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第1324回
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平成31年3月15日(金)公表

日本放送協会第1324回経営委員会議事録
(平成31年2月26日開催分)

第1324回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1324回経営委員会

 

<会 議 日 時>

平成31年2月26日(火)午後1時30分から午後4時15分まで

 

<出 席 者>

〔委  員〕

  石 原  進 森 下 俊 三 井 伊 雅 子
    槍 田 松 瑩   小 林 いずみ 佐 藤 友美子
    堰 八 義 博   高 橋 正 美 中 島 尚 正
    長谷川 三千子   村 田 晃 嗣 渡 邊 博 美
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔役  員〕

  上 田 会 長 堂 元 副会長 坂 本 専務理事
  児 野 技師長 松 原 理 事 荒 木 理 事
  黄 木 理 事 菅   理 事 中 田 理 事
  鈴 木 理 事 松 坂 理 事  

 

 

<場   所>
放送センター  22階経営委員室  21階役員会議室

 

<議   題>

 

付議事項

 

1 議決事項

 (1) 「職員の給与等の支給の基準」の一部改正について(資料1)(資料2)

 

2 報告事項

 (1) 「平成31年度収支予算、事業計画及び資金計画」に付する総務大臣の意見について(資料)

 (2) 2019年度(平成31年度)各地方向け地域放送番組編集計画および編成計画について

(資料1)(資料2)(資料3)

 (3) 契約・収納活動の状況(平成31年1月末)(資料)

 (4) 予算の執行状況(平成31年1月末)(資料)

 (5) 地方放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 (6) 2018年度第3四半期業務報告(データ更新版)(資料)

 (7) 第94回放送記念日記念式典の実施について(資料)

 (8) 「第70回日本放送協会放送文化賞」の贈呈について(資料)

 (9) 2019年春季交渉について(資料)

 

○ 説明会「業務改革」の進捗状況について

 

 

<議事経過>

 

 石原委員長が開会を宣言し、経営委員会を開催。

 

 

<会長、副会長、専務理事、技師長、理事入室>

 

 本日の付議事項および日程について説明。第1323回(平成31年2月12日開催)の議事録を承認し、所要の手続きを経て、平成31年3月1日に公表することを決定した。

 

 

付議事項

 

1 議決事項

 (1) 「職員の給与等の支給の基準」の一部改正について(資料1)(資料2)
 (松坂理事)
 「職員の給与等の支給の基準」は、放送法第61条において、「支給の基準を定め、これを公表しなければならない」とされており、その改定については、定款第13条第1項第1号タの定めにより、経営委員会で議決いただくことになります。給与制度の見直しに伴い、改正案を別冊のとおり提出します。
 12月11日の経営委員会でご説明したとおり、「働き方改革」を進める中で、職員が生産性の向上を図り、かつモチベーション高く働き続けられる環境整備のため、処遇施策を見直すこととしました。これに伴い、基準賃金、諸手当、日当を改めて整備するため、「職員の給与等の支給の基準」を改正したいと思います。
 「支給の基準」の改正箇所は、別冊資料の赤字の部分です。
 現在の基準賃金は、基本給と世帯給から構成されていますが、生活給の意味合いが強い世帯給を、基準賃金から諸手当に移行することにしました。これにより、基準賃金は役割給である基本給のみとなり、労働に対する対価であることが明確になると考えます。諸手当に移行します世帯給は、扶養家族の有無によって支給額を設定しています地域間調整手当、住宅補助手当、寒冷地手当と統合し、家族手当とします。
 また、早朝手当を新設した上で、特定日当の一部、休日業務日当、早朝業務日当を廃止します。その他の特定日当については、割増賃金のさらなる割増であるという位置づけを一層明確にするため、基準外賃金に移行することとします。同様の見直しを一般職(Sグレード)、管理職においても行います。
 ポイントを重ねて簡単にご説明します。まず基準賃金は、基本給のみというシンプルなものにします。扶養家族の有無や数で支給額を設定しております世帯給、地域間調整手当、住宅補助手当、寒冷地手当、これらは合わせて諸手当の家族手当として統合します。扶養家族数を基礎として算定する手当は家族手当とすることが一般的ですので、これに従って見直しをするという点が1点です。
 それから、特定日当の中の一部を廃止します。現在、休日や早朝に勤務した場合、時間にかかわらず一定額を支給していました。この休日業務日当と早朝業務日当は廃止します。休日については勤務時間に応じて割増で対応している基準外賃金の休日手当がありますので、これで対応します。早朝業務日当を廃止することについては、6時台と7時台に勤務した場合は、その時間に応じて割り増す早朝手当を、基準外賃金の中に新たに設けて対応します。早朝の割増を設けることで朝型への誘導を図るという狙いもあります。

