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第1290回
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平成29年9月29日(金)公表
  ※NHK3か年計画(2018−2020年度)について は平成30年2月2日(金)公表

日本放送協会第1290回経営委員会議事録
(平成29年9月12日開催分)

第1290回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1290回経営委員会

 

<会 議 日 時>

平成29年9月12日(火)午後1時00分から午後5時30分まで

 

<出 席 者>

〔委  員〕

  石 原  進 本 田 勝 彦 井 伊 雅 子
    小 林 いずみ   佐 藤 友美子 堰 八 義 博
    高 橋 正 美   中 島 尚 正 長谷川 三千子
    森 下 俊 三   渡 邊 博 美  
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔役  員〕

  堂 元 副会長 木 田 専務理事 坂 本 専務理事
  児 野 技師長 根 本 理 事 松 原 理 事
  荒 木 理 事 黄 木 理 事 大 橋 理 事
  菅   理 事 中 田 理 事  

 

 

<場   所>
放送センター  22階経営委員会室  21階役員会議室

 

<議   題>

 

○ 視聴者のみなさまと語る会(熊本)の開催について

 

付議事項

 

1 会長報告(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)(資料5)(資料6)

 

2 報告事項

 (1) 平成29年度後半期の国内放送番組の編成について(資料1)(資料2)

 (2) 平成29年度後半期の国際放送番組の編成について(資料)

 

○ NHK3か年計画(2018−2020年度)について

 

○ 説明会「3か年の収支計画(案)について」

 

 

議事経過

 

 石原委員長が開会を宣言し、経営委員会を開催。

 

○ 視聴者のみなさまと語る会(熊本)の開催について

 平成29年度の「視聴者のみなさまと語る会」の第5回目を、平成29年10月28日(土)に熊本放送局で開催することを決定した。

 

<副会長、専務理事、技師長、理事入室>

 

 本日の付議事項および日程について説明。第1289回(平成29年8月29日開催)の議事録を承認し、所要の手続きを経て、平成29年9月15日に公表することを決定した。

 

 

付議事項

 

1 会長報告(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)(資料5)(資料6)

 (堂元副会長)

 本日、NHK受信料制度等検討委員会から諮問第2号「公平負担徹底のあり方について」および諮問第3号「受信料体系のあり方について」の答申をいただきましたので、担当の松原理事より説明します。
 また、答申に先立ち実施した「答申(案)概要」に対する意見募集の結果についても、あわせて説明します。
 (松原理事)
 本年2月に、NHK受信料制度等検討委員会に諮問した3つの諮問事項のうち、諮問第2号「公平負担徹底のあり方について」および諮問第3号「受信料体系のあり方について」の答申が整い、本日午後、検討委員会の安藤座長より答申の提出を受けました。
 お手元に、諮問第2号および諮問第3号ともに、「答申」、「答申の参考資料」、「答申(案)概要に関する意見募集の結果」の3つの資料があると思います。まず、諮問第2号の答申について、この「答申」の3ページから5ページにある要旨をもとに、ポイントを説明します。
 3ページの上段をご覧ください。まず、検討の背景についてです。検討委員会では、先ほど申し上げたとおり、諮問第2号として、受信料の公平負担徹底のあり方について諮問を受け、検討を進めてきました。諮問の内容は、ここにあるとおり、「今後、さらなる公平負担の徹底と営業経費の抑制を図るため、諸外国の公共放送の取り組み事例等を踏まえ、国内の諸制度との整合性、視聴者・国民の理解の観点から、適切な制度整備のあり方について、見解を求める」というものです。
 この諮問に対して、答申は、まず受信料は、NHKが自主・自律を堅持しその社会的使命を果たすための財政的な基盤であり、受信料制度は、視聴者・国民が受信料を公平に負担することによって成り立つものとしています。そのうえで、受信設備を設置した者のうち、約20%は受信料の支払いがまだなく、支払っている多数の者にとって不公平な状態となっており、制度の趣旨や不公平感の解消の観点からも公平負担の徹底が必要としています。さらに、公平負担の結果としての受信料収入の増加については、放送サービスの充実や視聴者・国民の負担軽減等という形で還元につながり、視聴者・国民の利益に結びつくことになるとしています。続いて、NHKはこれまでも公平負担の徹底に向け、現行制度内でさまざまな取り組みを進めているものの、自主的な申し出の割合が限定的であり、訪問活動が不可欠となっているが、オートロック式共同住宅の増加等、住環境・生活時間帯の変化により、訪問活動による受信者の把握や面接が、視聴者・国民の生活様式に合わない状況も生じてきているとしています。
 以下は、検討の論点と内容となります。今、申し上げたような状況に鑑み、受信料の支払率が90%を超える主な海外の公共放送の事例を参考に、「居住情報の利活用制度」「受信設備の設置状況の確認制度」「不払い等を抑止する制度」「公共料金等との一括支払い制度」の4つの制度について、検討したとしています。4ページをご覧ください。まず、「居住情報の利活用制度」についてです。「居住情報の利活用制度」は、NHKが公益企業等に対して、受信契約が確認できない家屋の居住情報を照会することにより、郵送による契約案内を可能とするものです。この制度は、視聴者にとって訪問を受けることなく契約手続きを簡便に行なえるという利点があり、目的には公益性・合理性が認められることから、制度を整備する妥当性があると考えられるとしています。その上で、具体的には、照会できる情報の内容を氏名・住所に限定するとともに、利活用の目的および照会先についても限定し、必要な範囲内に限り、情報を照会する制度を検討することが妥当と考えられるとしています。
 続いて、「受信設備の設置状況の確認制度」についてです。この制度は、NHKからの郵送による照会に対して、受信設備を設置していない場合は申し出てもらうことなどにより、設置状況を確認するものです。この制度により、受信設備を設置していない者は、申し出ることにより訪問による契約勧奨を受けることがなくなるという利点があり、目的には公益性・合理性が認められること、また、視聴者からの申し出以外にNHKは受信設備の設置状況を確認する方法がないことから、制度を整備する妥当性があると考えられるとしています。その上で、具体的には、NHKからの照会に対して未設置の申し出がないことに加えて屋外の受信設備が確認できることと組み合わせるなど、合理的な前提事実に基づき設置を推定したうえで契約を求め、設置していないことが確認できた場合は契約を求めない制度を検討することが妥当と考えられるとしています。
 続いて、「不払い等を抑止する制度」についてです。放送法には罰則が規定されておらず、罰則を法制化しようとする場合には受信料の支払義務を法律に規定することが必要となるが、このような罰則を伴う支払義務化を行うことは、NHKの公共放送としての性格への影響などを考慮すると、慎重に検討すべきであるとしています。「不払い等を抑止する制度」としてはすでに受信規約に割増金が規定されており、その運用について検討することが妥当と考えられるとしています。
 続いて、「公共料金等との一括支払い制度」についてです。この制度については、支払いに関する利便性が向上することなどから、その仕組みを整備・運用する必要性はあると考えられるとしたうえで、事業者に対して義務を法的に課す形は、公共放送としての性格や使命に疑念を持たれる可能性があり困難と考えられる。現在、NHKが一部で行っているように、自主的な取り組みを推進する形が妥当と考えられるとしています。
 最後に、5ページに「おわりに」として、まとめが入っています。答申では、受信料の公平負担が重要であり、採りうる制度について見解を示しているが、制度の整備・運用にあたっては、視聴者・国民の理解を得ることが重要であり、NHKが信頼され、公共放送として求められる役割・機能を果たしていることが前提であること、また、どの程度の公平負担の徹底と経費の削減が期待できるかを具体的に示すことが重要であること、そして、不公平な状態が解消され、視聴者・国民に対する適切な還元がなされることを期待することについて記載されています。
 6ページ以降の本文には、今ご説明させていただいた要旨の順番に沿って、その内容が記されています。詳しくは本文をお読みいただければと思います。また、次の資料は答申の参考資料となります。あわせてご覧ください。
 続いて、諮問第2号の意見募集の結果について紹介させていただきます。資料「諮問第2号『公平負担徹底のあり方について』答申(案)概要に関する意見募集の結果」をご覧ください。
 意見募集を7月26日から8月15日までの期間で行い、131件のご意見をいただきました。内訳は、個人が112件、団体が19件でした。「答申(案)概要」に関するご意見は約100件で、そのほかは、諮問第1号に関連したご意見や、NHKの放送内容、事業運営に関するご意見でした。2ページと3ページが主なご意見ですが、訪問によらない契約勧奨を希望するご意見、料金を支払った方にのみ放送番組を視聴できるようにする、いわゆる「有料スクランブル方式」を推奨するご意見、「居住情報の利活用制度」における個人情報の取り扱いに関するご意見、「不払い等を抑止する制度」において、割増金の適用要件が明確であっても、状態の立証は困難ではないかとのご意見、制度の整備・運用にあたっては視聴者・国民の理解を得ることが重要であるとのご意見がありました。検討委員会はこれらのご意見を受けて、検討委員会としての考え方をまとめるとともに、この答申において、意見募集に付した「答申(案)概要」から記述を追加しています。その内容は、お手元の資料のとおりです。
 次に、諮問第3号の答申について説明します。諮問第3号の「答申」の3ページと4ページにある要旨をご覧ください。
 まず、検討の背景についてです。検討委員会では、諮問第3号として、受信料体系のあり方について諮問を受け、検討を進めてきました。諮問の内容は、ここにありますように、「メディア環境や社会経済状況等の変化を踏まえ、受信料の負担の公平性や財源の確保等の観点から、世帯および事業所の契約・受信料免除の合理的なあり方等について、見解を求める。」というものです。
 この諮問に対して、答申は、メディア環境や社会経済状況が変化するなかで、今後も受信料負担の公平性を確保し、NHKが社会的使命を果たすための必要な財源を維持していくにあたり、現行の受信料体系のあり方についてその妥当性をあらためて検討する必要があるとしています。
 以下は、検討の論点と内容となります。まず、「世帯における契約のあり方」についてです。世帯における受信契約の単位については、現時点では依然としてテレビ受信機が視聴端末の主流であり、住居におけるテレビ受信機は世帯で設置しているものと認識されている状況は大きく変化していないこと等から、「世帯単位」を維持することが妥当であるとしています。そのうえで、世帯の定義は放送受信規約において「同一生計かつ同一住居」と定められているが、同一生計で別住居である場合の負担のあり方についても検討の対象となりうるとしています。検討の選択肢として、家族割引の拡大や世帯の定義の変更も考えられるが、免除制度との整合性や負担の公平性の確保等を十分に考慮し、慎重に検討することが必要であるとしています。
 続いて「事業所における契約のあり方」についてです。事業所における契約単位については、「施設単位」や「機器単位」も選択肢となりうるとしたうえで、いずれも負担の公平性や受信料収入の減少等の観点から課題があるとともに、単位の変更は現行受信料体系との整合性や運用の実効性を十分に考慮することが必要であり、事業所における契約のあり方を検討する場合でも、現時点では、「設置場所単位」を維持したうえで、メディア環境や社会経済状況の変化、事業者間の公平性、世帯における負担とのバランス等を十分に考慮し、慎重に検討することが必要であるとしています。
 続いて、「受信料免除のあり方」についてです。受信料免除については、今日でも受信料の基本的な性格は変わっておらず、負担の公平性を重視し、限定的に運用するという基本的な方向性を継続することは適切であるとしています。
 そのうえで、「ただし」として、免除の対象について、社会経済状況や社会福祉にかかわる制度の変更などが生じた場合にあらためて検討することまで妨げるものではないとし、検討する際には、他の負担者の理解を得られること、免除基準に生じた不公平性や不合理性の解消を目的とすること等を十分に考慮し、真に免除が必要な経済弱者に限定することが重要であるとしています。
 最後に、「おわりに」として、まとめが入っています。
 受信料体系のあり方は、視聴者・国民の負担のあり方そのものであり、常に公平性・合理性のあるものとして広く視聴者・国民に受け入れられることが必要であること、そのために、NHKには常にメディア環境や社会経済状況の変化等を注視し、視聴者・国民の声を把握しながら受信料体系のあり方を検討することが求められること、そして、受信料体系が常に時勢に適合したものとなるよう、今後も引き続き検討していくことを期待することについて記載されています。
 5ページ以降の本文には、今ご説明させていただいた要旨の順番に沿って、その内容が記載されています。
 また、次の資料は答申の参考資料となりますので、あわせてご覧いただきたいと思います。
 もう1つ、諮問第3号の意見募集の結果についてご紹介します。
 資料「諮問第3号『受信料体系のあり方』答申(案)概要に関する意見募集の結果」をご覧ください。
 諮問第2号と同様、7月26日から8月15日までの期間で行い、2,268件のご意見をいただきました。内訳は、個人が2,230件、団体が38件でした。裏面の2ページが、主なご意見ですが、世帯における契約のあり方について、長期的に「個人単位」や「機器単位」を検討する際の負担に関するご意見、受信料体系のあり方について、視聴者・国民の理解が重要であるというご意見、常時同時配信が実現した場合の受信料体系について見解を求めるご意見がありました。諮問第2号と同様、これらのご意見を受けて、検討委員会としての考え方をまとめるとともに、この答申において、意見募集に付した答申(案)概要から記述を追加しています。
 意見募集の結果については、諮問第2号および第3号ともに、意見に対する検討委員会としての考え方を付したうえで、本日中にホームページで公表する予定です。

