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第1204回
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平成26年1月17日(金)公表
  ※3 審議事項(1) 平成26年度予算編成について は平成26年1月31日(金)公表

日本放送協会第1204回経営委員会議事録
(平成25年12月24日開催分)

第1204回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1204回経営委員会

 

<会 議 日 時>

平成25年12月24日(火)午後1時30分から午後2時40分まで

 

<出 席 者>

〔委  員〕

  浜 田 健一郎 上 村 達 男 石 原   進
    上 田 良 一   中 島 尚 正 長谷川 三千子
    百 田 尚 樹   本 田 勝 彦 美 馬 のゆり
    宮 田 亮 平   室 伏 きみ子 渡  惠理子
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔役  員〕

  松 本 会 長 小 野 副会長 塚 田 専務理事
  吉 国 専務理事 石 田 専務理事 木 田 理 事
  久保田 技師長 板 野 理 事 上 滝 理 事
  福 井 理 事 下 川 理 事 森 永 理 事

 

 

<場   所>
放送センター  22階経営委員会室 21階役員会議室

 

<議   題>

○今後の経営委員会体制および監査委員会体制について

 

付議事項

1 委員長報告

 

2 議決事項

 (1) 協会国際衛星放送の実施について(資料)

 (2) 中央放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 

3 審議事項

 (1) 平成26年度予算編成について(資料)

 

4 報告事項

 (1) 「平成24年度業務報告書」に付する総務大臣の意見について(資料)

 (2) 契約・収納活動の状況(平成25年11月末)(資料)

 (3) 予算の執行状況(平成25年11月末)(資料)

 (4) 地方放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 

 

 

議事経過

 

 浜田委員長が開会を宣言し、経営委員会を開催。

 

○今後の経営委員会体制および監査委員会体制について
 12月10日付で井原委員が退任されたことに伴い、新たに監査委員として室伏委員を任命した。また、評価・報酬部会の部会長は上田委員とすることを確認した。

 

<会長、副会長、専務理事、技師長、理事入室>

 

 本日の付議事項および日程について説明。第1202回(平成25年12月10日開催)の議事録を承認し、所要の手続きを経て、平成25年12月27日に公表することを決定した。

 

 

1 委員長報告

 (浜田委員長)

 12月11日付で新たに中島委員、長谷川委員のお2人が経営委員に任命されました。また、石原委員が12月11日付で経営委員に再任されました。本日は新任の中島委員、長谷川委員が出席されていますので、最初にご挨拶をいただきたいと思います。
 (中島委員)
 中島です。よろしくお願いします。最近のグローバル化や情報化、あるいは通信と放送の融合などにおいて、NHKの存在感がより高まり発展してくよう、私自身も尽力したいと思います。私は、これまで教育研究に携わってきており、現在は中等教育学校に関係する仕事をしています。元気で志高い青少年を育てるうえでも、NHKの存在は非常に大きいと思っており、ますますの活躍を期待しています。よろしくお願いいたします。
 (長谷川委員)
 長谷川です。よろしくお願いします。まだまだ見習い期間が続くと思います。これまで動物番組やNFL(アメリカ・フットボールリーグ)ばかり見ていましたが、少しずつNHKに対する意識が芽生えてきました。民放にチャンネルを合わせそうになると、NHKを見ないといけないという意識が働き、最近はNHKをよく見ています。よろしくお願いいたします。
 (浜田委員長)
 次に、経営委員会および監査委員会体制についてご報告します。
 12月10日付で井原委員が退任されたことに伴い、監査委員が2名となっていたため、本日の経営委員による経営委員会において、室伏委員を新たに監査委員に任命しました。これにより監査委員会は上田委員、渡委員、室伏委員の3名の体制になります。
 また、評価・報酬部会長については上田委員に務めていただくことに決定しました。以上が経営委員会および監査委員会の体制についてです。
 もう1点、次回の経営委員会日程についてお知らせします。次回は1月14、15日の2日間を予定していましたが、1月14日のみの開催としたいと思います。私からの報告は以上です。