 (小林委員)

 今回の見直しによって、退職金や賞与の金額の算定の基準は変わるのでしょうか。

 (松坂理事)

 それは変わりません。あくまでも扶養家族の数に伴う世帯給などを統合して家族手当として取り扱うものですし、日当を一部廃止するもので、退職金などの算定となる基本給を変更するものではありません。

 (石原委員長)

 そうすると、現行の世帯給は基準賃金に入っていますが、これは退職金や賞与には関係ないのですか。

 (松坂理事)

 関係ありません。

 (石原委員長)

 給与全体は変わらないということですね。

 (松坂理事)

 はい。変わりません。

 

 採決の結果、原案どおり議決。

 

 

2 報告事項

 (1) 「平成31年度収支予算、事業計画及び資金計画」に付する総務大臣の意見について(資料)
 (坂本専務理事)
 平成31年度NHK予算に付する総務大臣の意見について報告します。
 平成31年度の日本放送協会収支予算、事業計画および資金計画に付する総務大臣の意見が、2月8日の電波監理審議会への諮問・答申を経て取りまとめられました。1月15日にNHKから総務大臣に提出しました収支予算等にこの意見が付され、2月15日の閣議を経て、国会に提出されたところです。
 この大臣意見は、総務大臣がNHK予算を国会に提出するにあたり、予算の内容の妥当性などを検討し、予算の執行にあたってNHKが配意すべきことについての大臣の考え方を国会に対して表明するものです。
 別紙をご覧ください。こちらが総務大臣の意見になります。
 冒頭部分は総論です。上から2段落目で、収支予算等について、国民・視聴者の信頼と多様な要望に応える質の高い番組の提供などの重点事項に取り組むことによって、事業収支差金の赤字を見込んでいる、としています。その上で、本年10月の消費税率引き上げ時に受信料額を据え置き、また4つの受信料の負担軽減策を実施することを考慮するとやむを得ない面がある、としながらも、早期に事業収支差金の黒字を確保できるよう努めることを強く求める、としております。また、既存業務全体の見直しや受信料額の適正な水準を含めた受信料の在り方について、引き続き検討を行うことを求める、としております。
 次の段落以降では、「業務」・「受信料」・「ガバナンス」の三位一体で改革を進める検討を引き続き実施することを求めることや、平成25年に首都圏放送センターの記者が過労で亡くなられたことを重く受け止め、二度と働き過ぎによって尊い命が失われることのないよう、引き続き徹底した取り組みを強く求めることが記載されております。
 以下、各論として、特に配意すべき点が7項目あります。
 まず「1 国内放送番組の充実」では、正確で迅速な報道の確保や質の高い番組の提供を行うとともに、わが国の文化の向上に寄与すること。大規模自然災害発生時には、国民・視聴者とともに訪日外国人に向けても、きめ細やかな情報提供を行うこと。地域経済の活性化に寄与するコンテンツの充実や国内外に向けた積極的発信に一層努めること。地域放送局や国会中継における字幕放送など、字幕・解説・手話放送の拡充に努めること、などを挙げています。
 「2 国際放送の充実等による総合的な海外情報発信の強化」では、国際放送のより一層の充実・強化を図ること。特に、テレビ国際放送である「NHKワールド JAPAN」については、引き続き、多言語化も含めたニュース番組、日本語教育番組などの番組の充実と、それを踏まえたインターネットの活用などを、効果的かつ積極的に推進すること。国内においても、訪日外国人の視聴拡大に向けた取り組みを関係者と連携しながら進めること、などを挙げています。
 3の前半では、4K・8K放送について、早期かつ円滑な普及に向けて、4K・8Kならではのコンテンツの制作に積極的に取り組むとともに、公共放送の担い手としての先導的役割を果たすこと。放送以外のさまざまな分野での利活用や海外展開への寄与に努めること、としています。
 3の後半部分では、インターネット活用業務について、国民・視聴者のニーズや視聴環境の変化に適確に対応したものとなるよう取り組むとともに、民間放送事業者等との連携・協力を確保すること。常時同時配信については、「放送を巡る諸課題に関する検討会」における議論も踏まえ、必要最低限かつ適正な費用の下で適切に実施されるものとなるよう検討すること。「NHKオンデマンド」については、今後のサービスの在り方について、常時同時配信とのサービス面、財務面の整合性を含めて検討すること、としております。
 「4 経営改革の推進」では、不祥事の再発防止に向け、ガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底に組織を挙げて全力で取り組むこと。具体的には、専門家等による経営委員会や監査委員・監査委員会のサポート体制を充実させるなど、事後チェック体制の在り方等の検討や、NHKグループ全体でのコンプライアンスの確保を行うこと。子会社の改革については、子会社の経営統合にとどまらず、早急に結論を得て、その取り組みを着実かつ徹底的に進めること。女性の活躍に向けた取り組みをさらに加速させること。適正な労務管理や不断の「働き方改革」に徹底して取り組むこと。コスト意識を持ち、業務の合理化・効率化、適正な給与水準・人員配置の確保等について、引き続き取り組みの徹底を図ること。衛星放送の在り方については、新4K・8K衛星放送開始から1年以内に結論を得ること、としています。
 「5 受信料の公平負担の徹底に向けた取組等」では、経営計画に掲げる支払率を達成できるよう、未契約者・未払者対策を着実に実施すること。営業経費について徹底した節減に努めること。受信契約の勧奨等に際しては丁寧な説明を行い、国民・視聴者の理解を得るよう努めること。受信料額の適正な水準を含めた受信料の在り方について、引き続き検討を行うこと、としております。
 「6 東日本大震災等からの復興への貢献と公共放送の機能の強靭化等」では、国内放送のみならず、国際放送による復興状況を伝えるニュースや番組の充実等を通じて、被災地の復興への取り組みを支援すること。首都直下地震や南海トラフ地震等の大規模災害に備えた公共放送の機能の強靭化を図ること。サイバーセキュリティーの確保に適切に取り組むこと、としています。
 「7 放送センター建替」では、平成28年8月に策定・公表した「基本計画」の合理性・妥当性等、国民・視聴者の理解が得られるよう説明を尽くすこと。機能の地方分散についても積極的に検討し、一定の結論を得ること、としております。

