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第1156回
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平成23年12月23日(金)公表
  ※3 審議事項(3) 平成24年度収支予算編成要綱 は平成24年2月3日公表

日本放送協会第1156回経営委員会議事録
(平成23年12月6日開催分)

第1156回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1156回経営委員会

 

<会 議 日 時>

平成23年12月6日(火)午後0時00分から午後4時45分まで

 

<出 席 者>

〔委  員〕

  數 土 文 夫 安 田 喜 憲 石 島 辰太郎
    石 原   進   井 原 理 代 大 滝 精 一
    勝 又 英 子   北 原 健 児 倉 田 真由美
    幸 田 真 音   竹 中 ナ ミ 浜 田 健一郎
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔役  員〕

  松 本 会 長 小 野 副会長 永 井 技師長
  金 田 専務理事 大 西 理 事 塚 田 理 事
  吉 国 理 事 冷 水 理 事 新 山 理 事
  石 田 理 事 木 田 理 事

 

 

<場   所>
放送センター  21階役員会議室

 

<議   事>

 數土委員長が開会を宣言し、本日の付議事項および日程について説明。第1155回経営委員会(平成23年11月22日開催)の議事録を承認し、所要の手続きを経て、平成23年12月9日に公表することを決定した。

 

 

付議事項

1 視聴者のみなさまと語る会(山形)報告(資料)

 

2 会長報告(資料1)(資料2)(資料3)

 

3 審議事項

 (1) 平成24年度国内放送番組編集の基本計画について(資料)

 (2) 平成24年度国際放送番組編集の基本計画について(資料)

 (3) 平成24年度収支予算編成要綱(資料)

 

4 報告事項

 (1) 予算の執行状況(平成23年10月末)(資料)

 

5 その他

 (1) 平成23年秋季交渉の結果について(資料)

 

 

議事経過

 

1 視聴者のみなさまと語る会(山形)報告(資料)

 (板野経営委員会事務局長)
 平成23年度の第5回は、10月15日(土)に山形放送局の1階スタジオで開催しました。登壇したのは、経営委員では安田代行、大滝委員、倉田委員、執行部は塚田理事、冷水理事、山形放送局の福田局長の合計6名でした。司会は、末田正雄アナウンサーでした。事前の申し込みが134名からあり、「語る会」としては帯広に続き、2度目の抽選を実施しました。無作為の抽選で80名を当選とし、参加案内をお送りしましたが、当日の参加者数は44名でした。当選者を分母にした際のおよそ6割にあたります。終了後のアンケートでは、参加者のおよそ6割の人が「経営委員会の仕事を知らなかった」と回答していましたが、「語る会」の参加後にはおよそ8割の人が「経営委員会の活動について理解が深まった」と答えています。「語る会」終了後に、「ほろり、どきどき…『あさイチ』放送開始から1年半 生放送の舞台裏」と題して、この番組のキャスターである柳澤秀夫解説委員と有働由美子アナウンサーのトークショーを開催しました。
 概要や反響等については、報告書の2〜3ページに記載しています。語る会の具体的な開催内容は、5ページ以降に記載しています。
 冒頭で、協会の基本方針や重要事項の説明として、大滝委員から経営委員会の役割、3か年経営計画、平成23年度収支予算・事業計画について説明しました。その内容は3〜5ページに記載しています。
 意見聴取は「放送」と「経営全般」の2つのテーマで実施しました。地域放送番組を全国発信してほしいというご意見、震災時や震災後の放送に関するご意見やご要望、ジャーナリズムとしての役割を全うすることを望むご意見、受信料の公平負担へのご意見など、多岐にわたりました。これらは5ページ以降に掲載しています。
 終了後の参加者当日アンケートの結果とアンケートに記された具体的内容は19ページ以降に記載しています。

 

 

2 会長報告(資料1)(資料2)(資料3)

 (松本会長)

 先月、テレビ報道の分野では世界最大の国際ニュース会議の中で、NHKの震災に対する報道あるいは報道陣の姿勢が高い感動を呼び、評価を受けましたので、ご紹介したいと思います。
 この会議は「ニュース・エクスチェンジ」と呼ばれるもので、欧州放送連合(EBU)などが主催する、テレビ報道では世界最大の会議です。毎年秋に欧州の各都市で開かれ、今年は11月初めにポルトガルで開催されました。欧米を中心に世界主要放送機関の報道幹部ら440人が参加し、3日間にわたって、報道機関の抱える課題などについていろいろと議論を交わしました。今年は特にNHKに対して、「東日本大震災の報道について紹介をしてほしい」という依頼があり、NHKがプレゼンテーションを行いました。「災害報道についてのパネルディスカッション」を企画して、パネラーとしても参加し、さらに、会場にはNHKのブースを設け、NHKの震災報道をまとめたビデオも上映しました。その際、プレゼンテーションを行った報道局の草場記者から、実際のその場の様子を報告したいと思いますのでよろしくお願いします。
 (草場記者)
 報道局の記者の草場武彦です。私のプレゼンテーションは、およそ20分ほどでしたが、当日の模様を撮影したビデオを入手し、10分ほどに編集しましたので、まず、それをご覧いただきたいと思います。映像は、イギリスの公共放送BBCの報道幹部、ニュース取材センター長のF・アンズワースさんの紹介スピーチから始まっています。では、ビデオを上映します。

−ビデオ上映開始−

 (草場記者)
 これは実際に現地の会議で上映したビデオです。地震発生直後からの報道の状況をまとめています。右下の数字が地震発生後からの時間のカウントです。

−ビデオ上映終了(拍手)−

 (草場記者)
 どうもありがとうございました。このプレゼンの終了後、私は会場で、100人を超える参加者から声をかけていただきました。感想の中で最も多かったのは、「NHKの職員の使命感の強さと意識の高さに感銘を受けた」というものでした。そのほかで多かったのは、「毎晩、緊急報道訓練を行っていることに驚いた」、あるいは「あれだけの設備と機材を備え、それを十分使いこなせているということにびっくりした」という内容で、ソフト、ハードの両面にわたって非常に高い評価の言葉をいただきました。ビデオの最後に、ツイッターのコメントがありましたが、寄せられた感想のほんの一部ですが、要約して皆さまのお手元にお配りしています。私のプレゼン途中からすでに、参加者がツイッターに反応や感想の書き込みを始めており、その一部を資料の中で紹介しています。また、ここに同席している報道局・荒木編集主幹とともに、アメリカのテレビ局であるABC、CNNとの食事会にも参加したのですが、そこでも高い評価の言葉をいただきました。ほんの一部ですが、同じ資料の中でご紹介しています。冒頭に紹介してくれたBBCニュース取材センター長のF・アンズワースさんはBBCニュースのナンバーツーの幹部ですが、彼女の最初のスピーチの英文と日本語訳をお手元の資料に掲載しています。

 (竹中委員)

 今映像を見て、改めてあの日のNHKの震災報道を目の当たりにしたときの衝撃、「本当にこれが現実なのか」と思ったときのことが非常に思い起こされました。それを世界の方がリアルタイムでご覧になったということは、やはりすごいことだったと思います。それだけに、世界各国から震災そのものに関心を寄せていただき、救援の声も挙げていただきました。非常に貴重な報道だったなと改めて思いました。心からの敬意を表したいと思います。

 (數土委員長)

 こういう体制を取るのに、どれだけの人と費用を要しているのかという質問は、当然あったのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

 (荒木編集主幹)

 そういう質問はありました。公共放送ではない、例えばABCやCNNの人たちからは、設備やそれを保守していく人員をどのように確保しているのかという質問がありました。私たちは、公共放送として守るべきものをきちんと守っていくために、施設や保守のための費用や人員をできるだけ災害緊急報道に向けて対応しているのだという説明をしたのですが、公共放送の在り方について改めて考えるというような雰囲気がEBUの中にありました。

 (勝又委員)

 本当にありがとうございました。貴重な情報を世界に向けて発信していただけたと思います。私自身もいろいろ震災後の支援活動にずっと携わっていますが、海外での一時の熱というものは急速に冷めてきており、関心も次に大きな災害が起きたところに向けられるだろうと思います。ただ、この日本の震災のために集めたお金がまだずいぶん海外に残っていると思います。日本に支援を続けなければというような思いを持ち続けていただくためにも、どのように復興が進んでいるかということを、NHKとして地道に発信していただけたらと思います。また、日本国内でも同様で、被災地の方々がいろいろ活動しようという気持ちをやっと持ち始めて、グループを作り始めてきたところですので、これから現地の方たちの復興に向けての活動が始まると思います。何かエピソードやヒューマンストーリーなどがあれば、民放も含めて断片的に放送するのでしょうが、現実に政府の政策や地方行政の在り方、そこに住む人がどのように復興に向かっているかというようなことを、息長くNHKが放送してくださればと思っていますので、よろしくお願いします。

