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第1341回
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2019年12月13日(金)公表
※3 その他事項(1)インターネット活用業務実施基準について は2020年1月17日(金)公表

日本放送協会第1341回経営委員会議事録
(2019年11月26日開催分)

第1341回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1341回経営委員会

 

<会 議 日 時>

2019年11月26日(火)午後1時30分から午後5時まで

 

<出 席 者>

〔経 営 委 員〕

  石 原  進 森 下 俊 三 明 石 伸 子
    井 伊 雅 子   槍 田 松 瑩 佐 藤 友美子
    堰 八 義 博   高 橋 正 美 中 島 尚 正
    長谷川 三千子   村 田 晃 嗣 渡 邊 博 美
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔執 行 部〕

  上 田 会 長 堂 元 副会長 木 田 専務理事
  板 野 専務理事 児 野 専務理事・技師長 荒 木 専務理事
  松 原 理 事 黄 木 理 事 中 田 理 事
  鈴 木 理 事 松 坂 理 事 正 籬 理 事

 

 

<場   所>
放送センター  22階経営委員会室  21階役員会議室

 

<議   題>

 

付議事項

 

○ 2020年度経営委員会日程(案)について

 

○ 説明会「グループ経営改革の進捗について」

 

○ NHKのガバナンスについて

 

1 会長報告

 

2 報告事項

 (1) 令和元年度中間財務諸表・中間連結財務諸表について

(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)(資料5)(資料6)

 (2) 予算の執行状況(令和元年10月末)(資料)

 (3) 契約・収納活動の状況(2019年10月末)(資料)

 (4) 地方放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 (5) 2019年度第2四半期業務報告(データ更新版)(資料)

 

3 その他事項

 (1) インターネット活用業務実施基準について(資料1)(資料2)(資料3)

 

○ 指名部会

 

○ 意見交換 内部統制関係議決等について

 

 

<議事経過>

 

 石原委員長が開会を宣言し、経営委員会を開催。

 

 

○ 2020年度経営委員会日程(案)について
 2020年度経営委員会の日程(案)を確定した。

 

 

○ 説明会「グループ経営改革の進捗について」
 グループ経営改革の進捗について、担当理事より説明を受け、意見交換を行った。

 

 

○ NHKのガバナンスについて
 NHKのガバナンスについて、情報共有および意見交換を行った。

 

<会長、副会長、専務理事、理事入室>

 

 本日の付議事項および日程について説明。第1340回(2019年11月12日開催)の議事録を承認し、所要の手続きを経て、2019年11月29日に公表することを決定した。

 

 

1 会長報告

 (上田会長)
 先週開かれたABU・アジア太平洋放送連合の東京総会について、報告します。
 ABU(Asia−Pacific Broadcasting Union)は、アジア太平洋地域の放送局の親善と相互発展を目指して1964年に設立されました。現在、71の国と地域から274の放送機関などが加盟し、ニュース素材交換や技術協力のほか、「ABUロボコン」の開催や国際共同制作などを行っています。
 NHKはABU設立メンバーの一員として、設立以来、常任の理事を務めています。また、ABU会長や副会長を務めるなど、主導的な役割を果たしてきました。
 56回目となることしの総会は、9年ぶりに東京で開催され、NHKがホストとなり、関連会合も含め11月17日から22日の日程で開催されました。私は昨年のトルクメニスタン総会でABUの会長に就任しており、今回初めて総会の議長を務めました。
 東京総会のテーマは「Building Trust: Enriching Audience Experience」(多様な視聴体験への挑戦〜信頼されるメディアを目指して)で、およそ60の国と地域から600人以上が参加し、総会をはじめ、理事会や各種委員会が開かれたほか、デジタル時代への対応などをめぐって討論が行われました。
 私も、最終日に開かれた「スーパーパネルフォーラム」に参加し、「Evolving into Public Service Media」(公共メディアへの進化)と題した基調講演を行い、放送と通信を組み合わせたマルチプラットフォームによる災害報道など、NHKの取り組みを紹介しました。
 また、総会では、3人のうち1人が欠員となっていた副会長に、韓国KBSのヤン・スンドン社長が無投票で選出されました。
 関連イベントとしては、来年開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けたNHKの最新技術や制作ノウハウを紹介する「NHKショーケース」、11の国や地域を代表するトップ・アーティストが参加した「ABUテレビソングフェスティバル」などが開催されました。
 東京総会では、会場の装飾を再利用したり、メールやサイネージを活用して紙の資料を減らしたりするなど、「環境に配慮した会議」を目指しました。参加者からは「日本らしいもったいない精神を体感することができた」という意見も寄せられました。
 次のABU総会は、来年10月下旬にベトナム・ハノイで開催される予定です。

