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第1252回
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平成28年1月29日(金)公表

日本放送協会第1252回経営委員会議事録
(平成28年1月12日開催分)

第1252回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1252回経営委員会

 

<会 議 日 時>

平成28年1月12日(火)午後1時30分から午後4時50分まで

 

<出 席 者>

〔委  員〕

  浜 田 健一郎 本 田 勝 彦 井 伊 雅 子
    石 原  進   上 田 良 一 佐 藤 友美子
    中 島 尚 正   長谷川 三千子 美 馬 のゆり
    宮 田 亮 平   室 伏 きみ子 森 下 俊 三
  ◎は委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔役  員〕

  籾 井 会 長 堂 元 副会長 塚 田 専務理事
  吉 国 専務理事 板 野 専務理事 福 井 専務理事
  森 永 理 事 井 上 理 事 浜 田 技師長
  今 井 理 事 坂 本 理 事 安 齋 理 事

 

 

<場   所>
放送センター  22階経営委員会室  21階役員会議室

 

<議   題>

 

付議事項

 

○ 「視聴者のみなさまと語る会(埼玉大学)」開催報告(資料)

 

○ 監査委員会報告(資料)

 

1 会長報告(資料1)(資料2)(資料3)

 

2 議決事項

 (1) 平成28年度収支予算、事業計画及び資金計画
(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)(資料5)

 

3 報告事項

 (1) 平成28年度インターネットサービス実施計画について(資料1)(資料2)

 

4 議決事項

 (2) 平成28年度国内放送番組編集の基本計画について(資料)

 

5 報告事項

 (2) 平成28年度国内放送番組編成計画について(資料1)(資料2)

 

6 議決事項

 (3) 平成28年度国際放送番組編集の基本計画について(資料)

 

7 報告事項

 (3) 平成28年度国際放送番組編成計画について(資料1)(資料2)(資料3)

 

 

議事経過

 

 浜田委員長が開会を宣言し、経営委員会を開催。

 

<会長、副会長、専務理事、技師長、理事入室>

 

 本日の付議事項および日程について説明。第1251回(平成27年12月22日開催)の議事録を承認し、所要の手続きを経て、平成28年1月15日に公表する事を決定した。

 

○ 「視聴者のみなさまと語る会(埼玉大学)」開催報告(資料)

 (鈴木経営委員会事務局長)
 平成27年度、5回目の実施となりました「語る会」は、11月17日(火)、対象を大学生および大学院生に限定した企画型の会として、埼玉大学(さいたま市桜区)で開催しました。
 登壇は、経営委員会から井伊委員、長谷川委員、室伏委員の3名。執行部から浜田理事・技師長、今井理事、安齋理事の3名を加えた合計6名で、司会は、内藤啓史アナウンサーでした。
 公募の結果、ホームページなどを通じて39名の方から参加の申し込みがあり、そのうち24名の方が参加されました。
 「語る会」終了後には、「アナウンサー12年生 奮闘中です!」と題して、守本奈実アナウンサーによる講演会を開催しました。
 概要や反響等については、報告書の1〜2ページに記載しています。
 冒頭、協会の基本方針や重要事項の説明として、長谷川委員から経営委員会の役割などを説明後、「NHKの新たなインターネットサービス」について説明しました。
 その内容は3〜4ページに記載しています。
 意見聴取は、参加者を3つのグループに分けたグループディスカッションを中心に行い、「公共放送NHKはどうあるべきか」「公共放送の財源『受信料』について」などをテーマに実施しました。
 参加者からは、「NHKに望む番組」「東京オリンピック・パラリンピックに向けた取り組み」「受信料の公平負担」「留学生の視点から見たNHK」など、多岐にわたる意見や提言が寄せられました。これらは5ページ以降に掲載しています。
 終了後の参加者当日アンケートの結果とアンケートに記された具体的内容は47ページ以降に記載しています。

 

 

○ 監査委員会報告(資料)

 (上田監査委員)
 本報告は、放送法39条第5項に基づき行うものであります。今回ご報告の対象期間は、平成27年9月28日から平成28年1月11日までです。
 まず大きな項目の1「平成27年度第2四半期業務報告等について」をご覧ください。
 監査委員会は、協会が作成した「平成27年度第2四半期業務報告」を中心に、その査閲、必要に応じて本部部局長や放送局長から聴取を行いました。また、現場での業務監査については、内部監査室から聴取し、その結果をまとめました。
 (1)から(5)は監査委員会の重点監査項目について記載しております。
 最初に、「(1)内部統制の推進状況および関係部局のリスク対応の取り組み状況」について説明いたします。第2四半期概況については、資料をご覧いただき、 2ページの「2)会長、理事からの聴取」の結果をご報告します。
 情報システム・セキュリティ統括理事は、「ITリスクへの危機感をどうやってNHKグループ内でも共有するかがこれからの課題である」との認識を示しました。
 コンプライアンス統括理事は、「全国の放送局に共通する課題については、担当する本部部局と対策を協議して、各局への周知徹底を図る」との認識を示しました。
 会長は、「内部監査で毎回同じようなことが指摘されている。現場にしっかりしてもらうことが大前提だが、われわれ経営陣からもきちんと指摘、指導していく」との見解を示しました。
 続いて、監査委員会の見解です。
 情報セキュリティ対策は、内部統制上の最重要課題の一つであります。協会が、サイバー攻撃をはじめITリスクの最新状況と、それへの対応について十分な情報収集に努め、的確に、かつ臨機に対策を実行していくことを注視してまいります。
 また内部監査では、まだ一部で、改善すべき事項を指摘される部局・放送局があり、管理レベルのさらなる向上が必要です。とりわけ、各部局・放送局にまたがって浮かび上がっている共通の課題について、協会が、責任を持って対応する部局を明確にし、具体的な改善策を講じることを強く求めます。
 次は、重点監査項目の「(2)新たなメディア環境への対応状況」です。
 第2四半期概況については、資料をご覧いただき、 3ページの「2)会長、理事からの聴取」の結果をご報告します。
 放送統括理事は、「スマートフォン向けアプリは、プッシュ型でニュース速報や防災情報等を提供できるものにしていく。それによって若い人、ネット世代にアピールしていくことを考えている」との認識を示しました。
 技術統括理事は、「インターネットのサービスは、この半年、現場もいろいろな学習をして、ノウハウが溜まってきた。さらに知見を広めて、技術サイドからも積極的に提案していきたい」との認識を示しました。
 会長は、「4K・8Kの進め方については、NHKとして、4Kをどこまでやるのか、8Kをどこまでやるのか、対応をきちんとまとめていきたい」との見解を示しました。
 続いて、監査委員会の見解です。
 監査委員会は、急激に変化するメディア環境の中で、協会が視聴者や放送・通信事業者、著作権者などの動向を見ながら、どのような放送・サービスに取り組んでいくのか、それを支える要員等の体制をグループ全体でどう整備していくのか注視してまいります。
 次は、重点監査項目の「(3)国際発信力の強化に向けた取り組み状況」です。
 第2四半期概況については、資料をご覧いただき、 4ページの「2)会長、理事からの聴取」の結果をご報告します。
 国際放送統括理事は、「今年度から始めた番組はモニターからの評価も高く、次第に定着してきていると感じている。日本がアジアをどう伝えているかという点を意識しながら、多くの人に見てもらえるように充実させていきたい」との認識を示しました。
 会長は「地方局制作のものを全国放送に出し、さらに海外へという流れが、うまく回り出している。ここで止まらずに、さらに新しいものが出てくるようにしていきたい」との見解を示しました。
 続いて監査委員会の見解です。
 監査委員会は、国際発信力の強化のためには、戦略的な番組の制作・編成と効果的なプロモーション活動が必要であると考えます。ターゲットとする海外の視聴者のニーズと反応をいかに把握して番組や編成に反映させていくのかなどを、引き続き注視していきます。
 次に、重点監査項目の「4)戦略的なグループ経営の推進に向けた取り組み状況」です。
 第2四半期概況については、資料をご覧いただき、 5ページの「2)会長、理事からの聴取」の結果をご報告します。
 関連事業統括理事は、「関連団体の評価に際して、経営目標制度を見直す。内部統制の整備についてもこの中に盛り込みたい」との認識を示しました。
 人事・労務統括理事は、「事務系システムの統合により、グループ全体の人的資源の経営管理が可能になった」との認識を示しました。
 副会長は、「関連団体における業務の重複や、協会からの委託業務、さらに委託以外の事業のあり方等は長年の課題であるが、これ以上、先延ばしにできない。委託業務の『見える化』で課題を浮き彫りにして、前に進めたい」との認識を示しました。
 会長は、「グループ全体の業務体制改革の一環として、まず関連団体の委託業務の効率化を図らねばならないと認識している。かなり思い切ってやらないと実現できない」との見解を示しました。
 続いて、監査委員会の認識です。
 関連団体のガバナンスと内部統制を充実・強化することにより、グループ全体でコンプライアンスの徹底を図ることが重要であることは言うまでもありません。そうした中で、子会社の(株)NHKアイテックでは不祥事が相次いで発覚しました。監査委員会は、協会による関連団体への指導・監督を注視し、必要な対応を取っていきます。
 また、限られた経営資源を有効に活用していくという課題に、協会が、どのようにグループ全体に対して指導力を発揮していくのか、注視していきます。
 次に、重点監査項目の「(5)新放送センター建設に向けた検討状況」です。6ページをご覧ください。
 第2四半期概況については、資料をご覧いただき、「2)会長、理事からの聴取」の結果をご報告します。
 新放送センター業務統括理事は、「基本計画の策定は折り返し点を過ぎたところで、建設費の算定についても、基本計画の策定と同時並行的に進めている。来年度は、組織を改めて、建て替えを推進する体制を強化したい」との認識を示しました。
 コンプライアンス統括理事は、「新放送センター建設の適正性、透明性を確保するための監査体制を内部監査室に設けたい」との認識を示しました。
 会長は「現有地に建設することが決まり、基本計画を練っている最中だ。建物ごとに工事の進め方と予算を、詳細に検討している」との見解を示しました。
 続いて、監査委員会の認識です。
 監査委員会は、新放送センターの建設が、コストも含め、国民・視聴者の十分な理解のもとで進められるように、建設基本計画の策定過程について適時、報告を求めていきます。そして、情報の管理と公開が適切に行われるのか、また入札・契約等の手続きの検討が十分な公平性と透明性を確保して行われていくのか注視していきます。
 次に、7ページをご覧ください。大きな項目2「その他の主な事項について」として、重点監査項目以外に、当該活動期間中に聴取等を行った3項目をあげています。一つ目は、(株)NHKアイテック社員による不正行為について、2番目は、「クローズアップ現代」等をめぐるBPO意見・勧告について、3番目は、関連団体による土地取得計画についてです。詳細は、資料をご覧ください。
 なお「クローズアップ現代」問題について、副会長は「間違った事実関係を前提に取材・制作が進められ、上司もチェックできなかったことが一番の問題だ。放送現場に再発防止策を徹底させる一方で、委縮することがあってはならないことも伝えている」との認識を示しております。
 9ページ以下は、監査委員会の開催や役員への聴取など、この間の活動をまとめてあります。
 以上が、今回経営委員会にご報告する、活動結果報告書の内容です。