 

 (2) 2019年度(平成31年度)各地方向け地域放送番組編集計画および編成計画について
(資料1)(資料2)(資料3)
 (菅理事)
 2019年度各地方向け地域放送番組編集計画および編成計画につきまして、別冊のとおりに定めました。専務理事の木田が欠席しておりますので、代わりに私から報告させていただきます。
 各地方向け地域放送番組編集計画につきましては、放送法第82条に基づき、2月開催の各地方放送番組審議会に諮問し、可とする旨の答申を得て決定したものです。なお、各計画とも1月15日の第1321回経営委員会で議決いただいた「2019年度国内放送番組編集の基本計画」に基づき、地域に合わせたきめ細かな地域放送を実施するとともに、地域から積極的な情報発信を行うことを主な内容としております。後ほどブロックごとに説明しますが、各地域で共通する要素としては、防災・減災につながる報道に日頃から取り組むことや、緊急事態に備えた体制の確保のほか、統一地方選挙や参議院選挙の実施を踏まえ、正確で迅速な選挙報道に努めることなどがあります。また、地域の課題に向き合い解決策を探るとともに、地域の魅力を広く発信し、活性化に貢献することも共通する要素です。
 続いて、「各地方向け地域放送番組編成計画」は、それぞれの地域の編集計画に基づいて作成し、2月22日の放送総局編集会議で決定したものです。
 それでは、説明します。地域ごとの編集計画と編成計画です。
 関東甲信越地方の編集計画のポイントです。ブロックの基本方針は、首都直下地震に備えて、取材・制作体制の整備を着実に進める。オリンピックを前に変貌する首都圏の姿や課題を掘り下げる。共生社会への理解を促す、などです。各地域の放送局の特色ある取り組みを重点事項として挙げています。いくつかピックアップしてご紹介します。東京・首都圏放送センターは、南関東エリア向けの放送の充実のほか、インターネットでの発信強化。横浜放送局は、「横浜音祭り2019」と連携した放送・イベント展開。続いて長野放送局ですが、信州発地域ドラマの制作などについて、重点的に取り組みます。
 関東甲信越ブロックの編成計画については、新設する番組を中心に説明します。水戸放送局が、総合テレビ・金曜午前11時台に「金曜は!いばっチャオ!」を新設します。視聴者参加型のコーナーを設けた、公開生放送番組です。これまでの週5日・デイリーの放送から、週1日・ウイークリーの放送に変更します。
 近畿地方です。ブロックの基本方針は、南海トラフ巨大地震への備えと、非常事態における本部代替機能の充実。地域の文化の豊かさや価値観の多様性を発信、などです。各局の重点事項では、京都放送局は、文化庁の全面移転を見据えて、“KYOTO”ブランドを力強く発信。それから、大津放送局は、甲賀市が舞台となる後期の連続テレビ小説「スカーレット」などの関連番組を通じて地域活性化に貢献、などを挙げています。
 近畿ブロックの編成計画です。総合テレビ・平日午後6時台の編成について、神戸放送局と和歌山放送局が番組のタイトルを変更して刷新します。
 中部地方です。ブロックの基本方針は、多様な関心やニーズに応え、幅広い世代から親しまれる放送局を目指す。中部地方の多彩な魅力を描く番組の制作に取り組み、全国・世界へ発信、などです。各局の重点事項では、金沢放送局が、金曜夜間の県域放送枠を増やすとともに、北陸地方向けの番組枠も継続。福井放送局が、地域発ドラマの制作と「幸福度ナンバーワン」キャンペーンの展開、などを挙げています。
 中部ブロックの編成計画です。総合テレビ・金曜午後7時台では、金沢放送局が「いしかわ○○プレミアム」を新設し、硬軟さまざまなジャンルで石川の魅力を掘り下げていきます。タイトルですが、新元号の発表後に、「〇〇」の部分に新元号を追加します。また、富山放送局は「越中とやまスペシャル」を新設し、地域のさまざまな話題を取り上げます。そのほか、平日午前11時台に、津放送局が「ちょこっと!みえ」を新設します。
