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第1235回
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平成27年5月1日(金)公表

日本放送協会第1235回経営委員会議事録
(平成27年4月14日開催分)

第1235回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1235回経営委員会

 

<会 議 日 時>

平成27年4月14日(火)午後00時00分から午後6時00分まで

 

<出 席 者>

〔委  員〕

  浜 田 健一郎 本 田 勝 彦 井 伊 雅 子
    石 原   進   上 田 良 一 佐 藤 友美子
    中 島 尚 正   長谷川 三千子 美 馬 のゆり
    宮 田 亮 平   森 下 俊 三  
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔役  員〕

  籾 井 会 長 塚 田 専務理事 吉 国 専務理事
  石 田 専務理事 板 野 専務理事 木 田 理 事
  福 井 理 事 下 川 理 事 森 永 理 事
  浜 田 技師長    

 

 

<場   所>
放送センター  22階経営委員会室  21階役員会議室

 

<議   題>

 

付議事項

 

1 議決事項

 (1) 平成27年度会計監査人の任命について

 

○ 今後の議事運営について

○ 監査委員会からの連絡事項(資料1)(資料2)

 

2 議決事項

 (2) 平成27年度標準役員報酬について(資料)

 (3) 理事の任命の同意について

 

3 委員長報告

 

4 会長報告(資料1)(資料2)

 

5 監査委員会報告(資料)

 

6 議決事項

 (4) 平成27年度役員交際費の支出限度額について(資料1)(資料2)

 

7 報告事項

 (1) 平成26年度決算の日程について(資料)

 

8 その他事項

 (1) 平成27年春季交渉の結果について(資料)

 

○ 平成26年度役員目標年間総括ヒアリング

 

 

議事経過

 

 浜田委員長が開会を宣言し、経営委員会を開催。

 

 

1 議決事項

 (1) 平成27年度会計監査人の任命について

 (鈴木経営委員会事務局長)
 平成20年度施行の改正放送法により、NHKは財務諸表について会計監査人による監査が義務付けられ、会計監査人は経営委員会が任命すること、任期はその年度の決算を総務大臣に提出するまで、と定められています。
 これに基づき、年度ごとに、経営委員会において会計監査人任命の議決を行っています。監査人業務には一定の継続性が求められること、かつ、選定の透明性が求められることから、「技術審査付き競争」いわゆる「プロポーザル」を一定の期間毎に行っています。直近では平成25年度の会計監査人任命にあたってプロポーザルを実施し、「新日本有限責任監査法人」を監査人に任命いたしました。
 以上の経緯を踏まえ、平成27年度の会計監査人には、新日本会計監査法人を継続して任命することをご提案させていただきます。
 (上田委員)
 監査委員会から若干の補足をさせていただきます。監査委員会は、会計監査人と定期的に意見交換を行っていますが、これは会計監査、財務諸表監査という職責を果たすために不可欠な手続であり、重要なプロセスであると認識しています。
 協会における会計監査は、放送法第78条の定めのとおり、財務諸表を総務大臣に提出する6月がひとつの区切りとなります。監査委員会と会計監査人との意見交換も7月に当該年度の監査計画書の提出・説明を受けるところから始まり、四半期毎に会計監査人による監査の実施状況について説明・報告を受け、6月に当該年度財務諸表に対する監査報告書の説明・報告でひとつの区切りとなります。これを参考にわれわれは監査委員会としての財務諸表に対する意見をとりまとめております。
 意見交換は、個別具体的な項目について、まず会計監査人から説明を受け、それに対して監査委員から質問などを行い、必要に応じて財務諸表を作成する執行部の見解もただしながら進めています。年6回ほどの意見交換の機会を設けておりますが、それ以外にも必要に応じて随時、意見や説明を求めております。こうした意見交換を通して、監査委員会と会計監査人の効果的な連携を図っており、双方向のコミュニケーションを活性化することにより、それぞれの監査の有効性および効率性が高まっているものと考えています。
 会計監査人につきましては、海外、特に欧米において昨今の大規模な会計不祥事を受け、会計監査人の活動、特に、非監査業務の同時提供に対しては、さまざまな制限が設けられております。
 経営委員会においても、平成25年12月の会計監査人の外観的独立性を重視し、会計監査人の選任にあたって、重要な非監査業務の実績がある場合は、一定期間会計監査人として不適切とする考え方を共有しています。これを受け、経営委員長も昨年から「監査法人への業務発注については、その必要性を吟味していただきたい」旨を執行部に申し入れています。
 その流れを踏まえ、監査委員会としましても、今年2月に、会計監査人が非監査業務を受け、同時提供する場合の事前承認ルールや主従逆転を防ぐための報酬制限、業務執行状況の報告義務等について、確認を行いました。 
 今後、意見交換の場などを通じて、この確認を「監査委員会の見解」として会計監査人に申し入れ、共有することで、会計監査人の独立性を確保することに注意を払い、双方が効果的に連携しながら、放送法に定められた役割を果たせるよう努力してまいる所存です。
 監査委員会としては、新日本有限責任監査法人は、現在、適正かつ誠実に会計監査人としての職務を遂行しているものと認識しています。

 採択の結果、原案どおり議決。

 

 

○ 今後の議事運営について
 これまでの国会での審議や今後の議事運営について、経営委員間で情報共有、意見交換を行った。

 

 (主な意見)

  • 「昨年の会長は1年目ということもあり、仕方なかった側面もあるが、2年目は意味が違う。経営委員会の監督の工夫も試される。」
  • 「2年目の会長はもっと配慮が必要。民間企業とNHKでは、公金に対する責任の持ち方には違いがある、会長自身がどう反省し、学んでいくかということではないか。」
  • 「会長は『誤解されている』という言葉ですませようとしているが、誠意ある姿勢をもっと見せないと、納得して貰えないのではないか。」
  • 「普通組織のトップは迷うときは周囲に聞くし、聞かなくても言ってくれるシステムがあるのが当たりまえである。その点NHKは異常だ。」
  • 「本来、内部告発の制度は、予防のためのものであり、もっと早い段階で対応できればあのような事態は起きなかった。」
  • 「全会一致でなかったことは重く受け止めなければいけない。改めて、公共とは何か、不偏不党がなぜ必要なのか、公共放送としてなぜNHKがあるのか、もう一度原点に立ち返り、執行部と共有を図らなければいけない。」
  • 「予算は通ったが、附帯決議で会長や経営委員会が名指しで触れられていることは重く受け止める必要がある。」

 

○ 監査委員会からの連絡事項(資料1)(資料2)
 2月24日の経営委員会で、上村前代行より「NHKのガバナンスと監査委員会の機能について」という意見書が提出されました。同意見書は、「あくまで、会社法の専門家としての個人的・学術的見解であり、内容について経営委員会で議論し合意を得たものではありません。」と注記をして経営委員会のホームページでも公開されております。
 紅白歌合戦などの番組制作費に関する不祥事などを受けて、平成19年に放送法改正があり、翌年の平成20年から監査委員会が設立されました。監査委員会と経営委員会の関係については、国会で審議された内容をもとに、監査委員会として、「日本放送協会の経営委員会と監査委員会の関係について」の見解をまとめてみました。
 なお、監査委員会見解ではありますが、上村前代行の意見に逐一反論するという学術論争を展開するということではなく、重要なポイントである「監査委員会と経営委員会との関係」について、監査委員会としてどのように考えているのかを明確に示しておく必要があると考え、まとめたものです。
 監査委員会見解の概要を説明いたします。
 平成19年改正時の、審議過程におけるやりとりについて、原典にあたり、放送法は経営委員会と監査委員会を相互に独立した組織と位置づけ、両委員会が互いに連携をとりながらも、独立して放送法に定められた権限を行使し、それぞれの役割を果たすことによって、協会のガバナンス強化を図っているものと理解しており、監査委員会としては放送法の規定に従って活動を行ってまいります。なお、監査委員会見解には上記見解の根拠となりました審議過程における答弁、例えば「それぞれ独立した形の組織ということにしてございます。そのため、経営委員会の職務執行のために監査委員会の権限を行使することはできない、こういうふうに考えておりまして、経営委員会と監査委員会に付与された権限の行使ということにつきましては、それぞれの委員会の立場に沿って行われるということを考えているものでございます」、「監査委員会の監査権限というのは協会の役員も対象としています。それと同時に経営委員会の監督というのは監査委員も対象となります。したがいまして、そういう意味からしますと、相互のチェック機能も働くわけでございまして、こうした点を相関して一層のガバナンスの強化が図られるものと期待しているところでございます」などの、見解の根拠となりました当時の審議過程におけるやりとり等について重要と思われる箇所を記載いたしております。また、この見解を経営委員会のホームページに掲載させていただきたいと思います。

 (美馬委員)

 私もこの上村前代行の意見書を読ませていただきました。この中で、これはなるほどとか、これはこういう考え方もできるなど、取り入れるべきもの、ポジティブなところなど教えてください。

 (上田委員)

 やはりそういう違う立場に立っている監査委員が、常勤として知り得た情報をうまく経営委員会に反映させるような形でのフィードバックやコミュニケーションというのはもう少しあってもよい、というのは上村前代行のご指摘はそれなりに当を得たものではないかと思っています。

 (美馬委員)

 ありがとうございました。

 

 

2 議決事項

 (2) 平成27年度標準役員報酬について(資料)

 (浜田委員長)

 それでは、本日の議決事項、平成27年度標準役員報酬について籾井会長から説明をいただき審議をしたいと思います。

 

<会長、福井理事入室>

 

