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第1150回
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平成23年9月30日(金)公表

  ※2 審議事項(1)「次期経営計画についての意見募集」について
(2)次期経営計画について  は平成23年11月11日公表


日本放送協会第1150回経営委員会議事録
(平成23年9月13日開催分)

第1150回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1150回経営委員会

 

<会 議 日 時>

平成23年9月13日(火)午後0時00分から午後5時15分まで

 

<出 席 者>

〔委  員〕

  數 土 文 夫 安 田 喜 憲 石 島 辰太郎
    石 原   進   井 原 理 代 大 滝 精 一
    勝 又 英 子   北 原 健 児 倉 田 真由美
    幸 田 真 音   竹 中 ナ ミ 浜 田 健一郎
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔役  員〕

  松 本 会 長 小 野 副会長 永 井 技師長
  金 田 専務理事 大 西 理 事 今 井 理 事
  塚 田 理 事 吉 国 理 事 冷 水 理 事
  新 山 理 事 石 田 理 事 木 田 理 事

 

 

<場   所>
放送センター  22階経営委員会議室 21階役員会議室

 

<議   事>

 數土委員長が開会を宣言し、本日の付議事項および日程について説明。第1149回経営委員会(平成23年8月23日開催)の議事録を承認し、所要の手続きを経て、平成23年9月16日に公表することを決定した。議事終了後、経営委員による経営委員会を開催し、次期経営計画について審議した。

 

 

付議事項

1 報告事項

 (1) 平成23年度後半期の国内放送番組の編成について(資料)

 (2) 平成23年度後半期の国際放送番組の編成について(資料)

 (3) 契約・収納活動の状況(平成23年7月末)(資料)

 (4) 予算の執行状況(平成23年7月末)(資料)

 

2 審議事項

 (1) 「次期経営計画についての意見募集」について

 (2) 次期経営計画について(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)

 

 

議事経過

 

1 報告事項

 (1) 平成23年度後半期の国内放送番組の編成について(資料)

 (金田専務理事)

 資料の「平成23年度後半期の国内放送番組の編成について」と「平成23年度 後半期各波時刻表」をご覧ください。後半期の編成は、BS1を除いて各メディアとも10月3日(月)から実施します。BS1はプロ野球のシーズンオフや欧米のサマータイムの終了に伴い11月7日(月)からが後半期の開始となります。全体的に年度半ばの編成の改定ということで、大幅変更ではなく、一つ一つの番組を精査した上での並び替えや入れ替えが中心となっています。
 総合テレビは後半期からスタートする番組のうち、いくつかは10月中旬からのスタートとなります。これはご承知のように、「東日本大震災」の影響で、前半期の番組が予定の4月上旬から放送できず、10月中旬まで続くためです。まず、月曜日の夜間の新番組として、10月17日から「プロフェッショナル 仕事の流儀」を編成します。これはご好評いただいた番組であり、放送を再開するという性格のもので、大震災以降、激変する社会の中で仕事に向き合うプロの真摯な姿を追います。火曜日夜間の新番組として、ドラマ「ビターシュガー」を編成します。夜10時55分に、新たに30分のドラマ枠を新設し、10時台のドラマと合わせてお届けします。新設するドラマは、10時台と比べより気楽に見ていただけるようなものを目指します。第1シリーズは、女優のりょうさん、和久井映見さん、鈴木砂羽さんが演じるアラフォー女性3人の本音と友情を描いた10月18日スタートの「ビターシュガー」です。次に、木曜日夜間の10月27日からの新番組ですが、8時から、地球にある様々な“イチバンの地”を訪ねる新しい“紀行教養バラエティー”の「地球イチバン」を放送します。10月27日の第1回は「世界で一番暑い町」を放送する予定です。木曜日の夜10時からは「ブラタモリ」が帰ってきます。街歩きの達人のタモリさんが、軽快な会話に乗せて、街の隠れた素顔や魅力を紹介していきます。第3シリーズとなる10月20日からの放送では、新たに開発したコンパクトカメラなども導入し、街歩きの楽しさを一層深めていただく番組としています。金曜日夜間ですが、10月14日金曜日の夜10時55分からは、30代、40代の女性を応援する「ドラクロワ」の第2シリーズを放送します。「ドラクロワ」の意味は、「ドラマチックな苦労話」からとった造語で、新シリーズも、“見れば元気になる”を合言葉に、あすへの活力が湧いてくる番組として、落ち着いてテレビが視聴できる時間に放送します。女性の本音をテーマにしたオムニバスのショートコメディー集である「祝女」も、10月15日土曜日の夜11時30分から、第3シリーズをスタートします。それから、新番組の、「松本人志のコントMHK」ですが、お笑い中心の民放バラエティーとは一線を画す、本格的に作り込んだ、NHKならではのコント番組です。ドラマの新シリーズですが、「連続テレビ小説」は、世界的に有名な服飾デザイナーのコシノ一家をモデルとした大阪局制作の「カーネーション」です。日本のファッションデザイナーの草分けとして活躍しながら、のちに世界的なファッションデザイナーとなる3人の娘を女手一つで育て上げていくというヒロインの波乱万丈の物語です。また、10月からで、土曜日午後9時から10時13分に放送予定の、土曜ドラマスペシャル「神様の女房」は、松下グループの創業者であり、経営の神様と呼ばれました松下幸之助さんの奥さまを主人公に生きざまを描く、波乱万丈のヒューマンドラマです。51作目となる大河ドラマは、来年1月8日から「平清盛」を放送します。平家物語ではアンチヒーローとして描かれましたが、本作では先見的でエネルギーにあふれた男として壮大なスケールで描きます。平清盛を演じるのは俳優の松山ケンイチさんです。スペシャルドラマ「坂の上の雲」は、12月4日から25日までの日曜日夜7時30分から放送します。
 Eテレは、趣味・実用番組の新シリーズとして、「グレーテルのかまど」を10月8日の土曜日から放送します。毎回1つのお菓子を取り上げ、レシピだけでなく、そのお菓子にまつわる多彩な話題をお届けする番組です。それから、海外ドラマの新シリーズ「新ビバリーヒルズ青春白書」は、現在第2シーズンを放送していますが、11月から第3シーズンを引き続き放送します。若者向け番組の新シリーズとして、土曜日夜11時からは、「スコラ 坂本龍一 音楽の学校」を、また1月からの同じ時間帯では、名曲を通じて生きた英語を学ぶ「アンジェラ・アキのSONG BOOK in English」を放送します。アニメは、編成の枠を一部変更します。これまで土曜日の夕方6時台に編成してきたアニメの時間を、5時台からに繰り上げます。10月1日土曜日の5時30分からは、「バクマン。」の新シリーズを、また日曜日の5時30分から新たに設けるアニメ枠では、10月2日から少年たちが主役の学園アドベンチャー「ファイ・ブレイン」を放送します。「10min.ボックス」の科目変更ですが、これは理科の学校番組を短くした番組で、内容を変更します。
 BS1は、11月7日からが後半期となります。午前5時台〜8時台の編成を変更し、月曜日から土曜日の「ワールドWaveモーニング」は、サマータイムの終了などに伴い、放送時間を午前6時台・7時台から午前7時台・8時台に移します。また、東京証券取引所の現物株式の午前の取引時間が変更になることに伴い、11月21日から「東京マーケット情報」の時間を現在の11時25分から12時に移設します。それから、4時台・5時台については、「大リーグ インサイドレポート」を「NFLウイークリー」に変更し、「BSフォーラム」については「スポーツ&アンコール」ゾーンに移設します。午後6時台〜9時台の編成は、「エキサイティングスポーツ」の時間帯を変更します。「Jリーグタイム」については拡充してお届けします。午後11時台〜午前4時台の時間帯については編成を変更し、現在ご好評いただいています月曜日〜金曜日の11時台に生放送でお伝えしている「地球テレビ エル・ムンド」のダイジェスト版を、土曜日の深夜0時から放送します。平日夜間に見ることのできなかった視聴者に向けて、欧米やアジアの事情をお伝えします。また、国際放送と連携して現在午後放送している「NHKワールド ショーウィンドウゾーン」を深夜時間帯にも設定し、NHKワールドTVの番組を再放送します。
 BSプレミアムは、新たなチャンネルとしてスタートして半年がたつところで、水曜日と木曜日の夜8時台と9時台を中心にそれぞれの番組を再配置しました。水曜日は夜8時台を「Amazing Voice驚異の歌声」に、その後の夜9時台を「たけし アート☆ビート」に変更しました。木曜日は、夜8時台を「BS歴史館」、夜9時台を「世界ふれあい街歩き」としています。新番組として10月11日火曜日夜7時30分からは、現在BSプレミアムの土曜7時から放送している大型自然番組「体感!グレートネイチャー」の中から、特選映像を凝縮してお届けする「驚き!地球!グレートネイチャー」を放送します。また、10月6日木曜日の夜10時から「SONGSプレミアム」を編成し、総合テレビの「SONGS」の中からえりすぐりの回を57分サイズで放送するものです。10月7日金曜日の夜9時からは、向井理さんをナビゲーターに、世界遺産の魅力とそこに生きてきた人たちの息遣いを伝える「世界遺産 時を刻む」を放送します。ドラマでは、10月7日金曜日の夜10時から、「日韓共同制作ドラマ「赤と黒」」を全17回シリーズで放送します。また、資料の「平成23年度 後半期各波時刻表」では“ミニ番組”などと記載していますが、10月からはEテレで好評のアニメ「忍たま乱太郎」を日曜日午前8時45分から、また月曜日〜木曜日のお昼0時45分にも連日アニメを編成するなど、親子視聴を意識した時間帯も新たに設定します。
 ラジオ第1は、木曜日と金曜日の夜間にプロ野球中継を放送していますが、シーズンオフとなるため、木曜日の夜8時台に、桐島かれんさんをパーソナリティとした20代〜40代前半の女性に向けた「かれんスタイル」を放送します。また、日曜日のお昼3時台には、リニューアルしたNHKスタジオパークで公開収録を行う「スタパ落語会」もスタートします。ラジオ第2は、夜11時台から0時台に放送している「NHK高校講座」の課目の入れ替えのみの変更です。ワンセグでは、「モバイル週間ニュース」を夕方5時台から6時台に移設しました。なお、FMは前半期からの変更はありせん。

