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第1293回
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平成29年11月17日(金)公表
  ※5 審議事項(1) NHK3か年計画(2018-2020年度)要綱案について
  ※NHK3か年計画(2018−2020年度)について・意見交換  は平成30年2月2日(金)公表

日本放送協会第1293回経営委員会議事録
(平成29年10月24日開催分)

第1293回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1293回経営委員会

 

<会 議 日 時>

平成29年10月24日(火)午後1時00分から午後6時00分まで

 

<出 席 者>

〔委  員〕

  石 原  進 本 田 勝 彦 井 伊 雅 子
    小 林 いずみ   佐 藤 友美子 堰 八 義 博
    高 橋 正 美   中 島 尚 正 長谷川 三千子
    森 下 俊 三   渡 邊 博 美  
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔役  員〕

  上 田 会 長 堂 元 副会長 木 田 専務理事
  坂 本 専務理事 児 野 技師長 根 本 理 事
  松 原 理 事 荒 木 理 事 黄 木 理 事
  大 橋 理 事 菅   理 事 中 田 理 事

 

 

<場   所>
放送センター  22階経営委員会室  21階役員会議室

 

<議   題>

 

付議事項

 

○ 視聴者のみなさまと語る会(高知)の開催について

 

1 監査委員会報告

 

2 会長報告

 

3 議決事項

 (1) 中央放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 

4 報告事項

 (1) 平成29年度第2四半期業務報告(資料1)(資料2)

 (2) 視聴者対応報告(平成29年7〜9月)について(資料1)(資料2)

 (3) NHK情報公開・個人情報保護の実施状況(平成29年度上半期)(資料)

 (4) 地方放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 

5 審議事項

 (1) NHK3か年計画(2018-2020年度)要綱案について(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)

 

○ NHK3か年計画(2018−2020年度)について

 ・ 意見交換(資料)

 ・ 集中討議「グループ経営改革とガバナンス」

 

 

議事経過

 

 石原委員長が開会を宣言し、経営委員会を開催。

 

○ 視聴者のみなさまと語る会(高知)の開催について

 平成29年度の「視聴者のみなさまと語る会」の第6回目を、平成29年12月16日土曜日に高知放送局で開催することを決定した。

 

<会長、副会長、専務理事、技師長、理事入室>

 

 本日の付議事項および日程について説明。第1292回(平成29年10月10日開催)の議事録を承認し、所要の手続きを経て、平成29年10月27日に公表することを決定した。

 

 

付議事項

1 監査委員会報告

 (高橋委員)

 監査委員は、昨日、協会による子会社管理の状況について、関連事業統括の黄木理事から報告を受けました。
 報告は、「内部統制関係議決」の「会長は、監査委員会が選定する監査委員に対して、定期的に子会社の管理の状況を報告する」という規定に基づき報告を受けています。
 29年度上半期のおもな取り組みとして、「グループ経営改革」のさまざまな施策について、大きく3つの項目に分けて報告がありました。また「NHKグループ再編の検討状況」についても、説明がありました。
 「グループ経営改革」の1つ目は、「ビジョン・価値観の共有促進」です。「コミュニケーションの強化」、「人材育成の強化」、「事業運営制度の強化」の3つの視点から説明がありました。
 まず、「コミュニケーションの強化」については、タテヨコの所管部局との定期的なマネジメント連絡会で、見える化などの課題の検討やガバナンスの取り組みの報告などを行っていること、また関連団体協議会や関連団体トップと会長との懇談会によって、グループ経営の視点を取り入れた経営計画の策定を進めたこと、さらに4つの一般財団法人理事長とNHK担当役員との懇談を通じて、委託管理費の引き下げや重複業務の整理などの改革を進めていることなどが報告されました。
 人材育成の強化策としては、グループ合同入社式、合同研修や新管理職合同研修、内部統制報告に関する研修、事務系部門の交流人事などを実施したとのことです。
 また、29年度から子会社に加え、9つの関連公益法人等にも担当役員と所管部局を定め、管理責任者規程を改定したこと。29年度は目標設定などを一部改善し、所管部局が各団体と協議のうえ設定するなどの取り組みによって、事業運営制度の強化に努めたとの説明がありました。
 2つ目は、「グループのガバナンス強化」で、「執行・監督機能の強化」と「内部統制」に分けて報告されました。まず執行・監督機能では、一般財団法人等へのNHKからの非常勤理事の就任、公認会計士の外部監査役・監事就任の増加、関連団体経営部門への出向幹部の追加と執行役員への登用などによって、強化に努めたということでした。
 内部統制については、NHK内部監査室による関連団体調査、NHKグループ内部監査連絡会の開催、NHKグループ会社監査役連絡会、IT統制に関するセキュリティー基盤の整備推進およびITリスク調査、適正な勤務管理の徹底などを通じて強化を図っているとのことでした。
 3つ目、「グループ全体の業務効率化と管理高度化」に関しては、グループ間取引を含む見える化の取り組みを行なっていることや管理会計高度化の取り組みを進めていること、次期3か年要員計画の骨格を取りまとめたこと、特例配当を含む配当の見通しを検討したことなどが報告されました。以上が、グループ経営改革の上半期のおもな取り組みに関する報告でした。
 次に、「NHKグループ再編の検討状況」です。NHKグループ再編については、「番組制作」、「イベント」、「管理」、「技術」といった業務分野ごとにワーキンググループを立ち上げ、体制案の検討、および課題の洗い出しを行っているとのことで、業務分野ごとの取り組みの進捗状況の報告がありました。また、一般財団法人についても、重複業務の移行や管理費についての検討がなされており、財団法人および小規模会社のガバナンス強化についても検討中であるとの説明がありました。
 以上が、執行部から監査委員会への報告の概要です。監査委員会では、執行部に対し、本体が進めているグループ経営改革や地域改革、働き方改革による負荷が関連団体に集中していないか、また、統合が検討されている子会社の社員のモチベーションが保たれているか、などの視点を意識しながら改革を進めてほしいこと。NHKグループ全体の業務量と要員数を精査し、必要な体制を固めたうえで進めてほしいことなどをお伝えしました。
 協会による子会社管理の状況について、監査委員会は、今後もおおむね四半期ごとに報告を受けたいと考えています。

 

 

2 会長報告

 (上田会長)

 衆議院選挙の放送についてご報告します。第48回衆議院選挙は、10月22日に投票が行われました。NHKでは「大河ドラマ」を繰り上げ、同日午後7時55分から翌23日午前4時半まで開票速報を放送し、「おはよう日本」でも選挙情報を伝えました。さらに、午前8時35分から10時まで、「衆議院選挙列島ドキュメント」を放送しました。開票速報では、投票が締め切られた午後8時に、「自民が勝利、単独過半数が確実、安倍政権は継続の見通し、自公は3分の2うかがう情勢」と伝え、小選挙区、比例代表の当確を順次速報。午前1時40分過ぎには、「自民・公明が全体の3分の2獲得」、午前2時55分には「立憲民主党が野党第1党確実に」と伝えました。当確判定に当たっては、期日前投票の動向を含めた事前の情勢取材の結果と出口調査の結果などを総合的に分析しました。台風21号の影響で、すべての当選者の確定は投票日翌日の午後9時半までもつれ込みましたが、1つのミスもなく465のすべての議席を正確に打ち出しました。各党の獲得議席は、開票速報の冒頭でお伝えした議席予測の範囲内に収まり、今回の選挙の全貌を余すところなく伝えることができたと思います。
 私も、10月10日の公示日の各党第一声の放送制作現場や、20日の開票速報リハーサルを視察したほか、22日の投票日には、テレビとラジオの開票速報本部開きや国際放送局の開票特番の現場に出向き、担当者を激励しました。衆議院選挙の開票速報と台風報道が重なるのは昭和54年以来ということですが、それぞれの現場が与えられた役割をしっかりと果たし、まさに全局体制によって成果を上げることができたと思っています。
 開票速報では、各党首の中継インタビューや当確、落選の声、政局をめぐる動きについても逐一伝えるなど、ビジュアルで分かりやすい演出に努めました。インターネットでの展開にも力を入れました。各党の党首が行った第一声や街頭演説の内容をテキスト化した上で、どのようなことばが多いかなど詳細に分析したほか、小選挙区の候補者の第一声や注目選挙区リポートの動画を130選挙区掲載するなど、投票の判断に資する多彩なコンテンツを提供しました。開票速報はインターネットでも同時配信を行いました。22日のNHK全体のネットアクセス数は480万超と、通常の2倍以上を記録しました。
 ラジオ第1放送は、22日午後7時55分から翌23日午前5時まで終夜で放送しました。今回は初めて、グーグルのいわゆる「AIスピーカー」で、投票が締め切られた午後8時から冒頭40分間、その後も23日午前1時まで毎正時の冒頭5分、台風情報も交えて開票速報を発信しました。今後「AIスピーカー」は日本でも普及することが予想され、NHKニュースの支持拡大の一助になったものと考えています。また、今月からNHKも聞くことができるようになった民放のインターネットラジオのポータルサイト「radiko」では、開票速報が始まった午後8時以降、右肩上がりに利用者が増え、通常の2倍になりました。NHKラジオに接する人が純増したものと思われ、今後さらに詳細に分析していきます。
 国際放送でも「NHKワールドTV」や「ラジオ日本」で開票特番を放送し、インターネットでも海外に発信しました。今回の開票速報は、台風21号への対応もあり、選挙報道と災害報道という公共放送の二大使命が問われましたが、台風情報も随時交えながらお伝えし、テレビ、ラジオ、インターネットを駆使して、つつがなく使命を達成できたと考えています。
 ビデオリサーチ社調べによる総合テレビの開票速報の世帯視聴率は、関東地区の午後8時台で17.1%、9時台で14.2%、10時台で14.3%など、前回の衆議院選挙時の視聴率を上回ったほか、その後の深夜帯も6〜9%台と高く、視聴者の皆さんの関心に応えることができたと考えています。
 NHKは、記者の過労死認定の件を踏まえ、「働き方改革」を推し進めており、短期決戦である選挙報道においても、土日の勤務を減らしたり、夜間に開いていた会議を日中に前倒ししたりするなどの取り組みを進めました。選挙と災害が重なるという厳しい状況でしたが、勤務管理には十全の措置をとりました。選挙後も、所属長を通じて休暇の取得を奨励するなど、メリハリのある働き方を心がけて職員の健康管理に努めています。
 衆議院選挙の放送については以上ですが、これに関連して中田理事から1件、報告があります。
 (中田理事)
 台風による被害が相次いだ中、三重県で、NHKが選挙業務を委託していた会社の男性が業務から帰る途中に亡くなりました。この方は、NHK津放送局が、今回の衆議院選挙で、出口調査や開票所から票を送る業務を委託していた会社の29歳の男性です。昨日、午前8時半ごろ、警察から津放送局にあった連絡で分かりました。警察によりますと、三重県度会町で、水没した車の中から見つかったということです。業務委託先の会社によりますと、開票所での業務が終わったという連絡が、おととい午後11時半ごろあったということです。会社が台風なので道路状況に注意するよう求めたのに対し、本人は「気をつけて帰ります」と話されたということです。
 (上田会長)
 続いて、山口放送局に対する労働基準監督署の是正勧告とNHKの今後の働き方改革の方針につきまして、担当の根本理事より説明します。
 (根本理事)
 先週、一部の新聞で報道されました山口放送局に対する是正勧告の件につきまして報告します。
 NHKでは例年、全国の事業所で5件程度、労基署から「臨検」と言われる立入調査を受けております。山口放送局では、ことし7月21日から臨検が始まり、8月にかけて調査を受けています。その結果、労基署からは、ことし4月から6月の3か月間について、タイムカードの記録と時間外労働の申告時間との間に相違があるので、事実関係をNHKで実態調査し、結果を労基署に報告すること、また調査の結果、差額の割増料金を支払う必要があるときは追加で支払うことなどの措置をとるよう指導がありました。これを受けて9月に山口放送局で職員ヒアリングなどの実態調査を丁寧に行った結果、本人の入力ミスやルールの勘違いによる時間外・休日労働などの申告漏れが11人に見つかり、合計9万2,824円を10月の給与支給日に追加支給することとしました。これらの改善報告を労基署に9月29日に行ったところ、未払いの割増賃金があったということで、その場で是正勧告書が出されたというものです。
 こうした山口労基署の事案、また、これに先立つ佐戸記者の過労死の事案なども踏まえて、NHKでは9月から全国の放送局で勉強会を実施し、勤務制度の周知徹底を図っているところです。さらに、職員の健康確保徹底の観点から、一般職だけではなく管理職に対しても、在館時間が一定水準を上回る場合に、より実践的な健康確保措置を行うよう検討しています。このほかICTを活用した、より効率的、効果的な勤務管理手法についても検討しているところです。
 前回の経営委員会で、首都圏放送センターの記者の過労死について報告しましたが、その後、ご両親が10月13日に記者会見を行いました。ご両親は、愛する娘さんを失った悲しみや今の心境を述べ、その上でNHKに対して再発防止の徹底を求められました。会見の中ではNHKの説明と食い違う点もありましたが、NHKとしましては、ご両親のお気持ちに真摯に向き合い、信頼関係を保ちながら再発防止のさらなる徹底を図っていきたいと考えています。