 (井原委員)

 今、勝又委員がおっしゃったことと基本的には似ているのですが、先ほどのビデオのプレゼンテーションの中で、草場記者が「取材したことを今後に生かしていきたい。取材は済んだことではなくて」というようなことをおっしゃっていたのですが、まさにそれを生かしていただきたいと思います。先ほどビデオに出ておられた柳澤記者に、たまたま私は石巻でお会いしました。「よく自分が生きていた」とおっしゃっていましたが、「その中でただ必死になって伝えたけれども、伝えたことがもしかするとだんだん日本国内でも薄れていっているのではないだろうか」と懸念する部分があって、「自分があのときに取材したことを、ずっと日本の問題として、復興がなされるまで生かしていただきたい」と言われたことは、とても印象的でした。ですから、彼女の仕事も含めて今回の取材を、今後復興が果たせるときまでずっと生かしていただきたいというのが私の願いです。

 (竹中委員)

 今回の震災を受けて、大阪放送局が緊急時の代替局としての機能を持つということが3か年経営計画の中で決定されたということもあり、私は関西在住ですので、先週、大阪放送局にお伺いしました。さまざまな部署の方から、今の大阪放送局の状況、経営的なことや費用・設備の面について、長時間にわたって非常に丁寧に説明していただきました。その中で1つショックだったのは、今回ロボットカメラが非常に活用されたのですが、今のNHKの仕組みの中では、その映像は東京にいったん全部集約されて、各放送局はそこから取るという形なのです。それはある意味、代替機能としては非常に致命的な部分だということを感じました。そのほかにも代替機能としての大阪放送局は、本部とかなり大きな格差がまだあるということも感じましたが、とりわけ、その映像が瞬時に取り出せない状況になってしまうというのは、今回の経験から言うと最も大きい、一番重要なポイントなのかと感じました。代替局としての機能をどのように強化していくのか、どういうポイントを、危機意識を持って共有しなければいけないかということについて、経営委員会でもきちんと議論のテーブルにのせていただく機会があればと思いながら大阪放送局を後にしました。大変勉強になりました。

 (大滝委員)

 2点申し上げます。1つは、実は私は仙台で被災をしたのですが、草場記者もビデオのプレゼンテーションの中で、「地震が起こってから30分後に津波が襲ってきて、もっとできることはなかったかということを問い続けている」とおっしゃっていたように、まさにそのとおりではないかと思っています。その点では私も本当に痛恨の極みというか、仙台市では700人余りの方が亡くなられたのですが、地震で亡くなった方は1人か2人なのです。あとはほぼ全員が津波で亡くなられているのです。その意味では、30分後に津波が来るということについて何か情報があれば、たぶん多くの方々が亡くなるということにならなかったのではないかということです。私の話は仙台市だけのことですが、全体的に見るともっとそういうことがあるということですので、ぜひその「30分」にずっとこの後もこだわって、公共放送としての役割を果たしていただきたいということが1つです。それからもう1つは、先ほど勝又委員もおっしゃいましたが、私も世界中から資金を集めてコミニティファンドというものを作り、10月から被災地に向けて街づくりや、コミュニティの中に仕事を作っていくというような活動を始めているところです。もちろん資金も世界中から集まっていますし、世界中のいろいろな方、例えば国際NGOの方々などが被災地の中に入ってきて、いろいろな活動をずっとされてきました。これから被災地では、街が徐々にでき上がってくる、その中で新しい仕事を作っていく、コミュニティをもう一度ゼロから作り直していくというような姿をぜひ世界中に発信してほしいと思います。先ほど勝又委員もおっしゃったように、世界的な関心は徐々に低くなっているのですが、それにもかかわらず大勢の方々が実際に被災地で活動されていますし、多くの支援をいただいています。われわれとしては、いろいろな意味でその恩返しをしていきたいと思っており、ぜひNHKの公共放送の力もお借りしながらそれができればと思っています。ありがとうございました。

 

 

3 審議事項

 (1) 平成24年度国内放送番組編集の基本計画について(資料)

 (金田専務理事)

 資料「平成24年度国内放送番組編集の基本計画について」をご覧ください。この基本計画案は、平成24年度にNHKが番組を放送していくにあたり、基本となる考え方をまとめたものです。定款により、本日の審議の後、12月19日に開催される予定の第577回中央番組審議会に諮問し、答申を得たうえで改めて、来年1月17日に開催予定の経営委員会に「議決事項」として提出させていただく予定です。本日は議決に向けての基本計画案の考え方やあらましをご説明します。11月21日には、番組審議会において、この基本計画について「予備審議」を行っており、今回の基本計画案は審議会での発言等を踏まえてまとめています。
 それでは、別冊の資料1ページ目をご覧ください。「編集の基本方針」ということで基本的な考え方を述べています。新経営計画の1年目にあたる24年度の編集の基本計画案は、3か年経営計画の基本方針と4つの重点目標に沿ったものにしています。まず、東日本大震災、原発事故からの復興、世界経済の動揺等の諸課題を抱えながら、被災地の人々の復興への意欲や世界からの支援等、前向きな動きも見えるということを指摘しています。その中でのNHK3か年計画の1年目という位置づけの編集計画であること等を指摘しています。そして、国民の命や安心を守るために、放送やデジタルサービスを通じてできる限りの貢献をしていくこと、さらには被災地の方々の心をいやし、復興を支え、日本の地域を活性化し元気にする放送をしていくということをうたっています。中央番組審議会での予備審議におきましても、「復興に向けて日本のあらゆる世代が助け合って前に進んでいくことを盛り込んで、希望の持てる書きぶりにしたらどうか」ということとか、「世界のニュースが日本の暮らしにどのような影響を与えるのかをきちんと伝えることを、加えたほうがいいのではないか」、「新しいテレビ表現への可能性を探ることにも取り組む姿勢を示したほうがいいのではないか」等、いろいろ建設的なご意見をいただいています。これらのご意見を踏まえて、全体的に前向きなトーンになるよう配慮した表現にしています。以上が基本方針です。
 これを踏まえて、3ページ以降に9項目の「編集の重点事項」を掲げています。大きくは次期経営計画に定める4つの重点目標、「公共」「信頼」「創造・未来」「改革・活力」に沿うように整理しています。例えば1番目の「国民の生命と財産を守る正確で迅速な報道」と、2番目の「東日本大震災を検証し、復興を支援する番組」は、重点目標のうち「公共」を強く意識して書いています。3番目の「幅広い視聴者に親しまれる番組」、4番目の「新たな時代に突入した衛星放送のさらなる定着」、5番目の「世界に通用する質の高い番組」は、「信頼」という重点目標を念頭に置いています。幅広い世代に親しまれる番組から世界に通用する大型番組まで、良質な番組を衛星放送などあらゆるチャンネルで多彩にサービスしてまいります。6番目の「“放送局のちから”を深化させた地域放送の充実」は、「公共」「信頼」を念頭に置いて考えました。全国の放送局は地域の特性や視聴者の関心に応じた多様なサービスを展開します。7番目の「放送と通信の融合時代にふさわしい新たなサービスの展開」は「創造・未来」を念頭に置いています。放送の視聴意欲を高める動画コンテンツの展開や、視聴者参加型コンテンツの拡大に力を入れていきます。8番目の「オリンピックロンドン大会およびパラリンピック放送の実施」は、「公共」「信頼」、9番目の「“人にやさしい”放送・サービスの拡充」は、「公共」「創造・未来」を意識しています。
 6ページ以降は、「各波の編集方針」ですが、「基本方針」と共通の「重点事項」を踏まえたうえで、各チャンネルの考え方を述べています。また、併せてそれぞれのチャンネルの「放送時間」、「放送番組の部門別の編成比率、ジャンルの間のバランス、配分」について説明しています。例えば総合テレビは、24時間放送ですが、Eテレ(教育テレビ)は、引き続き環境に配慮し、深夜の放送を休止することとし、20時間としています。衛星放送のBS1、BSプレミアムについては、それぞれ24時間放送としています。音声波については、ラジオ第2放送は1日19時間としていますが、ラジオ第1とFM放送は、“安心ラジオ”の役割として、1日24時間にしています。これを含めた各チャンネルの編成については、来年1月17日に開催される予定の経営委員会で、「国内放送番組の編成計画」の報告の際に、詳しくご説明したいと思います。