 

 

2 報告事項

 (1) 令和元年度中間財務諸表・中間連結財務諸表について
(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)(資料5)(資料6)
 (松坂理事)
 令和元年度のNHK単体と連結の中間決算がまとまりましたので、報告します。
 NHKの中間決算は、放送法で規定されたものではなく、自主的な取り組みとして実施しています。
 今回「令和元年度中間財務諸表」および「令和元年度中間連結財務諸表」としてまとめるとともに、それぞれの財務諸表に対して会計監査人の中間監査報告書を受領しました。
 資料は、NHK単体、連結の中間財務諸表および、それらに対する独立監査人の中間監査報告書、中間決算の概要の5点です。
 資料「令和元年度 中間決算の概要」をご覧ください。NHK単体の中間決算と、連結の中間決算のポイントをわかりやすくまとめたものです。
 資料の1ページ、NHK単体の中間決算から説明します。一般勘定の事業収支について、予算と中間期実績を比較しています。事業収入は、受信料が順調に推移しており、中間期で3,757億円となりました。予算に対する進捗率は51.8%です。事業収入のうち、受信料収入は3,596億円で、予算に対する進捗率は51.1%です。事業収入のうち受信料以外の収入の増としては、子会社からの配当の増などがあります。
 事業支出については、統一地方選挙や参議院議員選挙放送、今年度から通年化したBS4K・8K放送の実施などにより、前年度中間期に比べまして、74億円増の3,442億円となりました。予算に対する進捗率は47.3%です。
 以上により、中間決算時点での事業収支差金は314億円となっていますが、下半期には、まず収入面で受信料の実質値下げや負担軽減策による減収があります。これら受信料の還元策による本年度の減収139億円、およそ110億円が下半期に影響してきます。支出の面では例年、年度後半に前半より支出が多い傾向がありますが、今年度下半期は10月の台風などの災害報道や、年度末の東京オリンピック・パラリンピック聖火リレーの放送関連経費などが見込まれています。こうしたことから、事業収支差金は中間期より大幅に減少していくと見ていますが、引き続き経費削減に努めるなど効率的な業務運営を行い、黒字確保を目指します。
 1ページの下には、放送番組等有料配信業務勘定、いわゆるNODの事業収支を記載しています。視聴料収入の増等により事業収入は11.6億円、事業収支差金は2.4億円で、予算に対して2.3億円の改善となっています。有料配信業務は順調です。
 次のページには、受信料の推移と営業業績を記載しています。契約総数は中間期実績で23.9万件の増加、年間計画に対して55.6%の進捗率です。
 衛星契約数は33.2万件の増加で、計画に対する進捗率は57.1%となり、契約総数、衛星ともに標準進捗率を上回っております。
 一方、未収数は0.5万件の増加で計画に対して、マイナス12.7%となっています。支払率は82.4%、衛星契約割合は52.4%と順調に進捗しています。なお、参考として、右下の部分に今年度の受信料還元策について記載しています。
 3ページは、一般勘定に放送番組等有料配信業務勘定と受託業務等勘定を加えた協会全体の損益の状況です。
 経常事業収入は3,732億円となり、前年度中間期の3,681億円に対して50億円の増収になっています。これは、受信料の増収などによるものです。
 経常事業支出は、前年度中間期と比べて82億円増の3,514億円で、この結果、経常事業収支差金は前年度中間期と比べて32億円の減となる217億円になっています。
 経常事業外の収支です。経常事業外収入が前年度中間期と比べて99億円で34億円増加していますが、これは子会社からの特別配当などによるものです。
 全体の損益の状況としての中間事業収支差金は、先ほど説明した、一般勘定の314億円と、放送番組等有料配信業務勘定の2.4億円を合わせた合計317億円となり、前年度中間期に対して8億円の増となっています。
 4ページは、資産と負債等の状況とキャッシュ・フローの状況をまとめたものです。
 令和元年度中間期末の資産合計は、現金および預金の増等により、前年度末と比べ93億円増加し、1兆2,034億円となりました。負債合計は4,051億円となり、未払金の減等により前年度末と比べて223億円減少しております。純資産合計は7,983億円で、中間事業収支差金が317億円発生したことによる増となっています。続きまして、5ページをご覧ください。中間連結決算の概要です。
 まず、「連結の範囲」ですが、連結子会社12社、持分法適用会社1社の計13社で、連結子会社が、前年度から1社減少していますが、これはことし4月1日に、株式会社NHKメディアテクノロジーと株式会社NHKアイテックが合併し、株式会社NHKテクノロジーズが発足したことに伴うものです。
 次に、連結の「損益の状況」を説明します。
 経常事業収入は3,996億円となり、受信料の増収等により52億円の増収となっています。
 一方、選挙放送の実施など、経常事業支出も増加したことにより、中間事業収支差金は、前年度中間期に比べて7億円減の285億円となり、連結ベースでは増収減益となっています。
 なお、NHK単体の中間事業収支差金317億円よりも連結の中間事業収支差金のほうが小さくなっていますが、これは子会社等からの受取配当金を内部消去しているためです。
 次に、左下の表をご覧ください。経常事業収入の内訳を記載しています。NHKは、受信料の増収等により、令和元年度中間期は3,707億円となり、前年度中間期に対して50億円の増収となりました。
 一方子会社は、イベント収入事業の増により、子会社全体で288億円となり、前年度中間期に対して2億円の増収となっています。
 6ページは、連結の資産と負債等の状況とキャッシュ・フローの状況をまとめたものです。
 令和元年度中間期の資産合計は、1兆3,201億円となり、前年度末から3億円増加しています。
 最後に、単体・連結それぞれの財務諸表の下に添付している「独立監査人の中間監査報告書」をご覧ください。こちらは財務諸表に対する会計監査人による監査報告となっています。
 監査報告書の裏面になりますが、「中間監査意見」として、「中間会計期間の経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する有用な情報を表示しているものと認める」との意見が表明されています。
 年間決算の場合は、財務諸表に問題がない場合は、「適正に表示しているものと認める」という適正意見が表明されますが、中間決算の場合は、年間の監査手続きの途中段階であることから、問題がない場合は、前年度が適正であることを踏まえ、有用と認めるという意見が表明されます。
 この後、これらの財務諸表等をNHKオンラインに公表します。