 

 

1 会長報告(資料1)(資料2)(資料3)

 (浜田委員長)

 本日は「職員の逮捕について」「NHKアイテック社員による不正行為に関する調査の進捗状況について」「子会社等の業務の適正性確保等について」籾井会長からご報告をお願いいたします。
 (籾井会長)
 まず、職員の逮捕について報告します。
 この件は、おととい10日、本部アナウンス室所属の男性アナウンサーが危険ドラッグを所持していたとして逮捕されました。きのう報道発表いたしました。本当に遺憾に思います。詳細はアナウンス室を担当する安齋理事から報告いたします。
 (安齋理事)
 アナウンス室を所管する私から申し上げます。
 既に報じられていますが、アナウンス室のアナウンサーがおとといの10日夜、危険ドラッグを所持していたとして、厚生労働省の麻薬取締部に逮捕されました。コンプライアンスの徹底を進めているさなかに職員が逮捕されたことは痛恨の極みです。特に、テレビの画面に出るアナウンサーが社会のルールを破る行為を犯したことは、まことに遺憾です。
 逮捕された職員は37歳の中堅アナウンサーです。去年2月にアナウンス室に異動し、「ニュース シブ5時」のリポーターを担当していました。勤務態度に特に問題は見られず、年始には歌舞伎の初芝居の特番なども担当しました。
 捜査の経過です。逮捕された10日は、文京区の自宅マンションにいました。麻薬取締部は本人立ち会いのもと自宅の捜査をしたところ、法律で規制されている指定薬物を含む液体の危険ドラッグが見つかったということです。調べに対し、自分で使用する目的で所持していたなどと話し、おおむね容疑を認めているということです。
 きのうの午後には、麻薬取締官3人が放送センターを訪ね、本人のロッカーや机などを捜索しました。
 麻薬取締部はきょう、東京地検に送致し、あすには裁判所に10日間の拘留を申請する予定で、今後、危険ドラッグを入手したいきさつなどについて調べるということです。
 この事案については、きのう午後3時半、報道各社に外部発表したほか、NHKオンラインに報道資料を掲載しました。また、午後6時の全国ニュースで放送し、事件の概要とともに「視聴者の皆様や関係者に深くおわびします」というNHKのコメントを伝えました。視聴者からは、けさ9時までに211件の意見や問い合わせがありました。ほとんどが、「本当に情けない、こうした職員のような人間を二度と出さないように襟を正してもらいたい」といった批判的な内容でした。
 今後の対応についてです。本人の処分については、事実確認の把握を進めるとともに、今後厳正に対処してまいります。本人がリポーターをしている「シブ5時」について、今週、来週は大相撲放送のため休止していますが、今後、適切な代行リポーターを充てるなどして放送への影響を最小限にとどめるようにいたします。アナウンス室では、きょうとあす、室会を開催するなどしてアナウンサー一人一人に改めてコンプライアンスの徹底を強く指導することにしています。
 今回の事態を深刻に受け止め、再発防止を徹底し、信頼回復に全力で取り組んでいきます。
 (浜田委員長)
 ただいまの報告を受け、申し上げます。
 本件に限らず、それぞれ性質は異なるもののNHKおよびNHKグループにおいて不祥事が続いていることは痛恨の極みです。こうした事象が発生しているのは、公共放送NHKの社会的使命、責任に対する自覚が著しく欠如していることに起因していると言わざるを得ません。執行部には、公共放送NHKを支える者全てが再度みずから襟を正し、みずからの行動を律するよう、本質的な再発防止策を早急に講じることを求めます。
 続いて、NHKアイテック社員による不正行為に関する調査の進捗状況について報告をお願いします。
 (今井理事)
 アイテック社員による不正事案について、その後の調査の進捗状況についてご説明します。
 アイテック社員2名による実体のない会社に架空発注する等の手口で約2億円を不正に得ていた事案については、既に報告しておりますが、新たに関連した事案も含めてご説明いたします。
 1件目です。説明資料の概要1をご覧ください。
 2人の社員が不正に得ていた2億円の中には、地上デジタル化に伴う新たな難視対策の部分を名目にした架空発注もあり、その中に新たな手口がわかったというものです。この新たな難視対策の中には、難視地区の住民に対する個別訪問業務というものがあり、この業務には国から一般社団法人であるDpa(デジタル放送推進協会)に補助金が出ることになっており、アイテックが訪問をしたときには訪問の結果を書いた「個別訪問対応・ポスティング対応票」という用紙をDpaに提出して、アイテックはその全額を委託費として受け取るという仕組みになっておりました。千葉事業所の中で新たな難視対策の仕事も担当しておりました2人の社員A、Bのうち、社員Bは下請事業者が個別訪問業務を行っていたのに対応票が提出されていないものがあることに目をつけて、未作成・未提出だった対応票873枚を偽造し、Dpaに請求していたことがわかりました。アイテックは平成26年12月から翌年4月までの間に3回にわたって、これらの請求によって委託費として約4,800万円を受け取っております。この約4,800万円のうち、社員Aおよび社員Bは、本来支払いを受ける下請事業者ではないにもかかわらず、平成27年2月、実体のない会社「ケイネット」を経由し、約430万円を不正に得ていた疑いがあることが関係書類や本人への聞き取り調査によってわかったところです。
 対応票の偽造は、茨城県内の26の市町村の訪問世帯が対象となっているものですが、対策工事が行われたことを示す実績報告がDpaに提出されており、Dpaによる審査の結果、これらの世帯での対策にずさんな工事はなく、対策はきちんと終わっているということです。
 説明資料の概要2をご覧ください。現在44人のNHKの緊急調査チームがアイテックの社内調査チームと共に、2人の不正とは別に同じような不正がなかったのかという件についても調べを進めておりますが、類似の案件が1件、九州支社で判明しました。九州支社に所属する50代の営業部の社員Cは、取引先の会社に架空の名目で千数百万円分の業務を発注していた疑いのあることが関係資料や本人への聞き取りなどによってわかってまいりました。現在、さらに詳細について調査を進めているところです。
 一方、これらの一連の事案で、なぜ架空発注による不正を見つけられなかったのかという点についても調査を進めていますが、これまでのところ、証票類をチェックして承認する立場の管理者が確認をしないまま承認し、多くのケースで必要な証票類等が作成されないままになっていたということがわかってまいりました。規程類等のルールは整備されていたようですが、運用面に大きな問題があったことが強くうたがわれる状況です。今後さらにその点の詳細を詰めることにしております。
 (浜田委員長)
 続いて、「子会社等の業務の適正性確保等について」報告をお願いいたします。
 (籾井会長)
 本件につきましても、いろいろと議論を尽くしまして、きょう、総務大臣に対しても報告する予定になっております。これについての詳細は、井上理事から報告いたします。
 (井上理事)
 「内部統制関係議決」に定める「(6)協会及びその子会社からなる集団における業務の適正を確保するための体制」に基づき、「NHKグループ経営改革の方針」を策定しこれにのっとって、適正性を確保するための措置を行うことにしたいと考えております。
 「NHKグループ経営改革の方針」についてご説明申し上げます。 
 NHKアイテック社における不正行為の発生を踏まえまして、執行部としてはNHKグループ経営を抜本的に見直すための検討と推進の体制を早急に立ち上げて、これを断行いたします。
 今の3か年経営計画では、「創造と効率を追求する最適な組織に改革」という重点方針を掲げております。コンテンツ制作力の強化を図っていくためにも、NHKグループ一体となった改革は何としても実行しなくてはなりません。これまでの取り組みの甘さを排して実行を徹底すべく、「内部統制関係議決」に定めるところに従い、NHK本体が関連団体に対する指導・監督機能を発揮し、グループ各社が緊張感を持って経営を行う体制を構築してまいります。
 この改革施策については可及的速やかに策定し、順次実行に移してまいります。改革の方針は以下の3つの柱からなっております。
 1つ目の柱は、「“なれあい”を排除した、グループ各社の規律ある経営の確立」です。具体的には、監査役は原則として常勤とし、外部人材を起用すること。そして、外部人材を経営陣に積極的に起用し、NHKの若手幹部のキャリアパスとして関係団体の役員に任用することなどによって、取締役会を活性化させ機能を強化する、ということです。
 2つ目の柱は、「グループ会社に必須の機能を再精査・再整理」です。具体的には、NHK本体の各機能、つまり制作、技術、営業などの機能に照らしてグループ会社のそれぞれの業務を精査し、統合・廃止も視野に入れて再整理をすることです。これを進めれば、結果としてコストセンターとしての役割を明確にして、委託業務を効率的・効果的に実施していくことにもつながると考えております。また、いわゆる自主事業につきましても同様に対応することとし、精査・再整理を行うこととしております。
 3つ目の柱は、「コンプライアンス、不正防止施策の徹底」です。具体的には、出金管理などについて、基本に立ち戻って、責任に応じた手続きやチェックを徹底すること。例えば取引の実施状況をエビデンスをもって確認することなど、管理者がきちんと実効性のあるチェックを励行することです。そして、これらの実施状況について定期的な報告を求めて、本体としてきちんと状況を把握いたします。また、なれあいをなくすために人事の固定化を排除すること。関連団体間で人事のローテーションを行うことなどによって、1人が同じポジションに長く居続けることによる弊害をなくし、業務運営に緊張感を持たせます。
 さらに、一つ目の柱である「グループ各社の規律ある経営」の施策を実施することを通じて企業風土改革を進めてまいります。不正行為を起こさせないよう職員や社員の意識改革を推進します。そして、関連団体の評価においてコンプライアンスへの取り組みを重視することで、コンプライアンスが基本であることを徹底します。
 これらの改革の実施に当たっては、冒頭申し上げましたように、NHK本体が指導・監督機能を発揮して、関連団体において上場企業と同様の水準のガバナンス、内部統制を徹底すること、本体とグループ会社の間の取引の透明化・適正化を図ります。
 なお、NHKアイテックにつきましては、不正問題の実態の解明を踏まえ、別途抜本的な対応策を早期に講じることとしております。
 以上の方針を踏まえまして、NHKのグループ経営の抜本的な改革を推し進めてまいります。よろしくお願いします。
 なお、この「NHKグループ経営改革の方針」は、平成28年度収支予算とあわせて総務省に示すことにしております。

 (中島委員)