 (籾井会長)
 標準役員報酬を提案させていただきます。
 27年度につきましても、全役職とも月額報酬、期末報酬、年間報酬額を26年度と同額、注書きについても同様の記述として提案しております。
 提案に当たり、職員の給与について、25年度以降、基準賃金の10%を目安に5年で引き下げる現在の状況に鑑み、26年度と同額の提案をさせていただいております。なお、注意書きについても同様の考え方です。
 以上、ご審議のほどお願いいたします。

 

<会長、福井理事退室>

 

 採決の結果、原案どおり議決。

 

<会長、福井理事入室>

 

 (3) 理事の任命の同意について

 (籾井会長)
 それでは、議案に基づきご説明をさせていただきます。
 定款第38条3項の規定に基づき、森永公紀1名を理事に再任、新たに今 井純、坂本忠宣、安齋尚志の3名を4月25日付で理事に任命したいので、ご同意いただきたくご審議をお願いいたします。
 新しい3名についてご紹介をさせていただきます。
 今井純は、昭和53年の入局、記者出身で、経済取材を長く続けています。平成13年からは経営企画業務を担当しており、放送法をはじめとした放送制度に幅広く精通しております。放送法につきましては、日本での第一人者と言ってもいいぐらいでございます。取材から放送制度全般まで幅広い職務経験を積んでおり、周囲からの信頼も非常に厚い人物です。
 坂本忠宣は、昭和55年の入局で記者出身です。政治部記者やスポーツセンター長を歴任し、平成25年からは、大阪放送局長として、首都直下地震に備えた本部のバックアップ機能の強化や関西地区の受信料の支払い向上など、さまざまな経営課題への対応にリーダーシップを発揮してきました。
 安齋尚志は、昭和55年の入局、番組制作出身でございます。制作局や編成局、スペシャル番組センターなどで「生活ほっとモーニング」や「NHKスペシャル」などの制作に長年携わってきました。女性を視点にした新しい番組づくりなど視聴者層の拡大にも情熱が強く、これからも視聴者の期待に応えてくれると信じております。
 よろしくご審議をお願いいたします。

 (森下委員)

 人物について、ご説明がありました。各専門家ということでよく理解をいたしましたが、協会として平成27年から29年度の3か年経営計画の中で、どういう分野を強化するか、また、問題であるかが人事を決めるときに必要だと思いますが、そういう点はどのような発想で人事なさっていますか。

 (籾井会長)

 27年度から29年度までの3か年経営計画を立てております。そういう中で役員を選ぶわけですが、役員につきましては、本人それぞれの専門性が計画にどうマッチするかもさることながら、やはり、NHKの将来経営者としての器にたり得るかという視点を中心に選択いたしました。従いまして、この人たちが、今までの経歴の上に乗って仕事をするとは限りません。ここまで来た人たちであり、それぞれに能力が豊かであると信じておりますし、一部に偏った知識であったり、ものの考え方ではなく、もっと幅広い考え方に立ってもらいたいと思っております。

 (森下委員)

 そういう意味では、今までの専門以外のところの部門を担当させて、経営者として育てていくという発想で人事されているということですね。

 (長谷川委員)

 今のお話と、多少逆になってしまうかも知れませんが、この坂本さんという方は、スポーツ報道センターでのご活躍がかなりの期間があるということですが、これは、東京オリンピック・パラリンピックをにらんで、いろいろと整備をしていくことと、このご経歴は直接的には関係ないのでしょうか。

 (籾井会長)

 関係づけて選んだわけではありません。

 (長谷川委員)

 わかりました。

 (浜田委員長)

 地方の放送局長から、こういう形で理事になられるのは、最近はあまりなかった気がします。

 (福井理事)

 木田理事が、名古屋放送局長から理事になりました。

 (佐藤委員)

 今井さんは一回ご退職なさっていますが、もう一度採用になるということは、どういう事情がおありだったのでしょうか。

 (福井理事)

 NHKの場合は60歳定年制ですが、今井の場合は、60歳でいったん定年を迎えました。その後は、雇用型契約職員という制度で、60歳以降毎年1年ごとに契約更新をしております。身分的には職員と同じ処遇です。ですから、役員に就任する場合、職員とまったく変わらない資格があるということになります。

 (佐藤委員)

 ご経歴だけをみると、専任局長や、特別主幹といったマネージメントの総合職というよりは、スペシャリストという感じがいたしますが、そのあたりはいかがでしょうか。

 (籾井会長)

 今井さんは、「放送法の神様」といわれている人で、従来はスペシャリストとして、役員の道は歩んでいなかったのですが、昨今、国会審議などいろいろな場で放送法を参照しながら議論するケースが大変多くなっている環境下では、理事会に、そのような視点を持った人が必要だと思いました。私も放送法を順守しながら経営すると言っていますし、していますから、われわれが、いろいろ議論する中で、放送法を中心にした考え方ができる専門性は経営上非常に大事だと判断しました。恐らく、これは皆さんが驚かれる人事だと思いますが、私は、その必要を感じて今井さんを人事に推薦いたしました。

 (井伊委員)

 コンプライアンス統括を今井新理事がされるということですが、現在、コンプライアンスを統括する方は内部監査業務統括も担当領域に入っています。今回は、秘書業務統括となっていますが、これは、内容的には異なるものでしょうか。

 (福井理事)

 コンプライアンス統括に含まれます。

 (井伊委員)

 では、現在石田専務理事のところに内部監査業務統括、コンプライアンス統括とありますが、今回の今井新理事は、内部監査業務統括ではなく、秘書業務統括となっていますが、どのような違いなのでしょうか。

 (福井理事)

 担当部局としては内部監査室を担当していますので、そういう意味では、内部監査統括も担当します。

 (井伊委員)

 石田専務理事の担当と同じということですね。わかりました。

 (本田委員)

 今回3名の新たな方と一人留任となりましたが、会長は、副会長、人事担当の福井理事など、いろいろな理事の方と意思疎通を図りながらお考えになったのでしょうか。

 (籾井会長)

 そのとおりでございます。

 (本田代行)

 大丈夫ですね。非常に大事なのは、理事全体が一つになってもらわないと、いま、いろいろな問題が起こっていることは、一体になっているかどうかというところに大きな問題があると思っています。今回の人事案は会長が意思疎通を図りながら、お作りになったということでよろしいですね。

 (籾井会長)

 大丈夫でございます。

 (美馬委員)

 今回、3名の方を新任なさいましたが、決定する際のプロセスについて伺わせてください。役員の担当が現行と大きく変わっています。例えば、11人の分担の見直しをされた内、4人が改選になるので、その4つのポストに全国からどのような方がふさわしいのかということで、どなたかが名前をあげられて、この3人になったということでよろしいでしょうか。

 (籾井会長)

 よいと思います。

 (福井理事)

 もともと、新任理事の対象となる部局長から名前をあげて、どこがどういう仕事にふさわしいかという検討を重ねて人選していきました。

 (美馬委員)

 今回の理事の選任で、11人の担当が大きく変わっています。経営委員会としては、この担当がどうなのかとみたときに、新任の3人に与えられた役割がこれまでの方と微妙に変わることもありますね。変わるとしたら、3人が適切かどうかは考えないといけないのではないでしょうか。

 (福井理事)

 誰がどういう分担をするかどうかも含めて人選をしております。

 (籾井会長)

 担務はご参考にお渡ししております。ここでは理事3名、留任1名の理事選任ということでお諮りしているわけでございます。

 (美馬委員)

 われわれとしては、担務に適した人であるかどうかみるということはしないのでしょうか。

 (籾井会長)

 担務は会長が決めます。昨年も同じような議論だったと思います。再三、担務も込みだという話もされましたが、そのあと、放送法に基づき整理がついているものと私は思っております。
 まず、3名の新任と1名の留任の理事をご承認いただきその上で、その後のことをご説明したいと思います。

 (浜田委員長)

 担務については、会長のおっしゃる部分もありますが、一方で放送法にある効率的に配置されているかどうかという視点もあるので、私どもとしては、理事の選任とあわせて、担務についても会長のお考え方をご説明いただきたいと思います。

 (籾井会長)

 わかりました。まず、塚田専務理事、吉国専務理事の2名は「ターゲット80」の担当としています。ご承知のとおり、3か年計画の非常に重要なターゲットが、29年度末までに支払率を80%にすることとしております。その80%は、それほど簡単な話ではなく、営業グループで非常に力を入れて頑張るということでしたので、われわれとしても80%に、衛星契約割合は50%を達成させようと決めたわけです。本来的には、われわれのターゲットは100%でなければなりませんが、現実的な予算を考えたときに、今の75%から80%にターゲットを持っていくことが、一番現実に近い最大値ではないかと思っております。そういう中で、全国の支払率で明確なのが、大阪を中心とした関西、東京、北海道、沖縄は60%、場合によっては60%に満たない支払率のところもあります。したがって、われわれのターゲットを達成するためには、ここに大注力しなければいけないと思っております。今までは全国でやって、相当関西、北海道は岩盤にたどり着けたというような感じでした。そういう中で、両専務理事のうち、塚田専務理事には北海道、沖縄を担当してもらい、吉国専務理事には首都圏と関西を担当して注力をしていただく。ここに全力を尽くしていただくために配置しました。
 次に板野専務理事ですが、現在も放送総局長を担当しております。基本的にはそのままです。
 福井理事は、専務理事になっていただきたいと思っております。人事は今も担当してもらっています。経理は、もともとエキスパートですので、部下を有効に使いながら進めていく上で適任ではないかと思っております。また、営業も昨年まで担当しておりましたので、熟知している部門で局長と一緒に頑張ってくれれば相当力になると思っています。
 森永理事は、ネット展開関連としております。単純にどこの部局ということではなく、多くの部局に広くまたがっております。一つの部局であれば簡単ですが、森永理事は、いま現在、報道を担当しており、いろいろな形で幅広く今までやってきておられますので、今回はインターネット業務を推進していく中で、メディア企画室、オンデマンド業務室、ネット報道部、デジタルコンテンツセンターと幅広くネットをやるに際して広がっていますので、理事の立場からきっちりとコーディネートしていただきたいと思っております。非常に仕事がしづらい担務でございます。
 井上理事については、いままで経営企画を中心にやってもらい、新しい3か年計画策定を中心となって進めてくれました。そういう意味で、従来どおり、経営企画を継続担当してもらいます。
 3か年計画の、関連企業のBPRを見直す仕事がしやすいように、井上理事に、関連事業の担務もお願いしております。新放送センター建設については、いままでどおりです。これについては、もう少し、具体的になってきたところで、彼から報告すると思いますが、当初の計画よりも若干遅れているものの、順調に進んでおります。われわれが考えている、2025年の新センター開始には間に合うのではないかと思っています。
 浜田理事は、技師長として従来どおり、技術系の統括を担当してもらいます。
 今井さんは、放送法のエキスパートですが、石田専務理事が担当している業務を大体引き継いでもらうところに、秘書業務も担務としていれました。
 坂本さんは、現在、大阪局長ですが、彼は幅広く仕事をしてきておりますし、記者経験もあります。そういう意味で、編成局を中心にオンデマンド業務室、それから国際放送も担務としてやってもらいます。
 安齋さんは、現在、制作局長ですが、今まで下川理事が持っていた業務を継承してまいります。

