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第1319回
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平成30年12月28日(金)公表

日本放送協会第1319回経営委員会議事録
(平成30年12月11日開催分)

第1319回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1319回経営委員会

 

<会 議 日 時>

平成30年12月11日(火)午後1時30分から午後5時45分まで

 

<出 席 者>

〔委  員〕

  石 原  進 森 下 俊 三 井 伊 雅 子
    槍 田 松 瑩   小 林 いずみ 佐 藤 友美子
    高 橋 正 美   長谷川 三千子 村 田 晃 嗣
    渡 邊 博 美      
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔役  員〕

  上 田 会 長 堂 元 副会長 木 田 専務理事
  坂 本 専務理事 児 野 技師長 松 原 理 事
  荒 木 理 事 黄 木 理 事 菅   理 事
  中 田 理 事 鈴 木 理 事 松 坂 理 事

 

 

<場   所>
放送センター  22階経営委員室  21階役員会議室

 

<議   題>

 

○ 視聴者のみなさまと語る会(静岡)登壇者報告

 

付議事項

 

1 会長報告

 

2 審議事項

 (1) 平成31年度予算編成方針

 (2) 2019年度(平成31年度)国内放送番組編集の基本計画について

 (3) 2019年度(平成31年度)国際放送番組編集の基本計画について

 

3 報告事項

 (1) NHKメディアテクノロジーとNHKアイテックの合併について(資料)

 (2) 「平成29年度業務報告書」に付する総務大臣の意見について(資料)

 (3) 2018年秋季交渉の結果について(資料)

 

4 その他事項

 (1) 総務省「放送を巡る諸課題に関する検討会」について(資料1)(資料2)(資料3)

 (2) 最高裁大法廷判決を受けたNHK受信料制度等検討委員会での意見交換会の報告について

(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)

 

○ 説明会「地域改革 2018年度上半期報告」

 

 

議事経過

 

 石原委員長が開会を宣言し、経営委員会を開催。

 

 

○ 視聴者のみなさまと語る会(静岡)登壇者報告

 12月8日土曜日に開催された「視聴者のみなさまと語る会(静岡)」に登壇した石原委員長、小林委員から感想の報告を受けた。

 

 

<会長、副会長、専務理事、理事入室>

 

 本日の付議事項および日程について説明。第1318回(平成30年11月27日開催)の議事録、および第1316回(平成30年10月23日開催)と第1317回(平成30年11月13日開催)の平成31年度予算関連等の議事録のうち「NHK経営計画(2018-2020年度)の修正」に関する議事録を承認し、所要の手続きを経て、平成30年12月14日に公表することを決定した。

 

 

付議事項

 

1 会長報告

 (上田会長)
 単身赴任手当の不正受給につきましてご報告します。
 帯広放送局技術部の副部長が2年5か月にわたって単身赴任手当等を不正に受給していたことが分かり、本日、懲戒免職にしました。偽造された証ひょうを提出し、多額の手当を受給し続けるという極めて悪質な手口であり、受信料で支えられているNHKで、決してあってはならない言語道断の行為であります。また、単身赴任の要件を満たさない期間があるにも関わらず、届け出が遅れて多額の手当を精算するに至った事案につきましても、懲戒処分を決めました。視聴者・国民の皆さまの信頼を著しく損なうことになり、会長として深くおわび申し上げます。
 こうした事態が起きたことを重く見て、会長の私が役員報酬の50%、副会長が20%、人事・労務統括理事の松坂が30%、コンプライアンス統括理事の鈴木が20%を、それぞれ1か月、自主返納いたします。また単身赴任制度を所管している人事局長を、譴責の懲戒処分にしました。
 今後、不正受給が決して繰り返されないよう、単身赴任手当を受けているすべての職員を対象に、緊急総点検を行います。加えて手続きの厳格化やルールの周知徹底を図ってまいります。事案の概要と再発防止策につきましては、人事・労務統括理事の松坂とコンプライアンス統括理事の鈴木から説明いたします。
 (松坂理事)
 それでは、単身赴任手当の不正受給について説明します。
 不正受給をしていたのは、帯広放送局技術部の51歳の副部長です。離婚した元配偶者との間に子どもがいます。2016年6月に水戸放送局から帯広放送局に異動しましたが、その際、子どもを茨城県に残して単身赴任すると届け出ました。子どもの住民票の提出を求めたところ、「住民票は移していないので提出できない」と説明し、代わりに生活実態を示すものとして、届け出先住所のガス検針票を毎月提出していました。ガス検針票はPDF化してメールに添付され提出されていましたが、最近になって検針票29枚すべてが偽造だったことが分かりました。
 子どもは届け出た住所には住んでおらず、離婚した元配偶者と別の場所に住んでいたと見られます。職員は動機について、「実家への仕送りや子どもの養育費などでお金が必要だった。単身赴任と認められない状態にあると分かっていたが不正を続け、申しわけありません」と話しています。
 処分については、本日、理事で構成する責任審査委員会を開催し、懲戒免職としました。不正に受け取っていた単身赴任手当等、524万2,160円は、全額弁済させることで合意しています。
 次に、多額精算の事案についてです。2015年11月から単身赴任を続けている30代の一般職の職員が、一部の期間、2016年6月から2017年7月ですが、単身赴任の要件を満たしていなかったのに、ルールを十分に理解せず変更手続きを速やかに行っていませんでした。職員は、配偶者と子どもは遠方の留守宅で暮らしていると届け出て単身赴任を始めましたが、配偶者が出産のため、転勤先に来て一時同居していたと判断される時期がありました。職員は、「留守宅に家財を残すなどしており、単身赴任と認められると思っていた。支給要件に関する確認や変更を行っていなかったことを深く反省している」と話しています。
 この期間に受け取っていた手当など224万2,800円を精算し返金させています。きょう、出勤停止14日とする懲戒処分を決定しました。
 また、不正受給事案などの管理責任を重く見て、単身赴任制度を所管している人事局長を譴責の懲戒処分に、人事局の担当管理職4人を厳重注意にしました。
 それから、単身赴任手当などについてです。単身赴任手当は、一般職が月額3万3,000円、管理職が4万円のほか、勤務地と配偶者等の居住地間の月1回分の往復交通費相当分を手当として支給しています。遠隔地の場合、この交通費相当分が高くなります。このほか単身赴任者が、協会が確保する転勤者用住宅に入居できない場合、住宅補助費を加算しています。単身赴任が認められるのは4つ、子どもの教育、自家の管理、配偶者が職業を有する場合、父母または同居親族の介護、これらに限られます。単身赴任を開始する際は、必要な届け出を行い、事由によって、住民票や配偶者の就労証明書、自家所有認定証、病院の診断書など公的な書類を提出させて確認しています。単身赴任の届け出や変更があった場合は、速やかに行うことになっており、毎年10月には人事局・総合事務センターが届け出内容に変更がないか確認をメールで行っています。
 今回の不正を受けた問題点や課題です。単身赴任手当は、住民票や配偶者の就労証明書などの公的な証ひょうで生活実態を確認して支給してきましたが、証ひょうを偽造されることは想定しておらず、帯広のケースでは不正を見抜くことができませんでした。単身赴任のルールは複雑な面がありますが、こうしたルールが十分周知されていなかったほか、家族状況等が変化したときに遅滞なくすぐに届け出るよう求める対応にも厳格さを欠いていたと考えています。また、単身赴任の審査などは、人事局・総合事務センターで行い、委託先の関連団体NHKビジネスクリエイトが事務を行っていますが、難しいケースでの判断や情報共有で、人事局の対応が十分でなかった点があると考えています。
 過去の多額精算についてご説明します。証ひょう類の保存期間としている過去7年間を調べていますが、懲戒処分に至るような不正はありません。多くは、異動後3か月以内に家族を呼び寄せた場合は、単身赴任とみなさず返金するというルールに従って精算したものや、転職など配偶者の状況が変化すると単身赴任も解消される場合がありますが、そうしたルールを正確に認識しておらず、解消手続きが遅れたケースなどがあります。
 (鈴木理事)
 続いて再発防止策について説明させていただきます。
 今回の事態の重大性に伴いまして、単身赴任手当の緊急総点検を実施いたします。手当を受給しているすべての職員、およそ1,400人を対象に総点検を行い、あわせて手続きルールの徹底を行います。配偶者など別居家族の住民票など、コピーではなく原本の提出によって現状を点検します。また、現在の受給者に対して単身赴任の認定ルールの手続きを分かりやすく説明した資料を配布して、手続きやルールに対する理解の徹底を図ります。
 それから2つ目が手続きルールとチェックの徹底です。手当の本人による届け出手続きにおいては、新たなルールとして住民票と必要書類の原本の提出を義務化するとともに、定期的なチェックを徹底して、提出期限を厳守させます。ルールを守らない場合には手当を支給しないという措置をとろうと思っています。
 3つ目が、コンプライアンス研修等による教育の徹底です。今回のような事案を二度と起こさないように、改めて職員倫理、コンプライアンスおよび諸規程に関する教育・研修を徹底いたします。職員としての基本的な倫理向上のため、規則遵守のための教育の徹底を図ります。
 (松坂理事)
 今回の事案につきましては、経営委員会が終わった後、記者会見を開く予定にしております。なお、報道局のチーフ・プロデューサーの盗撮事件については、きょう、停職3か月の懲戒処分にしております。