 この調査の結果などを新聞報道等から推察する限りは、特定の人物たちが逸脱行動をしたと理解していますが、この「NHKグループ経営改革の方針」を拝見すると、2か所で「なれあい」ということばを使って、これから厳しく扱うということをうたっています。「なれあい」という表現をすると、一般的には「組織的な逸脱行動」と捉えられてしまうのではないでしょうか。あるいは、そこまで膿が広がっているということを執行部で把握しているということなのでしょうか。

 (籾井会長)

 「なれあい」ということばは、私が特に主張して使いました。要するに緊張感がないということです。実をいうと、使った言葉はArm's lengthにしなければいけないということでしたが、横文字なので、どのような言葉が一番よいかということで、こういうことばを使いました。われわれと関連団体の関係は、関連団体のトップはだいたいNHKから就任しています。関連団体の経営者と、NHKとの緊張関係が希薄であるといえるかもしれません。加えて、アイテックの問題は過去6年以上にわたって不正が続いていたわけです。まさに照査におけるなれあいだといえると思います。そういったことを廃止しなければならない。一般企業でも、だいたい問題があるかどうか分かるものですが、出金伝票等々については極めて厳しくチェックをしているわけです。関連団体に特に要請したのは、口で「コンプライアンス」と言うよりも、もう少し分かりやすく具体的に、つまり、出金伝票をきちっと照査するように。それについてはもう一度各社から支払いのプロセス。最初に担当がはんこを押したあと、どういう形で承認されていくのか。最終的に誰がはんこを押してお金が出て行っているのかを押さえれば、今回のアイテックのような事例はほとんど防ぐことができると思っています。従来からなされていますが、これに魂を入れよということです。そういう意味で、外部の人材を監査役に起用し常勤化する事をうたっております。ご意見でいただいた「なれあい」ということばは「緊張感を持ってやりましょう」という意味です。

 (中島委員)

 この事態に対して厳しく対処しようとするお気持ちや態度はよく理解できましたが、NHK本体と子会社との間や、あるいは、子会社の役員と当事者との間でなれあいの関係があったとすれば重大なことです。

 (籾井会長)

 緊張感がないのではないかと思っているわけで、もう一度、緊張感を持ってやりましょうということです。ほかに適切な言葉があればぜひ教えていただきたい。

 (中島委員)

 事実として知らされているかぎりでは、なれあいの範囲を限定してもよいと思います。

 (井上理事)

 アイテックの問題は調査が継続中ですので、「経営改革の方針」の一番最後に、「不正問題の実態解明を踏まえて、別途、抜本的な対応策を早期に講じる。」として、これはまた改めて個別の問題として対処したいと思います。今回のグループ経営の改革の方針は、こうした問題の背景に、会長から指摘があったような緊張感のない体制があるのではないかということでまとめました。

 (森下委員)

 この「経営改革の方針」は、内容的にはこれで結構だと思います。ただ、3のコンプライアンスのところで気になったのは「基本に立ち戻り、責任に応じた手続き・チェックを徹底」と書いてある、「基本に立ち戻る」とはもう少し具体的に書いたほうがよいと思います。以前から申しておりますように、やはり、基本に立ち戻って業務の仕組みを明確化して欲しいと思っております。仕組みはできているがと、先ほどお話しがありましたが、例えばアイテックの場合は作業場所が各地に分散しているわけですね。当然、人数も少ないし、チェックする人も少ないのでしょう。仕組み・ルールがしっかりと徹底されている上でチェックすることが重要なわけです。「基本に立ち戻って」業務の仕組みをもう一度明確にし、各担当が責任を持ってチェックするなどというように、もう少し具体的に書いたほうがよく分かるのではないでしょうか。
 それから「出金管理等」とあります。「等」の中にあるのでしょうが、契約事務が定期的にチェックされている事が含まれていないといけません。大事なのは、契約と出金のところだと思います。

 (石原委員)

 「内部統制関係議決」は、平成20年の3月25日に、当時いろいろとあったNHKの不祥事が大きな問題になった際に、結果として内部のこれからの統制のしかたについての改善意見を議決したわけです。それを受けて現在があるはずですが、今回、それ以上の悪質な事態が起こっていると言わざるを得ません。架空の会社を作って、税金まで含めて詐取してしまった。同じようなことが福岡でも起こった。そうすると、1枚目にある経営委員会の議決事項に対して、NHKは一体なにをしてきたのか。今回の対策もこれも同じようなことになるのではないかと疑いを持たれる恐れすらあると思います。NHKの組織の在り方自体に問題があるのではないか。架空の会社に発注するということは、契約の前に発注先の資力、信用をきちんとした調査するという当たり前の手続きをすれば起こりえないことです。一体どうなっているのか。これは契約の「いろは」ですが、それができていない。
 もうひとつ、井上理事がおっしゃっていた「別途、抜本的な対応策」とは例えばどういうことを考えているのかお聞かせください。

 (井上理事)

 アイテックについては、先ほどご報告したように九州支社でも同じような架空発注があったということで、現在、調査が続いております。まだこれからの論点ですが、アイテックという会社の業務のあり方が、NHKのグループ会社として必要な業務であるのかどうかをきちんと精査して、場合によっては、残していく仕事と、そうではない仕事に分けて考えていくことまで視野に入れて、抜本的に見直して行きたいと思っています。具体的には、実態の解明をさらに進めた上で、できるだけ早くそういったことにも着手したいと考えております。

 (長谷川委員)

 いま、具体的な対策として、森下委員や石原委員がおっしゃったことが大切だと思います。ここに出ている「本体・グループ各社間取引の透明化・適正化」「不正防止」また、籾井会長からご説明のあった「なれあいの排除」ということは、全部大事なことだと思いますが、これを外に向けて発表するときに、ここからNHKの怒りが伝わってこない気がします。つまり、子会社にこのような不正があることは、完全に侮られていると言うほかなく、子会社が侮られることがあるということは、NHKが侮られていることだという怒りが伝わってこないのです。もちろん、ここに書かれている再発防止策はすべて大事で、実際にやっていただきたいと思いますが、表現としてはもう一段厳しく、「絶対に不正は許さない」という決意の表現がもう一段欲しいという気がします。どうも、生ぬるい間合いがどうしてもここから伝わってきてしまいます。皆さまも、内心は煮えくりかえる思いでいらっしゃると思いますが、そういう怒りを表現するような対策と表現をもっと出していただいてよいと思います。

 (籾井会長)

 もっともなことだと思いますが、この最初のアイテックの不祥事は6年間続いているわけです。6年前からこれがずっと続いているわけです。実質的には、ケイネットは存在しない会社なのです。普通の常識では、この会社はどういう会社であるのか、全部チェックするわけです。最低、外部機関から情報を取ります。そうすると実態がない会社であるかどうかすぐに分かるわけです。たぶん、その時にそれすらやっていなかったために、実態がない会社かどうか分からなかったのです。一度、実績ができますと「この会社とは取引があるから」ということで、ずっと来たのではないかと想像しています。ところが、皆さんがおっしゃっているように言葉で、ガバナンスがどうだ、コンプライアンスがどうだ、制度がどうだと。出金伝票はたった一人がサインしてOKということはないと思うのです。現在、調査中なのでそこまではっきりとは断言できません。しかし、お金が出ていくときさえきちんとチェックすれば、どんな会社かが分かる。それがなんの代金なのかが分かります。皆さんがおっしゃっていることは分かりますが、実務的にどうすれば防ぐことができるのかが、今回われわれに課せられた責任だと思います。お金が出るところさえきちんと押さえれば、いわゆる横領や、架空の支払いが起こりえない。正直申し上げて、私はかなり強く具体的に記すように進めました。平成20年の「内部統制関係議決」があっても守られていないのです。ですから、どうやったら守らせることができるのかということで、私は、最終的には支払伝票さえきちんと押さえればよいということが、私の経験から正しいと思っています。もう言葉で言っても誰もいうことを聞いてくれない。私は、その具体性が大事だと思っています。
 それから、井上理事が申し上げた抜本策ということは抜本的な策なわけです。アイテックという会社が現在調査中なので、われわれはいまのところは深入りできませんが、ひとつの大きな疑問は、われわれは放送技術に関しては長けています。その専門が歴代アイテックの社長や幹部になっていますが、土木工事についてはあまり分かっていない。技術の人を批判しているわけではありませんが、したがって会社は、われわれが経営できるのかどうかというところが、根本的な問題なわけです。この会社はもともと、NHKが過半数を持っていた会社でもないのですが、いつの頃からか過半数の株を有するようになってきている。ここに株主責任という概念が入っていない気がします。NHKとしては、関連企業で90%から100%持っている会社もあれば、50%であったり、常に過半数を持っている限りにおいては、あるいは、拒否権を持っている限りにおいては、われわれは株主責任があります。したがって、冷静にどうしたら起こらないようにするのかというところだと思っています。

 (長谷川委員)

 私もまさにそういうことをしていただきたいと思っています。それが「侮られない」という一番の方策だと思います。

 (籾井会長)

 おっしゃるとおりです。

 (石原委員)

 いまの会長がおっしゃった事は、そのとおりだと思いますが、NHKのOBなり現職の人が、経営者としてアイテックに行っているはずです。その人たちは分かるはずです。

 (籾井会長)

 分からないです。

 (石原委員)

 会長は分からないかも知れませんが、OBでアイテックの役員になっている人は、アイテックの業務の内容について分かるはずです。分からないとしたら、そうした体質が問題です。しかも、今回の不祥事は平成20年に経営委員会で「内部統制関係議決」がされた直後から始まっているわけです。まだ、余韻さめやらぬうちに始まったことに問題があると思います。

 (籾井会長)

 私は、支払い状況をしっかり押さえること、また起こらないようにするには、支払いのところで止めるしかないと思います。アイテックの問題の調査がもう少し進んでいろいろなことが明らかになった時点で、石原委員のおっしゃるように方策をもう一度考えることは可能だと思います。これは相当厳しくやらなければならないということになります。経理担当の福井専務に、それを押さえたらどういうことになるのかコメントを聞きましょう。

 (福井専務理事)

 先ほど出ましたように、契約の適正化と、出金の照査をきちんとやればこういうことは起こらないのです。そもそもこの事案は、取引先の調査が一切できずに取引がはじまったというのが大間違いであって、通常は、NHK本体であればこういうことはありえないのです。

 (室伏委員)

