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第1343回
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2019年12月27日(金)公表
※2 その他事項(1)インターネット活用業務実施基準については2020年1月17日(金)公表

日本放送協会第1343回経営委員会議事録
(2019年12月10日開催分)

第1343回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1343回経営委員会

 

<会 議 日 時>

2019年12月10日(火)午後1時から午後4時35分まで

 

<出  席  者>

〔経 営 委 員〕

  石 原  進 森 下 俊 三 明 石 伸 子
    井 伊 雅 子   佐 藤 友美子 堰 八 義 博
    高 橋 正 美   中 島 尚 正 長谷川 三千子
    村 田 晃 嗣   渡 邊 博 美  
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔執 行 部〕

  上 田 会 長 堂 元 副会長 木 田 専務理事
  板 野 専務理事 児 野 専務理事・技師長 荒 木 専務理事
  松 原 理 事 黄 木 理 事 中 田 理 事
  鈴 木 理 事 松 坂 理 事 正 籬 理 事

 

 

<場   所>
放送センター  22階経営委員会室  21階役員会議室

 

<議   題>

 

付議事項

 

○ 経営委員会の体制について

 

1 委員長報告

 

2 その他事項

 (1) インターネット活用業務実施基準について(資料1)(資料2)(資料3)

 

3 審議事項

 (1) 令和2年度予算編成方針

 (2) 2020年度(令和2年度)国内放送番組編集の基本計画について

 (3) 2020年度(令和2年度)国際放送番組編集の基本計画について

 

4 報告事項

 (1) NHKエンタープライズとNHKプラネットの合併について(資料)

 (2) 「平成30年度業務報告書」に付する総務大臣の意見について(資料1)(資料2)

 (3) 日本放送協会定款の一部変更の認可について(資料1)(資料2)

 (4) 2019年秋季交渉の結果について(資料)

 

○ 説明会「衛星放送の在り方について」

 

 

<議事経過>

 

 石原委員長が開会を宣言し、経営委員会を開催。

 

 

○ 経営委員会体制について
 石原委員長の経営委員としての任期が12月10日までとなっていることに伴い、12月24日の経営委員会において、新たな経営委員長を互選することを決定した。また、12月11日から24日までの間は、森下代行を「経営委員長の職務を行う者」、「指名部会長の職務を行う者」とすることを決定した。

 

<会長、副会長、専務理事、理事入室>

 

 本日の付議事項および日程について説明。第1341回(2019年11月26日開催)の議事録を承認し、所要の手続きを経て、2019年12月13日に公表することを決定した。

 

 

1 委員長報告

 (石原委員長)
 私が本日12月10日をもって退任することから、先ほど開いた経営委員による経営委員会において、新たな経営委員長の互選を次回12月24日の経営委員会で行うこととしました。あす11日以降、24日に委員長を決定するまでは森下代行に委員長の職務を行うものとして進行等を務めていただくことになりました。

 

 

2 その他事項

 (1) インターネット活用業務実施基準について(資料1)(資料2)(資料3)

