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第1218回
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平成26年8月29日(金)公表
  ※4 議決事項(1) 次期経営計画について は平成27年1月30日(金)公表

日本放送協会第1218回経営委員会議事録
(平成26年7月22日開催分)

第1218回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1218回経営委員会

 

<会 議 日 時>

平成26年7月22日(火)午後1時00分から午後6時20分まで

 

<出 席 者>

〔委  員〕

  上 村 達 男 石 原  進 上 田 良 一
    中 島 尚 正   長谷川 三千子 百 田 尚 樹
    本 田 勝 彦   美 馬 のゆり 宮 田 亮 平
    室 伏 きみ子   渡  惠理子  
  ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔役  員〕

  籾 井 会 長 堂 元 副会長 塚 田 専務理事
  吉 国 専務理事 石 田 専務理事 板 野 専務理事
  木 田 理 事 福 井 理 事 下 川 理 事
  森 永 理 事 井 上 理 事 浜 田 技師長

 

 

<場   所>
放送センター  22階経営委員会室 21階役員会議室

 

<議   題>

○ 今後の議事運営について

○ 監査委員会報告(資料)

 

付議事項

1 議決事項

 (1) 協会国際衛星放送に関わる手続きにおける経営委員会の議決を要しない軽微事項について
(資料1)(資料2)(資料3)

 (2) 中継局京都R1廃止の認可申請について(資料)

 

2 報告事項

 (1) 平成26年度第1四半期業務報告(資料1)(資料2)

 (2) 視聴者対応報告(平成26年4〜6月)について(資料1)(資料2)

 (3) 平成25年度における随意契約見直し計画のフォローアップの策定・公表について
(資料1)(資料2)

 (4) 平成25年度NHKと関連団体との取引の評価・公表について(資料)

 (5) 非現用不動産の売却について(資料)

 (6) 契約・収納活動の状況(平成26年6月末)(資料)

 

3 その他

 (1) 営業関係データ(都道府県別6月末)について

 

4 審議事項

 (1) 次期経営計画について(資料)

 

○ 意見交換「次期経営計画について」(資料)

○ 平成26年度役員目標ヒアリング

 

 

○ 今後の議事運営について
 執行部からの、次期経営計画策定の基本的な考え方の説明に先立ち、経営委員会での審議の進め方について確認した。

 

○  7月12日に室蘭放送局で開催された「視聴者のみなさまと語る会」について、出席した美馬委員、渡委員から報告をうけた。

 

 

議事経過

 

 上村代行が開会を宣言し、経営委員会を開催。

 

<会長、副会長、専務理事、技師長、理事入室>

 

 本日の付議事項および日程について説明。第1217回(平成26年7月8日開催)の議事録を承認し、所要の手続きを経て、平成26年7月25日に公表することを決定した。議事終了後、経営委員による経営委員会を開催し、次期経営計画について審議した。

 

○ 監査委員会報告(資料)
 (上田委員)
 平成26年度監査委員会監査実施計画について、監査委員会で決定しましたのでご報告します。本監査実施計画は、26年3月26日開催の経営委員会でご報告した、26年度監査委員会監査実施方針に基づき定めるものです。重点監査項目を中心とする年間監査計画については、3月に実施方針を定めた後、7月にこのような形で監査実施計画を報告しています。
 25年度の監査結果をもとに、業務報告書および財務諸表に添える監査委員会の意見書作成を踏まえて決めるのが道筋との考えにより、今回26年度の監査実施計画を定めた次第です。
 26年度の重点監査項目は、次に述べます4項目とします。
 重点監査項目の1つ目は、「内部統制の推進状況および関係部局のリスク対応の取り組み状況の監査」です。監査委員会の監査にとって、内部統制は前提になりますので、これまでに引き続き重点監査項目にしています。
 2点目は、「新たなメディア環境への対応状況の監査」です。改正放送法施行を前に協会がまとめることになっている「インターネット実施基準」の作成やスーパーハイビジョンの技術開発などは、将来にわたって公共放送の使命を達成する上で極めて重要であると考え、重点監査項目にします。また、これは以下の二つの項目と共通しますが、新たな3か年経営計画に、協会がこの課題をどう位置付けていくのかも、注視してまいりたいと考えています。
 3点目は「『外国人向けテレビ国際放送』の強化に向けた取り組み状況の監査」です。この点については25年度も重点監査項目にいたしましたが、国際放送の強化は、引き続き重要施策であると考え、認知度の向上や番組内容の充実などへの取り組み状況を、JIB((株)日本国際放送)へのヒアリングを含め重点監査項目にします。
 4点目は「透明で戦略的なグループ経営の推進に向けた取り組み状況の監査」です。透明とは、クリーンなコンプライアンスが確立された、という意味で使っており、NHKグループ全体のコンプライアンスの推進や、戦略的なグループ経営の構築は、きわめて重要な課題であり、子会社等や地域放送局へのヒアリングも含めて、重点監査項目としました。
 なお、25年度は「会長の任命プロセス」に関する監査を特別監査項目としましたが、26年度は、このような特別監査項目は設けておりません。
 また、「平成25年度業務報告書に添える監査委員会の意見書」で指摘した付記事項に関しては、全て26年度の重点監査項目に含まれており、今年度は重点監査項目として取り組み状況を注視していきます。
 以上、ご説明しました計画に基づいて監査活動を実施していきますので、よろしくお願いいたします。

 

 

1 議決事項

 (1)協会国際衛星放送に関わる手続きにおける経営委員会の議決を要しない軽微事項について
(資料1)(資料2)(資料3)

 (板野専務理事)
 これは、今年6月に「放送法及び電波法の一部を改正する法律」が成立し、その一部が施行されたことに伴い、NHKのテレビとラジオ国際放送の一層の普及・強化を図るために、特に受信環境整備に関わる手続きを簡素化するための案件です。
 資料の「放送法新旧対照表」をご覧ください。
 今回改正された法律は、施行が2段階に分かれています。真ん中の列が法律の公布と同時にすでに施行されている規定です。また、一番左側の列は政令で定められる施行日以降、見通しでは来年春以降に施行される規定です。
 お諮りするのは、この真ん中の部分、改正された放送法の第29条についてです。この件に関連して、7月8日の経営委員会で定款の一部変更についての議決をいただいており、それを受けて、提案しております。
 議案書をご覧ください。これまで、衛星を使ったテレビやラジオの国際放送、つまりNHKワールドTVやNHKワールド・プレミアム、それに衛星によるラジオ日本の放送を始めたり、あるいは、取りやめたりする場合には、すべて経営委員会の議決が必要となっていました。今回の放送法の改正で、経営委員会が議決する事項を定めた第29条第1項第1号のトに「経営委員会が軽微と認めたものを除く」という文言が加わり、経営委員会の議決から除くことができるようになりました。議案書では、経営委員会に何を「軽微」と認めていただくかというものの案を2点お示しています。
 まず、協会国際衛星放送、つまりNHKワールドTVやNHKワールド・プレミアム、それにラジオ日本のうち衛星による放送の開始についてです。参考資料2をご覧ください。現在使っている衛星の一覧です。上の3つの衛星は、インテルサットの19から21と呼んでいる基幹衛星です。基幹衛星はテレビ、ラジオの信号を世界各地に届ける上で重要な役割を担っています。このため、開始についてはこれまでと同様、経営委員会の議決を得るべきと考えています。一方、基幹衛星以外の、いわゆる地域衛星は現在28機使っています。数が多いうえ、ビジネスベースで迅速に交渉を行う必要があります。このため、業務執行上の判断で柔軟に対応できるよう、「軽微」な事項として取り扱っていただくことが適当と考えます。参考資料1「放送法改正に伴う協会国際衛星放送関連の手続き変更について」をご覧ください。この資料の上段、①はただ今説明したNHKワールドTVなどの開始について記載しています。
 続いてこの資料の下の段、②は、協会国際衛星放送の休止や廃止についての基準です。24時間以上の休止と廃止は、その重要性を踏まえ、放送法上、総務大臣の認可が必要とされています。しかし、24時間未満の休止や、事故などの不可抗力による場合には、総務大臣の認可を受ける必要がありません、総務大臣の認可が不要なケースは、早急に代替措置を取ったり、メンテナンスを行ったりする迅速な対処が必要な場合を想定しています。こういった機動的な対応を可能にするための手続きの簡素化という法改正の趣旨を踏まえて、総務大臣の認可が不要なものについては、経営委員会の議決も不要な「軽微」な事項としていただくのが適切と考えています。
 なお、「廃止」と言うと、NHKがその地域から撤退するという印象を持たれがちです。衛星の場合、「廃止」の案件は過去に3件ありましたが、いずれも別の衛星や地元のケーブルテレビ局などを通じて放送が維持されていますので、必ずしも「廃止」はその地域からの撤退を意味しないということをご理解ください。  
 議案書に戻っていただいて、最後の部分に書いていますように、今回の放送法の改正ではラジオ国際放送の海外中継に関する手続きと協会国際衛星放送の休止と廃止に関わる一部の手続きにも、さらに同様の制度変更が予定されていますが、これは該当部分の改正が施行された後に、改めてお諮りする予定です。
 今回の放送法の改正による手続きの簡素化で、幅広く迅速に放送事業者と交渉し、NHKの国際放送の一層の普及ができるようになると考えています。よろしくご議論いただきたいと思います。