 (石原委員長)

 最終的に是正勧告があれば経営委員会に報告するけれども、それ以外の場合にはまだ報告には至らない、ということなのでしょうか。今後の問題もありますので、そのお考えを聞かせてください。

 (根本理事)

 臨検などがあって指導を受ける、ということはよくある話です。この辺についてよく調べなさいとか、こういうところに留意しなさいとか、そうした指導は過去にも受けていますが、報告はしておりません。

 (石原委員長)

 事柄にもよりますが、重要な案件については報告をお願いします。

 (高橋委員)

 監査委員会の本件に関する見解を申し上げます。協会は、記者の過労死をきっかけに勤務制度を見直すなど、「働き方改革」を進めていますが、そうした中で山口労働基準監督署から是正勧告が出されたことは重く受けとめるべきことと認識しています。
 監査委員会としては、当局から法令違反とされた案件については、ことの軽重にかかわらず、執行部内で情報を共有するとともに、迅速に報告をいただくことが必要であると考えています。監査委員会としては、是正勧告を受けたことを踏まえて適切に対応するとともに、改めて「働き方改革」のさまざまな取り組みについてもすべての職場、すべての職員に浸透させるよう、協会の取り組みを注視してまいりたいと思います。

 (石原委員長)

 ただいまの監査委員会見解にもありましたように、今回の労働基準監督署による是正勧告を重く受けとめ、適切な対応をお願いします。経営委員会も監査委員会とともに、組織を挙げて取り組むという「働き方改革」も含め、今後の執行部の取り組みを注視していきます。

 (上田会長)
 次に、本日この後公表する事案です。担当の中田理事から報告します。
 (中田理事)
 放送受信料のカード払いの利用申し込みの帳票について、NHKが溶解廃棄処理を委託した業者が、そのうちの約3,300枚を紛失していたことが分かりました。経緯は次のとおりです。
 10月16日に、静岡県内で受信料のクレジットカード払いの申込書の束が道路上に落ちていたと、一般の方からNHKに情報が寄せられました。確認したところ、この帳票は、保存期限が切れた帳票を廃棄処分するために、10月11日に廃棄業者が埼玉県のNHKの倉庫から搬出したものでした。その一部が、廃棄業者から再委託を受けた静岡県内の業者の倉庫に保管されたままになっていて、そこから1箱がなくなっていました。中には3,306枚の帳票が入っていましたが、一部は回収され、最終的に3,031枚が所在不明となっています。帳票には、平成23年4月にNHKのホームページからクレジットカード継続払いのお申し込みをいただいた受信料契約者の名前、住所、電話番号、クレジットカード番号、有効期限、メールアドレスが記載されておりました。
 NHKでは、対象となる方全員にダイレクトメールや電話でおわびとご説明をするとともに、本日、紛失の事実を公表いたします。重要な個人情報の紛失ですので、すぐにも受信契約者にお伝えし公表したかったのですが、誰の情報を紛失したのか確認する必要があったこと、契約者との対応に当たるクレジットカード会社の準備体制が必須であり、その前にNHKが一方的に発表すればカード会社も適切に回答できず、また無関係の人まで一斉にカード会社に問い合わせが殺到するなどの混乱を招くおそれがあったため、本日の対応となりました。
 個人情報の管理は言うまでもなく極めて重要な問題であり、契約をいただいたお客さまにご心配とご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げるとともに、今後このような事態が発生しないよう、業務委託先も含めた個人情報の取り扱いについて、管理をいっそう徹底してまいります。

 (長谷川委員)

 個人情報もいろいろありますが、このクレジットカードの番号と期限と個人名がついた個人情報の流出というのは、最も悪い状況ですよね。この件についての犯罪性はどの程度あるのでしょうか。つまり、これは意図して盗もうということが十分あり得る情報です。その業者について、その委託先のさらに先の委託先まで、徹底的に調査されましたか。

 (中田理事)

 今、調査をしている最中です。

 (松原理事)

 ご迷惑をおかけして申し訳ありません。盗難かもしれないということで、警察にも伝えました。しかしまだ犯罪と断定できませんので、警察からはまず紛失届を出すよう言われたため、紛失届を提出しました。警察は遺失物として捜査をしています。業者の防犯カメラも機能していないという問題もありました。引き続き警察も対応していくと思っています。

 (長谷川委員)

 最大限厳しく追及していただきたいと思います。

 (森下委員)

 一義的には、業者が責任を持ってきちんとやらなくてはいけなかったことだと思います。ただ、個人情報については、本来であればNHKが最後まで責任を持たないといけませんし、非常に厳重に管理されていたものだと思います。今回はその保存期限が過ぎた古い情報ということで処分を業者に任せたということで、処分を任せるに当たっては、それなりにきちんと託したとは思います。ただ、その渡した相手のところで情報が漏れてしまったという事態は、これは一義的にはもちろんその業者の問題ではあるけれども、やはり個人情報についてはNHKが責任を持たないといけないのではないかと思います。そう考えると、やはりセキュリティー管理やリスク管理に手落ちがあったと言わざるを得ません。端的に言えば、NHKが最後まで、つまり溶解処理するところまで責任を持ってきちんと見届けるか、もしそうでなければ、例えば業者に渡す前にシュレッダーにかけるとか、対処すべきであったと思います。容易に個人情報が分かるような形で業者に渡したということについては、NHKとしてももうちょっと考えないといけないことだと思います。今後こういう管理について、外部に渡すときには簡単には個人情報が解明できない形にして渡さないといけないと思います。少なくともシュレッダーにかけるぐらいの措置をするなど、そういった意味の見直しをしていただきたいと思います。

 (松原理事)

 個人情報について、最終的にはNHKが最終処分まで責任を持たないといけないというのは、おっしゃるとおりだと思っています。特に営業が扱う個人情報は相当膨大で、中身にはそのクレジットの番号や口座番号などが入っているものがあります。今の溶解ルートだと間で複数の業者が入ることもあるので、今後については、営業部門が扱う契約書などについては、回収から処分まで一貫してやってもらう業者に委託するなど、セキュリティーのさらなる向上を目指していかないといけないと思います。早急に検討して、さらなるセキュリティーの向上に努めたいと思っています。

 (高橋委員)

 監査委員会の見解を申し上げます。この件につきましては、帳票が紛失した経緯などを調査中とのことで、まだ全容が分かっておりませんが、NHKに関する視聴者の皆さまの信頼を揺るがしかねないものと憂慮しています。受信契約に関する個人情報は、NHKが取り扱う個人情報の中でも最も厳重な管理が求められるものであって、その管理責任はあくまでNHKにあることは言うまでもありません。監査委員会としては、協会が帳票紛失の経緯などを詳しく調査いただくとともに、個人情報の管理体制を改めて検証し、同じような事態が起こらないよう対策を講じること、また、視聴者の皆さまとの信頼関係を毀損することのないよう対応することが必要であると考えており、引き続き執行部の今後の対応を注視してまいりたいと思います。

 (石原委員長)

 今回の報告を、大変深刻な問題として受けとめました。監査委員会見解にもありましたように、まずは該当のお客さまをはじめ、視聴者の皆さまへの対応をしっかり行っていただくとともに、早急に原因を究明し、再発防止策を講じるよう求めます。

 

 

3 議決事項

 (1) 中央放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 (木田専務理事)
 中央放送番組審議会委員について、次のとおり委嘱を行いたいと思います。つきましては、定款第66条第2項の規定により、経営委員会の同意をお願いしたいと思います。
 おふたりいらっしゃいますが、おふたりとも再委嘱です。ピアニストの仲道郁代氏と、全国農業協同組合中央会専務理事の比嘉政浩氏です。おふたりとも平成29年11月1日付です。

 

 採決の結果、原案どおり議決。

 

 

4 報告事項

 (1) 平成29年度第2四半期業務報告(資料1)(資料2)