 (石島委員)

 編集の基本方針の中に入るかどうかは分かりませんが、重点事項の7番にもありますように、NHKは、「放送と通信の融合時代にふさわしい新たなサービスの展開」を目指している中で、3Dの放送についてどう考えるのかということを確認したいと思います。どこかですでにまとめていらっしゃるとすればそれを伺いたいと思います。もちろん3D放送が、ある種医学的に不安要素があるということは知っていますが、今すでにかなりの放送局が3D放送を始めていたり、あるいはビデオパッケージ系でも3Dはかなり商品化されたりしています。営業的な観点からいえば、3Dは若い人の関心を引きつける1つの要素になり得るのではないかという気がしています。まさにスイッチング方式の3Dはデジタル放送でないとできないものですから、3D放送をデジタル技術のパワーを表現する放送文化の1つとして、真剣にお考えいただくことが必要なのではないかという気がしています。以前からそう思っていたのですが、最近、関連団体のヒアリングに行ったときに、3Dコンテンツをマーケットに出すということも聞きました。NHKがどうして3D放送についてほとんど発言しないのかがよく分かりませんので、そのあたりの事情を聞かせていただければと思います。

 (永井技師長)

 今、3Dと言われているものは、2台のカメラで撮る二眼式の3Dです。この方式の3Dの研究は、NHK放送技術研究所で1980年代から90年代の10年間続けていましたが、石島委員がおっしゃったとおり人体への影響が懸念されるということが分かったので研究をやめました。最近3Dの受像機が出てきていますので、NHKとしてどうするのか役員の中で検討しました。結論は、お茶の間のような、どういう環境で見られるか分からないような中で二眼式の3Dを見るということは、目に疲れを覚えたりする人たちが出てくるということです。お茶の間で横になって3Dを見ても、3Dにはなりません。きちんと水平の方向に正対して画面を見ないと3Dにならないということがあります。したがってわれわれが公共放送として提供し、ご覧いただく放送には適さないだろうという結論になっています。一方、映画館で3D上映しているように、NHKでもイベントなどで3D映像の体験は行っています。ごく短時間で、しかもきちんと3Dを見るという意識を持って見に来られる方々には提供していいだろうと考えています。特にわれわれは、3Dの作り手としてなるべく疲れさせないというノウハウを蓄積していますので、関連会社を通じて3Dの制作に協力していこうと考えており、有料放送での3D放送の協力も行っています。また、現在われわれの研究所では擬似的な3Dではなく、本来の自然な形で見える3Dということで、インテグラル3Dを研究しています。

 (石島委員)

 おっしゃることは分かっているつもりです。0〜3歳児ぐらいまでの子供たちに3Dを見せろと言っているわけではなくて、NHKが3D放送を行わないことで、NHKが接触者率を上げようとしている比較的若い、青年世代ぐらいの人たちから、NHKの番組には魅力が欠落していると思われるのではないかという気がするのです。もちろん医学的に問題があるのかもしれませんし、その問題がどこまで医学的に確立されているのかは、私はよく知りませんが、そのことを含めて検討された結果、放送しないということであれば、いたしかたないとは思いつつ、放送の魅力との関係を、私としては若干危惧しているということです。

 (金田専務理事)

 3か年経営計画の1年目としての放送番組編集の基本計画の中に、3Dの放送番組を入れているかといえば、入っていません。一方で、今年のウィンブルドン選手権の場合、欧米では3Dで放送されていますし、おそらく来年のオリンピックでも3D展開が相当あると思います。そういうことをにらみながら考えていくということになりますが、おっしゃるように確かにメリットもありますし、そういう機会も普及しつつあるということを認識しています。今のところ番組向けの3Dのハードルを少し高くすることもあり、現段階で3D放送を行うということは編集の基本計画には入れていないのですが、情勢はよく見ていきたいと思っています。

 (新山理事)

 3Dの演出方法というのはいろいろ違いますので、制作現場で開発チームを作って試行錯誤しながら、パブリックビューイングの形で皆さんに見ていただくよう取り組んでいます。「新・三銃士」という人形活劇がありましたが、3Dで撮ると、非常に奥行き感が変わってきますので、そういった実験は日々行っています。コンテンツは数多く増えてきています。

 (大滝委員)

 3ページの「幅広い視聴者層に親しまれる番組」のところで、特に若い10代、20代の視聴者層を開拓していくということについてご意見を伺いたいと思います。前回、経営委員の勉強会で放送文化研究所の方に、イギリス、フランス、ドイツの放送と通信の融合についてお話を伺ったのですが、印象としては世界の公共放送の多くが、若年層の開拓という点では必ずしも順調にいっているわけではなくて、私の記憶ではドイツは若者が公共放送からどんどん離れていく傾向が顕著であるとか、BBCは例外として、比較的20代前後の人から強い支持を受けているというような調査結果が出ていたと思います。そのような中で、特に10代、20代くらいの若年層の人たちにどういうアプローチをして、どのような方法で視聴者の拡大を図っていくのかということについて、少し考えをお聞かせいただきたいと思います。

 (金田専務理事)

 いろいろなことを今までもトライしてきています。その中で成果が上がっているところもあります。例えば具体的に言いますと、深夜の「着信御礼!ケータイ大喜利」という双方向型の番組では、実を言うとほかの世代ではあまり見られないのですが、最近の例では20代男性の5%に見られているというデータが出ました。3年かけてやっとここまで来たということですが、従来のやり方でたどり着ける可能性もありますので、選択と集中はあるにしろ、芽を摘まないように頑張りたいと思っています。全体の傾向として、若い人たちが公共放送から離れていっているということは事実としてあると思いますが、若い人たちが公共放送を見限っている側面と、われわれが見限っている側面と両方あると思います。まだまだNHKに反応する人たちが多くいると思うのです。個人的な話ですが、例えばNHKスペシャル「ヤノマミ〜奥アマゾン 原初の森に生きる〜」という番組を見たある高校生が、ああいう番組を作るにはどのような大学に行ったらいいのかという問い合わせが来るということもありました。経営計画にも記載していますが、われわれが考える公共放送の原点に立ち戻って、今までのものを生かしながら、つけ加えることもしっかり考えて議論していきたいと考えています。今は、具体的にこのようにとは申し上げにくいのですが、別途、編成計画や番組の内容が詰まった段階でご説明する機会を与えていただきたいと思っています。

 (冷水理事)

 視聴者層を広げることはこれからも変わらない重要な課題だと思っていまして、そのためにいろいろなアプローチをしていくべきだと思っています。報道においても、ウェブ時代を意識した新しいニュース番組の開発を目指していきたいと思っています。

 (數土委員長)

 中央番組審議会でも審議されているということですが、4ページの「世界に通用する質の高い番組」に関連して、私が日頃思っていることを申し上げます。NHKのBSプレミアムは非常に評判がよくなってきています。評判がよくなってきたのはなぜかというと、今まで人が行かなかったような場所の世界遺産、世界の秘境、あるいは「世界の名峰 グレートサミッツ」など、先ほどの地震報道にも象徴されるように、機能の有利さを前面に出してきたことによって成功しつつあると思っています。私はこういうものを今後も制作してもらいたいと思うのですが、その反面、質の高いということではインテリジェンス、例えば財政、貿易、外交、エネルギー、食などに関して、日本の国家に正しい方向を示唆する、あるいは世界の世論をインテリジェンスでリードする討論番組のような番組に、もっと力を入れるべきではないかと思います。映像がなくてもラジオで収録し放送するとか、世界からNHKのインテリジェンス、情報発信は大変すばらしいと言ってもらえるように、本質的なところがNHKに託された役割として重要なのではないかということをアピールしたかったので意見を述べさせていただきました。

 (金田専務理事)

