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第1250回
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平成27年12月25日(金)公表

日本放送協会第1250回経営委員会議事録
(平成27年12月8日開催分)

第1250回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1250回経営委員会

 

<会 議 日 時>

平成27年12月8日(火)午後1時30分から午後4時20分まで

 

<出 席 者>

〔委  員〕

  浜 田 健一郎 本 田 勝 彦 井 伊 雅 子
    石 原  進   上 田 良 一 佐 藤 友美子
    長谷川 三千子   美 馬 のゆり 宮 田 亮 平
    森 下 俊 三      
  ◎は委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔役  員〕

  籾 井 会 長 堂 元 副会長 塚 田 専務理事
  吉 国 専務理事 板 野 専務理事 福 井 専務理事
  森 永 理 事 井 上 理 事 浜 田 技師長
  今 井 理 事 坂 本 理 事 安 齋 理 事

 

 

<場   所>
放送センター  22階経営委員会室  21階役員会議室

 

<議   題>

 

○ 子会社による土地の購入計画について

 

付議事項

 

○ 視聴者のみなさまと語る会(仙台)開催報告(資料)

 

1 審議事項

 (1) 平成28年度収支予算編成要綱

 (2) 平成28年度国内放送番組編集の基本計画について(資料)

 (3) 平成28年度国際放送番組編集の基本計画について(資料)

 

○ その他事項

 (1) 平成27年秋季交渉の結果について(資料)

 

 

議事経過

 

 浜田委員長が開会を宣言し、経営委員会を開催。

 

○ 子会社による土地の購入計画について

 関連団体による土地の購入の計画について執行部から説明を受け、意見交換を行った。

 

<会長、副会長、専務理事、技師長、理事入室>

 

 本日の付議事項および日程について説明。第1249回(平成27年11月24日開催)の議事録を承認し、所要の手続きを経て、平成27年12月11日に公表することを決定した。

 

 

○ 視聴者のみなさまと語る会(仙台)開催報告(資料)

 (鈴木経営委員会事務局長)

 平成27年度、4回目の開催となりました「語る会」は、10月3日(土)、仙台放送局で開催しました。時間は午後2時から4時までの2時間です。
 登壇は、経営委員会から、本田代行、美馬委員の2名。執行部から吉国専務理事、板野専務理事、安齋理事、仙台放送局の西村局長の4名を加えた合計6名で、司会は、仙台放送局の内多 勝康アナウンサーでした。
 公募の結果、はがき、ホームページなどを通じて85名から参加の申込みがあり、当日は、49名が「語る会」に参加されました。
 「語る会」終了後には、「テレビの素顔 あさイチの舞台裏」と題して、柳澤 秀夫解説主幹による講演会を開催しました。
 概要や反響等については、報告書の1〜2ページに記載しています。
 冒頭、協会の基本方針や重要事項の説明として、美馬委員から経営委員会の役割、平成27年〜29年度NHK経営計画、27年度の収支予算、事業計画について説明しました。その内容は3〜6ページに記載しています。
 意見聴取は「経営全般」と「放送」の2つのテーマで実施し、「受信料制度」「さらなる経費節減」「公平公正な報道」「アナウンス力の向上」「NHKに望む番組」など、多岐にわたる意見や提言が寄せられました。これらは7ページ以降に掲載しています。
 終了後の参加者当日アンケートの結果とアンケートに記された具体的内容は29ページ以降に記載しています。

 

 