 

 

2 議決事項

 (1) 協会国際衛星放送の実施について(資料)

 (森永理事)

 協会国際衛星放送の実施についてご審議をお願いします。今回は、タイ、インドネシア、台湾、ナイジェリアにおいて、外国人向けテレビ国際放送「NHKワールドTV」の放送を開始したいというものです。
 資料をご覧ください。タイでは現在、新しいチャンネルや事業者が増えるなど、メディア環境が大きく変化しつつあります。そうした中、すでにケーブルテレビで「NHKワールドTV」を配信している大手事業者「CTH」から、衛星放送でも「NHKワールドTV」を放送したいとの要請がありました。また、インドネシアの「IMTV」と台湾の「Echostar Asia」からも、衛星での放送の要望がありました。
 また、アジア以上にメディア環境の変化が大きいのがアフリカです。各国で地上デジタル放送の導入や、新しい衛星放送の立ち上げが相次いでおり、複数の交渉が進行中です。その中で、ナイジェリアで新たに衛星放送を始めた「CONSAT」から、「NHKワールドTV」をチャンネルラインナップに加えたいという要望が示されました。いずれも、NHKが放送番組を、先方の事業者が衛星による配信サービスを、それぞれ無償で持ち寄る形の契約形態であり、NHKの費用負担はありません。視聴可能世帯は4社の合計で24万世帯になります。全世界における視聴可能世帯は2億7,000万世帯ですので、それからすると軽微な案件ですが、放送法第29条の規定により経営委員会での議決をお願いするものです。議決をいただければ、それぞれ交渉を進め、来年1月の放送開始を目指したいと考えています。

 (石原委員)

 こういう地域の放送は、現在、NHKがカバーしているエリアに入るため、NHKの費用負担はないということでしょうか。トランスポンダーを借りるための経費が必要なのではないかと思います。

 (森永理事)

 インテルサットという基幹衛星があり、各地域の事業者はそれを受信し、地域衛星による放送を行います。

 (石原委員)

 NHKはインテルサットを使用して放送を配信するだけで、受信のための費用負担は地域の事業者が行うということですね。

 (森永理事)

 そうです。事業者は各地域で持っている地域衛星を使います。今回はNHKの費用負担はありません。

 (石原委員)

 分かりました。

 採択の結果、原案どおり議決。

 

(2) 中央放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 (木田理事)
 中央放送番組審議会委員の委嘱について、定款第66条第2項の規定により同意をお願いします。平成26年1月1日付で、龍井葉二氏(連合総合生活開発研究所副所長)、和田章氏(東京工業大学名誉教授)のお2人に再委嘱したいと思います。お2人とも2期目の委嘱となります。
 採択の結果、原案どおり議決。

 

 

3 審議事項

 (1) 平成26年度予算編成について(資料)

 (福井理事)
 本日は、政府予算案の決定に伴い、26年度の国からの国際放送関係交付金の額が変更されましたので、これを受けた、収支予算案の一部調整についてご説明します。国際放送関係交付金については、12月10日にご審議いただいた「平成26年度収支予算編成要綱」では、総務省の概算要求額と同額の33.9億円としていました。本日、政府予算案が閣議決定され、その中で、国際放送関係交付金の額は34.5億円となり、0.5億円増額されました。これを受けて、NHKの収支予算案についても、交付金収入を0.5億円増額し、あわせて関係する事業支出科目の国際放送費を0.5億円増額することとします。事業収入および事業支出を同額で調整するため、事業収支差金の90億円は変更ありません。なお、国際放送費の増額分0.5億円については、番組の充実や国際放送の普及のためのプロモーション経費に充てることとします。【参考】として、調整後の科目別の収支予算案を添付しています。説明は以上です。
 もう1点、政府の25年度補正予算による国際放送関係交付金の増額についてご報告します。12月12日に閣議決定された、総額5兆円の25年度の政府補正予算案の中で、国際放送関係交付金が約5億円追加交付されることになりました。これについては、25年度、26年度の2か年にわたり、国際放送の充実・強化に充てることとし、具体的な計画を現在策定しているところです。政府の補正予算の成立が2月ごろになると想定していますので、予算については、25年度、26年度のいずれも予算総則を適用し、経営委員会で議決していただいた後、各年度の国際放送費の予算に受け入れ、国際放送の充実・強化を図りたいと考えています。具体的な内容は、2月以降に別途ご説明させていただきます。