 いま、議論を伺っていて改革の方針のご説明は分かるのですが、ひとつ抜けていると思うのは、やはり、信頼回復ということだと思います。視聴者の信頼を失ってしまうと、それこそ受信料の徴収が難しくなることもありますし、私も「視聴者のみなさまと語る会」に出て思うのは、いまでもNHKに対する国民の皆さまの信頼がとても高いということです。そういう状況にありながら、こういったことが繰り返されると信頼がどんどん失われる。それが、NHK本体の致命傷にもなると思うので、そこを分かるような形で、改革の方針に入れていただいたほうがよいと思います。
 NHK本体の信頼も失われる結果になる可能性があるわけです。これは、もちろんアイテックの問題ですが、アイテックがNHKのグループ会社である事で、NHK本体の信頼まで失墜するような事になってはいけないと思います。ですから、改革の方針の中に、NHK本体の信頼を失わせない、あるいは、信頼回復のためにという文言を入れておく必要があるのではないかと思うのです。一般の方々からはNHKもアイテックもひとつのグループだと見られているわけですから、できるだけ信頼を失わないような方策が必要ではないかと考えます。

 (籾井会長)

 アイテックの問題については、いま、税務調査が入っており進行中であるため、いまの時点でコメントすべきでないと思っていますが、もう少し事態が明らかになってから、われわれが何を言うべきか、何を言ってはいけないのかをはっきりした上で視聴者のみなさまに説明するつもりでおります。いまは、税務調査が入っている段階で、われわれはそれに協力しております。それを見ながら、視聴者のみなさまには説明はきっちりとやります。

 (石原委員)

 私は、グループ会社に対して、しかも、過半数の株式を持っている会社に対する管理責任は、NHKにないとは言えないと思います。

 (籾井会長)

 そうです。株主責任はあります。

 (石原委員)

 ものの言い方の話にもなりますが、その辺はよく考えていただきたいと思います。

 (中島委員)

 細かい部分の確認です。このアイテック不祥事概要説明図に、ケイネットから社員Aに「役員報酬」ということばで払われています。社員Aは架空会社ケイネットの役員ということですか。

 (今井理事)

 役員です。

 (中島委員)

 自分で勝手に会社を作って役員になっていたのですか。

 (今井理事)

 そうです。それでは、調査担当をしている立場から説明させていただきます。調査を継続しているということで、もちろん処分もまだ決定しません。NHKの調査では、アイテックはISO9001の認証を受けており、仕組みは整っていて、規程関係等は整備されています。ただ、結局、上司がシステム上で証票類をチェックせずに承認を与えていることが広範囲に見られました。架空発注なので工事等がないわけですが、その間、架空発注であれば存在しないはずの原価管理票や工事日報や作業報告をどうしていたのかということになります。これらは架空発注では偽装されたのかと言いますと、多くの場合、そういうものも存在しません。そういうことを考えると、規程類やルールは備わっておりましたがきちんと運用されていなかったと先ほども申し上げました。問題はこのあとで、本質的な解決が必要であるとのお話がありましたが、上司、関係者が相当数にのぼりますので、いま、事情聴取を開始してところです。この深みがどの程度深いのか、個々の者がどのような認識でいたのか、その事実関係が正確に把握されないと、本当のところがはっきりしませんので、いま、その作業をしているところです。抜本策を、抜け穴のあるようなものにしないためにも、そういうことでいま作業を進めております。

 (上田委員)

 石原委員がご指摘されたことは極めて大事なことだと思いますので、あえて私からもひと言申し上げます。通常の民間企業が株主と投資先という関係にあるのと、NHKの場合の子会社との関係は異なる。すなわち、まさにこの資料に添付されているように、自由に投資ができるわけではないのです。これは総務大臣の認可を受けて投資するわけですが、放送法第29条に「協会及びその子会社から成る集団における業務の適性を確保するための体制」を作れとあります。それに基づいて経営委員会が「内部統制関係議決」を定め、この中の(6)の2に「会長は、各子会社との基本的関係を定めた契約(基本契約)」を締結するとしています。要するに、通常の株主と投資先だけではなく、そこにきちんとしたガバナンスが効くための基本契約を結べということになっており、この基本契約も結んでいるわけです。そういうことになると、単に、民間でいう株主と投資先ということだけではなく、この全体の仕組みを放送法で規定していることに、どのように対応するかということを議決しています。放送法からの関係で、直接的に関係ないという話ではない。ここのところはしっかりと認識していただく必要があるということを、あえて私から苦言させていただきました。

 (籾井会長)

 分かりました。ただ、現実は、この「内部統制関係議決」が議決された平成20年の2年後からアイテックの問題は起こり始めているわけです。その時点で気がつかなければいけないわけです。もちろん、経営委員会で議決されたことは大事なことです。では、どうやったら起こらないのか。決めても、すぐに起こったわけです。これは、何か欠陥があるということなのです。私は、いまの議決の問題もさることながら、再発防止のために何をすればよいのかを申し上げているわけです。一番効果的なのは、伝票をきちんとやることだと申し上げているわけです。いま、おっしゃったことを無視しているということでは決してありません。ただ、こういうものは起こってしまったらどうしようもないということです。平成22年から起こっているのに誰も気がつかないわけです。これが実務的には一番の問題なのです。これはぜひご理解いただきたいと思います。上田監査委員のご指摘の、「内部統制関係議決」は非常に大事であるということは言うまでもありません。しかしながら、現実に起こっているわけです。私が申し上げているのは、現実的に起こらないようにしましょうという話をしているわけです。その議論はあってもよいですが、しかし、議論で済む話ではないと、私は、今のところは断じております。

 (上田委員)

 全くそのご意見に反対しているわけではなく、唯一、私が申し上げているのは、株主と投資先という単なるその関係ということを外に向かっておっしゃると、NHKの場合は違うということです。

 (籾井会長)

 それは、注意深くやらなければいけないということはよく分かっております。そういう責任はわれわれには関係ないと言うつもりもないですが、現実的なことをいまはやりたいということです。

 (浜田委員長)  
 経営委員からさまざまな意見が出されましたが、ある意味では、私は現在の視聴者や国民の感情の反映ではないかと思いますので、今後のグループ経営計画の議論の中で生かしていただきたいと思います。
それでは、経営委員会でまとめました意見を申し上げます。
 報告がありました 「子会社等の業務の適正性確保等」 につきましては、執行部が、この方針に基づき、NHKとNHKグループが一体となり、今年度末をめどに改革の道筋を示していただきたいと思います。
 経営委員会は、監視・監督機関として、執行部の今後の取り組みを注視するとともに、適宜適切に、経営委員会に報告していただくよう求めます。
 また、経営委員会は、監査委員会が指摘した、関連団体の利益剰余金のあり方についても重要な課題であると認識しています。可及的速やかに検討していただきたいと思います。以上です。

 (籾井会長)

 今年度末とのことですが、実は、われわれもそれでいこうと思っていましたが、3月末と具体的に言及されるのはできれば外していただきたい。当然、できるだけ早くやります。

 (浜田委員長)

 私どもも、事情が分かっていますので「道筋を示していただきたい」という表現をしているつもりです。

 (籾井会長)

 3月末と入っていましたよね。

 (浜田委員長)

 はい、今年度末をめどに改革の道筋を示していただきたいと書いております。

 (籾井会長)

 できることなら構いませんが、3月末までに何が起こるか分かりません。われわれは「可及的速やかに」と書いていますが、ごまかしではなく、それはできるだけ早くという意味です。

 (長谷川委員)

 提案です。先ほどの話のように、アイテックの話が非常に重大な問題で、全貌が分かったところで、本当に間違いのない、後ずさりしない、これから絶対にこういうことを許さない体制を作ろうと思っていますので、満を持してわれわれは時間を使う、というようなご説明をなさればよいのではないでしょうか。われわれはがめどというのはあくまでもめどです。なぜ期日が延びるのですかということについては、そういう説明で十分に視聴者には納得いただけるのではないでしょうか。

 (本田代行)

 議論がかみ合っていないという感じがしています。先ほど、NHKグループ経営改革のご説明をしていただきました。残念ですが、アイテックだけの問題ではなく、このグループ経営改革の問題は、土地の問題などいろいろな問題をはらんで、グループ経営のあり方がどうかという問題があって、こういうことになっているわけです。アイテックについては、もちろん大きな事件です。グループ全体の経営改革については説明していただきましたが、アイテックについてはさらに別途、また厳しく改革していくということだと思います。われわれがこれを受けたときに、まさに次の議題にある予算審議ということになると、残念ですが、こういうグループ会社の経営問題についてかなり議論になるのではないかと思います。この「NHKグループ経営改革の方針」をいただいた時に、いつまでにという感じがありませんでした。いつまでにという期限を設けることが大変難しいということが、われわれも分かったので、あえて「道筋」という言い方にしたのです。いつまでにという細かいことを含めて時間的な問題もありますし、なおかつ、それぞれの会社の中で、いろいろな問題を抱えているので、一律にできる話でもないこともわかる。ただし、今度の予算審議の中でNHKのグループ経営の話は問題になるであろう。そうであれば、やはり姿勢を示す意味である程度の努力目標を入れたのです。ですから、改革施策をいつまでにやるということで、改革の「道筋」を年度末までには示していただきたいということです。ある程度の時間的なものは入れたほうがよいではないかということで経営委員会では決めました。全体を細かくしろということではないし、事実上できないこともあるかもしれないけれども、グループ経営の問題については、改革をし、ある程度のめどを書いたほうがよいのではないかということで、ご理解いただきたい。

 (森下委員)

 この「改革の道筋」というのはどういうように理解されているか。多分、そこで意識のずれがあるかも知れません。

 (籾井会長)

 道筋というのはいろいろありますよ。だから。どうやったらこういうことが防げるかということですよ。

 (森下委員)

 この「道筋」というのをどういうようにイメージするかによるのだと思います。具体的な施策をつくるのには、それはできないと思いますが、3月末までに方向性を示すというところまでだったらできるのか、そこのところですね。

 (佐藤委員)

 確かに、このNHKの執行部で書いてくださった「速やかに策定し順次実行に移す」というのはかなり具体的で、これは道筋というレベル以上のものだと思います。会長のお話をお聞きして、これを3月中にやるのは無理だろうという話は私もよく分かります。「道筋」というのは、どういう方向でいくのか示してほしいということを言っているのです。もちろん議論がないとこれはできないので、議論の前段階のイメージだと思うのです。そういう意味では、会長が無理だとおっしゃるのもよく分かる。でも、もう既に先ほどお話を伺っていると、籾井会長は事実上いろいろとおっしゃってます。それをまとめることなので、それであればできるかなと思います。

 (籾井会長)

 これはきょう、総務大臣にも説明する予定です。今、佐藤委員もおっしゃったように、「骨格ができてるではないか。これでよろしい」と経営委員がおっしゃるなら、多少表現は直すにしても、これでやります。これには一つ一つ具体的な作業が必要です。例えば、2番目のグループ会社に必須の機能の再精査・再整理などは、多分、われわれだけではなく、コンサルタントに依頼する必要があろうかと思います。そのときにはまた皆さまにご相談申し上げますが、そういう必要があるだろう。この会社とこの会社がこういう仕事がダブっているとか、こういうことについてはわれわれだけではとてもできない。これはコンサルタントに依頼して、客観的に見てもらうつもりでおります。