 (坂本専務理事)
 平成29年度第2四半期の業務報告をいたします。今期で特徴的だったのは、国民生活や社会全体に大きな影響を及ぼす内容の緊急ニュースが多かったことです。集中豪雨や台風などの防災・減災対応、北朝鮮関連、衆議院の解散など、放送と同時にインターネットでも配信をし、さまざまな状況に置かれた視聴者、国民の皆さまに対して、公共放送の使命をしっかり果たすことができたと考えています。
 主なポイントを説明します。3ページ右肩の部分の今期の総括です。放送では全国ネットワークを生かして、「命と暮らしを守る」報道に尽力する機会が数多くありました。九州北部豪雨、台風5号、台風18号などの際に、テレビ、ラジオ、データ放送、インターネットなど、多様なメディアを活用し、地域ごとの細やかな防災・減災情報や、詳しい解説を発信しました。
 8月と9月の北朝鮮によるミサイル発射に際しては、Jアラートによる発表を受けて、テレビ全波とラジオで臨時ニュースを行ったほか、専門家の見解や関係各国の反応など、最新情報を多角的に報道しました。
国内だけでなく、国際放送のNHKワールドTVでもニュースの放送枠を拡大し、世界に向けて緊急報道を実施しました。
 緊急ニュース以外のインターネットの活用につきましては、「きょうの健康」やNHKスペシャル「シリーズ人体」の情報や映像を活用した健康医療情報のポータルサイトを新たに始めたほか、ラジオのインターネット配信サービス「らじる★らじる」でラジオドラマの聴き逃しサービスを始めるなど、放送番組を視聴者の皆さまがより活用しやすい形で提供するサービスを実施います。
 受信料収入ですが、前年同期と比べまして、62億円増の3,449億円となっております。4ページのこの下のところです。
 会長の諮問機関である、NHK受信料制度等検討委員会は、受信料の公平負担徹底のあり方など、3点の諮問事項について、9月までに答申を取りまとめ、会長に提出しました。
 経営面では、多様な働き方の推進や、業務フローの見直しなど、「働き方改革」を推進するため、全国の職場で勉強会や提案募集などを通じて意識の醸成に努めるとともに、より実効的な制度への改正などの取り組みを進めました。
 網かけの次の「今期の主な取り組み」には、重点方針ごとにポイントとなるところを記載しております。
 続いて、6ページです。7月に実施しました、経営指標についての世論調査の結果です。あわせてA3判の別紙をご覧ください。
 A3判の別紙の右下の括弧で囲んであるところです。全体の傾向を見るために、14指標の平均値の推移を見ますと、実現度も少しずつ上がっていますが、今回の調査では、前期と比べ、期待度が上昇傾向の指標が多くありました。
 冊子の6ページに戻り、前期および前年同期の結果と比べると、「⑪インターネットの活用」で、期待度が実現度を上回って上昇し、結果として期待、実現度の差が大きくなっております。
 この指標「⑪インターネットの活用」は、「インターネットを通じて、放送番組の内容に役立つ情報を提供すること」、「インターネットを活用して放送と同様に豊かで古い番組や情報を提供すること」の2つの設問で、平均値で見てきているところです。いずれの設問でも同じ傾向が見られております。
 資料にデータはありませんけれども、年層別には50代以下、そしてインターネットの利用頻度別には週に1回以上利用する層で期待度は上昇しております。言いかえますと、インターネットユーザーの間でNHKのインターネットに対する期待度が上昇しています。
 今後とも放送を幹としつつ、インターネットサービスの改善を図り、視聴者の皆さまの期待に応えていくことで評価改善を目指すほか、さまざまな施策への積極的な取り組みを通じ、公共放送としての役割を果たしていくことで評価全体の維持、向上に努めていきたいと思っています。
 続いて、各指標による評価です。24ページ、25ページ、放送、インターネット、録画視聴など、さまざまな形でのNHKコンテンツの質的評価や接触の状況について記載しています。
 まず、総合テレビなどの質的10指標が前期と比べ全体的に改善傾向にあります。
 25ページの量的指標についてです。録画再生での視聴も入れた総合リーチですが、7月、8月、高校野球の全国大会や、夏の特集番組が見られたことなどにより、第1四半期よりも上昇しています。
 9月分についての「総合リーチ」、「総合視聴率」のデータと、「中央放送番組審議会の意見」が出そろった後、来月28日の会議でこの期間については、また別途ご紹介させていただきます。NHKオンラインについては、週次訪問者数は前期と比べ増加しています。
 次に、26ページ、国際戦略調査の結果、国際放送の状況です。今回はワシントンDC、ニューヨーク市、タイ、インドネシアの4カ所で調査を実施しております。
 まず、3か月以内に国際放送への接触があり、NHKのテレビチャンネルにおける視聴経験のある人、すなわち国際放送リーチ者は大きな変化はありません。リーチ者のほうが、日本についての理解度が高いということもこれまでどおりです。量的指標については、タイでの認知率がやや減少しています。ことしの第1四半期は天皇皇后両陛下のタイ訪問により微増しておりましたので、それがもとに戻ったという形だろうと見ております。引き続き詳しい施策を進めることで、理解度と認知率の向上を目指していきたいと考えています。

 

 (2) 視聴者対応報告(平成29年7〜9月)について(資料1)(資料2)

 (中田理事)
 放送法第27条に定める視聴者対応の状況について、平成29年7月から9月分を取りまとめました。放送法第39条第3項の規定に基づき、報告いたします。
 まず、この期間の視聴者の声(意見・要望、問い合わせ)の総数は、7月が32万1,503件、8月が31万5,535件、9月が30万8,625件でした。
 主な内容をご報告します。まず7月です。6ページをご覧ください。7月22日に放送したNHKスペシャル「AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン」です。日本の閉塞感を打破するための手がかりを求めるために、NHKが開発した社会問題解決型AI、人工知能を使って700万を超えるデータを解析し、その結果をもとに番組で議論を進めました。真ん中の棒グラフをご覧ください。番組には、621件の反響がありました。このうちの67%が男性からでした。番組を見てAIに興味が湧いたという内容の好評意見が寄せられましたが、司会のマツコ・デラックスさんへの不評意見や、「40代ひとり暮らしを減らせばニッポンがよくなる」という提言について、「好きでひとり暮らしをしているわけではない。ショッキングなことばでぐさっときた。」などの厳しい意見が半数近く寄せられました。
 続いて、8月です。18ページをご覧ください。戦争と平和を考えるNHKスペシャルへの反響です。広島に原爆が投下された8月6日から終戦の日の15日にかけて、5本の番組を放送し、合わせて3,000件を超える反響がありました。18ページのグラフですが、男女別では男性からの反響が61%で、年代別では60代が最も多く、70代以上と合わせると65%に達しました。また、全体では好評意見が35%、厳しい意見は26%でした。下の棒グラフは番組ごとの反響です。13日に放送いたしました「731部隊の真実」への反響が1,541件で最も多く、「戦慄の記憶 インパール」も1,000件を超える声が寄せられました。そして、19ページの上のグラフは、5つの番組への反響の内訳です。すべての番組で好評意見が厳しい意見を上回っていて、全体を通して「戦争を体験した人たちがいなくなりつつあるときに、克明に事実を描き出し、どこに問題があったのかしっかりと伝えていた。」という声が寄せられる一方、「いくら戦争を語る番組とはいえ、人が死ぬさまを放送するのはいかがなものかと感じた。」という声もありました。
 続いて、25ページです。夏休みが間もなく終わり、若い世代が悩みを抱えやすくなる時期に合わせて、Eテレでは31日に2部構成で、ハートネットTV「生きるためのテレビ 〜#8月31日の夜に」をツイッターと連動して生放送するとともに、さまざまな関連番組を放送しました。また、総合テレビも関連のニュースやリポートを放送しました。グラフをご覧ください。全体では256件の反響があり、好評意見が厳しい意見をやや上回りました。また、50代までの比較的若い世代からの声がおよそ40%を占め、高校生の娘がいる母親から、「娘が夏休みが終わるのは怖いと何度もこぼしていたが、一緒に番組を見て親子ともども心が軽くなった」という声が届きました。26ページの下の段がツイッターの推移です。ハートネットTVでは、放送中だけでなく、第1部と第2部の放送の間や、放送終了後もホームページで配信するライブストリーミングを実施し、10代から30代を中心に幅広い年代から、リツイートを除いて4,250件のツイートが発信されました。学校に行くのが怖いという不安な気持ちを素直に、率直に述べる学生たちと、それを何とか支えたいという内容のツイートが相次ぎました。
 9月の視聴者対応です。38ページをご覧ください。連続テレビ小説「ひよっこ」です。4月の放送開始から9月30日の最終回までの反響をまとめました。真ん中の棒グラフです。男女とも40代以下では好評意見が厳しい意見を上回りましたが、50代以上では厳しい意見が多くなっています。好評意見では、「温かい感じのするドラマで、何気ない日常を描いた脚本がよかった」とか、「ヒロインの有村架純さんをはじめとする出演者に好感が持てる」などの意見が寄せられました。また、続編の制作を望む声も多数寄せられました。一方、厳しい意見では、ドラマと同じ時代を生きてきた50代以上を中心に、時代考証や今までの作品と比べてイメージが違うなどの声が目立ちました。39ページには、「ひよっこ」と過去8作品の反響件数を比較したグラフ、次の40ページの下の囲み部分には、番組担当者の声を載せております。続いて、国際放送に寄せられた反響についてご報告いたします。ページが戻りますが、29ページをご覧ください。8月は戦争と平和をテーマにした特集番組や、山の日にちなんで8月後半に集中編成を行った長野特集などに多くの反響が寄せられました。このうち、「NEWSROOM TOKYO」で放送した長崎からのリポートについては、「広島と長崎に投下された原爆が今なお日本や国際社会に影響を及ぼしていることを実感した」という反響が寄せられました。
 最後に、指摘・意見・要望への対応です。また戻りますが、11ページをご覧ください。NHKの職員を名乗る不審な電話への対応です。7月13日、視聴者からふれあいセンターに、NHK静岡放送局の職員を名乗る不審な電話がかかってきたという問い合わせが入りました。電話は、年金を取り上げる番組取材を装い、年齢や家族構成、それに年金の受給状況、預貯金額を聞き出すというものでした。連絡を受けた静岡局では、翌日からラジオやテレビで繰り返し注意を呼びかけるとともに、ホームページでも詐欺被害の注意を呼びかけるバナーを大きく目立つようにしました。
 NHKを語る不審な電話は静岡県だけでなく、広島県や香川県、秋田県など、全国各地で確認されています。NHKではこうした不審な電話がかかってきたときには、絶対に個人情報を教えず、一旦電話を切って、ふれあいセンターや各局に問い合わせるよう呼びかけています。

 (中島委員)

 6ページのAI、人工知能に関して、厳しい意見が非常に多かったようです。これは人工知能がデータ間の相関関係は導けても、因果関係を明らかにするのはなかなか難しいということがきちんと伝わってない可能性もあると思います。

 (長谷川委員)