 全く同感です。私は、NHKが作っている番組は非常に競争力があるものだと思っていますが、著作権や放送の手段の理由などで、今までなかなか視聴者までお届けできてなかったところもあります。しかし、国内制作のドキュメンタリー等でも、例えば「NHKスペシャル」で放送した「巨大津波“いのち”をどう守るのか」という番組は、世界の人に見てほしいということで相当頑張って著作権処理をしたうえで各国に提供し、多くの国でゴールデンタイムでもよく見られています。来年は国内放送と国際放送の連携をよくして、よりNHKの制作したコンテンツが国際放送に出ていくようにしたいという話し合いを進めています。一方で問題があるのは、どうしても番組の単価を下げようとすると共同制作に走らざるを得ません。実を言いますと、ドキュメンタリーは売っても単価が非常に安いのですが、共同制作になると相当の資金が入ります。共同制作は何が違うかというと、例えばナショナルジオグラフィックと組んだとすると、最後にクレジットが出てくるのはアメリカの番組ではナショナルジオグラフィックで、NHKより前にプレゼンテーションされます。NHKのブランドが薄まるということです。そのうえ、その番組をNHKワールドで放送することは大変困難になります。ナショナルジオグラフィックからすると、お金を払って制作したわけですから、日本から国際放送で出してもらっては困るということになるわけです。われわれとして、副次収入を上げていくということとNHKとして直接発信していくということには若干のトレードオフがあるので、そのところをうまく調整しながら、来年は少し、直接発信することにも力点を置いた運営をしたいと考えています。

 (松本会長)

 今、數土委員長がおっしゃったことは、まさに今回の経営計画で実施していく中身そのものです。その中で各部門がそれぞれ考えるのですが、原点にある価値観というのは、公共放送の原点に立ってその役割、使命を果たしていくということであり、それが問われているのです。そういう観点からいろいろ考えて、きちんと検討していくということですので、各委員がおっしゃることは経営計画に包含していると思います。それから、今、若い人はネットに多くの時間を使っているということなので、いかにそこにコネクトしていくかということを考えています。このことは逆に言うと、ネットに吸収され、NHKのテレビの存在感そのものを失うプロセスにもなりかねませんので、その点をよく踏まえながら、どうしたらいいのかを考えて進めていこうということです。この番組編集の基本計画は、経営計画を踏まえて作っています。

 (數土委員長)

 本件につきましては、中央番組審議会の答申を踏まえ、改めて議決事項として提出していただくということで、よろしくお願いします。

 

 (2) 平成24年度国際放送番組編集の基本計画について(資料)

 (金田専務理事)

 引き続き、平成24年度国際放送番組編集の基本計画についてご審議をお願いします。今井理事が出張中ですので、私からご説明いたします。基本計画は、定款の13条により経営委員会の議決事項とされています。本日はご審議をいただき、定款67条により国際放送番組審議会に諮問し、答申を得たうえで改めて来年1月17日の経営委員会に、「議決事項」として提出させていただく予定です。
 まず編集の基本方針ですが、東日本大震災、原発事故収束ほか、世界の状況に触れ、改めて放送法に規定されている国際放送の必要性について記述しました。そのうえで、東日本大震災報道で世界から得た評価にも触れ、「日本の今、日本の魅力、そしてアジアや世界の動向を、正確に多角的に伝えていきます」と結んでいます。
 2ページをご覧下さい。テレビ放送ですが、外国人向けの「NHKワールドTV」については、今後3年で深夜のニュース放送時間を増やす計画です。ジャンルについても従来の「紀行」「日本文化」等に加えて、「美術」「スポーツ」番組を新設します。重点事項として、東日本大震災からの日本の復興を海外に発信します。従来に増して国内番組制作との連携を図ります。この結果、放送時間はJIB((株)日本国際放送)が担当する部分を除いて、1日およそ23時間の放送となります。在外邦人向けの「NHKワールド・プレミアム」については、23年度と大きな変化はありません。「NHKニュース おはよう日本」「NHKニュース7」「クローズアップ現代」「ニュースウオッチ9」「週刊ニュース深読み」「日曜討論」などをノンスクランブルで5時間程度放送します。外国人向け「NHKワールド・ラジオ日本」は、短波に加え、中波、FM波、衛星ラジオでの放送、インターネットでの発信を強化します。外国語では本年度と同じ17言語で放送します。在外邦人向け「NHKワールド・ラジオ日本」は、原則としてラジオ第1放送をそのまま放送します。インターネットにつきましては、モバイル端末への対応を強化し、また現在、著作権上でインターネット発信できないものがありますが、極力インターネット対応できるように対応の強化を図りたいと考えています。

 (松本会長)

 ひと言だけ付け加えさせていただきます。今の国内放送番組編集の基本計画および国際放送番組編集の基本計画については、このような方針に基づいていろいろな番組を作っていくわけですが、その番組が期待に応えられているのか、期待を実現できているのかどうかについては、今回の経営計画の中で、評価するシステムを取り入れています。そういう評価をもとに、次によりよくしていくステップを見つけるということですので、まずは先ほど申し上げたような価値観に基づいて番組を作り上げていきたいと考えています。

 (數土委員長)

 国際放送番組編集の基本計画においても質の高いということに触れられていますが、やはり外国人に対して、日本人が、例えば政治、経済、財政、社会保障などについてどのように考えているのかを発信することは非常に重要だと思います。国内と同時に放送すると記載されていますが、国内放送番組と同様に2人、3人が違った意見を言い合う討論番組などを作る必要があるのではないかと思います。そういう番組を充実するためには、日本に若い識者を確保していかなければいけないということも非常に重要だと思います。それともう1点、私は、先々週に海外に行って「NHKワールドTV」を相当見ていたのですが、「NHKワールドTV」のアナウンサーは1人なのに、どうして国内のニュース番組は2人、あるいは3人、4人で放送しているのかということが、非常にシンプルな疑問だったのです。私が言ったのではありませんが、外国人から見ると、日本の国内放送は2人以上で放送していて、人員に余裕があるだろうかと思ってしまうのではないでしょうか。「NHKワールドTV」は、女性も男性もアナウンサーが1人で非常に流ちょうな英語で伝えていてレベルが上がっています。先々週に見たときも、1人で放送していて非常にスマートでした。日本で国内放送ではどうして2人以上で放送しているのか、国際・国内放送ともに一緒でもいいのではないかと少し疑問に思いました。

 (金田専務理事)

 にわかに、適切な回答ができないかもしれませんが、例えば夜7時の「NHKニュース7」はアナウンサーが大体1人で放送しています。そのようなニュースの出し方の場合は1人なのですが、「アンカー」という最終走者の意味と、「いかりをおろす人」という意味から、アナウンサーに加えアンカーが、ニュースの内容が腹に落ちるまで解説するということがあります。海外の場合も、キャスターがレポーターとコメンテーターを呼んできて放送することがあります。それを両方兼ねているのが「ニュースウオッチ9」のような2人配置です。放送の出し方が夕方7時と夜9時である程度違うことから「ニュースウオッチ9」では2人配置になっています。国際放送の場合も時々コメンテーターを呼んでくることもありますが、基本的には「NHKニュース7」の放送の出し方になっています。今は4時間の番組を6回で24時間放送していて、どの時間帯にということはありませんが、2、3人を配置するという方法もあると思います。

 (冷水理事)

 ひと言補足します。ニュース番組のキャスターは1人で行う場合、2人で行う場合、それぞれメリット、デメリットがあると思います。今委員長がおっしゃったような国際放送のスタンダードと比べて、日本のニュース番組は、全体的に多様な演出をしている傾向があります。どちらがより伝わりやすいかという観点では、一概にどちらがいいとは言えない面もあるのですが、大画面を使ったりいろいろな模型を使ったりして、さまざまな演出で分かりやすく伝えるのが日本のテレビ放送の1つの特徴になっています。そういう面からは、1人のキャスターより2人いたほうが機能分担をしやすいというような面もあります。一方で、1人で放送したほうがシンプルにメッセージが伝わるというご意見もあります。私どももいろいろ試行錯誤を重ねて、「NHKニュース おはよう日本」の7時台を1人で放送したこともあります。それは演出形態に合わせてさまざまな可能性があるということだと思います。

 (松本会長)

 民放はどうなのですか。

 (冷水理事)

 民放も含めて、日本は比較的2人のケースが多くあります。特に、ある程度長尺の番組になってきますと、どうしても1人だとなかなか十分に対応できないということがあります。海外に比べて日本のニュース番組は長時間の番組が多いことから、どうしても複数を配置する場合が多くなるということもあります。

 (數土委員長)

 いずれにしろ、「質の高い」という視点での参考意見ということで、ご検討はお任せしますのでよろしくお願いします。

 (幸田委員)