 以上が担務の説明でございます。

 (美馬委員)

 担務については会長の責任の範疇であることを理解した上で申し上げると、11人の理事の業務配分上、「ターゲット80」を二つに分けて、塚田専務理事と吉国専務理事のご担当が、これだけとなるのは、効率的な経営という観点ではどうなのかと疑問に感じました。

 (籾井会長)

 それについては、恐らくそうお感じになられるということで、資料をお手元にお配りしております。先ほどご説明した地域での受信料徴収は、かなり岩盤に近いのです。われわれにとって、受信料収入があってはじめていろいろなことができるわけです。しかも、支払率80%という目標を掲げております。担務をみると1行なので、簡単そうですが本当に大変です。

 (美馬委員)

 そのことは私も理解しているつもりです。ただ、80%をどのように超えるかということについては、営業の視点で頑張るということ以上に、公共放送を支えていただくことの意義を理解していただくことも大きな役割だと思います。

 (福井理事)

 「ターゲット80」は、公共放送の理解促進も含めて、放送・営業・技術・管理の全部のプロジェクトであり、お二人の長年の経験を生かしていただき、関連団体、本部・地方を含めて一体として推進していこうということです。支払率80%達成は、次の3か年計画の一番のターゲットです。

 (美馬委員)

 地域を大きく二つに分けて、ほかの担当を持たないということはなぜでしょうか。

 (福井理事)

 この「ターゲット80」がいかに困難であるかということです。

 (長谷川委員)

 「ターゲット80」は、ことばとしてわれわれには目新しいのですが、これは、これまで経営委員会で伺ってきた支払率80%を目指せという以上に、いまご説明のあったような、総合的にNHKの広報も地域局との連携など、いろいろなことを総合したプロジェクトなので、新しい名前をつけたのかと感じました。

 (福井理事)

 以前のプロジェクトの「プロジェクト810」を発展させて、もう少し拡大したものです。

 (長谷川委員)

 それでは、単に支払率を上げるというより、総合的なプロジェクトという位置づけがポイントであると理解してよろしいのでしょうか。

 (福井理事)

 最終的な目標は、支払率80%達成ですが、それを達成するためには、受信料制度の理解・促進、番組の視聴、イベントの展開、いろいろな技術の発展等、いろいろなことを含めて最終的に目標を達成しようという施策で、本部でいくと、編成局、営業局、事業センターから広報局、制作局からいろいろな部局が全部参加し、関連団体も含めて取り組んでいこうとしています。

 (佐藤委員)

 私も、同様に、専務理事が4名しかいらっしゃらないうちの2名が「ターゲット80」の統括をされるのは、大変力を入れていることはわかりますが、塚田専務理事と吉国専務理事については、地域がついていますね。「北海道と沖縄を担当するのですね」となってしまうのが、非常に違和感があります。それだけ大事なことであれば、もう少し違う形があるように思います。普通の会社でも、副社長が何人かいて、その人たちが何人も同じことを地域別で担当するということはなく、いろいろな大きな分野を担当されるのが普通だと思います。

 (籾井会長)

 よく資料を見ていただきたいのですが、この「ターゲット80」は、全局あげて取り組もうとしています。「ターゲット80」は副会長が統括します。その下に塚田専務理事と吉国専務理事が補佐として入っているわけです。「ターゲット80」統括のもとでやっていることをやるわけですから、単純に「両専務理事の担務が1行しかないではないか」というのではなく、内容はもしかしたら一番難しいのです。結果が出てしまうのです。そこはぜひ、ご理解いただきたいと思います。

 (佐藤委員)

 それはわかります。ただ、1行だからではなく、逆に「北海道・沖縄」とついているのが違和感があるのです。

 (籾井会長)

 北海道と沖縄、関西、東京は本当に岩盤なのです。

 (佐藤委員)

 「ターゲット80」がNHKにとって大事であるのは、大変よくわかります。ただ、一般のお金を払っている視聴者にとって、どこが大事かということです。受信料を払っていない人に対してやろうとしている対策が「ターゲット80」という感じがいたします。ですが、多くの人は受信料を払っているわけです。75%の人がすでに受信料を払っているのです。あと5%のところに、専務理事という有用な人材を地域別に二人投入するのかということを申し上げたいと思っています。「ターゲット80」の詳細を聞いていないので、これ以上はいえませんが、一般視聴者は、そう思うのではないでしょうか。

 (籾井会長)

 いままでわれわれに対しては、支払いの平等化とずいぶん言われたわけです。経営委員会からも言われてきているわけです。そういう意味で、80%ではなく100%にしなければならないわけです。法律上、受信機を持っている人は契約をしなければいけないことになっているわけです。契約しても払わない人、契約もしない人、いろいろな方がおられます。その結果、東北などは100%に近い支払率になっていますが、今申し上げている地域は、支払いしてくださらない方が多いのです。ここをポイントとして攻めないと、支払率が上がってこないということなのです。そういうことで、ベテランのお二人に、お願いしたいということでございます。ご理解いただきたいと思います。

 (本田代行)

 塚田専務理事は、いままで営業をご担当していらっしゃり、3年間で大変な成績を上げられています。ですので、塚田専務理事の担務はよいと思いますが、福井さんが営業担当は大変ではないでしょうか。

 (福井理事)

 私は1年前まで、営業を担当しておりました。

 (本田代行)

 ですが、福井理事が今度ご担当なさる、人事や経理は非常に課題になってくるのではないかと思います。もちろん、そこは会長も考えられていると思いますが、せっかくいままで、塚田専務理事が営業で成果を上げてきているわけです。「ターゲット80」と対外的な呼び方は別として、いま佐藤委員もおっしゃたように、「ターゲット80」統括といっても、北海道・沖縄と個別の地域を明記するのはいかがかと思います。吉国専務理事も、今まで関連事業統括でグループ管理の関係も非常に進めてきていらっしゃいました。新しく関連事業担当となった理事にとっても加重になるのではないかと思います。もう少し、効率的ということを鑑みれば、ほかに知恵があるのではないでしょうか。

 担務は会長にお任せしなければならないと思います。ただ、会長にも、こういう意見があったということを少し念頭に留めていただいた上で、実際に執行するなかで、いろいろと変えていってよいのだと思います。常に変化をしているわけですから、このまま、固定的にする必要はありません。恐らく、この担務で進めていくといろいろ出てくるかもしれません。いま、出てきた意見をお考えいただきながら、検討していただけないものかと思います。

 (籾井会長)

 担務についてはやってみないと、どこかが重すぎる、軽すぎるということがあると思っていますので、必要に応じて期中でも入れ替えていきます。そのことは、最初に申し上げようと思っていましたが、人事をお示ししたあとにすぐに変えるのか、という印象を持たれてはいけませんので、とにかく、担務については、固定的なものではないと思っています。

 (森下委員)

 私は、大阪局の坂本局長から、大阪の受信料徴収が難しい状況を聞いていますので、その岩盤の話もよく分かります。視聴者の生活スタイルも、夜間しか帰宅しない人、生活保護世帯など、いろいろなバリエーションがあるので、かなり組織的に個別の取り組みをしていかないといけません。そういった意味で、全局あげて取り組んでいくことは大事だと思います。同時に、ただ一生懸命に汗水流して走り回って、受信料を回収するだけではなく、一方で、放送番組の魅力を上げていくことで、受信料を払う人の支援をもっといただけるようにすれば、払っていない人に支払いを促すことができるのだと思います。
 「ターゲット80」とは、幅広い施策で魅力的な番組を制作することなども含めて推進していくということだと思います。そこに若干の意識のズレがあると思います。そういうイメージを少し出していただいた上で、一度、この「ターゲット80」について経営委員会でご報告していただければと思います。

 (福井理事)

 いずれ「ターゲット80」は経営委員会でご説明いたします。14指標アンケートでも、受信料に対する理解は30%台しかありません。ですから、支払率75%を80%に5%あげるだけではなく、全体的にもう少し受信料に対する理解促進を進めることが重要で、ただ数字をあげるということではいけないと思っております。それをこの「ターゲット80」でやろうと思っています。

 (長谷川委員)

 ぜひとも夢のある「ターゲット80」にしていただきたいと思います。

 

<会長、福井理事退室>

 

 採択の結果、理事の任命について原案のとおり同意することを議決。

 