 (石原委員長)
 前回の経営委員会で、総務省からの要請に対する回答について執行部から説明があり、経営委員会ではその内容について大筋で了承しました。その後、執行部が資料を取りまとめ、12月8日に総務省に提出したと伺っています。
 本日はその内容について、執行部より報告をいただきます。
 (荒木専務理事)
 10月15日に認可申請を行った「インターネット活用業務実施基準変更案」の「認可申請の取扱いに関する総務省の基本的考え方」についての検討要請を受けまして、11月26日の経営委員会では「回答の方向性・概要」をご説明し、大筋でご承認いただきました。これを踏まえまして、検討を重ね、12月8日に検討結果を取りまとめ、総務省に回答しました。その内容について報告します。では、資料の1ページをご覧ください。全体の「枠づけ」です。まず、検討結果は、2つに分けています。(1)は「総務省の基本的考え方」の前半部分、三位一体改革などについて言及している「協会の業務全体に関する総務省の基本的考え方」と「業務の実施に当たって留意すべき事項」についての検討結果。それから(2)は後半部分、改正放送法や「実施基準の認可に関するガイドライン」を踏まえて認可申請を行った「NHK案に対する総務省の基本的考え方」についての検討結果を記しています。
 そして、「総務省の基本的考え方」についての検討結果を記す前に、改めて、協会としてなぜ常時同時配信と見逃し番組配信を実施する必要があると考えているのかについて記しました。メディア環境の大きな変化の中にあって、信頼される「情報の社会的基盤」の役割を果たし続けていくためには、常時同時配信と見逃し番組配信の実施が必須であること。放送を太い幹としつつ、インターネットも適切に活用し、多様な伝送路で視聴者の皆さまに公共性の高い放送番組や情報などのコンテンツを「いつでも、どこでも」受け取っていただける環境を整え、視聴できる機会を拡大していくことが、公共メディアとしての存在意義にかかわる重要なミッションであること。インターネット活用業務を、放送を補完するサービスとして効率的・効果的に実施することで、受信料の価値を一層向上させていくことを明記しました。
 2ページをご覧ください。(1)として、「総務省の基本的考え方」の前半部分についての検討結果です。この中には経営委員会の権限、つまり議決事項にかかわる内容等も含まれておりますが、前回、大筋で了承いただいた範囲の中でのNHK全体としての検討結果の回答という趣旨をご了解いただきたいと思います。
 まず、「業務全体の見直し」についてです。①2020年度収支予算の策定にあたっては、値下げを実施した上で、既存業務を見直し、新規業務を効率的に実施することにより、現3か年経営計画の収支計画の赤字幅を削減する方向で真摯に検討しているとしました。「方向性・概要」から、若干の字句の修正はありますが、内容は基本的に変わっていません。②次期中期経営計画の初年度、2021年度以降、事業規模の見直しを加速させること。業務委託や施設・設備整備の在り方などを検証し、事業支出の削減を着実に進め、収支改善の取り組みを十分に反映させた計画とすることを目指すとしました。③4K・8K放送の普及段階を見据えた衛星放送の在り方については、視聴者保護の観点を堅持した上で、現在の4波を3波に整理・削減するとして、現時点での具体的な考え方を12月中に示すとしています。加えて、音声波の在り方について、非常災害時に果たす役割や民放の動向などを踏まえつつ、公共放送として求められる役割などを考慮し、引き続き検討することとしました。④関連団体の改革については、技術系子会社や制作系子会社の経営統合などの現状に触れた上で、引き続き、既存業務を見直すとともに、さらなる経営統合も視野に入れてグループ経営改革を推進することを次の経営計画に反映させることを目指すといたしました。
 続いて、「受信料の在り方の見直し」についてです。①受信料の値下げを確実かつ適切に実施し、支出の見直しを図ることにより、財政安定のための繰越金を適正な水準に管理していく考えは、「方向性・概要」から変更ありません。なお、繰越金の適正な水準についての補足を加えました。②「適正な受信料の在り方」については、中長期の事業計画や収支見通しを踏まえながら、引き続き検討するとしています。
 次に「ガバナンス改革」についてです。①監査委員会の強化やグループ経営に関する内部統制関係議決など、改正放送法を踏まえた対応を改正法施行日までに完了させること。②「グループガバナンス」については、近年着実に整備してきたグループ統制の仕組みを確実に運用し、さらに実効性を高める取り組みを強化すること、を記しました。③「業務委託」については、放送番組の質の確保や番組制作等のノウハウの維持発展の方針を堅持すると同時に、委託による費用の効率性や手続きの透明性を高めるためと、関連団体への番組制作委託の目的を明確にしたうえで、外部プロダクションなどを対象とした、番組企画競争を一定の目標を定めたうえで一層広げるなど、番組関係においても競争契約をさらに推進していくことを記しました。④「子会社の利益剰余金」については、「経営委員会による内部統制関係議決において利益剰余金の協会への還元の在り方の考え方を明らかにしたうえで関連団体運営基準に配当方針を明記し」という部分を加え、高率での通常配当、特例配当も含め、協会への還元を着実に実行するとしました。