 (佐藤委員)

 今、私が申し上げたのは、ものによっては時間のかかるものもあるし、意外に早くできるものもあると思うのです。もっと具体的にきちんとできるものも十分あると思います。ただ、これとこれはこうやってやりました、これはこんな方向に進んでいますということが言えるということであって、これをそのままでよしということではないのです。例えば今の最後の「不正防止策の徹底」というのは、皆さんがきちんとやられれば、会長は承認すればできるようなものだと思います。

 (籾井会長)

 これについても口で言うだけでは、どうしようもないわけです。したがって、きょう関連企業の社長が集まったところで、各社、誰が出金のときの照査をするのか、具体的に名前まで入れて出してくださいとまで言ってあります。これはもう実行です。

 (佐藤委員)

 3月末に、具体的に出てくる策もいくつかあると。ただし、できない作業があるので、こういうことをやりましたということが出れば、それが道筋だと私は思いますが、いかがでしょうか。

 (堂元副会長)

 今年度末というのは、現実的な作業等を考えると、大変難しいだろうという判断です。NHKグループ全体の問題ということに加えて、緊急案件としてアイテック問題が浮上してきたわけです。アイテック問題は、真相解明の調査と国税当局の対応等々がどうなるのかというところに非常に関心を持っておる状況なのです。ご理解をいただきたいと思います。

 (浜田委員長)

 副会長のお話もありましたが、税務調査が終わらないとなかなかできないという問題もあると思いますので、表現上は、会長のご指摘を踏まえて、経営委員会としては「早急」にという趣旨に変更し、執行部に対して3月末をめどに努力目標で頑張っていただくということにしましょうか。

 (美馬委員)

 文章を変えるということですか。

 (籾井会長)

 何の文章ですか。

 (浜田委員長)

 「今年度末をめどに」を「可及的速やかに」という表現に変えますが、内容的には変えません。

 (籾井会長)

 それはいいです。これと別に齟齬(そご)があるとも思ってないので。

 (浜田委員長)

 会長のさまざまなお考えをを否定するものではありません。この件は終わりたいと思います。

 

 

2 議決事項

 (1) 平成28年度収支予算、事業計画及び資金計画
(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)(資料5)

 (福井専務理事)
 「平成28年度収支予算、事業計画及び資金計画」についてご説明いたします。
 NHKは、放送法第70条の規定により、年度ごとに「収支予算、事業計画及び資金計画」を作成し、経営委員会の議決をいただいたのちに、総務大臣に提出することになっています。なお、今回の審議で議決をいただけましたら、本日総務大臣に提出する予定です。
 平成28年度予算につきましては、昨年の10月以降、予算編成方針や収支予算編成要綱など、3回にわたりご審議をいただきました。今回はこれまでの議論を踏まえ、最終的に放送法および放送法施行規則にのっとった予算書としてとりまとめました。
 内容の説明に入る前に、お手元の資料についてご説明いたします。資料は予算書のほか、3つの参考資料を添付しています。
 まず、一番上の「平成28年度収支予算、事業計画及び資金計画」、いわゆる「予算書」ですが、これは、放送法の定めに従って作成し、総務大臣に提出する資料です。放送法では、総務大臣はこの予算に意見を付し、内閣を経て国会に提出し、国会の承認を受けなければならない旨を規定しています。
 資料1「平成28年度収支予算と事業計画の説明資料」は、12月22日の経営委員会でご説明した「平成28年度収支予算編成要綱」をベースにした内容となっています。
 「収支予算編成要綱」から、新たに追加した事項が2点ありますので、簡単に説明いたします。
 まず1つ目は、7ページの下段をご覧ください。チャンネル別予算の下に「ジャンル別の番組制作費」を新たに追加しています。
 これは、番組を「生活・社会情報」や「ドラマ」などのジャンルに区分し、それぞれ出演料や美術セット費などの直接制作費と番組の制作に要する職員の人件費、編集設備などの機材費を合わせた、番組1本あたりの制作単価の目安をお示ししています。たとえば、下から3つ目の「ドラマ」は、1本あたりの単価として990万円から5,830万円を目安として制作します。
 2つ目は、41ページをご覧ください。「平成28年度末予定貸借対照表」です。貸借対照表の27年度末の見込みに対し、28年度予算が予算どおりに施行されることを前提に、資産および負債、純資産の増減を反映し、28年度末の財務状況の見込みを作成したものです。28年度末の資産合計は1兆283億円を見込んでいます。このうち、純資産は、28年度の事業収支差金80億円分が増加し、6,733億円と見込んでいます。これにより、自己資本比率は65.5%となり、引き続き健全な財務状況を維持できる見込みです。説明資料の変更点は以上となります。
 次に、資料2の「NHK平成28年度 収支予算と事業計画〔要約〕」は、28年度の収支予算や事業計画の柱となる5つの重点事項の主な内容など、資料1のポイントを1枚にまとめたものです。記者発表など外部への説明では主にこの資料を使って説明していきます。
 資料3の白黒版の冊子、「日本放送協会 平成28年度収支予算、事業計画及び資金計画に関する資料」は、予算書の参考資料として、国会の審議にも添付する資料です。収支予算等の内訳を詳しく記載しています。
 それでは、「平成28年度収支予算、事業計画及び資金計画」、いわゆる「予算書」の説明をいたします。
 まず、1ページから14ページが「平成28年度収支予算」の構成です。3ページから始まる予算総則は、受信料額や、予算の使用や流用などの運用について規定しています。予算総則については、27年度から変更はございません。
 第1条で、28年度の収入及び支出を、別表第1のとおり定めるとしています。
 第2条では、契約種別ごとの受信料額及び割引額等について規定しており、第1項から第5項まであります。
 続いて4ページの第3条では、予算の目的外使用の禁止について、第4条以降、6ページの13条までは、予算の流用や予備費の使用などについて規定しています。
 なお、予算総則については、一部を除き、経営委員会の議決を経て適用します。
 続きまして、7ページから10ページまでは、予算総則第1条に定める収支予算書です。まず、7ページは一般勘定の事業収支です。
 8ページは一般勘定の資本収支です。
 9ページはNHKオンデマンド事業とVOD事業者への番組提供業務の収支に係る放送番組等有料配信業務勘定です。
 10ページには協会の保有する施設の賃貸等による受託業務等勘定について記載しています。
 11ページから14ページは、予算総則第2条に関連して、受信契約の契約種別や受信料額、団体一括支払における割引額などを記載しています。27年度から受信料額や割引額の変更はありません。
 15ページからは「事業計画」です。放送法施行規則の定めに従い、5つの項目について記載しています。
 まず、17ページからの「1 計画概説」には、予算・事業計画の概要を記載しており、加えて、建設計画や国内放送等の事業運営の基本的な考え方を記載しています。
 それに続く20ページの5行目からの、「2 建設計画」では、新放送・衛星放送施設整備計画、テレビジョン放送網整備計画、放送会館整備計画、放送番組設備整備計画といった予算の科目別に、重点事項と金額をそれぞれ記載しています。建設費は総額828億円を計上しています。
 22ページの2行目からは「3 事業運営計画」を記載しております。
 次の32ページから35ページは、「4 受信契約件数」、36ページは「5 要員計画」です。予算要員は1万273人であり、東京オリンピック・パラリンピック放送対応のための増員を織り込み、27年度に対して31人の増となっています。
 最後は、37ページ以降の「資金計画」です。39ページの資金計画の概要は、入金と出金の概要について記載しています。資金計画は、一般に決算の際に作成するキャッシュ・フロー計算書とは異なり、放送法施行規則の定めに従い、資金の動きを入金と出金に区分して、四半期ごとに増減を把握し、記載しているものです。
 具体的には、40ページをご覧ください。
 入金については、受信料などの事業収入に加えて、有価証券の償還額等を計上しています。
 一方、出金については、実際の出金を伴わない減価償却費などを除いた事業支出や建設費に加えて、出資や有価証券の購入額、納付消費税等を計上しております。
 これらの入金、出金の結果、28年度末の資金有高は、右下にあるとおり563億9,922万2千円となる見込みであり、全体として、資金が不足することなく、事業運営を行う計画となっています。以上が予算書の説明です。
 最後に、28年度の事業計画と収支予算のポイントを資料2「平成28年度 収支予算と事業計画〔要約〕」を使って簡潔にご説明します。
 1ページをご覧ください。
 上段の囲みの「予算・事業計画のポイント」に書きましたが、28年度は経営計画の2年目として、引き続き、5つの重点の取り組みを推進してまいります。
 次に、収支予算につきましては、下の収支表とあわせてご覧ください。まず事業収入は7,016億円となり、受信料の増収等などで、前年度に対して185億円の増、率にして2.7%の増となります。このうち、受信料は、契約件数の増等により、150億円の増収を確保します。その他の事業収入につきましては、子会社等からの受取配当金の増などにより、34億円の増収を見込んでいます。
 これらの事業収入の増収185億円については、国内放送費の増162億円と国際放送費の増22億円に重点的に配分し、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックの放送や第24回参議院議員通常選挙、28年度から試験放送が始まるスーパーハイビジョンの推進等を実施してまいります。
 一方で、給与の削減をはじめ、事業運営の一層の効率化を推進し、事業支出全体では6,936億円とし、前年度に対して167億円の増、率にして2.5%の増となります。
 以上により、事業収支差金は80億円を確保し、全額を渋谷の放送センターの建替え等に備えて、建設積立資産に繰り入れます。
 この結果、建設積立資産は28年度末で1,490億円となる見込みです。
 なお、建設積立資産積み立ての考え方につきましては、放送センターの建替え計画が具体化した時点で見直すこととします。
 2ページ以降は、受信料収入や、5つ重点事項ごとに、28年度の主な番組、国際放送の強化、スーパーハイビジョン試験放送やインターネット活用業務への取り組みなどについて記載しています。
 以上が、「平成28年度収支予算、事業計画及び資金計画」についてのご説明です。ご審議のほどを、よろしくお願いいたします。

 (上田委員)

 いま、福井専務理事からも言及があり、資料1の5ページ一番下にも記載がある、建設積立資産についての念押しです。ここに、「建設積立資産積立ての考え方については、東京・渋谷の放送センターの建替計画が具体化した時点で見直します。」とあり、資料3の5ページにも全く同じ文言が記載されています。これはこの記載でやむをえないと思いますが、実際、現有地での建て替えとなると、いわゆる、建替計画が具体化するというのはどの時点をいっているのか。長期にわたって建て替えていくわけです。したがって、何らかの前提、条件を備えないかぎり、いつまでたっても、具体的な最終の建て替えが完了するまでは分からないということになりかねません。どこかで、適時、適切に見直しの前提や条件が当然あってしかるべきだと思います。

