければと思います。

 (今井理事)

 そこについては、このあとの国際放送番組編成計画で具体的に説明したいと思います。

 (數土委員長)

 ありがとうございます。NHKはそういうところを応援していて心配している、問題意識を持っているというようなニュアンスがあればいいと思ったのです。

 採決の結果、原案どおり議決。

 

 

3 報告事項

 (1) 平成24年度国内放送番組編成計画について(資料)

 (2) 平成24年度国際放送番組編成計画について
(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)(資料5)(資料6)

 (金田専務理事)

 まず、「平成24年度国内放送番組編成計画」についてご報告します。「平成24年度国内放送番組編成計画」は、先ほどの「平成24年度国内放送番組編集の基本計画」を踏まえて、具体的な時刻表に落として、どういう番組を放送するかということを計画にまとめたものです。
 冊子の1ページをご覧ください。「平成24年度国内放送番組編成計画」は、「平成24年度国内放送番組編集の基本計画」に基づき、各波の編成計画の要点や新設番組の概要、部門別放送時間および比率と地域放送時間、補完放送の放送計画などをまとめたものです。席上には、別表で「平成24年度(前半期)放送番組時刻表」をお付けしています。各波の時刻表について、新設番組には赤色、移設番組には黄色の色を付けています。平成24年度の番組編成実施の期日ですが、4月2日の月曜日から実施したいと思っています。各波の編成計画の要点を簡単に説明します。
 2ページからは、総合テレビジョンです。総合テレビジョンは、生活を支える的確な情報や、心を豊かにする番組をお届けします。震災からの復興や混迷する世界経済など、直面する国内外の大きな課題を正確かつ迅速に伝えるため、平日夜間の報道および情報番組を強化します。一方、新しい時代の中でも心休まるひとときを過ごせるような、多彩なジャンルの番組を編成します。子供と親が一緒に視聴して楽しめる番組を充実するとともに、視聴者参加型のクイズ番組を新設するなど、幅広い視聴者層に向けた質の高い番組をお届けします。また、東日本大震災を検証し、復興を支援する番組を編成します。
 4ページをご覧ください。教育テレビジョン(Eテレ)です。Eテレは引き続き“未来を生きる子供たち”“明日を担う若者”を対象にした番組を強化します。特に10代を意識した番組を拡充することで、番組のブランド力を強化し一層の浸透を図ります。また、これまでの平日夜間のゾーン編成を大きく見直し、午後9時台を趣味・実用ゾーン、10時台から11時台前半までを語学・教養ゾーンに組み替えます。さらに、深夜若者ゾーンを午後11時台後半からスタートさせ、新たな番組を設けるだけでなく積極的に再放送も編成し、番組の視聴機会を増やすことでEテレブランドの着実な浸透を図ります。なお、放送開始時刻の繰り下げ、放送終了時刻の繰り上げにより、さらにエコロジーに配慮した編成を行います。
 8ページからはBS1です。BS1は、「世界の今を伝える国際情報」、「生放送にこだわったスポーツ」、「報道の背景を深く掘り下げる番組」を中心とした編成で、独自性をより際立たせます。特にスポーツソフトは、常に視聴者の意向を踏まえた柔軟で機動的な編成を行います。また、デジタル化のメリットを最大限に生かして、スポーツ中継を延伸時のみならず、同一時間帯で複数番組を編成するなど、視聴者の利便性をさらに向上させるマルチ編成の活用を進めます。
 10ページからはBSプレミアムです。BSプレミアムは“本物志向の教養・娯楽チャンネル”として、多彩な分野にわたって、良質で個性的な定時番組を編成し、従来の視聴者の充足を図りながら、30〜50代、とりわけ女性を中心とした視聴者の期待と関心に応えます。また、圧倒的な訴求力と話題性を持った大型企画番組やダイナミックな長時間特集を編成し、BSプレミアムの存在感を高め、視聴者層の拡大を目指します。先進的な演出方法やテーマに挑戦し、新たなテレビ文化の創造に貢献します。
 13ページからはラジオ第1放送です。ラジオ第1放送は、いざというときに頼りになる“安心ラジオ”として、生放送中心に編成して、生命や暮らしを守るための情報を迅速に伝えます。ネットラジオを活用して、放送と通信の融合時代にふさわしい番組の開発を進めます。平成24年度は、土曜日、日曜日の夜間を大幅に刷新します。10〜20代の心に寄り添う番組を集中的に編成し、視聴者層の幅を広げます。また、平日午前に長時間の生活・文化情報番組を新設し、心豊かな暮らしづくりに貢献します。
 15ページはラジオ第2です。平成23年度に放送開始80周年を迎えたラジオ第2放送は“生涯学習波”として、中核となっている語学番組のラインナップを見直し、学習者がより利用しやすい編成にします。また、福祉番組もEテレと連動させてリニューアルします。23年9月から始まったネットラジオ“らじる★らじる”関連では、高校講座、語学講座を中心にホームページを充実させ、インターネット利用者の利便性向上を図ることで視聴者層の一層の拡大を目指します。
 16ページからはFM放送です。FM放送は、優れた音質を生かして多彩なテーマで音楽番組を編成し、音楽とともに過ごす豊かな時間を提供します。民間放送などでも少なくなってきている「オーディオドラマ」を定時編成し、ドラマ文化の育成に貢献します。24年度は、日曜午後の時間帯を大幅に刷新します。パーソナリティの個性を生かして、クラシックやポップスをわかりやすく紹介する番組を新設するほか、アーティストが独自の音楽観に基づいて楽曲をセレクトする番組を新設し、ドライブ中などに気軽に楽しめる番組を集中編成します。NHK―FMの大きな特徴でもあるクラシック番組は、各番組の個性が明確になるよう見直し、クラシックファンの期待に応えます。
 18ページからは、各波の新設番組の概要および部門別ごとの放送時間および比率などを記載しています。