<会長、福井理事入室>

 

 (浜田委員長)
 ただ今、採決し同意を議決いたしました。
 各委員から出された意見を集約して2点申し上げます。
 1点目です。「ターゲット80」については大事な機能であるということであれば、きちんとした説明をお伺いしたい。2点目は、担務の割り当てについては、今後とも柔軟な姿勢で臨んでいただきたい。先ほど会長もおっしゃいましたが、新体制を開始した時点で不具合がでれば柔軟に対応していただきたい。
 (籾井会長)
 ありがとうございました。
 「ターゲット80」の説明は、別の機会に改めてきちんといたします。担務については、前回のときも、途中で変えることなど、いろいろ検討しながら進めております。実際にはそういうことは自然なことで、一度決めたからといって、そのあとがちがちですと、経営も非常にしにくいので、それは柔軟に見直してまいりたいと思います。
 いずれにしろ、理事選任について同意していただきましてありがとうございました。
 それでは、退任理事を3名ご紹介します。石田研一、木田幸紀、下川雅也でございます。
 専務理事の任命については、定款第35条第2項に「理事のうち、会長の指名する若干人を専務理事とする。」という規定がございます。この規定に基づき、今の専務理事に加え、福井敬を専務理事に指名します。これに伴い、専務理事は、塚田祐之、吉国浩二、板野裕爾、福井敬の4名になります。

 

<会長、福井理事退室>

 

<会長、専務理事、技師長、理事入室>

 

 本日の付議事項および日程について説明。第1234回(平成27年3月24日開催)の議事録を承認し、所要の手続きを経て、平成27年4月17日に公表することを決定した。

 

 

付議事項

 

 

3 委員長報告

 最初に私から報告が3点あります。
 1点目は、本日、経営委員による経営委員会で、平成27年度会計監査人の任命について審議した結果、新日本有限責任監査法人に任命することとしましたのでお伝えします。なお、昨年も申しあげたことの繰り返しになりますが、経営委員会としては、会計監査人の選定は、継続性、業務遂行能力、監査の独立性などを勘案しつつ競争の視点も、適正に加えて行っていきたいと考えています。その際、候補者が監査以外の業務において、NHKとどのような契約にあるかということは、一つの重要な要素になりますので、執行部においては、コンサルティングなどの業務を外部に発注している例もあると思いますが、経営委員会のこうした考え方に基づく監査人選定が、今後も円滑におこなっていけるよう、監査法人への業務の発注については必要性を良く、吟味していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 2点目は、 本日、執行部との合同会議の前に開催した経営委員会で、籾井会長より提案があり、平成27年度 標準役員報酬について審議し、本日提出された議案どおり、前年度と同額で議決しました。
 3点目は、本日、執行部との合同会議の前に開催した経営委員会で、4月25日付での理事の任命の同意について籾井会長より提案があり、審議した結果、全会一致で議決しました。内容は森永公紀氏の再任、今井純氏の新任、坂本忠宣氏の新任、安齋尚志氏の新任です。あわせて、福井敬理事を専務理事とする旨の報告がありました。

 

 

4 会長報告(資料1)(資料2)

 (1) 国会でのNHK予算の審議について

 国会でのNHK予算の審議についてご報告します。NHKの「平成27年度収支予算、事業計画及び資金計画」は、3月24、25日の両日、衆議院総務委員会で計5時間の質疑ののち採決が行われ、自民党、公明党の賛成多数で承認されました。翌26日には衆議院本会議で、自民党、公明党などの賛成多数で承認されました。
 また、31日には参議院総務委員会で4時間20分にわたる質疑ののち採決が行われ、可否同数で谷合委員長の決するところにより承認されました。その後の参議院本会議で、自民党、公明党、次世代の党などの賛成多数で承認されました。
 新3か年経営計画のもと27年度予算・事業計画をしっかり作り、全会一致での承認を目指して誠心誠意説明を尽くしてまいりました。全会一致に至らなかったことは、極めて残念であります。この結果を真摯に受け止め、私も発言等々には注意しつつ、公共放送の役割をしっかりと果たしてまいりたいと考えております。
 年度内に予算が承認されました。経営委員会をはじめ、関係各位に改めて御礼申し上げます。認めていただいた予算をもとに、放送法にのっとって良い番組を作っていくべく全力を尽くしてまいる所存です。

 

 (2) 「クローズアップ現代」報道に関する中間報告について

 (籾井会長)
 「クローズアップ現代」報道に関する調査について、ご説明します。去年5月に放送した「追跡“出家詐欺”」について、いわゆる「やらせ」があったとの指摘を受け、調査の中間報告を公表しました。具体的な内容について石田専務理事からご報告します。
 (石田専務理事)
 今月3日、「クローズアップ現代」報道に関する調査委員会を設置しました。調査委員会は、堂元副会長が委員長を務め、私および、板野放送総局長、木田放送総局副総局長など8名のメンバーで構成されています。また、調査の内容やプロセス等について、第三者の立場でチェックしていただく必要があると考え、弁護士や大学教授の方々3名に外部委員をお願いしました。
 先週9日、木曜日に、これまでに把握できた事柄や検証すべきポイントをまとめ、「中間報告」として公表しました。
 その主な内容について、ご説明いたします。
 出家の相談が行われた部屋をブローカーの「活動拠点」とコメントしたことについて、実際は、多重債務者として紹介した男性の知人が借りていた部屋で、コメントは誤りでした。なお、誤りがあったことについては、9日に放送したクローズアップ現代でお詫びいたしました。
 また、多重債務者がブローカーに出家の相談をする場面の撮影で、演技の依頼があったかどうかをめぐっては、いわゆる「やらせ」があったとして訂正を求めている男性と、「演技の依頼はしていない」と否定するNHKの記者などの話に食い違いがありました。
 そして、撮影された映像を確認したところ、相談の場面が一通り終わった後で、「お金の工面のやりとりを補足で聞きたい」と記者が声をかけていることや、実際とは異なる取材過程を印象づけていることなどを指摘し、取材や撮影の方法、当該部分の構成が適切だったかどうか、検証をさらに進める必要があるとしています。
 現在、調査委員会は、取材・制作のプロセスや放送内容が適正だったのか、関係者の話が食い違う点を中心にさらに事実関係を明らかにするための調査を進めています。
 具体的には関係者から再度の聞き取り調査を行っており、ポイントとなる関係者については、調査の公平性を高めるため、外部委員の弁護士の事務所の協力を得て、調査に立ち会ってもらっています。
 この調査の内容や関係資料は、3人の外部委員にすべて開示するなどして透明性のある調査に努めています。
 こうした作業をスピード感を持って進め、改善策も盛り込んだ「調査報告書」をできる限り早い時期に公表したいと考えています。
 なお、調査委員会の経過等につきましては、適宜、経営委員会にご報告いたします。

 (美馬委員)

 今回の調査委員会の迅速な立ち上げ、中間報告、透明性を意識されていることは、高く評価したいと思います。その上で、調査委員会がどのようにしてメンバーを選定するのかのプロセスをお聞かせください。

 (石田専務理事)

 メンバー構成については、本日、調査委員会委員長の堂元副会長が、国会対応で不在ですので、私自身は、コンプライアンス担当として関わるように指示されております。基本的には、この放送取材に直接関わっている人は除いて、それ以外の理事で担当しております。
 局長で入っているのは、編成局長、番組を考査する考査室長、法務関係からの検討がいるので法務部長と、それぞれ役割を果たすためのメンバーで構成させていただいております。放送総局の編成局計画管理部長が事務局として、調査委員のメンバーに入っております。この件に限らず、放送について、いろいろな問題が起こった時には、基本的には編成局の計画管理部が問題点を調査することで役割を果たしており、今回も、調査委員会が始まる前に、報道局と編成局がそれまで調査しておりますので、そういう点を考慮して今のようなメンバーで調査委員会を立ち上げております。もし、堂元副会長がおりましたら、もう少し補足する点があるかも知れません。

 (美馬委員)

 外部から調査委員会メンバーになっている方はいらっしゃいますか。

 (石田専務理事)

 外部の3名に関しては、弁護士2名と大学教授1名で、それぞれ、表現の自由、会社法、憲法、放送法に詳しい方ですが、それに加えて、放送法の訂正放送の9条1項の審議を行うNHKの本部9条委員会のメンバーでもあります。
 今回の調査は放送法9条の「訂正放送等」には直接該当しませんが、放送や放送法に対する知見にすぐれていらっしゃり、経験も豊富であることから、今回も、それに準ずる形で、外部の委員にお願いしております。現在、ほぼ毎日調査委員会を開いておりますが、外部の3人の委員の方には、週1回は来ていただき、全体会議という形でご意見をいただき、とりまとめをしております。

 (美馬委員)

 ありがとうございました。

 (長谷川委員)

 今回の事件は、テーマが詐欺事件という、警察の捜査に関連する犯罪ですが、これについて警察当局等への事情聴取、取材、調査をしていらっしゃるのでしょうか。

 (石田専務理事)

 ヒアリング対象者には、警察の方は入っておりません。

 (長谷川委員)

 実際には、例えば刑事事件を調査する場合は、当人のヒアリングだけではなく、周囲の聞き込みや、その犯罪が普通はどういう風におこなわれているか等の調査は必要だと思います。

 (石田専務理事)

 今回のクローズアップ現代は、冒頭で大津で起きた、京都府警が摘発した「出家詐欺」の事件を扱っております。いま、いわゆるやらせがあるかどうか問題となっているのは、警察の取材などは直接には関係なく、多重債務の人が、ブローカーの人にお願いしたというところについての取材方法、制作過程等に問題がなかったかという点に焦点が絞られていますので、そこで出てくる多重債務、ブローカー、事務所を貸していた方などの外部の方は、ご協力していただきヒアリングをして、事実関係を制作にあたったNHKのメンバーも含めて調べております。問題となっている箇所については、警察が直接絡んでいるわけではありません。