 中国地方です。ブロックの基本方針は、西日本豪雨災害の教訓を生かし、防災・減災につながる情報発信に尽力する。核兵器廃絶と平和への祈りを発信する、などです。各局の重点事項では、広島放送局が、被爆74年、節目の75年に向けていま一度原点に立ち返り真実の掘り起こしに努める。松江放送局が、10年ぶりに開催する「ホーランエンヤ」をスーパーハイビジョンなども活用して盛り上げる、などを挙げています。
 中国ブロックの編成計画です。土曜日の午前10時台に、「中四国セレクション」として地域放送番組をブロック向けに発信する枠を設けます。
 九州沖縄地方です。ブロックの基本方針は、大規模災害の被災地を継続取材し、課題解決に向けたヒントを探り復興を支援する。大河ドラマ「いだてん」の放送に合わせた地元ならではの番組を放送する、などです。各局の重点事項では、福岡放送局が、北部九州エリアの広域的な情報発信と北九州放送局とのさらなる連携。宮崎放送局が、サーフィンをテーマにした地域ドラマの制作、などを挙げています。
 九州沖縄ブロックの編成計画です。大分放送局が、いくつかの番組を刷新します。まず総合テレビ・金曜の午後7時台に「フカイロ!」を新設し、平日午後6時台のニュース・情報番組「いろどりOITA」とも連動した内容で伝えていくほか、平日午前11時台に「ひるいろ」を、ラジオ第1・平日午後5時台には「5時いろラジオ」をそれぞれ新設します。そのほか、佐賀放送局が、県内をキャンピングカーでめぐる「究極BBQバラエティー炭焼きジョニー」を新設します。
 東北地方です。ブロックの基本方針は、東日本大震災から8年、震災の記憶の伝承につながる取り組みを新たにスタート。聖火リレーが東北から始まるのを機に、「復興五輪」としてさまざまな動きを伝える、などです。各局の重点事項では、仙台放送局が、地域の「メディア基地」として週末に生放送の公開番組を開発します。山形放送局が、豊かな自然や山の魅力を、放送とインターネットを連動させて多角的に紹介、などを挙げています。
 東北ブロックの編成計画です。総合テレビ・金曜午後7時台では、山形放送局が、地域の魅力をコレクションしてお届けする「やまコレ」を、青森放送局が、毎回ワンテーマを徹底して深掘りする「発見!あおもり深世界」をそれぞれ新設いたします。また、その他の時間帯では、総合テレビ・土曜午前11時台に、ブロック向けの公開トーク番組、「大好き?東北定禅寺しゃべり亭」を新設し、旬なゲストと一緒に東北の魅力を再発見します。
 北海道地方です。ブロックの基本方針は、北海道胆振東部地震の被災地を継続取材、地域を応援する「元気いっぱい北海道」キャンペーンを継続、などです。各局の重点事項では、札幌放送局は、「北海道」の命名150年を記念したドラマ「永遠のニ?パ」や、前期の連続テレビ小説「なつぞら」にあわせた展開、室蘭放送局は、地域に受け継がれているアイヌ文化を広く伝える、などを挙げています。
 北海道ブロックの編成計画です。総合テレビ・土曜午後7時台に、新しい地域放送サービス展開枠として、ミニ番組の放送枠を新設します。
 四国地方です。ブロックの基本方針は、本州と結ぶ3ルートで大きく変化した平成の30年間を振り返り、四国の将来像を考える。四国応援プロジェクト「ハッとホッとずっと」キャンペーンを展開、などです。各局の重点事項としては、徳島放送局が、地域の課題解決のヒントを徳島発で紹介、高松放送局が、「瀬戸内国際芸術祭」での、スーパーハイビジョンやバーチャルリアリティーの技術を活用した展開、などを挙げています。
 四国ブロックの編成計画です。ラジオ第1・月曜午前7時台に、身近な防災・減災情報を伝える「四国防災ネットワーク」を新設します。