 続いて、4ページ以降が(2)として後半部分、「NHK案に対する総務省の基本的に考え方」についての検討結果です。冒頭で2020年度のインターネット活用業務については、一時的に発生するオリンピック・パラリンピック東京大会の費用を除き、受信料収入の2.5%を費用の上限として実施するべく実施内容を再検討し、必要に応じて実施基準案を修正するとしました。そして、「既存業務をはじめ、想定される業務全てについて、聖域なく点検し費用を削減するが、社会的要請を踏まえて、『公益性の観点から積極的な実施が求められる業務』の中で、放送法上の努力義務に関する業務及び国際インターネット活用業務のうち、2020年度新規に行うものについて、円滑な実施を確保するため、予算執行上一定の配慮が可能となるような取扱いが必要と考える」としました。2.5%を費用の上限として実施するべく実施内容を再検討するものの、これとは別に上限を設けて抑制的に管理しつつ、実施したいとしていたもののうち、新規に行うものについては予算執行上、一定の配慮が可能となるような取り扱いが必要と明記することで、より柔軟な予算の執行を可能にすることが必要と考えたものであります。
 「地方向け放送番組の提供など、必要な業務であり、かつ直ちに実施することが費用の観点から難しい業務については、次期中期経営計画の中で具体化させる」という考えを記しました。「公益性の観点から積極的な実施が求められる業務」を含めて2.5%を費用の上限として実施するべく取り組むことで、「必要な業務」にも影響が出ざるを得ないことをうかがわせる表現としています。
 続いて、常時同時配信、受信料制度との関係についてです。
 ①では受信契約者の利用申し込みを促進するために、常時同時配信等の画面にメッセージを表示しない措置は、実施する場合は受信料制度を毀損しない範囲で抑制的に行うものと想定していましたが、「基本的考え方」を踏まえ、実施しないことといたしました。
 ②はオリンピック・パラリンピック東京大会の際のメッセージ非表示についてです。オリンピックについては民放とのコンソーシアムで、パラリンピックについてはNHKが単独で、配信権を含む放送権を独占的に取得していることを踏まえ、広く提供する責務があると考えることから、地上波で放送する競技とその関連番組に限定してメッセージを表示せず、同時配信を実施することとしたい、としています。
 次に、「放送法上の努力義務に関する業務」についてです。最初に放送法上の努力義務に関する業務については、新たに実施が求められているものであることから、「今後新規に行う業務について、円滑な実施を確保するために、予算執行上一定の配慮等が必要なものと考える」と記しました。
 努力義務は2つの内容があります。①は「民放との連携・協調に資する取り組み」です。すでに「TVer」を通じた番組配信等を実施していますが、その具体的な内容は毎年度の実施計画に記載することや、民放の求めに応じて意見交換の場を検討するなど、二元体制を維持しながら相互にメリットをもたらす連携・協調の実施を目指すとしました。②の「地方向け放送番組の提供」については、地域拠点局の設備整備の計画、サービスの内容、実施時期等は、次期中期経営計画の中で具体化させることとしました。2020年度の地方向け放送番組の配信については、協会が行った意見募集や放送を巡る諸課題に関する検討会で、地方向け放送番組の配信を求める意見があることや、地域情報の発信の重要性に鑑み、早期に地方向け放送番組の見逃し番組配信サービスの実施を想定しており、実施計画において内容や経費を具体化させるといたしました。この点について予算執行上、一定の配慮が可能となる取り扱いが必要と考え、これを求める内容となっています。
 続いて5ページ、「業務の実施に関する費用」についてです。①では、2020年度については、「受信料収入の2.5%を費用の上限(オリンピック・パラリンピックの費用を除く)」として実施するべく実施内容を再検討し、必要に応じて実施基準案を修正するとしました。4ページの冒頭で記したものの再掲です。既存の業務については、「利用状況などの分析に基づいて、サービスの統廃合を利用者に極力ご不便をかけないように留意しつつ一層推し進めるほか、効率的・効果的な運用を徹底し、費用を削減する」としました。2.5%を費用の上限として実施するべく見直しを行うことにより、利用者にご不便をおかけすることになる見直しをせざるを得ないことがあり得ると考えていますので、それを含ませた表現としています。②の常時同時配信・見逃し番組配信については、「2.5%の上限に収まるよう、常時同時配信のサービス提供時間等を限定するなど、実施内容・規模を見直した上で、2020年4月から開始することを実施計画で明記する」としました。実施基準案は、24時間実施することが可能な内容を維持する考えですが、費用上限への対応としての限定的な実施を2020年度の実施計画に書き込むということです。そして、認証の確実な実施のため、試行的に2019年度内に実施したいこと。そして、利活用の状況なども踏まえて、その後段階的に拡充することを示しています。③は、2.5%とは別枠で管理したいとしていた「国際インターネット活用業務」についてです。「公正競争確保の観点から市場の競争を阻害する業務とはならないが、既存業務の費用の見直しを行い、必要な取り組みを効率的・効果的に実施する」としました。その上で、「今後も訪日・在留外国人の増加が見込まれることに鑑み、2020年度の国際インターネット活用業務のうち、災害時などの情報提供にも有用な多言語対応の推進について、今後新規に行う業務の円滑な実施を確保するために、予算執行上一定の配慮が可能となるような取扱いが必要と考える」と記し、新たに実施する多言語サービスについては、より柔軟な予算の執行を可能にできるような取扱いが必要との考えを示し、それを求める内容となっております。