 (長谷川委員)

 今この中で一番のプロフェッショナルは松原理事ご自身だと思うのですが、この両方の答申をご覧になって、ご自身の経験やさまざまな知見から、ここは微妙に違うと感じるところがあればお聞かせください。

 (松原理事)

 まず、諮問第2号答申において、公平負担の徹底ということが非常に大事だということで、これをきちんとやって増収を図れば、還元によって視聴者・国民の利益につながるということを強く言われています。その点に関しては私もそのとおりだと思いますし、さらに努力をしていかないといけないと思います。この先、例えば支払率90%を目指すという水準になると残された未契約者からの契約化は大変困難になり、支払率を上げていくのはなかなか厳しくなります。そこで、NHKが法律に基づいて居住情報を利活用させてもらうようなことがあれば、訪問活動の軽減など営業経費の削減にもつながり、より効率的な営業活動ができると思います。
 諮問第3号答申については、契約の単位や、免除のあり方について、おおむね今の考え方で妥当という内容になっていると理解しています。ただ、この先もいろいろと社会経済状況が変わっていきますから、やはりNHKは常にそうした状況を把握した上で、公平性・合理性を担保するため、受信料体系、免除基準については、引き続き不断に検討していかないといけないと思っています。

 (中島委員)

 第3号の12ページですが、免除の対象に関するところで、「免除対象を検討する際には、真に免除が必要な経済弱者に対象を限定する」ということが読み取れます。現行では義務教育の学校は免除されているかと思いますが、新たに検討する場合には、ここで書いてある「経済弱者」という意味で判断するとなると、学校は免除の対象外になるということでしょうか。答申案の文章からは、学校の扱いがよく読み取れないのですが。

 (松原理事)

 今の免除制度については、教育的な見地と社会福祉的見地から免除しているというところですが、答申は中身についてはそこまで具体的に言及していないと理解しています。

 (中島委員)

 学校を外そうとは言及してないのですね。

 (松原理事)

 はい。ご承知のように、免除はほかの人々の負担の上に成り立っている制度ですので、やはりそことの整合性をきちんととっていくということです。NHKとしては免除の対象を限定的に運用してきたというのが今までの流れで、その方向性には間違いはありませんというのが今回の答申です。免除基準を具体的にどうしていくかというのは、この答申を受けてわれわれがこれから考えるということです。

 (森下委員)

 この諮問2号ですが、よいことをいろいろと書いていただいていまして、「居住情報の利活用制度」と「受信設備の設置状況の確認制度」、これらは非常に有効だと思います。これについては、法律を改正しないでもできるのでしょうか。それだけでもNHKとして早急に実行すべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

 (松原理事)

 いま言われた2つの制度については、今は規定がありません。法律にきちんと規定をしてもらわないとできない内容と理解しています。

 (森下委員)

 規定がないからできないというのか、あるいは規定していないからやってよいというのか、どうでしょうか。

 (松原理事)

 法律に基づいてNHKが照会できるという規定がどこにもありません。

 (森下委員)

 郵送で契約を確認するということは放送法で規定しなくてもできるのではないですか。

 (松原理事)

 契約の案内を郵送しようにも、その住所に誰が住んでいるかがわからないということがあります。照会してその情報をNHKがいただくことができるようになれば、そこに文書で契約をお願いすることが可能になるということです。

 (森下委員)

 やはりそれは規定してもらわないとできないのですか。

 (松原理事)