 (森下代行)

 各地域で特徴を出して放送を発信するということで、放送総局編集会議で決定し、結構だと思います。「地域改革」でいろいろなことをやってきて、体制的には落ちついてきた感じがしますが、やはりこれだけ充実したものに取り組もうとすると、いろいろと人材的に支援しなければいけないと思います。もともと人手が足りないところには、本部のほうからも支援するということになっていると思いますが、この編集会議では、どのような議論があったのでしょうか。私が気になっているのは、今の「地域改革」を進めることで、ブロックの体制は一応整い、各ブロックで十分やっていける状況になったのかということです。
 それからもう一つ気になるのは、「働き方改革」で、地方の番組制作に影響が出ていないかということです。編集会議で、そうしたことについて議論されたのか、状況をお話しいただけたらと思います。

 (菅理事)

 各放送局の金曜日午後7時台の番組ですが、地上波や衛星波で放送した、全国放送の番組のうち、各地域に取材したものを東京の編成局でリメークして地域で放送するというような支援も行っています。ことしはパイロット局を設定してやってきましたが、パイロット局の負担が増えるというのは、ほぼない形で行っています。その地域のものを放送すると、地域の視聴者の評判もよいということが分かってきましたので、パイロット局以外の放送局でも、要請があれば支援を行っています。また、逆に地域で放送した番組を、全国放送にするなど、マルチユースのような形で放送しています。新しいことに取り組むときには、まずブロックの拠点局が中心になって進めますが、各放送局でも、新しいことに取り組むために、今まで行っていた業務を、何かスクラップするという形で進めています。

 (中田理事)

 地域の支援として、指標の分析に対する支援が重要だと思っています。地域には、分析できる人材がまだなかなか育っておりませんので、東京の編成や拠点局の編成のプロフェッショナルが、地域に分析手法を教えていくというような支援をしています。