 (浜田委員)

 「視聴者のみなさまと語る会」に何度か出席したときに、必ず出る意見として、いわゆる「NHKの民放化」について、どちらかというと否定的な意見が多いのではないかと思いますが、現時点で、それについてはどのようにお考えなのかをお聞かせ願いたいと思います。

 (金田専務理事)

 民放化ということの意味について、分析や議論を行っています。公共放送としてのNHK番組を見たときに、すぐにNHKだとご理解いただくと同時に、これまでの方法で今までご満足いただいている方は引き続きご満足いただきたいですし、まだご覧いただくことが少なかった方たちにも、これからきちんとアプローチしていかなければいけないということです。NHKらしさを維持し、ブランドイメージを確保したまま、新しい視聴者を取り込んでいけるような工夫をしていきたいと思っています。ただし、これは短期間でできることではなく、試行錯誤しながら徐々にそういう形にもっていくとうことですので、冒頭に申し上げましたように、年度途中の改定ということで、後半期は全体的に大きな改定にはなっていません。

 

 (2) 平成23年度後半期の国際放送番組の編成について(資料)

 (今井理事)

 平成23年度の後半期の国際放送番組編成についてご報告します。後半期の番組編成については原則10月3日から実施しますが、新設の番組、それからサマータイムの終了に伴う放送時間の変更等については実施日が異なっているものがあります。後半期については前半期と大きな編成上の変更はありませんが、テレビ国際放送では、週末の情報番組の強化を図っています。資料に記載していますが、来年1月から「Science View」という番組を新設します。日本の最先端の科学技術を外国人に分かりやすく紹介する番組です。教育テレビで放送しています「サイエンスZERO」という番組の素材を活用しますが、単に日本語の放送を翻訳するというのではなく、独自の視点も加えて作りたいと考えています。それから、総合テレビで放送が再開される「プロフェッショナル 仕事の流儀」については、12月から英語化してNHKワールドTVで放送します。それから、「Fudoki−Culture and Topography of Japan−」という番組を新設します。これはBSプレミアムで放送している「もういちど、ニッポン」という番組で使われている映像素材を外国人に向けに編集した、いわば“ワンポイント日本文化紹介”といったものになっています。それから、「WORLD HERITAGE WONDERS」も新設します。これは総合テレビで放送している「シリーズ世界遺産100」の中から、アジア・オセアニア地域を厳選して放送します。一方、ラジオ国際放送では、プロ野球ナイトゲーム終了に伴う日本語サービスの放送時間の一部変更、外国人向けの放送では、サマータイム終了に伴う放送時間の変更を行うほか、インド向けの放送強化としてヒンディー語の放送枠を一枠増やすことにしています。

 (數土委員長)

 この資料には記載されていませんが、JIB(日本国際放送)は、独自放送として1週間に30分の1枠、合わせて3時間の放送を持っていますね。今度の次期経営計画で説明してもらえるとは思っていますが、1.5倍とか2倍に増やしていくように、NHKとしては求めていくべきではないかと思うのですが、後期の編成は、従来と同じだということですか。

 (今井理事)

 JIBが独自事業として取り組んでいる番組については、放送枠をNHKのテレビ国際放送が提供しているということになります。もちろんNHKが株主でもありますので、番組の充実をお願いしていますが、なかなかスポンサーが見つからない状況があるようです。これについては、独自番組の開発、放送を増やすように引き続き働きかけていきたいと思います。現在検討している3か年経営計画の間に、JIBの在り方について見直しの時期を迎えますので、どのようにNHKとJIBが国際放送に取り組んでいくかについても検討していきたいと考えています。

 

 (3) 契約・収納活動の状況(平成23年7月末)(資料)

 (4) 予算の執行状況(平成23年7月末)(資料)

 (數土委員長)

 報告事項(3)「契約・収納活動の状況」および(4)「予算の執行状況」については、議事のスケジュールの関係もありますので、質問等がなければ、資料配布のみで報告に代えさせていただきたいと思います。

 ―異議なし―

 

 

 

2 審議事項

 (1) 「次期経営計画についての意見募集」について

 (松本会長)

 平成24年度からの次期経営計画を検討するに際して、執行部としては、広く視聴者のみなさまのご意見を募り、検討の参考にすることが必要だと考えています。執行部が作成した意見募集案の概要と内容については、先週の9月5日に、経営委員会事務局から委員のみなさんにお送りしています。9月8日の定例の会長会見でも、意見募集の実施について、記者から質問があり、私から「NHKは、法律で義務付けられてはいないが、前回の経営計画策定の際も行っていることや視聴者のみなさまの関心が高いこともあり、実施した方がいいと思っている。経営委員会にも説明していきたい。」と答えました。意見募集の実施にご理解いただきますようお願いします。詳しくは、担当の石田理事からご説明いたします。
 (石田理事)
 それでは、「次期経営計画についての意見募集(案)」について、その概要をご説明します。募集方法は、インターネット、郵送、ファクシミリで行います。NHKオンラインのトップページに掲示し、専用のメールフォームを開設します。ファクシミリは専用の電話番号を設けます。募集期間は、9月15日(木)から28日(水)までの2週間です。いただいたご意見は、次期経営計画を経営委員会で議決していただいた後、主な意見をジャンル別などに要約したうえで、NHKとしての考え方を付けて、ホームページで公表します。周知公表については、マスコミへの報道発表、テレビやラジオのスポットや番組を利用してお知らせします。
 具体的な内容については、前文、質問項目の前の文章で、次期経営計画を策定するにあたっての状況認識を説明しています。東日本大震災を踏まえ、公共放送の役割を再認識したこと、東北3県を除く44都道府県でテレビのデジタル化が実施され、放送と通信の融合がますます加速する中で、ニュースや番組をさまざまな手段でお届けすることが重要になってきていることなどを記します。そのうえで、7つの質問項目を示します。質問の1から3は、公共放送の役割、とりわけ放送を中心とする、サービスの強化・充実に関するものです。1は、東日本大震災を踏まえ、国民のみなさまの安全と安心を守るため、放送機能や災害報道体制の強化についてお尋ねします。2は、NHKの取材・制作力を結集して、公共放送として公平・公正、多様で質の高い番組を制作すること、地域の活性化や海外への情報発信の強化に努めていくことなどについてお尋ねします。3は、インターネットを含めた、さまざまな伝送手段を利用した新たなサービスの充実についてお尋ねします。4は、10%還元策についてです。現在の経営計画の記述を引用したうえで、どのような内容が考えられるかお尋ねします。5は、経営の改革について、効率的な経営体制の構築と経費の削減等についてお尋ねします。6は、受信料について、収入を確保するための契約・収納活動の強化、効率的な営業活動の推進についてお尋ねします。最後に7つ目として、その他のご意見を伺うことにしています。NHKオンラインに専用のメールフォームを設けます。質問ごとに400字以内で記入していただくことにしています。なお、連絡先の記入方法や注意事項についても付記します。また、視聴者のみなさまからの意見募集とは別に、NHKおよび関連団体の職員に対しても、意見を聞きたいと考えています。ご理解いただけましたら、できれば本日資料を記者クラブにも配布したいと思っています。よろしくお願いいたします。