 できません。

 (森下委員)

 それからもう一点、諮問3号答申で不明確なのは世帯の定義で、「同一生計かつ同一住居」と定めてあるのは、現在はもうこれで進めるよりしかたがないということでしょうか。

 (松原理事)

 いまのNHKの受信契約の単位は世帯ごととなっており、その世帯の定義は「同一生計かつ同一住居」になっています。ですから、同一生計であっても単身赴任とか、お子さんがひとり暮らしをするというのは別世帯ということになります。考え方として世帯の定義を「同一生計」に限定すれば、例えば単身赴任先も同一生計ですから、同一世帯だということになるわけです。けれども、今は「同一生計かつ同一住居」という考え方をとっていますので、別住居については家族割引を適用して半額ということにしています。世帯の定義を「同一生計」だけにするということも、考え方としてはあるということですが、現時点では、今の世帯単位の考え方は「同一生計かつ同一住居」が妥当であるというのが答申の内容と理解しています。

 (森下委員)

 いろいろ考え方がありますが、結局、現状が妥当であるということですね。

 (石原委員長)

 単身赴任でも同一所帯ではないですか。

 (松原理事)

 規定にそって判断すると、同一生計ですが同一住居ではない。例えば単身赴任は、別のところに住んでいますので別世帯とみなす、ということです。

 (石原委員長)

 法律的には同一所帯ではないかと思うのですが。一緒に住んでいないだけでしょう。

 (松原理事)

 統計法に基づく国勢調査令というのがあり、この政令における世帯とは、住居および生計をともにするものの集まり、または独立して住居を維持する単身者となっています。

 (石原委員長)

 単身赴任でも週に1回帰ってくるとか、住民票は移していないなど、いろいろありますね。

 (松原理事)

 先ほども申し上げたように、世帯の定義を「同一生計」と規定すれば、別荘があっても、単身赴任でも、お子さんがひとり暮らしをしても、それは世帯という塊として見るということです。同一生計だけを要件とするという考え方も、取りうる選択肢としてはあるということですが、ただ現時点においては、今までの2つの要件を世帯の定義とするというのが妥当ではないか、ということを答申では言っています。

 (石原委員長)

 きょう、諮問第2号、第3号の答申を記者発表して、座長の記者会見があるのですね。

 (松原理事)

 はい。

 (石原委員長)

 それでは、先日報告がありました諮問第1号答申、ならびに本日の第2号、第3号の答申を踏まえ、NHKの考え方を十分に検討いただくとともに、その検討状況について随時、経営委員会への報告をお願いします。

 

 

2 報告事項

 (1) 平成29年度後半期の国内放送番組の編成について(資料1)(資料2)

 (木田専務理事)

 お手元に資料を2種類ご用意しております。ひとつは、「平成29年度 後半期の国内放送番組の編成について」で、後半期番組の概要をまとめたものです。もうひとつは放送番組の「時刻表」です。
 後半期につきましても、今年度の番組改定で定めた各波の大きな方針を堅持し、定時番組のさらなる定着と認知度の向上を目指します。そのうえで、主な変更点は次の2点です。
 1点目は「連続テレビ小説」や「大河ドラマ」の新シリーズなど、定期的な番組変更です。2点目は毎年恒例の野球のシーズンオフや欧米の夏時間の終了に伴う改定です。後半期から新たに開始する番組もありますが、これまで放送して好評を博したものをブラッシュアップしたものが中心になっています。また、改定の時期ですが、各波とも10月2日月曜日から実施します。ただし、BS1につきましては、野球のシーズン終了や欧米の夏時間の終了に伴う改定のため、11月6日月曜日から実施します。
 まず、総合テレビからご説明します。1ページをご覧ください。朝の「連続テレビ小説」は、「ひよっこ」にかわって「わろてんか」が始まります。舞台は明治後期の大阪です。「人生には笑いが必要」と考える夫婦が、寄席を経営して日本中を笑いに包みます。「日本ではじめて笑いをビジネスにした」といわれる夫婦の物語です。続いて3ページは「大河ドラマ」です。来年1月7日から「西郷どん」がスタートします。愛情にあふれた明治時代のリーダー、西郷隆盛のことを、多くの人たちは親しみをこめて「せごどん」と呼びました。勇気と実行力で時代を切り拓いたその生涯を、スケール大きく描きます。次に、4ページの中ほどをご覧ください。日曜よる11時からの海外連続ドラマは、昨年アメリカで大ヒットした話題作、「THIS IS US 36歳、これから」を放送します。誕生日が同じ36歳の男女3人の物語です。性格も置かれている状況もまったく異なる3人が、それぞれの人生の壁を乗り越え、大切なものを見つけようとするストーリーです。4ページの下から5ページにかけては、昨年度後期に放送して好評だった番組の再開です。家族の知られざる歴史をひもとく「ファミリーヒストリー」は、水曜よる10時25分から、また、落語を完璧な当て振り芝居で映像化する、新感覚の娯楽番組「超入門!落語 THE MOVIE」は、木曜よる10時25分から、そして「アニメ 3月のライオン」の第2シーズンを、土曜よる11時から放送します。
 6ページからはEテレです。いちばん下、木曜午前9時35分からの「ドスルコスル」は、小中学校の子どもたちが地域の活性化や環境、福祉、防災など、現代社会のさまざまな課題に向き合います。「総合学習の時間」に対応して子どもたちの課題解決能力を育む番組です。次に7ページ、「アニメ ピングーinザ・シティ」が土曜午前9時20分から始まります。粘土で作られた独特のペンギンのキャラクターで、世界中に親しまれてきました。今回CGアニメーションとしてEテレに登場します。続いて8ページの中ほどをご覧ください。水曜のよる11時からは、「ねほりんぱほりん」です。昨年度後半期に放送しましたが、視聴者の強い要望をうけて再開いたします。人形劇の手法を用い、テレビ出演の難しいゲストから、ねほりはほりと本音を聞きだします。そこからは「人生」「お金」「幸せ」など普遍的なテーマが見えてきます。その下、金曜よる10時からの「人間ってナンだ?超AI入門」は、いま話題のAIの仕組みを解き明かします。番組では最先端の現場も紹介。人間の知能にも迫るといわれるAIにどう対応するのか、人間の本質にも触れながら学ぶことができます。
 10ページ、BS1です。月曜よる9時からは「熱血解剖!Bリーグ」を新設します。シーズン2年目を迎え、人気が高まるBリーグですが、注目の試合や、スーパープレー、戦術などをスタジオで徹底解説します。若い世代を中心に新たな視聴者層の開拓を狙います。その下、金曜よる11時からの「ぼくらはマンガで強くなった」、そして、土曜よる11時からの「球辞苑〜プロ野球が100倍楽しくなるキーワードたち〜」は、いずれもスポーツの魅力を新しい切り口で伝える番組です。昨年度後期に放送し好評だった番組を、演出も新たに復活します。11ページをご覧ください。欧米の夏時間の終了に伴って、日曜午前5時台から8時台の編成を変更します。「PGA」ゴルフツアーは、開始時間を午前5時から午前6時に、「ワールドニュース」は午前7時から8時に変更します。
 続いて12ページ、BSプレミアムです。火曜日よる11時45分からは、海外ドラマ「クイーン・メアリー2 愛と欲望の王宮」を放送します。第2シリーズは、貴族たちの陰謀、宗教戦争など、王妃メアリーの新たな試練を描きます。水曜よる8時からの「偉人たちの健康診断」は、歴史と健康情報を組み合わせたこれまでにない新しいタイプの番組です。戦国武将や幕末のヒーロー、明治の文豪など、歴史の中から読み取れる病歴や死因、日々の食事、運動などを、現代科学の目で検証し、歴史を楽しむ番組です。13ページです。日曜朝7時30分からは、20年前NHKがアニメ化し、大きなブームになった「カードキャプターさくら」の新シリーズを放送します。当時番組を見ていた母親世代とその子どもたちをターゲットに、国際展開も図ります。その下、名作ドラマの再放送は、平成26年の連続テレビ小説、「花子とアン」を放送します。
 14ページのスーパーハイビジョン試験放送については、後半期の変更はありません。
 続いて音声波です。ラジオ第1では、木曜日、金曜日のプロ野球ナイトゲーム終了にともない、午後6時台は「先読み!夕方ニュース」、午後7時30分からは「ローカルニュース・地域の話題・気象情報」「きこえタマゴ!」などの番組を放送します。また、午後8時台以降は、「かれんスタイル」と「ミュージック・グラフィティー」を放送します。15ページ、ラジオ第2では、土曜午後6時45分から「ポルトガル語ステップアップ」を放送します。FMにつきましては、後期は新設番組がございません。
 16ページ以降は、新たに実施する補完放送などの放送計画について記載しています。データ放送については、「連続テレビ小説」、「大河ドラマ」などのほか、Eテレ「しごとの基礎英語」、アニメ「クラシカロイド2」などで行います。