 先ほど數土委員長がおっしゃったことと同じなのですが、私は11年前に「日本国債」という小説を書いて、日本の財政の問題を訴えました。そのときに、海外から大きな関心がよせられ、紙メディアも含め多くのメディアからの取材を受け、BBCのラジオ番組からも何回か生番組に出てほしいというお話がありました。東京のスタジオに行ったり、自宅から電話で出演したのですが、私のスタンスとしては、日本国内に向けては、日本の財政は「危機的な状況だ」と警鐘を発していたのですが、海外に向けては、例えばBBCに対しては市場への影響を配慮して、「いや、日本の国債は大丈夫だから」と言っていたのです。それは11年前のことですが、今はもっと細心の注意が必要というか、現在ユーロの問題などがどのように日本に波及するのか、次にどこがマーケットの餌食になるかということを探っているような状況ですので、情報発信にも安易な姿勢は要注意です。実は日本には多額の対外資産があること、それから製造業とソフトウェア産業がバランスよく機能し、金融もきちんとしているということを訴えるとか、ただ債務残高の多さだけを比べても正しい判断はできないのだということなど、財政や経済の現状をきちんと対外的には発信してもらいたいと思います。私が「日本国債」を出した11年前とは違い、今は国際的に発信することがさらに大事になってきています。日本の自然の紹介や震災復興ももちろん大事ですし、日本の文化を伝えるのも大事なのですが、経済、財政、金融、そしてビジネスの分野での日本企業の力強さを伝えること、現在の欧州諸国の財政危機と日本の状況を同じように扱うことは違うのだということを、もちろん誇張する必要はないのですが、正しく発信しないといけないと思います。日本はこれだけ借金を抱えている国であり、どこからどんな影響を受けるか分からないという不安も非常に高まっていますので、日本の現状を正しく国外に発信することの意味が大きく変わってきているという自覚をぜひ持って、伝えていただきたいと切に希望しています。

 (倉田委員)

 単純な疑問として、在外邦人向け放送のニーズが高いのはよく分かるのですが、外国人向けの放送が、実際どれぐらいの方に見られているのかは、想像もつかないところがあります。といいますのも、東日本大震災に関連する特別なニュースがあったときは別ですが、そうではなく、例えば日本国内でインドのニュースが放送された場合など、どれぐらいの方から見られるのかなと思うと、想像がつかないというか、あまり見られるイメージがわかないのです。外国人向けにどういう番組を放送していくのかについては、普通のニュースだけではあまり吸引力がないような気がしていて、先ほどもご意見が出ていましたが、討論形式にするとか、素人判断ではありますが、何かおもしろみがないとなかなか厳しいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

 (金田専務理事)

 今は、毎正時にニュースを放送していますが、日本の夜の時間帯は欧米では昼間になるのですが、そのままのニュースを放送するのは難しいということで、少し短い15分になっている状況です。それを強化しようというのが先ほどのご説明です。実は、英語で放送している「NHKワールドTV」を開始する前は、どういうところでどういう方がご覧になっているか、本当にまったくつかめない状況でした。今は、モニター調査などにより定期的に反応を入手していますし、各スポットでの反応は相当取れるようになってきています。そういう意味では、番組改善のためにリサーチを強化するということです。世界中で何%の方がご覧になっているのか把握しようとすると非常に費用がかかりますので、それは無理だとしても、各スポットでは、どういうところでどのように見られているかということは予算を付けてモニターを強化することを考えています。そのうえで、NHKの作った番組を毎正時のニュース以外の時間帯に編成し、4時間をセットにして6回放送するのが、現在考えている国際放送における外国人向けの放送のしかたです。今のところ、東南アジアなどで見られているのはファッション系の「TOKYO FASHION EXPRESS」などです。討論番組はなかなかNHKの努力だけでは難しく、ハードルが結構高いと私は思っています。人を育ててそういうことができるようにならなければならないというのはご指摘のとおりですので、努力していきたいと思います。従来は、どちらかといえば日本を題材にした旅行番組、例えば京都を特集したものなどが結構見られていました。去年は例えば「ザ・ベストテレビ」ということで日本の民間放送も含めて賞をもらった番組を放送したところ反応はよかったのです。来年はNHKで作ったドキュメンタリー等をシリーズで放送することも考えていますし、NHKに対する認知度が上がってきていて、報道に強いという評判やNHKが言うと信用していただけるようにもなってきていると思いますので、その点を強化するような放送のしかたを考えていきたいと思います。モニターやサンプリング調査で主要都市の反応を見ながら取り組むという方法になると思います。

 (石原委員)

 今、金田専務理事のお話にあった「NHKワールドTV」は、われわれはあまり見る機会がないのですが、どういう番組を流しているのですか。先ほど旅行番組を放送したという説明や、日本の経済情報を流してくれというご意見もありましたが、どのような番組を流したらいいのかということだと思います。「放送局のちから」ということで、日本全体に地域の情報を流して欲しいという話をよく聞くのですが、NHKにしてみれば、地域放送局はたくさんあるのですから、要望全体に応えるのはなかなか難しい面があると思います。そういう中で観光は地方にとって非常に大事で、産業としては観光しかないような地域もたくさんあります。観光には文化や歴史もあれば食、温泉、自然などいろいろあるわけですから、外国人にも興味をもってもらえると思います。それをもっと放送すればいいのではないでしょうか。私は九州観光推進機構の会長もしていますが、地域の観光情報を外国に発信するのに大変苦労しています。NHKワールドTVでもっと扱ってくれれば、地域にはNHKのファンが多いのですからNHK受信料の支払率も上がると思います。

 (脇田国際放送局長)

 数字の面で補足しますと、今のIT技術の発展で、われわれはインターネットを活用した発信も非常に大事にしていますが、インターネットを活用するとヒット数がリアルタイムで出てくるのです。現在、インターネットを通じて「NHKワールドTV」を発信していますが、4月から9月の半年間で8,600万ページビュー、最近では月平均1,100万ページビューとなっています。70億人という世界の人口を相手にテレビでの視聴率を把握するのは難しいのですが、ネットの世界ではきちんとヒット数が分かりますので、これを見ていただくだけでもかなりの人が接触してきているということが実証できると思います。また、ジャンルの問題についてご指摘いただきました。23年度もたくさんの番組、特に旅番組なども放送していますが、24年度は、さらに旅番組を増やす予定です。いろいろな日本の魅力を発信していく旅番組の充実を図ろうと考えています。

 (石原委員)

 ニュース、観光、政治、経済などのジャンルに分けるとウェイトはどのような感じになっているのですか。

 (脇田国際放送局長)

 先ほど金田専務理事から説明がありましたように、「NHKワールドTV」は24時間継続して放送しています。毎正時、冒頭から30分はニュースで、日本、アジア、世界のことを基本的に生放送で伝えるという形です。ニュース後の30分から60分までの間を基本的に番組枠としています。24年度はその番組数は30とし、さまざまなジャンルの番組を入れています。例えば旅、食、日本文化、ライフスタイル、美術、ファッション、音楽、サイエンス、討論、ドキュメンタリー、経済もあります。1週間をまとめたニュースの番組やアジアに焦点をあてた番組もあります。かなりバラエティーに富んだ番組を並べていますが、世界の人は日本のさまざまなことに関心をもっているので、それぞれの番組の傾向をはっきりさせて、ターゲットを絞っていくことで多くの人々の関心に応え、マスとしてのファンを増やしていくという編成にしています。

 (松本会長)

 地域興しというか地域貢献については、国内放送番組編集の基本計画の4ページの6番目の重点事項にありますように、“放送局のちから”ということで番組の充実を図っていきたいと考えています。

 (數土委員長)

 本件につきましては、国際放送番組審議会の答申を踏まえ、改めて議決事項として提出していただくということで、よろしくお願いします。

 

 (3) 平成24年度収支予算編成要綱(資料)

 (石田理事)