 ④の別枠で管理したいとしていた「ユニバーサルサービス」については、視覚・聴覚障害者や高齢者、訪日・在留外国人等が協会の放送番組を享受できるようにするもので、公益性の観点から積極的な実施が求められるものと考えます。2020年度に実施する業務は、東京オリンピック・パラリンピックにおけるロボット音声実況・字幕等の付与が主であることから、オリンピック・パラリンピックの取り組みにかかる費用として支出するよう整理しなおすことにしました。2020年度に必要なユニバーサルサービスの費用は、別枠での管理が認められる「オリンピック・パラリンピック経費」に計上することにしたいと思います。⑤費用の抑制的管理のための具体的な仕組みについてはIT関連の経費抑制に精通した専門家など外部の知見などを参考に、実現に向けて次期中期経営計画で示すことを目指すとしました。
 次に、「有料業務と見逃し番組配信に関する考え方」についてです。
 ①は「受信料財源業務として見逃し番組配信を実施する意義」についてまとめています。コンテンツへの接触のあり方の多様化、タイムシフト視聴の拡大、同時配信サービスの浸透などの視聴変化に言及した上で、6ページにNHKオンデマンドが始まった2008年度時点にはこのような環境がなかったため、受益者負担で提供することになった経緯に触れつつ、現在は民放でも1週間程度の見逃し番組配信を利用者負担なしとして提供するサービスが定着していることなどの環境変化について触れています。こうした中で、受信料を財源として、1週間程度の見逃し番組配信を「放送と一体のもの」として視聴できるようにすることが、受信料の価値を一層高めることになること。「放送の補完」として見逃し番組配信を提供することに視聴者のニーズがあることは、2017年度に実施した試験的提供でも確認されたこと。放送を巡る諸課題に関する検討会の第二次取りまとめでも、「一定の合理性がある」とされたことなどをあげました。
 続いて、見逃し番組配信の利用イメージを膨らませてもらえるような例示や、見逃し番組視聴がリアルタイムの放送視聴につながることへの期待などを説明しています。②は「NODのサービスの位置づけ」です。受信料を財源とする見逃し番組配信によって放送と一体のものとして提供する範囲を越える番組を、「協会の豊富な映像資産であるアーカイブスを享受していただくサービス」として、視聴者の求めに応じて有料で提供するサービスと位置づけること。そして、これまでの「見逃し見放題パック」と「特選見放題パック」を1つに統合して提供し、より魅力的なサービスとして利便性の向上を図ることを記しました。③は「NODの収支」です。受信料財源で新たに見逃し番組配信を実施することにより、契約者が減って収入が減少すると見込んでいます。その一方で、収入と連動する形で支払う変動的費用が減ることや、受信料による見逃し番組配信とNODの業務を共通化し効率化することで支出を抑制することが可能になります。提供する過去番組の本数の大幅拡大など、利用者を増やす取り組みによって、中期の収支改善を目指すとしました。そして毎年度、収支などを検証し、所要のサービス・運用体制の在り方などの見直しを行うことを実施基準案に明記するとしました。
 次に、「検証体制の整備」についてです。①は審査・評価委員会の委員の選任にあたって、現在も市場競争の評価等に必要な知見を有する、中立的な者を選定していますが、改めてその旨を実施基準案に明記すること。②では、競合事業者等からの意見や苦情については、適切かつ速やかにこれを受け付けて対応することとしていますが、加えて、審査・評価委員会が必要に応じて、競合事業者等に意見を聞くことができるよう、実施基準案に新たに記載すること。③では理解増進情報について、2020年度中に、協会がインターネット活用業務の適切性の観点から、競合事業者等の意見を聞き、審査・評価委員会に報告すること。④では、個々の番組や理解増進情報の提供について、年1回、必要性や有効性を点検し、その結果を公表し、審査評価委員会に報告することについて触れるとともに、翌年度の実施計画の策定の検討に活用することなどを記しています。
 最後に「業務を通じて得られた知見の共有」についてです。これまでも試験的提供の際などに、民放と知見の共有を進めてきましたが、改正放送法に盛り込まれた努力義務を踏まえ、可能な限りの知見の共有ができるよう検討を進めると記しました。
 資料の説明は以上です。今後の対応についてですが、総務省が8日まで行った意見募集に寄せられた意見と、今回協会が提出した検討結果を合わせて検討し、しかるべき時期に、総務省としての考え方が示されるものと承知しています。説明しましたように、再検討を踏まえて、実施基準案の所要の修正を行う考えを回答したところですので、総務省の対応を見つつ、必要な見直しを行い、改めて実施基準案を経営委員会にお諮りしたいと思います。来年度、令和2年度の予算・事業計画の議決に間に合うよう、作業を進めてまいります。