 (森下委員)

 後半期のほうでは、前半のいろいろな評価、反省も踏まえて番組づくりをされると思うのですが、番組そのもののつくり方について、今回、特に若い人、いわゆるインターネット世代、その人たちをどうやってテレビに持ってくるかというのが1つの課題だと思います。前半期が終わって、そのあたりの評価はされたのでしょうか。

 (木田専務理事)

 たとえば、新学期が始まると自殺する若い人が増えるというデータがあり、8月31日に、自殺を防止することを考える番組、Eテレ「ハートネットTV」をつくって、2階建てで放送しました。それとは別に、放送途中から、ツイッターやメールで寄せられたいろいろな視聴者からのツイートやメッセージを紹介するために、ずっとライブストリーミングを実施しました。投稿された人は約2万4,000人だったのですが、お一人お一人の滞在時間が、平均で1時間32分と、驚異的な時間になりました。そこにはもちろん10代ばかりではなく、もう少し上の世代もいるのですが、自殺について考える番組というのは、例えばリビングの大きなテレビで家族と一緒に見るというのはなかなかできないと思います。ご家族のほうも「何でこんな番組を見るのか。」と思うでしょうし、自分がもしそのような気持ちを抱えていても、家族みんなで一緒に見るというのは、環境としてなかなかできないと思います。もともとスマホなどで、一人でご覧になっていたところに、そういう場ができたということが、これだけの滞在時間につながったと思います。これはかなり極端な例かもしれませんが、やはり番組と、それからインターネットでの連動によって、40代、50代、それより上の年配の方とはまったく違うNHKの触れ方が実現できたと、われわれにとっても大変よい実例になったと思います。そういったことも参考にしながら、これからいろんな番組でさらにチャレンジし、成果が上げられるように努めていきたいと思います。

 (森下委員)

 よろしくお願いします。それから、地域放送です。地方での番組の充実をお願いしていて、ぜひ地域放送局の番組も支援していただきたいのですが、関西で放送を見ていますと、地域の人を取り上げて参加してもらうという番組が結構目立つようになってきました。これは非常によい傾向だと思います。そういう意味では、本部のほうからそうした支援をしていただければと思います。

 (木田専務理事)

 地域改革プロジェクトもできていますので、今年度、さらに来年、再来年に向けて、今以上にさらに地域放送を支援して、地域放送が充実するようにさまざまな施策を打っています。ぜひそこは、どれぐらい充実していくか、それぞれの地域でご覧いただきたいと思います。

 (菅理事)

 BS1の「熱血!Bリーグ」というバスケットボールの番組ですが、各地に地元のチームがありますので、地元で地元のチームがやっているバスケットボールを見たい、中継を見たいという声もたくさんあります。これによって少しでも地域の活性化につながってくれればと思います。

 (石原委員長)

 NHKは年齢別、性別の視聴率、視聴時間といったデータはとれるのですか。

 (木田専務理事)

 NHKがとっているわけではないのですが、そうしたデータを手に入れることはできます。民間放送のデータも同時に出るので、年代、性別に合わせて、毎日そういうデータをとって分析しています。

 (石原委員長)

 先ほどの森下委員の質問ですが、若年者の視聴率を上げることについて、去年に比べてことしはどうだったのでしょうか。その数字はわかりますか。どう変わってきているのでしょうか。

 (木田専務理事)

 もちろんそれはすぐ出せます。ただ、1つお話しさせていただきたいのは、確かに若年層、特に35歳以下、あるいは10代、20代の視聴者にどうやってNHKのコンテンツに触れていただくかというのは大変重要な問題です。しかし、民間放送で例えばこういうやり方をして成果が上がっているから、それと同じ方法を、NHKでももっと取り入れたらどうだろうかというのは、なかなか簡単にいかないと思います。NHKの場合は、やはり果たすべき役割として、まず正確で迅速な情報提供、公平公正な情報提供、それから安全・安心に資するサービス、さらに番組も4波ありますから、映像だけでも、番組の多様性などを全部踏まえた上で、その上で各世代にどのように届けるかということになるのです。20代、30代の人たちが一番見るであろうという、例えば土曜日、日曜日の夜9時や10時といった時間にどういう番組を編成したらよいかという課題に、民放と同じ考え方で臨めるかというとなかなかそうはいきません。ですから、民放とはちょっと違う方法を考えて、いろいろな世代にアプローチすることが必要です。特に今回、インターネットでの利用が、ある程度いろいろな形で取り組めるようになりました。特に30代から下の世代については、NHKだけではないですが、インターネットで番組に触れていらっしゃる方が非常に多いです。そういったところに新しいやり方が見えるのではないかと考えて、いろいろなことに取り組もうと考えています。

 (石原委員長)

 もちろん、民放と同じようなことをして若年の視聴率を稼ぐということを申し上げる気はありません。NHKはNHKとしてのやり方で若い人たちをどう引きつけるか、要はコンテンツの中身の問題になってくると思います。それについてはやはり常に努力する必要があります。同時に、去年がこうだったのなら、ことしはこのぐらいを目指そうというのがあってもよいと思うのです。

 (木田専務理事)

 具体的な目標をどう設定するのかということと、全体の放送サービスのパフォーマンスの測り方は、現状でも一応持ってはいるのですが、さらにブラッシュアップした形のものをつくれないか考えています。その中で目標設定の立て方なども考えていきたいと思います。

 

 (2) 平成29年度後半期の国際放送番組の編成について(資料)

 (荒木理事)

 平成29年度 後半期の国際放送番組の編成について報告します。1ページをご覧ください。まず、NHKワールドTVですが、国内・国際の主力番組を放送する枠として、「NHK WORLD PRIME」を新設します。「ETV特集」などのドキュメンタリーを中心に、選りすぐりのコンテンツを発信し、海外の視聴者のニーズに応えていきたいと考えています。時刻表にあるとおり、各地域の好適視聴時間帯にあわせて、日本時間で土曜日の午前8時台ほか計4枠で放送します。
 次に3ページのラジオ日本です。インドネシア語放送で、現地FM局の編成にあわせて放送時間を変更します。日本語放送は、ラジオ第1のプロ野球終了に伴う例年通りの措置となっています。
 後半期の番組編成につきましては、10月2日月曜日から実施します。

 (長谷川委員)

 後期に向けて変えたところ、その狙いについてお聞かせください。

 (荒木理事)

 NHKワールドTVでは、定時番組のほかにさまざまなジャンルの特集番組を放送しています。特にドキュメンタリー番組に対しては、非常に高い評価をいただいています。平成28年度に放送した特集番組の海外番組モニター評価、これは海外の260人のモニターの方から5点満点で評価をいただいているのですが、上位番組の多くはドキュメンタリー番組です。こういうドキュメンタリー番組を今は適宜放送しているのですが、放送枠を統一することで、視聴者の利便性を高め、効果的に見ていただくという狙いがあります。NHKワールドTVのドキュメンタリー、NHK総合でつくったドキュメンタリーも含めてですが、海外にさらに発信できるよう、そのための枠をつくって放送したいということです。

 以上で付議事項を終了した。

 

<副会長、専務理事、技師長、理事退室>

 

<坂本専務理事入室>

 