 (森下委員)

 この帯広の件ですが、長期にわたっているわけです。毎年10月にチェックをするというルールはきちんとできていたけれども、証ひょうが偽造されていたため、なかなか分からなかったということでしたが、仕組みとしてこういうものが長期間分からないというのは、管理上問題だと思います。つまり毎年10月にチェックするという、このチェックの仕方が形式的になっていたのではないかということです。書類だけ整っていればよいというのではなく、その書類も本物かどうか、コピーなのか偽造なのか、少なくとも1年に1回チェックされていることで引っかかる仕組みにしないといけないと思います。これはもともとNHKビジネスクリエイトが担当しているようですが、従来のタクシーチケットなどもそうですが、どうしてもこういう事務作業を軽視する傾向が現場にあるのではないかという気がします。日常が忙しいという現状もあるかもしれませんが、こういう事務作業についてはあまり重視せず、書類が整っていればそれでよいとする風潮が管理部門にもあるのではないかという気がするのです。その点では、NHKビジネスクリエイトは専門的な部署できちんと調べておけば、偽造されたものに引っかからないはずだと思います。「きちんと」という意味は、書類が単に形式的に整っているということではなくて、事実関係あるいは今回の場合であればガスの検針票がどういうものなのかということまで調査することです。いずれにしてもそういう意味で、やはり専門的にきちんとチェックするということと、1年に1回の計画的な定期検査の時にこういうものが見つかるような仕組みを検討すべきだと思いますが、いかがでしょう。

 (松坂理事)

 1つは今回、検針票がコピー、つまり原本ではなかったということです。コピーでしたら、住民票などでも改ざんされる可能性もありますので、今後は原本を提出してもらうということがあります。それから、ガスの検針票というのは、割とレアなケースで、こうした場合について実際に現場に足を運んで確認するとか、突っ込んだ調査も必要だと思っています。それからNHKビジネスクリエイトに業務は委託していますが、疑問がある点については人事局の職員が深くかかわって対応していくことが必要だと考えています。今回のケースでは、ガスの検針票の様式が変わっていたということで、偽造ではないかという疑いが出たのですが、そういった点に気づくことも結果的に遅くなっていますので、今、森下委員が言われたことも含めて、対応策に生かしていきたいと思っています。

 (森下委員)

 書類が整っているというだけではなく、例えばガスだったらガス会社に電話すれば契約がずっと続いているのかどうか、分かるわけです。だから、それが先ほど言ったように少なくとも年に1回チェックするときに、ガスの検針票などは特殊なケースなので、それは直接ガス会社に電話をすれば分かると思うんです。そういう意味でも、先ほど言った実効のあるチェック体制にしないと、形式的なことだけやっているとなかなかこういったものは見つからないと思うので、ぜひそのあたりを検討していただきたいと思います。

 (松坂理事)

 分かりました。

 (佐藤委員)

 1,400人の人たちには、所属する部署が全部あり、上司がいるわけですよね。上司は自分の部下が単身赴任をしているかどうか、どういう状況になっているか把握できないのでしょうか。今回そこのところが触れられていませんが、それに対してケアをすることがあってもよいのではないかと思います。逆にそれによって、支給が適切か、不適切であるかも分かるのではないかと思うのですが、その辺はいかがでしょう。

 (松坂理事)

 人事情報と考課関係の書類などを上司が作成したり見たりというのは当然しますので、部下の家族状況ということはある程度把握します。ただ、どうしてもプライバシーに関するところで、離婚や同居などまではなかなか完全に把握できていないという実情があります。どこまでどのようにして把握していくのかというのも1つの課題だと思います。