 前回の視聴者対応を見せていただき、好評意見と厳しい意見について、数だけを問題にするのではなく、中身を精査していただきたいとお願いしたところ、非常に分かりやすく、厳しい意見の内容も正確に出していただいて、非常にありがたいと思います。これを見てみますと、やや問題も浮かび上がってくる気がいたします。例えば、23ページのこの8月の戦争と平和のシリーズについて、比較的これも好評意見が多かったというところなのですが、好評意見は涙なしには見られなかった、といったエモーショナルな意見がほとんどだったのに対して、厳しい意見のほうは、そもそも日本がポツダム宣言を受諾して、ソ連が攻め込んだということがすっぽり欠け落ちているとか、日本がまるで悪かったみたいな描き方をしているという、言わば事実に関しての公平、公正に関しての厳しい意見と、非常に色合いがはっきり分かれています。これは、この重点計画にも掲げられている「正しく正確に公平・公正に」という業務の重点方針に照らして問題あり、と指摘している視聴者意見だと思うのですが、これに関してはどのように受けとめていらっしゃいますか。

 (中田理事)

 この視聴者意見だけで、もちろん現場は判断しているわけではないということがありますが、おっしゃるような傾向も含めて、現場ではしっかりと受けとめて、今後の番組づくりの参考にしてまいります。

 (佐藤委員)

 何回も言っていることですが、受信料関係の意見・要望での地域スタッフの応対とか、説明不十分というのが、相変わらず数が減っていないように思います。なかなか難しいと思うのですが、これを分析すれば、例えばどういう対応に対して要望やご不満があるのか、少し細かく分けて分析すればどこが問題かというのは分かってくるのではないかと思います。その辺をどのようにしているかということ。そもそも来てほしくないというのもあると思うのですが、その方に対して払っていただくわけですから、やり方を考えるなど、少し見直さないといけないのではないかと思います。この数字を見るといつも思うのですが、その辺のことはどう考えておられますか。

 (松原理事)

 説明不足や訪問の態度の問題、訪問時間の問題など、継続して分析をしています。8月でいうと、171万件の方に面接して、実際に起こったお客さまの声が3,209件で、前月より267件、去年の同月より209件減っています。経営委員会からも指摘を受けていますが、訪問態度の問題や、あるいは説明不足についても、前月より着実に減らしています。引き続き、検証していきたいと思います。「受信料制度等検討委員会」からも、「居住情報の利活用制度」について、居住情報に基づき郵送により契約案内をすることが可能となれば、視聴者が訪問による受信契約の勧奨を受けることなく契約手続きを簡便に行えるメリットがあるという答申も受けております。それを踏まえて、訪問によらない営業活動については、引き続きあらゆる道を探っていきたいと思っています。

 

 (3) NHK情報公開・個人情報保護の実施状況(平成29年度上半期)(資料)

 (中田理事)
 29年度上半期の情報公開・個人情報保護の実施状況について報告します。まず情報公開についてです。資料の1ページをご覧ください。
 実線の折れ線グラフのとおり、29年度は9月末の段階で4人の視聴者から16件の開示の求めを受け付けました。点線の折れ線グラフでお示ししている28年度9月時点での42件から26件減少しています。折れ線の下の棒グラフは、28年度と29年度の受付件数の推移と月別の数です。黒の棒グラフが29年度です。開示の求めの件数は、26年度に手数料を、1件につき300円ですが、有料化した時期を境に大幅に減少に転じており、上半期では前年度同期の4割弱となっています。
 2ページでは、開示の求めを分野ごとにお示ししています。経営については前年同期と比べると7件から0件、放送については11件から3件、と減少しました。このように上半期の求めが減った原因としては、前年度は一人で8件求めを出された方が、今年度は出されていないということが最も大きいと考えられます。(3)は、開示の求めに対するNHKの判断結果です。判断を行った件数はご覧のとおりです。対象外が2件、これは、NHKの情報公開制度において、放送番組の編集にかかわる文書を、番組編集の自由を確保する観点から開示の求めの対象外としているものです。不開示は2件、11件の減です。その下の表(参考)は、一部開示と不開示合計7件の理由ごとの内訳です。
 続いて、3ページをご覧ください。29年度上半期に受け付けた開示の求めの中から幾つか例を挙げています。右側はそれぞれの開示の求めに対するNHKの判断結果を示しております。
 4ページからは再検討の求めについてです。ご承知のように、NHKが不開示等の判断をし、視聴者がこれを不服として再検討の求めを行った場合、第三者機関であるNHK情報公開・個人情報保護審議委員会が審議し、結果をNHKに答申する仕組みになっております。上半期の再検討の求めの受け付けは3件と、前年度の15件から大幅に減少しました。実線の折れ線グラフをご覧ください。滞留している再検討の求めは着実に減り、9月末現在3件となっております。
 5ページをご覧ください。上半期、審議委員会に諮問したのは20件です。前年度は30件で、10件減少いたしました。20件とも諮問したその日に答申をいただきました。即日答申の比率は、前年度は80%でしたが、今回は100%に達しました。これは、委員会1回当たりの諮問数を前年度の平均6件から今年度は4件と絞ったことで、一件一件の審議に十分な時間を確保できた結果と考えております。答申結果はご覧のとおりです。NHKの当初判断どおり、そのまま認められたものが20件中18件と、90%を占めました。前年度は81%でした。NHKは、すべての事案について、審議委員会の答申どおりに最終判断を行いました。
 6ページには、今年度上半期の特徴的な答申結果を載せています。
 7ページからは個人情報保護についてです。29年度上半期に起きたNHKが保有する個人情報の漏えいは5件で、うち4件が受信料の帳票紛失等、営業にかかわるもの、ほかの1件は、大阪でNHK全国学校音楽コンクールの観覧の一部のお客さまの情報の紛失で、いずれも事務室内で誤ってシュレッダーなどで廃棄してしまったと推定され、対象のお客さまには、一人一人連絡を差し上げておわびをして、ご理解をいただきました。あわせて、概要とおわびをNHKオンライン上で公表いたしました。
 8ページをご覧ください。NHKが保有する個人情報についての開示の求めは10件、うち9件は放送受信契約書、ほかの1件は、NHKが請求者本人の個人情報を開示した履歴などに関するものであり、判断結果は、開示が7件、一部開示1件、不開示1件で、1件が調査中です。再検討の求めはありませんでした。

 (堰八委員)

 7ページの個人情報の漏えい、紛失の事例5件です。先ほどの会長報告では、クレジットカード払いの個人情報の流出は3,300枚という表現がありました。この件数のカウントのしかたですが、例えば1人の方の個人情報が漏えいされたという場合には当然1人1件ということになるのですが、複数、ましてや今回のように3,000枚ということは、1枚にさらに複数の方の情報があったとすると、人数でいうと少なくともその10倍とか、1枚に10人あればそうなるわけです。そのカウントの仕方は普通、1人の方の情報が漏れたらそれは1件とカウントするのが正しいやり方ではないかと私は思います。ここで言っている5件というのは、帳票の紛失で1件とカウントしています。その中に複数の個人情報の漏えいがあったと思われるのですが、NHKの考え方について、お聞かせいただけましょうか。

 (中田理事)

 今おっしゃったとおり、1件で複数の個人情報が含まれています。

 (堰八委員)

 それはやはりおかしいのではないかと思います。

 (中田理事)

 個人情報の漏えい・流出についてはホームページで公表することにしており、そこにはその1件について、どれぐらいの枚数とか、情報何人分ということはお示ししています。

 (堰八委員)

 たまたまその帳票が何ページだったかということではなく、やはり個人の情報が何件漏れたかという人数ベース、あるいは、1人で2件であったら、それを2とカウントするとか、それが普通の公表のしかたではないかと思うのです。そうでなければおかしいのではないでしょうか。

 (松原理事)

 具体的に、この1番の長野の件は住所変更届を1件、1枚紛失したという中身です。それから、山口の件も1件1枚紛失です。それから、津放送局は、不動産会社が受け付けた帳票9枚9件紛失しております。岐阜放送局も、同じく不動産会社が取り次いだ分についてシュレッダーしてしまったと考えられるということです。これは新規契約の帳票が1枚ということです。この津の事案だけが9枚ということです。

 (堰八委員)

 基本的な個人情報の漏えいのNHKの考え方、カウントのしかたについて確認しました。この5件については分かりました。今聞いただけでも十数件になるわけです。こういうことはないのに越したことはないのですが、残念ながら漏れてしまったときの公表のしかたは、やはり個人情報の件数ベースで公表するべきだと思います。

 (松原理事)

 公表の場合は、具体的に何件というのはきちんと報告しています。1つの事案であっても、堰八委員がおっしゃるように、10人分を紛失すれば、それは10件分の個人情報が紛失したと報告しなければいけないと思います。

 (堰八委員)

 そうですか。では、できればここでお示しいただくのも、今回5件と書いてありますが、5事案で何件あるのですか。

 (松原理事)

 これは5か所で起きているということです。

 (堰八委員)

 内訳を書いていただければと思います。

 (松原理事)

 実際大半が1件なのですが、ここでいうと1か所、大阪の案件は372件あります。表記については少し検討します。

 (堰八委員)

 ぜひよろしくお願いします。

 

 (4) 地方放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 (石原委員長)
 報告事項(4)について、特段の質問等がなければ、資料配付のみで報告に代えさせていただきたいと思います。

 

 

5 審議事項

 (1) NHK3か年計画(2018-2020年度)要綱案について(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)