 (長谷川委員)

 もちろんそうですね。直接絡んでいるわけではなく、そういう犯罪の一般的な調査は別にされているのでしょうか。

 (石田専務理事)

 そこは、行政や警察も含めて、そもそも、そういう出家詐欺というものが、どのくらい広がりがあるのかということは今も聞いております。そもそも、出家詐欺というのは、事件としてはあるわけですが、さらに広がりがあるということを前提に、こういう番組を作っていますので、広がりがあるかどうかは、行政とか警察含めて、いろいろお話を伺ってある程度、広がりがあるのではないかというのが、今までのところですが、それは最終報告を待っているところです。

 (長谷川委員)

 伺いたかったのは、そういうところで、つまり、バックグラウンドの調査も同時に並行しておこなっているかどうかということです。

 (石田専務理事)

 それは、おこなっております。

 (長谷川委員)

 わかりました。ありがとうございます。

 (浜田委員長)
 本件は非常に重要な案件だと思いますので、随時、経営委員会への報告をお願いいたします。

 

 

5 監査委員会報告(資料)

 (上田監査委員)
 監査委員会の活動結果について、放送法39条第5項に基づきご報告します。今回ご報告の対象期間は、平成26年12月22日から平成27年3月31日までで、この間、監査委員会は、「平成25年度第3四半期業務報告」を中心に、その査閲、必要に応じて本部部局長や放送局長から聴取を行いました。また、監査委員会活動のいわば基盤として、現場での業務監査については、内部監査室から監査結果の報告を受けました。以上を踏まえて、会長、副会長、理事から監査委員会の平成26年度の重点監査項目を中心に聴取しました。その結果をまとめ、(1)から(4)は重点監査項目について、加えて(5)は会長のハイヤーの私的利用をめぐる経理処理について、そして(6)はその他の主な事項についてまとめています。(1)から(4)の重点監査項目については、それぞれ概況、会長等からの聴取、そのうえで監査委員会の認識という構成になっています。
 まず、重点監査項目について説明を加えさせていただきます。
 最初に、「(1)内部統制の推進状況および関係部局のリスク対応の取り組み状況」についてです。第3四半期概況は、資料をご覧いただき、会長等からの聴取の結果をご報告します。
 コンプライアンス統括理事からは「ITリスクに対する職員の意識は向上しており、具体的な取り組みも動き出した。外部の専門家の意見も聞きながら、どこに問題があるか探っていく」との認識が示されました。
 会長からは「コンプライアンスの問題は、常々職員にリマインドしていくことが重要だ。個人の行動をすべて監視することはできないので、一人ひとりがコンプライアンス意識を強めていくことが求められる」との見解が示されました。
 以上に対し、監査委員会としては、協会が毎年、コンプライアンス推進強化月間にeラーニングや職場討議を行うなど、かつての不祥事の教訓を風化させず、職員のコンプライアンス意識を高める努力を続けており、多くの職員の意識は高まっているものと認識しています。
 監査委員会は、IT機器の普及などによる新しいリスクも増える中、地域放送局や関連団体も含めて、リスクマネジメントの一層の徹底を図る協会の取り組みを注視していきます。
 次に、(2)新たなメディア環境への対応状況についてです。
 第3四半期概況は資料をご覧いただき、会長等からの聴取は次のとおりです。
 放送統括理事からは「放送とインターネットサービスを総合的に見渡す『総合編成』の体制を整備した。外部へのコンテンツの展開も含めて、総合的な見地から連携を図り、より効果的な編成を行っていく」との認識が示されました。
 技術統括理事からは「同時再送信の試行について、何を検証するか、どのくらいの規模でやるか、どうやって対象者を選ぶかなど、関連部局で検討を進めている。それらが決まってきた段階で速やかにシステムを整備できるよう検討している」との認識が示されました。
 そして会長からは「8Kについてはロードマップに沿って粛々と進めていく。2016年に試験放送を行い、かつてカラーテレビが東京オリンピックをきっかけに増えていったように、2020年に8Kの受像機も普及していくことを期待している」との見解が示されました。
 以上に対して、監査委員会としては、放送法の改正を受けた「実施基準」のもとで、協会がどのような新しいサービスを開発していくか、またインターネット業務の拡大に伴うさまざまなリスクにどのような体制で対応していくか、引き続き具体的な取り組みを注視していきます。
 また、8Kの技術開発や普及が、ロードマップに沿って計画・想定のとおりに進むかについても、併せて注視していきます。
 重要監査項目(3)「外国人向けテレビ国際放送」の強化に向けた取り組み状況についてです。
 第3四半期概況は資料をご覧いただき、会長等からの聴取についてです。
 国際放送統括理事からは、「番組やニュースで、制作局、報道局と連携を強め、国内編成と国際編成の一体化を図っている。来年度は、一元的な運用をさらに加速させる」との認識が示されました。
 また、会長からは「テレビ国際放送では、日本やアジアの情報を中心に発信していく。内容をさらに充実させ、海外の視聴者が見たくなるような番組を開発していきたい」との見解が示されました。これに対し、監査委員会としては、協会が、次期経営計画の初年度となる平成27年度から「NHKワールドTV」で大型討論番組や新たなニュース番組を放送する方針を打ち出し、準備を進めているものと認識しています。
 監査委員会は、より多くの人に見てもらうために、協会が関連団体も含めた「オールNHK」体制をどう構築し放送内容を充実・強化していくのか、また視聴者の動向をどのように把握していくのか、注視していきます。
 重要監査項目(4)透明で戦略的なグループ経営の推進に向けた取り組み状況についてです。
 第3四半期概況は資料をご覧いただき、会長等からの聴取についてです。
 関連事業統括理事からは「関連団体ガバナンス向上プロジェクトの活動により、子会社の意識がずいぶん変わってきた。ガバナンス強化は勿論、内部監査についても、その必要性を皆が認識し、相応の体制が構築されつつある。これを機会に、より機能する形を目指したい」との認識が示されました。
 副会長からは「グループをしっかりグリップしていくためには、内部統制の体制整備が不可欠である。コンプライアンス、ガバナンスの強化を図りつつ、グループ業務体制改革を着実に進めたい」との認識が示されました。
 会長からは「子会社については、仕事の重複があったり、NHK本体との業務の住み分けがあいまいなものもあるので、次期経営計画を実行していく中で整理していきたい」との見解が示されました。
 これに対し、監査委員会としては、戦略的なグループ経営を推進するためには、NHKグループ全体でガバナンスの向上を図り、コンプライアンス意識を徹底していくことが重要だと考えています。また、メディア環境の変化に適切に対応し、豊かで質の高いコンテンツを視聴者に提供し続けるためには、NHKグループ全体で限られた経営資源をどう有効に活用していくか、検討することが必要だと認識しています。引き続き、協会の取り組みを注視していきます。
 以上、重点監査項目についてですが、加えてご報告するのは、(5)にまとめている「会長のハイヤーの私的利用をめぐる経理処理について」です。
 本事案の概要は資料のとおりです。
 監査委員会は、この問題の調査を行い、その結果を3月19日の経営委員会で報告しました。経営委員会は、報告を了解し、関係者があらためてコンプライアンス意識を徹底し、協会が再発防止策を着実に遂行していくことを求めました。
 さらに(6)その他の主な事項について、ご報告します。
 1)は、新経営計画の策定についてです。7月以降、経営委員会と執行部との間で意見交換を重ねてきた新経営計画は、1月に経営委員会において全会一致で議決され、公表されました。
 経営企画統括理事は「経営計画を役職員一人ひとりの目標に落し込んでいくことが重要だ。『計画を熟読して自分に何ができるのか考え、一緒に実現していこう』と呼び掛けていく」との考えを示しました。
 2)は、過激派組織IS・イスラミックステートによる日本人人質事件についてです。この事件について協会は、特設ニュースや速報などで随時、動きを伝えました。インターネットに投稿された被害者などの映像については、人間の尊厳を重んじ、過激派組織を利することがないように、抑制的に扱いました。
 3)は、2月の定例記者会見における会長発言についてです。記者会見における会長の発言を受けて、経営委員会は、会長以下執行部に対し、一刻も早く事態を収拾し、平成27年度予算・事業計画が国会で全会一致での承認を得られるよう、最大限の努力をすることを委員会の総意として申し入れました。
 次に、「平成27年度監査委員会監査実施方針」についてご報告します。
 内容は大きく4項目あり、「重点監査項目」「実施内容」「意見書の作成および活動結果報告」「年間監査計画」です。
 内容は従来と変わりませんが、1点補足すると、「重点監査項目」と「年間監査計画」については、別途定めることとし、具体的には7月に決定することになっています。7月決定の理由は、何を重点監査項目にするか、どのような監査計画を立てるかについては、前年度となる26年度の監査活動を踏まえて検討することが、合理的かつ効果的であると考えているためです。
 26年度の監査活動のまとめは6月の意見書に集約されますので、この2項目は、それを踏まえて7月にご報告したいと考えています。
 最後に、選定監査委員選定のご報告をさせていただきます。
 選定監査委員の任命につきましては、放送法第44条に定められており、放送法に規定されている調査権や、報告聴取権を持つ監査委員であり、同じく第44条で監査委員会が選定することになっております。これまでは、監査委員全員が選定監査委員になっております。放送法も全員が選定監査委員になることを妨げておりませんので、昨日の監査委員会で、森下委員を選定監査委員として選定いたしましたことを、ここにご報告いたします。

 (石原委員)