 

 (2) 予算の執行状況(令和元年10月末)(資料)

 (3) 契約・収納活動の状況(2019年10月末)(資料)

 (4) 地方放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 (5) 2019年度第2四半期業務報告(データ更新版)(資料)

 (石原委員長)
 報告事項(2)(3)(4)(5)について、特段の質問等がなければ資料配付のみで報告に代えさせていただきますが、よろしいでしょうか。

 (松坂理事)

 一点よろしいでしょうか。令和元年10月末の予算の執行状況についてです。資料の2ページに、10月末時点の事業収支差金の状況があります。中間期では314億円でしたが、10月はラグビーワールドカップや災害報道等の支出があった一方で、受信料実質値下げと負担軽減策が関わってきていますので、先ほどの中間事業収支差金314億円は、10月末では231億円となっています。参考までに報告します。

 (森下代行)

 10月は減っているようですが、最終的な収支差金の見通しは公表するのですか。

 (松坂理事)

 現段階の全体的な状況として、収入については、受信料の値下げや負担軽減策など、年度後半に110億円の減収要素があります。また、支出については、例年では年度後半に支出が多い傾向があることや、災害報道や聖火リレーなどの支出があります。先ほどご説明したように10月末では中間よりも収支差金は圧縮されています。年度末の見込みについては、来年度の予算を編成する段階で説明していくことになるかと思います。

 

 

3 その他事項

 (1) インターネット活用業務実施基準について(資料1)(資料2)(資料3)