 (數土委員長)

 ただいまの執行部からの説明に対し、ご意見、ご質問等はありますか。なお、質問は2、3件ずつまとめて執行部にお答えいただきたいと思います。

 (勝又委員)

 まず、1点質問があります。7つの質問の前提としてどのような次期経営計画なのかという全体像が分かるような資料がつくのでしょうか。もしそういうものがなくて、1問1問の質問が唐突に出てくると、経営計画全体がどうなのかということが分からないなかで、個別のコメントをもらうことは、ある意味で難しいのではないかという気がします。それから、1つ1つの質問で、「これについてあなたはどのようにお考えですか」と書いてあります。すべての質問が具体性のない聞き方で、私はこれでパブリックコメントを求めて、何が出てくるのかなという疑問を感じます。

 (竹中委員)

 パブリックコメントを求めるということは、国民から受信料をいただいていることで成り立っている組織ですから、これは絶対に必要で、「視聴者のみなさまと語る会」なども開催していますが、そこに参加できないけれども、多様な意見を持った方がいらっしゃると思いますので、ぜひ、真摯に対応していただきたいと思います。しかし、勝又委員がおっしゃったように、各項目のバックグランドになるような資料は付けたうえで、こういうコメントを求められるべきであると思います。

 (石原委員)

 毎回、このような形で行っているのでしょうか。質問は前回と同じような内容なのでしょうか。この質問内容だと大した意見は出てこないと思います。私は、これならやる必要がないのではないかという感じがしました。

 (石田理事)

 もっと詳しい内容を付けてお尋ねするという方法ですが、前回の3年前のときは、かなり議論が進んでいましたので、詳細の内容をつけたうえで質問してパブリックコメントを求めました。今回の場合は、お配りした資料をもとに、これからまさに経営計画の中身を議論するところですので、こういう形になっているということです。それからもう1点、漠然とした質問ではないかということについては、前回も172件のご意見をいただき、皆さんそれぞれ考えていらっしゃいますし、個人ではなくても団体で意見も来たりします。震災後のインターネットでの調査でもそれ相応のご意見が、これまでも出てきていますので、こちらからこういう案はどうかということを限定的に聞かなくても、ご意見が出てくると考えています。

 (數土委員長)

 今までとは違って、経営計画とはどういう内容か分からないのに、質問してもなかなか答えようがないのではないかということです。それから、タイミング的にもなぜ今なのかということだと思います。今まで経営委員会のメンバーはほとんどパブリックコメントというものについて説明を受けていなかったのです。

 (北原委員)

 私は、いろいろな意見が出て来ると思います。応じて来る人や団体はかなり問題意識を持った人が多いでしょうから、そうでない人は応募してこないと思います。これをどう活用するかが最大の問題です。仮に、10%還元の問題について、経営委員会と違う意見が出てきたらどうするのですか。NHKの経営計画については、経営委員会が執行部の策定した案を承認して、はじめて日の目をみるということですね。このパブリックコメントは、会長がご説明したように法律的に義務づけられているものではないのですが、広く視聴者に意見を聞いてみようという発想で行っているわけです。われわれは責任をもって経営計画について審議し、議決するという立場であるわけです。仮に違う方向性が大きく出てきたような時には、どうされるのですか。

 (井原委員)

 今まで皆さんがおっしゃったことと似ていますが、私は基本的に視聴者や国民に非常に影響のある経営計画ですので、パブリックコメントという手続きは行うべきだと考えています。ただし、パブリックコメントが依拠する行政手続法の考え方として、できる限り質問の内容が具体的であることが本来の意図だと思います。もう1点、出てきた意見をどう活用するかについては、責任をもって決定する側が受け止めるしかないと思います。

 (幸田委員)

 皆さんとまったく同感です。もう少し、われわれが議論をして、例えばいろいろなところで迷いが出て、どうなのだろうと考えたときに、パブリックの感覚を得るための質問項目が出てくるかもしれないので、今ではなくて、もう少し、経営委員会の中での議論が進んでからのほうがいいのではないかという気がしています。

 (倉田委員)

 前回、意見募集をされたときのことが参考になるかと思うのですが、どれくらいの数が返ってくることが期待できるのかということと、こういう方法で行うと、強く主張する人の意見が多くなってしまうのではないかという気もします。北原委員がおっしゃるように、返ってきたものをどのように咀嚼(そしゃく)して、どのように活用していくかについて伺いたいと思います。

 (松本会長)

 決まった案について、これはどうですかと質問した場合、答えがイエスかノーになってしまいます。それこそ、なかなか難しいと思います。方向が決まる前ですので、このような形の概括した聞き方になりますが、意見のある方は、具体的な質問以外にもいろいろ書いていただいていいように枠を設けているわけです。そして、経営計画は経営委員会での議決事項ですので、経営委員会として、それらの意見をどのように参考とするかは、委員会の中での判断ということになります。必ずしもこれに拘束されるわけではないと思いますが、参考にすることは必要だと思います。NHKの場合は、法律上それを義務づけられているわけではありません。しかし、過去の経緯を見ますと、NHK予算に付する総務大臣意見の中で広く国民の意見を聞きながら検討するとか、あるいは、総務委員会の付帯決議の中でも、そういう意見を聞きながら総合的な検討を行うべきということが示されていますので、やはりそういう手続きを取ったほうがいいというのがわれわれの考えです。それから、答える中身はほとんど記載式ですので、その中にいろいろなことが書かれるということです。石田理事が説明しましたように、前回は、何回も検討したあとで聞いたものですから、その時期に聞いた中身とは検討案が違ってきます。前回返ってきた意見は172件でした。個人で意見を言われる方もいますし、例えば民放連や新聞協会など団体として意見を言われるものもありました。ホームページにも掲載しますので、全視聴者、国民、あるいは全団体のどこも意見を言えるような場ができたという意味があります。したがって、そういう中で、幅広く意見を聞くというと、今の時期だと包括的なものになります。なぜ,今の時期かというと、これから審議が深まっていきますが、その前段でそういう幅広い形で聞いて、それを集約して反映させるということです。石田理事が説明したスケジュールで行うとすると、期間は2週間です。そうすると、次の経営委員会の前には、だいたいのところまではいただいた意見を集約できると思います。次の経営委員会で大体のことをご報告し、さらに、その次の回には募集結果をまとめたものを報告します。計画案が全部できたときには、こういう募集結果でしたというものを後刻公表するという手順です。

 (石島委員)

 今までの発言とほとんど同じになるかもしれませんが、求めているものは、かなり総論的な意見ですよね。理想論で言えば、会長がおっしゃっているような趣旨で実施するとすれば、経営計画に対する検討が始まる前に収集されていることがむしろ望ましいのではないかと思います。これを実施して、その結果をどのように整理するのかについては、十分考えておく必要があると思います。できればその部分の考えも伺っておきたいと思います。

 (大滝委員)

 先ほど、石田理事が、NHK本体や関連団体にも意見を募集するということをご説明されたのですが、これは、これまでもずっと行っているのですか。また、それはどのようにして実施していくのでしょうか。

 (勝又委員)

 会長がおっしゃったようにイエスかノーかを求めるというレベルのものではないとは思いますが、これから審議しようというものを、いきなり経営委員会で話していない前に、パブリックコメントを求めるのであれば、石島委員がおっしゃったようにまっさらの時に求めるのか、あるいは少なくとももう少し議論があってから、求めるべきですし、こういう質問でいいのかについても、経営委員会と一緒に考えるべきではないかと思います。

 (松本会長)

 時期の問題ですが、出来上がってから聞くのか、事前に聞くのかについては、事前に聞いて、それを参考にするというものです。案が出来上がる前に聞くことが手続き上必要であるということです。もう1つは、どうしても一定の期間がかかります。したがって、その期間を考えますと、幅広い形で意見を聞いておくのが今の段階のパブリックコメントではないかと考えています。その質問内容で意見募集しますが、最後にどんなことでも書いてくださいと記載しています。ふだん、NHKに対して、いろいろな事柄について考えておられることがあると思うのですね。それはこの中で、吸収するということです。私は、この質問内容で項目は網羅されているのではないかと思います。項目は大きいですが、トータルとしては網羅されていて、それ以外のことも記載できるようにしています。

 (數土委員長)