 41ページからは、補完放送等の放送計画を記載しています。データ放送については、テレビ4波の特徴を踏まえ、完全デジタル時代にふさわしいコンテンツを展開します。いつでもきめの細かい情報を確認できるデータ放送の特性を発揮できるよう、安心・安全に関するコンテンツや詳細な番組情報などを充実する一方、コンテンツの見直しを進めて操作性の一層の向上を実現します。デジタルテレビのインターネット接続機能を活用して放送通信連携の試みをさらに強化するとともに、データ放送の新たな機能や活用方法を開発し、視聴者がデジタルテレビのメリットを実感できるコンテンツ編成に取り組みます。オリンピックロンドン大会ではすべての競技の経過・結果の速報や見どころ情報など、視聴者の高い関心に応える多彩な情報を伝えます。インターネットサービスについては、安心・安全情報に対する高いニーズに応えるとともに、ニュースや番組への多様な興味関心に応じたインターネットサービスを充実します。スマートフォンやタブレット型端末の普及に対応し、動画コンテンツの一元的な開発と展開を図ります。また、ネットラジオ「らじる★らじる」の視聴者が使いやすいホームページを整備し、PRに努めます。ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアを活用して「人の思いをつなぐ」情報発信に取り組み、世界に対する国際発信力を強化します。
 53ページからは字幕放送、解説放送についてですが、字幕も解説も国の行政指針を踏まえて作成しました拡充計画に基づいて段階的な拡充に取り組んでおり順調に推移しています。
 (今井理事)
 続いて、国際放送番組編成計画についてご報告します。国際放送も新年度編成は4月2日から実施します。ここでは、特に外国人向けのテレビ放送がどういう編成になっているかを中心にご説明します。資料に添付している「平成24年度 NHKワールドTV放送番組時刻表」をご覧いただきますと、1週間の編成が分かります。24年度も4時間1セットを1日6回放送するというのが基本です。ポイントは、1ページから3ページにかけて記載していますように、「24時間英語ニュースの強化」、「質のさらなる充実へ」、「東日本大震災から復興していく日本の姿を海外に発信」ということです。まず、毎正時には「NEWSLINE」があります。基本は生放送ですが、制作体制の関係で、時刻表にアスタリスクがついている時間帯については、その前の時間帯の「NEWSLINE」を再放送しています。もちろん、何かニュースが入ってくれば、生放送にします。平日は28分間、土曜日と日曜日は10分間放送していますが、日本時間の平日午前2時から7時にかけては、制作体制の関係で15分間になっています。これを新経営計画の向こう3年間の間で28分間にしていく予定ですが、現在、体制を検討中ですので、24年度の基本時刻等についてはまだ15分間のままになっています。今後、体制を整えて拡大していきたいと考えています。
 番組については、別紙の「2012年度 ワールドTV 番組一覧」をご覧ください。「ニュース・情報番組」、「討論・対談」、「経済・ビジネス」、「震災復興関連」、「旅・紀行」といった形で、15のジャンル30番組あります。番組については、制作の方法で大きく3つの種類に分類しています。まず、国際放送のために作る独自番組は緑色で示しています。濃い緑が新番組で、薄い緑が継続番組です。英語化番組はオレンジ色が新番組、薄い黄色が継続番組です。また、番組を単に英語化するだけでは、日本の文化や社会的背景の説明がなくて分かりにくいという面がありますので、国内放送番組と素材を共有したうえで、外国人向けに構成や演出を変えて制作するマルチ番組があります。これは赤が新番組、ピンクが継続番組です。24年度は、国際放送独自の番組は18番組で23年度と同じですが、英語化番組については23年度の12本から7本に減らし、逆にマルチ番組は5本となっています。具体的な番組の内容については、「平成24年度国際放送番組編成計画」に簡単な説明文章を記載していますので、ご覧いただければと思います。例えば震災関連では、3ページに記載がある「TOMORROW beyond 3.11」は、日本を愛する外国人が被災地を歩いて、地元の人たちと交流することを通じて復興の内容を伝えるというものです。また、総合テレビの「明日へ支えあおう」という番組を英語化した「March to Recovery」という番組も新たに放送をします。このほか、日本ならではの技術や発想による製品、各業界のトレンドを紹介する新番組「Great Gear」やBS1で放送している国際討論番組を再編集した「Global Debate WISDOM」、日本各地の美しい風土や祭り、暮らしを描くBSプレミアムの「新日本風土記」の素材をマルチで使う「Seasoning the Seasons」など、旅・紀行物の番組も5本用意しています。文化、食、ライフスタイル、技術といったものを含めて、多彩な番組を用意しています。
 日本国際放送(JIB)の独自枠は23年度では週1枠でしたが、24年度は2枠になります。これは、国が23年度の第3次補正予算に盛り込んだ海外向け情報発信強化費で、震災復興に関連した番組を制作することになったためです。25分の番組、45本の放送枠となりますが、早くて2月からの放送になりますので、放送自体は24年度にまたがることになります。
 海外の日本人向け「NHKワールド・プレミアム」は24時間、総合編成をしていますが、このうちノンスクランブルの5時間程度の放送というのは変わりありません。総合テレビの編成の変更に伴う番組の差し替えが一部あります。
 ラジオの外国人向けサービスは17言語で、合わせて1日31時間55分です。在外邦人向けについては、ラジオ第1を中心に24時間放送します。外国人向けの17言語のサービスについては、インターネットでも配信しています。
 テレビ放送のインターネット発信では、ライブストリーミング、つまり放送と同時配信の割合が23年度は70%程度でした。これは特に英語化番組について、著作権処理が行われていない、できないといったことが原因ですが、24年度については、最初からライブストリーミングを前提に番組の制作を行うとか、例えば流せない音楽は差し替えるというような形で作り替えて、ライブストリーミングの割合が90%を超えるまで増やしていきたいと考えています。