 (上村代行)

 この判断につきましては、経営委員会事務局、それから委員長と事前に調整し、経営委員会が認めたという実質のもとで提案されたというふうに理解しています。それでよろしいですか。

 (板野専務理事)

 そういうことになります。

 採決の結果、原案どおり議決。

 

 (2)中継局京都R1廃止の認可申請について(資料)

 (浜田技師長)

 本件は京都新会館への移転を契機に、親局の大阪ラジオ第一放送と放送エリアが重複している京都ラジオ第一中継局を廃止する手続きに関して、ご審議をお願いするものです。
 これまでの状況ですが、昨年の放送局の一斉再免許申請の際、京都ラジオ第一中継局は、期限付きでの再免許申請をおこなっており、平成27年3月末までの期限付きの免許状が交付されております。また、中継局の廃止日を確定したところで、近畿総合通信局へ廃止認可申請を提出することとしております。
 現在、京都新会館の建設工事は順調に進んでおり、新会館への移転は、来年平成27年2月の予定です。このため、中継局の廃止日は、放送終了の聴取者対応を考慮し、日曜日の放送終了時とし、2月1日日曜日の深夜、実日では2月2日月曜日の午前1時に放送を終了して中継局を廃止することとしたいと考えております。
 聴取者に向けた周知を進めるにあたり、総務省へ中継局廃止の申請をおこなう必要があります。
 中継局の廃止は、放送法第86条により総務大臣の認可が必要です。この認可申請を行うにあたり 「定款 第13条第1項第1号カ 」の規定に基づきまして、経営委員会の議決をいただきたいと思います。
 本経営委員会で議決いただいた後に、総務省近畿総合通信局へ中継局廃止の認可申請を行います。
 なお、この申請に対する総務省の認可が下り次第、放送あるいはホームページ等により、周知を実施いたします。
 採決の結果、原案どおり議決。

 

 

2 報告事項

 (1)平成26年度第1四半期業務報告(資料1)(資料2)

 (井上理事)

 資料「平成26年度第1四半期の業務報告」に沿って、ご説明致します。資料の1ページ、2ページには、現在の3か年計画で掲げている「4つの重点目標」と、今期報告の目次を記載しております。
 3ページをご覧ください。今期は「3か年の基本方針」の達成状況を測る14指標の世論調査は実施しておりません。参考として1月に実施した世論調査結果を掲載しています。
 4ページの今期の概況をご覧ください。まず、今期の総括です。3か年経営計画の3年目を迎え、重点目標に沿ったさまざまな施策が具体化しています。機能強化や安全・安心の面では、放送センターが機能停止した際に代替機能を担う大阪放送局の設備整備がほぼ完了し、全国の機能強化整備も順調に進捗しています。運用・実施体制の整備に重点的に取り組んでいます。
 番組では、連続テレビ小説「花子とアン」が「あまちゃん」「ごちそうさん」に続き、支持を集めたほか、認知症行方不明者の問題を取り上げた「NHKスペシャル」などの番組等も高い評価を得ました。
 新しいサービスとしては「FIFAワールドカップ」を、8Kスーパーハイビジョンで制作し、国内4か所、ブラジル国内3か所でパブリックビューイングを実施し、大好評でした。日本代表初戦の日本対コートジボワール戦は、大阪会場で、4千件を超える申し込みがあり、当選倍率が52倍に達しました。臨場感あふれる8Kスーパーハイビジョンの魅力を感じていただけたものと思っています。
 営業面では、公開競争入札による法人への契約収納業務委託の拡大など営業改革を進め、堅調な契約総数増加を図りました。一方で、各地方の放送局で、大学の新入生向けに、受信料制度や公共放送の役割等について理解促進を図る“春の新生活応援キャンペーン”を実施しました。
 下の段に、4つの重点目標ごとの今期のおもな取り組みをまとめてありますが、後ほどの説明と重複しますので、説明は省略します。
 5ページをご覧ください。営業目標の達成状況と収支状況についてです。第1四半期は、契約総数増加が19.0万件増加しました。年間増加目標に対する進捗率では38.8%となり、前年同期37.4%を上回る堅調な業績となっています。また、衛星契約の増加は27.7万件でした。年間増加目標に対する進捗率は40.8%となり、前年同期36.9%の進捗率を3ポイント以上上回る好調なスタートになっています。特に衛星契約増加は、6月の「FIFAワールドカップ」開催により、衛星放送への接触が高まるのにあわせ、衛星契約増加に向けた活動を強化したことにより、高い進捗率を確保しました。
 6月末の収支の状況は、事業収入が1,687億円、予算進捗率25.4%、事業支出が1,566億円、予算進捗率23.9%となり、事業収支差金は120億円となりました。
 受信料収入は、移動世帯の早期契約対策などに重点的に取り組んだ結果、標準進捗率を上回り、1,620億円となりました。事業支出は、「FIFAワールドカップ」や国際放送のニュース・番組の充実による支出等があるものの、おおむね標準進捗率を下回っており、全体として堅調に推移しています。
 7ページからは、「4つの重点目標」の達成状況を記しています。具体的な業務の遂行状況や、課題・今後の取り組みなどを列記しています。ポイントのみ説明いたします。
 まず、1の「公共」です。ここでは、放送センター代替機能や全国的な機能強化整備など、「設備整備」は順調に進捗し、大阪放送局の整備はほぼ完成しました。この大阪放送局も機能停止した場合を想定し、今期から、緊急時に福岡放送局から衛星放送で全国放送を送出する設備の整備を開始しました。また、放送センターでも大規模停電時に放送機能を確保するため、自家発電機用燃料タンクを増量する設置工事を開始しております。
 大規模災害時に、各放送波やインターネットでどのような情報を提供するか、さまざまな状況を想定し、「非常時のメディア編成方針」をまとめました。
 「NHKスペシャル」では大型シリーズ「廃炉への道」をスタートしました。福島第一原子力発電所の今後を40年先まで見据えた課題を提起しています。
 9ページをご覧ください。「信頼」です。26年度の番組改定は順調なスタートを切っています。連続テレビ小説「花子とアン」を軸に総合テレビの朝の時間帯の支持がますます高まり、「軍師官兵衛」は、ここ数年の大河ドラマで最もよく見られています。また、新番組は幅広い年代層に浸透しつつあります。10ページ中ほどに書いてありますが、地域発のBSプレミアムドラマ「さぬきうどん融資課」、これは高松局の制作ですが、地元で上映会を行うなどイベントを展開し、地域の活性化に貢献しました。また、外国人向けテレビ国際放送「NHKワールドTV」の大幅な改定を実施し、歌舞伎や日本映画、日本の国際貢献をテーマにした番組を新設しています。
 次に11ページ「創造・未来」です。放送と通信を連携したサービス「ハイブリッドキャスト」では、朝の情報番組「あさイチ」や「きょうの料理」などで、サービスの充実をはかりました。NHKオンデマンドは、連続テレビ小説「花子とアン」やプレミアムドラマ「プラトニック」等が好評で、視聴料収入が速報値で対前年度比119%、金額にして4.7億円となっています。「FIFAワールドカップ」の生中継で過去最大規模となる106時間の字幕放送を行いました。これまで、聴覚障害のある方から要望のあったEテレ「NHK高校講座」で4月から字幕放送を開始しております。また、地上デジタル放送の難視聴地域に対して、暫定的に実施している「衛星セーフティネット」が終了する26年度末に向けた恒久対策を、引きつづき実施してまいります。
 次に、13ページ「改革・活力」の項目です。NHKグループのガバナンス強化のため、各関連団体の業績の評価方法を見直し、新たな経営目標制度を導入ました。25年度の視聴者対応の取り組みをまとめた冊子「NHK視聴者ふれあい報告書2014」に、3か年経営計画達成に向けた業務の検証や決算報告も盛り込み、内容の充実を図っています。
 次に、15ページの「改革・活力」です。5ページでご説明いたしました「営業目標の達成状況と収支状況」と一部重複しますが、26年度第1四半期は、契約総数の増加、衛星契約の増加ともに堅調に推移しています。効率的な業務体制の構築に向けた公開競争入札による法人への契約収納業務委託については、今年度6月までに全国で7地区108万世帯が新たに業務を開始し、あわせて全国55か所809万世帯が法人による業務実施地域となりました。
 16ページに記載させていただきましたが、新年度を活用し、各放送局で、大学の新入生向けに受信料制度や公共放送の役割等について理解促進を図る“春の新生活応援キャンペーン”を実施しております。
 17ページをご覧ください。公共放送を支える多様で意欲のある人材確保のため、選考方法を工夫し、ジャーナリストとしての適性を見極めるとともに、地域に根差し地域に貢献する「地域職員」の採用選考を初めて行いました。組織改正、管理職異動において、重点項目への要員シフトを行うとともに、女性の放送局長を増やす等、女性職員の積極的な登用を行っています。自由かっ達な職場づくりの一環として、職員からのメールを会長が直接受け付ける取り組みを始めました。

 (石原委員)

 5ページのところで教えていただきたいのですが、契約総数が非常に増えていますね。進捗率が38.8%。これは年間の目標に対して、第1四半期で38.8%クリアしたということですね。その割に収入が25.2というのは、これはどういう関係になるのですか。