○ NHK3か年計画(2018-2020年度)について
 (石原委員長)
 それでは、NHK3か年計画について、前回、経営委員間で意見交換し、出された質問、意見に関する回答、見解について執行部から説明を受けたいと思います。
 (坂本専務理事)
 前回8月29日の経営委員会でお示しした次期3か年経営計画の説明文書に対し、経営委員の方々からご質問、ご意見など21項目をいただいております。これについて回答をお伝えします。
 まず最初は、先ほどの経営委員会でも若干やりとりがありましたが、若年層、現役世代の視聴率、接触率についてです。これはNHKにとって重要な経営課題ではないかと、その要因分析を行って施策に反映していただきたいというご指摘です。若年層と現役世代にどう見ていただくかは、大変大切な問題であると強く認識しています。公共放送が必要だという人をどうやって増やしていくのかが喫緊の課題となっています。NHKが追求する公共的価値で最も大切なのは、「正確で公平・公正な情報提供」そして「安全で安心な暮らしに貢献」ということです。こうした点を踏まえた上で、より幅広い世代の人々にニュースやコンテンツが届くよう、最大限の努力をしていきたいと思っています。そのために、さまざまなメディアの利用状況なども調査し世代ごとに細かく分析を進めるとともに、若者を対象とした番組で、例えばSNSを活用したデジタル展開の成果などを共有して、現在改善につなげているところです。分析を踏まえて、幅広い年代層に視聴していただくため、それぞれのチャンネルでさまざまな可能性を探っていきたいということで、具体的な内容は現在検討中です。先日の経営計画の説明文書の中でも、9ページに一部盛り込んでいます。例えばEテレの番組で10歳前後のお子さま、それからその親を対象に調査を行いながら得られた知見を次の番組に生かすという取り組みをしています。また現役世代については、四、五十代の男女の視聴状況、感想、NHKに対する印象などをインターネットなどで調査して、課題や要望について分析し、次の番組での改定、改正につなげるよういま努めているところです。毎年度の番組編成、番組改定の中で、コンテンツ制作、SNSの活用を含めた周知・広報にも取り組んで、あらゆる世代にアプローチしていけるよう取り組んでいきたいと思っています。
 次に、2問目です。経営計画策定に向けた意見募集については、テレビをご覧になっている方に加え、テレビをご覧になっていない方の意見も聞く必要があるのではないか、そういう中で意見募集をどのように行うのかというご指摘でした。これにつきましては、意見募集を広く行うために、テレビでは総合テレビ、Eテレ、BS1、BSプレミアムの全4波で、ラジオはラジオ第1放送で、複数回のお知らせを放送しています。9月ですと1日から6日まで、それぞれのメディアを使って早朝、昼間、夕方、夜、夜遅い時間と時間帯を分けてお知らせを行い、意見募集を周知して、視聴者の方の目に触れていただけるように工夫をしているところです。9月3日は広報番組の中でも紹介させていただいています。インターネットでは、その期間中NHKオンラインのトップページで募集のお知らせを掲載しているところです。
 続いて3問目です。今後の受信料の見通しや4K・8K放送およびインターネット常時同時配信の取り組みなど、3か年計画で必要な経費を具体的に提示してほしい。また、視聴者への還元施策についても具体的に示していただきたい、というご要望です。次期3か年計画の収支の部分につきましては、今後の議論の中でお伝えしたいと考えています。受信料収入の見通し、それから4K・8Kなどの重点施策の経費についても説明します。視聴者に対する負担軽減策につきましては、本日の受信料制度等検討委員会の第2号、第3号の答申内容を踏まえて、今後の議論の中でお示ししていきたいと考えています。
 それから4番目、公共放送、民間放送とのすみ分けや、共同で取り組めることを考え、お互いの立場を理解しながら進めてほしいというご指摘です。これにつきましては、われわれもそういう意識を強く持って、現在、民放連とやりとりをさせていただいているところです。公共放送と民間放送が、いわゆる放送の二元体制で切磋琢磨しながら、時に連携し、視聴者の多様な要望、期待に応える放送サービスを提供していくということは、放送文化の発展の上でも極めて重要だと認識しています。この秋の共同ラジオキャンペーンでは、民放のインターネット同時配信サービス「radiko」に初めてNHKの「らじる★らじる」が参加する形で、一緒になってラジオを盛り上げ、ラジオの魅力を伝えていきたいと思っています。このほかにも積極的に意見交換しながらお互いの立場を尊重し、放送の二元体制をより強化していきたいと考えています。
 それから5番目です。次期3か年計画に掲げる施策の達成状況把握と評価方法についてどう考えているのかということです。これにつきましては現在検討を進めております。
 6番目、次期3か年計画の遂行の決意を表明するため、6ページに記載している重点方針の後に、「重点方針に掲げているさまざまな課題を実現するために、NHKグループ役職員が一丸となり、タテ割りを打破し、全員が一致協力して全力で取り組む」という一文を追記してはいかがかというご指摘です。また、コンプライアンス意識、コスト意識をより強調すべきではないか、ということです。これにつきましては、限られた経営資源の中で4K・8Kスーパーハイビジョンの放送、あるいはインターネットの活用など、さまざまな課題への対応を目指す次期経営計画は、NHKグループ全体としての部局を越えた連携が極めて重要だと、それがあって初めて実現できると考えています。その決意を内外に示すことは、計画の推進力にもなると考えておりますので、ご指摘の趣旨を反映する形で、これから最終版に至るまで努力を重ねてまいりたいと思っています。コンプライアンス意識、コスト意識についても同様に、最終版に至るまで努力を重ねていきます。
 次に、7問目です。2ページ目の、「世の中でいま何が問題となっているのか」という表現は、重点方針1の①に書かれています「世の中の課題や最新情報、信頼できる情報を、早く、深く、わかりやすく」に見合うような表現に改めてほしいということです。ご指摘の点については、公共放送として議題設定機能、アジェンダ設定というその役割を果たしていくことを伝えようとした部分でありますが、ご指摘もありますので、表現については今後改めていきたいと考えています。
 それから8番目です。NHKが公共放送としてさまざまな情報を多角的に取り上げ、正確・迅速で公平・公正な報道をしていくことは、いかなる時代にあっても堅持しなければならない。そのためにもみずからも公平・公正な報道姿勢を堅持しているか、客観的にチェックできる体制を整えることも重要だというご指摘をいただいています。これにつきましては、NHK放送ガイドラインがありますが、そこでは正確・迅速で公平・公正な情報で、豊かで良質な番組を幅広く提供する、放送の自主・自律を堅持することが、信頼される公共放送の生命線であるとうたっています。客観的なチェック体制が重要であることはご指摘のとおりです。局内での事前の番組考査などのチェックをきちんと行う。また視聴者の声、番組審議会の意見などを受けとめながら、公共放送の信頼を果たしていきたいと思っています。2年前の「クローズアップ現代」の事案を受けて、局内での番組チェックについては匿名チェックシートの活用、それから複眼的試写によるチェック、取材・制作の確認シートなど、新たな手法を取り入れまして、正確で公平・公正な報道姿勢をきちんと達成できるように、制作現場がそれぞれ取り組んでいます。
 それから9問目です。「いつでも、どこでも」視聴できる環境を実現する手段は、インターネット同時配信を積極的に活用するだけではなく、さまざまなインターネットサービスを活用して実現することではないかというご指摘をいただいております。インターネットの活用につきましては、放送をいち早くさまざまな環境にいる視聴者に届けるための「同時配信」、それから必要な情報を「いつでも、どこでも」使いやすい形で提供することを組み合わせることで、放送を太い幹とした上で、インターネットを通じても情報を伝えるという「情報の社会的基盤」の役割強化につながると考えておりまして、この具体的な示し方については、引き続き努力を重ねて最終版までにまとめたいと考えているところです。
 それから10番目です。9ページの③の「スペシャルな知識と感動を」という記載がありますが、スペシャルがわかりにくいというご指摘がありました。ここについては現在表現を検討中ですので、後日お示ししたいと考えています。
 次に、11問目です。インターネット配信については、「1. ネット世代である若者を含む幅広い世代にさまざまなコンテンツを届けることの必要性」と、「2. 世界的な流れや現状」を踏まえてNHKの考え方を示し、次期3か年計画に反映すべきだというご指摘をいただいています。まさにご指摘の視点は、NHKがインターネットも活用して「情報の社会的基盤」の役割を果たしていこうという考え方の背景にあり、具体的なところは検討してお示ししたいと考えています。