 私は、各委員の皆さんと同じタイミングで聞いて、皆さんの了解が得られれば、経営委員会と執行部の共同のパブリックコメントとしてNHKが求める、という形で実施することができればと思ったのです。それで、こういう場で説明してほしいと思ったのです。松本会長、石田理事が説明された案について私がどう思ったかについては、留保しているわけです。私が言うまでもなく、皆さんは問題ありと考えておられるのではないかと思うのですが、ちなみに、執行部の原案とおり了解して、修正なしできょう行ってもいいと思っておられる方は挙手をお願いします。

 (竹中委員)

 補足の資料を添えるというのは、修正に入るのですか。

 (數土委員長)

 今、私がお伺いしているのは、原案を修正なしに、出していいかということです。皆さんから提示されたのは、タイミング、具体的に経営委員会、執行部が何を考えているのかという資料、設問内容についてもチェックをしたほうがいいのではないかということです。募集結果をどうやって参考にし、ハンドリングするのかということ。それから、委員会で十分に討議されているのかどうか、大滝委員がおっしゃったのは、公平というものを担保できるのかということを委員会で確認したいと思われたのではないかと思うのですが、そういうことが議論になりました。その上で、原案のとおりそのまま採用してもいいと思われる方がおられたら、手を上げていただきたいということを申し上げたわけです。

 (松本会長)

 職員に対しては、前回も今までの計画を策定する際に意見を聞いています。この意見募集とはまったく関係なく、部内の参考のためです。

 (竹中委員)

 これに対するパブリックコメントの結果が、まだ私たちが議論している最中に来るのであれば、それは有効だと思います。ここだけの視点ではない視点のご意見が出てくる可能性があるので、それは排除しないほうが、受信料をいただいている組織としては必要だと思います。私は、今のタイミングで出して返ってきたものを含めて、経営委員会での議論に入れていくという意味では、賛成です。

 (幸田委員)

 1つ気になるのは、ここのところわれわれが知らないにもかかわらず、経営計画の骨子のようなものが新聞各紙に出てしまうことです。それがあらかじめ一般の方々にインプットされている段階で、これを行うと、報道された情報を元にした意見が出てきて、それが前提になるのではないかということを危惧します。

 (數土委員長)

 これは、必要だということであれば、修正だとか、もう少し時間をかけて行うと言われた方がいいと思います。きょう30分で認めてもらおうと私は実は思っていたのですが、今の皆さんの話を聞いたらそうではなさそうだということです。それを認めてもらえるかどうかということを、委員長として尋ねているのです。

 (北原委員)

 このままやるかどうかは別にして、パブリックコメントというのは、NHK執行部が主体的に実施する行為なのです。ですから経営計画を作る上で、広く視聴者やいろいろな団体から意見を聞くということは有意義だと思います。ただし、先ほどからいろいろな議論があったように、このまま行うのかどうか、今の時点でどうなのかということです。それから経営計画の審議というのは経営委員会の専管的事項です。それをパブリックコメントでより裾野を広げた形で聞くわけで、やることはいいと思います。また、経営委員会のOKがないとできないということではありません。しかし、タイミングがどうかとか、質問項目がどうだとか、集まった意見をどう集約してどう反映させるのかという点については、若干議論もありましたので、もう少し考えたらどうですか。

 (松本会長)

 経営委員会の議論に反映させるために、パブリックコメントは事前に行っておく必要があると思いますし、やらなかったら、国会をはじめいろいろなところで、なぜやらなかったのかという話になると思うのです。手続き的にも経営委員会で議論をしている途中に、パブリックコメントの集約ができて、それを皆さんがご覧になり、参考にするという形、そういうスケジュールが必要と思います。この中身で足りるのか足りないのかについては、大きな項目の中で足りないものはないと思います。最大公約数で必要なものは全部入っていると判断しています。

 (數土委員長)

 今の意見には、非常に異議があります。なぜかというと、そういう重要なものを、なぜ2か月、3か月前に提示しなかったのかということです。

 (松本会長)

 いろいろなものを議論してきて、その骨格ができてきたところですから。

 (數土委員長)

 こういう重要なものがあるから、経営委員会と執行部との間で、2か月、3か月前にこれはどうしようかということがあってもいいのではないでしょうか。今皆さんが提起された問題を腑(ふ)に落ちるようにしてから、始めるのではないでしょうか。その時間を取ってくださいと。なぜ、取らなかったのかということを、経営委員会としては今、執行部に伝えている意見だと思いますよ。

 (松本会長)

 それはそうですね。そのようなことを踏まえてこういう中身になっているということを説明している訳です。

 (數土委員長)

 われわれは執行部に対して敬意を表しようとしています。しかし執行部も、すぐに認めてくれというやり方は、いかがなものかと思います。今、これだけ聞いてもらったら、無条件でいいという意見は1人もおられないわけです。それは、NHKと執行部の経営委員の間のやり方として非常に重要なことだと思います。今、会長も言われたように、これをやっていないということになると、国会で大変なことになるということであれば、われわれもそれに対して同意するでしょう。ただし、急にこういうことを言ってきて、タイミングはいつにするのか、どう反映するのか、そうはいっても委員会で2回か3回の時間は取らせてくださいとか、そういう手続きはやはり必要だと思います。

 (石原委員)

 ホームページに掲載して、そこからいろいろな人の意見が入ってきます。そのことと、松本会長の話を聞いていると、非常に大事なものであり、一方では手続き上やらなければならないものです。あまり難しく捉えないで実施したらいいのではないでしょうか。時間もないのですよ。

 (井原委員)

 私はやはり、やるべきだと思います。視聴者や国民に向いたNHKとして、絶対にやるべきだと思います。しかし、やはりタイミングが少し遅いと率直に感じます。少し修正してはどうでしょうか。例えば10%還元について、今の時点でインターネット等に関することまで問う必要があるかどうかです。ほぼよいと思うのですが、今の現実を踏まえて、もう少し現実に近い内容に修正できるところはしたらどうかと思います。

 (北原委員)

 タイムリミットはきょうでなければだめなのですか。

 (石田理事)

 これ以上遅らせて、2週間で意見集約して議論をするとなると、正直ぎりぎりのタイミングです。

 (北原委員)

 要するにやるなと言っている人はだれもいないのです。突然こういう話が来るからみんな問題視しているわけです。必要があるなら、やればいい。

 (石原委員)

 こういうことがあること自体知りませんでした。

 (石田理事)

 前回の経営委員会のときに説明しようとして準備していたのですが、結局前回の経営委員会で説明できなかったのです。本当は前の経営委員会でご説明させていただいて、ご議論を受けて行えばもう少し時間的余裕があったのですが、それができない状況になったということです。執行部としては、会長がご説明したように、次の経営委員会の時までには、締め切り日が来ていないのですが、途中段階での概要をその中でご説明して、10月11日には全部まとめたものをご報告して、それを反映させて10月最後の経営委員会で議決をいただきたいと想定しているところです。視聴者の皆さまからのご意見を伺って、それを経営委員会での議論を見た上で、この案について最終的に判断したいということから考えると、もうかなりぎりぎりのタイミングです。

 (竹中委員)

 何週間か前に、これを説明する準備をされていたという話を私は初めて聞いたのでのですが、もし、それが本当だったら、委員長がそれを私たちに諮っていただかなかったのは、理由があるのですか。

 (數土委員長)

 前回の経営委員会の開始前に、パブリックコメントの募集を行いたいという打診がありましたが、それは経営委員会の場で出して下さいと伝えました。それがきょうの場なのです。

 (松本会長)

 これまでこういうパブリックコメントもやっているし、それから国会決議などもありますから、執行部としては、これは必要ですとその時ご説明しました。そして、経営委員会と一緒に行うために、それから時間をおいて、きょうお話ししました。ただ、それでも、この場で突然お話したのでは申し訳ないということで、資料を事前に送らせていただいて、もしご意見があれば先にいただこうと思っていたのです。きょう、いろいろなご意見があったのですが、状況はそういうことです。これについては、意見募集の手続きをするという立場で、議論を深めていただけたらと思います。

 (安田代行)

 今までのご意見を聞いていて、経営計画の原案は経営委員ではなくて執行部が作るわけですから、執行部が原案を作るためにパブリックコメントは必要だとお考えだったと思うのです。時間もせまっていることですので、松本会長としては原案を作るためにどうしてもパブリックコメントが必要だと言われているので、認めていくしかないのではないでしょうか。

 (數土委員長)