 (福井専務理事)

 基本的には、来夏の基本計画の段階で公表したいと思っています。できれば、それまでには経営委員会でご説明できればと思っております。

 (石原委員)

 要員計画では31人の人員が増えますが、給与が7億円減る理由は何でしょうか。

 (福井専務理事)

 31人は新人採用で増やします。いま、給与制度改革をやっており、平成25年度以降はおおむね5年で基本賃金を10%下げるということで、全体については賃金カーブを緩めにしておりますので、その改革の結果、減ります。それは、29年度まで減っていきます。

 採択の結果、原案どおり議決。

 

 (浜田委員長)
 「平成28年度収支予算・事業計画及び資金計画」の議決にあたり申し上げます。
 「平成28年度収支予算・事業計画及び資金計画」 は、放送と通信の融合が加速する中で、インターネットを活用した新たなサービスの創造や、国際放送の強化、東京オリンピック・パラリンピックに向けた準備など、大変重要な事業を盛り込んだ予算であると認識しております。
 この予算について、しっかり説明責任を果たし、国会で、全会一致で承認していただけることを目指していただきたいと思います。
 予算の執行にあたっては、コンプライアンス意識の徹底と、受信料の重みをあらためて自覚し、コスト削減や効率的な事業運営を心がけていただきたいと思います。
 また、今年度の予算議決の際にもお伝えしましたが、新放送センターの建て替え計画が具体化した時点で、収支を見直し、直近の予算・事業計画に反映した上で、遅滞なく経営委員会に報告していただくようお願いします。
 最後に、NHKのグループ経営については、先ほど報告がありました改革の方針に基づき、抜本的な改善策を早期に策定し、実行に移すことをあらためて求めます。

 

 

3 報告事項

 (1) 平成28年度インターネットサービス実施計画について(資料1)(資料2)

 (井上理事)
 平成28年度のインターネットサービス実施計画についてご説明いたします。
 実施計画のポイントと記した資料をご覧ください。
 平成28年度のインターネットサービスの実施計画は、資料の一番上にあるように、「3か年経営計画の2年目。“公共メディア”への進化に向け、着実に足がかりを蓄積」、「防災・減災情報やリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックなどに重点を置き、放送を補完して公共性の高いサービスを提供」、「コンプライアンスとマネジメントをしっかり行い、PDCAを回す」という3つの大きな方針のもと、この実施計画を策定しました。
 まず第1部は「受信料を財源とするサービス」についてです。
 広く一般の視聴者に提供するサービスである「2号受信料財源業務」では、「ニュース・災害情報発信強化」ということで、スマートフォン向けニュース・災害情報を強化する「NHKニュース・防災」アプリを提供します。また「豊かなスポーツ視聴体験の提供」では、「リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック」等での競技映像・音声のリアルタイム提供を行います。ことしの夏には参議院議員選挙がありますので、正確・迅速、不偏不党の選挙報道に取り組んで、ネットでも公共放送の役割をしっかり果たしていきます。4つ目の「教育分野の充実・強化」では、小中学校に配備されるタブレット端末での利用を想定したコンテンツの最適化やアプリ化を進めます。さらに、「ラジオのインターネットサービスの提供」では、音声波の放送中番組提供である「らじる★らじる」を、現在の東京、大阪、名古屋、仙台の4つのローカル放送に加えて、広島、福岡、札幌、松山に広げて開始します。
 国際放送関係では、「『NHKワールド・オンライン』ホームページの利便性向上と多言語サービスの充実」として、ビルマ語、ヒンディー語、スワヒリ語のホームページでテキスト化したニュースの提供を開始します。
 試験的な提供については、27年度に引き続き、新年度も試験的提供A・Bとも、実施基準の枠内で実施します。
 この、2号受信料財源業務の費用は、受信料収入の1.9%にあたる130億円を予定しております。27年度は123億円でしたので7億円増加していますが、割合については実施基準で定める上限2.5%の枠内に入っております。内訳は、物件費が93億円、減価償却費が3億円、人件費が33億円で、物件費のうち、国内放送関係は76億円、国際放送関係は17億円となっています。
 この他に、受信料を財源とする業務では、事業者等へ提供するサービスである「3号受信料財源業務」として、災害時等の緊急ニュースや、公共放送として特に意義のある過去番組等について、国内事業者への提供を行います。また、受信環境整備として、NHKの国際放送のライブストリーミングやビデオ・オン・デマンド事業を行う海外事業者へ国際放送番組の提供も行います。  
 この3号受信料財源業務の費用は、0.2億円を想定しています。
 続いて、第2部「有料で行うサービス」についてです。
 利用料金を財源とし、一般の利用者向けに有料で提供するサービス「2号有料業務」であるNHKオンデマンドサービスは、引き続きコンテンツの充実や利便性の向上に努め、利用者の拡充を目指してサービスの向上に取り組みます。
 また、有料で事業者等へ提供するサービス「3号有料業務」についても引き続き実施します。
 2号有料業務および3号有料業務は、区分経理の対象であり、「放送番組等有料配信業務勘定」として計理します。予算は、事業収入が22億円、事業支出が22億円で、事業収支差金は0.1億円です。そのうち、3号有料業務に係る事業収入および事業支出は、共に2億円です。
 第3部、第4部は、それぞれ「実施状況に関する資料の作成および評価について」「インターネット活用業務に関する競合事業者からの意見・苦情等への対応について」です。
 以上ご説明した実施計画は、28年4月4日月曜日から実施します。
 本件はこのあと、1月20日に部外公表する予定です。

 (森下委員)

 インターネットについては、やはりインターネットのよさをうまく生かしてくということが大切で、どうやって利用者を拡充するかという課題はありますが、やはり双方向性を生かすことが大事だと思います。特にお願いしたいのは、資料11ページにある「H地域放送局のインターネットサービス」に関することです。12月の経営委員会に28年度の国内放送番組編集の基本計画についてのときにも申し上げましたが、「防災・減災」のためだけではなく、やはり「日常の安心・安全な社会」ということが非常に重要です。特に最近は、お年寄りを狙った特殊詐欺や、テロ問題、交通事故の問題等いろいろあります。この「地域放送局のインターネットサービス」に、「地域の『安全・安心の拠点』」と書いてありますが、防災・減災のことしか書いてありません。ぜひ「日常の中での『安心・安全』」についての情報発信をしていただきたいということ、もう一つは、インターネットでも情報提供するとのことですが、やはり、地域放送の重要性は地域の視聴者から情報提供してもらうことだと思います。「らじる★らじる」でも、どんどん視聴者から情報は上がってきています。特に地域の場合は、視聴者から提供された安心・安全に関する生の情報をうまく放送で取り上げて活用することが必要です。インターネットで、単に情報を流すだけではなく、やはり双方向でのインタラクティブ性が非常に重要なので、ぜひこの地方放送局で取り組んでいただき、ノウハウを積み上げてもらいたいというのがお願いです。

 (井上理事)

 重要なご指摘だと受けとめております。

 (美馬委員)

 21ページの「第3部 実施状況に関する資料の作成および評価について」は、数量だけですね。これはお願いですが、この前までの1部・2部に書いてあるサービスを実施したことの評価だけではなくて、ここから分かる今後の課題や方向性、つまり、インターネットの環境がもっと広がっていったときに、どういうことをすべきであるのかという大きなところを見据えてこの評価をしていただきたいと思います。今、森下委員がおっしゃったように、インターネットの利点あるいは欠点、放送ではできてインターネットではできないこと、あるいはその逆を、全体像を見据えた上で今後のNHKのあり方を考えることを、ぜひともこの評価の中でしていただければと思います。

 (井上理事)

 「インターネット実施基準に基づく実施計画」に基づく今回のインターネットサービスは2年目に入ります。おかげさまで、1年目は試験的提供も含めて、非常に貴重な知見が得られたと思っております。これを詳しく分析して、ぜひ、新年度のサービスの充実に生かしていきたいと考えています。

 (美馬委員)

 その際、もう10年後、20年後の社会状況を見据えた上のことが必要だと思います。それについては、先ほどから出ていた新放送センターのあり方についてもだいぶ変わってくるものがあると思うので、その辺はぜひお願いしたいと思います。

 (井上理事)

 はい。

 

<会長、福井専務理事、井上理事退室>

 

 

4 議決事項

 (2) 平成28年度国内放送番組編集の基本計画について(資料)

 (板野専務理事)
 定款第13条第1項第1号クの規定により「平成28年度国内放送番組編集の基本計画」の議決をお願いします。
 この「編集の基本計画」は、NHK3か年経営計画の2年目にあたる平成28年度に、社会情勢やメディア環境の変化も見据えた上で、どのような方針に基づいて国内放送番組を組み立てていくのかを記載したものです。
 したがって、この「基本計画」の作成にあたっては、経営計画を踏まえながら、来年度のNHKの国内放送の各波における使命は何か、どういう役割を担うかについて、全役員が参加する「経営企画会議」など、さまざまなレベルで、何度も議論を積み重ねてまいりました。
 また、四半期ごとの、経営指標に対するNHKの放送への評価、中央放送番組審議会での審議などを反映したものになっています。
 さらに、去年12月の経営委員会でのご審議を受け、一部書き換えをいたしました。全体については前回説明しておりますので、変更した部分について説明します。
 12月の経営委員会の審議では、「編集の基本計画」について、次のようなご意見がありました。
 3ページの重点事項4『地域の安全・安心の拠点となり、地域活性化に貢献』と、8ページの『ラジオ第1放送の編集方針』について、「地域の高齢者を、詐欺などの犯罪から守る取り組みも大切」といったご意見を頂戴しました。
 こうしたご意見を受け、重点事項4の5行目に「暮らしや安全」ということばを加え、「暮らしや安全、地域の振興に役立つ番組やイベントなどを通じて」といたしました。また、ラジオ第1放送の編集方針の1行目にも同様に「地域の暮らしや安全」ということばを加えて、「地域の暮らしや安全に役立つ生活情報番組」とし、犯罪から暮らしの安全を守るのに役立つ情報を積極的に提供する姿勢を示しました。
 このポイントを変更した「平成28年度国内放送番組の基本計画」を、去年12月21日の「中央番組審議会」に諮問し、同日、全員一致で可とする旨の答申をいただきました。
 平成28年度はこの「基本計画」のもと、NHKは、事実に基づく公平・公正、正確で迅速な報道と、豊かで多彩なコンテンツを充実させ、公共放送の新たな可能性を開く放送とサービスの創造をめざしてまいります。

 (佐藤委員)