 (荒木専務理事)
 前回の経営委員会で説明したように、協会が改正放送法などの法令と認可のガイドラインを踏まえたインターネット活用業務実施基準の変更案を総務大臣に認可申請したのに対し、11月8日、「NHKインターネット活用業務実施基準の変更案の認可申請の取扱いに関する総務省の基本的考え方」が示され、意見募集が開始されました。そして、協会に対して総務省から、「総務省の基本的考え方」で示された内容について検討を行い、12月8日までに結果を提出するよう要請がありました。
 協会は、放送と通信の融合時代にメディアや視聴者の環境が大きく変化する中にあって、放送を太い幹としつつ、これを補完するものとしてインターネットも適切に活用して正確で公平・公正な情報や豊かでよい放送番組などのコンテンツをしっかりお届けし、信頼される「情報の社会的基盤」の役割を果たしていきたいと考えています。そのために必要な実施基準(案)の認可を得るため、「総務省の基本的考え方」の内容を精査し、回答に向けて検討を深めているところです。
 本日は、現段階での回答の方向性と概要を説明します。了承いただければ、これに沿って回答を取りまとめ、理事会で審議・決定し、12月8日の締め切りまでに総務省に提出したいと思います。
 「総務省の基本的考え方」は、「1.」から「5.」のパートになっていますが、このうち検討が必要な部分を、総務省として協会の業務に関する基本的考え方を整理した「1. 協会の業務に関する総務省の基本的考え方」と、「2. 業務の実施に当たって留意すべき事項」を一つの固まりとして、これらがいわば前半部分で、協会が提出した実施基準(案)に対する総務省の基本的な考え方を記した「4.」をもう一つの固まり、後半部分としてそれぞれ分けて、回答を検討しています。ちなみに、「3.」は実施基準(案)の概要、「5.」は今後の進め方を記したパートですので、回答しません。
 資料「『総務省の基本的考え方』に対するNHKの回答の方向性・概要」の1ページから2ページにかけて、「総務省の基本的考え方」の中の前半部分、「1. 協会の業務に関する総務省の基本的考え方」と「2. 業務の実施に当たって留意すべき事項」の中で指摘されている「三位一体の改革」、すなわち「業務全体の見直し」、「受信料の在り方の見直し」、「ガバナンス改革」それぞれについての回答の方向性と概要をまとめました。
 まず「業務全体の見直し」についてです。「総務省の基本的考え方」では、「繰越金の現状や近年の事業収支の見込み等を踏まえると、全体の収支構造が妥当なものと認められるか否かについて、改めて検討することが適当」として、「特に、『NHK経営計画2018−2020年度』において、令和2年度は、事業支出の増加と受信料の値下げに伴う事業収入の減少により、215億円の事業収支差金の赤字を見込んでいることを踏まえれば、インターネット活用業務の拡大がそのまま事業支出の増加につながり、事業収支のバランスを悪化させることとならないように取り組むことが強く求められる」としています。
 「業務全体の見直し」の回答のポイント、1つ目です。
 「2020年度収支予算の策定にあたっては、計画している来年10月からの受信料の値下げを実施した上で、支出については、既存業務を見直し、常時同時配信・見逃し番組配信を含む新規事業や東京オリンピック・パラリンピック関連業務を効率的に実施することにより、現3か年経営計画の収支計画で示している赤字幅を削減する」としています。
 2つ目です。「東京オリンピック・パラリンピック終了後、次期中期経営計画の初年度である2021年度以降については、事業規模の見直しを加速させる。とりわけ、業務委託などの構造的課題に切り込むことにより、事業支出の削減を着実に進め、次期中期経営計画は、こうした収支改善の取り組みを十分に反映させた計画とする」。言うまでもなく、2020年度予算と次期中期経営計画は、経営委員会にご審議いただき、議決いただく事項ですので、「※1」にあるとおり、現時点での執行部の考え方を示したものです。また、「※2」のとおり、次期中期経営計画については、改正放送法に基づく経営委員会の意見募集の手続きに間に合うよう、早急に策定作業を進めていきます。
 次にポイントの3つ目です。「4K・8K放送の普及段階を見据えた衛星放送の在り方については、視聴者保護の観点を堅持した上で現在の4波を3波に整理・削減する。具体的な考え方は12月中にお示しする。さらに公共メディアが果たす役割と、それをふまえた将来の保有メディアのあり方について検討を続ける」。去年11月の「放送を巡る諸課題に関する検討会」で、放送・サービスに係る既存業務の見直しとして、「BS4K・8Kの本放送開始を受け、視聴者保護の観点を堅持した上で、4K放送の普及状況などを見つつ、衛星波を整理・削減する方向で、本放送開始1年をめどに、その時点の考え方を示す」と表明しています。視聴者保護の観点を堅持した上で、BS2K放送を将来的には2波から1波に整理・削減する方向で検討を行っており、12月中に考え方を示すこととしています。経営委員会にも、適切な時期に考え方を説明します。
 ポイントの4つ目です。「総務省の基本的考え方」では、「特に、子会社の業務範囲の適正化等、子会社の在り方をゼロベースで見直す抜本的な改革」については、「更なる取組を着実かつ徹底的に進めることが必要」としています。