 (石原委員)

 先ほども申し上げたのですが、日本は本当に今、正念場にあると思うのです。例えば、GDPの2倍の公的債務などは放っておいたら本当にギリシャのようになってしまう恐れがありますし、社会保障制度も崩壊寸前です。若者の国民年金納付率が5〜6割ぐらいしかありません。このままでは、この制度自体がもたなくなるわけで、抜本的な改革を日本は行っていく必要があり、それにむけて、現在の野田政権が一体改革として乗り出しているのです。一方でこういった現状に対する国民の危機意識は極めて足りないのではないかと思います。こうした日本を改革するポイントは、国の将来を背負う若者にあると思いますが、若者の政治に対する関心が薄いのが心配です。決めるのは政治ですから政治に対する関心をもっと若者に持ってもらわないといけないと思います。若者に政治は本当に大切なのだと、皆さん方がこの国を背負っていくのだよということを、NHKは放送のスタンスとしてもっと持つ必要があるのではないのかと思うのです。若者と政治についての基本的課題の一つは、世代間の不公平ではないかと思います。例えば今、われわれが年金をもらって楽しんで、それを全部あとの世代に負担させるのはいけないのだということを基本的な考え方に置いた番組を作ることなどが必要なのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

 (石島委員)

 今の石原委員の話と少し関係があるのですが、たしかNHKは1年か2年前に、番組編成計画の中でサイエンスの部分をかなり強調されていました。きょう見ると、サイエンス分野にあまり大きな見出しがあるわけではないところが少し気になりました。今の若い人についての話が出ましたが、大学で理工系にいますと、特に工学系離れというのは深刻で、言い過ぎかもしれませんが、恐らく東京大学もそろそろ工学部はもたなくなるというぐらいに深刻な事態があります。やはり日本を支えていく若い人たちに対して、サイエンスやエンジニアリングという分野が非常に重要であるということを、繰り返し訴え続ける必要があると思います。そういう意味では、番組編成計画の中でぜひ考慮していただければと思っていますので、お願いしておきます。