 それから12番目です。教育番組は、子どもたちだけでなく大人にとっても魅力的な番組を提供している実績があるので、さまざまな伝送路を活用し多くの方に視聴できる環境をつくっていただきたいというご指摘です。教育番組につきまして、その素材を活用し、料理や園芸など日常生活に活用できる実用情報や信頼できる健康情報を集めたポータルサイト、また語学、教育に関してのアプリの利便性を活用して、新しいデジタルサービスの開発を随時進めてきているところです。子どもたちだけではなく、幅広い世代に視聴してもらえる環境が整えられるよう、積極的に取り組んでいきたいと考えています。これについては9月に開設を予定していますポータルサイト「健康チャンネル」でも、さまざまな健康、医療情報の中からそれぞれの方に役立つような動画が見つけられるよう、いま工夫しながら、ニーズに応えようということで対応しているところです。
 それから13番目です。“公共メディア”への進化を強く打ち出しているが、最近の記事を見ていると、NHKがそのために取り組んでいることがきちんと伝わっていないような気がする。視聴者に対して、どのようにそうした取り組みを行っているのか伝えることが大事ではないかというご指摘です。“公共メディア”への進化は、視聴者を取り巻くメディア環境の変化を受けまして、放送に加えてインターネットなどのメディアも活用して、「情報の社会的基盤」として公共的な使命を果たしていきたいということを示したものです。NHKとしての考えをしっかりと伝える努力をするとともに、視聴者の皆さまにもご理解いただけるよう、効率と創造を追求する経営にもしっかりと取り組んでいきたいと考えています。
 次に14番目です。受信料で開発した8Kスーパーハイビジョンを、放送以外のさまざまな分野で活用することは、8K技術の普及と社会貢献の点で大変重要な取り組みではないかと、グループが中心となって日本全体の活性化に向け可能性を追求してほしいということです。ご指摘のように、放送以外で8Kの持つ可能性は非常に大きいものがあると感じています。前回の意見交換の場でも、医療分野、技術分野での活用について紹介させていただきました。放送以外の可能性ということを強く意識して取り組んでいきたいと考えています。先日プレスリリースがありましたが、メーカーが8Kモニターをことし10月に中国で発売し、12月には日本でも発売するということでした。次の3か年計画の間には、8Kモニターなどの機材もかなり充実が図られるのではないかと思いますので、国内外問わず、放送それから放送外の展開についても、急速な普及があるのではないかと考えているところです。NHKが開発したこのスーパーハイビジョン、8Kについては、単にNHKだけではなく、「日本の8K」と言われるように、取り組みを加速してまいりたいと考えています。放送外活用につきましては関連団体との連携が必要になりますので、グループ全体としての取り組みとして進めてまいりたいと思っています。
 それから15番目、公平負担を徹底することは、受信料で運営している公共放送、NHKの責務であり、3か年計画でも最大限努力していただきたい。現経営計画では「支払率80%」「衛星契約割合50%」を目標としていますが、次期3か年計画での具体的な取り組みを示してほしいということです。目標や具体的な取り組みについては検討中ですが、今後お示ししたいと考えています。
 次に16番目です。「受信料の公平負担に向けて最大限努力」という記載があるが、「営業体制の整備」などわかりやすい表現にすべきではないかというご指摘です。ご指摘を踏まえて、ここについては現在、表現を改めるよう取り組んでいるところです。
 それから17番目です。継続的に受信料徴収を行っていく上で、735億円にのぼる営業経費は過大であり、営業経費の考え方、例えば使途、効果を整理し、効率化についても示してほしいということです。支払率や衛星契約割合の向上と同時に、営業経費の抑制は重要な課題と認識しています。テレビの所有率が低下し、契約対象世帯数減少など、営業環境が厳しくなる中で受信料収入を増やしていくには、契約増加への営業体制の強化が必要不可欠と考えています。しかし、契約収納活動を担う訪問要員に関して言いますと、労働市場における要員不足の状況もあり、その確保がなかなか困難になっていること、法人事業者、訪問要員の質の向上、クレームの抑止あるいは不正行為の根絶、こうしたところに取り組む必要があることから、一定の経費増は避けられないと考えています。一方で情報活用、自主申出の促進や公益企業などとの連携といった営業改革を進めることにより、訪問によらない営業活動を強化し、営業経費の節減に努めてまいりたいと思っています。この営業経費の考え方につきましても、今後の議論の中でお示ししたいと考えています。
 次に、18問目です。視聴者から必要とされるNHKを目指し、グループが一体となって質の高い放送サービスを提供することは大事であると、そのため、まずは関連団体等の業務の整理をしっかりしていただき、NHKグループで行うものは要員、コストをかけてしっかり行い、外部に発注するものは効率性を上げるよう努めてほしい、経営委員にもその整理が分かるようにしてほしいという意見です。これにつきましては、NHKグループ一体となって次期経営計画の取り組みを進めるために、現在、放送、技術、管理といった分野ごとに改めて業務を洗い出し、どの業務をNHK本体で行い、何を関連団体に委ね、何を外部に切り出すのかという整理、再構築を進めているところです。グループで維持すべきノウハウなどを明確にしながら、グループとしての総合力を高めて効率性も上げていきたいと考えているところです。
 それから19問目です。NHKグループが一体となって質の高い放送サービスを提供していくにあたって、関連団体の業務についても公共的価値に沿って精査していただきたいということです。関連団体が行う自主事業については、定期的に開催しているマネジメント連絡会などで報告を受け、その内容の確認、チェックを行っているところです。関連団体にふさわしい内容かどうかを確認し、承認しています。今後も適切な事業運営が行われるよう、指導、監督していきたいと思っています。この質問に関連して、前回の経営委員会でも教育・健康などの番組テキストの広告の考え方についてご指摘がありました。これについては、広告掲載基準などに照らして、その都度精査しています。NHKの公平性や公共性を損ないかねないもの、また、意見の分かれる商品などについては、受け付けないといったルールを設けています。NHKが特定の商品を推奨しているかのように受け取られることのないように、グループ全体として細心の注意を図ってまいりたいと考えているところです。
 次に、20問目、人口や世帯数が減少し財源確保等において厳しい状況が想定される中、インターネット、4K・8Kの新たなサービスを展開するために、業務の見直し、要員シフトなどの効率化を行うだけでなく、NHKグループ全体の要員規模の見直しについても具体的に検討して示してほしいということです。現在、経営企画局、人事局、関連事業局が中心となって、次期3か年に必要な要員の規模や、NHK本体と関連団体の業務の仕分けなどの検討を進めているところです。別途これについてはお示ししたいと考えています。実現すべき新サービスの範囲や規模を精査しながら、必要な要員増は既存業務の見直しやスクラップなどにより確保することを原則として、縦の所管部局とも連携しながら、グループ全体の適正な要員規模を把握しコントロールしていきたいと考えています。
 最後、21問目です。新たなサービス対応のため、適正な要員配置や業務に適合した人材育成が不可欠だ。3か年計画においてグループ全体の取り組みとして、“公共メディア”にふさわしい要員配置の考え方や、具体的な育成方針を示してほしいということであります。次期3か年の要員配置につきましては、NHK本体と関連団体を一体とした検討を進めているところです。人事局、関連事業局と各関連団体の縦の所管部局が連携しながら、グループ全体で効果的な人材配置の実現を目指しています。人材育成につきましては、本体幹部職員の関連団体への出向を拡大、職員のマネジメント能力を高め、グループ経営を推進する人材を育成する一方で、関連団体社員の本体への流動的な出向も積極的に進めて、グループ内におけるノウハウの共有、意思疎通の円滑化を図っていきたいと考えています。人材育成については、新たなサービスに対応できるよう、デジタル系の制作会社あるいは広告代理店への派遣、海外留学などを進めているところです。最先端のサービス、ノウハウを持つ外部人材のキャリア採用についても進めているところです。職種別には、例えば事務部門は、地域放送局で広範に基礎力を身につけた後、本部で専門性を高めるという方針、技術部門では、基礎を本体で身につけた後、関連団体に出向し専門性を高め、再び本体に戻るようなキャリア育成を進めていく方針です。こうした本部と地域局、本部と本体と関連団体、それぞれが一体となった育成によって、“公共メディア”としてのスキル及び使命感を高めていきたいと考えております。
 以上、21項目についての回答をさせていただきました。よろしくお願い申し上げます。