 2ページの編集の重要事項の2に、「少子高齢化、社会保障、いじめ、多様な生き方」と並んでいますが、これらももちろん大事ですが、今は、子供の貧困など新たな問題が次々と出てきているのではないかと思います。ここは、やはり「今」にキャッチアップして、毎年書き換えていくことが、今後もNHKが課題についてきちんと考えているということになるのだと思います。前から書いてあるものがそのまま残ってるところが結構あるのではないかと思いますので、ぜひそういうところを変えていただけるようにお願いします。

 (板野専務理事)

 もちろん、そういうことも今後いろいろと考えてまいります。

 (美馬委員)

 同じ箇所に補足する意見です。大抵は、並列に並べる場合は重要事項から書くと思いますが、これは、紛争、安全保障と、多様な生き方と、何を重点に置いているのかレベルが合っていないように思います。きちんとジャンルや社会的トピックなど、精査した上で、ことばをきちんと使っていただきたいと思います。

 (板野専務理事)

 十分注意してまいります。

 採決の結果、原案どおり議決。

 

 

5 報告事項

 (2) 平成28年度国内放送番組編成計画について(資料1)(資料2)

 (板野専務理事)
 「平成28年度国内放送番組編成計画」についてご報告します。「平成28年度国内放送番組編成計画」は、ただ今、議決をしていただいた「平成28年度国内放送番組編集の基本計画」を踏まえ、具体的な時刻表を作成し、どういう番組を放送するかという放送計画をまとめたものです。
 まず、資料「平成28年度国内放送番組編成計画」の1ページ目、目次のページの一番下をご覧ください。平成28年度番組改定の実施期日は、4月4日月曜日とします。
 2ページ目からの「編成計画の要点」では「編集のポイント」ごとに概要を記載しています。波ごとに編成計画の要点をかいつまんでご説明します。「放送番組時刻表」と合わせてご確認ください。
 まず2ページ、総合テレビについてです。
 編集のポイント一番目は、「世の中の動きを迅速にわかりやすく伝えるニュースと魅力あふれる多彩な番組を編成」です。平日夜間の番組配置を見直し、より視聴者のニーズに沿った編成にします。午後7時の「ニュース7」に続いて、7時30分からは、火曜は演歌から最新のポップスまで世代を超えて楽しめる「うたコン」を新設、月曜は「鶴瓶の家族に乾杯」を73分に拡大、水曜の「ガッテン!」はユニークな科学実験や調査を盛り込んで刷新します。また、「ファミリーヒストリー」「歴史秘話ヒストリア」などを午後7時30分から8時台に移設します。
 土曜日の午後6時台には「土曜時代劇」、午後10時台にはクイズや演奏を通して音楽の楽しさを体感する「バナナ♪ゼロミュージック」を新設します。
 3ページをご覧ください。「社会の中核層が明日への活力を生み出す新しいスタイルのニュース番組を新設」です。平日午後10時に社会の中核層の関心に応える「クローズアップ現代+(プラス)」を配置、午後11時台には、スポーツも含め、その日のニュースをコンパクトに伝える「ニュースチェック11」を新設します。
 次は「リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックとその先の“2020年東京”に向けたスポーツ番組の開発」です。
 火曜午後10時台に、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックでの活躍が期待されるアスリートの魅力に迫り、さらに東京大会を目指す有力選手を発掘、応援する番組「グッと!スポーツ」を新設します。
 次は「国際放送と連携し、日本の魅力を世界に発信する番組を制作」です。国際放送とさらに連携を強め、日本の魅力を世界に発信する番組を強化します。
 続いて4ページをご覧ください。「地域の課題と向き合う番組を充実し、地域の魅力を全国に発信」については、「スタジオパークからこんにちは」を午後2時台まで1時間拡大、地方局で制作した番組に、解説など付加情報を加えて伝え、地域情報の全国発信力を高めます。
 5ページからは教育テレビです。編集のポイントの一つ目は、「平日朝、親子で見たくなる、共通の話題となる番組」です。
 ここはEテレで子供を中心に一番見られている時間帯で、さらに強化します。さまざまな番組で、子どもたちのやる気を高める情報をデータ放送で紹介するほか、親子で楽しめる音楽パペットショー「コレナンデ商会」を新設します。
 6ページの2つ目のポイントをご覧ください。「繰り返し見ても高い満足度が得られる質の高い教養系番組」として、現役世代に向け、平日午後10時、11時台を充実します。俳優モーガン・フリーマンの案内で、未知の世界を探求するドキュメンタリーの新設などを行います。
 7ページからBS1です。最初の編集のポイントは、「リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック、そして、2020年の東京オリンピック・パラリンピックにつながる番組を戦略的に展開」です。
 ことし夏のリオ大会を盛り上げる番組ゾーンを日曜午後9時台に新設、多彩な番組を展開します。また「2020年東京」に向けて、アマチュアスポーツの新たな魅力や次世代アスリートの発掘をすすめ、中継競技の拡充にも取り組みます。
 スポーツ以外では、8ページ、2つ目のポイントをご覧ください。「国際・経済情報のさらなる充実と、グローバルな視点で世界の課題と向き合う大型番組の開発」です。日曜夜間に、世界の激動の現場を記録する大型ドキュメンタリーをスタートさせるほか、朝の国際ニュース情報番組や経済情報番組も充実を図ります。
 10ページからはBSプレミアムです。
 最初の編集のポイントは「BSプレミアムのフラッグシップとして、大型エンターテインメントや、長期取材に基づくこれまでにないスケールの番組など、多彩な視聴者の関心を呼ぶ番組を編成」です。
 土曜夜間に、「スーパープレミアム」を新設、大物出演者による大型ライブ・エンターテインメント番組、新鮮なキャスティングと斬新な演出で挑むドラマなど、視聴者が高い関心を寄せるコンテンツを月1回程度、放送します。
 12ページをご覧ください。「『日本再発見』をコンセプトとした、地域の魅力や価値を発信し、地域を応援する番組の強化」です。
 平日午後7時台にある、各地の魅力を発信、地域を応援する番組を充実させるほか、地域を舞台にしたドラマも年8本程度制作します。
 13ページから16ページはラジオ第1、第2、FM放送です。
 それぞれ、編成のポイントを記載しております。ラジオ第1の代表的番組である「NHKジャーナル」の刷新をはじめ、音声波でも多彩な番組で幅広くリスナーの期待に応えていきたいと思います。
 ここまで、各波の主な編集のポイントについて、ご説明しました。
 17ページから30ページは、これまでご説明した編集のポイントに即して編成する新設番組やリニューアルする拡充番組の概要を波ごとに記載しています。こちらはご覧いただければと思います。
 31ページからは放送時間等についてです。各波の種別ごとの定時放送時間・比率は、平成27年度と比べ大きな変動はありません。
 34ページをご覧ください。地域放送時間について記載しています。総合テレビ、ラジオ第1放送の地域放送時間は2時間30分程度、FM放送は1時間20分程度と平成27年度と変わらない見込みです。また、下段に記載していますが、各波の番組で、地域情報を全国に向け発信していきます。
 35ページからは、補完放送等の放送計画で、データ放送やハイブリッドキャストなどについて記載しています。
 47ページをご覧ください。インターネットサービスについてです。
 28年度は、スマートフォンの普及により対応、放送を基軸としながら、さらに良質なサービスを提供します。ニュース・防災アプリをスタートさせるほか、スポーツ、教育などの分野を重点的に強化します。
 48ページからは、字幕放送、解説放送等について記載しています。
 字幕放送と解説放送は、行政指針を踏まえ策定した「拡充計画」に基づいて、ニュース番組の生字幕など、引き続き人にやさしい放送の充実を図ります。
 「国内放送番組編成計画」についての説明は以上です。

 (室伏委員)

 オリンピック・パラリンピックについて、かなり充実した放送計画を立てていらっしゃると思います。ただ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでの道筋ということでいろいろ考えていらっしゃいますが、実は、現在、いろいろな省庁の審議会などでは、2020年の先を考えた、日本の将来のためにどういうことをしていったらよいかということも、民間と一緒に議論しています。ですから、ぜひNHKの番組の中にも、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを、どのようにわが国の将来に役立てられるのかという視点を入れていただきたいと思います。

 (板野専務理事)

 大変重要なご指摘です。オリンピック・パラリンピックは、終わってしまうと、例えば選手の強化などさまざまな形で、随分とペースが落ちてしまうということもあります。われわれは、ことしのリオデジャネイロからさらに東京のオリンピック・パラリンピックにつなげる、さまざまな番組を考えておりますが、それだけではなく、スポーツについて皆さまに楽しんでもらったり、関心を持ってもらったり、あるいは参加してもらえるような土台づくりをすることが、一番大切なことだと思っています。オリンピックも多様な種目がありますし、パラリンピックもどんどん種目数が増えてきました。ふだん余りなじみのないスポーツ種目にも親しむ機会を持っていただき、ひいては、実際に見に行ったり参加してもらったりできるような機会を、さらに増やしていけるよう、全体の競技の中継や、実際にそれに向かうまでの番組を考えていきたいと思っています。

 (室伏委員)

 ありがとうございます。スポーツの振興もとても大事ですが、それをもう少し超えて、例えば各国の文化を紹介することで、国際交流に生かしていくことも考えられますし、さまざまなサービス産業の発展にも資することが出来ると思います。また、例えばパラリンピック開催後には、バリアフリー社会の実現のために役立つさまざまな情報が得られると思います。そういった視点もぜひ持っていただきたいと思います。

 (美馬委員)

 テレビを見ない若い人たちへのアプローチの1つとして、「NHKプロフェッショナル 私の流儀」アプリがありますが、これはすごいですね。今、自宅ではない学生、特にテレビを持っていない人たちにどうやってNHKがリーチしていくのかは、今までやってきたようなイベント形式ではなく、彼らの生活スタイルから見ていくべきです。そういう意味で、このアプリは、今、学生の間でも結構評判になっていて、私もつくってみて楽しかったです。彼らの生活スタイルから入っていくことが、今後のよい番組づくりにつながると思いますので、ぜひ考えていただければと思います。

 (板野専務理事)

 実は、それについてインターネットでも考えているところです。NHK離れあるいはテレビ離れを食いとめるためには、ネットで情報収集している方にもテレビを見ていただける動機づけになるようなものを、インターネット上で展開していく必要があると思っております。今、美馬委員がおっしゃったようなことも、まさにそういうことを目的にしてやっているものです。例えば「NHKニュース7」の視聴者が、最近「Yahoo!ニュース」のヘッドラインに随分とられてるという指摘もありますが、インターネットでご覧になっている方に、やはりNHKでニュースを見ないときちんとした情報が伝わらないと思っていただけるものを、インターネット上でも展開していきたいと思っています。

 (美馬委員)

 補足ですが、1人暮らしの学生の場合、ご家族がNHKの受信料を払っていれば家族割引がありますが、それがあまり知られていません。ぜひその周知もあわせてお願いします。

 (板野専務理事)

 それも努めてまいります。

 (安齋理事)