 (塚田専務理事)

 年間増加目標に対する進捗率は、地域によって4月、5月の移動期にかなり契約取次が進む地域と、年間を通じて契約取次が平準化して進捗する地域があります。春の大量移動期にあわせて、前倒しによる営業活動に取り組んだことで進捗率が高まっております。

 (石原委員)

 その上の契約総数では、受信料を支払わなくなった方は除いてあるのでしょうか。

 (塚田専務理事)

 そうです。契約いただいている方です。

 (石原委員)

 そうすると、年間の進捗率が38.8%であるにもかかわらず、収入の伸びが少ないことになりませんか。

 (福井理事)

 いや、そんなことはないです。母体が違いますから。6月末の契約総数3千892万件のうち、増加は19万件です。年間増加目標49万件に対する進捗があっても収入額の進捗に対する影響はわずかです。

 

 (2)視聴者対応報告(平成26年4〜6月)について(資料1)(資料2)

 (吉国専務理事)

 放送法第27条に定める視聴者対応の状況について、平成26年4〜6月分をつぎのとおり取りまとめましたので放送法第39条第3項の規定に基づき、報告いたします。
 まず、27ページをご覧ください。この3か月間の視聴者の声(意見・要望、問い合わせ)を合わせたものです。4月が38万7,854件、5月が34万8,407件、6月が35万3,843件となっています。
 まず4月分からご報告します。2ページをご覧ください。連続テレビ小説「花子とアン」について放送開始から4週分の反響をまとめています。4週分の放送に寄せられた反響は3,442件でした。好評意見は去年放送した「あまちゃん」に次いで多くなっています。男女別では女性からの声が男性を大きく上回り、年代別では60代以上の割合が高いのが特徴です。放送当初「声が震えて聞きにくい」など反響が多かったナレーションですが、番組が回を重ねるにつれて減少しました。
 4ページをご覧ください。4月からスタートした新番組6番組への反響を紹介しています。総合テレビで放送している「超絶 凄(すご)ワザ!」やBSプレミアムの「感涙!よみがえりマイスター」に大きな反響がありました。
 続く5ページではNHKスペシャル「人体 ミクロの大冒険」への反響をまとめました。高品質のCGで人体を再現し、命を育む仕組みを探った4本シリーズには、60代を中心に1,200件近くの反響が寄せられました。
 続いて5月分です。12ページをご覧ください。5月11日に放送したNHKスペシャル“認知症800万人”時代「行方不明者1万人〜知られざる徘徊の実態〜」への反響をまとめています。ページ中央のグラフをご覧いただくと、男女ともに50代以上の視聴者を中心に反響が寄せられたことがわかります。ニュースなどで報道されましたとおり、この番組が放送された翌日に、長い間行方不明となり、施設に保護されていた女性が家族との再会を果たすことができました。ふれあいセンターに寄せられた「視聴者の声」がきっかけとなっています。「やはりテレビの力はすごいと実感した」などの声が届きました。
 続いて14ページをご覧ください。NHKのプロジェクト「減らせ突然死〜使おうAED〜」を紹介しています。AEDは心臓発作を起こした人に電気ショックを与えて心臓の動きを正常に戻す医療機器のことです。全国で年間7万人と言われる「心臓突然死」。NHKでは、医師など専門家グループによるプロジェクトと連携し、ニュースや番組をとおしてAEDの活用を呼びかけています。ことし4月から5月にかけて放送した「AED」関連のニュース・番組に、250件を超える反響がありました。4月22日にAED関連企画を放送した「ニュースウオッチ9」では、続編の放送を求める視聴者からの声に応えて、5月7日に第2弾を放送しました。
 次に16ページです。5月22日、タイで起きた軍事クーデターの後、NHKでは、少なくとも5万人といわれる現地在留邦人や旅行者への情報提供強化のため、「NHKワールド ラジオ日本」の臨時送信を実施するとともに、放送時間や周波数についての視聴者からの問い合わせに対応しました。臨時送信は5月23日から6月18日まで行い「ラジオの重要性を再認識した」などの声が寄せられております。
 続いて6月分です。22ページをご覧下さい。放送開始から半年経った大河ドラマ「軍師官兵衛」への反響をまとめています。6月30日時点で、6,200件あまりの反響が寄せられました。去年放送した「八重の桜」と数字的にはほぼ並んでいます。22ページ中ほど右側のグラフのとおり、女性からの反響が40%と「八重の桜」を9ポイント上回り、おととしの「平清盛」に並んでいます。また、ページ下のグラフが示すとおり、好評意見の割合は女性のほうが男性よりも高くなっています。このように「軍師官兵衛」の特徴の一つは、女性視聴者からの支持が高いことです。また、年代別では若い世代ほど好評意見の割合が高く、逆に50代以上では男女とも厳しい意見の割合が高くなっています。「官兵衛」につきましては、ここのところ視聴率も好調で、おとといは関東地方で19.4%に上っています。今後さらに期待ができるのではないかと思っています。
 続いて24ページでは、ソチオリンピックのフィギュアスケートで金メダルを獲得した羽生結弦選手が出演している復興支援ソング「花は咲く〜羽生結弦Ver.〜」への反響を紹介しています。指田郁也さんの歌に乗せて羽生選手がスケートで滑るこの番組には、放送決定の報道発表を行った17日から30日までで230件を超える反響がありました。反響の9割が女性からで、好評意見の割合が厳しい意見を大きく上回りました。

 (長谷川委員)

 厳しい意見と好評意見の割合を見てみますと、随分評判になった番組の視聴者意見でも、厳しい意見、好評意見の割合は、むしろ厳しい意見のほうが多かったですね。厳しい意見が減ってきても、まだ厳しい意見のほうが多かったり、ほとんどの番組を見てみますと、実用番組でも厳しい意見というのはかなり多くて、最後の羽生結弦さんの番組だけが逆というような。これで見ますと、いわゆる視聴者対応というのは大部分が何か注文をつけたり厳しい批判を言うというほうが一般的に多いと考えてよろしいのでしょうか。

 (吉国専務理事)

 あえて意見を述べる方というのは、どちらかというと厳しい意見の方のほうが多くいらっしゃいます。この羽生さんの結果に限っては特別だったと思います。

 (長谷川委員)

 ここでは、厳しい意見の中にもこれをシリーズでどんどんやってほしいというような励ましの意見も厳しい意見として、カウントしているわけですね。

 (吉国専務理事)

 叱咤激励も厳しい意見に入ることがあります。

 (長谷川委員)

 そのあたりは、もう少し細かに分類してもよいのではないかと思います。これで見ると、励ましのご意見、お褒め、本当の批判と、多分3種類ぐらいになるような気もします。一般的にわざわざ電話をかける人は、批判めいたことをおっしゃる方が多いと考えてよろしいわけですね。

 (吉国専務理事)

 そうですね。

 (長谷川委員)

 わかりました。

 (百田委員)

 民放でも同様です。おもしろかったです、よい番組でしたという電話は全くないです。ここが気に入らん、あそこが気に入らん、こういうのばかりです。きょうの番組はよかった、こんな電話は来ません。

 (長谷川委員)

 わかりました。

 (石原委員)

 台風8号がこの前来たときに、入院中でしたが、NHKのBS放送が非常に見えづらい画面になっていました。民放は全く関係なくてきれいに見えるわけです。台風が行ってしまった後にも半日か1日ぐらいその状況が続きました。なぜあのような画面になるのですか。

 (浜田技師長)

 状況を直接我々は見ていないので想像でしか言えませんが、台風などが日本に接近いたしますと、衛星放送は通常は画質優先で番組を送り届けているのですが、逆にいうと雨に大変弱いという特性がございますので、電波の一部を降雨減衰モードという、画質は大変低いのですが情報が何とか届く、しかし、雨には強いという符号化をして、高画質の映像と一緒に送っています。受信機側で電波の強さが一定レベルを超えて弱くなりますと、自動的に降雨減衰モード、すなわち雨に強い、減衰に強い、しかし、画質は低いほうに受信機側で判断をして切り替わります。もし降雨減衰モードで送っていないとすると、当然、放送が切れてしまうということになりますので、我々としては、情報ができるだけ届くようにしたいということでそういったモードで送り届けています。雨が降っているときではなく、やんだ後、なぜ画面が戻らないのかというのは、よく理由がわからないですが、恐らく受信設備側の要因で、通常モードに戻るのが遅れてしまったのかと思われます。これは個別の受信機あるいはご覧になっている受信環境によって、一概にこうだということは、調べてみないと言えないので、恐らくそういう現象があったのではないかと私は推測しております。

 (石原委員)

 少なくとも民放はきれいに映るのに、なぜNHKだけが2日にわたってあのような状況になっているのですか。あのような画面では、見るに耐えないからテレビを見ません。放送しないほうがよいような感じもします。それを受信機のほうで自動的に切り替えるのですか。

 (浜田技師長)

 そうです。

 (石原委員)

 それは新しい受信機か古い受信機で違うのですか。

 (浜田技師長)

 それは受信機を見ないとわからないのです。

 (石原委員)

 そうですか。病院で見ていたので、もとのほうがそういう装置になっていなかったのかもしれないですね。

 (浜田技師長)

 チャンネルによって雨の影響を受ける度合いが違いますので、逆にいうと民放だけが切れる場合もございますし、NHKが影響を受ける場合もございますし、全部切れる場合もございます。