 (石原委員長)
 NHK3か年計画要綱案について、説明を受け審議したいと思います。
 なお、前回の審議の後に、経営委員間で意見交換を行い、そこで出された意見につきましては、すでに文書で執行部にはお伝えしていますので、そのことも踏まえて説明をお願いしたいと思います。
 (上田会長)
 それでは、NHK次期3か年経営計画につきまして、説明させていただきます。
 まずは、次期経営計画の要綱案の更新版についてです。前回の経営委員会の場でご説明させていただきました要綱案から文言修正が入っておりますので、まずは、この最新の要綱案について、坂本専務理事から説明いたします。その上で、前回の経営委員会で要綱案を説明した後に、経営委員の皆さまから12項目のご意見を頂戴いたしました。執行部としては、これらのご意見を全体として受け止め、それらに対し、包括的にご説明させていただきたいと思います。
 まず、要綱案の更新版に関する坂本専務の説明の後に、収支については大橋理事から、それから営業経費については松原理事から、視聴者の負担軽減策につきましては坂本専務理事から、それぞれ説明させていただきます。
 それではまず、坂本専務理事からお願いいたします。
 (坂本専務理事)
 お手元の資料6「NHK経営計画要綱案」について説明します。別紙という形で3枚の資料がありますが、これは、前回10月10日にご説明した案から、委員からいただいたご意見を参考にさせていただきながら、執行部でさらに検討を深めて、加筆修正を行った点をまとめたものです。
 修正のポイントは、1つ目が、5つの重点方針の番号を一連で付与し、趣旨説明という形での加筆を行っています。2つ目が、柱立てや施策の文意の正確さ、強調の観点からの修正を行っています。それから3つ目が、適切なキーワード等への変更をしています。
 まず要綱案の1ページ、1行目です。これまで、「アスリートたちの舞台に」の後に続く文章として、前は「結晶」になっておりましたが、「結実」というように、「舞台に結実する東京2020」というように修正しております。それから5段落目ですが、「意見の極化」としていたところを、「意見の分極化」と用語を改めております。それから、一番下の行、「『公共的価値』の実現を追求」と記述を追加しています。
 2ページは、変わるところはありません。
 3ページです。全体の内容は同じですが、「2015年」、「2018年」、「2020年」の西暦が、前の案では下のほうにあったものを上の段に置いて、見やすくしました。
 続きまして、6ページです。重点方針の番号について、「1.“公共メディア”への進化」、「2.多様な地域社会への貢献」、「3.未来へのチャレンジ」に続けて、マネジメントのところも、「4.視聴者理解・公平負担」、「5.効率と創造を追求」と通し番号にしています。
 続いて、7ページです。今回の案から経営計画の5つの重点方針とそのもとに掲げた施策がよりつながりやすくなるよう、重点方針の趣旨、ねらいを、各重点方針の冒頭に記載しています。「重点方針1.”公共メディア“への進化」の趣旨として、「NHKが追求している6つの『公共的価値』を、みなさまの暮らしの中で『いつでも、どこでも、より深く、より身近に』実現するため、放送を太い幹としつつ、インターネットや新しい技術も積極的に活用し、『情報の社会的基盤』として進化をめざします。」と記載しました。
 続いて、10ページをご覧ください。3行目、「大河ドラマ(2019年)や連続テレビ小説(2020年)をはじめ自然・紀行・スポーツなどのコンテンツを編成し、新たなテレビの魅力を提供」としております。前は、「地上波・衛星波などから高精細の選りすぐりのコンテンツ」となっておりましたけど、ジャンルを述べて、簡潔化したところです。
 それから11ページの1つ目。こちらについては、「日本・アジアの視点を生かしたニュース」になっておりましたけども、「日本の視点を生かしアジア各地の取材拠点も活用したニュースを発信するとともに」と変えています。委員のご指摘を踏まえ、NHKが行う国際放送の特色をより明確に示したものです。
 それから次のページ、12ページです。冒頭のところで、「重点方針2.多様な地域社会への貢献」の趣旨として、「少子高齢化や過疎化の進行など、さまざまな課題に直面する地域社会に貢献するため、全国ネットワークも生かしながら課題や解決策を提起するとともに、多様な自然・歴史・文化・人々の暮らしなど、それぞれの地域ならではの魅力を広く伝えます。」と、新たに記しております。その下の具体的なところでありますけども、2つ目、「全国放送では、自然や文化の魅力、それぞれの地域にとって切実な課題を発信するなど、多様性を持った各地の期待に応える放送・サービスを強化」と改めています。それから3つ目、以前は「デジタルサービス」ということばを使っていましたが、「インターネットサービス」に統一しています。4つ目、「全国にも共通する地域の課題」となっていましたが、「各地に共通する地域課題」と改めます。5つ目、「支援」となっていましたが、「支える」と変えています。
 次に、13ページ、「重点方針3.未来へのチャレンジ」です。こちらについては、「2020年の『東京オリンピック・パラリンピック』で最高水準の放送・サービスを提供するとともに、さらにその先の時代を見据えて、6つの『公共的価値』を実現するため、未来の放送・サービスを視聴者のみなさまと一緒に創造していきます。」と新たに記しております。
 続きまして、16ページです。マネジメントのパートになります。「重点方針4.」とナンバリングをしました。「視聴者理解・公平負担」では、「NHKの取り組みをご理解いただく活動をさまざまなアプローチで展開するとともに、受信料の公平負担の徹底に向けて最大限の努力を行って、より効率的な契約・収納活動へと改革を進めます。」と記しております。
 17ページの「重点方針5.効率と創造を追求」の趣旨としては、「関連団体を含めたNHKグループ一体で、より効率的な体制に向けた改革を進めるとともに、健全な組織運営を実践することで、視聴者のみなさまから頂く受信料の価値をより一層高めます。」としております。その下の(1)の1つ目、グループ体制についての記述ですが、これまでは「業務統合や再編も視野に入れ」となっていましたが、「事業統合や再編も含め具体的な検討を進め」と、より一歩踏み込んだ表現にしております。その下の3つ目です。「グループ一体で地域放送局を支援」ということでしたが、「グループ一体で地域放送局を支える体制を構築」と、より具体的な表現に改めました。
 続きまして、18ページです。こちらはかなり変えておりまして、タイトルはこれまで、「『働き方改革』を推進し、より活力を生む組織・人事制度へ改革」となっておりましたが、「働き方改革」の徹底に向けた姿勢、決意をより強調し、「『働き方改革』を、NHKで働くすべての人の優先課題と位置づけて、積極的に推進」としています。これまで2つ目にあったところを上に上げて、表現も、「『NHKグループの業務に携わるすべての人々の命と健康の確保』を理念として共有したうえで、働き方改革、ダイバーシティー推進施策、職場環境整備に取り組む」という表現に変え、その下に、モチベーションの高い組織、適切なアウトソーシングの導入等としております。
 続きまして、19ページです。ここは、前にもありましたけども、「『地域社会への貢献』については、経営指標に加え、地域に関する評価指標」ということにしています。要綱案の説明は以上です。
 (上田会長)
 それでは続きまして、収支について、大橋理事、お願いします。
 (大橋理事)
 それでは、経営委員会から事前に頂戴した12項目のご意見のうち、私からは、還元原資の算出根拠と、それから、経費削減の具体的な内容について、この2点について説明させていただきます。
 お手元に資料をお配りしてございますけれども、表題が「収支について」という資料に基づいてご説明させていただきます。最初に、去年の秋に値下げを提案した際に、値下げ原資として収支差金200億円がありましたが、それが今回70億円になったことについて、その算出根拠について、少し詳しくご説明いたします。
 1ページです。そこに、昨年11月の値下げ提案時と、それから、今回の収支計画案との比較をお示ししています。
 まず、左側の数字。去年秋の値下げ提案時の収支見通しでは一番下の欄に赤い丸で囲んだとおり、206億円の事業収支差金を見込んで、これをもとに値下げ原資としていました。それに対して、今度は一番右側の黄色の収支表、この一番下のところに74億円と収支差金がありますが、このように変化をしたということです。
 では、この収支構造がどのように変わったのか、この表に基づいて少しご説明いたします。この表の真ん中にある、「その後の状況の変化」、「その他の増減」という、色のついてないこの2行のところに、何が変化をしたのということを、その事由と、それから金額、影響額をお示ししてございます。変更した点を2つに分けて、左側のその後の状況の変化というところ、この1年間で環境が変化し、その環境変化に対応して新たな措置をとった「その後の状況の変化」と、右側のその他の増減、次の3か年をにらんで、政策的に増減を図った「その他の増減」に区別をして説明します。
 まず、左側の「その後の状況の変化」です。一番上に受信料収入の欄がございますが、この受信料収入は、去年の秋以降に公表された新しい調査結果を踏まえて増収幅を当時より31億円縮小しました。これで、一番左側にある値下げ提案時には7,233億円を見込んでいた平成32年度の受信料収入が、右側の黄色のところに移って、7,202億円に減少したということです。
 同様に、下のほうに支出面を見ますと、国内放送費につきましては、実用放送が決まったスーパーハイビジョンの増額や、当時は予定していなかった2028年オリンピック開催地の決定に伴う国際催事放送権料引当金の発生、それに円安などで、去年の秋より32億円増となりました。その下、国際放送費は円安で2億円、契約収納費は訪問要員の処遇改善で23億円、減価償却費はスーパーハイビジョンの設備増強などで55億円、いずれも増となっています。
 これによりまして、値下げ提案時より、この列の一番下にあるとおり、収支差金が143億円減少しております。
 一方、その右側の「その他の増減」は、3か年経営計画の策定に当たって変更した点ですが、まず収入では、関連団体からの特別配当、固定資産売却益の増額で45億円の増。それから支出面では、東京オリンピック・パラリンピック放送の充実のための経費の増や、地域放送充実のための予算増を経営計画に盛り込みます。これらの支出増につきましては、収入の増とほぼ見合っておりますので、これを充てる形にしました。
 これらの増減をすべて織り込んで一番右側にある収支を策定すると、収支差金は206億円だったものが74億円になるということで、この黒字を視聴者の皆さまの負担軽減の原資にするということです。収支差金がこのように規模が小さくなったのは、去年11月の経営委員会のご指摘に基づいて、その後の環境変化への対応、それから、次期3か年経営計画の中期的視点を織り込んで収支全般を精査・検討した結果ということです。
 続きまして、次のページをお開きください。この2ページ、3ページのところですが、今ご説明した、去年秋から変更されているなど、個別の事由について1つずつご説明します。
 まず、水色の収入面ですが、ことし5月の受信契約状況実態調査の結果、テレビを持たない世帯数が昨年秋の4%から5%まで増加していることが分かりました。これにより、受信契約の対象世帯数が減少するため、今後見込まれる受信料の増収幅が31億円縮小したということです。
 次に、支出面です。4K・8K実用放送の放送計画・設備計画の策定に伴う経費の増で62億円の増です。値下げ提案時には、4K放送は新作番組を1日当たり6時間と想定し、番組の一部は8K番組から変換して、同じ映像を利用することで4Kの設備投資を抑制することとしていました。しかし、その後、ことし1月に4K・8K実用放送の業務認定を受けたことに伴い、放送計画や設備計画を改めて策定し、4K放送の新作番組を1日8時間に拡充いたしました。これに伴い、番組制作費が増えたことや、4K設備の整備を大幅に拡充し、次の3か年合計の設備投資を当初の229億円から433億円と、204億円増やしたため、これに伴う減価償却費が増加しています。
 それから、下の3ページのほうには、先ほど申し上げました国際催事放送権料引当金の増がございます。オリンピックの放送権料は、会計上、開催地が決定した年度から開催年度まで、複数年にわたって引当金を計上しております。ことし9月のIOC総会では、2024年に加えて、去年の値下げ提案時には想定していなかった2028年大会の開催地も同時に決定しました。このため、2028年の放送権料の引当金が追加で必要となり、支出増となっています。
 次に、営業訪問要員の処遇改善等による経費の増は23億円です。これは、後ほど説明がありますが、営業の法人委託の訪問要員不足の解消、取次の品質向上のために処遇改善を行うということで、支出増となります。
 最後に、円安による支出増として7億円を見込んでいます。値下げ提案時には1ドル105円のレートで想定しておりましたが、現時点での為替の状況を踏まえて、ドル円相場を7円円安の1ドル112円で見込むこととしたため、支出の増となります。
 続いて、4ページをご覧ください。これらは、先ほど申し上げた「その他の増減」です。次の3か年経営計画の重点事項が決まり、これに基づいて政策的に支出増を見込んでいるものなどが含まれています。具体的には、下のほうの支出のところにありますけれども、東京オリンピック・パラリンピックで、経営計画に掲げた最高水準の放送・サービスを提供するため、支出を20億円増加いたします。また、地域放送サービスでは、放送局のニュース・番組制作等の支援や、事務・管理業務の委託化を行うこと等により、放送サービスや体制の充実を図るため、支出を14億円増加いたします。
 しかし、それらの増につきましては、このページの上段に記しました収入増で賄うことといたしております。具体的には、関連団体からの配当金として、2019年、2020年度に特別配当を実施することとし、旧放送会館など固定資産の売却時期を見直すことで、固定資産売却益を21億円増加して賄うこととしています。
 ここまでが還元原資の算出根拠についてのご説明になります。繰り返しになりますけれども、3か年経営計画を検討する中で、その後の状況の変化への対応や中期的に必要な事項を改めて精査いたしまして、収支見通しを策定した結果、還元原資として捻出できたのは70億円規模に変わったということでございます。
 次に、2つ目の項目の経営資源の重点配分と経費削減について、ご説明いたします。
 ページをめくっていただきまして、右上に書いてる、5ページと書いてあるページです。今回の3か年の収支計画案について、重点事項への財源配分と、その他の経費、経常経費に区分してご説明します。まず、この表の太い青い線で囲んだ部分、ここは、今回の3か年経営計画の4つの重点事項は、4K・8Kの実用放送、インターネットサービス、東京オリンピック・パラリンピック放送、地域放送です。この4項目につきましては、ご覧のように3か年、重点的に経営資源を配分して、毎年度着実に支出を増加させることにいたしております。
 一方で、その下の赤枠で囲っているその他の経常経費ですが、これは、重点事項以外の経常的な経費全体は、ご覧のように、各年度で前年度比マイナスに抑制しています。2018年度には64億円の減、2019年度に33億円の減、2020年度は3億円の減としています。この経常経費の経費削減で生み出した財源を上の青枠の重点事項に振り向けることで、メリハリのある収支構造を目指すということにしています。この赤枠の経常経費の中には営業経費も含まれますので、この3か年で訪問要員の処遇改善などで経費の増を図る部分、それをのみ込んで、経費全体でマイナスにしていくということです。