1 審議事項

 (1) 平成28年度収支予算編成要綱

 (浜田委員長)
 執行部より、本議題の取り下げについて説明をお願いいたします。
 (福井専務理事)
 本日の経営委員会での議論を受けて、平成28年度収支予算編成要綱の提案については、今回は見送ることとさせていただきます。次回、あらためて経営委員会で提案させていただきます。
 (上田監査委員)
 今回は平成28年度収支予算編成要綱を取り下げるとのことでしたが、本日の報道にもあった土地の取得に関して昨日12月7日に開催された監査委員会の検討結果を踏まえてひと言申し上げます。
 役員の職務の執行を監査する監査委員会として、以下、申し上げます。
 協会のグループ経営を適切に進めるため、経営委員会の内部統制関係議決に基づいて作られた「関連団体運営基準」は、関連団体の事業活動における順守事項として、「不公正な取引を行わない」こと、「過大なリスクのある事業を行わない」ことを求めています。また、「重要な資産の取得」など関連団体の経営の重要事項については、関連団体が協会と事前に協議することを定めています。
 こうした運営基準に鑑み、監査委員会は、今回の関連団体による土地取引をめぐる意思決定が、会長以下関係する役員、およびその指揮のもとにあるNHK職員との適切な事前協議を経て行われたものであるかどうか、あるいは行われているものかどうかを注視しているところです。
 そして、その事前協議の中では、今回の土地取引をめぐる相手方との交渉や、仲介業者との折衝、さらには関係の関連団体内の意思決定が適正な手続きを経て行われていること、また、購入価格を含め取引の内容・条件がNHKグループとして説明責任を果たせるものとなっていること、これらのことを、執行部が厳正に確認したうえで、意思決定がなされる必要があると考えています。
 こうした観点に立って、選定監査委員として、私上田は、この土地取引について認知した翌日の12月2日より、関係の役職員、関連子会社の社長から話を聞き、そのことを、昨日12月7日の監査委員会で報告しました。
 監査委員会としては、引き続き、この土地取引が関連団体運営基準にのっとって協会の役職員による適正な手続きのもと行われたのか、行われていくのか、注視していくことを決めました。
 その結果は、しかるべき時期になりましたら、経営委員会に報告いたします。
 (籾井会長)
 ただいまの上田監査委員の、コメントについては真摯に受け止めております。
 さしあたり、われわれがとってまいりました行動に対しては、できる限りの法的調査を行ってまいりまして、われわれが行ってきたことについて、そういう意味での不備はないと認識いたしております。今から先のことにつきましては、当然のことながら、それぞれの関連企業は、それぞれの会社における手続きをしっかりとやっていく必要があることは、私も承知しておりますし、関連企業もその手続きについて、当然認識していると理解しております。
 従いまして、上田監査委員のご意見は真摯に受け止めながら、同時に、さしあたっては法的な問題はないということを明確に申し上げ、さらに、今後の問題については、ただいまご指摘いただいたことは、当然のこととして実行していかなければならないと思っております。
 (浜田委員長)
 ただいま、籾井会長からご発言がありましたが、私からもひと言申し上げます。
 先ほど、上田監査委員のご発言にありましたように、今回の不動産取得計画については、手続きの正当性や購入価格を含め取引の内容、条件の妥当性の面でまだ不明な点があります。今後、この件について執行部で十分に検証していただきたいと思います。
 役員の職務の執行を監督する経営委員会といたしましては、会長以下執行部が、今後子会社の重要な事業の計画について関連団体運営基準にのっとり慎重に対応することを求めます。

 