 関連事業の関係の小林委員会の報告に対して、NHKとして、どう対処するかという見解は公表しましたか。

 (石田専務理事)

 報告書に書いてある、コンプライアンスや内部統制の事項については、以前にも一度ご説明いたしましたが、去年の9月から関連団体ガバナンス向上プロジェクトを作り、作業を進めてきて、3月末で2度目の子会社訪問を終わり、報告書をまとめているところです。最終的な報告は聞いておりませんが、ガバナンス向上については、この半年間で報告書を受けて、改善が進んだと考えております。
 また、報告書の中では、それに加えて抜本的な改善策として、関連団体のフォーメーションについても言及されています。そこについては、どちらかというと吉国専務理事の担当になりますが、これから議論をしてどう生かしていくかということになるかと思います。

 (石原委員)

 私がお伺いしたかったのは、今の後者のほうです。報告書には大変よいことが書いてあると思います。子会社間で仕事の重複があることや、NHK本体との業務のすみ分けが曖昧だということを、報告書は指摘していると思います。ですから報告書について是々非々で検討し、明確に答える必要があると思います。

 (籾井会長)

 その点については、3か年計画をつくる段階から十分に意識しており、今度の3か年計画の中でその辺を実行に移してまいります。当然のことながら、報告書を参考にしながらいろいろ進めていきたいと考えております。

 (石原委員)

 あの報告書は公表されているのですか。

 (籾井会長)

 公表はされておりません。

 (石原委員)

 報告書があるということは世の中に知られていますが、公表するように言われてはいないのでしょうか。

 (石田専務理事)

 衆議院・参議院の総務委員会で、そういった議論もあり、別冊の提言の部分はすべて公開しております。報告書のほうも事実関係のところについては、プライバシーに配慮を要する面や、債権の回収等が現在も行われていることもあり、関連団体の経営に影響があるところについては、マスキングをした形で出して、問題点や改善点という、報告書の提言の部分は総務委員会には公表しているということです。要旨については、昨年8月末にNHK関連団体ガバナンス調査委員会報告書(要旨)としてホームページに載せております。

 (石原委員)

 NHKは営利団体ではないので、グループ会社の営利団体を管理するのは難しいということが、報告書の基本に入っています。私もそう思います。同時に重複業務が、番組制作の会社にしても何社かあります。NHK本体との関係は前から経営委員会が指摘しているNHKのグループ管理の問題点だと思うのです。会長はそこのところに気づかれている。それなら思い切ってこの際メスを入れたらどうかと思います。

 (籾井会長)

 そのつもりでおります。

 (森下委員)

 それに関連する意見です。内部監査室のいろいろな話を聞いておりますと、グループ経営についてまだ腰が引けているところがある。例えば、委託業務については見るけれど、自主的な業務については、そこまでやってはいけないのではないか、というような雰囲気が若干あるように思います。何もグループ管理というのは、グループ会社の仕事をやりにくくするということではなく、むしろ透明性を高めていったほうが業務をやりやすくなるはずです。その点について、十分にグループ会社と意見交換をして理解を深めないと、何となく手足を縛るような雰囲気でグループ経営を運営するという雰囲気になるとよくないと思います。非常に前近代的な手書きの伝票処理なども含め、きちんと全体の中で改善していかないと、管理、精神的なことは幾ら言っても日常業務の中でそごを来すということがあります。今回よい機会なので、ぜひグループ経営として踏み込んで、自主事業も含めてきちんと管理できるようにしていくべきです。

 (籾井会長)

 これまでの報告書を踏まえて、関連企業のガバナンスについて3月いっぱいまでに、ルールをつくるということにしており、実はもうでき上がっております。レポートは校正をしている段階です。着々と進んでおり、次のステップに行く段階になっております。口だけではなくやりますから。

 (森下委員)

 この報告書で若干補足しておきたいのは、2ページ目の3)監査委員会の認識のところで、「IT機器の普及などによる新しいリスクも増える中、地域放送局や関連団体も含めて、リスクマネジメントの一層の徹底を図る協会の取り組みを注視していく。」と書いているところです。内部監査室の報告を聞きますと、現場でかなりいろいろなことをやってもらっていますが、内部監査報告書の改善策を見ると、例えば、「現場で持ち出す機器の帳簿がしっかり記録されていない」という課題があります。コンプライアンスとは幾ら精神的なことを言っても、こういったところこそきちんとやるようにしないとだめです。内部監査室は、改善提案はできても、なかなかそのラインに対しての改善指示はできないような雰囲気があるようです。内部監査室の改善案は非常によい内容だと思います。持ち出す機器がきちんと台帳に記録されてないと、正直今どこに行っているかわからない、結果的に情報漏えいにもつながるわけです。そういうことは内部監査室がきちんと指摘しておりますが、それをきちんと現場が実行できるようにしないと、ただの報告だけになってしまいますので、ぜひそのところはよろしくお願いしたいと思います。

 (石田専務理事)

 IT統制委員会は、情報システム局と総合リスク管理室が事務局となり、内部監査室が行った内部監査や、外部のIT関係のコンサルタント会社に手伝ってもらったものを反映させて改善策をまとめております。去年の夏に起こった、「ベネッセの個人情報漏えい事件」のあとに点検してみると、NHKのITシステムには脆弱なところがあり、悪意を持った人にやられたときに非常に大きな被害が起こる可能性がありました。特に営業関係のエッグスというシステムは、5,000万件を超える、日本でも相当最大級の個人情報を、さまざま持っています。もしシステム等に問題が起きたときには、NHKの経営に甚大な被害が出るおそれがあるということで、危機感を持って去年の夏以降いろいろな改善策を行ってきました。ただ、運用で片づくものだけではなく、システムそのものに改善を加えなければいけないようなものもあります。システムを全部変えるということは、更新時期も勘案しながら進めていく必要があります。もろもろ踏まえてIT統制については、次の経営計画の中でも、NHKにとって大きなリスク要因で大きな課題だという認識のもとに進めていくことを現場でやっております。IT統制委員会には報道局や編成局など主要な部局はすべて入っていますので、そこで方針を徹底して取り組んでいきたいと考えています。

 (森下委員)

 よろしくお願いします。

 

 

6 議決事項

 (4) 平成27年度役員交際費の支出限度額について(資料1)(資料2)

 (福井理事)
 役員交際費については、放送法第29条および定款に基づき、経営委員会の議決事項となっております。毎年度初めに、経営委員会でその支出限度額を議決していただき、その範囲内で支出することとしております。
 支出限度額については、平成24年度から消費税を抜いた額でお示ししています。
 平成27年度の支出限度額につきましては、26年度と同額の2,380万円とし、税込み額2,500万円で、お諮りいたします。なお、この金額はあくまで支出限度額であり、これまでと同様、効果的・効率的に使用していくことに変わりはありません。
 「役員交際費の使途範囲」について申し上げますと、資料の下段に記載しましたように、大きく分類すると4項目となります。
 使途範囲の1点目の「謝礼」については、野球などの各種チケットや贈呈品、お土産などの購入費です。2点目は外部の方との「会食代」です。
 3点目は「香典・祝い金などの慶弔費」です。4点目は、外部団体などが実施する祝賀会などの「会費」です。
 2枚目の参考資料をご覧ください。過去5年間の役員交際費の使用実績額を一覧にしております。27年度は新3か年経営計画スタートの重要な年度であります。業務に関連した外部の経営者等との交流の幅を一層広げて経営に資するため、過去の使用実績を参考に27年度も限度額を2,380万円として、交際費を効果的に活用していきたいと考えております。
 なお、経営の透明性を高める観点から、16年度決算書より役員交際費の実績額を情報開示しており、今後も継続していく考えです。
 以上、ご説明しましたとおり、今後も効果的、効率的な実施を心がけ、適切な使用に努めてまいります。ご承認のほど、よろしくお願いいたします。

 (美馬委員)

 ここに役員交際費の使途範囲とありますが、その使途が適正かどうかというのはどなたが判断するのかということ、もう一つは、資料の役員交際費の使途範囲2番目の、「事業に関係ある者との会食を伴う打ち合わせの場合」は、例えば外部の人が1人で内部の人が10名とか20名という場合など、何か線引きがあるのでしょうか。

 (福井理事)

 まず使途のところにつきましては、この4つの区分にありますように固定的に使っておりまして、贈呈品等、野球のチケットについても継続的に購入しております。そういうものと、会食につきましては、原則事前の伺いを前提としております。いろいろなケースがあり、1対10の場合もありますし10対10の場合もありますし、それはケース・バイ・ケースで個々に事前に承認をするという形になっております。

 採択の結果、原案どおり議決。

 

 

7 報告事項

 (1) 平成26年度決算の日程について(資料)

 (福井理事)

 平成26年度の決算は、現在取りまとめ作業を進めています。本日ご説明するのは、「平成26年度決算の日程」についてです。
 NHKの決算は単体決算でございますが、放送法第74条の規定により、当該事業年度経過後3か月以内、つまり6月末までに総務大臣に財務諸表を提出することとなっております。これを踏まえ、平成26年度決算については、6月23日の経営委員会で議決をお願いしたいと考え、それから遡る形でスケジュールを設定しています。
 まず、4月28日に単体の「決算の速報」を経営委員会でご報告いたします。昨年度と同様、事業収支及び、収支差金の状況などの収支決算と、資産及び負債、収益の状況等を記した貸借対照表と損益計算書の速報をお示ししたいと考えています。
 この「決算の速報」につきましては、5月14日の会長会見で外部に発表することを予定しております。
 そして、単体と連結の「決算の概要」を、5月26日の経営委員会でご報告いたします。昨年度と比較して、報告を1か月早めております。なお、この「決算の概要」につきましては、経営委員会報告後に外部に発表することを予定しております。
 そして、放送法第75条に定める監査委員会や会計監査人の監査を経て、単体の「財務諸表」を6月23日の理事会で審議し、同日の経営委員会で議決頂けるよう、取り進めていきたいと考えています。
 また、連結財務諸表についてはNHKの連結決算規程に基づいて作成しており、6月23日の理事会で審議・決定し、同日の経営委員会に報告したいと考えています。