 (明石委員)

 短期間でまた、まとめ直していただいたようでご苦労さまでした。私の認識が違っていたらご指摘いただきたいのですが、常時同時配信に関しての見直しを迫られていて、結局この中でも、例えば5ページのところでも、同時配信をする内容や時間帯について見直すと記載されています。この「常時同時配信」ということばの使い方が適切なのか、同時配信というのは理解できるのですが、「常時」とつけることによって、すべての番組をインターネットでも配信すると受け取られかねないというのが1点です。それともう1点、これは個人的な感覚かもしれませんが、6ページの「2017年に実施した試験的提供の結果でも確かめられている」というところを見逃し番組配信の根拠として挙げられているのですが、ここでもやはり常時同時配信の必要性のことを書かれています。前段からの流れでいったら、それよりももう少し見逃し番組配信は、「良質なコンテンツをいろいろなライフスタイルに合わせて視聴できない方に対して提供する」というような理由のほうが、説得力があるのではないかと思います。2年前の2017年の試験結果、アンケート結果を根拠とするよりも、一般的ではないかという感覚を持ちました。

 (荒木専務理事)

 最初の質問ですが、放送法ではあくまでも「常時同時配信」が認められています。この原則に変更はありません。ただ、われわれは総務省の意見に基づいて、2020年度については、実施計画の中で、24時間ではなくて時間を短縮してやりたいということを考えました。あくまでも「常時同時配信」の中で、その改正放送法で認められた範囲でやっていくということで、「常時同時配信」ということばを使ったということです。この質問につきましては、今後いろいろなところで説明する機会がありますので、皆さんの意見を踏まえまして、検討させていただきたいと思います。

 (明石委員)

 そうすると、放送法の中で使われている用語としては「常時同時配信」ということばが使われているので、それに基づいて使用しているということですね。分かりました。

 (森下代行)

 短期間にいろいろ具体的に見直さないといけないということで、特にコスト面の見直しは大変だったと思いますが、本当によくやっていただいていると思います。その中でも、やはり2.5%の問題です。今回、本来であれば、いろいろなことを含めると当然業務が増えるわけですが、今回こういう状況になり、2.5%の枠の中でやらざるを得ないという情勢の中、ぜひ前向きにやってもらいたいのがコストの分析です。今まで2.5%でやっていた中身と、今回2.5%の中でやろうとすることが同じということではなく、今回コストを見直したことを後から検証できるようにして、どれだけNHKが努力をして、どういう部分でコスト削減して、これを実現してきたかということを見せるべきだと思います。ここには「費用の抑制的管理」ということばは出ているのですが、今回実施するにあたり、NHKがどれだけ汗を流してやってきたかを見えるようにしてもらえれば、それはある意味で、執行部の皆さんの努力も報われると思いますし、国民・視聴者の皆さんに理解してもらえる要素にもなると思います。被害者意識的に「カットされたからここしかできない」ということではなく、むしろ「カットされたけれども、この機会に別のやり方をすることで、その費用を生み出してやっている」という知恵を出されていると思います。そういったものが見えるようにしていただければよいのではないかと思います。

 (荒木専務理事)

 ありがとうございます。国際インターネット活用業務も、「必要な取り組みを効率的・効果的に実施する」と書きました。今回、「2.5%の枠を守るように」ということですが、われわれは、ただ単にそれをマイナスに捉えるだけではなく、予算の効率的な使い方、効果的な使い方、インターネットの費用のあり方という問題も含め、与えられた試練の中で、どういうことができるのかということをきちんと検討し、さらに今後に役に立つような知見を得て、それを世の中に、国民・視聴者の皆さまに示して、より理解を求めていきたいと思っています。

 (森下代行)

 よろしくお願いします。

 

 

3 審議事項

 (1) 令和2年度予算編成方針

 ※執行部から令和2年度予算編成方針について説明があり、審議した。
 (令和2年度予算編成方針は議決後公表予定)

 

 (2) 2020年度(令和2年度)国内放送番組編集の基本計画について

 ※執行部から2020年度(令和2年度)国内放送番組編集の基本計画について説明があり、審議を行った。
 (2020年度(令和2年度)国内放送番組編集の基本計画議決後公表予定)

 

 (3) 2020年度(令和2年度)国際放送番組編集の基本計画について

 ※執行部から2020年度(令和2年度)国際放送番組編集の基本計画について説明があり、審議を行った。
 (2020年度(令和2年度)国際放送番組編集の基本計画議決後公表予定)

 

 

4 報告事項

 (1) NHKエンタープライズとNHKプラネットの合併について(資料)