 (2) 平成28年度国内放送番組編集の基本計画について(資料)
 (板野専務理事)
 「平成28年度国内放送番組編集の基本計画(案)」について、ご説明します。この基本計画については、定款により、12月21日に開催される予定の「第621回中央放送番組審議会」に諮問し、答申を得た上で、来年1月12日に開催予定の経営委員会に「議決事項」として提出する予定です。本日は議決に向けて、この基本計画の考え方や概要をご説明したあと、審議をお願いいたします。
 編集の基本計画は、現在のNHK3か年計画の2年目にあたる平成28年度に、社会情勢やメディア環境の変化も見据えた上で、どのような方針に基づいて国内放送番組を組み立てていくかを記載したものです。作成にあたっては、NHK3か年計画を踏まえ、来年度のNHKの国内放送の各波における使命は何か、どういう役割を担うかについて、今年の5月から放送総局での議論をスタートさせ、その後、半年をかけて放送総局、さらに全役員が参加する「経営企画会議」などさまざまなレベルで、議論を積み重ねて来ました。また、四半期ごとの、経営指標に対するNHKの放送への評価、中央番組審議会の審議、意見などを踏まえたものとなっています。
 それではお手元の資料、「平成28年度国内放送番組編集の基本計画(案)」をご覧いただきながら、説明します。
 この編集の基本計画は、1ページ目の「編集の基本方針」と2ページから5ページの「編集の重点事項」、6ページ以降の「各波の編集方針」で構成されております。
 1ページ目の「編集の基本方針」からご説明します。最初のブロックでは、現在進められている3か年計画に沿って、基本的な考え方を記載しています。次のブロックに、事実に基づき、公平・公正、何人からも干渉されない放送の自主自律と不偏不党を貫き、公共の福祉や社会の発展、人びとの命と暮らしを守る公共放送の原点を堅持すること。「日本と世界の課題を読み解く」ニュース・報道番組と「幅広い世代の期待に応える」文化・教養・娯楽番組など質の高い放送を実現するという、基本姿勢を掲げています。3つめのブロックでは、来年度取り組む主な重点事項をあげています。深刻化する自然災害に対する体制作り、始まるスーパーハイビジョンの試験放送への対応やインターネットを活用したサービス、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックなどです。
 続いて、2ページ目の「編集の重点事項」をご覧ください。平成27年度は「放送90年、戦後70年」の項目があったため9項目でしたが、今回は8項目にしています。
 1番目は「命と暮らしを守る報道に全力を挙げ、東日本大震災からの復興を積極的に支援」です。豪雨や噴火など自然災害が激化、突発化、多発化する中で、防災・減災報道で、より正確で迅速な対応をし、いかなる事態でも、途切れない放送の体制を強化します。そして、東日本大震災の被災地の復興を引き続き支援します。
 2番目は「日本や世界の課題に向き合い、人々から信頼される報道・番組を充実」です。公平・公正な報道姿勢を堅持、事実に基づく正確で迅速なニュース、骨太な番組を積極的に発信いたします。また、人々の判断のよりどころとなる正しい情報を提供する役割を果たしてまいります。
 また、複雑で難解な問題についても、ビッグデータをいかしたデータジャーナリズムなどを活用して、よりわかりやすく丁寧に伝えます。
 3番目は「視聴者の幅広い期待に応えて、見応えある魅力的なコンテンツを開発・制作」です。NHKの7つの放送波を活用し、幅広い世代の多様な関心に応えていきます。そのための基本方針となる、それぞれの波の役割と目標を記しています。詳しくは後ほど各波の編集方針の部分でご説明します。
 4番目は「地域の安全・安心の拠点となり、地域活性化に積極的に貢献」です。全国にある地域の放送局は、防災・減災報道、緊急報道などそれぞれの地域へ情報提供するとともに、地域情報を全国や世界に積極的に発信していくことに力を注ぎます。地域の自然や文化などの魅力を伝える、地域ドラマや情報番組などを強化して、地域活性化に貢献します。また、地域のための情報提供を充実させ、身近で信頼される放送局としての存在感を高めます。