 この下のページは、今申し上げたその他の経常経費の構造をもう少し、グラフ、棒グラフで分かりやすくお示ししたものです。
 ご覧のように各年度で、この赤い矢印が経費の削減ですが、70億から100億円規模の経費削減を行い、重点事項以外の各年度の支出増を吸収した上で、前年度比マイナスに抑制します。例えば左から2本目の柱、2018年度では、一番左側の棒グラフ、2017年度の経常経費6,417億円から、矢印、赤矢印のとおり、104億円の経費削減を行います。一方で、営業訪問要員の処遇改善などによる40億円の支出増もありますが、これを吸収して、差し引きで前年度に対して64億円の支出減とします。この64億円の減が、先ほど申し上げた上の表の、前年度比64億円、経常経費を削るという64億円に対応しているわけです。こうした取り組みによりまして、3年目の一番右側の2020年度の経常経費は6,317億円となり、2017年度と比べますと、3か年で100億円の支出抑制を図るという構造になります。
 次に、どのようにしてこの経費削減を行うかという、具体的な内容についてご説明します。
 経費削減につきましては、一番上に書いてありますが、ことしの6月に、経理局より全部局に対して、業務見直しによる削減の提案を求めました。その上で、さらに7月から9月にかけて、負担軽減策の原資を生み出すため、経費削減をさらに精査をし、業務全般にわたり追加削減を進めてまいりました。
 具体的には、この下の表にあるとおりですが、例えば、番組の廃止や制作本数、番組単価などの既存番組の見直しを毎年行っていくこと、それから、東京オリンピックの放送実施や特集番組の制作に伴って、通常番組の制作も削減していくことなども織り込みました。
 また、設備保守や補修内容を精査して、放送設備の維持・運用経費を削減することとしています。
 このほか、営業の訪問戦力を地域スタッフから法人委託へ移行する営業改革を継続して実施し、地域スタッフをその3か年で600人削減することなどにより経費削減を行います。
 こうした取り組みによって、3か年の総額では266億円の経費削減を行ってまいります。この経費削減と増収努力により、この3か年の重点事項への資源配分と同時に、視聴者の皆さまへの負担軽減策の原資を捻出するというのが、次期3か年の収支構造となっています。
 (上田会長)
 続きまして、営業経費について、松原理事からお願いします。
 (松原理事)
 それでは、次期3か年経営計画の支払率と営業経費について、説明させていただきます。
 まず、支払率については、「毎年度1ポイントずつ機械的に増やすのは大丈夫なのか。」というご意見をいただいております。次期経営計画において、少なくとも毎年度1ポイントずつ支払率を向上させるために、必要な支払数の増加は、3か年累計で139万件です。現経営計画において3か年で確保する計画の支払数は189万件ですから、比べると50万件少ない支払数の増加という数値になっています。
 一方で、支払率については、次の3か年では3ポイントの向上を図るとしています。今の経営計画では、3か年で4ポイントの支払率の向上を図っていますので、世帯数の減少等に伴い営業活動の困難度が増すことなどを考慮して、そこから比べると1ポイント下げた数値ということになります。
 また、「向こう3か年の訪問要員の体制はどう考えるのか。」というご質問もいただきました。業績確保の主体となる法人委託については、2020年度末の世帯のカバー率を、支払率の低い大都市圏で80%、全国平均で70%というところまで拡大していく計画にしています。こうしたことを踏まえると、次期経営計画期間の3か年で支払率を毎年度1ポイントずつ向上させることは、実現可能な計画であると考えています。
 それから、「法人委託確保のための経費増」についてです。営業経費については、これまでも説明をしてきましたとおり、業績を確保していく上では、法人事業者、訪問要員の確保が必須ということになりますが、今の社会的状況から、人手不足の中、訪問要員の採用ができないとか、採算が合わないということで撤退をする事業者が多く出ており、要員不足が深刻になっています。このため、2018年度は、法人事業者について一定の処遇改善や、人材確保・育成支援を行うことで、要員体制の確保とお客さま対応の質の向上を図ることが必要だと考えており、これらの取り組みによって法人委託の安定的な運用による業績確保を目指していきたいと考えています。
 続いて、次期3か年の営業経費についてです。例えば2017年度の予算における、訪問戦力は311億円で、その内訳は、法人委託と地域スタッフなどです。また文書等対策経費については、文書およびテレマの対策費やケーブルテレビ事業者の取次手数料などがあります。
 支払率が80%を超える中で、一層の支払率向上を目指すためには、ご説明をした要員体制の確保に加えて、面接困難者や、あるいは未収者への対策などが必要だと考えています。
 また、契約件数の増加に伴う収納手数料の増という不可避な経費増もあります。2018年度の営業経費は、こういった60億円の経費増が見込まれる中で、地域スタッフの減等により34億円を削減し、結果として761億円の計画としています。29年度予算との比較では26億円の増となり、営業経費率も10.9%まで上がることになります。しかし、翌年度以降は、収納手数料など不可避な経費増がある一方、訪問によらない営業手法により営業改革をさらに進めて経費の抑制に努め、営業経費率をもう一度0.1ポイントずつ低下させて、2020年度には10.7%を目指したいと思います。
 それから最後に、営業改革の経費効果と新たな制度整備に向けた取り組みについて、「これまでの効果を説明してほしい。」というご意見がありました。法人委託の拡大は、平成20年度に開始した契約収納業務の公開競争入札等によって、これまで推進をしてきましたが、その経費効果は69億円と大きなものとなっています。その他は、他企業との連携、公的情報の活用など、訪問によらない営業手法などの拡大を開発して、さらに推進し、費用効果を高めるために最大限努力をしていきたいと思います。
 あわせて、受信料制度等検討委員会の答申もいただいていますので、新たな制度についても研究を進め、公平負担を徹底し、営業経費を削減できる仕組みの構築を目指していきたいと思います。
 (上田会長)
 それでは続きまして、視聴者の負担軽減策について、坂本専務理事から説明させていただきます。
 (坂本専務理事)
 今回の負担軽減策といいますのは、受信料制度等検討委員会の答申内容、NHKに寄せられた視聴者の声などを踏まえまして、合理的な受信料体系に変更する観点から検討したものです。
 「事業所中心の施策になっていないか」というご指摘もいただいておりました。「多数支払いにおける割引の併用」で適用になるのは、事業所で104万件ですが、その内訳は、宿泊施設が70万件、病院関係が10万件、官公庁が3万件、学校が1万件で、残りが一般の企業です。今回対象となるうちの8割は宿泊施設や病院、公的な施設ですので、大企業優遇といったことではないと考えています。施策全体では適用対象が、世帯は241万件、事業所は132万件と推計されています。この数字から見ても、世帯についても今回留意をしているとご理解いただければと思います。
 次に、受信料の免除についてですが、免除は社会福祉的見地から、「経済弱者」に限定しています。これまで、過去の国会附帯決議で、行政が負担をしてNHKのこういった免除を廃止すべきだというご指摘をいただいています。こうしたことを踏まえ、昭和53年度以降、逐次、施設に対する免除については、「放送の普及という所期の目的は、おおむね達成された」ということで廃止をしてきているのが現状となっています。「高校・大学の施設を免除することの検討を」という指摘がありましたので、参考までに、その試算を申し上げます。高校については、地上波だと1.9万件、衛星は0.3万件で、影響額は2.1億円です。高専・短大・大学の影響額は2.1億円で、合計4.2億円となります。影響額は限定的だと思いますが、施設の免除については随時廃止をしてきているというところです。大学は昭和55年、高校も58年に廃止をしております。平成20年の国会でも、当時の会長が、「施設の免除は本来、行政の負担であるので、NHKとしては逐次廃止をしていく方向である。」ということを述べております。一度廃止したものを復活するには、これまでの方向を大きく転換することになりますので、大きな影響があるのではないかと考えているところです。
 続いて、若年層を免除した場合はどうかということで、参考までに整理をしております。あくまで推計ということで出しておりますけども、国勢調査の世帯主年齢をもとに、20歳未満の方を免除した場合、およそ55億円、あるいは25歳未満に年齢層を広げていきますと、308億円という大きな影響が出てきます。
 若年層の免除ということは、なかなか難しい面もあると考えています。
 続きまして、学生の免除です。前回ご指摘を受けました、「学生の負担軽減をやったらどうか」というご意見ですが、受信契約の単位は世帯単位です。世帯は、「同一生計・同一住居」という形になりますので、ひとり暮らしの学生は、親元宅とは別に受信料の支払いが必要となっております。親元宅と同一生計の場合には、家族割引を適用させていただいて、受信料額は半額となっているのが現状です。これに対して、ひとり暮らしの学生について、親元の受信契約の有無であるとか経済要件、こうしたものにかかわらず全数を全額免除にした場合について検討した数字では、件数は43万件程度、影響額としては45億円程度と見ています。規定としては、免除基準に「学生を免除する」という規定を入れることになると思われます。これについては、受信料制度等検討委員会でも、「免除対象を検討する際には、真に免除が必要な『経済弱者』に限定する」という答申があり、これを学生全部に広げた場合、この答申との整合性に課題があると思われます。つまり、学生はすべて「経済弱者」に当たるのかどうかということが課題になろうかと思います。参考までですが、学生支援機構等の調査によりますと、自宅外の学生というのは、平均して収入が222万円となっています。このうち奨学金が42万円ということのようですので、奨学金を除くと年間180万円の収入となります。「経済弱者」の中に組み込まれるかどうかというところは課題になろうかと思います。次に運用面です。メリットでは、免除の証明の手続きが学生証などの確認だけで済みますので、収入要件を確認したりすることがなく、比較的簡素な手続きが可能ではないかということが言えると思います。一方、課題のほうですが、4点申し上げますと、1つは、「無料の契約取次」です。無料の取次に労力を要するということになりますので、支払率の向上、増収に資する活動が低下するといったことが懸念されます。こうしたところへ労力をかけることによって、ほかの取り組みへのパワーがそがれてしまう、そういった可能性、危険性もあるということです。
 それから、運用面の課題の2つ目としては、業務委託先が減収となることです。特に学生が多い地域は、この取次で成り立っているところがあります。
 3点目です。免除の適否確認など、毎年最大で100万件規模の移動管理が発生するのではないかということがあります。最後、卒業後の契約および支払いの継続が不透明ということも挙げられます。
 続きまして、経費面です。経費面は、これまで学生契約を取り次いで、訪問要員にお支払いしていた分がなくなったとしても、無料の契約が必要ですので、その分、手数料は必要となります。先ほど申し上げました免除の適否確認であるとか、事前の口座支払いの勧奨や転出時の追跡調査、こうしたものも必要となりますので、経費効果そのものは限定的になるのではないかと考えています。
 (上田会長)
 最後に、私から経営委員の皆さまにご理解をいただきたいことを率直に申し上げます。
 まず1つは、還元原資についてです。経営委員の皆さまの最大の疑問は、なぜ昨年秋の予算編成時に200億円規模で見積もった還元原資が今回は70億円規模まで減ったかということだと思います。その理由は、先ほど大橋理事から説明させました。当時は私も経営委員を務めておりましたが、その立場からして、その後の状況の変化を斟酌したとしても、やはりそもそも昨年の数字自体に無理があったのではないかという思いを持っております。4K・8K放送の推進やインターネットのさらなる活用、東京オリンピック・パラリンピックの対応や地域放送・サービスの充実という事項は、中長期的な視点でNHKが公共メディアとして使命を果たしていくために、一つたりとも欠かすことのできない要素です。委員の皆さまには、今回の収支計画、特に還元原資を見直すことに至った経緯についてご理解を賜りますようにお願いしたいと思います。
 次に、営業経費増についてです。NHKの営業活動はしばしば「下りのエスカレーターを上るようなもの」と言われております。実際には毎年、世帯の合併などで約300万件の契約の減少が発生しております。これを上回る契約を新たに取り次ぐことで、初めて契約件数の増加が可能になります。立ちどまってしまったらたちまち数百億円規模の受信料収入が減るという、こういう実態があります。支払率も80%を超えようかというレベルまで来ますと、ご理解をいただけない方、面接すらできない方に対する営業活動が中心となり、その難易度も年々増しています。このような中、支払率を維持・向上していくために法人委託の募集活動を強化しておりますが、雇用情勢が厳しくなりつつあり、「採算がとれない」、「要員を確保できない」などの理由で撤退が相次ぎ、思うような体制を構築できていないのが現状です。訪問要員体制を確保するためには、処遇の改善が急務です。営業経費は増えますが、これは訪問要員による不祥事の発生を防ぐ「質的向上」と、業績確保に必要な要員数を維持し続ける「量的確保」の両立を図るために必要な経費です。現在の営業の受信料制度の仕組みは、まさに視聴者の皆さまのご納得をいただいて、特殊な負担金をお支払いいただくという、罰則のない、極めて日本独自の、非常に難しい仕組みであるということをご理解いただければと思います。
 最後に、営業経費率についてですが、受信料収入の10%を超える営業経費をもっと下げるべきであるという指摘も、十分に承知いたしております。基本的には私も営業経費は低く抑えるべきだと考えています。同時に受信料制度は、皆さまに公平に負担いただく特殊な負担金という性格を守り、公権力を介入させないための仕組みでもあります。営業経費を下げるために支払いを義務化し罰則を導入したらどうか、強制徴収したらどうかというご意見もありますが、そのような形になると公権力の干渉を受けることになりかねません。公共放送の自主・自律を堅持するためには、財政基盤を確立することがとても重要です。そのためのコストとしていかに認めていただくかということだと思います。一方、現行の制度のままで大幅に営業経費を削減することは非常に難しいことも事実です。受信料制度等検討委員会からは、居住情報の利活用など、新たな制度整備に関する答申をいただいております。こうした制度整備についても真摯に検討し、営業経費の削減につながる仕組みづくりに取り組みます。その上で、通信・放送の融合時代にふさわしい“公共メディア”としての中長期的な財政基盤をいかに確立するかという必要がありますが、その検討にはどうしても一定の期間が必要です。経営委員会の皆さまにこうした認識を共有していただいて、次期経営計画における営業経費の取り扱いをぜひお認めいただきたいと、私からせつにお願いする次第です。