 

 

8 その他事項

 (1) 平成27年春季交渉の結果について(資料)

 (福井理事)

 労働組合「日放労」との春季交渉の結果についてご報告します。組合とは3月25日から27日にかけて交渉を行いました。
 今回の交渉では、主に、資料に記載しております、業務量と要員のバランス、労使合同委員会に関する議論のほか協会から提案した傷病欠勤・休職制度の総合的な見直しに関する議論を中心に行いました。
 議論の概要についてご説明いたします。
 まず、1点目の業務量と要員のバランス、労使合同委員会に関する議論についてです。組合としては、「全体最適が始まった中でも、業務量が減らず繁忙感が続いている職場がある。全体最適の考え方が現場に浸透していない」という問題意識を持っていました。「全体最適」とは、業務量と要員の間の「ゆがみ」「ひずみ」を見直して、部分的ではなく、本部、地方を含めた協会全体として両者のバランスを整えるという、「要員の最適配分」のことで、現在取り組みを進めているものです。組合の問題意識に対しては、まず全体最適についての、こうした基本的な考え方を説明した上で、全体最適の業務イメージをもとに配置する要員で、一人ひとりが健康的に、創造性を発揮して取り組める業務量を基本として、各職場で業務の取捨選択をすすめ、適正な業務・勤務管理をしていくことが重要である、と説明しました。
 組合は、今後も、労使合同委員会等の場で、業務量について広く議論を行いたいとしました。協会としても、創造性あふれるみずみずしい職場環境を構築する上で、こうした議論はあってしかるべきであると考えており、引き続き、労使間で活発に議論をし、より働きやすい職場環境を構築していきたいと考えています。
 次に、協会提案の欠勤・休職制度見直しに関する議論についてです。協会から提案した「欠勤・休職制度の総合的な見直し」は、提案した内容どおり、合意に至りました。内容は、3月10日の経営委員会でご報告したとおりであります。近年、精神疾患においては、傷病欠勤・休職から職場復帰した後、症状を再発させるケースが散見されています。そこで再発の防止を目的として「復帰者に対するフォローアップ施策の充実」を行い、着実な回復と職場への定着を目指すこととしました。
 具体的には、精神疾患について、傷病欠勤・傷病休職からの職場復帰後1年間を「フォローアップ期間」と位置づけ、職場、産業医および人事局が連携してサポート体制を構築しつつも、こうしたフォロー策をとっても、残念ながら再度同一疾病で欠勤・休職に至った場合には、まだ前の症状が継続しているものと見ることが適当であることから、前の欠勤・休職期間と通算するものです。これらの施策は、7月から実施する予定です。
 次に、処遇に関する議論としては、現在進めている給与制度改革について、合意した給与制度の見直しをはじめとする職員制度改革を着実に実施していくことを確認したうえで、定昇については制度どおり実施することとしました。また、直営保養所の順次見直しおよび契約保養所の廃止に伴い、福利厚生施策の総合的な見直しについても議論を行いました。
 組合とは、毎年「春」と「秋」の交渉の他に、随時、さまざまな課題について意見交換を行っております。引き続き、労使の健全な関係の維持に努めてまいります。

 

 (浜田委員長)
 本日の議題は以上ですが、全体を通して何かございますか。

 (美馬委員)

 3か年の経営計画について2点あります。1点目は、今回3月末で終了した3か年計画の総括・評価公表等の予定はどのようになっていますでしょうか。受信料で成り立っているNHKの活動としては、その説明責任あるいは活動のご理解をいただくという意味で、公表は必要だと思います。特に今年度始まった3か年計画においても評価というのは、フィードバックの意味もあります。どこができてどこができなかったということを、今期にも生かしていただきたい。また、フィードフォワードという意味では、できたところはよりよく、またさらにという意味があると思います。そこで今回終了したものについてどのように扱うのかというのをお聞かせください。

 (籾井会長)

 これについては改めてきちんとご報告したいと思います。営業成績等々もまだ最終的には統計も出ていませんので、近いうちにご報告いたします。

 (美馬委員)

 今回3月末で終了した3か年計画の総括・評価について一般に公表する予定はおありでしょうか。

 (籾井会長)

 慣習的に公表しているのであれば公表しますし、公表しても問題はないと思います。

 (美馬委員)

 よろしくお願いします。2点目は、今期の3か年経営計画についてです。1月15日に今回の3か年経営計画が出たところで、委員長見解として、「受信料制度の研究を鋭意進め、この問題に関する国民的合意形成のため努力すること」というのがありました。今、公共放送NHKのあり方等がいろいろ問題になっている中で、受信料の概念や制度について、大変難しい話なので、理解されている方は少ないと思います。今まで受信料制度について理解していただくような番組があったのかどうかということをお聞きしたいと思います。また今後、受信料制度の研究を進めていくということでは、いろいろな方々に広く知っていただくこと、公共放送の意義、NHKの存在意義ということで、NHK自身の組織を支えていくためのそもそも受信料とは何なのか、公共放送とは、あるいは公共とは、放送とは何なのか、放送法に立ち返ってという言葉が何回も出ましたけれども、これがどうなっているのかということを広く知っていただく観点から最良の方法を考えていただきたいと思います。いろいろな試みはされていると思いますが、NHKの持つ力を最大限に生かすには、NHKの持つ強み、手法を生かした上で、今言ったような内容についてぜひともご検討いただければと強く希望します。

 (籾井会長)

 美馬委員のおっしゃる「国民的理解」というのは、当然料金を変えるときには必要なわけです。ただ、今までのところでは受信料額の変更がありませんので、特別そういう番組で受信料制度を理解促進していくようなことはしていません。ただ、今3か年計画の中で、インターネットで番組を流すということを計画しています。多分この3か年ではインターネットに対する料金改定はないと思いますが、その次の段階で放送法が同時再送信を許すような段階になれば、料金の改定を検討しなければなりません。そのときは当然のことながらきちんと説明いたします。ただ、これはまだ具体的な俎上にはのっておりません。いずれにしましても料金を改定するときには、説明が必要なわけですし、委員長からのご指摘もありましたが、当然いろいろな形で専門家の意見も聞いてまいります。私はそうはならないと思っておりますが、仮に値上げということになれば、相当な抵抗も予想されます。しかし、NHKは今、支払率75%で一応収支は賄えておりますが、放送センター建て替えなどいろいろ課題はありますので、その辺を加味した場合に全体がどうなるか。多分この3か年の間には料金の問題は出てこないと私は思っております。ただ、受信料制度の研究はすでに始めております。

 (美馬委員)

 受信料の法改正をするからということだけではなく、今、NHKにいろいろご意見も多くいただいている中で公共放送の意味、公共とは何なのかということについて改めてこういう機会を利用しつつ考えていただく。自分たち自身も改めて考えて、それを広く知っていただくということは重要ではないかと思います。

 (吉国専務理事)

 これまでも、値下げはありましたし、消費税が上がるときも「公共放送キャンペーン」や、土日の番組の中で受信料について取り上げた説明をスポットで流したりと、いろいろなこともやってまいりました。これからも、特に受信料について、もう少し若い人にも見てもらって、理解促進が強化できるような形のものを始めようと準備をしています。

 (中島委員)

 先ほどメンタルな疾患の話が出ましたが、これは知的活動を主としている大学、研究所などとも共通した重要な問題と認識しています。この防止とか予知というようなことにどのように対応していますか。

 (福井理事)

 産業医が各放送局に指定してありますが、職場で風通しをよくして情報交換の場をつくって意思疎通を図るというのが前提です。症状が起こる人とか起こる前には、そういう相談窓口は内部にも外部にもきちんと設定をして対応できるような形になっています。これまでは割と増えてきていましたが、今回のこの施策によってフォローアップをきちんとするようにということで、多分これからは横ばいから下降していくのではないかと考えております。

 (中島委員)

 期待しています。

 

 (浜田委員長)
 では、最後に4月24日をもって退任される、石田専務理事、木田理事、理事、下川理事からご挨拶をいただきたいと思います。

 (石田専務理事)

 どうもお世話になりました。私は昭和52年に入局して新潟放送局、政治部、それから平成2年から5年までは札幌放送局に勤務しておりました。再び政治部に戻って政治部長、テレビニュース部長、平成19年から福岡放送局長、経営企画局長、23年から理事、専務理事と合わせて38年間NHKに勤めさせてもらいました。50代の初めまでは報道畑を歩んで、その後、経営のほうに転じてからも理事の間に、経営企画、財務・経理、放送総局長、それから総務、コンプライアンス、内部監査、考査と幅広く担当させてもらいました。
 もともと記者になりたいということでNHKに入りました。ジャーナリズムの仕事というのは、歴史を書き記すという仕事、そして民主主義を支える基盤という仕事だと思って取り組んできました。この間、NHKや視聴者のためにどれだけ貢献できたかわかりません。ただ、いろんなことがありましたが、総じて言えば、充実したNHKでの時を過ごさせていただいたことに大変感謝しております。24日で私はNHKを去りますが、私には一緒に仕事をしてきたたくさんの同僚や後輩がいます。論語の言葉の中に「後生畏るべし」というのがありますけども、私の後輩たちがきっとよりよいNHKをつくってくれるということを信じております。本当に長い間、大変お世話になりました。

 (木田理事)