 (石原委員)

 衛星放送は民放もそういう方式になっているのですか。

 (浜田技師長)

 民放でも導入している局があるかどうかの情報はないですが。

 (石原委員)

 そこは調べてみてください。

 (浜田技師長)

 恐らく民放はやっていないと思われます。

 (石原委員)

 そんなことしなくても、恐らくきれいに映るのではないですか。

 (浜田技師長)

 いいえ。雨がひどいときには映らなくなります。

 (石原委員)

 何しろNHKだけ見えないという感じだったので、一度検討していただきたいと思います。

 (浜田技師長)

 病院名など情報を教えていただければ、調べにいくことはできると思います。

 (石原委員)

 見ていた地区は福岡でしたが、装置を調べなければわからないということですね。

 (浜田技師長)

 はい、調べてみないとわかりませんが、同じ地区でそのような状態であったとの情報はありませんでしたので、恐らく受信機固有の問題ではないかと推測しています。

 (美馬委員)

 前回、「視聴者のみなさまと語る会」で出てきた意見です。台風情報等をどこまで地方局や全国放送でずっと報道し続けるのかというのがご意見として出ていました。地方の方では、やはり見たい番組もあって、あまりにも遠く離れたところの情報であるという感じもある。何か基準のようなものをお持ちでしたら教えてください。

 (森永理事)

 これだけ離れていれば、例えば500キロ離れていればやるとかやらないという基準などはなく、進路などによって判断しています。今回の台風8号の場合は、本州を縦断する可能性が非常に高くなってきました。刻々と台風の進路も変わりますので、そのときの状況に応じて、これは全国ネットでやるもの、これは九州ローカルでやるものとか、それを分けて使うようにしております。そのときの状況によっての判断です。

 (美馬委員)

 今回、北海道室蘭で「視聴者のみなさまと語る会」がありましたけれども、逆に都会を過ぎたら自分たちのほうに台風が来たのに、情報はこなくなったのではないかというご意見がありました。

 (森永理事)

 そこは上陸をした後、台風の勢いが相当落ちましたので、そういう扱いになったかと思うのですが、ただ、過去に、台風は東京を去りましたと言ったら、東北や北海道の方から何を言っているのだとお叱りをうけたことがあったということで、そういう表現はないようにしております。

 (美馬委員)

 東京を過ぎたら、もう台風情報は提供しないということはない、ということがご説明でわかりました。

 (塚田専務理事)

 今回、台風8号は北海道から離れた海のほうを進んで行ったのですが、雨が残っていたため、逆L字という形で画面の上にスーパーをかけて大雨情報や交通情報などを北海道向けに札幌から放送しました。そういう形で補完も併せてやっています。

 (美馬委員)

 わかりました。ありがとうございました。

 

 (3)平成25年度における随意契約見直し計画のフォローアップの策定・公表について
(資料1)(資料2)

 (福井理事)

 平成25年度における随意契約見直し計画のフォローアップの策定・公表についてご報告します。
 まず、本件を公表する趣旨ですが、これは、平成20年2月の総務省からの協力要請を踏まえ、NHKの自主的な取り組みとして「随意契約見直し計画」を策定・公表し、随意契約の競争化に取り組んでいるものです。
 18年度の契約の実績をもとに見直し計画を策定し、平成25年度を計画の達成年度として取り組んできました。20年度以降、25年度の計画達成に向けて、毎年度フォローアップを実施し、結果をNHK公開ホームページに公表しています。
 計画の達成状況につきましては、金額ベースの契約率で見ますと、25年度の競争契約率は、計画の 63%に対し63.3%、随意契約率は、計画の 37%に対し36.7%となり、計画を達成しました。18年度はいずれも50%でしたので、毎年度、順調に改善させてきた結果です。計画の達成によって、今回でフォローアップは終了となります。なお、26年度については、競争契約率 63%以上を目標として、競争契約の推進に取り組んでいきます。
 また、1件ごとの個々の契約情報と、競争契約率など年度全体の契約状況を公表し、高い透明性を引き続き確保していきたいと考えております。
 次に、随意契約から競争契約に移行した主な契約についてご説明します。25年度に随意契約から一般競争入札へ移行したものには、「ヘリコプター用防振カメラ装置の製作」、「ノンリニア編集機の保守業務」、長野局の「放送会館清掃・警備等の施設管理業務」があります。企画競争等へ移行したものには、横浜局の「業務用自動車運行管理業務」があります。
 最後に、「一般競争入札」実施件数の推移ですが、25年度は 613件の実施となり、着実に増加しています。これにつきましては、会計検査院の実地検査においても、一定の評価をいただいております。
 こうした競争化に伴うコスト低減効果の具体例としては、「放送局報道系ファイルベースシステム整備」15.6億円、「放送センター自家発燃料タンク増量工事」8.2億円などがあります。
 本書の2ページから4ページの資料は、総務省からの指定フォーマットに準じて作成しております。
 これらは、7月中にNHKの公開ホームページで公表する予定です。

 

 (4)平成25年度NHKと関連団体との取引の評価・公表について(資料)

 (福井理事)

 これは、平成14年度以降、関連団体運営基準第23条に基づき、国の基準に準拠して一定規模以上の関連団体との取引を取りまとめて公表しているものです。25年度の関連団体との取引は、件数で2,466件、金額にして1,657億円でした。24年度に対して、件数で259件、金額で111億円増加しております。番組制作業務委託や、東京スカイツリーへの移行に伴う受信障害対策業務のほか、NHK共同受信施設の大規模改修工事などが主な増加理由です。
 次に「取引の評価」についてご説明します。随意契約の要件を充足しているかをはじめ、経理規程および業務委託基準に基づき、取引が適正に行われているかを、NHK自らが全件点検しました。このうち、金額で全体の9割を占める3,000万円を超える取引については、弁護士など外部有識者3名で構成する「入札契約委員会」の点検等を受けております。
 その結果、関連団体との取引については、随意契約の要件を含め、いずれの取引も適正なものと判断しました。競争契約の状況については、25年度は、件数で566件、金額にして186億円となりました。その主なものは、東京スカイツリーへの移行に伴う受信障害対策関連業務やNHK共同受信施設の大規模改修工事、インターネットニュース制作設備の整備などです。
 本報告の内容は、本書の2ページ以降の資料のほか、個別の全契約情報の一覧表と合わせて、7月中に、NHKの公開ホームページで公表する予定です。

 (宮田委員)

 競争契約率が63%とのことで、それを加味して今後もこういうふうにしたいということですが、これはごく標準な数字になるのでしょうか。

 (福井理事)

 比較対象が非常に難しいのですが、他の特殊法人や一般法人と比べますと、競争契約率は非常に高いと思います。一般企業というのは、大体グループ内でいろいろな取引をしていて、そこに随意契約するというのは非常に多く、NHKの競争契約率は見ていただくと相当高い数字になってきますので、高い率だと認識しています。

 (宮田委員)

 評価をしてよいという意味ですか。

 (福井理事)

 一定の評価はできると思います。

 (宮田委員)

 ありがとうございます。

 (石原委員)

 これは件数の率なのですね。

 (福井理事)

 金額の率です。

 (石原委員)

 そうすると、金額全体が膨らんでいるということですね。

 (福井理事)

 はい、大きなものは特に競争入札になっています。

 (石原委員)

 関連団体の随意契約の理由別内訳と件数を全部合計した2分の1となりますね。金額としては1,471億円と24年度から随意契約の金額が増えているでしょう。

 (福井理事)

 関連団体のところですか。

 (石原委員)

 関連団体のところです。要するに、関連団体は大体随意契約するという話ですよね。

 (福井理事)

 はい。

 (石原委員)

 関連団体では増えているということですか。

 (福井理事)

 取引は番組関係の業務委託などが増えています。今回でいきますと、増えたものの要因が、東京スカイツリーへの移行の業務なので、これは競争契約でやっていまして、そういう面では競争契約の推進に取り組んでいます。

 (石原委員)

 公開競争入札するときに予定価格があるのですか。

 (福井理事)

 あります。

 (石原委員)

 予定価格に対しての落札金額はどうなっていますか。

 (福井理事)

 一般競争入札の場合は、当然予定価格をつくります。
 それ以下でないといけません。

 (石原委員)

 その率は幾らですか。

 (福井理事)

 その率は、おしなべては統計はとってございません。

 (石原委員)

 談合防止のためにも、落札率を調べる必要があります。

 (福井理事)

 物によっては低入札ということがあり、60%未満の場合などは調査することとしています。

 (石原委員)

 自治体は、予定価格に対して幾らの率だったのかというのは公表されますよ。

 (福井理事)

 イメージ的に言いますと、予定価格より相当下回っています。ただ、物によります。一般機器の場合と、建設の場合とか他の調達の種別によっていろいろ状況は違います。

 (石原委員)

 いずれにしても、予定価格に対する落札額の率がどのような感じになっているか、調べてみたらいかがでしょうか。

 (福井理事)

 わかりました。案件別の傾向を調べます。

 (石原委員)

 全部調べなくても大きな案件だけでもよいです。

 (中島委員)

 開発要素がまだ多々あるような機器、例えば8Kのテレビカメラは、随分メーカーの技術を使っていると思いますが、あのような場合には入札はどういう形で行うのですか。競争、随意の中間ぐらいのようなものですか。