 (石原委員長)

 ほかによろしいですか。それでは、監査委員会からコメントをお願いします。

 (高橋委員)

 ただいま会長からご報告がありましたこの事案につきまして、監査委員会の見解を述べたいと思います。
 当事案は公金の不正・不適切な受給という、視聴者・国民の信頼を大きく揺るがすものであり、監査委員会は極めて強く遺憾の意を表します。
 言うまでもなく、NHKは視聴者の皆さまの受信料で成り立っている公共放送であり、公金意識の徹底はNHKのガバナンスの根幹をなすものであります。あらためて全職員に公金意識を浸透されることを強く求めます。
 なお、不祥事が続く中、今回公金に関わる不正が発覚したことは、NHK全体のコンプライアンス意識が緩んでいると指摘せざるを得ません。これまでの再発防止策にとどまらぬ抜本的な対策が必要ではないかと考える次第です。今後、執行部が全役職員の意識改革をいかに進めていくか、監査委員会は注視してまいります。

 (石原委員長)

 ただいまの報告を受け、私からもひと言申し上げます。経営委員会は、先月経営計画の修正議決にあたり、すべての役職員が受信料の重みを肝に銘じ、視聴者の信頼に応えるべく業務にあたるよう、執行部に求めました。しかし今回、職員が単身赴任手当を不正・不適切に受け取った事案が発覚したことは、視聴者に対する重大な裏切り行為であると言わざるを得ません。
 不祥事が起きるたび、執行部からは、反省の弁や「再発防止」ということばが繰り返されてきました。しかしこの間、立て続けに起きた不祥事に加え、公金に関わる不正が発覚したことは、極めて異常な事態であり、組織全体でコンプライアンスに対する意識を抜本的に改める対策が急務です。
 執行部はただちに再発防止と意識改革に着手し、全役職員がみずからの問題としてコンプライアンスの遵守に努めながら、一丸となって信頼回復に取り組むよう、最大限の努力を求めます。経営委員会としても、本件を極めて深刻に受け止めており、執行部の取り組みを注視してまいります。

 (上田会長)

 ただいまのご意見を重く受け止めます。今回の事案に関しましては、ただちに再発防止策を実施し、徹底に努めます。そして不祥事の根絶に向けて、私が先頭に立って、コンプライアンス意識を組織の隅々に浸透させるとともに、綱紀粛正と信頼回復に全力を挙げてまいります。よろしくお願いいたします。

 (上田会長)
 12月1日、NHKは4Kチャンネルの「NHK BS4K」と8Kチャンネルの「NHK BS8K」を開局しました。特にBS8Kは、世界で初めての8K放送となります。この歴史的な瞬間を、私は都内のホテルで開かれたA−PAB(放送サービス高度化推進協会)の放送開始セレモニーで迎えました。「放送の新しい時代が幕を開けた」という実感とともに、放送の新しい価値をしっかりとお届けしなければならないという覚悟を新たにしました。
 NHKは1995年に、「8Kスーパーハイビジョン」の研究開発に着手し、それから20年あまりを経て2016年に4K・8Kの試験放送をスタートしました。本放送の開始に向けても、制作・送出設備の整備や制作コンテンツの蓄積などに万全を期し、大きなトラブルもなく放送を開始することができました。
 今後も4K・8K放送の普及拡大に向けて、関係団体と協力しながら、周知広報や視聴環境の整備に取り組みます。そして、東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年には本格的に普及していることを目指してまいります。
 そのためには、何よりもコンテンツの充実が大切です。年末には恒例の「NHK紅白歌合戦」をBS4KとBS8Kでもお届けします。また、年明けの1月6日からは、大河ドラマでは初めての4K制作となる「いだてん 東京オリムピック噺(ばなし)」をBS4Kでも放送するなど、拡充を図ってまいります。
 放送の高度化である4K・8K放送の普及は、放送メディアの発展と放送コンテンツ市場の拡大につながります。NHKは、民間放送との放送の二元体制のもとで、その先導的な役割を果たすため、引き続き力を尽くしてまいります。

 