 (井伊委員)

 収支に関して2点、あと受信料の負担軽減策に関して1点あります。まず収支についてですが、これは3か年の経営計画なので、ある意味仕方がないかもしれませんが、いつもこの経営委員会での議論を聞いている印象では予算ベースでの議論が非常に多くて、もっと決算ベースでの話もするべきだと感じているところです。
 2点目ですが、5ページの経営資源の重点配分で、将来への投資ということでは、4K・8Kの実用放送とインターネットサービスの2つがNHKの役割としてあると思うのですが、4K・8Kの実用放送というのは、従来型のテレビ放送で、インターネットサービスは未来型です。ある意味、相反するプロジェクトをNHKでは2つ抱えていかなくてはいけないということです。どこにどれだけ投資をしていくのかという経営判断をするのが、ここでの重要な役割になると思うのです。説明を聞いていると、4K・8Kのほうをより重視するというメッセージを感じます。そういうメッセージと受け取ってよいのかというのが2点目です。
 最後に、受信料の負担軽減策ですが、前回は、確か社会福祉法人の免除拡大という案がありました。それは前回から変わっていないということですか。

 (坂本専務理事)

 はい。

 (井伊委員)

 社会福祉法人の免除拡大に関して、私は大きな問題が3つあると思います。1点目は、内部留保がたくさんあって経営上不透明だということが指摘されていることです。2点目は、社会福祉法人が経営する介護施設に居住する高齢者が高所得者であったり、資産をたくさん持っていたりしても、一律に入居者は免除する制度になっていると思います。個人単位で免除すべき人は免除すればよいわけで、法人単位、施設単位で免除をすると、高所得である人まで、高齢者の施設に入っているということで免除をしてしまう、それが2点目です。3点目の問題点として、社会福祉法人の免除を拡大するとなると、他の非営利や営利団体の福祉施設はなぜ免除しないのかというような話にもなりかねないので、気をつけたほうがよいのではないかと思います。

 (大橋理事)

 1点目の予算ベースの話が多いという点ですが、ご指摘のとおりの部分もありまして、決算をしてみると予算との乖離が出て、それが話題になることもございます。しかしそれがまったく反映されてないかというとそうではなく、毎年の予算もそうですし、今回の3か年の経営計画をつくる際には、各部門の今までの決算実績を見て、それでは次にどれだけの予算を組んだらよいのかということを、個々に積み上げております。個別の項目については、これまでの決算状況を見ながら次の予算を積むという作業を必ず行っております。本当に効率化できるものがあれば、決算状況を見て効率化するという形で、必ず決算を踏まえながら個別には組んでいます。まったく反映されてないというわけではございません。
 それから2点目の、重点項目が、4K・8Kの放送とインターネットだということですが、インターネットのほうは、受信料収入の2.5%を上限とするという現在の基準がございますので、経営計画を立てる段階で勝手に上限を取り払うわけにいきません。2.5%ぎりぎりまで積んでいるということです。それであっても、収入が増えますので38億円増加していきます。十分いろいろな施策ができると考えています。規模感で言うと4K・8Kと比べると大分違うのは、これも繰り返し申し上げていますが、「NHKは放送を幹としてインターネットを補完的にやっていく」という姿勢からすれば、どうしても放送に対して多くの資源配分をするというのはやむを得ないという部分がございます。

 (松原理事)

 社会福祉施設の免除の拡大について、前回ご説明をしましたが、今回の負担軽減策は、社会福祉法に規定されていない施設まで拡大するということではなく、今の同一の法律の中で、免除をされている施設と免除になっていない施設があるという不公平を是正することを最大の目的としています。

 (井伊委員)

 でも、そもそも今、免除にしていることが適切かどうかということも考えるべきではないかと思います。

 (松原理事)

 もともと施設に関する免除は縮小する方向でした。平成13年度以降、社会福祉施設については、それまで免除をしていた施設を全部列挙して、その施設に限定しました。その後も例えば小規模保育事業などで新たに認定された施設があるのですが、設定された時期によって同じ法律の中で一方は免除され、一方は免除されていないという状況があります。この不公平な状況を是正しようというのが今回の社会福祉法人の免除の拡大です。

 (井伊委員)

 一方で「経済弱者」の定義がよく分かりません。そういう施設の入居者イコール「経済弱者」ではないと思います。

 (松原理事)

 今回検討しているのは、施設に入っている個人ではありません。社会福祉施設についている備品のテレビの受信料ということです。

 (井伊委員)

 ただ、施設が払っているわけではなくて、案分して施設の入所者が利用料に上乗せして払ってることになっていると思います。その辺はよく調べられたほうがよいと思います。私は、そこを「経済弱者」とする社会福祉法人の免除はかなり問題が多いと思います。

 (松原理事)

 施設の免除は「経済弱者」という観点から行っているものではありません。

 (佐藤委員)

 多数支払いにおける割引の運用の対象に病院があります。病院のテレビはみんな結構高いお金を払って見ています。そういう状態がほとんどだと思います。それからすると、何で病院が同じ大規模で入るのかなという素朴な疑問が1つあります。
 それから要綱のほうで気になったのですが、11ページの「日本の今を世界に、世界の動きを日本へ」というところの一番頭のタイトルに「日本の視点を生かし、アジア各地の取材拠点も活用したニュースを発信するとともに」と最初に入っていますが、例えば日本のNHKワールドTVの発信力という意味では、みんなが期待しているのは、どっちかというとこの後に書いてある日本各地のほうだと思います。メインの仕事はどちらかということです。メインの仕事を先に書いて、附属的なことは後に書くのが普通かなと思ったのですが、その辺はこれでよいのでしょうか。