 (福井理事)

 今のケースにおいては、まず競争は無理です。相手が絞られてくるため、随意契約もしくは共同開発しかないと思います。世の中にある市販品とか数社対応できるということであれば、競争可能ですが。

 (中島委員)

 それはそうでしょう。技研もそういう予算の中では、かなり開発要素が高い機器の購入というのは含まれているように思うのですが。

 (福井理事)

 技研の場合は開発でして、いわゆる一般品を調達するという意味ではありません。

 (中島委員)

 単なる随意契約では社会的に難しい面もあるようにも思えます。

 (浜田技師長)

 おっしゃるとおりで、例えば共同開発などの契約を結んで、カメラですとかいろいろなものを一緒になって開発すること、あるいは技術審査をして相手先を決めるなど、いろいろなやり方で調達しています。

 (上村代行)

 技術的な理由でやらざるを得ないというのは、随意とは言えないですね。

 (福井理事)

 調達ではなく開発です。

 (上村代行)

 共同開発ですね。大学や研究所なども共同開発です。もう1点です。関連団体とNHKの取引ですが、関連団体同士の取引というのは把握をしていないのですか。

 (福井理事)

 連結上把握していますが、消去してしまいますので、具体的な中身までは把握していません。

 (上村代行)

 民間では、関連当事者取引といって、消去しても開示はすることになっています。

 (福井理事)

 それは各社の中で多分開示があるのではないかと思います。

 (上村代行)

 課題がなくはないかなと思いましたので、確認いたしました。

 (室伏委員)

 随意契約のところで申し上げたいのですが、例えば独立行政法人の産業技術総合研究所とか理化学研究所などは、研究開発に特化したところですので、どうしても随意契約が多くならざるを得ないという現状があるのですが、それでも世間の目が厳しいということで、これ以上絞れないというところまで随意契約を減らしている現実があります。その随意契約の比率はNHKの場合でもかなり低い状況になってはいます。技術開発というのは、最先端のものであればあるほど、公開の入札にはそぐわないと思いますが、随意契約自体がいかにも不公平であるというように見られてしまうのはよくないと思います。例えば1社応札、2社応札というふうに応札できる企業が少なかったとしても、できるだけいろいろな方が応募できる、そういう形に持っていけるような努力も必要だろうと思っています。もちろんできないものとできるものについて、今後精査していただかないといけないと思いますが、そういった方向でのご努力もお願いできればと思います。

 (福井理事)

 随意契約についても、一件一件随意の理由を明確にしてそこの適正性は確保しています。

 

 (5)非現用不動産の売却について(資料)

 (福井理事)

 非現用不動産の売却2件について、ご報告申し上げます。売却物件は、すでに廃寮となった本部の東中野舎宅と平町第2寮です。売却にあたっては、原則として、官報に公告したのち、一般競争入札によることとしています。まず、1点目の東中野舎宅寮は、建物付き土地の売却で、面積が、636.53m2、192.55坪で、売却額は 4億8,200万円です。平成26年5月30日に、27者による一般競争入札を実施し、不動産鑑定機関の評価額を大きく上回る金額での応札がありました。売却先は、東京都練馬区に所在する「一建設株式会社」で、不動産業を営む企業となっています。7月8日に売買契約を締結しており、8月5日までに売買代金の入金、引き渡しを行う予定です。
 平町第2寮は、同じく建物付き土地の売却で、面積が、282.63m2、85.50坪、共有の私道を含めて、売却額は 1億7,320万円です。平成26年5月30日に、12者による一般競争入札を実施しまして、不動産鑑定機関の評価額を上回る金額での応札がありました。
 売却先は、東京都西東京市に所在する「株式会社藤和ハウス」で、不動産業を営む企業となっています。7月7日に売買契約を締結しており、8月8日までに売買代金の入金、引き渡しを行う予定です。

 

 (6)契約・収納活動の状況(平成26年6月末)(資料)

 (上村代行)

 報告事項 (6)については、特段の質問等がなければ、資料配付のみで報告に代えさせていただきたいと思います。

 

 

3 その他

 (1)営業関係データ(都道府県別6月末)について

 (上村代行)

 次は、営業関係データについてです。この報告は、平成23年10月の経営委員会の意思決定に基づき、少なくとも四半期ごとに営業関係データを報告いただくものです。今回は6月末での都道府県別の契約現在数、衛星契約割合と年間支払数増加についてご報告いただけるということであります。
 (塚田専務理事)
 今回は2項目の営業関係データについてご報告いたします。
 まず、契約現在数と衛星契約割合です。これには、世帯契約と事業所契約が含まれています。全国計では、26年6月末の契約現在数は約3,892万件、うち衛星契約が約1,815万件となっています。
 契約数全体に占める衛星契約割合は46.6%となり、25年度末から0.4ポイント上昇しており、47都道府県すべてで上昇しています。また、すでに衛星割合が50%を超えているところは合計16県あります。衛星契約割合が40%未満のところは、合計6県です。この衛星契約割合が低い県の中には例えばアナログ放送終了の際、県内のケーブルテレビが衛星放送の再送信を取りやめたために、衛星契約から地上契約へ変更して、衛星契約が大きく減少したケースもあります。
 次に、年間支払数増加です。平成26年度の支払数増加目標は62万件で、契約総数の増加49万件と未収削減13万件を合わせた目標です。全国計では進捗率45.2%となり、前倒しの活動の効果が表れていると考えています。都道府県別に見ますと既に100%を超えるところが2県ありますが、都道府県によって進捗率にばらつきが見られます。
 このばらつきの大きな要因は、地域スタッフ主体から法人委託への拡大など、訪問パワーの体制整備度合いが影響しているものと考えています。26年度が始まりまして3か月ですが、全体的に営業業績は堅調に来ています。一方、都道府県別では大きなばらつきも見られますので、今後も法人委託の拡大など営業改革を進めながら上積みを図っていきたいと考えております。報告については以上です。

 (石原委員)

 ケーブルテレビの場合にも、NHKの衛星放送や地上放送は見ることができるわけですね。

 (塚田専務理事)

 いろいろな方式がありますが、地上のテレビはパススルーといってケーブルにつながっていると見ることができる仕組みがあります。衛星放送を見る際にはセットトップボックスという、ケーブルテレビでより多くのチャンネルを見るための機材をさらにお金を払って借りて見るという形が多くなっています。

 (石原委員)

 ケーブルテレビでは、地上放送と一緒に衛星放送を受信できないのですか。

 (塚田専務理事)

 アンテナを自主的に付けていただければ衛星放送は見られますが、今まではケーブルで地上と一緒に流れてきていた衛星放送が、デジタル化に伴い受信することができなくなった場合もあります。

 (石原委員)

 ケーブルテレビ会社は、衛星放送も受信して送信しているのでしょう。

 (塚田専務理事)

 ほとんど送信しています。

 (石原委員)

 それは利用者が選択するのですか。

 (塚田専務理事)

 契約を選択するのですが、そのときに新たな料金が発生するというケーブル会社があって、そこはお客さまの選択が必要になっています。

 (石原委員)

 選択しなければ見られなくなっているということは、営業の皆さんに頑張ってもらう必要がありますね。

 (塚田専務理事)

 そういうことになります。そこで影響が出てきているということです。

 (室伏委員)

 年間支払数の増加目標というのがありますが、これが各都道府県でかなり数字が違いますね。この増加目標は何を基準にして決まっているのか教えていただけますか。

 (塚田専務理事)

 これまでも、各都道府県の推計世帯支払率をご説明させていただいていますが、今年度もすべての都道府県で支払率が向上するように配分しています。さらに全国平均の支払率を下回る都道府県に対しては、より目標を加重配分しました。

 (室伏委員)

 そうしますと、もともと非常に難しいところに高い目標値を設定してしまっているという可能性もあるわけですね。

 (塚田専務理事)

 やはり公平負担を目指していく必要がありますので、その部分も見ながら目標を立てているということです。

 (室伏委員)

 わかりました。

 (塚田専務理事)

 もちろん実態を見ながら、課題である支払率を向上させていく方針を明確にして目標を設定しています。

 (中島委員)

 この支払数を増やすための営業活動ですが、これは県単位で活動しているのですか。そうではなく、各営業センター単位でしょうか。そうすると営業活動の拠点ごとに統計をとるほうが、より問題点などもわかりやすいと思いますが、いかがでしょうか。

 (塚田専務理事)

 実は、北海道がきのうから今まで8か所あった営業拠点を4か所に集約したので、現在全国で70か所の営業拠点があります。そこでそれぞれの目標はありますが、基本的には放送局のある都道府県単位で集計して、それを目標としてお示ししています。あわせてブロックごとに目標も管理していますので、それとあわせて全国という、段階を追って目標を管理するということです。

 (中島委員)

 一番ボトムにあるレベルというのは、ほぼ各県等に対応しているということなのですか。

 (塚田専務理事)

 そういうことになります。県内の営業センター、北海道ですと北海道内の4つの営業センターという形になります。

 

 

4 審議事項

 (1)次期経営計画について(資料)