 (板野専務理事)
 NHKエンタープライズとNHKプラネットの合併について報告させていただきます。
 NHKエンタープライズとNHKプラネットの合併につきましては、昨年12月に基本合意を締結し、その後、NHKエンタープライズ・プラネット統合推進委員会を立ち上げ、具体的な検討を重ねてきました。
 両社の取締役会を経て来週18日に合併契約を締結し、2020年4月1日に新会社NHKエンタープライズとしてスタートすることになります。
 この合併により、関連団体の数は24となります。
 まずは合併の目的です。1つ目は、これからのテレビ業界におけるNHKの存在理由の1つが、地域放送とそれを束ねているネットワークです。継続可能な体制をグループ一体で作る第一歩として、この2社を統合します。
 2つ目は、2020年以降の制作力、展開力をグループ一体で発展させるということです。受信料収入の減少、競争契約の拡大等の状況が想定される中で、コンテンツ制作力を維持・向上させ、放送やネット、イベントを通じたコンテンツの展開強化を進めるグループ全体の体制を構築します。
 3つ目は、経営の効率化、事業活性化につながる統合効果を目指すことです。統合による経営の効率化、コストの低減や両社のノウハウの連携による事業の活性化、新たな事業の開発など、プラスの統合効果を目指します。
 また、統合新会社は、会社法上の大会社となりますので、監査役会設置会社として監査役会、大会社として会計監査人を置くことになります。法令に基づき、より客観的なガバナンス体制を構築していくことになります。
 合併の形態は、合併に係る手続きの規模、費用などを勘案し、NHKエンタープライズを存続会社とする吸収合併で行います。
 新会社の概要です。商号、いわゆる社名は、株式会社NHKエンタープライズとし、ロゴもこれまでのNHKエンタープライズのものをそのまま活用します。
 本社所在地は、今、NHKエンタープライズが本社を置いているビルにそのまま置きます。資本金は16億円あまり、従業員数はおよそ800人となります。
 最後に今後の手続きですが、冒頭でも申し上げました通り、両社の取締役会を経て今月18日に合併契約を締結し、来年2月の株主総会など、所定の手続きを経て、2020年4月1日に合併し、新しいNHKエンタープライズとしてスタートする予定です。

 

 (2) 「平成30年度業務報告書」に付する総務大臣の意見について(資料1)(資料2)

 (荒木専務理事)
 「平成30年度業務報告書」に付する総務大臣の意見について報告します。
 今年6月に、財務諸表とあわせて総務大臣に提出した平成30年度の業務報告書について、総務大臣の意見が付され、12月3日の閣議を経て、国会に報告されました。
 協会の業務報告書は、いわば各年度の事業計画に対する結果報告ですが、これを総務大臣が国会に報告するにあたって、その年度の業務の妥当性などについて検討し、大臣の考えを国会に対して表明するのが、この大臣意見です。
 それでは、総務大臣意見の概要について、新たに記述された部分を中心に説明します。別紙の「大臣意見」をご覧ください。
冒頭では、総論として、受信料徴収の徹底等に努めた結果、予算を上回る収支差金を計上するなど、「おおむね所期の成果を収めたものと認められる」としています。
 そのうえで、繰越金の現状や事業収支差金が年度当初の計画を大幅に上回る状況が続いていることに触れ、「受信料額の適正な水準を含めた受信料の在り方について、既存業務の見直しとともに不断に検討していく必要がある」としています。また、経営計画では令和2年度に215億円の事業収支差金の赤字を見込んでいることに触れ、「既存業務の見直しに聖域なく徹底的に取り組むことを強く求める」としています。
 「記」以下の各論にあたる部分には、特記すべき具体的事項が挙げられています。
 「1 国内放送番組の充実」では、(1)で、災害報道について、大規模災害発生時に外国人に向けた情報提供に取り組んでいることなどに触れています。2ページの(3)では、引き続き、総務省が昨年2月に策定した普及目標を踏まえ、字幕放送等の拡充に努めることが求められることなどを記述しています。
 「2 国際放送の充実等による総合的な海外情報発信の強化」は、海外情報発信に関する項目で、テレビ国際放送については、インターネットでの「中国語ネットチャンネルの開始等多言語コンテンツの拡充等の取組を進めた」としています。一方、「依然、その認知度は高いとはいえない状況にある」として、「国際放送のより一層の充実・強化を図ることが必要」としています。
 「3 4K・8K放送の積極的推進及びインターネット活用業務に関する関係者間連携等」では、昨年12月に新4K8K衛星放送を開始したことを記述するとともに、東京オリンピック・パラリンピックの機会を捉え、早期かつ円滑な普及に向けて先導的役割を果たすことへの期待を示しています。また、インターネット活用業務については、「適正な規模の下、節度をもって事業を運営するとともに、会計上の透明性を確保することが求められる」としています。また、「民間放送事業者との連携・協力」について具体化を図ること、NHKオンデマンドを含む放送番組等有料配信業務勘定について、一層の収支の改善に努めることが求められる、などとしています。
 「4 経営改革の推進」では、(1)で、改正放送法に基づいて「NHKグループの業務の適正を確保するための体制整備を適切に図ること等により、グループ全体でのコンプライアンスの確保が強く求められる」などとしています。
 また(4)で、改正放送法において協会の組織、業務および財務に関する基礎的な情報等の提供が制度化されたことも踏まえ、情報公開の一層の推進を図ることにより、自ら説明責任を果たしていくことが求められる、などとしています。
 「5 受信料の公平負担の徹底に向けた取組等」では、受信料に関して、ふれあいセンターに寄せられた苦情等の件数について触れ、委託先の業務の実態を適切に把握し、受信契約の勧奨等の業務の適正を確保するための体制について、「早急に点検及び見直しを行うことが強く求められる」などとしています。