 「NHKプロフェッショナル 私の流儀」のアプリは、音楽つきで自分のPRが1分弱でできるようになっております。1月1日から始めましたが、毎日、大体7万件ぐらいダウンロードがあり、現時点で47万件人以上の人に使われています。これまでの中では非常によく若い方たちに使われているので、これを機にぜひNHKの番組本体も見てもらえるようにしたいと思っています。

 (井伊委員)

 先ほど室伏委員がご指摘されたことは、とても重要なことだと思います。オリンピック・パラリンピックなど、明るい話題に向かっていろいろな番組をつくっていくことも大切ですが、その後の2025年問題に目が行くようにすることです。団塊の世代が後期高齢者になるときに一体日本の財政がどうなるのか、人手不足や少子化の問題も重要な日本の課題として議論されています。私たちは明るい話題は受け入れますが、痛みを伴うようなことは、どうしても避けてしまう傾向があります。そのあたりをうまく伝えていくことは、NHKの重要な役割だろうと思います。

 (板野専務理事)

 私も経済記者でしたので、財政問題については大変強い関心があります。消費税率の引き上げによる軽減税率の問題など、国会でもいろいろと議論されている最中ですが、そういう議論は、分かりづらい部分もたくさんあります。それを分かりやすく伝えることは、NHKの使命であると思っておりますし、そういった番組をつくっていきたいと考えております。

 (宮田委員)

 たくさんのことが書いてありますが、文化、芸術、美術ということばが一つもありません。ロンドンオリンピックを例に取ると、大会の4年前である2008年から、英国のあらゆる地域で、文化・芸術の魅力を紹介する文化プログラムが11万件実施されました。それが、現在では18万件まで大きく伸びて、経済効果にも大きく影響しています。私は今、組織委員会の文化・教育委員会の委員長をやっておりますが、宣伝してくれるのはNHKです。そういう現在の事情をNHKは、今この番組編成をするときに情報として知っておく必要がある。以前、執行部の方に「美術において貧困である」という話をしました。私はその専門ですので、そういった事情を伝える必要があるという立場から、この場所ではっきりと認識をしっかり持ってもらいたいとお伝えします。

 (板野専務理事)

 申すまでもなくNHKは、日本の文化の一翼を担っている組織だと思っております。今回、明示的に編集の基本方針の中にはうたっておりませんが、実は、放送法の中にもそのことはきちんと載っていますので、きちんとこれまでのとおりやってまいりますし、これからも発展させていきたいと思っています。宮田委員がおっしゃったオリンピックの問題については、ロンドンオリンピック開催前から、何年間にもわたって継続的に美術展、コンサート、演劇といった文化・芸術に関するイベントをやってきたことを、1年ほど前にBBCの方をお呼びして勉強したところです。BBCの場合は、ロンドンオリンピックの組織委員会の中でも一定の役割を果たしてきました。NHKがそこまでやれるかどうかは、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会のお考えもおありだと思います。どういう決断をなさるかというのは私どもも分かりませんが、NHKは放送の立場で協力していきたいと思っております。

 (宮田委員)

 今、大会組織委員会では20万件のイベントを行おうと検討し、それを十分乗り越えられるだけの組織づくりをしております。ぜひ、国家の仕事を担うNHKとしても、協力をお願いします。

 (板野専務理事)

 よろしくお願いします。

 

 

6 議決事項

 (3) 平成28年度国際放送番組編集の基本計画について(資料)

 (坂本理事)
 定款第13条第1項第1号クの規定により「平成28年度 国際放送番組 編集の基本計画」の議決をお願いします。
 「国際放送番組 編集の基本計画」につきましては、昨年12月8日の経営委員会でご審議いただいたのち、12月15日の「国際放送番組審議会」に諮問し、審議の結果原案を可とする旨、答申を得ましたので、本日あらためまして議決をお願いします。

 (中島委員)

 国際放送番組審議会でもよく提案されているようですが、国内で人気のある番組を、もっと国際放送に流してはどうでしょうか。例えば「ためしてガッテン」や、レシピつきの日本料理など、国際的に関心を集めそうな番組があると思います。

 (坂本理事)

 国際放送と国内放送の連携については、今年度下半期から徐々に番組を増やしています。新年度はさらに強化しようということで、ドキュメンタリー系の番組や、地域放送にも非常によい番組がありますので、東京、京都だけではなく、地域のよさを伝えるような国内で放送した番組を、国際放送で出してまいります。また、先ほどご指摘がありましたような番組についても、日本の発信力になるものについては、権利等の処理はありますが、随時進めていきたいと思っております。

 (中島委員)

 ご参考までに、NHKは英会話、園芸などいろいろなよい雑誌を出してます。私どもは、男子校ですが、生徒に最も人気があるのは料理番組です。若い者に火をつけるのには案外、食というのはいいのかもしれません。ご参考までにお知らせします。

 (坂本理事)

 そういったことを踏まえてまいります。

 採決の結果、原案どおり議決。

 

 

7 報告事項

 (3) 平成28年度国際放送番組編集の基本計画について(資料1)(資料2)(資料3)

 (坂本理事)
 「平成28年度 国際放送番組 編成計画」についてご報告します。
 「国際放送番組 編成計画」は、ただいま議決していただいた「国際放送番組 編集の基本計画」に基づき、時刻表や編成計画の要点等をまとめたものです。実施期日は、国内放送と同じく、平成28年4月4日でございます。
 資料の1ページをご覧ください。「編成計画の要点」について説明させていただきます。国際放送番組編成計画のポイントは、「別表 国際放送番組 時刻表」と合わせてご確認ください。
 まず外国人向け英語放送の「NHKワールドTV」につきましては、世界から選ばれ、さらに信頼を得られる国際放送を目指し、「ニュースの充実と平日夜間の強化」、そして、先ほどもご意見にありました「国内放送と国際放送のさらなる連携」、「日本への関心を高める番組の編成」の3点について重点的に取り組んでまいります。
 具体的には、「新設番組の概要」に触れております。
 まず、1つ目は「NHK NEWSLINE」です。毎正時に放送している基幹ニュースの「NEWSLINE」に「NHK」を付けて、存在感、ステーションイメージを高めていきたいと思っております。内容的にも、海外からのリポートを増やすなど、より本格的な国際ニュースへブラッシュアップしてまいります。
 「Direct Talk」は、新しい試みとして、月曜日から金曜日まで午後8時からの「Newsroom Tokyo」のあとの15分間を使って、国内外のビジネスリーダーや、科学技術、文化、スポーツなどさまざまな分野のキーパーソンに聞く15分のインタビュー番組です。
 ビビッドな人を選んで放送をしていきたいと思っています。
 2ページ目をご覧ください。「J−Trip Plan」は、実用的な観光情報番組です。東京や京都だけでなく、日本各地の魅力を世界に発信する番組です。
 その下の「Biz Buzz Japan」は、先ほどのご指摘にあった部分を踏まえたものになりますが、総合テレビの「サキどり↑」をリメイクしたもので、日本のビジネスの最新事情を、わかりやすく伝えます。
 次の「A Century on Film」は、「映像の世紀」と「新映像の世紀」の英語版で、国際放送向けに再編集して放送し、NHKならではのスケール感を世界にアピールする番組ですす。
 続いて3ページをご覧ください。在外邦人向けの「NHKワールド・プレミアム」では、とくに週末午前の朝のニュース・情報番組を充実させます。これまで土曜日の「おはよう日本」は7時からをノンスクランブル時間帯としていましたが、28年度からは6時からノンスクランブルで放送します。
 ラジオの国際放送「NHKワールド・ラジオ日本」は、外国人向けには17の言語を通じて、日本の最新情報や話題を伝えます。28年度は、各地域の好適聴取時間や受信環境に合わせ、放送枠の新設および移設を行います。よりタイムリーに聞いていただけるよう中身を充実します。
 在外邦人向けには、国内の主要ニュース、情報番組、スポーツ中継、音楽番組、ラジオドラマなどを国内と同時に放送します。
 4ページをご覧ください。インターネットの「NHKワールド・オンライン」につきましては、まず、ビデオ・オン・デマンドを大幅に拡充します。現在、13番組で開始していますが、28年度は対象番組を20程度に増やして視聴者の期待に応えたいと思います。
 また、多言語サービスの充実として、新たにビルマ語、ヒンディー語、スワヒリ語でテキストニュースを開始し、17言語全てでの提供を可能にします。
 さらに、SNSの情報発信強化として、ニュースをツイッターで配信するなど、SNS活用の取り組みをさらに進めて、ニュースや番組の広報を強化し、ホームページのアクセス増加につなげていきたいと考えております。
 5ページ以降は「放送時間等」の表で、いずれもおおよそ今年度と同じ時間帯です。
 「国際放送番組 編成計画」についての説明は以上です。

 (石原委員)

 今、テレビのほうは、ほとんどの番組が英語ですが、言語をさらに拡大することは考えていませんか。例えばアジアには大きな人口があり、成長している国があります。インドネシア、タイ、ベトナムなどの言語での提供をどう考えるのでしょうか。今、インバウンド政策を一生懸命やっていますが、あの辺の国では、英語ではなく直接その国の言語で放送できないものかとつねづね思っています。

 (坂本理事)

 多言語化については一つの課題と捉えて、中米、南米を意識して試験的に一部の番組にスペイン語字幕をつけて放送しています。
 ご指摘のありましたインドネシア語、ベトナム語を含め、多言語を本格的に実施するには、非常に要員体制を構築するのが難しいのが現状で、これからの課題になると考えております。

 (美馬委員)

 今のことに関連する意見です。例えばBBCでは、試験的に自動翻訳をやっていました。翻訳の正確さというところでは、そのまますぐにニュースなどに使うのは問題だと思いますが、あえてそこを人工知能や自動翻訳など、マルチランゲージの対応は、今、研究も進んでいるので、言語サービスが全く何もないよりも、クローズドキャプションの字幕のところを自動翻訳にかけて付加していくというのは、意味があると思います。ぜひ技術担当と相談しながら、開発していくことを検討していただけたらと思います。

 (坂本理事)

 ご指摘ありがとうございます。ニュース等で使う場合、翻訳機能がまだ精緻でないところがあるなど、いろいろな意味で課題がまだあると思うので慎重に対応してまいりたいと思います。ただ、そういう機能があることも事実ですので、技術的にどのように可能になるのか、これから研究が必要だと思っております。

 (浜田委員長)

 ことしは、予算を含めて国際放送についていろいろな新しい試みをされましたが、今までと比較してどうだったのか、どこかでまとめてご報告をお願いします。

 (坂本理事)

 いずれご報告させていただきます。

 以上で付議事項を終了した。

 

 

 上記のとおり確認する。

 

 平成28年1月26日    

浜 田 健一郎

 

上 田 良 一