 平成24年度予算について、前回の経営委員会で「予算編成方針」として予算編成の考え方や収支構造についてご審議いただきましたので、今回はさらに事業計画の詳細と予算の内訳として各事項の予算額をお示しした「収支予算編成要綱」についてご説明します。
 まず、2ページをご覧ください。24年度予算の基本的な考え方は、前回ご説明した「予算編成方針」と同じ内容です。24年度予算は、「公共」「信頼」「創造・未来」「改革・活力」の4つの重点目標を掲げ、3か年経営計画に基づいた予算とします。
 3〜4ページは、事業運営の4つの重点事項について、より具体的な内容をお示ししています。これは、経営計画で掲げた内容と基本的には同じとなっています。
 5ページをご覧ください。3か年経営計画に基づき、口座振替・クレジット支払の方は月額120円、8.9%の値下げ、継続振込等の方は月額70円の値下げを、24年10月より実施します。24年10月1日以降の新しい料額表については下の表のとおりに考えています。前払の割引率は6か月5%、12か月7.5%とする現在の割引率を継続します。受信料額の詳細につきましては、12月20日の経営委員会で改めてご説明します。
 6ページをご覧ください。収支構造について、科目別に予算額をお示ししています。なお、前回の経営委員会でご説明したとおり、23年度、24年度とも「消費税抜き」の予算額を表示しています。事業収入は、受信料について公平負担に向けた取り組みを強化し、支払率および収納率の向上に努めますが、値下げにより減収となるため、収入全体としては前年度に対して114億円減の6,489億円とします。事業支出については、公共放送の機能強化と放送サービスのさらなる充実を図りますが、一方で、業務の棚卸しによる経費の削減を行うことにより、前年度に対して74億円減の6,489億円とします。このように、24年度は収入・支出とも前年度を大幅に下回る厳しい状況ですが、効率的な業務運営をいっそう推進することにより収支均衡予算とします。
 7ページをご覧ください。ここでは、資本収支をお示ししています。資本収支は、設備投資や建設積立資産など資産の増減と、その財源対応を収支で表したものです。資本収入は1,122億円、資本支出は1,098億円となり、24億円の黒字になります。これは、建設費を698億円まで圧縮したことにより、減価償却資金と資産受入れを合わせた内部資金に対して建設費が下回ることによるものです。この資本収支差金24億円については、財政安定のための繰越金へ繰り入れます。参考1をご覧ください。財政安定のための繰越金については、平成2年度以降の経営努力による剰余金の積み重ねにより、23年度末で1,164億円になりますが、老朽化の進んでいる放送センターの建て替えのため、400億円を建設積立金に組み替えます。このため、24年度末の財政安定のための繰越金は789億円になる見込みです。参考2の外部資金については、平成16年度末には放送債券と長期借入金を合わせて468億円の残高がありましたが、24年2月に放送債券を償還することにより、23年度末および24年度末の外部資金残高はゼロになる見込みです。
 8ページ、参考3の衛星放送に係る収入と経費については、24年度より配賦基準の見直しを行います。23年7月のアナログ放送の終了に伴い、衛星放送は難視聴解消波の役割を終え、放送法の位置づけも基幹放送となりました。このような役割や制度面の変更により、番組制作費や人件費などの配賦のしかたを見直しています。下段の参考4は業務別予算です。業務別予算とは、国内放送や受信料の契約収納等の業務ごとの物件費に、人件費と減価償却費を要員や施設に応じて配分したものです。総額の75%が国内放送番組の制作と送出の業務に係る経費になっています。
 9ページをご覧ください。ここから科目ごとに内訳の概要をご説明します。まず、受信料収入ですが、24年度は値下げにより前年度比で93億円減収の6,269億円になります。なお、今回の値下げは、幅広く受信契約者に還元するために地上料金を対象としますので、内訳としては基本受信料が163億円の減収になり、衛星受信料は70億円の増収になります。
 10ページをご覧ください。受信料収入と支払率・収納率の推移等を記載しています。24年度は値下げの影響により前年度を下回りますが、値下げの影響を除くと123億円の増収とする計画です。増収額、契約件数とも18〜22年度の5か年平均を上回る高い目標となっていますが、これらの目標を達成することにより支払率・収納率を向上させ、受信料の公平負担をさらに徹底していきます。
 11ページをご覧ください。副次収入は、積極的な番組の二次展開等による番組活用収入の増や、ことし10月にリニューアルオープンしたNHKスタジオパークの入場料収入の増等により、前年度を2.6億円上回る91.9億円とします。しかしながら、近年、テキスト出版やDVD販売など番組の二次展開を取り巻く環境は大変厳しいものがあり、この収入の確保に向けてこれまで以上に積極的に取り組んでいきます。交付金収入等についてですが、雑収入は、前々年度以前受信料の回収額が近年増加していることを受けて、17億円の増額としています。特別収入は、23年度は大阪・寝屋川運動場や横浜・旧放送会館の売却などで47億円を計上していましたが、24年度は高額の売却物件が少ないことから7億円としています。
 12ページからは、国内放送費や契約収納費などの事業支出の内訳を費目別にお示ししています。まず、国内放送費からご説明します。12ページの左側に前年度との金額の比較を棒グラフで示しています。24年度は前年度に対して84億円増の2,804億円となります。右側には、費目別の説明と該当するページを記載しています。
 13ページをご覧ください。国内放送の重点事項です。先ほどご説明した「国内放送番組編集の基本計画」に掲げる9つの項目を記載しています。24年度は、国民の安全・安心を守るために、公共放送NHKとしてできる限りの貢献をしていくことを最重点に取り組んでいくことにしています。なお、それぞれの事項の右側に、赤色四角に白抜きの字で「事業運営の重点項目」のどの項目に該当するかを記載しています。
 14ページからは、チャンネル別に編集方針を記載しています。国内放送の重点事項と同様に、国内放送番組編集の基本計画などに基づいて作成しています。14ページは、地上放送の総合テレビと、教育テレビであるEテレの編集方針です。
 15ページは、ラジオの編集方針です。このページの下の表にありますように、地上放送の予算額は、前年度とほぼ同額の836.8億円になります。総合テレビは、オリンピックロンドン大会放送の実施による増がありますが、一方で、「坂の上の雲」が終了すること等により、前年度に対して1.5億円増の600.4億円になります。Eテレは、ワンセグ独自サービスの減などにより、2.5億円減の199.1億円になります。音声放送は、災害時の緊急報道の強化などにより、1.9億円増の37.2億円で実施します。
 16ページは、衛星放送です。今まで以上に幅広い年代、幅広い興味に応えるべく、多彩な定時番組や大型企画番組を編成します。予算額は、オリンピックロンドン大会放送の実施等により、前年度比10.9億円増の550.5億円とします。
 17ページは、地域放送番組費です。全国の放送局が掲げてきた「放送局のちから」をさらに深化させ、地域放送の充実に取り組みます。公共放送の機能強化に伴って、全国54の放送局のホームページで地域の災害情報等をきめ細かく提供するほか、地域放送番組の字幕放送を拡大します。また、24年度から新たに、群馬県と栃木県で県域テレビ放送を開始する予定です。予算額は前年度比1.2億円増の149.3億円としています。
 18ページは、報道取材費です。国民の生命・財産を守るという公共放送の重要な使命を果たすため、正確で迅速な報道に万全を期します。このため、大規模災害等に対応できるニュース制作緊急展開チームの新設など、報道・制作体制の充実や、自治体等と連携した災害・防災情報等の充実に取り組み、前年度比8.7億円増の182.9億円で実施します。
 続いて、19ページの上段は、制作共通費等です。番組制作や正確な放送を支えるシステムの開発・運用経費や、音楽の共通著作権費、映像等資料のアーカイブス化経費などを計上しています。24年度はインターネットニュースの強化や、震災に関する映像の記録等のアーカイブス化に取り組むため、前年度より予算を増額させています。下段は、放送サービス維持・運用経費です。視聴者のみなさまに良質で安定した放送サービスをあまねく提供するために必要な技術設備の運用経費を計上しています。建設費を圧縮したことに伴い老朽設備が増え、延命のため、その設備を補修する経費が増えることなどにより、前年度比17.8億円増の567.3億円になります。
 20ページ、「オリンピックロンドン大会及びパラリンピック放送」は、29.6億円で実施します。
 21〜22ページをご覧ください。重点事項である「公共放送の機能強化と東日本大震災からの復興支援」の具体的な取り組みについてまとめています。これらに要する経費は、24年度予算では、事業費で設備投資に係る減価償却費6.3億円を含む65.1億円を計上しています。なお、機能強化のための設備投資は71.5億円で実施します。
 23ページをご覧ください。インターネットを活用したサービスとしては、NHKが放送した番組やニュース、コンテンツ、関連情報などを、受信料を財源として提供するサービスと有料で提供するサービス(NHKオンデマンド)で実施しています。受信料を財源として提供するサービスは、放送法第20条第2項第2号の業務の基準により年額40億円程度を上限とすることとなっており、24年度は29.9億円で実施します。それから、ワンセグ放送は、ワンセグ独自サービスの実施規模の見直しを行い、3.7億円減の7.2億円で実施します。
 24ページは、「人にやさしい放送・サービスの拡充について」です。字幕放送・解説放送・手話番組などの充実をさらに推進します。字幕放送は、総合テレビジョンの生放送の情報番組や地域放送番組などで拡充します。これらの放送サービスを、前年度比で3.1億円増の21.4億円で実施します。
 25ページをご覧ください。事業支出のうち伝送部門に係る経費について、人件費、減価償却費を含めた総経費をお示ししています。具体的には、中継放送所の維持経費や電波利用料、放送衛星利用料など、番組の送信に係る経費です。24年度は、建設費の圧縮に伴う減価償却費の減などにより、前年度比8.3億円減の458.1億円となります。
 26ページからは、国際放送です。国際放送のサービスは、テレビ国際放送として外国人向けの「NHKワールドTV」、邦人向けの「NHKワールド・プレミアム」、短波や中波、FM波、衛星ラジオによる「NHKワールド・ラジオ日本」、それにインターネットによるサービスがあります。
 27ページは、テレビ国際放送です。24時間、毎正時の英語ニュースを強化するほか、東日本大震災関連番組の新設などによって、震災から復興していく日本の姿を海外に発信します。
 28ページは、ラジオとインターネット等の取り組みです。国際放送費の総額は前年度比13.5億円増の150.8億円とし、内容の充実を図っていきます。
 29ページは、契約収納費です。契約収納費は、前年度比9.9億円増の580.3億円になります。グラフの赤色の部分、「地域スタッフ等手数料・給付金」については、地域スタッフ体制を4,400人から3,900人に見直すことなどにより17億円減額します。一方で、グラフのだいだい色の部分、「法人委託の手数料」について、公開競争入札の実施地域拡大やエリア型法人委託の拡大など、外部委託を強化することにより35億円増額し、より効果的・効率的な業務体制を構築します。このほか、口座振替等請求・収納費やシステム・情報処理費などについて、業務の見直し等により減額しています。
 30ページのグラフをご覧ください。営業経費率は、不祥事の影響を受けた17年度以降、着実に低減させています。24年度は、値下げにより受信料収入が減少するため、営業経費率は前年度を上回る11.7%になりますが、値下げ前の税込額で換算すると、前年度を0.1ポイント下回る11.2%となる見込みです。
 31ページをご覧ください。テレビ放送の完全デジタル移行に伴い受信対策費の予算は大幅に減になりますが、一時的に衛星セーフティネットで視聴されている世帯に対する難視聴対策や混信対策など、デジタル化対策に58.5億円で引き続き取り組んでいきます。
 32ページは、広報活動です。NHKふれあいセンターの体制を強化するとともに、公共放送・受信料制度への理解促進に向け、インターネットなど放送以外の媒体を活用した効果的・多面的な取り組みを展開します。これらの広報活動を24年度は51億円で実施します。
 33ページをご覧ください。番組に関する調査・研究では、テレビ放送が完全デジタル化した新しい時代に入ったことを受けて、放送がどうあるべきかに関する研究や、地域放送局を支援する調査・研究を行います。また、放送と通信の融合時代にふさわしい技術研究として、ハイブリッドキャストの研究開発や、スーパーハイビジョンの研究開発や実用化に向けた普及促進、自動字幕や手話CGなど、“人にやさしい”放送サービスのための研究開発などを行います。これらの番組および技術の調査研究については、前年度比4.3億円増の85.8億円で実施します。
 35ページをご覧ください。給与および退職手当・厚生費についてご説明します。まず給与は、平成4年前後の大量採用層が40代に入り、平均年齢を押し上げ、給与が増加する要素がありますが、一方で、業務の棚卸しによる年度内80人の要員の純減を行うことにより、前年度比1.2億円減の1,254.7億円に抑制しています。退職手当・厚生費は、再雇用期間中の年金支給額を半減化する19年度の年金制度改革の効果の償却終了等による増や、厚生年金保険料率の改定による社会保険料の増等により、23年度に対して50.3億円増の615.4億円になっています。
 36ページは、要員数と給与予算の推移を示しています。要員数は、昭和54年度に過去最高の1万6,920人でしたが、55年度以降、毎年度見直しを重ねてきており、これまでに6,000人以上の純減となっています。これに伴い給与についても、過去10年間減少傾向にあり、24年度の給与は13年度予算に対して174億円、12.2%の減になっています。
 37ページをご覧ください。予備費は、23年度はテレビ放送の完全デジタル化などの不測の事態に備えて増額しましたが、24年度は通常規模の30億円とします。参考9をご覧ください。公共放送としての役割を達成するため、NHK独自の評価・管理方法を確立して、マネジメント強化を図ります。また、「基本方針」「4つの重点目標」「現場管理」を一貫して管理する仕組みを確立していきます。
 38ページは、業務の棚卸しによる経費削減についてまとめています。経営計画では3か年で613億円の経費削減についてご説明しましたが、このうち、24年度は120億円の経費削減を行います。
 39ページは、効率的なグループ経営の推進です。24年度は事務系システムの統合などを進め、より効率的・効果的な業務体制を構築していきます。また、中ほどに子会社等からのNHK財政への貢献を載せています。過去5年間の平均では、副次収入・配当金を合わせて毎年100億円規模の財政貢献がありました。子会社等の数については、10年度には65団体ありましたが、再編・統合により、現在は27団体まで減少しています。
 40ページは、環境経営です。環境経営に引き続き取り組んでいくとともに、活力ある職場づくりを推進していきます。高い使命感と責任感を有する人材の確保と育成を図り、評価、人材配置のいっそうの適正化を目指した施策を推進することなどにより、士気の向上と職場の活性化を図ります。
 41〜42ページは、建設計画です。24年度は、公共放送の機能強化のための整備について、71億円を計上して重点的に進めていく一方、安定的な放送サービス継続のための設備更新などについては、計画の見直しなどにより圧縮し、前年度比で52億減の698億円になります。
 43〜44ページは、番組アーカイブ業務勘定について記載しています。視聴料収入は、ここ2年間は前年度比で約2倍の増収で推移していますが、24年度はさらに、前年度比で12億円の増収を見込んでいます。これによって、事業収支差金の赤字を7億円まで圧縮する計画です。25年度の単年度の黒字化を目指して、さまざまな施策で増収を図っていきます。
 45ページは、受託業務等勘定です。これは、NHKホールや放送会館など、協会の施設や設備の一般利用等による収支です。24年度は、収入・支出ともに前年度と同規模となり、事業収支差金2億円を一般勘定の副次収入に繰り入れます。
 47ページには、主要公共料金等について、最後に受信料を値上げした平成2年からの料金の変動状況についてお示ししています。交通機関の料金や水道・光熱費など、ほとんどの料金が値上げしている中、受信料額は今回の値下げにより平成2年より値下がりすることになります。以上が収支予算編成要綱についての説明です。
 今後、政府からの国際放送交付金の額が変更される可能性がありますので、変更がある場合は、間に合えば次回12月20日、または1月17日の経営委員会で、変更点についてお諮りしたいと考えています。また、この収支予算編成要綱についてご了承いただければ、放送法施行規則の書式にのっとり24年度の予算総則等を定め、予算書の作成に入りたいと思います。