 

 (3) 日本放送協会定款の一部変更の認可について(資料1)(資料2)

 (荒木専務理事)
 11月12日に経営委員会で議決をし、総務大臣に認可申請を行った日本放送協会定款の一部変更については、11月29日に総務大臣の認可を受けました。変更後の定款は、別添のとおりです。変更の期日は、改正放送法の施行日としており、施行日をもって変更されます。

 

 (4) 2019年秋季交渉の結果について(資料)

 (松坂理事)
 労働組合「日放労」との秋季交渉が、11月26日に収束しました。結果について報告します。
 まず、専門業務型裁量労働制が適用される職員、これは一般職の記者のことですが、これについて、付加休日や祝日等に勤務した場合、1日8時間30分勤務したものとみなす取り扱いから、時間管理へ移行する見直しについて、組合と合意しました。これは、専門業務型裁量労働制の制度導入時に、3年後をめどに付加休日等の勤務の取り扱いを、時間管理に見直すとしていたことを踏まえて、協会から提案したものです。
 また、「外勤、出張時における勤務時間の取り扱いの見直し」に関する協会提案についても、労使合意が得られました。記者を除く一般職が外勤や出張する場合には、「事業場外みなし労働時間制」を適用していますが、スマートフォンやモバイルPCなどを使ったテレワーク環境の整備が進むなど、労働環境の変化に伴い、外勤、出張中の勤務を時間管理とし、労働時間のより適正な把握を行うために、提案したものです。
 この2ついずれも、健康確保の観点から、労働時間を把握し、適切な管理につなげていくため、協会のルールを見直すものです。
 次に職員制度の趣旨や仕組みを、改めて浸透させて欲しいという組合からの要求を踏まえて、今回の見直しに伴いまして、専門業務型裁量労働制の趣旨や仕組み、健康管理時間の位置づけ等について、制度の適用者や勤務管理者を対象に説明する場を設けます。あわせて、イントラ内にある記者勤務制度のホームページを充実させるなど、理解・浸透を図ります。
 健康に働き続ける環境の整備については、今日的な観点から保健事業の取り組みについて見直しを行い、意識改革を促し、より多くの職員の健康面にプラスとなる、新たな保健事業の取り組みについて労使議論を行いました。
 最後に、社会の変化に対応し、視聴者の信頼に応えるために、より自由な働き方を検討することが必要ではないか、との組合からの課題意識が示され、議論されました。具体的には、新たな専門的な知識の習得に向けたリカレント教育や、より納得感を高めるための人事制度や多面評価などについてです。
 現在、国内外の大学等への派遣や、複数の企業と共同で実施する異業種交流研修、職員のスキルアップを促す自己啓発援助の制度などは行っていますが、こうした現行制度を踏まえつつ、公共メディアを支えるより実践的な人材の育成や研修、人事施策について検討していきます。
 また、スタッフの働く環境の整備についても議論しました。スタッフがより安心してモチベーション高く働き続けることができるように、いくつかの休暇や日当等を認めることとしました。職員との役割差を踏まえつつ、同一労働同一賃金での制度的対応も見据えた内容としています。

 (長谷川委員)

 「保健事業について、今日的な観点から新たな施策を検討」という件は非常に大事だと思います。どのような新たな取り組みなのか具体的に教えてください。

 (松坂理事)