 (長谷川委員)

 7番目の回答でアジェンダ設定と説明がありましたが、これはどういうことを考えていらっしゃいますか。

 (坂本専務理事)

 世の中でいま何が課題となっているのかとか、そういうワーディングです。

 (長谷川委員)

 前回「重点方針1の①『世の中の課題や最新事情、信頼できる情報を早く、深く、わかりやすく』に見合うように」と指摘しました。私がもとの計画案の2ページの「世の中でいま何が問題となっているのか」という表現に問題があるのではないか、と申し上げたのは、世の中で問題となっていることを騒ぎ立てることが、公共放送の役割ではないでしょうということです。ですから前回、正確には、「いま、世の中で問題になっていることを『広い視野から正しく分析』」と、つまりいま問題になっていることは果たして本当に問題なのか、あるいはその問題が正しく問題とされているのか「広い視野から正しく分析」という表現にしていただければ、すっきりしたと思います。
 この8番について、「放送の自主・自律を堅持することが信頼される公共放送の生命線である」という説明がありました。普通、自主・自律と言うと、政権や政府から自立していれば自主・自律が保たれるという雰囲気があるのですが、世論、世の中の空気からも自主・自律を保つということがはっきりとうたわれている必要があると思います。「いま問題となっていることを広い視野から正しく分析」と書けば、政府・政権からも、世の中の論調・空気からも、自主・自律が担保されると考えます。

 (坂本専務理事)

 ご指摘の点、放送の自主・自律、放送ガイドラインでうたっておりますので、それをまず堅持することが信頼の第一歩であると思っています。

 (長谷川委員)

 大事なところは、政権、政府からだけでなく、世の中の風潮・論調・空気からも自主・自律を保つNHK独自の理性的・理知的な態度が必要になってくるということです。NHK自身が高い知性を持った放送グループとして自主的に判断する。そこにNHKの公共放送としての一番柱があるのではないかという気がします。自分の意見は置いておいて、あっちもこっちも聞きましたということで満足してよいのか、ということも含まれます。

 (経営企画局)

 NHKが自主・自律というときの「りつ」は、「律」、みずからを律していくということです。それから、アジェンダ設定は、伝統的な報道機関・ジャーナリズムの基本的な機能として、アジェンダを設定する機能と世論を認知させる機能、そこに公共的価値があると言われている、そのことを申し上げております。例えば7ページの「正確な情報を多角的に取り上げ」というところで、多角的視点の確保ということは記載しています。

 (長谷川委員)

 アジェンダ設定は非常に大事だと思います。だからこそ正しく課題を設定しないと有害なことにもなり得るという認識も同時に持っておくという意味での自律ですね。本当に正しい道筋で考えているかを絶えず自分たちでチェックする機能が大事とありましたが、そこともつながってくると思います。簡単な短い表現では難しいと思うのですが、そうしたNHKの姿勢がはっきり出るように工夫していただきたいということです。

 (坂本専務理事)

 できるだけ努力を重ねたいと思っています。

 (森下委員)

 いまの話で大事なのは、世論とか世の中の空気に流されているのを、やはり報道機関としてきちんとチェックすべきだということだと思います。インターネットを見ていると、NHKの報道に対してかなり否定的な意見がたくさん出ています。だから、やはり放送する立場としては、いろいろな立場、意見があることをきちんと意識して報道しないと、片一方だけの方向に偏っていくとたたかれますよということです。やはりNHKは、いろいろな意見があることをきちんと伝えないと、何となく世の中のムードでそっちに寄った報道にしてしまうと、そのように書かれてしまいます。それで本当によいのかということです。私が言ったのは、こうしたことを放送した後にきちんと審議する体制をしっかりしてほしいということです。いまの話にもつながるのですが、何となく報道が世の中のムードみたいなものに流されないという状態は、非常に大事だと思います。

 (坂本専務理事)

 はい。ご指摘を踏まえて、今後さらに文案について考えていきたいと思います。

 (渡邊委員)

 ことし、再生可能エネルギーについて、いろいろと取り決めごとの締結などで、ドイツに行ってきました。福島県は原発問題があり、特殊な形、つまり再生可能エネルギーですべてのエネルギーを賄うという県の方針が出されました。それによって、ドイツのいまの再生可能エネルギーの責任者クラスの人たちとの交渉や話し合いに、私も一緒に行ってきました。そこに行く前には、ドイツというのは、再生可能エネルギーの非常に最先端だと聞いていました。また、そのときちょうど移民問題も世界をすごくにぎわせていて、ドイツはメルケル首相がいろいろな意味でそれを受け入れていて、非常に人道的だというイメージがありました。しかし、現場に行ったときに違和感をもったのは、実際はドイツの流れがそのようになっていても、現場に行くと、半分ぐらいの人は、エネルギー問題でも反対していたり、移民問題にも相当批判的な人が多くいたりしたことでした。私は、それがいまの世の中や世論、どれが正しいのかということに対する難しさだということを感じてきました。ニュースなどを聞いているとき、NHKの報道では、必ず反対のこういう意見もあるなど、そうした言い方がなされます。しかし、片方をすごく激しく扱うと、何となく見ている人、聞いている人というのは、その判断基準が混乱するということがあると思います。ですので、私は、世論調査などをタイムリーに、そして、もうちょっと規模を大きくするなどして、そうしたデータに基づいて、この問題についてはいまこのように一般の方々は感じている、という報道をしたほうが、比較的公正とか公平につながるような気がします。世界的に考え方がすごく多様化しています。実際、現場に行くと、そういう空気感というのはわかりますので、そういうことを報道に反映してもらいたいと思います。

 (坂本専務理事)

 いずれにしても、信頼できる多様な情報というのが公共放送にとっては最も大事だということだと思います。放送法、放送ガイドラインあるいは番組基準などをきちんと踏まえて、一つ一つを精査しながら、ニュース・番組をきちんと伝えていくことが何よりも重要だと考えています。また、第三者の目によるチェック、事前、事後の考査もありますし、番組審議会の委員の皆さまからのご意見、視聴者のモニターなど、かなり多角的な角度からご指摘をいただくことによって、結果として信頼できる公共放送としての、報道機関としての役割が果たせるのかなと考えたところです。

 (長谷川委員)

 いま、すごく大事なことをおっしゃったと思います。日本だけでなく、世界中で意見が両極にわかれやすくなっている傾向があり、片方にきれいごとの意見があればあるだけ、それに対する反発がまた非常に強く出てきます。NHKのような公共放送は、その両極に分化することを何とかして議論の場に持ってきて、分裂することを抑える、それが本当の意味での公共放送だと思います。私が先ほど「広い視野から正しく分析」と言ったのも、実はそういうことも含んでいます。いまおっしゃったような姿勢で取り組んで、そうした世論の分極化を防ぐ役割を持っているという自覚を持っていただくというのもすごく大事ではないかと感じました。

 (坂本専務理事)

 最近は、インターネットで世界中に瞬時に情報が拡散しますので、その速さにわれわれもどうやって対応するかというのは、非常に大きな課題です。最初の瞬間だけではなく、ある程度時間軸も考えながら、より信頼できる情報をどう収集して多角的に伝えるかということが、大事だと思います。世の中では「フェイクニュース」の流通がいろいろと言われていますが、われわれはそうした情報に惑わされないよう絶えず心がけながら取り組まなくてはいけないと思っています。

 (佐藤委員)

 “公共メディア”になろうというときに、防災アプリなどいろいろな新しい媒体が出てきていますが、例えばそのアプリにみんなが集中したときに、きちんと伝えることができる、つまり使うことができる状態になるのかということを心配しています。災害に対してもいろいろと機能を強化してきましたが、新しい“公共メディア”では、また違う意味での問題があるかもしれないと思っています。伝送路のキャパシティーの限界があるなかで、どうやって伝えるのかなど、そういうことをこれからもう少し重点的にやっていかないと、なかなか難しいと思います。いまの放送だけの設備でよいということで済むのかと考えたりもするのですが、その辺はこの中のどこかに表記されていますでしょうか。何を放送するかとか、そういうことはすごくいろいろなところに書かれていると思いますが、そのバックアップ体制がすごく大事だと思います。そこもはっきりと記載すべきところだと思います。例えば企業であれば計画をつくるときには、予算としてお金をここに使うといった話になると思うのです。それがこの中にはなかなか出てきていないというのが、素朴な疑問です。
 それともう一つは、ラジオが防災のためのものだということを毎度うかがっていたのですが、ずっとラジオを聞いていますと、本当に大丈夫かという、非常に素朴な疑問がわきました。すべてブロック放送になっていて、大阪で聴いていても大阪ではない情報までどんどん入ってきているのです。例えば、和歌山で竜巻情報が出て、それが解除されましたという情報が、大阪の放送の途中にどんどん入ってきます。そうした感じでは、本当に身近な防災のためのものだとみんなが思えるだろうかという疑問があります。ラジオは少人数でいろいろなことができますし、一番身近でフットワークのよいメディアだと思っていたら、意外にそうではないということがわかってちょっと不安に感じました。全体を見ると、防災、安心・安全といろいろと言っていますが、何をしようとしているのか、ちょっと見えなくなってしまったところがあります。たぶんいまの文言を見たときに、ふだん聴いていらっしゃる方は、「えっ」と驚いて、そこに距離を感じるのではないかと思います。私もふだんあまりラジオを聴いてなかったのですが、聴いてびっくりしました。そういうことを全部きちんとつなげていかないと、公共メディアとしてどうなのだろうかと思います。その辺が、本当に大切な「より深く、より身近に」ということだと思いますので、そのすみ分け、それぞれの媒体でそれをどうやって実現しようとしているのかということが見えるようにしてほしいと思います。