 (大滝委員)

 資料の17ページの一番下に、地域24年度予算の放送番組費149.3億円以外にも、全国放送番組費などの費用で実施されているという注記があるのですが、実際に地域放送にかけることができる費用は、大体どのくらいなのかお分かりになりますか。

 (石田理事)

 申し訳ありませんが、今すぐには分かりません。報道などは、災害や事故などがその年にどこで起こるかによって地域放送の経費は変わってくると思います。

 (大滝委員)

 後でも結構ですので、教えてください。

 (塚田理事)

 局によって、全国放送向け番組の数などが違いますので、そのことも含めて検討してみます。

 (井原委員)

 基本的に次期経営計画に合わせて数字を入れていただいているので、次期経営計画で問題になったことについてお尋ねしますが、1つ目は、建設費についてです。資料の41ページについて、今回の要綱から予算書にこのままの数字を置くという観点から伺いますと、ここには公共放送の機能強化という事項が表されていますが、費目には区分していません。当然費目に区分しなければいけないのではと思うのですが、今後どのように費目に区分するのか確認したいと思います。そして、先ほどの石田理事のご説明からすると、建設費を圧縮したことにより放送会館の運用費、あるいは安定的な放送サービス継続のための設備維持費が上がることから、公共放送としての役割を果たせる状況になっていると考えてよろしいのですねという確認です。

 (石田理事)

 ご質問のポイントは、公共放送の機能強化のところの区分のことですね。

 (井原委員)

 そうです。この71億円は費目に区分するのですねということです。

 (石田理事)

 これについては、最終的に予算書になるときに、費目別に全部なるのです。今回の場合は、説明の形として分かりやすいようにこのようにしたということです。

 (井原委員)