 5番目は「2020年東京オリンピック・パラリンピックへ、本格スタート」です。27年度の基本計画では8番目の項目でしたが、来年はリオデジャネイロ大会が開催されることから5番目にあげました。リオデジャネイロ大会の放送を成功させるのはもちろん、東京を見据えてさまざまな取り組みをスタートします。特にパラリンピックの放送時間は、質・量ともに大幅に拡充していく予定です。そして、大会が終わった秋以降は、東京を目指してさまざまなスポーツ中継や番組の開発を進めます。活発になる国際交流やボランティア活動に役立つ番組も展開いたします。視聴者の幅広い興味と関心に答えてまいります。
 6番目は「新たな可能性を開く放送・サービスを創造」です。放送番組とインターネットが連携するサービスを一層、強化します。防災・減災報道で新しい技術・サービスを活用するほか、スマートフォンの普及にあわせてNHKのホームページを改善するなど利便性の向上を図ります。そしてスタートするスーパーハイビジョンの試験放送では、多彩なコンテンツを充実してお届けします。
 7番目は「日本を世界に、発信を強化」です。大型コンテンツの国際共同制作などの海外展開を積極的に進め、日本の文化や技術などを国際社会へ発信します。また、国内と国際放送で連携して、両方で放送できる番組を作るなど、質・量ともに充実させます。
 8番目は「人にやさしい放送・サービスの拡充」です。番組内容はもちろん、字幕や解説放送、手話など、人にやさしい放送とサービスを充実させます。
 こうした重点目標の実施にあたって勘案すべき点として、○印で3つ挙げました。開発中のトータルリーチの指標の精度をさらに高め、より適切な評価・管理体制を作ること。コンテンツの充実が求められるスーパーハイビジョンの制作では、通常の番組でも放送できるように一体制作し、効率化を図ること。そして、人材育成では事実に基づき正確に伝えていくという放送倫理を徹底、コンプライアンス意識を組織全体で共有し、確かで正しい情報と質の高い番組の提供に努めてまいります。この部分は、本年度の基本計画では「放送倫理やコンプライアンス意識を徹底」とだけ記載していましたが、「クローズアップ現代」報道の問題をふまえ、より丁寧な表現に改めさせていただきました。
 6ページ以降は「各波の編集方針」です。放送波ごとの編集方針と編集のポイント、あわせて、放送時間と放送番組の部門別種別について定めています。
 総合テレビジョンは、命と暮らしを守る、正確で迅速な報道に努めるとともに、内外の課題に向き合い、社会が進むべき方向を探る基盤となるニュース、番組を充実いたします。また、多彩な番組を編成し、幅広い世代に支持されるチャンネルを目指します。下段にある番組の部門別編成比率も見直しました。これまで報道番組を20%以上としていましたが、35%以上に変更します。本年度も計画値で40%を越える実態があることに加え、自然災害が多発化、突発化する中で、これまで以上に柔軟な編成を行い、積極的に対応していく姿勢を示したいと考えたからです。
 教育テレビジョンは、「幅広い世代の知りたい、学びたい」気持ちに多彩な番組で応えるほか、いじめなど教育や福祉などの重要課題についての発信を続けてまいります。また、東京オリンピック・パラリンピックに向けた国際交流などに役立つ番組にも取り組みます。
 BS1は「ライブ感溢れる情報チャンネル」として、これまでの国際・経済情報などの柱に「2020年東京」を新たに加え、オリンピック・パラリンピックに向け、幅広い番組を戦略的に展開します。また、スポーツ番組のほかには、国際経済情報番組やグローバルな視点で世界の課題に向き合う大型番組を開発します。
 BSプレミアムは「本物志向の知的エンターテインメントチャンネル」として、視聴者が「文句なしに見たい」と話題にする大型番組を軸に、より多くの視聴者の獲得を目指します。
 大型エンターテインメントや長期取材に基づくスケールの大きい番組を制作するほか、NHKならではの個性的な定時番組の開発に取り組み、さらに地域の魅力を紹介したり、地域を応援する番組を強化します。
 ラジオ第1は音声基幹波として「安全・安心ラジオ」の機能強化に取り組み、地域の生活情報番組を充実・強化します。番組のターゲットをより明確にして内容を深化させます。
 ラジオ第2は生涯学習波としてインターネットと連携し、いつでもどこでも学べる機会を提供します。
 FMは総合音楽波としてさまざまなジャンルの音楽を届けるとともに、災害時はラジオ第1と協力、地域情報をきめ細かく提供します。