 (室伏委員)

 お配りいただいた「一般勘定・事業収支」の表では、事業収入は、12月10日収支予算編成要綱では6,629.1億円で、今回の調整額はプラス0.5億円と記載されています。12月24日調整後予算はそれらを足した数字になると思いますが、6,629.6億円ではなく6,629.7億円になっています。四捨五入でこういう数字になったのでしょうか。

 (福井理事)

 12月10日にご審議いただいた収支予算編成要綱の表は、すべてを億円単位で表示し、億円単位未満は切り捨てとし6,629億円としていました。今回は、プラス0.5億円の調整額がありますので、12月10日収支予算編成要綱、12月24日調整後予算案ともに億円単位で小数点以下第1位まで記載しています。具体的には、収支要綱での6,629.1億円に交付金の増額の58百万円を加え、単位未満を切り捨てで表示すると6,629.7億円という数字になります。

 (室伏委員)

 分かりました。ありがとうございました。

 (石原委員)

 26年度予算における0.5億円の増額と、5兆円規模の経済対策に関連した国際放送関係交付金5億円増額は別の話ですか。

 (福井理事)

 26年度予算における0.5億円の増額は、26年度の政府予算案を受けたものです。きょう午前中に、26年度の政府予算案が閣議決定されました。これまでの総務省の概算要求額は、消費税5%として積算したものでしたが、8%で査定した結果、26年度予算案において、国際放送関係交付金が58百万円増額調整されたということです。後段で申し上げた国際放送関係交付金5億円の増額は、25年度の政府の補正予算です。

 (石原委員)

 国際放送関係交付金5億円の増額は、政府の25年度補正予算における経済対策5兆円の中から出てきたということですね。

 (福井理事)

 そうです。国に繰越手続きを取ることができれば、2年間使えますので、25年度、26年度の2年間有効になります。この5億円をどう配分するかも含めて現在検討しています。2月以降に確定した段階で、再度ご説明したいと思っています。

 (石原委員)

 26年度予算における国際放送に係る経費は、0.5億円を調整する前は約213億円で、それに対する交付金は約34億円ということでしたが、この交付金5億円の増額はそれとは別の話ですね。

 (福井理事)

 はい、別です。

 (石原委員)

 5億円増えれば、約218億円になるということですか。

 (福井理事)

 25年度と26年度の2か年でプラス5億円になります。

 (石原委員)

 どういうサービスをするかはこれから検討するということですね。

 (福井理事)

 そうです。25年度の政府の補正予算における5億円は、25年度と26年度の2か年にわたり使用できますので、それぞれの年度にどれくらい使うかも含めて計画中です。

 (石原委員)

 25年度の政府の補正予算の国際放送関係交付金5億円は、2か年にわたって使えるのですね。

 (福井理事)

 期間的に2か年で使用することになると思います。

 (石原委員)

 恐らくそうですね。分かりました。

 (長谷川委員)

 25年度の政府の補正予算の国際放送関係交付金5億円はどういうところに使いたいという見通しはあるのでしょうか。

 (福井理事)

 おおよその見通しはあります。25年度は、プロモーション関係で3千万円程度を支出し、残りは26年度に使うよう考えています。内容としては、特集番組の充実で3億円程度を見込んでいます。これはあくまでも補正予算ですので、毎年度の予算として確保できるわけではありません。25年度、26年度の特例措置ですので、定時番組に充ててしまうと日常的なコストが膨らみます。それがベースにならないような形で今、詳細を詰めています。