 (上田会長)
 “出家詐欺”報道をめぐる再発防止策の実施状況につきまして説明いたします。この問題は、4年前に放送した「クローズアップ現代 追跡“出家詐欺”」で、過剰な演出や事実の誤りが明らかになったものです。木田放送総局長より説明いたします。
 (木田専務理事)
 この問題は、2014年5月に放送した「クローズアップ現代 追跡“出家詐欺”」に匿名で出演した男性について、根拠が不十分なのに「ブローカー」と紹介したり、ふだん使っていない部屋を「活動拠点」と紹介したりするなど、過剰な演出や事実の誤りが明らかになりました。
 3年前の2015年5月に再発防止策を決定し、それ以降、実施状況を定期的に外部に公表しています。ことしが4回目で、去年8月からことし7月末までの1年間の状況をまとめました。
 再発防止策の柱は4点です。①「匿名での取材・制作のチェック」、②「複眼的試写によるチェック」、③「取材・制作の確認シートによるチェック」、④「ジャーナリストとしての再教育」です。
 まず、「匿名での取材・制作のチェック」です。ここでいう匿名とは、顔の映像を出さずに腰から下や背中からの映像を使う場合や、声の証言だけを使う場合などを指します。画面を見ても誰か分からないので、安易に多用していないか、話している内容が本当に真実なのかを、より慎重にチェックする必要があります。このため、「匿名チェックシート」を使って、本当に匿名にする必要があるのか、内容の真実性を確認したのかなどを取材前に確認しています。この1年間のシートの使用回数は、報道番組やニュースを中心に、あわせて501回にのぼりました。前回より30件増え、匿名チェックが着実に定着しつつあります。匿名インタビューを行った取材対象は、次のように多様化しています。事件、事故の被害者や目撃者などの関係者、災害の被災者、いじめの被害者、悪質商法の被害者や元社員などの関係者、LGBTの当事者などとなっています。
 「複眼的試写によるチェック」の実施状況です。これは取材・制作の直接の担当者とは別の職員や上司などが、放送前の試写に参加する取り組みです。より広い視点で、事実の誤りや誤解を与える表現をチェックします。「複眼的試写」では、部局を越えた協力体制が着実に進展しています。例えば、制作局が「がん医療」や「ネットリンチ」といった社会問題を扱う際には、専門的知見のある報道局のデスクらが試写に参加するようになりました。
 「取材・制作の確認シートによるチェック」の実施状況です。このシートには、番組の提案段階で想定されるリスクや課題、取材・制作の過程で留意したことなどを書き出すとともに、著作権に配慮しているか、演出や編集に問題はないかなどを記入します。番組制作上の「リスクの見える化」にあたります。「NHKスペシャル」などの主要な報道番組のほか、各放送局の地域情報番組でも使用が定着しています。放送現場からは、目に見える形でリスクを共有できたことで、「トラブルを未然に防ぐことができた」とか、「取材相手への配慮、客観性などを整理する習慣がついた」といった前向きな声が寄せられています。
 「ジャーナリストとしての再教育」についてです。
 この1年間に、再発防止に向けた勉強会を、本部で5回、7つの拠点局で域内の地域放送局も参加して実施しました。
 取材系3職種、記者・映像取材・映像制作については、新人、入局1年目・2年目・4年目の若手職員のほか、新たにニュースデスクや管理職になった職員に対し、放送倫理研修を実施しました。
 また、番組制作系の職員については、新人、入局1年目・3年目、新デスク、新管理職を対象に、放送倫理研修を実施しました。
 さらに、関連団体や外部プロダクションの制作者を対象にした放送倫理セミナーも実施し、NHKの番組制作に携わる人全体のリスク管理意識の向上に努めています。
 最後に課題をまとめました。
 再発防止策を打ち出してから3年あまり、いずれの対策も放送現場に着実に定着していることを確認することができました。
 その一方で、「匿名チェックシート」や「確認シート」の形骸化を懸念する声や、「リスクチェックと働き方改革をどう両立させるかが課題だ」という声も寄せられました。働き方改革との両立につきましては、「トラブルを未然に防ぎ、質の高いニュース・番組を届けることこそが働き方改革に資するのだ」という意識をしっかりと現場に植えつけていきたいと考えています。
 最後に、残念ながら先月、放送素材の誤送信という放送事業者にあってはならないミスを相次いで引き起こしてしまいました。公共放送に携わる者としての自覚が欠如していたという点では、“出家詐欺”と同じ問題をはらんでいると思います。現在、再発防止に向け、本部や拠点局で順次セミナーを開いていて、中には270人が集まった回もありました。リスク管理に特効薬はなく、地道な取り組みを繰り返すしかないと思いますが、誤送信の再発防止セミナーでも、“出家詐欺”問題を取り上げて、高い倫理観の必要性を訴えていこうと考えています。今後も再発防止策の形骸化を防ぎつつ、さまざまな機会を通じてリスク管理意識の浸透を図っていきます。

 (小林委員)

 ありがとうございます。2点目の「複眼的試写によるチェック」についてですが、もちろんすべてをチェックできるわけではないでしょうし、いろいろな視点がありますので、すべての視聴者の方が満足する番組を制作するというのは非常に難しいとは思います。しかし、少なくとも誤解を与えるような表現はしないために、「複眼的試写によるチェック」は必要に応じて、特定の業務・分野の専門家を招いて、さらに強化していただきたいと思います。

 (木田専務理事)

 この「複眼的試写」というのは、ある程度放送できるような状態になったものをいろいろな人間が見るということを放送ベースでしています。今後、さらに徹底して、企画段階、取材などで動き出す前の段階から、いろいろな立場の人間に、企画の是非、あるいはリスクについてきちんと意見を出してもらえるようなやり方を、特に報道系の番組ではやっていきたいと思います。

 (小林委員)

 よろしくお願いします。

  (森下代行)

 発生したときから現場で討論していただき、現場中心に行っていただいたということで、このチェックシートもうまく定着していったのだと思います。そういった意味では、制作現場、取材・放送現場での「見える化」というのは、ある意味で組織的には非常によい方向に来ているように思います。ところが、心配していたのは、このチェックシート、確認シートの形骸化です。ここまでうまくくると、次はどのように効率化するかという段階だと思います。特に最近の「クローズアップ現代+」は、割合早い段階でいろいろなテーマを取り上げているだけに、制作現場は非常に忙しいだろうと思います。そういう意味で、形骸化しているという意見も当然出てくるだろうとは思うのですが、これについてはどのようにこれから改善しようとされているですか。

 (木田専務理事)

 あまりにもいろいろなチェックが増えれば増えるほど、確かに効率化してはどうかという考えもあったりする のですが、その結果トラブルが起きたりすると、もっとよけいにエネルギーが必要になるようなこともあります。「リスクの見える化」というのは、番組の制作あるいは現地の取材をするときには不可欠なことですので、まずそこは、着実にクリアしてもらうようにして、現場に指導を徹底していただいて、そのうえで、あまり効果のないようなチェックが残るようなことのないように、そこは常に見直ししていく機会は考えています。

 (森下代行)

 特にマネジメント層がきめ細かくそこを見ていく必要があると思います。せっかくうまく定着しているだけに、これを形骸化させないよう、マネジメントをしっかりやっていただきたいと思います。

 (高橋委員)

 先ほどお話がありました「複眼的試写」ですが、私は常勤としてこちらにずっといまして、報道番組がどうやってつくられるのか、最初から最後まで見せていただきました。結局最後のところで、いろいろと変わっていき、「これが最後の試写です」というものを見せていただいたのですが、素人目には完璧だと思うものでした。しかし、そこには他のところのCPがお二方おいでになって、約45分の試写ですけれども、お一人50個ぐらいずつ、強烈な指摘をされました。基本的に「複眼的試写」というのは、かなり有効に機能しているという実感を受けました。これだけは一言、皆さんにご披露しておいたほうがよいと思い、お話しさせていただきました。引き続き、そういう目線で厳しいチェックを進めていただきたいと思います。

 (木田専務理事)

 今のお話を伺っていて、やはり、放送の少し手前で潰せるものは潰していくということが、とにかく放送を出している者の生命線ですので、どのジャンルについても、基本的にはそこはしっかりと徹底していきたいと考えています。

 

 

2 審議事項

 (1) 平成31年度予算編成方針
 ※執行部から平成31年度予算編成方針について説明があり、審議を行った。
 (平成31年度予算議決後公表予定)

 

 (2) 2019年度(平成31年度)国内放送番組編集の基本計画について
 ※執行部から2019年度(平成31年度)国内放送番組編集の基本計画について説明があり、審議を行った。
 (2019年度(平成31年度)国内放送番組編集の基本計画議決後公表予定)

 