 どうもいろいろとありがとうございました。私は4年間、主に編成局を中心にやってまいりました。公共放送というのは売上高とか営業利益とかそういう数字がないものですから、公共放送の価値とか評価というのは一体どうしてやっていけばいいかと。それを少しでも客観的な数字に置きかえられないかなということにかなり注力してまいりまして、今では経営の14指標から一つ一つの番組のアンケート調査による評価がどういう関係にあるか、そういう相関関係まである程度わかるところまできましたので、かなり前進したかなと思っております。それにしても放送局というか放送事業者は、番組とかニュースのコンテンツを制作する能力といいますか、それがつくづく大事だなというふうに思っております。その中で一つだけ、実は後ろ髪を引かれる思いがありますのは、ここ数年はまだよいと思うのですが、例えばPD、私が昔そうだったような番組をつくるプロデューサーとかディレクターですが、この人たちが40代を中心に突出してたくさん今、いるんです。40代から40代後半ぐらいです。この人たちが当然10年たてば50代から50代後半になって高齢化してしまう。と同時に、若いほうの30代、40代の働き盛りのところが、半減とは言いませんが40%ぐらい減ってしまうのです。職員の数が決まっていますので、そういう計算になる。そうすると深刻なつくり手不足ないしはプロデューサーをやったりする現場での人員不足が起きかねないという状況があります。これは特に地域放送局をどうやってこれから運営していくかということと結びついております。ですから、これからグループ経営の話も具体化していくと思いますけども、ぜひそういった制作力を10年先、20年先も維持していけるようなみずみずしい制作現場を確保していただけるような視野を持って、10年先も見通していただきながら経営委員会を運営していっていただければなと思います。

 (下川理事)

 下川です。1期2年、短い間でありましたけれども、本当にお世話になりました。ことし日本は戦後70年の節目の年を迎えています。今、大きな時代の曲がり角に差しかかっていると思います。戦後からの脱却といった言葉も聞かれますが、私は、公共放送NHKは、戦後の理想の時代が生んだすばらしい存在であり、残すべき価値のある公共財だと確信しています。そのNHKに対する信頼が残念なことに今、揺らいでしまっています。視聴者の信頼だけが基盤である公共放送にとって、その信頼が揺らぐことは最大のリスクです。この危機に当たって私たちは戦後の原点に立ち返るべきではないかと思います。終戦後なぜ公共放送という存在が必要とされたのか。そして、その役割を果たすためにはなぜ、何に気をつけなければいけないのでしょうか。それが書き込まれているのが放送法であります。そして、その放送法の条文をひもといてNHKとして内外に簡潔に宣言した文章が放送ガイドライン、これは2015年版ですが、その冒頭のページにあります。新しい委員の方もいらっしゃいますので、改めてここで紹介したいと思います。
 「NHKは公共放送として憲法で保障された表現の自由のもと、正確で公平・公正な情報や豊かで良質な番組を幅広く提供し、健全な民主主義の発展と文化の向上に寄与する。この役割を果たすため、報道機関として不偏不党の立場を守り、番組編集の自由を確保し、何人からも干渉されない。ニュースや番組が,外からの圧力や働きかけによって左右されてはならない。NHKは放送の自主・自律を堅持する。全役職員は、放送の自主・自律の堅持が信頼される公共放送の生命線であるとの認識に基づき、すべての業務にあたる。」
 ここに書かれているように、公共放送NHKはなぜつくられたのか。その使命は「健全な民主主義の発展と文化の向上に寄与する」ことにあります。そして、健全な民主主義の発展のためにNHKがなすべきこととして書かれているのは、正確で公平・公正な情報を伝えることです。そして、そのために必要となるのが不偏不党の立場です。この基本姿勢、そして放送の自主・自律の堅持が公共放送の生命線であるという認識は、戦前のNHKのあり方への根本的反省から生まれています。戦前の日本放送協会は実質“国営”放送でした。自主・自律、不偏不党の姿勢を持たず、政府が右と言っても左という勇気を持ちませんでした。人々に真実を伝えず悲惨な戦争へ突入するお先棒をかついだわけです。それがどれだけ悲惨な結果を招いたことか、その深い反省の思いから、そして放送の持つ影響力をいかにいい方法に使うか、国民に民主主義を広めるか、それが公共放送の構想となったわけです。そして、健全な民主主義の発展という使命達成には、自主・自律、不偏不党の立場が必要不可欠だとみなされたのは当然のことです。不偏不党という言葉にはそういう歴史的な意味合いが込められています。繰り返しになりますが、公共放送の第1の役割は、あらゆる権力から自立して正確で公平・公正な情報、つまり真実を伝えることです。健全な民主主義は社会の構成員が等しく正しい情報、真実を共有することが土台になければ決して成立しないからです。公共放送の第2の役割として書かれていることは、「豊かで良質な番組を幅広く提供する」ことです。良質と並んで「豊かな」と書かれていることの意味は、ぜいたくな、豪華なという意味ではありません。多様性に富んだということだと考えます。これもまた戦前のNHKがモノトーンの価値観を押しつけることで多様な意見の存在を排除し、人々を戦争に駆り立ててしまったことの痛切な反省から来ています。さまざまな価値観が共有・共存することこそが豊かな社会の基礎であり、健全な民主主義の基礎ではないでしょうか。世界には独自の価値観を持った多様な人々が生きていること、そして、社会には多様な価値観が存在すること、それを示すこともまた公共放送の大切な使命だと思います。インターネット時代への対応も国際化への対応ももちろん大切です。しかし、それだけではなく戦後70年の節目の今年、私たちはもう一度、この公共放送の原点というべき信念を再確認し、肝に銘ずるべきではないでしょうか。歴史の教訓にしっかりと学ぶべきです。
 私は、もともとはディレクターですが、理事になる前は人事で数多くの若者たちを採用してきました。そのとき掲げたキャッチフレーズは「世のため、人のため、君だけの仕事がある」、この呼びかけに応えて社会のため、人々のために汗を流す意欲にあふれた優秀な若者たちが大勢NHKに集まってくれました。私には彼ら一人一人の顔が思い浮かびます。彼らが現場にいる限り、公共放送の理念は決して揺らぐことはありません。彼らはたとえ大きな力が真実をねじ曲げようとしても決して屈しない勇気と志を持っていると私は信じています。彼らが、彼女たちがすぐれた創造力、そしてジャーナリスト精神を発揮して、より多くの人たちが、より厚い信頼をNHKに寄せる日がきっと来ることを心から念じて挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

 (長谷川委員)

 大変すばらしいお話だったと思います。ただ、一つだけ確認させていただきたいと存じます。いま「戦後の原点」とおっしゃいましたが、これは、日本が主権を回復し、アメリカの軍事占領から解かれたその時点をもって「戦後の原点」とおっしゃっているのだと考えてよろしいのでしょうね。そうでないと、大変おかしなことになってしまいますので。日本が敗戦の憂き目を見、アメリカの軍事占領を受けていたその期間は、日本はGHQのプレスコードのもとに、一切の報道の自由を奪われていました。放送法に謳(うた)われる放送番組編集の自由などというものは薬にしたくもないという時代でした。まさかその時代を指して「戦後の原点」とおっしゃったわけではないですよね。これは、あまりにも分かりきった、言わずもがなの質問だったかと思いますが、時折、こうした大切なポイントが見過ごされることがございますので、敢えて失礼な質問をさせていただきました。 すみません。

 (下川理事)

 ここで歴史解釈の論争には入るつもりはございませんが、私が公共放送、NHKの戦後の原点といったのは、戦前の“国営”放送から公共放送へ、そのことを原点として申し上げました。

 (森下委員)

 一つ私も言いたいのですが、私は民放の番組審議委員の経験もありますが、公正中立、不偏不党という中身はNHKも民放も同じです。ただ、その民放で問題が発生したときに私が民放の人によく言ったのは、こういう権利を主張するのであれば、信頼されるだけの人間に育っていないとだめですよと。自分たちは常に客観的に不偏不党だから誰からも指摘を受けない、それは結構です。でも、やっている内容が本当にそうなのかということに対して視聴者からの不信感が常に出てくる。私が審議委員をやっていた民放でもやらせの問題もあったし、事件もあって、それを注意しましたけども、基本的にNHKの信頼は、自分たちにも責任があるということを考えなくてはいけません。権利を主張すると同時に、職員がどれだけこういう役割についてきちんと向き合えるか。そういうことも含めてやっていかないと、自分たちの権利だけを主張するようなことが、世の中から見ると、不遜な態度に見えることもあるわけです。ぜひそのことを考えていただきたい。

 (下川理事)

 我々は権利だと思っているわけではなくて、責任だと思っています。

 (森下委員)

 それでも世の中はそう感じてしまうのです。民放でもよく言いましたけども。だからといって、ここに書いてあることは誰も反対しません。

 (浜田委員長)

 この辺で終わりたいと思いますけれども、お三方にはそれぞれの専門分野で大変お世話になったのだろうというふうに思います。皆さんはやはりNHKの歴史にそれぞれ足跡なり貢献をされてきたのだと思います。これから、東京オリンピック・パラリンピックを控えて放送業界は一つの転換期に来ると思います。そういう中では、まだまだ卒業ということではなくて、NHKの近辺にいていただいて、いろいろと放送業界の発展のために、NHKの発展のためにお力を貸していただきたいと思います。以上で私のご挨拶といたします。

本当にお疲れさまでございました。

 

<専務理事、技師長、理事退出>

 

 

○ 平成26年度役員目標年間総括ヒアリング
 籾井会長同席のもと、 石田専務理事、木田理事、下川理事、森永理事に対して、平成26年度役員目標年間総括ヒアリングを実施した。

 

 

 平成27年4月28日    

浜 田 健一郎

 

上 田 良 一