 (長谷川委員)

 どういう特集番組を組むかは次の課題になってくるのですね。

 (福井理事)

 26年度の執行の段階で検討していくことになると思います。

 (長谷川委員)

 分かりました。ありがとうございます。

 (浜田委員長)

 26年度政府予算での0.5億円は、実質的な増額査定ではないのですか。

 (福井理事)

 増額査定ではありません。

 (浜田委員長)

 消費税の増税分が増えたということですね。

 (福井理事)

 そうです。ただ、NHKとしては、26年度予算において国際放送費を0.5億円増やせることになりましたので有効に使いたいと思います。

 

 

4 報告事項

 (1) 「平成24年度業務報告書」に付する総務大臣の意見について(資料)

 (塚田専務理事)
 それでは、資料に沿ってご説明します。
 経営委員会でことし6月に議決をいただき、財務諸表とあわせて総務大臣に提出した平成24年度業務報告書が、総務大臣の意見が付され12月6日の閣議を経て国会に報告されました。本日は、この総務大臣意見の内容についてご報告します。
 例年ですと、NHKの業務報告書が総務大臣から国会に報告されるのは、NHK予算と同時期の年明け2月ごろでしたが、国の決算手続きに合わせて迅速化するという趣旨で、ことしは先般閉会した臨時国会の会期中に報告されました。したがって例年より早く総務大臣の意見が付されて提出されたことになります。なお、24年度の財務諸表も会計検査院の検査を経て同時に国会に提出されています。
 (別紙)は、24年度業務報告書に付された総務大臣の意見です。冒頭の2段落目に、24年度の全体の総論として、受信料の値下げや震災対応など大きな経営課題に直面する中で、効率的な運営に努めた結果、予算を上回る収支差金を計上するなど、「おおむね所期の成果を収めたものと認められる」と評価されています。あわせて、国際放送やスーパーハイビジョンなどについて、引き続き積極的な取り組みがなされることへの期待が表明されています。
 「記」以下の各論部分は、24年度のNHK予算に付した総務大臣意見の項目に対応した形で、特記すべき具体的項目が挙げられています。
 まず、「1 経営改革の推進」について、(1)では、受信料の値下げを実施したことを挙げ、さらなる業務の合理化・効率化等不断の取り組みが求められるとしています。(2)では、計画どおりに要員削減が実施されたこと、また、給与制度改革を着実に進め、国民・視聴者への説明責任を果たしていくことが求められるとしています。(3)では、子会社の適切な管理に関してNHKが実施してきた取り組みを挙げ、引き続き不断の取り組みが求められるとしています。次のページの(4)では、営業経費率の目標が達成されたこと、(5)では、コンプライアンスの確保についてさまざまな取り組みを行ったものの、25年度中に新たな事案が発覚したことに触れ、再発防止等の取り組みが求められるということが指摘されています。この25年度中に新たな事実が発覚したというのは、経営委員会にもご報告した、放送技術研究所の元職員による架空工事の発注についてです。
 続いて、「2 放送番組の充実」です。まず、(1)で、災害関連報道やロンドンオリンピックの放送などに取り組んだことを挙げ、引き続き公共放送としての社会的使命を認識して、番組の充実や正確で公平な報道に努めることが求められるとしています。(2)の地域放送および(3)の字幕放送については、いずれも計画値が達成されており、よりいっそうの取り組みへの期待が示されています。(4)では、衛星放送における外部の事業者への番組制作委託の割合が「基幹放送普及計画」に定められた目標値に至らなかったことを指摘し、番組の多様化に向けたさらなる取り組みが求められるとしています。(5)では、国際放送について諸外国と比較して認知度が必ずしも高くないことを指摘し、効率性にも配慮しつつ、番組の充実、国内外の認知度の向上および受信環境の整備をいっそう推進することが求められるとしています。
 次のページの「3 地上デジタル放送に関する取組」は、2項目あります。(1)では、デジタル化後の課題への取り組みとして、東京スカイツリーへの円滑な送信所移転に向けて先導的な役割を果たしたことが挙げられ、あわせて衛星による暫定対策を講じた世帯への恒久対策等の課題に引き続き着実に取り組むことが求められるとしています。(2)では、日本方式の地上デジタル放送の国際展開への期待が示されています。
 「4 新しいメディア環境への対応」も2項目あり、(1)では、スーパーハイビジョン、いわゆる4K、8Kや、放送・通信連携サービスであるハイブリッドキャストへの取り組みについて触れ、先進的な技術、サービス基盤の早期確立へ向け先導的な役割を果たすことへの期待が示されています。(2)では、「NHKオンデマンド」について、単年度黒字化に向けたさらなる取り組みが求められるとしています。
 「5 受信料の公平負担の徹底等」では、民事訴訟の提起や都道府県別支払い率の公表などを行ったことや、24年度の支払率は73%となったことが挙げられ、今後は公平負担のためにさらなる取り組みが求められるとしています。
 「6 東日本大震災からの復興への貢献と公共放送の機能強化」では、設備整備や緊急時の機動力向上に向けた取り組みが進められたことを挙げたうえで、災害時における公共放送としての社会的使命を果たすため、さらなる取り組みが求められるとしています。以上が、24年度業務報告書に付する総務大臣意見の概要です。