 (3) 2019年度(平成31年度)国際放送番組編集の基本計画について
 ※執行部から2019年度(平成31年度)国際放送番組編集の基本計画について説明があり、審議を行った。
 (2019年度(平成31年度)国際放送番組編集の基本計画議決後公表予定)

 

 

3 報告事項

 (1) NHKメディアテクノロジーとNHKアイテックの合併について(資料)
 (黄木理事)
 NHKメディアテクノロジーとNHKアイテックの合併についてご報告させていただきます。
 なお、この件につきましては、あす12日の両社の取締役会を経て外部公表いたします。
 メディアテクノロジーとアイテックの合併につきましては、去年12月に基本合意を締結し、その後、「メディアテクノロジー・アイテック統合推進委員会」を立ち上げ、具体的な検討を重ねてまいりました。あす12日の両社の取締役会を経て合併契約を締結し、2019年4月1日に新会社「NHKテクノロジーズ」としてスタートすることになります。この合併により関連団体の数は25となります。
 まず、合併の目的です。1つ目は「新たな業務への対応」です。新センターの建設やBS4K・8K放送、デジタルサービスの拡充、インターネット同時配信や放送設備も含めた情報セキュリティーなど、今後増大する業務、またこれまでの2社のドメインを越える新たな技術領域への対応など、統合新会社は多様な専門性と一貫した業務体制で放送を支える総合技術会社を目指すことになります。
 2つ目、「効率的な業務体制の構築」です。役員体制や管理部門などの重複した業務の整理などによって、効率的な業務体制を構築します。さらに、特に地域において、これまでメディアテクノロジーが担っていた番組技術と、アイテックが担っていた送受信技術の要員を相互に運用することが可能となります。これまでは中継などの緊急報道はメディアテクノロジー、中継放送所への出向やNHK共聴の障害対応などはアイテックが、それぞれの業務範囲で対応してまいりました。今回の合併により大規模災害の状況に応じて柔軟に対応できるようになり、特に要員の少ない地域放送局での効果を期待しています。
 3つ目は「技術力の継承と人材活用」です。これからの変化に対応する多様な人材の確保は極めて重要な課題です。合併により、これまで別々に行っていた採用活動が1つになり、番組制作から送受信、設備整備、情報セキュリティーなど、幅広い技術分野に対応する多様な人材が採用できると期待しています。また、本人の適性や希望を生かした異なる業務分野への異動、新たな技術領域へチャレンジできる機会も増え、本人のモチベーションの高揚、人材の活用にも資すると考えています。
 4つ目は「ガバナンスの強化」です。新会社は会社法上の大会社とし、監査役会設置会社として監査役会、大会社として会計監査人を置くこととしました。これまでもNHKグループとして、上場企業並みのガバナンス体制の構築に取り組んできましたが、今後は法令に基づき、より客観的なガバナンス体制を構築していくことになります。また、今回の統合でNHKの出資比率が69.2%、NHKグループで84.7%となりますが、段階的にNHKグループで保有する株式の比率を高め、盤石なグループ経営基盤を構築したいと考えています。
 次に、合併の形態は合併にかかる費用などを勘案し、便宜上、アイテックを存続会社とする吸収合併で行います。
 新会社の概要を3に示しております。称号は「株式会社 NHKテクノロジーズ」とします。本社所在地は現メディアテクノロジー本社ビル。資本金は6億8,000万円。従業員数は2,000人を超え、NHKグループで一番大きい会社となります。
 新会社の主な業務を4に示しています。これまでの2社が行っていた業務に加え、「配信」や「情報セキュリティー」などを明文化しました。
 最後に今後の手続きですが、冒頭でも申し上げましたとおり、あす12日の両社の取締役会を経て合併契約を締結し、来年2月の株主総会など所定の手続きを経て、2019年4月1日に合併、「NHKテクノロジーズ」となります。

 

 (2) 「平成29年度業務報告書」に付する総務大臣の意見について(資料)
 (坂本専務理事)
 平成29年度業務報告書に付する総務大臣の意見についてご報告します。
 ことし6月に、財務諸表とあわせて総務大臣に提出した29年度の業務報告書について、総務大臣の意見が付され、12月4日の閣議を経て国会に報告されました。
 この大臣意見については、協会の業務報告書はいわば各年度の事業計画に対する結果報告ですけれども、これを総務大臣が国会に報告するにあたり、その年度の業務の妥当性などについて検討し、大臣の考えを国会に対して表明するという位置づけのものです。
 内容については別紙をご覧ください。冒頭では総論として、受信料徴収の徹底や効率的な業務運営に努めた結果、予算を上回る収支差金を計上するなど、「おおむね所期の成果を収めたものと認められる」としています。そのうえで、繰越金の現状や事業収入の増加見込みに触れ、「既存業務全体の見直しや受信料額の引下げを含めた受信料の在り方について引き続き検討を行い、結論を得ることを求める」としています。
 「記」以下のところで、特記すべき具体的な事項が挙げられております。
 1の「国内放送番組の充実」では、(1)で「国民・視聴者の信頼と多様な要望に応えるための放送番組を提供すること等に努めた」とするとともに、災害発生時には訪日外国人向けにも「情報提供を行うことが期待される」としています。また(3)では、字幕・解説放送の「充実に取り組んだ」としています。さらに総務省が30年2月に策定した普及目標を踏まえ、字幕放送等の拡充に努めるよう求めることなどを記述しています。
 2は、海外情報発信に関する項目です。テレビ国際放送「NHKワールドJAPAN」については、「発信強化等の取組みを進めたものの、諸外国と比較して、依然、その認知度は高いとはいえない状況にある」として、「国際放送のより一層の充実・強化を図ることが必要」としています。
 3の4K・8Kとインターネット活用業務に関する項目では、4K・8Kについて実用放送の早期かつ円滑な普及に向けた取り組みや、医療など放送以外の分野での利活用への期待を示しています。また、インターネット活用業務については試験的提供に取り組んだことなどについて記述し、民放などの関係者の間で成果の共有や相互連携に努めること、NHKオンデマンドの今後のサービスの在り方について検討することが求められる、などとしています。
 4の経営改革の推進では、(1)で平成30年10月および11月に発生した住民インタビューなどのデータ誤送信や管理職の服務規程に反する不適切行為の事案に触れ、「ガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底に組織を挙げて全力で取り組むことが強く求められる」としています。
 また、子会社の在り方をゼロベースで見直す抜本改革として予定されております「NHKアイテックとNHKメディアテクノロジーの経営統合にとどまらず、早急に結論を得て、その取組を着実かつ徹底的に進めることが強く求められる」としています。
 (3)では「適正な労務管理や不断の『働き方改革』に徹底して取り組むことが強く求められる」などとしています。
 このほか、受信料に関して、昨年12月の最高裁判決について触れ、公共放送の役割や受信料制度の意義を丁寧に説明することや、料額の引下げを含めた受信料の在り方についての検討を求めているほか、大規模災害に備えた公共放送の機能の強じん化、新放送センターの整備などについても項目を設けて記述をしています。