 (森下委員)

 3ページの「4.地域の『安全・安心の拠点』となり、地域活性化に積極的に貢献」のところでは、防災・減災報道が中心となっていますが、最近は高齢者の増加に伴った、高齢者を対象とした犯罪が増えてきています。5行目の「地域に密着した地域のための情報提供を充実」のあとに、そういった地域の犯罪の減少や、地域の振興に役立つなどの要素を入れていただければと思います。

 (板野専務理事)

 検討させていただきます。現在、首都圏放送センターでは振り込め詐欺の問題についてキャンペーンを展開しております。そういったこともほかの地域でも当然問題にもなっておりますので、森下委員からご指摘があったように、マイナンバー詐欺など、高齢者の方を狙った新しい犯罪への対策についても力を注いでいきたいと思っております。

 (森下委員)

 それから、ラジオ第1放送は、とても使いやすいのですが、これも「地域の生活情報番組を充実・強化」のところに同じように高齢者を対象とした犯罪への対策について入れていただければと思います。

 (板野専務理事)

 来年度はローカル放送番組の拡充を前向きに検討しているところです。東日本大震災の際には、地域ラジオ放送は大変大きな防災・減災の役割を果たしました。われわれは、ふだんから防災・減災報道に限らず地域の情報を地域の方々に届けるメディアとしてもう一度ラジオのことを考え直してまいりたいと思っております。

 (浜田委員長)
 本件につきましては、中央放送番組審議会の答申を踏まえ、改めて議決事項としての提出をお願いいたします。

 

 (3) 平成28年度国際放送番組編集の基本計画について(資料)

 (坂本理事)
 「平成28年度 国際放送番組 編集の基本計画(案)」につきまして、ご説明します。この基本計画については、定款により、12月15日に開催される予定の「第620回国際放送番組審議会」に諮問し、答申を得た上で、改めて来年1月12日に開催予定の経営委員会に「議決事項」として提出する予定です。本日は議決に向けて、この基本計画の考え方や概要をご説明したあと、審議をお願いいたします。
 1ページ目をご覧ください。
 「編集の基本方針」から説明させていただきます。「編集の基本方針」では、最初のパラグラフで、国際放送を取り巻く現状認識と、NHKワールドの目指すところについて述べております。
 日本の公共放送NHKが発信する国際ニュースへのニーズが高まり、また、東京オリンピック・パラリンピックを4年後に控えて海外発信のさらなる強化が求められる中、「NHKワールド」は、国際放送が果たすべき責務と期待される大きな役割を自覚し、正確で客観的なニュースや、幅広いコンテンツを発信することで、世界から選ばれ、信頼される国際放送を目指します。
 そのあとのパラグラフで、NHKワールドの各波、外国人向けの「ワールドTV」、在外邦人向けの「ワールド・プレミアム」、「ラジオ日本」、「ワールド・オンライン」について触れておりますが、次のページ以降で説明させていただきます。
 2ページ目をご覧ください。「編集の重点事項と各波の編集方針」の項ですが、まず「ワールドTV」は、次の3点について重点的に取り組んでまいります。
 第一に、ニュースの充実と平日夜間の強化です。毎正時に放送している基幹ニュースを、海外からのリポートや解説を増やすなど、より本格的な国際ニュースとして刷新します。
 また、平日午後8時台にインタビュー番組を新設することで、大型ニュースとの相乗効果をはかり、1時間トータルで見てもらうことを目指します。
 第二に、国内放送と国際放送のさらなる連携です。貴重な映像記録で激動の100年を描いた大型ドキュメンタリーシリーズや、地域放送局が制作した日本各地の魅力を紹介する番組などを海外発信し、NHKならではのコンテンツ力を示すことで、国際的なプレゼンスを高めます。
 第三に、日本への関心を高める番組を編成します。2020年に向けて、NHKのネットワークを活用した新しいタイプの観光情報番組や、新しい日本語学習番組を新設します。
 続いて3ページ目は、日本語の在外邦人向け放送の「NHKワールド・プレミアム」です。「NHKワールド・プレミアム」は、日本のいまを伝えるニュース・情報番組を充実させるとともに、「安全」と「安心」を支える情報として、地震、津波などの自然災害や、事件・事故などの緊急事態発生時には、迅速かつ的確な情報の提供に努めてまいります。
 4ページ目をご覧ください。「NHKワールド・ラジオ日本」です。多言語による外国人向けサービスでは、日本の最新情報や話題を17の言語を通じて伝えます。
 日本語の在外邦人向けサービスでは、国内の主要ニュース、情報番組、スポーツ中継、音楽番組、ラジオドラマなど日本の情報を多彩に伝えます。
 5ページ目はインターネットの「NHKワールド・オンライン」です。
 まず、ビデオ・オン・デマンドを大幅に拡充します。今年度13番組で開始しましたが、来年度は対象番組を20番組程度に増やして視聴者の期待に応えます。
 また、多言語サービスの充実として、これまで14言語で提供してきたテキストニュースに、新たにビルマ語、ヒンディー語、スワヒリ語の3言語を加え、全17言語で提供します。
 そのほか、SNSを活用した情報発信強化として、世界のインターネット利用者の間でコミュニケーションツールとして定着したツイッターやフェイスブックなどを通じて「NHKワールド」のニュースや番組情報を積極的に発信してまいります。