 回答の方向性ですが、「関連団体については、NHKの業務を効率的に遂行するために、技術会社や制作会社を経営統合し、要員の削減やコスト面での効率化を進めている。子会社や関連公益法人等の役割や業務範囲などを精査し、さらなる経営統合も視野に入れて引き続きグループ経営改革を推し進めることを次期中期経営計画に反映させるよう検討する」。不断のグループ経営改革の取り組みを次期中期経営計画に盛り込んで、引き続き適切に推進していくことを回答したいと考えています。
 続いて、1ページの下、「受信料の在り方の見直し」についてです。「総務省の基本的考え方」では、「平成30年度末には、依然として1,161億円の財政安定のための繰越金を有していることを踏まえ」、「既存業務全体の見直しを徹底的に進め、受信料額の適正な水準を含めた受信料の在り方について、引き続き検討を行うことが必要」とされています。
 これに対しての回答の方向性です。「受信料の値下げを確実かつ適切に実施し(負担軽減策と合わせて422億円規模、2018年度の受信料収入の6%相当を還元)、支出の見直しを図ることにより、財政安定のための繰越金を適正な水準に管理していく」。「世帯数の減少局面を迎える中、公平負担の徹底を図る一方で、事業規模の適正水準での管理を進め、中長期の事業計画や収支見通しをふまえながら、適正な受信料の在り方を引き続き検討する」としています。
 続いて2ページ、「ガバナンス改革」についてです。「総務省の基本的な考え方」では、改正放送法等の法令および「子会社等の事業運営の在り方に関するガイドライン」の規定に沿って、「ガバナンス強化を図り、既存業務の見直しを適切に進めることが求められる」としています。
 ここでは4つポイントがあります。回答の方向性の1点目です。「監査委員会の強化やグループ経営に関する内部統制関係議決や経営に関する情報提供などの改正放送法および省令の規定を踏まえた対応を、改正法施行までに完了させる。さらに、子会社ガイドラインを踏まえた業務の執行体制を速やかに整備していく」。内部統制関係議決は経営委員会の権限事項ですが、これまで調整してきた改正放送法への対応を踏まえて、ご了解いただきたいと思います。
 2点目です。「グループ経営管理については、NHKの内部監査体制による関連団体調査を一層強化するとともに、関連団体においても、内部監査室の充実や外部の公認会計士の監査役・監事への就任など、近年着実に整備してきたグループ統制の仕組みを確実に運用し、さらに実効性を一層高める取り組みを強化」します。
 3点目です。「業務委託の効率性を高めるため、外部のプロダクションなどを対象とした番組企画競争を一層広げるなど、一般取引だけでなく番組関係においても、競争契約をさらに推進していく」。
 4点目です。「子会社の利益剰余金のうち配当が可能な原資を計画的に減らしていくこととしており、引き続き高率の配当を求め通常配当を実施させるとともに、特例配当も含めNHKへの還元を着実に実行する。また、子会社の資本政策の見直しを進め、グループ外企業による株式保有率を下げるなど、NHKへの効果的な配当につながる施策を推進する」。
 以上が「総務省の基本的考え方」の前半部分、「1. 協会の業務に関する総務省の基本的考え方」と、「2. 業務の実施に当たって留意すべき事項」についての回答の方向性と概要です。
 次に、後半の「4. NHK案に対する総務省の基本的考え方」についてです。協会が認可申請をした実施基準(案)においては、常時同時配信等業務と既存業務を「基本的業務』として、費用の上限2.5%を守り、これとは別に、改正放送法で努力義務とされた民間放送事業者との連携や地方向け放送番組の提供に係る業務、国際インターネット活用業務、ユニバーサルサービス、そしてオリンピック・パラリンピック東京大会にかかわる業務の4つを「公益性の観点から積極的な実施が求められる業務」として、それぞれの費用の上限を置いて抑制的に管理をするとしています。
 これに対して「総務省の基本的考え方」では、「令和2年度については、インターネット活用業務の費用の上限は、一時的に発生する大会に関する業務の費用を除き、『受信料収入の2.5%』を維持することとし、既存のインターネット活用業務についても、真に必要なものかを検証して見直し、効率化を図ることが望ましい」としています。
 これらを踏まえ、インターネット活用業務の費用と実施方法について、再検討した協会の基本的な方針を、資料2ページの「4.」の冒頭部分で記しています。「2020年度については、2.5%の枠(2020年度のオリパラは別枠)の中で実施することを前提として、業務の実施方法と費用を再検討」している。「既存業務をはじめ、想定される業務全てについて聖域なく点検し、費用を削減する。費用の観点から実施が難しい業務については、次期中期経営計画の中で具体化させる」。
 以下、「総務省の基本的考え方」の項目立てに沿って、協会の対応の考え方を記しています。
 2ページの下、「常時同時配信(受信料制度との関係)」についてです。
 協会が認可申請をした実施基準(案)では、利用申し込みを促進するため、年2回を限度として、そして東京オリンピック・パラリンピック大会の全期間、画面上のメッセージを表示せずに常時同時配信を行うことができるなどとしていました。
 これに対して、「総務省の基本的考え方」では、「受信料負担の公平性及び市場競争の観点から、特例措置は設けないことが望ましい」としています。
 これについて、「放送番組の同時配信については、50年に一度のナショナルイベントである東京オリンピック・パラリンピック競技大会の決定的瞬間を、一人でも多くの人がリアルタイムで体感できるよう、大会期間中にNHKが地上波で放送するオリンピック・パラリンピック競技とその関連番組に限定して、メッセージを表示せずに同時配信を実施し、国民・視聴者の期待に応えたい。具体的な実施方法については検討中」としています。利用申し込み促進のためには実施しない考えです。