 今後さらに協議してから決めることになりますが、例えば歯科検診の充実や、人間ドックの受診率をさらに上げることなどを検討しています。

 (長谷川委員)

 新しい検査がどんどん出ていますので、頑張ってやっていただきたいと思います。

 (村田委員)

 人材育成のところですが、国内の大学にも職員を短期間勉強させるために派遣する制度を持っているということでしょうか。国内でも修士を取ったりする機会を設けているのですか。

 (松坂理事)

 はい、それはあります。また、海外の大学にもスタンフォード大学やMIT、マサチューセッツ工科大学などに派遣しています。規模に応じて期間はさまざまで、短期から中期の制度があります。
 ただ、今回、職員のほうから、そのようなものももちろん大事だけれども、ITなども含めてさまざまな技術の変化もあるので、もう少し実務的な研修や教育を受けやすい環境になるよう、新たな研修も検討してほしいという要望が出されていました。

 

 

 以上で付議事項を終了した。

 

 

 (石原委員長)
 最後に、本日の経営委員会が最後の出席となる中島委員、そして私から、経営委員退任のごあいさつをさせていただきます。まず中島委員からお願いします。

 (中島委員)

 気がついたら6年間、経営委員を拝命してからあっという間に過ぎたと思います。2期務めさせていただきましたけれども、後期、上田会長が就任されてからの執行部の皆さんの取り組み方、一丸となって課題に向き合っているということが非常に印象深く思っています。これはもちろん大変望まれることでありまして、これを今後も継続して、一丸となって執行部が取り組みを進めていただければと思います。
 一方、インターネットの常時同時配信に関連して、私にとっては非常に耳ざわりなのですが、NHKの肥大化ということばをよく聞きます。肥大化というのは、「天高く馬肥ゆる秋」の「肥ゆる」のような、望まれるような意味ではなく、望ましくないとか、がんの病変の肥大のように抑制が効かないとか、非常にネガティブな意味が背後にこめられている、皮肉のようなことばと感じています。ぜひこのようなことを言われないように、合理化や効率化なども進めていく必要はあるでしょうし、日本におけるNHKの存在意義の理解増進も深めていただければと願っています。明日からは後期高齢者の一視聴者として、NHKの発展を見守っていきたいと思います。

 (石原委員長)

 大変お世話になりました。2010年の12月から9年間、経営委員を務めさせていただきました。特に直近の3年間、委員長として皆さまに大変にご支援いただきありがとうございました。
 この9年間を振り返ってどんなことがあったか。まず、2回の受信料の値下げがありました。それから、今回のインターネットの常時同時配信と放送法の改正は画期的なことでした。女性の活躍もNHKはかなり進んでいます。私がかなり以前聞いた時は、女性管理職の比率が3.5%ぐらいだったのが、もう10%に届くというところまで来ています。それから放送センターの建替基本計画、これも長い間かかりましたが、よくまとめたと思います。また、4K・8K放送が開始されました。
 NHKはさまざまな事業や改革に取り組んできているところですが、先ほど中島委員からも話がありましたが、今回の常時同時配信に絡み、肥大化ということが強く言われております。ネットの進展に伴って放送が大きな変革期にあることは間違いないので、今回の放送法の改正は、大変立派な仕事をされたと思います。その中で、「三位一体の改革」については、もう一度しっかりと考えて取り組んでいくべきものだと思います。NHKが激動の中で改革していくには、言うまでもなく国民の信頼が必要です。そのためには、業務と受信料とガバナンスの「三位一体の改革」に不断の課題として取り組んでいく必要があると思います。業務の見直しは厳格なコスト管理を含めてさらに力を入れる必要がありますし、受信料についても、公平負担の徹底に努め、あわせてさらなる値下げを念頭に置いて経営をしていく必要があるのではないかと思います。ガバナンスとコンプライアンスの徹底も大事な事柄です。こうした努力をしっかりと続けていくことにより、国民の信頼をさらに勝ち得ていくということだと思います。
 きのう、上田会長の後任者として前田晃伸氏を選任しました。メガバンクの改革に取り組んだ経験をお持ちの方で、上田会長の進めたNHK改革を、上田会長同様、力強く推進していただけるものと期待しています。
 皆さまに改めてまたお礼申し上げ、あいさつとします。ありがとうございました。

 

 

<会長、副会長、専務理事、理事退室>

 

 

○ 説明会 衛星放送の在り方について
 担当理事より「衛星放送の在り方について」の説明を受け、意見交換を行った。

 

 

 上記のとおり確認する。

 

2020年1月15日    

森 下 俊 三 

 

 

高 橋 正 美