 前回この話を聞いたときに、これは問題の性質上、私に聞かれたということは、経営委員会に聞かれたということで、これは経営委員会のみんなの前で説明していただかないことにはだめだと言ったのです。そのときも、時間がないからなんとかして行いたいということで、それであれば、執行部の責任でやってくださいと言ったのです。そういう経緯で、いろいろ考えられてこの場に至っているのです。ただし、私も申し上げていることは、石原委員と同じように、こういうことをまったく反対しているわけではないのです。NHKとして出したいと、了解をもらっておかないとだめだということです。きょう皆さんからいろいろな注文があって、本質的な注文が非常に含まれている。しかし、時間がないという理由は一番だめで、そういうことをやるのであれば、経営委員会に対して、今後すべて時間の余裕をもって協議するということを心にとどめておくので実施したいということだとまだ分かるということです。

 (北原委員)

 ある日、突然ではだめだということですよ。

 (數土委員長)

 もう一度言いますが、時間がないから委ねてもいいという意見が出ましたが、経営委員に対してこういう重要なことを諮る場合は、「経営委員会の事務局と執行部の事務局の間で話をして、事務局からわれわれも聞いて意見のやり取りを十分に行ったうえで進めるという、準備段階と作戦を練った方法で行います。申し訳ありません」という話があれば、われわれも議論しやすいのです。

 (竹中委員)

 申し訳なかったと言わせるような雰囲気にすることはやめておきましょう。

 (數土委員長)

 どうしてですか。われわれは権利があるのですから。

 (北原委員)

 これは前例としないと。われわれは不満だけれども、時間が切迫しているのだから、やむをえない。認めますよ。

 (勝又委員)

 今のご説明の中で、10月末の経営委員会で議決しようということで、それは執行部の長年のご経験のなかでそういうスケジュールを立てていらっしゃると思うのですが、次期経営計画の議決が2週間、あるいは1か月遅れる場合、予算審議の関係などにどういうインパクトがあるのでしょうか。

 (石田理事)

 予算審議は関係があります。予算は24年度単年度の予算事業計画は、1月の17日18日の経営委員会で議決して、総務大臣に提出しないと国会の審議が間に合いません。これはこれまでずっとこのタイミングで行ってきています。普通の予定でいいますと、10月の末に経営計画を議決して、24年度は初年度ですから、この計画に基づいて単年度の予算や事業計画を立てます。10月に議決したあと、11月からは単年度の事業計画の策定に取りかかって、11月に2回、予算編成の考え方とスケジュール、予算編成方針、12月に予算編成要綱、それから12月の末に政府予算が決まったところで、国際放送の交付金などに修正を加えて、1月の経営委員会で議決いただいて、即日総務大臣に提出するという日程になります。ですので、やはり執行部としては、10月25日の経営委員会で議決をもらうように審議していただきたいと思っています。

 (數土委員長)

 石田理事、その説明を3か月前にしておいていただいたら本当に丸く収まったのです。それを申し上げているわけです。私はそう思っています。

 (浜田委員)

 パブリックコメントは、手続き的に必要ということもあるでしょうから、その意味では、結論から言えば石原委員と同じ意見です。やるということであればそれを認めてもいいのではないかと思っています。

 (數土委員長)

 いろいろありますが、時間的な制約もありますので、質問を変えます。執行部がパブリックコメントとして、経営委員の了解をもらったという形で、実施するということについては、反対はしないという方は手を上げてください。

 −全委員挙手−

 

 (數土委員長)

 松本会長、これでよろしいでしょうか。

 (北原委員)

 こういうことはあまり繰り返さないでください。言いたいのはそこだけなのです。

 (松本会長)

 こういう時間的な制約がある案件は、前もっていろいろな準備をしていくのがいいと思います。パブリックコメントを行うというのは、事務的にはお話してきたことだと思いますが、準備とスタートをどのようにやっていくのかについては、タイミングをきちんとみるということが大切だと思います。

 (井原委員)

 1点だけ申し上げます。会長は、これですべて網羅していて問題ないということなのですが、やはり、最初に出そうとしたときよりは、時期が遅くなっていると思うのです。現実が動いている今の時点で、ちょっとした表現であるとか、それに問題がないかどうか確認していただくということをお願いしたいと思います。今さら何を聞くと言われないような、その姿勢は示すべきだと思います。

 (數土委員長)

 こういう案件は、ぎりぎりに持って来られるのではなくて、早めに事務局を通してお願いしたいと思います。すべてに対して、早め早めにということは非常に重要なことです。もう一度確認のため、今のままでも認めるという方は挙手をお願いします。反対の人は挙手しなくて結構です。

 (勝又委員)

 先ほどの井原委員の意見に関連してですが、10%還元の一部については削除した方がいいと思います。

 (松本会長)

 分かりました。そうします。

 (數土委員長)

 それでは、これは承認されました。カンファタブルな状態で承認したということではなくて、非常に注文があったということです。事務局としてもよろしくお願いします。

 (松本会長)

 ご指摘いただいたところを修正して、本日夕刻に報告します。どうもいろいろとありがとうございました。

 

 (2) 次期経営計画について(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)

 (數土委員長)

 最初に、井原委員から監査委員会委員としてご発言があります。
 (井原委員)
 8月23日の経営委員会で、監査委員会として次期経営計画の審議の開始にあたり、経営計画の議決まで審議プロセスにおける情報管理の徹底をお願いしたところです。先の会長選任プロセスにおける経緯を踏まえてのことです。しかし、先週10日(土)に、経営計画の検討内容の一部が新聞に掲載されたこともあり、再度情報管理の徹底をお願いいたしますとともに、執行部におかれましても情報管理に遺漏ないようによろしくお願い申し上げます。

 (松本会長)

 執行部としても情報管理には一層気をつけたいと思います。

 (數土委員長)