 続いて、3ページをご覧ください。「放送法上の努力義務に関する業務」についてです。「民放との連携・協調の維持強化に資する業務については、適切に実施する」。「地方向け放送番組の提供について、2021年度以降の拠点放送局における設備整備の計画は、次期中期経営計画の中で具体化させる。2020年度の地方向け放送番組の見逃し配信サービスは、実施計画作成時に内容や経費を再検討し具体化の上、実施する」としました。
 次に、「業務の実施に要する費用」についてです。回答の方向性は5つのポイントにまとめています。
 1点目です。「2.5%の枠(2020年度のオリパラは別枠)の中で実施することを前提として、常時同時配信・見逃し番組配信などの新規業務の実施方法と費用を再検討している。既存業務についても、聖域なく点検し費用を削減する」。
 2点目、「常時同時配信・見逃し番組配信については、2020年4月から開始する(認証の確実な実施のため、試行的に2019年度内に実施したい)」。
 3点目、「常時同時配信は、2020年度はサービス提供時間、認証に係る経費、広報体制などを総合的に検討し、サービス提供時間を限定して開始し費用を削減する。その後、段階的に拡充する」。
 4点目、「国際インターネット活用業務とユニバーサルサービスは、必要な取り組みを効率的・効果的に実施することにより費用の見直しを行う」。
 5点目、「費用の抑制的管理のための具体的な仕組みについて、外部の知見などを参考に引き続き実現に向けて検討する」としています。
 協会が認可申請を行った実施基準(案)では、「基本的業務」と、法令や社会的要請などにより「公益性の観点から積極的な実施が求められる業務」という形で、業務と費用の関係を整理しましたが、「NHK案に対する総務省の基本的考え方」を踏まえつつ、自律的に対応していくため、2020年度のインターネット活用業務については、オリンピック・パラリンピック東京大会対応を除いて、受信料の2.5%を上限として実施できるよう、新規業務も既存業務も一段の見直しを行っているところです。
 常時同時配信については、深夜帯などにサービスを休止し、提供時間を限定して、つまり「24時間=常時」ではない形で、費用を抑制してスタートし、段階的に拡充していく考えです。認証のプロセスを稼働させ、受信料制度と整合する形で、常時同時配信・見逃し番組配信という新しいサービスの仕組みをきちんとスタートさせ、公共メディアとしての確かな一歩を踏み出し、視聴者の皆さまの期待に応えたいと考えています。
 費用の観点から実施が難しい業務もあります。地方向け放送番組の提供のために、2021年度以降に予定している「拠点放送局の設備や運用体制の整備など」もその一つです。利用状況や視聴者の皆さまの声などを踏まえて、2021年度からの次期中期経営計画の中で具体的に検討していきたいと考えています。
 続いて、「有料業務と見逃し番組配信に関する考え方」です。
 「総務省の基本的考え方」では、見逃し番組配信の提供に伴うNHKオンデマンドの「ワンサービス化が有料業務の累積収支の改善を遅らせる」こと、「有料業務として提供していた既放送番組の配信を受信料財源業務として提供することとした明確な理由も示されていない」ことを指摘し、有料業務の収支への影響と受信料財源業務の費用抑制の観点から、「受信料財源により提供する既放送番組とNHKオンデマンドにおいて有料で提供する既放送番組との関係を再検討することが望ましい」としています。
 これについての回答の方向性です。「受信料財源による見逃し番組配信サービスを行う意義を改めて明確に説明し、可能な限りコストを抑制する形で実施する」。「NHKオンデマンド(NOD)の中期の収支見通しの根拠を一層明確にし、累積収支の改善の方向性を改めてお示しする。NODで提供する過去番組の本数の大幅拡大や、外部プラットフォーム事業者との連携強化などにより利用者増を図り、収入増につなげるとともに、業務の簡素化や効率化などで支出を抑制し収支の改善を進める。毎年度、収支等を検討し、所要のサービス・運用体制などの見直しを行うことを実施基準に明記する」としています。
 最後に、「検証体制の整備」についてです。「総務省の基本的考え方」では、インターネット活用業務審査・評価委員会の委員の選任にあたって、「市場競争の評価等に必要な知見を有する、中立的な者を選定することを明らかにしておくことが望ましい」、インターネット活用業務審査・評価委員会は、「検討に当たって、外部事業者及び民間競合事業者から意見を聞くことができるようにすることが望ましい」などとしています。
 回答の方向性としましては、「インターネット活用業務審査・評価委員会の委員選任にあたっての留意事項を、実施基準に明示することを検討する」。「審査・評価委員会における外部事業者等へのヒアリング等のあり方について検討中」とすることを検討しています。
 以上が、「総務省の基本的考え方」に対するNHKの回答の方向性と概要です。
 冒頭に申し上げたとおり、執行部としては、この方向性に沿って回答を取りまとめ、理事会を経て、8日までに総務省に提出したいと思います。メディアや視聴者の環境の変化、社会的要請などに適切に対応して、放送を太い幹としつつ、インターネットを積極的に活用し、信頼される「情報の社会的基盤」の役割を果たし続けられるよう、協会の基本的な考え方をご理解いただくため、最大限の努力をしてまいります。