 (長谷川委員)

 2ページの「1.テレビジョン国際放送」の2番目、「国内放送と国際放送のさらなる連携」のところに、「世界中に保存されている貴重な映像記録で激動の100年を描いた大型ドキュメンタリーシリーズ」を海外発信するとのことですが、私も幾つか拝見していて、国内の編集基本方針である「事実に基づき公平・公正」というところを非常によく踏まえて編集なさっているという印象を受けました。ことに、海外に発信する場合、それは非常に大事なことですので、国内の放送と同じように、あるいは、それ以上に「事実に基づき公平・公正」というところをしっかりと踏まえた放送をしていただけたらと思います。

 (坂本理事)

 国際放送番組基準等を踏まえまして、十分留意しながら対応していきたいと思っています。

 (浜田委員長)
 本件につきましては、国際放送番組審議会の答申を踏まえ、改めて議決事項としての提出をお願いいたします。

 

 

○ その他事項

 (1) 平成27年秋季交渉の結果について(資料)

 (福井専務理事)
 労働組合「日放労」との秋季交渉については、当初見込みどおり、11月29日に収束しました。結果についてご報告します。
 11月10日の経営委員会でご報告したとおり、議論の中心は、「勤務」に関連するものとなりました。
 今次交渉で組合は、全国118分会での交渉を特に重視して臨んできましたが、お互いに、実態に即した有意義な議論が出来たと考えています。
 勤務に関してですが、組合からは、多忙な職場などで一部に、職場でのコミュニケーションが不十分な中での勤務管理になっていないかという指摘がありました。これを受けて、上司と部下のコミュニケーションを密にし、部下の働き方をみつめた上での勤務管理が必要との認識を、労使で共有することとしました。
 次に「記者勤務」関連について議論がありました。従業員の一層の健康管理が求められる社会状況の中で、持続可能な取材体制を構築するために、勤務制度はどうあるべきか、今後労使で議論を進めていくこととなりました。
 交渉収束を受けて、12月2日(水)に、会長・組合委員長が出席する、中央経営協議会を開催しました。

 (浜田委員長)

 持続可能な取材体制の構築について、今現在の議論の状況や、今後の見通しは何かありますか。

 (福井専務理事)

 記者については、長年、事業場外みなし労働制をとっており勤務実態の把握が十全ではないことから、健康確保の視点も取り入れた勤務のあり方を労使で議論していこうと思っています。

 (浜田委員長)

 そういう発想は、同業他社にはまだないのでしょうか。

 (福井専務理事)

 同業他社では、新聞や民放のテレビ局の中には裁量労働制を導入しているところもあります。

 (森下委員)

 内部監査で、記者の方が休暇中に取材するということがあったという報告がありました。休暇制度など、いろいろな決まりの中で、しかも緊急事態や取材は、休暇とは関係なしに起こるので、そういったことも含めて柔軟に対応できるようにするとよいと思います。いろいろな制度があるために柔軟な対応ができなかったことで、後で問題になるような扱いにならないように、常に制度の見直しをおこなわないといけないと思います。

 (福井専務理事)

 そこも含めて、一から労使で議論をスタートするところです。今後、どういう制度を導入するか検討してまいります。

 

 

 以上で付議事項を終了した。

 

 

 上記のとおり確認する。

 

 平成27年12月22日    

浜 田 健一郎

 

上 田 良 一