 (上村代行)
 次期経営計画について籾井会長よりご説明いただいて審議いたします。なお、この場は執行部からの説明を受けることを基本としたいと思います。ご報告をいただいた後にわれわれ経営委員でしっかり審議し、意見、要望等を整理します。その後、できるだけ速やかに文書で執行部に連絡して、次回の経営委員会で議論したいと思います。本件の議事および資料については、次期経営計画議決後の公表としたいと思います。本件の情報管理についても、審議検討中の議案ですので、その取り扱いについて十分ご注意いただきますようご協力方お願いいたします。
 (籾井会長)
 2015年から2017年度の次期NHK3か年計画について、現在われわれは鋭意策定に当たっておりますが、本日から経営委員の皆さまにご審議いただきたいと思っております。まず私から次期計画策定に当たっての大きな方針についてお話させていただきます。
 インターネットやモバイル端末の急速な普及、情報のグローバル化、新しい技術の開発など、視聴者、国民、そしてNHKを取り巻く環境が目まぐるしく変化を続けていることは、皆さまご承知のとおりです。6年後の2020年に東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まったことで、こうした流れはさらに加速すると思います。次期計画は、6年先あるいは10年先のさまざまな環境変化を見通して、NHKが身近で信頼されるメディアであり続けられるように、オールNHKで挑戦と改革に取り組む3か年計画であると考えております。
 NHKは公共放送の原点である放送法の精神に基づきまして、生命線である正確・迅速な報道、豊かで多彩なコンテンツを届けるという公共放送の役割を、引き続きしっかり果たしたいと思います。加えて私は、環境変化を踏まえ、放送だけではなくインターネットも活用してNHKの正確な情報やすぐれたコンテンツを届けること、国際社会での日本の理解を促進するために日本を世界に積極的に発信すること、この2つを重点的に取り組んでいきたいと考えております。この2つの重点施策に取り組んでいくためには、NHKに対する信頼の基盤となるコンテンツ力を強化することが不可欠です。そのためにNHKと関連団体を合わせたNHKグループ全体で、創造と効率を追求する改革を断行しなくてはならないと考えています。
 次期3か年計画の基本的な考え方について、この後、井上理事に説明してもらいます。なお、今、委員長代行がおっしゃったように、今回の資料にはかなり踏み込んだ具体的な内容が含まれております。資料につきましては議決をいただくまで非公表の扱いとしていただきたいと思います。検討段階の情報が外部に漏れますと自律的な計画の策定に大きな支障が出ます。情報管理については改めて十分ご注意いただきますよう、私からもよろしくお願い申し上げます。
 それでは、井上理事からご説明いたします。
 (井上理事)
 NHK3か年計画、2015年〜2017年度基本的な考え方について基本的な考え方をご説明いたします。策定スケジュールは一番最後にご説明いたします。
 それでは、「基本的な考え方」の2ページをご覧ください。「2020年、その先の“公共メディア”への転換を見据えた3か年」という見出しで、NHKを取り巻く環境についての認識、その中でNHKが果たしていく役割、そして次期3か年計画の位置づけについて簡潔に示しました。インターネットやモバイル端末の急速な普及、新しい技術の開発、情報のグローバル化によって瞬時に情報が国境を越えて駆けめぐり、視聴者のメディアへの接触のあり方が多様化するなど、視聴者、国民やNHKを取り巻く環境は激しく変化しております。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、さらに国際環境や放送・通信環境の変化が加速していくと考えております。少子高齢化や地域経済の疲弊、東日本大震災からの復興や原発問題など、日本そして世界はさまざまな課題を抱えておりますが、NHKは放送法の精神を堅持し、正確・迅速な報道、豊かで多彩なコンテンツを強化し、一人一人に、放送だけでなくインターネットも活用して、多様な伝送路で届け、公共放送に期待される役割を、これまで以上に積極的に果たしていきたいと考えております。
 NHKを取り巻く環境の中期の見通しとしては、2019年に世帯数がピークを迎えます。そして2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開かれます。スーパーハイビジョンへの対応、改正放送法に基づくインターネットの積極的な活用、そして放送開始100年を迎える2025年には、新しい放送センターの運用開始を予定しています。
 次期経営計画は、こうした激変する環境の中にあってもNHKが「身近で信頼されるメディア」であり続けられるように、今の経営計画の検証を踏まえて6年後の2020年に向けて、そしてその先に“公共メディア”への転換を見据えて、オールNHKで新しい挑戦と改革に取り組む3か年計画にしたいと考えております。
 公共放送の力が試される東京オリンピック・パラリンピックの2020年を目標に実現を目指す方針として、「信頼をより確かに、未来へつなぐ創造の力」をスローガンに、5つの方針を掲げております。「取材・制作力をさらに強化して、放送法にのっとって正確な情報と豊かなコンテンツを提供」、「最新の技術を活用し、2020年に向けて世界最高水準の放送・サービスを実現」、「通信を活用し、より多くの人にNHKのコンテンツを届けられるサービスを創造」、「国際社会での日本の理解を促進するため、信頼できる情報を積極的に発信」、「新たな使命を遂行するため、NHKの総合力を最も発揮できる体制に改革」。2020年に最高水準の放送・サービスを提供し、新しい公共放送像を完成させることを見据えて、次の3か年に取り組む5つの柱として、サービスの3つの柱、経営の2つの柱を掲げました。この5つの柱は、現在の経営計画の振り返り、検証と調査に基づく内外の環境分析から、今後のNHK戦略に求められる要素を抽出して立てたものです。
 環境分析としては、コンテンツをめぐる環境、国際的な市場環境、国内の市場環境など6つの視点で市場や競合他社の状況、そしてNHKの状況を分析しています。コンテンツをめぐる市場の状況としては、ネット上に「玉石混交」の情報があふれていること、一方で、メディアに対して共通の議題を設定する機能が期待されていることや、公平・公正なメディアへの期待があること、そして競合他社との関係では、ネットサービスとの競合や高品質な番組制作競争などの状況があります。NHKの状況としては、経営の14指標の調査で、「世界への情報発信」はさらなる向上が必要ではないかと、また、「さまざまなメディアでの情報発信」は改善余地が大きいという分析がありました。
 今の経営計画の振り返りと環境分析をもとに、次期3か年計画の5つの柱としてまとめて掲げることにしました。
 この5つの柱のそれぞれについて具体的にどう取り組むのかは、資料「基本的な考え方」の4ページをご覧ください。まず1つ目の柱の、「1.判断のよりどころとなる正確な情報、豊かで多彩なコンテンツを強化」であります。環境がどのように変化してもコンテンツ力が全ての基盤となりますので、これを徹底的に強化してまいります。網かけのところにその狙いを簡潔に記しました。以下①から④が、具体的な施策です。
 ①視聴者・国民の「命と暮らしを守る」ことは、公共放送の最も重要な使命の一つです。そのための報道に全力を挙げるとともに東日本大震災からの復興を積極的に支援していきます。今の計画ではいかなる災害時にも放送・サービスを継続するための機能強化を進めておりますけれども、次期計画では、いざというときにきちんと動けるように、運用・実施体制の整備を重点的に進めてまいります。また、新しい技術を減災のための報道に生かしていきます。
 ②日本や世界の課題に正面から向き合い、真相に迫る報道を充実させていきます。NHKのネットワークを活かし、分かりやすい丁寧なニュース、いじめや少子化など社会の課題に向き合う番組を積極的に発信していきます。そしてデータジャーナリズムなど新しい手法を積極的に活用して、多角的な調査報道を充実させていきます。
 ③視聴者の幅広い期待に応え、見ごたえある魅力的なコンテンツを開発・制作します。国際展開も視野に入れて数年をかけて4Kでじっくり制作する、例えば「ダイオウイカ」のような、「さすがNHK」と言われるような大型のコンテンツを強化して、幅広い視聴者に愛される新たな看板番組、次世代の育成に役立つ番組など、魅力ある多彩な番組を開発してまいります。
 ④地域の視聴者との大切な接点である放送局は、「安全・安心の拠点」となり、地域の活性化に積極的に貢献します。
 次に5ページです。2つ目の大きな柱は、環境変化を踏まえて重点的に取り組む国際発信力の強化、「2.日本を世界に積極的に発信」です。去年、経営委員会の諮問委員会が出された、「これからの外国人向けテレビ国際放送の在り方について」の提言を踏まえつつ検討を進めています。
 今月行った国内での調査によりますと、NHKが国際発信を強化すること、そしてNHKが日本の文化などの番組を通して世界に伝えることへの期待が、いずれも7割を超えています。また「基本的な考え方」の5ページに戻ります。グローバル化が進む中で、信頼される公共放送として積極的な発信によってさまざまな分野で日本への理解を促進し、日本と世界をつなぐ役割をしっかり果たしていきたいと考えております。
 具体的には①として、NHKワールドTVについては、重点地域を明確にし、マーケティングをふまえて「見たい国際放送」に向けて、戦略的にニュース・番組を編成し、強化していく考えであります。さらにインターネットの活用やプロモーションを効果的に進めて発信を強化していきたいと考えています。
 ②オールNHKで国際戦略を推進する体制をつくり、コンテンツ展開やすぐれた技術など、さまざまな形で世界に貢献していきます。
 次に、6ページからは3つ目の大きな柱、「3.公共放送の新たな可能性を開くサービスを創造」であります。改正放送法の成立を受けたインターネットを活用したサービスの強化やスーパーハイビジョンなど、2020年に世界最高水準の放送・サービスを実現するために、公共放送の新しい可能性を開くサービスに積極的に取り組んでまいります。
 今月行った調査によると、NHKがインターネットで情報を発信することに対して主にテレビを利用している層、また、主にインターネットを利用している層のいずれも7割程度が「期待している」という結果が出ております。また別のインターネット調査で、「放送のネット同時再送信」について聞いております。同時再送信サービスについてテレビを持っている人で2人に1人、テレビを持ってない人も4人に1人の割合で、「必要なので日常的に実施した方がよい」と答えています。
 こうした状況も踏まえて、資料「基本的な考え方」の6ページをご覧ください。具体的な取り組みとして、①通信を活用してより多くの人に効果的に届く新たなサービスを創造するということを掲げました。「放送の同時再送信」については、早期に実現できるよう課題の解決や取り組みの推進を図ることにしております。
 ②インターネットの取り組みの強化と合わせましてNHKコンテンツに対する質的・量的評価を、放送だけではなくてインターネットを活用した業務などにも拡大して“トータルリーチ”として総合的に把握し、これをサービスの向上に生かすPDCAを回していきたいと考えております。
 ③技術面での先導的な役割を果たし、スーパーハイビジョンを戦略的に活用します。国のロードマップなどを踏まえて、スーパーハイビジョンの体制整備、コンテンツ開発、ノウハウの蓄積を計画的に進めていきます。また、放送外でのスーパーハイビジョンの活用のあり方を積極的に開発していきたいと考えております。
 ④字幕放送の拡充など「人にやさしい」放送・サービスを推進します。
 次に、大きな柱の4つ目は資料「基本的な考え方」7ページに書いています。「4.受信料の公平負担に向け、最大限の努力」をするということであります。先ほどご説明しましたとおり、2019年に日本の世帯数はピークを迎えるとされており、受信契約対象世帯数の伸びも鈍化するなど、非常に厳しい状況を迎えますが、オールNHKで受信料制度の理解促進に取り組み、営業改革を徹底して、過去最高の支払率を目標に掲げ、その達成に最大限の努力をします。
 具体的な取り組みとしては、①全局一丸となって、受信料制度の理解促進、財源確保に取り組みます。「支払率80%」を目標に掲げ大都市圏などで新たな重点施策を実施します。また、メディア環境や放送・サービス展開を見据え、受信料制度のあり方を検討したいと考えています。また、②視聴者との結びつきを強化し、意見を適切に業務に反映してまいります。
 次の項目は8ページです。大きな柱5つ目として、「5.創造と効率を追求する、最適な組織に改革」ということを掲げました。参考資料の最後のページ26ページ、「中長期の財源イメージ」の表をご覧ください。世帯数のピークの来る2019年などがあり、今後の収入増ペースが鈍化すると見られる一方で、8K関連設備への投資、それから新放送センターの整備など、固定費の上昇が見込まれております。コンテンツ制作に充てる原資の減少を避けるためには、早期に構造改革に取り組む必要があると考えております。
 「基本的な考え方」の最後の柱、5つ目の柱は8ページです。限りある受信料財源で新規重点業務に対応するため、業務の“選択と集中”、指標管理の強化などによる一層の効率的運営を徹底すること、さらに本体と関連団体の聖域なき構造改革を進め、豊かな放送・サービスを創造するNHKグループの総合力・コンテンツ力の強化に向けて経営資源のシフトを行っていく必要があります。
 こうした経営改革の具体的な取り組みとして、6点掲げました。
 ①は、“全体最適”の業務改革を深化させ、新しい時代のNHKグループに改革する。
 ②は、人材の確保・育成の戦略です。例えば国際業務やインターネットの活用業務など高度な専門性や多彩な能力を発揮できる人材を、NHKグループで確保・育成する。
 ③は、女性の積極登用やワーク・ライフ・バランスの推進など、仕事と生活の調和を実現する多様な働き方ができる組織風土に改革し、支援策を充実する。
 ④は、コンプライアンスを徹底し、インターネット活用業務の積極展開にも対応して「放送ガイドライン」を順守する。
 ⑤は、経営計画の着実な達成のため、指標管理を強化してPDCAサイクルをきちんと回していく。
 ⑥は、新放送センターの建設に向けた検討と準備を加速することを考えています。
 次期3か年計画の基本的な考え方についての説明は以上です。
 最後に、3か年計画についての今後の策定スケジュール案について説明いたします。今後の経営委員会へのご説明の日程を提案させていただいております。本日7月22日に、「次期計画の基本的な考え方」をお示ししました。今後、重点事項や収支の考え方についてご審議いただき、10月下旬に「次期計画 要綱」という形で、実態的にはほぼここで計画の内容について合意をいただきたいと考えております。その上で「インターネット実施基準」への対応、4K、8Kへの対応、新放送センター建設計画への対応などの状況の変化をぎりぎりまで見極めた上で、来年1月に、次期3か年計画初年度の「平成27年度の予算・事業計画」と同時に「3か年計画」の最終議決をいただき、公表するという形で進めさせていただきたいと考えております。
 説明は以上です。よろしくお願いいたします。