 (森下代行)

 コスト削減にはいろいろな工夫が必要だと思いますが、認証についてどのように考えていますか。

 (荒木専務理事)

 認証については、受信契約との照合を実施する業務ですので、きちんと対応していかなくてはいけません。これまで想定していた認証のしくみをきちんと担保するための予算を確保できるよう進めていくということです。

 (森下代行)

 技術的な面を含め、オペレーションはきちんとしておかないといけないと思います。だから、何らかの形で、技術的にきちんとできるかを判断しなければいけないと思います。そのあたりを工夫していただきたいと思います。

 (荒木専務理事)

 予算的に削減できる部分とできない部分があると思います。特に認証については業務の基本的な骨格・根幹に関わりますので、きちんと対応していきたいと思います。

 (明石委員)

 必要なプロセスを経て認可申請した案について、このような基本的な考え方が示されたことは、私たちにとって、非常に重いことだと思います。NHKは、それに対しての危機感と決意を、今回の提出で表していかなくてはいけないと思います。しかし、今の書き方だと、その危機感と決意があまり伝わらないように感じました。このまま出されるかどうかは別としても、例えば「業務全体の見直し」でキーワードになるようなこと、例えば、「赤字幅を削減」、「事業規模の見直しを加速」、「構造的課題に切り込むことにより、事業支出の削減」など、目指すべき方向性で求められていることが、もっと一目で分かるような書き方をすることによって、こちらの危機感や決意が伝わるのではないでしょうか。今回、必ず認可をしていただかなくてはいけないという状況の中、ぜひ決意が明確に表れるような出し方をしていただきたいと思います。

 (荒木専務理事)

 これはNHKの回答の方向性・概要を説明したものです。実際に提出するものにつきましては、ご指摘も踏まえ、われわれの考え方や取り組む決意がきちんと伝わるようにしていきたいと思います。

 (長谷川委員)

 この回答を提出する際に、高市総務大臣との対話は想定されていないのでしょうか。

 (荒木専務理事)

 総務大臣とやりとりをすることは予定されていません。12月8日にNHKの回答を提出します。12月8日までにパブリックコメントが集まりますので、このNHKの回答とあわせて、総務省が考え方を示していくという予定です。