 (石原委員)

 今ご説明いただいた件に関する質問ではありませんが、先日東京高裁で、一定の手続きを取れば、受信料を払うことに対する視聴者の了解は不要であるという判決が出ました。別の訴訟ではそれとは異なる判決が出て、NHKが上告しましたね。それについて、今どういう状況で、NHKとしてはどういう考え方なのかについて教えてください。

 (福井理事)

 それは、世帯に対する未契約訴訟の話だと思います。10月30日に東京高裁でNHKの主位的請求が認められました。この判決は、テレビの設置が確認でき、いろいろ説得を尽くした後、NHKから本人宛てに通知後2週間たてば、受信者の承諾の意思表示がなくても自動的に契約が成立するというものです。その後、続いて地裁で2件ほど同様の判決が出ました。12月18日に出た高裁の判決は、10月の高裁判決とは異なり、裁判所の判決をもって受信契約が成立するという内容で、NHKの予備的請求の主張が認められた形になっています。NHKから本人宛に通知後2週間たてば自動的に契約が成立するのではなく、裁判所が判決を出した時点で契約が成立するという内容です。今のところ異なる判決が出ていることになり、NHKとしては、この判決については最高裁に上告手続きを行いました。

 (石原委員)

 最高裁に上告したのですね。

 (福井理事)

 そうです。先週上告しました。

 (石原委員)

 新聞にも掲載されていましたね。

 (福井理事)

 NHKの主張は主位的請求です。

 (石原委員)

 この裁判は重要なものになりますね。

 (松本会長)

 三審制ですので、地裁、高裁で判決が出ても、確定は最高裁ということになります。裁判所が認めれば契約は成立するということについては、念のためにNHKが予備的請求として主張していたことです。そうなれば、契約困難なケースは全部裁判所の判決を待たなければならなくなり、裁判所の業務なども大幅に増えることになります。もともと放送法の受信料制度はそういう事態を想定していないため、受信設備が確認でき、本人通知後一定期間たてば契約は成立するというのがNHKの主位的請求です。それが認められたのが最初の高裁判決で、すでに確定しています。今回の高裁の判決は、裁判所が認めた時点から契約は成立するという内容だったため、上告していますが、まだ確定していません。この問題に関する最高裁での判決は、極めて重要な判決になると思います。

 (石原委員)

 分かりました。

 (百田委員)