 (宮田委員)

 資料4ページのデータジャーナリズム等、新手法を活用して、多角的な調査報道を充実させていきますとありますが、データジャーナリズムというのをわかりやすい言葉で教えてください。

 (森永理事)

 これは、今いろいろなところで言われていますビッグデータ活用のことで、携帯やネットでさまざまな情報が入るようになってきていますが、こうしたデータを多角的に分析して課題などを明らかにする調査報道です。例えばデータジャーナリズムを活用したNHKスペシャルも3本作っています。
 このうち、1つは、東日本大震災が起こったときに、それぞれの被災者の方々がどのように行動したか。そのときに指摘されたのが、一旦避難してそれからまた戻ってきたり、あるいは助けに戻ったりしてそこで被害に遭われた。移動するときにどこで渋滞していてうまく避難できなかった。交通渋滞がどこで起こるかというようなこともそれによってはっきりした。都心では、それぞれの自宅に帰るのに、例えば渋谷駅にどのようにして人が密集したかとか、発災直後のタクシーの動き、どこでどのように渋滞が起こるか、などがデータ分析によってわかってくるのです。もう一つの例は、被災地でなかなか企業の復活が進まないのはなぜかというのを分析すると、ある特定の企業に多くの企業がつながりがあることがわかり、そこのコアになる企業をうまく再建しないとその他の企業の再建も進まないということが明らかになりました。このように多くのビッグデータをこれからどう活用するかというのが、一つの大きな課題になってきています。ただ、一つ気をつけなければいけないのは、プライバシーの問題です。そこの部分に十分配慮しないと今後大きな問題なる懸念があり、今いろいろな検討が進められています。一般企業も、ビッグデータの活用が企業のマーケティングに非常に有用ですから進めているのですが、それとプライバシーの保護というのをどういうふうに両立させていくか、この辺の観点もわれわれが放送に使う場合には十分考えながら進めていく必要があると思っております。

 (宮田委員)

 ありがとうございました。

 (本田委員)

 内容についての議論は差し控えますが、基本的な考え方の検討を執行部はどういう体制で進めるか、それぞれの会社によってやり方が違いますから、「企画」というようなところが中心になりながら、全社的に検討を進めておられると思うのですが、どういう体制で対処されているのか教えてください。

 (井上理事)

 経営計画の策定のプロセスについてですか。

 (本田委員)

 きょうまでの議論も、少なくともそれほど簡単にできるとは思わないし、分析などもしてきているでしょう。

 (籾井会長)

 最初は全く白紙の状態から、いろいろな議論をして大きなテーマを決め、それから経営企画局で骨組みをつくってもらいました。その後、全理事参加で何回かおこなったいろいろな議論を踏まえて、再度、経営企画局で今回お示しした「基本的な考え方」まで進めてまいりました。ですから、今後も、いろいろ議論を重ねながら、この内容を充実していくとか、経営委員の皆さまのご意見も参考にしながら、さらにこれをチューンアップしていくというふうに考えております。4K、8Kなどいろいろな技術の問題や、放送と通信の融合の問題などいろいろなものがありますので、時間をいただいて1月に確定・議決というスケジュールを決めたわけです。本当に、みんないろいろよくやっていただいていると思います。

 (本田委員)

 全社を挙げて、いろいろと取り組みに対して考えているのですね。

 (籾井会長)

 はい、そのとおりです。

 (井上理事)

 補足しますと、NHKの職員の5割強は地域放送局で働いています。5月から6月にかけて各局ごとに議論してもらった結果を全部、集約し、検討しています。さらに、この計画は10年先、あるいはそれから先をにらんだものになっておりますので、若手のプロジェクトも発足させて、そこの議論も並行して進めて、そこからの意見ももらっています。かなり広範囲にやって、議論を重ねている状況にあります。

 (上村代行)

 今の点は私もお聞きしたかったのです。要するにプロジェクトチームみたいなものがあるということですね。

 (井上理事)

 中堅・若手の20人位ですね。

 (上村代行)

 ボトムアップの体制というのはあるということですね。

 (井上理事)

 そういうことです。

 (上村代行)

 その策定の体制について多分、本田委員もお聞きしたかったのだと思います。

 (本田委員)

 はい。

 (室伏委員)