 

 (3) 2018年秋季交渉の結果について(資料)
 (松坂理事)
 労働組合「日放労」との秋季交渉については11月28日に収束しました。結果について報告いたします。
 まず「労働法制の変化(改正労働基準法の対応)」についてです。来年4月からの改正労働基準法に適切に対応し、法令を順守するとともに、健康を確保した働き方を実現する重要性については、組合も同じ認識でした。そのうえで、協会から提案した「36協定」等の見直し案に基づき、議論を行いました。議論の結果、各種協定には法改正を踏まえた新たな基準を定めることとし、加えて、休務の確保を一層強化する取り組みを行い、職員等の心身の健康確保を図ることとしました。こうした新制度の円滑な導入と運用に向けては、全職員を対象とした理解浸透施策をきめ細かく実施する予定です。
 2つ目、「安心して長期間働き続けられる環境づくり」です。職員が健康を保持しつつ、いきいきと創造性を発揮して働くことができる環境づくりに向けて、多岐にわたる議論を行いました。職員の健康に対する意識を啓発し、一層の健康増進を図るため、新たな健康管理システム、これは過去の健康診断のデータもウェブで見られるというようなものですけれども、こうしたシステムの導入や研修等の実施を推進することとしました。人間ドックの受診率向上に向けた取り組みも進めていく予定で、健康経営の推進を図っていきます。また、それぞれの職員の能力伸長やスキルアップを後押しし、組織を支える力につなげていくため、自己啓発施策の認知をより向上させて一層の活用を図ります。また、メディア環境の変化に対応していくために、自己啓発に対する職員のニーズ把握に向けた取り組みを進めていきます。
 このほか、協会を退職した後、ほかの企業などで多様な知見を獲得した元職員を再雇用する環境を整えることで、多様な経験を持った人材を確保していきます。
 それから、「モチベーション高く働くための取り組み」です。「働き方改革」を進める中で、一般職がモチベーション高く働き続けられる環境整備としまして、労基法の趣旨を踏まえ、処遇施策を見直すことで合意しました。具体的には、生産性高く働いてもらうことを前提に、基準外賃金の算定基礎となる単価を改善するとともに、健康面で負荷が大きい夜型から朝型への勤務習慣を促すことなどを狙いとして、「早朝手当」を新設するなどです。なお、これらについては、経営委員会の議決事項である「職員の給与等の支給の基準」を改定する必要があるため、後日改めてお諮りいたします。
 さらに、そのほかの協会提案です。協会から提案した、労働協約の見直しなどについては、見直しの趣旨を丁寧に説明し、組合の理解を得ましたので、円滑な運用開始に向けて準備を進めてまいります。

 

 