 (森下代行)

 もう1点、4K・8K本放送が始まり、チャンネル数が増えました。ほとんどの番組を東京で制作することから、地域での働き方にはあまり影響しないと見てよいでしょうか。

 (荒木理事)

 地域支援に関して報道の体制で言いますと、ひとつは東京から各放送局への支援、もうひとつが放送局同士のお互いの支援という、2つがあります。東京からの支援の例としては、例えば台風が発生した場合、早めに東京から地方へ支援を出して、体制をきちんとつくるということがあります。もうひとつは、例えば鹿児島で大きな災害があった場合に岡山から支援するというような、放送局相互の支援体制もあるということです。
 また、大阪放送局に映像編集の支援組織をつくり、災害が起きた場合、非常に忙しい局に対して大阪から映像編集の支援をするというシステムが導入されました。こうした体制が整備されましたので、大阪で編集をして各局に送るといった支援が可能になりました。こうしたシステムを使って、東京および大阪が地域の放送局を支援するということです。
 もうひとつ、放送局相互の支援では、泊り業務の改革があります。「働き方改革」のひとつですが、例えば土曜日とか日曜日に、隣の局の泊りでカバーするというような体制の運用が、沖縄を除くすべての放送局でまもなく始まります。東京からの支援の強化と、放送局間の支援などを使ってこれまでの取材体制が弱くならないようにしています。

 (長谷川委員)

 この間、番組技術展を見せていただいて、AIを活用して地域の放送局の業務改革をするという展示がありました。題目だけ聞いていたときには全然イメージが湧かなかったのですが、実際に見せていただき、現実にこういうふうに役立っているのだとよく分かりました。ただ、局長の意識が非常に高いところなどは、その放送局で独自のとてもよいAI活用をするなど、局によって温度差があると思うのです。そういうところを、皆さんが集まったときに、ほかの放送局にも成功モデルをいろいろ伝え合うということもしたらよいのではないかと思います。

 (荒木理事)

 この番組技術展が、各放送局のそれぞれの先進的な工夫を広める一つの場になっていると思います。ここではいろいろな工夫や、「こんなことができるんだ」といったような新しい技術が展示され、参考になりますので、伝え合うことを積極的にやっています。それから、こうした各放送局の工夫について、東京の報道局で取り上げ、よいものを広げていくということを、ぜひ推進していきたいと思います。

 (中田理事)

 「地域改革」にとって、情報の共有は一番大事なことの一つだと思っています。これまでは、ともすると自分の放送局でやっていることを人に伝えるということを、あまりしてこなかったので、隣の放送局が何をしているのか分からない、ということが随分ありました。それをなるべく共有してもらうように、地域改革推進室で全国のよい試みを集めて、それをホームページで、イントラネットに乗せて見られるように、あるいはそれぞれの地域の放送局長に対して毎週、その情報提供をするようにしています。全体として底上げができるような体制をとろうとしています。

 (長谷川委員)

 何かよい雰囲気が出ているという感じを受けました。

 (中田理事)

 ありがとうございます。

 