 よろしくお願いします。

 (松本会長) 
 それでは、お配りしたA3資料の2枚で、経営計画の概要と収支計画の要約をお話しして、細部は石田理事からご説明いたします。
 まず、経営計画案についてです。「豊かで安心、たしかな未来へ(仮)」というタイトルをつけました。出口の見えない経済状況や、あるいは社会状況が先を見通せない不安定な時代の中で、東日本大震災あるいは福島の原発の問題があります。こういう時代背景の中だからこそ、NHKが安全・安心な情報あるいは心のよりどころとなる情報をお届けするという役割がますます重要だということを踏まえて、このようなタイトルにしています。そして、未来ということもやはり将来へ向けての夢も踏まえてということです。したがって、次の3年間は公共放送の機能を強化して、豊かで安心して暮らせる社会、確かな未来への実現に貢献したいという思いを込めています。
 そういう思いを基に、3か年の方針を文言にすると次のようになります。NHK役職員が一丸となって達成を目指すということで、「信頼される公共放送として、放送機能の強化と放送・サービスのさらなる充実を図り、豊かで安心できる社会の実現と新しい時代の文化の創造に貢献します」という基本方針、文言を書きました。そして、その実現のために4つの重点目標として、前回の経営委員会でもご説明申し上げました、「公共」、「信頼・活力」、「創造・未来」、そして新たに「改革」を掲げました。これらの基本方針から、4つの重点目標と、実際の報道、制作や編成など、いろいろな放送に関する現場の仕事を行う方向が一貫しているということが重要であり、「自分たちの仕事がこういう方向であれば基本方針が達成される」という一貫性を持たせることが非常に重要だと感じています。今まで、例えば接触率の場合に、現場の中では「どのような仕事をしていくと接触者率に結びつくのか」ということもありますし、放送の質の問題なども、「どのようなことが基本の方針であり目標なのか」ということをはっきりさせるということです。同時に、その方向に向かって経営から現場まで一貫して取り組んで行き、それが評価されるということにしたいと思います。それによって、「公共」とか「信頼」というような事柄が実際に外から評価される形にしたいと思っています。中で努力することについて、外からきちっと見ていただくということで全役職員が一体感を持って努力するようにしたいということが一番の大きな柱です。
 このことは、われわれの使命、責務、覚悟ということを求められていますので、それをここに掲げました。国民の生命・財産を守るとか、あまねくとか、豊かでよい放送、公共の福祉、社会の健全な発達に貢献というような事柄が放送法に書いてありますが、その事柄について、まさに公共放送として、その姿勢・覚悟でやっていくということです。この下の表の2段目のところには、その評価について書いてあります。一貫したマネジメントを確立するということです。この評価についてはきょう全部説明できませんので、次回に説明したいと思います。
 次に、こういうこととは別に10%還元という問題があります。その計画も、全体の柱の中で、私たちの使命をこの10%還元に投影していきたいと考えています。収支計画の要約の資料をご覧ください。ページの左側にありますように、10%の還元は、このような内訳でやっていきたいということと、これの10%ということで3年間では30%になりますが、最初の半年間は受信料額改定の準備期間となるため、期ずれが半年あります。したがって、この3年間だけを見ると25%ということになります。23年度受信料収入が6,680億円ですので、その25%が1,670億円にあたります。この還元の内訳をイメージ図でご覧いただきますと、60%が受信料還元で、その内訳は全額免除の拡大部分がその中で2割、受信料値下げが4割、それから公共放送の機能強化と復興支援、および放送センターの建て替え資金の積み立てを合わせて4割という形です。
 財源は、全額免除の拡大がなければ入ってくるだろう受信料と一般の受信料の増収、それからデジタル移行で生み出した原資、それでも足りませんので、業務の棚卸しによる経費の削減の一部を充てていくことで生み出しています。
 ページの右側をご覧下さい。還元の中身については、現在および将来にわたって幅広く視聴者の皆さまの受益に資するということで、視聴者の皆さまのためにNHKがやるべきこと、そしてできることということで考えています。具体的には、3年前に今の経営計画を策定した時には想定されていなかった、その後に起きた大きな経済変化や、今回の東日本大震災、あるいは受信料の全額免除の拡大などを踏まえて、受信料値下げと受信料免除の拡大、公共放送機能・災害対応機能の強化を還元の中身として充てていこうと考えています。
 公共放送機能の中でもとりわけ災害に関する機能の強化については、今後、東海・東南海・南海というような3連動地震や、あるいは首都圏の直下型地震ということ等も踏まえると、NHKが国民の生命・財産を守るために、ぜひともやらなくてはならない喫緊の課題です。私たちとしてもなにものにも代えがたい還元の中身としてきちんと実施していきたいと考えています。放送センターの建設資金の積み立ても入れていますが、災害報道はもちろん、日本が将来とも維持すべき公共放送の中枢機能として役割を維持するためには必要不可欠なものと考えています。既に放送センターは建設後46年が経過していますし、今後、建設に向けての多くの時間と資金がかかります。そうすると、今から準備にとりかかっておかないと間に合わないということで、この準備についても全体の還元の中で考えていきたいと思います。
 今回の東日本大震災に対して、多くの方から、発生以来NHKはその役割を果たしているという評価をいただきました。これは、経営委員会と執行部を含めての意思のもとに、これまで受信料の中からヘリコプターやロボットカメラなどの放送設備を整備してきたことが役立ったものです。また、訓練をしてきたこと、人材を育ててきたということが機能したということだと思います。今回は、運よく大きな機能が維持されました。しかし、これが逆になっていれば、NHKは何をやっていたのだということになります。国は、東日本大震災復興基本法の中で、“未曾有の国難”という認識で、地震・津波、あるいは原発被害ということに対する取り組みをして、今後の事態に向けて予算も補正予算、あるいは場合によっては国民の負担を含めてもやっていこうという方向です。ほとんどの日本の企業が今後の災害について、防災機能強化のための設備投資を検討しています。NHKは、災害時の役割が極めて重要であり、したがって、災害に備えた公共放送の機能をいま一度見直して、必要な投資をしていくということは、私たちに課された責務・責任だと考えます。先ほど少し申し上げましたが、災害報道で役割が果たせなければ、何のためのNHKかということになるのではないかと思います。
 また、春の国会審議などでは、総務委員会の付帯決議で、NHKに対して災害時における緊急報道体制のさらなる充実・強化について示されています。その議論の中では、災害対策などを含めた幅広い意味で還元を考えるべきではないかということで、大震災への対応と、この10%還元の両立を考えてほしいという意見も質問の中でいただいています。国民の安全・安心を守るというわれわれの責務、その期待を含めて、災害関係の放送機能の強化は必要なことであり、やらなければならないと考えています。
 また、全額免除の拡大等への対応、そして災害への取り組みなどで、公共放送の機能強化に充てる原資以外は、NHKにとってはこれまで歴史上経験のない、初めての受信料の値下げという形で還元をするという計画にしました。そういう形で実施しようとすると、多数の受信契約者に対応する準備もありますので、半年遅れて24年10月に値下げを行います。値下げ幅は、口座・クレジット支払で月額70円、年額でいいますと840円、継続振込支払の方は月額で20円、年額240円となります。こうした還元の考え方については、今の日本が置かれている厳しい経済状況、将来にわたる不透明な経済情勢、そして将来とも公共放送NHKが果たすべき役割・責務などを考慮しています。しかも今後、受信料を極力上げない形で努力をしていくことが重要ですので、将来の安定的な経営基盤、少なくともきちんとした歩みができるということを考えながら、執行部として総合的に判断し、考えています。私自身としても今年1月にNHKに参りまして、8か月ぐらいたっていますが、3月の未曾有の大震災やテレビ放送としての大革命である完全デジタル化などを経験してきました。この間のNHKでの経験とか、それ以前に鉄道事業の危機管理とか安全対策という公共的な仕事に携わってきたという経験から、こういう形での還元策を中心とした経営計画が重要であり、必要だという結論に至りました。
 これらにつきまして、経営委員の皆さまお一人お一人にお考えいただいて、ここにお示しした還元案をぜひご理解いただきたいと思います。具体的な経営計画、収支計画等、あるいは経営委員会からいただいたご意見・ご要望の回答については、石田理事からご説明いたします。
 (石田理事)
 それでは、このA4横の経営計画案の資料を使って、経営計画案の内容を具体的にご説明していきます。まず、8ページ、9ページをご覧ください。4つの重点目標のうち1つ目は「公共」です。具体的な内容は4つです。これまで、本部の建物は首都直下地震にも耐えられるとされ、放送機能が長期間完全に失われることは想定していませんでした。しかし今回、想定外の地震が発生し、対策の見直しが急務となっています。大災害によって本部の放送機能が失われた場合を想定し、大阪放送局に、ニュースの制作・送出を行う機能や通信衛星の電波を受信する機能など、本部をバックアップする機能を整備します。さらに、本部と大阪放送局の両方の機能が失われた場合も想定し、福岡放送局の放送機能も強化します。また、さいたま、横浜、千葉の各放送局の機能も強化します。首都圏の取材・伝送拠点を分散配置して、本部が被災した場合も取材を継続できる体制を整えます。また、報道制作体制を充実させます。災害発生後の被災地では、被害の状況や避難所の情報、ライフライン情報などを迅速・的確に伝えることが求められます。災害発生直後に被災地の放送局に向かって応援態勢を組むニュース制作緊急展開チームを本部に編成して、初動態勢を強化します。被害の状況を速やかに把握し伝えるためには、ヘリコプターからの中継や取材が大変重要です。各地の中継基地に、ヘリコプターの電波を自動追尾する機能などを整備します。また、停電に備えて放送局などの自家発電設備を強化するとともに、ターミナル駅や幹線道路を撮影するロボットカメラ、原子力発電所の様子をとらえる高倍率のロボットカメラの整備を進めます。