 多分、分かりやすいとは思うのですが、ほかの事項はほとんど費目に区分しているのに、この事項だけが大きな数字のまま残っています。事項としては分かりやすいのですが、費目としては分かりにくいので、きちんと区分として表記してくださいというお願いです。

 (石田理事)

 71億円の中身としては、放送網設備の整備が27億円、番組設備の整備が41億円、一般設備の整備が2億円という内訳になっています。

 (井原委員)

 分かりました。2つ目は現経営計画に関することで、次期経営計画の議論にもありました支払率についてですが、支払率は22年の国勢調査をベースにするので、23年度末は72%にしています。従来は17年の国勢調査をベースにした75%でしたので、若干違和感があるのですが、国調ベースが変わったので72%に変わったと理解すればよろしいのですか。

 (石田理事)

 22年国勢調査の速報値が出て、今後はその数字をもとに議論されていくわけですので、22年国勢調査の速報値をベースに見直しています。10ページをご覧いただくと、これまでの経緯があるので、17年国勢調査ベースは点線で示していますが、17年国勢調査ベースと22年国勢調査ベースの両方のグラフを示し、以前とのトレンドが分かるような形で図をお示ししています。確定値はまだでしたよね。

 (大西理事)

 まだです。確定値は決算の時です。

 (井原委員)

 9ページの表の下のかっこの中にある、「有料契約対象数は」と記載がある部分を読みなさいということですね。

 (石田理事)

 そういうことです。

 (井原委員)

 もう1つは、先ほど、若者の接触者率が非常に問題だと言いながら、昨年度は広報の項目の中に若者に対する理解促進を事項として挙げていたと思うのですが、今回は若者に対する理解促進の記載を落としているのですが、一定の成果を見たと考えていいのか、「公共放送・受信料制度への理解促進」の中に入れ込んでいるので、事項としての表現にはしていないということなのでしょうか。

 (塚田理事)

 若者に対する理解促進は、大事なことだと思っていますので、引き続き行っていきます。ただし、もう1つ広報関係の取り組みで考えているのは、この前の経営委員会で、受信料制度への理解促進に向けての周知広報、「プロジェクト810」を立ち上げたという話をさせていただきました。次期経営計画で掲げた衛星契約の増加などで810億円の増収を3か年で図っていくために、営業に資するものにも少しウェイトを置きながら、引き続き若者対策の施策も行っていきます。

 (井原委員)

 ぜひその点についてはお願いいたします。

 (勝又委員)

 資料の18ページ、報道取材費に関する質問ですが、いろいろな経費を積み上げた結果の数字として、海外取材が31.3億円と書かれているのだと思いますが、この経費の中身について、支局の維持、支局の職員のための経費と、実際の取材経費、例えば日本のスタッフが海外に取材に行ったりする際の経費との比率がどのぐらいなのかということを知りたいと思います。公共放送の使命という中に、報道に対する期待が非常に大きいと思います。その場合に、もう少し突っ込んだ海外取材というのが、これからは必要ではないかなという気がします。一般的にニュース報道を見ていると、支局の記者が呼び出されて現地情勢を報告するということが多いようです。常駐しているからこそできる分析や深い解説みたいなものが、もう少し海外支局から発信されてもいいのではないかという気もしています。海外取材経費について、中身を今すぐ細かく教えてくださいということではないのですが、本当はもう少しあったほうがいいのか、これが妥当な金額なのか検討するうえでも中身を伺えればと思います。

 (石田理事)

 海外取材費の31.3億円のうち、海外総支局の運営費、事務所賃借料などが約21億円になっています。それから、いわゆる報道取材の費用が約5億円、また、現地でのニュース購入に約4億円というような形で予算を組んでいます。

 

 

4 報告事項

 (1) 予算の執行状況(平成23年10月末)(資料)

 (數土委員長)

 特段の質問等がなければ、資料配付のみで報告に代えさせていただきたいと思います。

 

 

5 その他

 (1) 平成23年度秋季交渉の結果について(資料)

 (吉国理事)

 平成23年秋季交渉の結果について説明させていただきます。NHKの場合、日放労(日本放送労働組合)との交渉を、春と秋2回行っており、秋は主に制度要求などを中心に協議しています。11月20日から中央交渉が行われ、22日に収束しましたので、その結果についてご報告します。主な項目は、「次期経営計画」「専任職制度」「ワークライフバランス」「協会提案」「東京電力福島第一原子力発電所事故関連」です。
 まず、次期経営計画については、3か年で280人程度の人員削減をどのように進めていくのかについて議論が集中しました。協会側からは、全部門で業務の「棚卸し」や「選択と集中」にしっかりと取り組んで、必要なパワーを確保することや、不断の業務の見直しに取り組むことで、繁忙感の解消に努めていくことを説明し、一定の理解を得ています。なお、日放労の組織として本部の放送センターには、放送系列・技術系列・管地系列(管理・地域系列)の3つの系列があり、それぞれで経営協議会の開催を求める意見が組合側から出されましたが、年に数度、組合中央と経営協議会を開催していることから、応じませんでした。
 専任職制度については、昨年も議論になったのですが、主に、専任職の理念、専門性、上位層のイメージなどについて議論しました。専任職制度は導入から8年が経過した職員制度で、考え方としては豊富な実務経験と専門的知識・技能を有する担当業務の専門家として、管理職のような経営資源の管理は行わないものの、専門分野における幅広い判断を含む業務を自立的に行う職群と位置づけています。専任職に、積極的に職場のリーダーとして活躍してもらうためにも、実態についていろいろな指摘がありましたので、それを受けとめて管理職に対する専任職制度の周知・啓発を進め、専任職のモチベーションを高めていきたいと思っています。ワークライフバランスについては、次期経営計画に掲げていることもあり、放送・サービスの質を向上させるため、活力ある職場づくりを進めるということで、交渉の中で組合からは、緊急時の託児サービスの整備について要望も挙がりました。検討した結果、経費やスペース面での運営が困難であることを示す一方、既存のいろいろな助成制度を利用してほしいということを説明しています。在宅勤務制度については、25年度中に試行することを説明し、組合からは前進として理解を得ています。
 次に、今次交渉での協会の提案についてです。NHK共済会は職員の福利厚生を事業目的とした財団法人ですが、法令により一般財団法人に移行する予定です。そのため共済会で行っている一部の制度について、新たに適用される業法に従った運営の見直しなどが必要になりますので、その点について提案し、合意しています。また、協会では旅費の支給において鉄道利用か航空利用かの基準を設けていますが、昨今の鉄道利便性の向上や交通事情の変化に合わせて鉄道・航空利用基準の変更を提案し、合意しました。
 最後に、東京電力福島第一原子力発電所事故関連について、組合は住民が避難している原発周辺地域での業務に何らかの施策を講じるよう求めてきました。協会としても、原発周辺地域での業務については、放射線の影響や精神的労苦など、原子力災害の特殊性を踏まえ、より配慮が必要と判断しました。このため、行政が立ち入りを制限している警戒区域および、計画的避難区域において業務を行った場合、一定の措置を行うこととしました。
 今後も組合とは、毎年、秋と春の交渉のほかに、随時さまざまな課題について意見交換を行っており、引き続き、労使の健全な関係の維持に努めていきたいと思っています。

 (大滝委員)

 吉国理事からご説明があった専任職制度については、ニュアンスがよく分からなかったのですが、職員の中では、専任職を選択するインセンティブというか、モチベーションが弱いというニュアンスでおっしゃっているのですか。

 (吉国理事)

 専任職ができて8年たっており、職種によってもいろいろな違いがあるのですが、徐々に上位の層が出てきています。今まで、専任職が専門性を高めていってもその後どのような働き方になるのかがよく分からないという意見が組合からも出ています。そこをもっときちんと示してほしい、あるいは現場の管理職がまだそのことを十分に理解できてないのではないかという意見がありましたので、これから議論して詰めていこうということになっています。

 (大滝委員)

 分かりました。ありがとうございます。

 (數土委員長)

 この件につきましては、経営委員会の中で少し意見交換をするために、専任職制度について必要があればレクチャーをしていただければと思います。

 (吉国理事)

 はい、分かりました。

 (浜田委員)

 その際には、全体の職員制度や人事制度がどうなっていて、その中で専任職がどうなっているのか。それから、賃金制度がどうなっているのかを含めて説明をお願いします。

 (吉国理事)

 分かりました。必要があればそういう形で準備します。

 

 

 上記のとおり確認する。

 

 平成24年1月31日    

數 土 文 夫

 

井 原 理 代