 (3) 契約・収納活動の状況(平成31年1月末)(資料)
 (松原理事)
 契約・収納活動の平成31年1月末の状況について報告します。
 まず、全体の状況ですが、5期としては、インターネットなど自主申し出による新規契約取次や、長期未収の文書請求に対する払込数が大きく増えた前年度実績がありますので、前年度に比べると、想定どおり下回っていますが、年間累計ではすべての計画に対して堅調に推移しています。
 1ページをご覧ください。
 まず、当年度分の受信料収納額の状況です。5期の収納額は1,190億1千万円で、前年同期を33億4千万円上回りました。5期末累計では5,850億4千万円で、計画に対する達成率は84.2%、前年同時期を176億3千万円上回り、堅調に推移しています。
 次に、前年度分受信料回収額は、5期が4億2千万円となり、前年同期を2.2億円下回りました。累計では56億6千万円となり、計画に対する進捗率は106.7%となっています。
 また、前々年度以前分の回収額は、5期が6億4千万円と、前年同期を11億2千万円下回っていますが、累計では40億1千万円ということで、計画に対する進捗率は236%となっています。長期未収の文書請求に対する払込数が大きく増えた前年度に比べれば下回っていますが、前年度と前々年度以前分の回収額も、年間累計では、ともに堅調に推移しています。
 続いて、2ページをご覧ください。契約総数の増加状況です。5期の取次数は46万9千件と、前年同期を15万8千件下回っています。また減少数も42万8,000件と前年同時期を1万7千件下回っており、差し引きの増加数は4万1千件と前年同期を14万1千件下回っています。また、累計の増加数は前年同時期を8万件上回る72万2千件となり、計画に対する達成率は167.9%となっています。
 次に、衛星契約増加です。5期の取次数は31万件と前年同時期を5万2千件下回っています。また、減少数も20万9千件と前年同時期を2千件下回ったため、差し引きの増加数は10万1千件ということで、前年同時期を5万件下回っています。累計の増加数は、前年同時期を1万4千件上回る64万5千件となり、計画に対する進捗率は111.2%となります。また、衛星契約割合は、年度内で0.7ポイント向上して、51.7%になっています。
 次に3ページをご覧ください。口座・クレジット払等の増加状況です。5期の口座・クレジット払等増加は7万2千件となり、前年同時期を16万3千件下回りました。累計の増加数は67万6千件ということで、前年同時期を3万1千件下回りましたが、計画に対する進捗率は161.1%になっています。また、口座・クレジット払等の利用率は、前年同期比プラス0.2ポイントの90.7%になりました。
 次に、未収数削減の状況です。5期は1万2千件の削減となり、前年同時期を6万件下回りました。累計では6万7千件の削減となり、前年同時期を2万件下回りましたが、計画に対する進捗率は169.3%となっています。現在、未収現在数は77万件となりました。
 一番下にある契約総数増加と未収数削減を合わせた支払数の増加は、5期末累計で前年同時期を6万件上回る78万9千件となります。

 

 (4) 予算の執行状況(平成31年1月末)(資料)

 (5) 地方放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 (6) 2018年度第3四半期業務報告(データ更新版)(資料)

 (石原委員長)
 報告事項(4)、(5)、(6)については、特段の質問等がなければ、資料配付のみで報告に代えさせていただきたいと思います。

 

 (7) 第94回放送記念日記念式典の実施について(資料)

 (8) 「第70回日本放送協会放送文化賞」の贈呈について(資料)