 (長谷川委員)

 例えば、金額としては小さい部分でも、理屈としておかしい点については、NHKとして言うべきことは言っておくほうがよいのではないかという気がしており、そうした部分が少なくとも1点あります。「国際インターネット活用業務」についてです。総務省の意見書でも、これについては自分が頼んだことだというニュアンスを響かせつつ、それでもこれを別枠で管理することは認めないという言い方をしています。もし交渉が可能だとすれば、ここでこそ本当にインターネットが必要で、インターネットを使ってこそ本来の国際放送としての、公共メディアとしての役割が果たせるという交渉も不可能ではないという気がするのですが、難しいでしょうか。

 (荒木専務理事)

 ご指摘のように、国際放送につきましては、これからのあり方として、インターネットに展開し、英語以外の多言語化も図っていきます。台風19号やラグビーワールドカップの時も、多くの訪日外国人の方々に「NHKワールド JAPAN」のインターネットでの情報を見ていただいています。そのような点から、この先の国際放送の展開はデジタル無くして考えられないと考えています。それゆえに、今回はぜひ2.5%の枠の外で管理することを認めてもらいたいという案を出したのですが、今回は認められておりません。
 ただ、われわれとしては、今後もそのような意見はきちんと言っていきますし、「総務省の基本的考え方」でも、段階的な実施ということも言っています。来年度については無理でも、われわれの考えをきちんと伝えていきたいと思っています。

 (長谷川委員)

 大いに頑張ってください。

 (村田委員)

 今後の進め方についてお聞きします。12月8日までに総務省に提出するということで、12月10日の経営委員会でまた報告いただくということですね。

 (荒木専務理事)

 はい。

 (村田委員)

 それから、最後の電波監理審議会へ諮問という流れですが、12月8日までに出したものが、もう一度、十分でないからと戻されることは想定されないでしょうか。

 (荒木専務理事)

 われわれとしては、総務省に認めてもらえるように進めていきたいと思っています。ただ、どのように展開するかは、まだ分からない部分もありますので、慎重に進めたいと思います。

 (石原委員長)

 前回の議論の中で、費用を2.5%で収めるのはかなり大変だと説明がありましたが、それについてはいかがですか。

 (荒木専務理事)

 やはりかなり大変です。既存業務を相当程度やめていく必要があります。実施しているサイトをやめることなどもやっていかなくてはいけません。さらに、常時同時配信の時間も、24時間から削減することも検討しています。さまざまな工夫をして、何とか2.5%の枠の中に収められないかと、今検討しています。

 (高橋委員)

 大変ご苦労してまとめていただいたと思うのですが、われわれの立場としてお聞きしますと、執行部でいろいろと議論されて、次期経営計画の中に重い内容を盛り込むとのことですが、最終的にわれわれとしてもパブリックコメントをして、了解をいただくという行動をとっていかなければなりません。この次期中期経営計画について、どのようなスケジュールで進めるか、お考えはありますか。

 (荒木専務理事)

 今回の放送法改正で、中期経営計画は経営委員会の議決事項になり、案を経営委員会としてパブリックコメントにかけることが必要になります。逆算して考えますと、非常にタイトな日程になると思います。鋭意その検討を進めていくことになると思います。

 (高橋委員)

 見方によっては、やや先延ばしという印象がないでもないところはいくつかあると思います。その部分の議論については、相手方のあることですから、決まるまで相当大変なのではないかという気がしています。鋭意ご検討いただき、ぜひ結論を早めに出していただくよう、よろしくお願いします。

 (石原委員長)

 それでは、「インターネット活用業務実施基準の変更案の認可申請の取扱いに関する総務省の基本的考え方」に関する検討要請については、ただいまの経営委員の意見を踏まえて提出することで、執行部案を大筋で了承します。執行部は提出に向けた準備をお願いします。

 

 

 以上で付議事項を終了した。

 

 

<会長、副会長、専務理事、理事退室>

 

 

○ 指名部会
 会長任命に関する指名部会を開催した。

 

 

○ 意見交換「内部統制関係議決等について」
 改正放送法の施行に向けて、「内部統制関係議決」、「経営委員会規程」、「経営委員会委員の服務に関する準則」、「経営委員会議事運営規則」の改正、情報提供について、意見交換を行った。

 

 

 上記のとおり確認する。

 

 2020年1月15日    

森 下 俊 三 

 

 

高 橋 正 美