 (數土委員長)

 石原委員と石島委員の意見とほとんど重なりますが、NHKだからこそ国民に嫌なことでも真実を伝えていく時期に日本は来ているのではないかなと思います。もう1つは、BSや総合テレビ、国際放送で、1回放送したものを再放送するということは非常に効率のいい方法だと思うのですが、Eテレで独自に放送した番組をBSや国際放送で再放送するということはあまりないのではないかと思います。私はEテレをわれわれで言えば商品価値、あるいは国民にとったら存在価値のあるものに、抜本的に見直す時期に来ているのではないかと思うのです。そうしないと、Eテレはチャンネルとして少しかわいそうではないかと私は思います。

 (安田代行)

 「NHKを経営するということは、日本を経営することだ」というふうに考えなければいけない時代になったと私は思いました。政治家は、次に当選しなければいけませんので言いたいことを言えません。きちんと日本をリードできるのは、NHKではないかと思います。私たち経営委員を含めて、ここにいらっしゃる皆さんの気持ちや心が日本を決めると私は思うのです。ですから、「NHKの経営は日本の経営だ」というぐらいの強い意識を持って、これからすばらしいNHKに発展させ、日本を支えていっていただきたいと心から私は念じています。

 (幸田委員)

 石原委員がおっしゃったことは私も全く同感で、もっと危機感を持たないと、このままでは日本は自滅してしまうのではと心配になるぐらいです。富の再配分ということがここのところずっと言われていますし、それはとても大事なことなのですが、再配分すべき富がもうなくなりかけていること、富を作っていかなければ再配分もできないという認識が欠けています。後ろ向きな話や、自虐的な切り口の番組が、NHKだけではなく日本中で非常に多いのです。そうではなく、若者たちがあすに、未来に夢を持てて、なおかつそれを自分たちで実現できる、やれるのだと思わせるような番組が出てこないといけないと思います。先進国全体に言えるのですが、今は保護主義というか、自分だけよければいいのだという傾向があります。でも、実は日本はいろいろな分野で見直されるべき点があります。例えば経済に関しても、製造業、ソフトウエア産業、金融、この3つがきちんとそろっている国は、先進国の中で今、日本ぐらいでしょう。日本の魅力や潜在力をもう一回見直して、若者たちがそれを担って、自分たちで日本をこの先支えていくのだというような自覚を持って、なおかつ可能性もあるのだと感じられるような切り口の番組が必要です。先ほどから皆さんがおっしゃっているように、科学もその一つですが、いろいろな可能性があることを気づかせるような番組の方向性に私はできると思っていますし、やるべきだと思っています。問題提起だけではなく、元気が出て、未来の可能性を感じられるようなぜひ番組をお願いします。

 (松本会長)

 今、各委員がおっしゃったことは、それぞれもっともだと思いますし、そういう観点を踏まえてきちんと番組を作っていかなければいけないと思います。

 (新山理事)

 先ほどご意見があった若い人たちの話ですが、お正月にEテレで「ニッポンのジレンマ」という番組を放送しました。これは1970年以降生まれの人たちを一堂に集めて、6時間放送センターで議論したのです。それを3時間にまとめた番組を放送したのですが、ぜひご覧いただきたいと思います。富の再配分や社会保障は彼らにとって切実ですので、同じテーマでも、彼らの言語というか、彼らの言葉から切実感というのは相当伝わってきます。ツイッターの反響もすごかったのです。そういうことを相当いろいろ意識して番組を作っています。総合テレビでも未来志向の情報番組を始めます。また、サイエンスでは、BSプレミアムで「宇宙の渚」という番組を放送しましたが、今度「NHKスペシャル」で大々的に放送しますし、お正月にはアメリカの公共放送のチームとナノテクノロジーの未来図を描いた国際共同制作の番組を放送しました。国境を越えて一緒に番組を作っていこうという機運はサイエンスの分野で一層高まっているのです。今おっしゃったことは非常に的を射ていて、現場でも十分議論していますので、ぜひご覧いただきたいと思います。

 (小野副会長)

 それぞれのご発言のベースにある危機感については、われわれも全く同感であり、共有していると思っています。先ほどご意見がありましたように、さまざまな角度から番組を制作し放送していますし、これからも継続していきますので、ぜひご支援、ご指導をよろしくお願いします。

 

 

 上記のとおり確認する。

 

 平成24年1月31日    

數 土 文 夫

 

井 原 理 代