4 その他事項

 (1) 総務省「放送を巡る諸課題に関する検討会」について(資料1)(資料2)(資料3)
 (坂本専務理事)
 総務省の「放送を巡る諸課題に関する検討会」の第21回会合が先月30日に行われました。会合では検討会の「第二次取りまとめ」を踏まえた対応について、総務省とNHKがそれぞれ説明を行いました。
 まず、総務省の説明です。「第二次取りまとめ」では、NHKが受信料財源で行うインターネット活用業務について、「会計上の透明性確保のあり方等について、見直すことを検討すべき」とされています。これを受けまして、総務省が有識者を交えて議論を行っており、その結果をまとめたものです。この議論に際しては、NHKもヒアリングを受け、現行の会計の考え方などを説明しているところです。
 NHKが常時同時配信を実施する場合、「厳格な区分経理の導入や適切な情報開示の実施等を求めることにより、インターネット活用業務の会計上の透明性の確保を図ることが適当」として、「総務省にて所要の制度整備を行う」との説明がありました。
 具体的な措置として、「厳格な区分経理の導入」については、費用の範囲の明確化、適正かつ明確な配賦基準の設定、勘定科目の新設と会計監査人による監査の3項目が挙げられています。
 「適切な情報開示の実施」については、費用明細表の公表、業務の運用変更計画の公表、関連団体との取引に関する情報開示の3項目が挙げられています。
 また、「有識者会議の透明性の確保」として、関連資料の公表による議論の透明性の確保、競合事業者からの意見の受付に係る要件の見直しが挙げられています。
 このほかにも、「第二次取りまとめ」を踏まえて、NHKのガバナンス改革、インターネット活用業務の在り方の見直し、衛星基幹放送に係る周波数の有効利用に関し、制度整備の具体的内容を検討中としている項目の説明がありました。
 NHKのガバナンス改革に関しては、「コンプライアンスの確保」について、NHK役員のNHKに対する忠実義務の明確化、監査委員によるチェック機能の強化、NHKグループの内部統制システムの強化の3つの項目、「情報公開による透明性の確保」については、NHKグループに関する基礎的な情報の提供の義務づけ等、「NHKの業務・受信料・ガバナンスの在り方についての適切な評価・レビュー等の確保」については、中期経営計画の策定及び同計画の策定に当たってのパブコメ手続きの制度化が挙げられています。
 さらに、「インターネット活用業務のあり方の見直し」に関して、「セーフガード措置の見直し」について、実施基準の認可の要件の見直し、事後チェックの仕組み、実施計画の作成・届出の制度化の2項目、「地方向けの放送番組の配信・他の放送事業者との協力」について、地方向けの放送番組の配信に関する努力義務、他の放送事業者との適切な協力に関する努力義務の2項目が挙げられています。
 そのほか、衛星基幹放送に係る周波数の有効利用を図るための制度整備についても検討中の項目の一つとして説明がありました。
 これら総務省から説明があった事項については、検討中のものも含め、今後、総務省が具体的な制度整備を行うこととされています。
 続いて、別紙1としてお配りしている指摘事項への対応についてです。NHKの説明資料です。
 「第二次取りまとめ」の指摘事項につきましては、9月27日の第20回会合でもNHKから説明を行いましたけれども、改めて、現時点での考え方などを述べました。ポイントをご説明申し上げます。
 3ページです。「インターネット活用業務の会計上の透明性の確保」については、総務省から説明があった趣旨を踏まえ、適切に対応していくと述べたうえで、勘定科目の新設、適正かつ明確な配賦基準の設定・公表、費用明細表の作成・公表等を実施する考えを説明しています。
 4ページ、「インターネット活用業務の費用の上限と適正管理」について、適正な上限の中で抑制的な管理に努め、会計上の透明性確保の新たな考え方に従って、十分な説明を尽くしていくと述べています。
 5ページです。「インターネット活用業務の事前・事後評価」について、外部の有識者からなる「インターネット活用業務 審査評価・委員会」によって、事前・事後にチェックを受けていることを説明したうえで、委員会と協議しながら、チェックの実効性を高めていく考えであり、委員会として、具体的な検討に着手していることを述べています。
 6ページ、「常時同時配信における地域情報の提供の確保」については、前回と同じ内容です。
 7ページです。「他事業者との連携・協力等の確保」について、協調領域で相互にメリットをもたらす連携策の実施に向けた具体的な検討を進めていることを述べ、具体的には、現在、実験として実施している「radiko」経由の配信は民放との連携を深める取り組みの一つと考えており、来年度から本運用を開始する方向で検討していること、民放の公式テレビポータルサイト「TVer」については、来年度から参加できるよう具体的な調整に入っていること、放送にかかわる技術の活用についても、必要に応じ、民放との連携を検討したいと考えていることを述べています。
 8ページ、「不祥事の再発防止」に関し、11月に発生した放送用素材の誤送信の再発防止策や、不正をさせない環境の実現を目指す取り組み等について説明をしています。
 9ページ、「既存業務を含む業務全体の見直し」について、NHKが重点的に取り組んでいかなければならない業務は数多い一方、事業支出を適正な規模に整えていくことが必要であり、持続可能な業務体制の構築に取り組んでいくこと、BS4K・8Kの本放送開始を受け、視聴者保護の観点を堅持したうえで、4K放送の普及状況などを見つつ、衛星波を整理・削減する方向で、1年後をめどにその時点での考え方を示すことを述べています。
 10、11ページでは、「受信料の水準・体系の見直し」として、先般、経営委員会で議決をいただきました受信料の値下げについて説明を行いました。
 12ページです。「経営計画の適切な評価・レビュー等の確保」に関しまして、現在行っております経営計画の策定、評価・レビューについて説明し、加えて、現経営計画の修正議決をいただいたことなどを述べています。
 13ページ、「NHKグループのガバナンス等の確保」について、子会社の統合やグループ経営改革の取り組みについて説明をしました。
 NHKとして、説明した内容は以上です。
 引き続いて、意見交換では、構成員からNHKに対してインターネット活用業務のベネフィットをどう計るのか、また、取り組みのスケジュール感について等の質問がありました。総務省に対しては、区分経理における配賦の考え方や衛星基幹放送の帯域の有効利用の基準についての質問がありました。
 また、民放連から次のような発言がありました。「NHKの説明は具体性が増し、特に区分経理や外部監査の拡充の方針は、民放連の要望を踏まえて真摯に検討いただいた。より具体的に進めて経理の透明性を確保していただきたい。反面、上限として2.5%が維持されるかどうか曖昧であるのは残念だ。地域制御をしばらく行わないとしている点も不十分である。民業圧迫や肥大化を招かないことは常時同時配信を認める条件であり、2.5%の安易な引き上げは市場の競争を阻害する。民放連が取りまとめた8項目の要望事項は今後も重要なチェックポイントであり、引き続き検討会の議論や総務省の対応を注視したい。」
 これらを受けまして、検討会の多賀谷座長からは、「総務省は第二次取りまとめや、説明のあったNHKの対応を踏まえつつ、制度整備等の対応を始めていただきたい」などの発言がありました。
 この会合の最後の総務大臣のあいさつでは、NHKのインターネット活用業務のあり方やガバナンス改革について、「NHKは国民・視聴者からの受信料によって支えられていることを十分に踏まえ、本検討会で寄せられた意見等を踏まえながら、真摯にかつ速やかに取り組みを進めていただきたい。総務省としても第二次取りまとめで示された事項に基づき、NHKの取り組みを踏まえつつ、制度整備等の対応について検討・調整を進める」との発言がありました。
 会合ではこのほか、政府の「規制改革実施計画」で、NHKアーカイブの活用について、「より積極的な活用方針の方策について、関係者による検討の場を設ける」とされていることを受けて、NHKと公益財団法人放送番組センターが、それぞれ現在の取り組みについて説明を行いました。
 NHKの説明については、別紙2としてお配りしています。
 同じく政府の「規制改革実施計画」では、新たなCAS機能の今後の在り方の検討として、総務省が検討の場を設置することとされており、この検討分科会の設置について、了承されています。
 諸課題検討会については以上ですが、先週7日に自民党の「放送法の改正に関する小委員会」が開かれました。民放テレビ局とNHKのあり方について、第二次提言という形で取りまとめられました。
 NHKに関しては、常時同時配信を早急に可能にするよう、次の通常国会に放送法の改正案の提出を目指すとして、総務省に所要の作業を開始するよう求めています。また、4K・8K本放送開始から1年以内に、衛星波などの整理・削減の具体案について、結論を出すことなどを求めています。

 