 先ほど宮田委員からのご質問があった、データジャーナリズムの徹底のところでお伺いします。
 例えば、ビッグデータをさまざまな大学とか研究所とかで使うことができれば、それらを分析して、その結果に基づいて、今後起こるであろう南海・東南海・東海地震などへの対策を立てるための、さまざまなシミュレーションをしてくれます。そういったデータもNHKの中では活用されているのでしょうか。それから先ほど、復興に際してさまざまな企業が抱えている問題についてのお話がありましたけれども、例えばそれも、経済産業省や文部科学省でも、被災地の企業を支援するさまざまなプログラムが動いていて、その中で効率のよいやり方は何かということを、分析しています。そういった既にあるものを利用なさることが、今後のNHKにとって有効であろうと思います。何かそういったことも考えていらっしゃるのか伺いたいのですが。

 (森永理事)

 ビッグデータの過去3回の番組は、NHK単独ではなく、例えば企業再建のテーマについては、帝国データバンクや、経産省など、複数で組んでやっております。それから、被災者の動きなどについては、さまざまな自治体や、中央官庁、企業などいろいろなところと共同研究のような形でやってきております。われわれ単独ではできませんので、今後もいろいろなところと組んで、データジャーナリズムの取り組みを進め、またわれわれで集めることができたデータは還元をしていきたいと思っております。

 (室伏委員)

 お互いに連携をとり合っていくことが大事だと思います。

 (森永理事)

 はい、ありがとうございます。

 (中島委員)

 私自身が広く番組を見ているわけではありませんが、番組審議会のいろいろなレポートを拝見しますと、地方も含めて、非常にいい番組が多いと言われて、指摘されていますが、その一方で、若者を引きつけようとしたためか、やはりNHKの質の点でどうかといった番組も散見されて、そのようなことが今の状況かと思います。この計画では、番組審議会でいろいろとご指摘されているような、NHKらしくない、NHKの質を下げているような番組がもし存在するのが事実であるとすれば、そういったことを除いていくような努力も必要ではないかと思います。いいところ、質を高く狙うことは当然重要でしょうけど、一方で、そういう意味での全体のバランスをとることも必要かと思いますがいかがでしょうか。

 (板野専務理事)

 実は私どもは、ここ数年にわたって、例えば放送文化研究所で接触者率の調査というものに重点を置いてやっております。その調査を見ますと、やはり世の中一般に言われているテレビ離れという問題は非常に顕著に出ております。特に若い人を中心に、テレビが見られなくなっているという問題がある。これはご承知のとおりです。ただ、それに対応するために、ここ数年、特に若い人、あるいは若い女性を中心とした番組で、どのように接触者率を落とさないように、あるいはまた向上させていくか、いろいろなアプローチをしてきたということは事実です。そういったことについて番組審議会でも、いささか厳しいご意見を頂戴しているということは、これはわれわれも承知しているところです。少しずつ効果は出始めているように認識しております。その一方で、例えば最近の調査では、男性の50代の方が非常にNHKを見なくなったという調査結果が報告されています。NHKは公共放送ですので、あらゆる年齢層に見ていただくという努力を払う必要があると考えております。もともと比較的よく見ていただいた方がむしろ離れていること、それはまたゆゆしい問題だと思います。そういった方々に重点を置いた番組づくりも次の3か年計画では盛り込んでいきたいと考えています。

 (井上理事)

 NHKと全然接触してない層に、おっしゃるように、コンテンツの質を落とさずに接触していただくことがこれからの課題ということでございます。

 (長谷川委員)

 われわれ経営委員会がこの策定スケジュールの中でどういうことをしたらいいのか、あるいは、どういうことをしていいのかについてお伺いします。この基本計画を伺って、例えばこの課題についてはこういうことを、こういうアイデアを盛り込んだらどうかというような、そういう積極的な提言みたいなものをわれわれのほうから出すというようなこともオーケーなのでしょうか。ただ出てきたものを、ああオーケーとか、これはちょっとというふうに討議するだけでなくて、われわれのほうから積極的にアイデアを出すというようなこともあり得るのでしょうか。

 (井上理事)

 経営計画は、まさに執行部と経営委員会がひとつになってつくり上げていくものです。ただ、個々のご意見というよりは経営委員会として、こうしたことはどうだろうかというご意見としてまとめていただきたいと思っております。

 (長谷川委員)

 わかりました。

 (上村代行)

 執行部と経営委員会の、ある意味では、抽象的に言えば共同作業ですから、これはいろいろな意見があると思います。ただ、細部にわたって、われわれが十分理解できないところが多々あるので、なるべく大枠の話が中心になるのかなと思います。
 私が今この段階でお聞きしたいのは、執行部の中の議論で、一番かんかんがくがくと議論を集中的にした部分です。今でなくてよいですが、どの部分が一番議論の対象になったのかというのが一つです。それから、「公共」「信頼」「創造・未来」「改革・活力」というような、そういう今までのやり方を変えたことによって、どこがどう違ってくるのか。理念の問題でもいいし、各論の問題でもよいです。二つ目は、2ページの「その先に、“公共メディア”への転換を見据えて」の部分です。その先の“公共メディア”への転換というと、今は公共メディアではないのかというようにとれます。中身は多分質的な転換なのだとおもいますが、何となく聞くと、「その先の公共メディアへの転換」となると、今は何なのだ、という点です。言葉尻かもしれませんが、その辺の表現の問題などです。それから、支払率80%の目標を真正面から掲げていいのだろうかということも、気になることです。その後に受信料制度のあり方の検討となっていますから、そこでは、その問題も含めて多分検討されることになると思います。気がついたのは以上のようなことですが、これは経営委員会の中でまたいろいろと議論して少しまとめていきたいと思います。

 (美馬委員)

 この計画の基本的な考え方は、とてもよくできていると思います。そこで、これから経営委員会で検討していくために、ぜひ籾井会長にお伺いしたいと思います。今回この中で、会長としてどこを強調したいのかということを、リーダーシップを発揮して、就任されてから新しい経営手法を実施してきた会長として、今回注力しているところ、あるいは計画策定に当たっての独自性ということで、どこを強調したいのか。その思いをいま一度、今日、最後に会長のお言葉でお聞かせいただければと思います。

 (籾井会長)

 就任したときにも申し上げておりますが、やはり今から先に起こり得ることは、放送と通信の融合です。これは避けるべくもなく、世の中がこれに向けて進んでまいります。まだ本格的とは言いませんが、現にイギリスなどでは始まっています。そのために法の整備もいろいろされておりますし、実際にもう環境としてできる体制になっている。一方、われわれのほうはまだそこまでいっていないわけです。ご承知のとおり、今回の放送法改正でも、まだ常時の同時再送信まではできないという状況ですから、この辺も踏まえて、放送法を頭に置きながら放送と通信の融合をやっていきたいと思っています。それからもう一つ、やはり大きな問題として挙げたのは、国際放送の充実です。これは言われて久しいですが、やはり今のままでは発信力が強いとは言えないなど、いろいろな意味において日本のことを発信し、世界の人に知ってもらわなければならない。どういう戦略で進んでいくのかということも、今からの大きな課題です。そのような理由で、国際放送をテーマに挙げました。それから、今度の3か年ぐらいは何となく見通せるとしても、その後、どのように放送が変わっていくのかについては、残念ながら僕の頭では想像できない部分もありますので、先ほど、井上理事からもご報告しましたが、若手に、いろいろなアイデアを出してもらうチームをつくって進めてもらっています。そこから新しいものが出てくることを私は本当に期待しております。これは当然、2017年より先の話です。けれども、将来のことを頭に置かないと、今回の3か年計画というのは多分余り意味がないのではないかと思います。きょうご意見を頂きましたように、支払率80%目標というのは確かに相当厳しいことです。この辺はもう少し目標を緩めたほうがよいのではないかとも思いつつも、今から先のNHKにとって必要ないろいろなお金、出ていくお金を考えますと、やはり受信料しかないわれわれとしては、本当に力を入れてこれをやっていかなければならないという意味で、今は80%というのを出しております。放送センターも、土地の問題や建物の問題など、本当に巨額のお金も要ります。そういう意味において、今から先の経営は非常に大事だと考えております。その他もろもろありますけれども、同時再送信と国際放送、これが大きな2つのポイントであります。その他もろもろ、書いていますが、女性の働く環境問題は、これはもうドラスティックに変えていくつもりでおります。世の中のためにはそういうことも必要だと思っております。

 (上村代行)

 では、そういうことも含めて、経営委員会としても今後検討いたします。

 

 

 以上で付議事項を終了した。

 

 

 すべての付議事項終了後に、委員より放送された番組に対して感想が述べられ事実関係についての質問があった。また、これに対して執行部が見解を述べた。
 (経営委員会の規程にのっとり、概要のみ記載)

 

<会長、副会長、専務理事、技師長、理事退出>

 

<経営委員による経営委員会>

○ 意見交換「次期経営計画について」(資料)
 意見交換を行い、経営委員の総意(第1回)として意見・要望書を作成し、執行部に提出した。

 

○ 平成26年度役員目標ヒアリング
 森永理事、下川理事、木田理事、板野専務理事、堂元副会長に対して、平成26年度役員目標ヒアリングを実施した。

 

 上記のとおり確認する。

 

 平成27年1月27日    

浜 田 健一郎

 

上 田 良 一