 (経営企画局)

 先日の説明文書で、例えば8ページの最初のところで、「防災・減災報道を追求し、大規模災害時には、視聴者が必要とする情報をさまざまな伝送路を使って最適なエリアに発信」とあります。それから次のところで、「首都直下地震や南海トラフ巨大地震など非常事態の中でも、放送・サービスを継続するために、放送局の機能や運用、実施体制を整備」とあります。最初にお話があった、インターネットをある程度活用するときに、どうやってその強靭性を確保するかということについては、放送については、東京のバックアップ機能を大阪局などが担いますが、インターネットのニュースを発信するのは、例えば非常時には千代田放送会館を使うとか、さいたま放送局を使うとか、そういうシミュレーションをしています。もうちょっとインターネットのバックアップを幅広く持つ必要があるのではないかということは局内でも議論しております。ネットについてはどこでもバックアップできますので、その辺も含めて別のところに置くなど具体的な策に落とし込んでいくということが一つ。それから、テレビやラジオというのは、どうしても基本的には一斉同報ということで、大勢の人に情報を伝えることを大事にしてきたわけですが、一方で、東日本大震災のとき以降、やはりきめ細かい情報が欲しいというニーズがあります。先ほどのラジオの例からいくと、近畿圏も幅広いので、そこで放送しているときは、奈良の竜巻情報も兵庫の情報もということで、次々と出てくると思います。放送だけではどうしてもカバーできない部分については、インターネットもございます。例えば「ニュース・防災アプリ」では、自分が住んでいる町やいる場所に特化した情報が流れてくるようになっていますので、放送の機能と、それ以外の伝送路をうまく使いながら、さまざまなニーズに応えていく必要があるということは全員で認識しております。ここについては、さらに努力していかないといけないと考えています。

 (坂本専務理事)

 全国放送とブロック放送、それから地域放送の番組、コンテンツをどう組み合わせるかというのは実に難しい問題です。特に関西は広域的な形が非常に強いですし、地域局によってさまざまです。そうした地域性も加味しながら、バランスよく組み立てることをやっていこうということで、今回、地域放送の充実という方針を打ち出しています。もちろん本部からもサポートしますが、地域局も自分たちにとって一番得意なゾーンはどうしたら組み立てられるかというところを考えてもよいのではないか。次期3か年計画から取り組んでいきます。足りないところは、インターネットの防災アプリなどは非常にいま定着してきていますし、デジタル技術を活用して補完的にやっていければと考えています。

 (佐藤委員)

 防災アプリにアクセスが集中しても、サーバーは大丈夫なのですか。

 (経営企画局)

 日本全国一斉にトラフィックに負荷が集中すると、想定していなかったような事態もあるかもしれません。

 (佐藤委員)

 NHKとしては、それがあったら大変ですよね。

 (坂本専務理事)

 ですからいろいろと検討しています。負荷は大丈夫かという意見があり、きちんと対応できるように設計しているということです。

 (堰八委員)

 17番の営業経費の件です。やはり労働力の確保については人手不足であると、それから質を高めるためのいろいろな教育にも経費がかかりますと、したがって一定の経費増は避けられないと言うことですが、そうは言っても、先ほど受信料制度等検討委員会の報告では、公益企業の情報活用などの営業改革によって、営業経費の削減に努めていくという内容になっています。現在は、法人事業者への委託に負う部分が多いわけですが、その費用対効果も検証してほしいと思います。その結果、法人事業者に頼むのがやはり一番効果があるので、人数も増やすし、教育も引き続き続けていくのだということなのか、その答えについて、最初から経費増は避けられないと決めつけてしまうのではなく、ここはぜひ検証して示していただきたいと思います。
 それともう一つ、営業改革は、法律改正が果たしてできるかどうかにかかってくると思います。個人情報保護法というのもありますから、本当に法律改正ができないということになれば、先ほどの受信料制度等検討委員会の2号、3号の答申も、もしかしたら実現できないかもしれないと思います。今回の3か年計画では、放送法の改正などの決着をつけて、営業経費を削減することを方針として盛り込むということが間に合うという前提でよいのでしょうか。

 (坂本専務理事)

 われわれがいま制度整備をお願いしてるのは、常時同時配信ができるための改正だけです。

 (堰八委員)

 この受信料の徴収にかかわるところは、放送法の改正が必要であると、先ほど説明がありましたよね。要するに、時間的にこの経営計画には間に合わないのではないかと思うのです。これは、来年の4月からスタートする経営計画です。削減の方法として情報を活用するには、先ほどの放送法の改正が必要になるということですね。

 (坂本専務理事)

 先ほどの説明は、放送法の改正によらない営業改革への取り組みです。

 (森下委員)

 現在でも、ガス会社などの公益企業との連携は行っていますね。

 (坂本専務理事)

 はい。連携できるところとは連携しています。

 (堰八委員)

 法人事業者にかなり頑張ってもらっているのは分かりますが、そういうことであれば、いまやっているやり方について、マンパワーをかけて行っていることの具体的な効果はこういうことで、やはりこれがいまのところのベストな方法だということを、ぜひご説明いただきたいと思います。

 (坂本専務理事)

 はい。

 (森下委員)

 今回、受信料制度等検討委員会で3つの答申を出していただいたのは、もともとこの3か年計画をつくるためだったわけですよね。だから、法律がなかなかうまく通らないとかは別として、あれだけのものを出していただいたのだったら、政府に対しても、そこを改善するために法律を改正してやりたいと、NHKとして意思表示はすべきではないかと思います。NHKとしても改善する気持ちがあるのであればそれを出すべきです。実際にはいつ改正できるかわからないかもしれませんが、何となく「法律があるから、法律改正しないといけないから、計画には載せない」というのはいかがなものかという気がします。

 (坂本専務理事)

 第1号答申はそのように捉えていて、今月中に開かれる総務省の「放送を巡る諸課題に関する検討会」で、常時同時配信に対する基本的な考え方をお話ししようと思っています。それは制度整備をお願いする項目です。今日いただいた第2号、第3号の答申については、内部でどのように進めていくのかこれから検討します。

 (森下委員)

 姿勢として、NHKがこうした経費削減について改善しようという意思があることは、きちんと出すべきだと思います。そのために答申を出してもらったのですから。経費削減についてやる気はある、しかし、法改正をしなくてはいけないと。そして、ステップとしてまず答申第1号から先にやらないといけないが、第2号、第3号はちょっと遅れるかもしれない。それはもうしかたがないかもしれないのですが、意思があるということは、やはり何らかの形で出すべきではないかという気がします。

 (坂本専務理事)

 今回、こういう答申をいただきましたので、それを今後、具体的にどういうふうに反映、生かすことができるかは、課題であると思います。法改正によらずに、われわれの中でやれることもありますので、いろいろ模索しながら、できるだけその形はとっていきたいと思っています。

 (小林委員)

 われわれは経営委員ですので、735億円という営業経費がかかっているということはわかりますが、これだけの営業経費が受信料から払われて使われているということに対しての、世の中の認知は非常に低いと思います。それで、いまの法律改正を進めるに当たっても、こういう情報がNHKにとってのネガティブな、批判的な意見につながらないように配慮しながらも、やはりNHKの受信料がこれだけこのために使われているのだということは、しっかり認知してもらうような発信をしていく必要があるのではないかと思います。

 (坂本専務理事)

 公平負担の徹底ということは、そういうことをきちんと実現するための諸施策だと考えます。

 (小林委員)

 公平負担を実現するために、これだけのお金を使うのが本当に正しいのかということです。いまのフレームワークの中では、これをせざるを得ないのだと。では何をしたらよいのかという、次の議論につながるような発信を、もうちょっと積極的に行ってもよいのではないかと思います。

 

○ 説明会「3か年の収支計画(案)について」
 NHK3か年の収支計画について、執行部より説明を受けた。

 

 

 上記のとおり確認する。

 

 平成30年1月30日    

石 原  進

 

 

高 橋 正 美