 (中田理事)
 それでは、第94回放送記念日記念式典の実施について説明します。2018年度の放送記念日記念式典を3月15日金曜日に開催します。
 式典では、会長、経営委員長のあいさつに続いて、総務大臣をはじめ来賓の方々からご祝辞をいただく予定です。
 その後、第70回放送文化賞の贈呈式のほか、会長賞、営業功労賞の受賞者紹介を行います。また、NHK交響楽団の記念演奏もあります。参加人数900人程度を予定しています。
 記念式典終了後は、懇親会を開催し、来賓の皆さまとの交流を深める機会にしたいと考えておりますので、経営委員の皆さまにも式典・懇親会ともにご参加いただければありがたく存じます。
 続けて「第70回日本放送協会放送文化賞」の贈呈について報告します。
 この賞は、昭和24年度に創設し、放送事業の発展や放送文化の向上に功績のあった方々に贈呈しております。今年度は9人を選考しました。50音順にご紹介します。
 まず、俳人で日本伝統俳句協会会長の稲畑汀子さん。「俳句王国」、「NHK俳句」など、NHKの俳句関連番組に多数出演いただき、放送を通じて俳句文化の裾野を広げる俳句ブームの礎を築かれた方です。
 続きまして、東京大学名誉教授の伊福部達さん。高齢者や障害者の「見る、聞く、話す」を支援する放送技術の分野で研究開発を先導されました。現在、放送で活用されている緊急地震速報チャイムはその成果の一つであります。
 続いて、恵泉女学園大学学長、大日向雅美さん。1987年「おかあさんの勉強室」へのご出演以降、30年以上にわたり育児番組に欠かせない存在です。育児・教育問題の専門家として、視聴者の共感を集めていらっしゃいます。
 NHK交響楽団正指揮者の尾高忠明さん。日本を代表する国際的指揮者として、40年以上にわたり数多くの放送番組に出演。放送を通して多くの視聴者に深い感銘を与え、放送文化の発展に貢献しています。
 俳優の近藤正臣さん。大河ドラマへの出演は10本を数えるなど、数多くのテレビドラマに出演。幅広い役柄を演じ、日本のテレビ界を半世紀にわたって支えていらっしゃいます。
 続いて、作家で明治学院大学教授の高橋源一郎さん。「日曜美術館」など教養系番組に対する貢献度が高く、現在はラジオ第1放送「すっぴん!」金曜日のパーソナリティを7年にわたって務めています。
 狂言師の野村萬さん。半世紀以上にわたり古典芸能番組に数多く出演。近年は日本芸能実演家団体協議会会長として、放送と伝統芸能の世界をつなぐ役割を果たしていただいています。
 続きまして、鹿児島の志學館大学教授、原口泉さん。薩摩藩の歴史の第一人者として、大河ドラマでは「西郷どん」など4作品で時代考証を担当。一方、約40年にわたり鹿児島放送局制作のローカル番組に貢献していただいています。
 最後は、兵庫県立大学大学院教授の室ア益輝さん。防災学の専門家として、阪神・淡路大震災以降20年以上にわたり、NHKスペシャルをはじめ数々の震災・防災関連番組に出演、あるいは取材のご協力をいただいております。
 以上9人です。受賞者の選考は堂元副会長が委員長を務め、部内・部外合わせて12人の委員による選考委員会で行い、その結果を受けて上田会長が決定しました。
 受賞者にはブロンズ像「ふたば」と副賞を、3月15日の放送記念日記念式典で贈呈します。
 受賞者の外部への発表は3月7日の会長定例記者会見で行う予定です。

 

 (9) 2019年春季交渉について(資料)
 (松坂理事)
 労働組合「日放労」との春季交渉について報告します。
 組合とは毎年春と秋に交渉を行っています。春は職員の処遇や業務、要員体制を中心に、秋はNHKの将来像や労働環境などについて、幅広く労使で議論を交わしています。
 ことしの組合の交渉方針では、将来にわたって持続可能な組織を構築していくために、限られた経営資源の中でどのように優先順位をつけて業務改革を進めていくかを問うています。
 特に、4月から施行される改正労働基準法により、働き方のルールが大きく変わる中、職員などの健康を確保しつつ、やりがいを持っていきいきと働ける環境づくりをどう進めていくかが焦点になると考えています。法令を遵守するとともに、いかに現場のモチベーションを高め、効率的な働き方を推進していくか、具体的施策について議論します。
 賃金改善について、組合は、月例賃金の改善を重視しつつ、年収ベースでの改善を目指すとしています。社会的な春闘動向としては、労使とも賃上げが必要との認識で一致しています。一方で、協会においては、職員の処遇トータルの水準を踏まえつつ対応していく必要があると考えています。
 協会提案については、協会から2点の制度の見直しを提案する予定です。
 懲戒制度については、処分の厳罰化を図ることで不正行為ができない職場環境をより強化し、抑止力につなげたいと考えています。
 単身赴任手当につきましては、より適正に運用するため、手続き等を厳格化するとともに、単身赴任制度そのものを分かりやすくし、制度への理解徹底を図りたいと考えています。
 また、単身赴任手当の見直しに合わせて、そのほかの手当などについても手続きや支給方法の見直しを進めていきます。
 スケジュールです。組合は3月5日の中央委員会で、協会が提示した平成31年度の「業務・要員体制」等に対する組合方針を決定し、協会に交渉方針を申し入れてくる見込みです。交渉期間は3月24日から26日までの予定です。

 

 

 以上で付議事項を終了した。

 

 

<会長、副会長、専務理事、技師長、理事退室>

 

○ 説明会「業務改革」の進捗状況について
 業務改革の進捗状況について、担当理事より説明を受け、意見交換を行った。

 

 

 上記のとおり確認する。

 

 平成31年3月12日    

石 原  進 

 

 

高 橋 正 美