 (2) 最高裁大法廷判決を受けたNHK受信料制度等検討委員会での意見交換会の報告について
(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)
 (松原理事)
 それでは、最高裁大法廷判決を受けたNHKの受信料制度等検討委員会での意見交換会の報告について、説明をさせていただきます。
 受信料訴訟にかかる最高裁大法廷の判決は去年の12月6日でしたが、この対応について10月31日の受信料制度等検討委員会において意見交換会を行いました。資料の別添①から③によって、その概要についてご報告をいたします。
 まず別添①ですが、NHK受信料制度等検討委員会の第16回会合、議事要旨の1ページをご覧ください。
 昨年12月に出された受信料訴訟による最高裁大法廷判決は、受信料制度や受信料体系に関して多くの点を判示している内容となっております。このため、受信料制度等検討委員会において、最高裁大法廷判決への対応を検討項目として意見交換会を開催しました。
 委員の先生方とも相談して、法的な論点が含まれると考えられる5項目を検討テーマとして設定し、ご議論をいただきました。
 また、受信契約締結にあたっての理解促進のあり方に関し、現在のNHKの取り組みについて報告事項として説明を行いました。5項目の検討テーマについては、別添②の資料をもとに事務局から最高裁判決の該当箇所の説明を行い、受信規約に規定することなど、NHKとして何らかの対応をとる必要があるか否かについて、委員の先生方にご議論をいただきました。
 そのうえで、最後に座長にまとめていただく形で進めました。
 議事要旨には先生方の個々のご意見を記載していますが、各検討テーマの最後の黒丸は、先生方の意見を受けた座長のまとめになっております。
 本日の報告は各テーマにおける最高裁判決の該当箇所と、ご意見のまとめを紹介する形で進めていきます。
 まず検討テーマ(1)の「契約締結義務者」についてです。最高裁の鬼丸裁判官の補足意見は、「受信契約の締結が強制される場合には、締結義務を負う者を明文で特定していないことは問題があろう」としています。
 議論のまとめは3ページの1つ目の黒丸をご覧ください。「放送法第64条1項は契約締結義務者について『協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者』と定めている。他の公共料金では契約締結義務者の特定や限定はされていないこと、家族が多様化する中で『設置した者』という定め方よりもさらに具体的に契約締結義務者を定義することは難しいこと等から、現状では放送受信規約に特定する必要性は高くないのではないか」というまとめになっています。
 次に検討テーマ(2)「契約成立条項」についてです。最高裁判決における岡部裁判官の補足意見は、「放送受信規約第4条1項は、(中略)受信設備の設置の時からの受信料を支払う義務を負うという内容の契約が、意思表示の合致の日に成立する旨を述べていると解するべき」としています。
 まとめは4ページの1つ目の黒丸をご覧ください。
 「最高裁判決と現行規定の関係について、『最高裁の解釈による』として、放送受信規約を変更しなくてもよいと考えられる。一方で『分かりやすくなるように放送受信契約を変更してもよい』という考え方もあるが、その考え方による場合でもあって、直ちに変更すべきとまでは言えず、仮に変更する場合の文言について引き続き検討する余地がある」というまとめとなっております。
 次に、検討テーマ(3)「消滅時効」についてです。未契約者の過去分における消滅時効について、最高裁判決は、「消滅時効は、受信契約成立時から進行するものと解するのが相当」としています。またすでに契約をしている受信契約者の受信料債権については、平成26年9月25日の最高裁判決において「消滅時効期間は5年」と示されています。
 まとめは、最後の黒丸をご覧ください。
 「放送受信規約は、契約の内容について規定しているものであり、契約の内容に、民法で定められている消滅時効を規定することはなじまない」というまとめになっております。
 次に検討テーマ(4)「過去設置・現在撤去における解約」についてです。受信機を過去に設置し、その後撤去したものの解約について、最高裁判決における木内裁判官の反対意見は、「仮にすでに受信設備を廃止し、受信設備設置者に対して判決が承諾を命ずるとすれば、受信設備設置の時点からその廃止の時点までという過去の一定の期間に存在するべきであった受信契約の承諾を命ずることになる。これは過去の事実を判決が創作するに等しく、到底判決がなしうることではない」とし、小池、菅野裁判官の補足意見は、「受信設備を廃止するまでの期間についての受信契約を強制することができるとすることは十分に可能である」としています。
 まとめは5ページの2つ目の黒丸をご覧ください。
 「ごく限られた場面でしか問題にならない事項について、あえて受信規約に記載する必要はない」というまとめになっています。
 検討テーマ5、「過去設置の対応」についてです。
 未契約者が契約を締結した際に生じる過去分の債権について、最高裁の判決は、「受信契約を締結していない者について、これを締結した者と異なり、受信料債権が時効消滅する余地がないのもやむを得ないというべき」とし、木内裁判官の反対意見は「およそ時効消滅による消滅することのない債務を負担すべき理由はない」としています。
 まとめは、6ページの3つ目の黒丸です。
 「最高裁判決を前提として、なお、過去分についてのさかのぼっての請求を一定年数で区切るかどうかということは、受信設備の設置確認制度の検討状況等を踏まえ、NHKとして引き続き検討すべきではないか」というまとめになっています。
 5項目の意見交換の最後に事務局から「いただいたご意見を踏まえ、NHKとして検討いたします」と述べて、検討テーマについての議論を終えました。
 それから報告事項として、「契約の締結のあり方」に関する報告です。
 最高裁判決で、「NHKが、受信設備設置者に対し、NHKの目的、業務内容等を説明するなどして、受信契約の締結に理解が得られるように努め、これに応じて、受信契約を締結する受信設備設置者に支えられて運営されていくことが望ましい」とされたことを受けて、事務局のほうから、現在の理解促進に関する取り組みについて、別添③に沿って報告を行いました。別添③については、資料に沿って項目のみご紹介をします。
 2ページは、先ほどご紹介した最高裁大法廷判決の該当箇所です。3ページは、評釈・解説等として、ジュリスト2018年5月号の対談記事を紹介しています。4ページをご覧ください。評釈・解説等として「放送を巡る諸課題に関する検討会」における新美先生のご発言を紹介しています。5ページは、現在の規定について記載しています。6ページはNHKの経営指標として「受信料制度の理解促進」を掲げているということを紹介しています。7ページは経営14指標に関する期待度と実現度を調査していることを紹介しています。8ページは、参考として、BBCに関する世論調査を紹介しています。9ページはNHKにおける情報開示の状況を紹介しています。10ページは参考として、BBCの情報開示方針を紹介しています。11ページをご覧ください。現経営計画においても、重点方針として、「視聴者理解・公平負担の推進」を掲げていることを紹介しています。12ページから15ページは、公共放送や受信料制度等の理解促進について、放送番組、NHKオンライン、新入生・新社会人向けの周知・案内、イベント事業の取り組みを紹介しています。16ページをご覧ください。NHKの経営委員会委員が、視聴者のみなさまから直接ご意見をお聞きする機会である「視聴者のみなさまと語る会」を紹介しています。17ページをご覧ください。最後に訪問要員のご案内の内容等を紹介しています。
 以上ですが、公式意見交換会の内容については、議事要旨を12月12日にNHKオンラインの「経営情報 受信料制度等検討委員会」において公開します。

 

 

○ 説明会「地域改革 2018年度上半期報告」
 「地域改革」の2018年度上半期の進捗状況について、担当理事より説明を受け、意見交換を行った。

 

 

 以上で付議事項を終了した。

 

 

 上記のとおり確認する。

 

 平成30年12月25日    

石 原  進 

 

 

高 橋 正 美