 (松原理事)

 病院の件について、私からお答えします。病院のテレビについては2種類あると思います。病院自身が備品として設置したテレビと、リース業者が病室にテレビを置いていて、カードを買うことによって患者さんが負担をしているものです。病院の備品については全部受信料をいただくことになります。リースしている病室のテレビについても、受信規約では契約の対象となります。契約数は部屋単位になりますので、部屋にベッドが4つあっても3つあっても1契約ですが、複数の部屋があるので病院の負担も大きくなります。今は全数契約をすることによって、事業所割引を適用しています。契約の部分については、今回の併用の対象になり、負担がさらに減ることになるということです。

 (佐藤委員)

 患者さんは高いお金を払っている。そこで矛盾が生じるのではないかなと思います。

 (松原理事)

 そういうご意見もあります。同じようにホテルの受信料についても、間接的に宿泊者が負担しているのではないかというご意見もあることは承知をしています。しかし、今の段階では事業所割引と多数一括割引を併用することで少し負担を減らしていく方法で検討しているということです。今より病院側の負担が減るわけです。今までは事業所割引しか適用されてないのが、衛星契約が10件以上の多数一括割引が併用になって負担の割合が減るわけです。そのことで間接的に患者さんの負担が減るということもあり得るということです。

 (佐藤委員)

 もちろん、大きく見るとそのとおりです。だから視聴者がお金を払ったテレビが免除されることになるわけなので、誰が一番得をするかということだと思うのです。

 (上田会長)

 受信料に関しては先ほども少し触れましたが、本当にいろんなご意見はあろうかと思います。それについてはできるだけ真摯にお答えしたいと思いますが、それぞれ個々人にいろんなご意見があり得るのです。私が会長になってすぐ「受信料制度等検討委員会」を立ち上げたのは、座長の安藤先生以下、長年にわたってこの研究をされている、そういった方々の意見を答申としてもらわない限り、NHKの内部でどれだけ詰めても、なかなかいろんなご意見があって結局まとめ切れない部分があると思っているからです。ですからご意見は真摯に伺い、「受信料制度等検討委員会」にもフィードバックしながら進めていきますが、これはある程度トータルの整合性を持った仕組みとして、そういった専門家の方々のご意見を十二分に尊重しながらやるという方向で、やらせていただきたいと思いますので、それをご理解いただきたいと思います。

 (荒木理事)

 NHKワールドについて担当としてお話しします。「日本の今を世界に」で日本への理解を深めていくという国際放送の基本的な方針は、国際番組基準にも定められており、まったく揺るぎないものです。ここに書いてあるアジア各地の取材拠点を活用したニュースの発信についてですが、NHKは世界をカバーする公共放送でありますけれども、海外総支局の特派員の半分をアジアに駐在させています。そういう意味で、NHKの強みは、アジアの取材拠点が多いというところですので、その発信力を強化して生かしていきたいということです。そういうニュースの発信とともにあくまでも日本の理解を促す番組の充実、というふうになっておりますので、勘違いするようなこともないと思います。重点はあくまでも日本各地の魅力を伝えるニュース番組、そして日本への理解、日本の政治、文化、経済、そうしたものに対する幅広い理解を深めていくということです。そういう意味での揺らぎはないのではないかと私は思います。

 (長谷川委員)

 前回申し上げたところなんですが、とにかくこういうものは、今佐藤委員がおっしゃったとおり、ぱっと見て意味がぱっと通じるものでないと意味がないと思います。もう一回この表現は見直す必要が絶対あると思います。

 (渡邊委員)

 約200億円のいわゆる還元をするということが、約1年前にすでに外部やマスコミにも出たわけです。そしてそれがこの1年の間にこういうふうに変わった。前の約200億円の還元という数字に非常に縛られている状況ですね、今は。
 今、上田会長がお話ししたように、そこが甘かった。あるいは3か年計画の中では、昨年入っていなかった予算が入った、たとえば「働き方改革」とか、それから私も営業の仕事をやっておりますので、営業の仕事をする人の処遇改善、要員確保の困難さ、辞める率、こういうものが、すごく切実な問題だというのは分かります。
 ただ、NHKという組織はそういう苦労をしていないのではないか、世間的にはそう思う人が多いような気がします。ですから例えば辞める人が沢山いるなどのことを、もっとオープンにして、そしてそういう人たちに対しての待遇改善とか、あと先ほど言いましたように、いろんな3か年の間にレベルの高い、質の高い、いろいろなNHKの計画を立てたのを遂行するために、これだけのお金が必要なんだということを丁寧に説明するというのが、私は一番大切ではないかなと思います。去年の約200億円というのが私たちにも非常にこびりついていて、外部でもその時の3%の値下げ案というのが、いろいろな形でそれが今もまだ生きてるような状況ですので、こういう説明に苦労するのではないかなというふうに思いますので。

 (上田会長)

 渡邊委員がおっしゃるのは私どももまったく同じです。まったく同じだから大橋理事のほうから、約200億円からスタートして説明しているわけです。ただ、あの時点でこれも入ってない、これも入ってないというのがあるのに、どうしてそんなに無理に約200億円の値下げをやるんですかと、経営委員として、当時、私も言っていました。ただ、何度も何度も打ち合わせして何とかできるところまではやろう、ということで出てきたのが70億円だということは、昨年から一緒にいろいろ議論させていただいている経営委員の皆さまには、ご理解を願いたいと思います。

 (堰八委員)

 以前お話を聞いたのですが、毎年2%ずつ、5年間、職員の皆さんの給料をこれまで下げてきて、今年は最終年度で一応完了すると、それは皆さんのご努力に非常に敬意を表したいと思うんですが、職員のインセンティブというか、その辺はどうお考えかをぜひ教えていただきたいと思います。

 (上田会長)

 それも私のほうからお答えします。NHKは予算に基づいて実際の執行をやっていますので、予算を超えるような形は、特殊な場合、予算相互の流用ができる場合を除いてはできないわけです。したがってどうしても決算は予算よりも低くなります。人件費関係でも、結果として決算のときには予算が余るようなことになっています。先ほど堰八委員もおっしゃいましたが、トータルとして今年度まで5年間で10%、全員給与カットしているのです。世の中にある意味逆行してやってきました。何とかこのあたりは再考の余地があるとは思っているのですが、かといってトータルの予算を上げるというのは社会的に認められないだろう。したがって、いまある原資で予算と実績の間の部分をうまく活用したり、給与体系そのものをインセンティブの要素を高くしたり、働き方の内容も含めて大きく人事の仕組みそのものに手をつけようと思っています。
 私は就任した初日から言っているのですが、約1万人、連結で約1万6,000人の人を預かって、一番大切なのは個々の職員のやる気の総和の極大化だ、これが私の経営に課された責務だと、こう思っています。いかにしたらやりがい、働きがいの総和が極大化するかという面では、堰八委員がおっしゃってくださいましたように、人事の仕組み、処遇も含めていろいろ検討しているところです。

 (長谷川委員)

 この206億円という数字は、去年の経営委員会で全員が、これは無理、甘すぎるという意見で、はっきりと議事録にも記録されています。われわれ経営委員会がそれに縛られる必要はないということを、どこかの機会できちんと確認したほうがよいのではないかという気がいたします。

 (森下委員)

 この負担軽減策で、学生の免除については現在の制度では難しいというのはよく分かりました。しかし将来的に考えて、ネットの時代になるときに、若い層がいかに最初から見てくれるかということから考えると、次の段階では「経済弱者」という立場ではなくて、むしろネットの時代に若年層をどう扱うかという制度に変えていくべきだと思うんです。
 ぜひそういう観点で考えていかないとだめだろうというのが私の印象です。

 (坂本専務理事)

 ご指摘の点はまさにわれわれも森下委員とまったく同じ認識を持っております。制度上どういう形できちんとこれが担保できるのか、何かできることがあるのかないのか、なお検討しているところです。いずれにしても「経済弱者」という視点ではなく、総務省の「放送を巡る諸課題に関する検討会」でわれわれもご報告をしているとおり、これからのネットとの融合の時代をわれわれ公共放送がどういう形でハンドリングしていくかの一番のベースにある若者、インターネットを見る、聞く若者をどう捉えるかというのは、避けて通れない課題です。そういう抜本的な改革もありますので、われわれとしてもしっかりこれからやっていく課題だと認識しております。

 (松原理事)

 私も今、坂本専務が言ったように、制度の考え方として、どういう形でこれをやれるかということが大事だと思います。

 (上田会長)

 先ほどから申し上げましたように受信料制度というのは、NHKの裁量で簡単にはできない、したがって「受信料制度等検討委員会」というものを設けたということを、まずご理解いただきたい。その上でいろんな指摘を「受信料制度等検討委員会」の先生方からいただいていますので、もう少し詰めさせていただきたいと思います。今日はそういう難しいことであるということをご理解いただいた上で、もしこれが説明のつくような形で学生に対する負担軽減策が打てるのであればと考えています。もし説明がつけば何とかしてやりたいと、ただ、説明が結構難しく、個人の属性だけでは必ずしもうまくいかないところがありますので、ちょっとお時間をください。検討します。

 (森下委員)

 分かりました。

 (小林委員)

 「受信料制度等検討委員会」の方々に、今の仕組みの中での整合性だけではなくて、NHKとしての将来的な継続性、サステナビリティーというところを考えて議論をしていただきたいと、経営委員会からの希望があるということをお伝えいただきたいと思います。

 (上田会長)

 オリンピックのときには最高の技術を使った情報の提供をやりたいということで、何とかそこまでに常時同時配信、それでインターネットを補完的にやりたいのです。ただ、将来的には、通信と放送の融合時代における受信料制度のあり方というのは、ドイツもイギリスもそうですが、何年もかけて学会その他を巻き込んで議論しているわけですので、それは火を消さないで新しい仕組みを考える。
 公共放送としての自主・自律を守りながら、しかも通信と放送の融合の中でどういう仕組みがよいのかというのは、本当にオリンピックというそういうある程度スケジュールが決まっているものを超えて議論を続けていきたい。そういう議論も「受信料制度等検討委員会」にはお願いしたいと思ってます。

 

 

○ NHK3か年計画(2018−2020年度)について

 ・ 意見交換(資料)

   NHK3か年計画(2018−2020年度)について経営委員による意見交換を行った。

 

 ・ 集中討議「グループ経営改革とガバナンス」

   NHK3か年計画(2018−2020年度)についての集中討議として、グループ経営改革とガバナンスについて執行部より説明を受け、意見交換を行った。

 

 

  以上で付議事項を終了した。

 

 

 上記のとおり確認する。

 

 平成30年1月30日    

石 原  進

 

 

高 橋 正 美