 現在の放送センターは第1期工事の完成から46年が経過し、老朽化が進んでいます。いかなる大災害のときも放送の中枢機能を維持するため、十分な耐震構造と放送機能を備えた設備への更新を急ぐ必要があります。平成30年度前後の着工を目指して準備を開始します。
 続いて9ページをご覧下さい。東日本大震災からの復興を支援する番組やイベントにも力を入れていきます。今回の大震災では、避難所の情報、生活情報など、地域に向けたきめ細かな情報提供の重要性が改めて認識されました。地域の安全・安心に役立つ情報提供にも努めていきます。また、ラジオ放送についても強化に向けて検討します。災害の記録を将来の教訓としてとどめておくことも、公共放送の重要な役割だと考えています。
 続いて、10、11ページをご覧ください。2つ目の重点目標、「信頼・活力」です。公共放送らしい確かなニュースをお届けするとともに、日本が直面しているさまざまな課題に真正面から取り組み、国民や視聴者の皆さまの判断のよりどころとなるニュースや番組をお届けします。今、地域は、都市との格差の拡大や人口減少、高齢化など、さまざまな課題を抱えています。公共放送として、地域の再生や地域の活性化に放送サービスを通じて貢献していきます。地域を舞台にしたドラマや公開番組など、地域の視聴者とともに作る番組を充実させます。夕方6時台の地域情報番組には、各放送局が一丸となって取材・制作にあたります。字幕放送については、原則本部のみで行っていましたが、拠点局でもできるようにして、地域番組の字幕化を進めます。
 続いて11ページです。東日本大震災では、一部で誤った情報が海外に伝わり、風評被害も起きました。日本に関する正しい情報や伝統・文化・産業などを海外に発信し、国際的な理解を深めることも公共放送に求められる重要な役割だと考えます。国際放送専用の取材・送出拠点をニューヨークに新設し、NHKワールドTVを通じて日本に関する情報がより世界に伝わる体制を整えます。受信環境の整備については、特に北米でNHKワールドTVの24時間放送地域の拡大を目指し、接触や認知度を高めます。日本の姿を海外に伝えるためには、海外市場でも通用する高品質のコンテンツを制作し展開する必要があります。そのために、企画の段階から海外マーケットを意識した番組開発、外国語による制作など新しい手法を取り入れたり、海外の放送機関との共同制作を積極的に行うなど、NHKのブランド力の向上を図ります。
 続いて、12、13ページをご覧ください。3つ目の重点目標、「創造・未来」です。放送の持つ一斉同報の機能とインターネットが持つ双方向性や検索性などを組み合わせて利便性を高め、信頼されるコンテンツをお届けすることは、新しい時代の公共放送の責務だと考えます。13ページの最後のところでは、テレビ放送のデジタル化以降も残された課題に取り組みます。衛星セーフティネットの終了に向けた新たな難視聴や混信の解消など、完全デジタル移行後に残された課題については、着実に取り組んでいきます。群馬県と栃木県での県域テレビ放送は、来年4月からの開始を目途に準備を進めています。以上のように、放送サービスの充実・強化を実現し、公共放送の価値を最大に高めるために必要となるのが経営の改革です。
 14、15ページをご覧ください。重点目標の4番目は「改革」としました。その第1が営業改革です。次の3年間は支払率・収納率の向上を目標に取り組みます。3年間で支払率を3ポイント向上させ、190万件の支払数の増加を目指します。また、営業活動の指標として、新たに収納率を設定します。収納率は、有料契約数を分母に、収納数を分子にした数字です。3年後に97%を目指します。また、支払率については、22年度の国勢調査結果の速報値を反映させると数値が若干下がります。これは予想以上に全体の世帯数が増えて、分母となる有料契約対象数が増加するためです。支払率・収納率の向上のために進めるのが、公平負担と営業経費抑制に向けた4つの営業改革です。改革の1つ目は、効率的な業務体制の構築です。外部委託化の拡大と営業拠点の再編を行います。2つ目は、民事手続の強化です。未契約訴訟の拡大と支払督促の着実な実施などを行います。3つ目は、契約・収納手法の開発です。利便性の高い届出方法の検討などを行います。4つ目に、公益企業や業界団体との連携強化を進めます。営業改革の具体的内容については、後ほど、経営委員会からいただいた8項目の説明の中で改めてお話しします。
 続いて、16、17ページをご覧ください。改革の2番目は効率的な経営です。まず、NHKグループ全体の効率的業務体制の構築と、公共放送を担う人材・組織づくりを進めます。それを達成するため、ご覧のような施策に取り組みます。要員の見直しや、給与費の抑制、グループ経営については、後ほど、経営委員会からいただいた8項目の説明の中でお話ししたいと思います。引き続き環境経営に取り組みます。番組やイベントで環境問題を取り上げるほか、設備や施設の省エネ化を進め、社会的な責任を果たします。それから、経営計画の達成に向けた評価と管理についてですが、新たな手法を確立して、マネジメントの強化を図ります。
 19ページをご覧ください。世界の公共放送では、不変の理念や使命、それに価値や目的、戦略目標までの一貫した評価指標が設定されています。イギリスのBBCなどの例を参考に、NHK独自の評価指標を設定します。大きな目標である基本方針の進捗については、視聴者の期待度と実現度で達成度を評価します。さらに、基本方針を具体化した4つの重点目標は、それぞれの期待度に対する実現度に加え、質的指標、接触者率、コストに見合う成果などによって、達成状況を総合的に評価します。放送については、放送番組審議会の意見を参考に、質的評価を補います。また、視聴者対応業務や営業活動についても指標を設定します。基本方針、重点目標、現場管理を一貫させるマネジメントを確立し、経営計画の着実な達成を目指します。評価・管理の具体的なイメージは、次回の経営委員会でお示ししたいと思っています。
 20ページに視聴者のみなさまへの還元について、21ページに収支計画(案)とありますが、これについては別の資料で詳しくご説明します。
 続いて、平成24年度から26年度の収支計画案についてご説明します。最初に、A3の収支計画の要約資料で収支計画と受信料還元、全体構造について説明し、次に冊子「平成24〜26年度の収支計画(案)」で補完の説明をいたします。A3資料の、左の図をご覧ください。ここでは、受信料還元の内訳と還元に充てる原資の構造を単年度のイメージで示しています。受信料の10%還元は、単年度でいえば、23年度の受信料収入6,680億円の10%に相当する668億円となります。今回の受信料還元は、現在および将来にわたって視聴者の皆様の受益に資するという観点で、全額免除の拡大と受信料の値下げ、安全・安心を守るための公共放送の機能強化、および東日本大震災からの復興支援の3つの施策を考えています。還元の内訳は、全額免除の拡大等と受信料の値下げで約60%、安全・安心を守るための公共放送の機能強化、および東日本大震災からの復興支援で約40%となります。還元の実施にあたっては、全額免除の拡大等、すなわち免除がなければ入ってくる受信料収入、受信料の増収、デジタル移行で生み出した原資、業務の棚卸しによる経費削減の一部で原資を確保しました。3か年の総額では、23年度受信料の25%に相当する1,670億円の還元を実施します。なお、受信料の値下げは、予算の国会承認後にシステム改修を行うため、24年10月からの実施となります。このため、24年度の還元率は半分の5%となり、10%還元の3か年合計は25%になります。
 資料の右側をご覧ください。還元の内容についてご説明します。還元施策の1つ目は、全額免除の拡大、および東日本大震災による免除等の実施です。厳しい経済状況の影響で、生活保護世帯が大幅に増加しています。このような社会状況に、公共放送として的確に対応することで還元していきます。還元施策の2つ目は、受信料の値下げです。今回の受信料の値下げにあたっては、幅広く受信契約者に還元することが望ましいと考え、すべての受信契約者に還元することとしました。具体的には、24年10月から、口座・クレジット支払は月額70円、継続振込支払は月額20円の値下げを実施します。年間で見ると、口座・クレジット支払は840円、継続振込支払は240円の値下げに相当します。なお、口座・クレジット支払の値下げ幅は、収納コストを織り込んで、継続振込支払より50円多くしました。値下げ幅に差を設けることで、口座・クレジット支払の利用を促進し、受信料の安定的な収納を図るととともに、転居など移動時の解約の抑制にもつなげていく考えです。3つ目は、安全・安心を守るための公共放送の機能強化、東日本大震災からの復興支援による還元です。災害に備えた公共放送の機能強化は、受信料の値下げと併せて、国民の生命・財産を守るという何物にも代えがたい、すべての視聴者への貴重な還元だと考えています。さらに、年度別の還元施策の内訳を示しています。24年度は10月から受信料値下げを実施するため、還元率は5.8%になっていますが、26年度は10%を上回って10.6%となります。3つの還元施策の合計は3か年で1,670億円となります。右下の表は、還元施策実施後の事業収支です。還元施策実施後の受信料収入については、受信料の値下げを実施することの影響により、24、25年度は23年度とほぼ同水準となりますが、26年度には値下げの影響を吸収し終えることから、前年度比で135億円の増収となります。24年度の事業支出は、還元施策としての公共放送の機能強化と東日本大震災からの復興支援に重点的に取り組みますが、全体としては23年度に対して25億円の減に抑制しています。25年度は、ソチ冬季オリンピックや衆議院・参議院選挙の放送の実施などにより、前年度比で60億円の増となります。また26年度は、公共放送の機能強化に伴う設備投資の減価償却費の増などにより、前年度比で105億円の増となります。事業収支差金は3か年とも50億円を確保し、新放送センターの建設に備えて建設積立金に毎年度積み立てていきます。なお、24年度は事業収支差金の50億円のほかに、新放送センターの建設の財源として、財政安定のための繰越金から400億円を建設積立金に組み替えます。新放送センターの建設には多額の資金が必要となるため、会計監査人からも早期に資金を積み立てるべきとの意見をいただいています。