 「5 受信料の公平負担の徹底等」の文章の中に「今後は、特に支払率の低い地域について」という記載があります。特に支払率が低い地域があるのですか。

 (松本会長)

 各都道府県別の推計世帯支払率を公表しています。そのデータによって地域の支払率は分かります。全国で一番高いのは秋田県で、一番低いのは沖縄県です。

 (百田委員)

 沖縄の支払率はほかの地域に比べてどれぐらいの差があるのでしょうか。

 (松本会長)

 沖縄の支払率は44〜45%、秋田の支払率は90%以上です。沖縄の場合は、もともと受信料制度は適用されていませんでしたので、本土復帰の歴史との関わりが大きいのです。

 (百田委員)

 沖縄は特殊ですね。2番目に低いのはどこですか。

 (松本会長)

 東京や大阪などの大都市圏です。

 (百田委員)

 大都市がやはり低いのですか。

 (松本会長)

 その現象を突き詰めていくと、例えば千葉などでは、東京に通っている住民が多い地域の支払率は低く、海岸に近い地域の支払率は高いのです。また、NHKの営業は、いかに住民の方と接触して理解いただくかという活動を地道に行っているのですが、オートロックマンションへの対応は非常に困難な状況です。

 (百田委員)

 訪問してお話ができないのですね。

 (松本会長)

 そうです。そこまで到達できないのです。したがって都市圏の支払率は低くなります。オートロックマンションにお住まいの方に対してどのようにして接触を図るかは、若い職員がその特性や要因の分析を行いながら一生懸命検討しています。そこから何かアイデアが出ると一つ前進できると思います。

 (百田委員)

 分かりました。

 (中島委員)

 テレビを受信しているかどうかは、電気やガスなどと同じように技術的に分かるものなのでしょうか。

 (松本会長)

 もしかすると技術的にできるのかもしれませんが、現在それは分かりません。

 (中島委員)

 視聴されているはずなのに受信料を支払っていないというのはどういうケースなのでしょうか。

 (松本会長)

 視聴されているかどうかについては、お宅に訪問してテレビが設置されているかを確認します。一軒家でアンテナがあれば受信しているはずです。そういう場合は受信料を支払っていただくようお話しします。「私は払いたくない」「テレビ受信機はあるけれどもNHKは見ていない」などは支払わなくてもいい理由にはならず、受信設備があれば受信契約を結ばなければならないというのが法律です。

 (長谷川委員)

 病院に行くと各ベッドにテレビが備わっていて、皆さんテレビカードで見ていますが、受信料契約はきちんとなされているのでしょうか。

 (福井理事)

 病院のテレビはリース業者が設置しているので、そのリース業者との間で事業所割引という形で契約しています。100%ではないのですが、全体の約7割以上は契約していただいています。

 (百田委員)

 ホテルは一部屋ごとに契約するのですか。

 (福井理事)

 ホテルについては、テレビが設置されている全部屋で受信契約が必要になります。現在、訴訟が2件続いています。受信契約上は、世帯に何台テレビがあっても1世帯1契約なのですが、ホテルのような事業所は、部屋で仕切られた空間の場合は1部屋1契約です。そのかわり、ホテルをはじめとした事業所に対しては事業所割引があり、全部屋契約すれば2台目以降は料額が2分の1になります。また、ホテル・旅館の団体に対しては、受信料の取りまとめをお願いしています。

 (松本会長)

 テレビの台数によりますが、すべての部屋で支払っていただければ割引などのメリットがある制度になっています。

 

 (2) 契約・収納活動の状況(平成25年11月末)(資料)

 (3) 予算の執行状況(平成25年11月末)(資料)

 (4) 地方放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 (浜田委員長)

 報告事項(2)、(3)、(4)については、特段の質問等がなければ、資料配付のみで報告に代えさせていただきたいと思います。

 

 

 以上で付議事項を終了した。

 

 上記のとおり確認する。

 

 平成26年1月28日    

浜 田 健一郎

 

上 田 良 一