 次に、A4冊子の収支計画案の資料をご覧ください。1ページは、先ほどの収支計画案の要約でご説明しましたので、省略いたします。2ページをご覧ください。3か年の還元原資と還元施策の構造について示しています。まず、還元の原資ですが、3か年の合計で、全額免除の拡大と東日本大震災による免除等がなければ入ってくる受信料部分で402億円、契約・収納活動の強化による受信料の増収で810億円、テレビ放送がデジタル移行したことで、従来のデジタル追加経費の中から生み出した358億円を原資として確保しました。しかしながら、これだけの取り組みでは還元原資1,670億円に不足するため、業務の棚卸しによる経費削減の一部から、還元の原資として100億円を捻出しました。以上の取り組みで確保した1,670億円の原資は、全額免除の拡大等と受信料の値下げで1,058億円を還元し、安全・安心を守るための公共放送の機能強化と東日本大震災からの復興支援で612億円を還元します。なお、比率でいうと、全額免除の拡大等と受信料の値下げで63%相当を還元し、公共放送の機能強化等で37%相当を還元することになります。
 3、4ページは、先ほどの要約でご説明しましたので、省略いたします。5ページをご覧ください。ここから、還元の内容について個別に説明していきます。全額免除については、現経営計画では毎年4万件の全額免除の増加を見込んでいましたが、21年度以降、厳しい経済状況の影響で、生活保護世帯が増加することなどに伴って、さらに14万件拡大して、毎年度18万件に増加する状況となっています。24年度以降の3年間についても、これまでと同様に14万件の拡大の状況が続くことを想定し、24年度に81億円、25年度に103億円、26年度に125億円の全額免除の拡大を実施します。また、東日本大震災の発生に伴い、年間14万件の災害免除等を実施します。毎年度31億円を計上し、全額免除の拡大と合わせて3か年の総額で402億円を見込んでいます。
 6ページをご覧ください。すべての受信契約者を対象に、24年10月から口座・クレジット支払いは月額70円、継続振込支払いは月額20円の受信料の値下げを実施します。受信料の値下げによる還元額は3か年の合計で656億円となり、内訳は、口座・クレジット支払いで618億円、継続振込支払いで38億円となります。
 7ページをご覧ください。安全・安心を守るための公共放送の機能強化は、国民の生命・財産を守るという何物にも代えがたい、すべての視聴者への還元として、いかなる災害時にも対応できる全国の放送設備と体制を強化するものです。首都直下地震や長時間の大規模停電などにより放送センターの機能が失われた場合に備え、本部のバックアップ機能を大阪放送局などに整備するほか、さいたま放送局など首都圏周辺に取材・伝送拠点を分散配置します。また、東海・東南海・南海地震等への対応を中心とした、全国の取材・伝送機能、放送会館・放送所の電源設備の強化、および地震の揺れや津波をとらえるロボットカメラの機能強化を行います。番組関係では、災害に備えた報道・制作体制や、被災地の復興支援と防災に役立つ番組制作を強化します。緊急報道では、東京が災害に見舞われてもニュースを放送し続けられる体制を作るとともに、震災や原発事故の教訓や課題を検証し、復興を探る番組制作に取り組みます。以上により、設備関係と番組関係を合わせて、24年度に148億円、25年度に180億円、26年度に284億円を計上し、3か年の合計で612億円となります。
 公共放送の機能強化については、大規模災害が発生した場合でも放送の中枢機能が維持できるよう、昭和38年から40年の第1期整備から46年が経過した現放送センターを建て替え、その放送機能を強化します。7年後の平成30年度着工を計画しており、一括して全面建て替えを実施した場合の総工費を想定していますが、今後、仕様を固めていく中で、コストを極力抑制していきます。この資金のうち、減価償却費等の内部資金で賄った残りについては資金の手当てが必要となる見込みです。このため、23年度末で1,164億円を保有している財政安定のための繰越金から400億円を建設積立金に組み替えるとともに、24年度から33年度の10年間に、毎年度の事業収支差金から50億円ずつ積み立て、合計で900億円の建設積立金を積み立てます。なおも不足する分については、放送債券等の外部資金で対応することになりますが、毎年度の経営努力で収支改善を図って、外部資金の使用を極力抑制していきます。
 8ページをご覧ください。受信料収入については、23年度は、東日本大震災やアナログ停波の影響は見込まれるものの、契約取次や未収削減への地域スタッフのパワーシフトなどで業績を向上させることにより、予算額の6,680億円を確保したいと考えています。その上で、24年度以降、値下げによる還元実施前の受信料収入は、毎年度130〜140億円の増収を図っていきます。値下げ後の受信料収入は、24、25年度は値下げの影響で23年度と同水準となりますが、値下げの影響を吸収した26年度には135億円の増収となります。契約件数では、契約総数は3か年で144万件の増、衛星契約で209万件の増を見込んでいます。また、未収の削減は3か年で49万件を見込んでいます。なお、受信料収入の増収を図りつつも、経費の抑制に努め、受信料収入に対する営業経費の比率については、23年度予算の11.3%から、24年度以降、毎年0.1ポイントずつ低減します。
 9ページをご覧ください。テレビ放送の完全デジタル化に向けたデジタル追加経費の23年度予算286億円をベースとした3か年分の原資858億円から、24年度以降に継続するデジタル経費207億円と、これまでの地上デジタル整備で先送りした経費の293億円を差し引いた、358億円を還元の原資に充てることとしています。右のグラフで示したとおり、地上デジタル整備を集中的に行うため、これまで総額1,200億円規模の更新を先送りしてきましたが、障害による放送事故の発生など、更新先送りによる影響が出ており、安定的な放送サービスを継続するため、設備更新の取り戻しが必要不可欠だと考えています。
 建設計画においては、地上デジタル整備で先送りした設備更新の取り戻しが必要不可欠であるため、経常事項としては、24年度以降も23年度予算の750億円と同規模の設備投資が必要となります。しかしながら、仕様見直しや新技術による設備の低廉化などのコスト低減施策を実施することにより、3か年平均で10%減となる675億円規模に抑制します。これに加えて3か年で370億円規模を計上し、すべての視聴者への還元施策として、公共放送の機能強化のための整備を着実に行っていきます。
 10ページをご覧ください。3ページの還元施策実施後の一般勘定の事業収支から消費税額を除いた事業収支をお示ししています。NHKは現在、単体では税込会計方式、連結では、ほかの民間企業と同様に、税抜方式をとっていますが、消費税の扱いを単体と連結で統一するため、24年度から税抜会計への変更に向けて、総務省と調整しています。
 11ページをご覧ください。21〜23年度の現計画と決算・予算の3か年の比較では、全額免除の拡大や東日本大震災による災害免除等の影響により、受信料は210億円の減収となりますが、前々年度以前の受信料の回収が80億円増加することなどにより、事業収入全体では経営計画に対して112億円の減収となります。一方、事業支出は、国内放送費や給与の抑制など、業務を効率的に実施することにより163億円の減少としています。その結果、事業収支差金は50億円の改善となり、事業収支差金では現経営計画を達成する見込みです。
 最後に、今月2日に経営委員会から松本会長に書面で提出いただいた8項目について、執行部としての考えをご説明いたします。8項目のご説明の前に、現経営計画の総括から説明します。経営2目標のうち、接触者率はまだ目標に届いていませんが、支払率は目標を達成する見通しです。収支計画につきましては、収支計画案でご説明したとおりです。
 次に、長期シミュレーションについてです。ご案内のような経済情勢とメディア環境のめまぐるしい変化の中で、非常に不確定要素が多く、将来の経営判断を固めるような長期の収支を現時点で作るのは困難だと考えています。
 ここからは8項目の要望についてご説明します。まず、10%還元の考え方ですが、これについてはご説明したとおりですので省略いたします。ご要望の中にあった有利子負債については、ご指摘のとおり、23年度にはゼロとなりますが、新しい放送センターの建設や、老朽化が進んでいる全国の放送会館の整備に多額の資金が必要となります。これらは、建設積立金とともに外部からの借り入れで対応する予定です。また、繰越金については、新放送センター建設の財源に充てるだけでなく、予測のつかない急激な経済状況の変化のリスクに備えるための財源にも充てる必要があると考えています。
 3点目のご意見・要望にある営業経費の明確化と効率化についてです。営業経費については、これまで総額で説明してきましたが、経費を、一般的な営業経費に相当する収納等に要する経費、つまり収納管理経費と、受信料制度の特殊性に起因する活動に要する経費、つまり制度維持経費の2つに分類しました。ここで言う受信料制度の特殊性とは、公共放送NHKの受信料制度の特殊性ゆえに、テレビ設置状況の把握、面接、説得など、取次のための丁寧な訪問活動が必要になっているということを指しています。分類した営業経費のうち、収納管理経費の332億円は、口座振替等で実際に受信料をお支払いいただいている、通常収納と書かれた部分に掛かる経費です。一方、制度維持経費は、移動、未収、未契約状態の方を対象にした訪問活動等に掛かる経費で、456億円となっています。収納管理経費332億円をかけて収納するのは6,229億円、一方、制度維持経費456億円をかけて得られる収入は412億円という関係になります。このように一般的な営業経費の上に、NHKの場合、一般企業にはない独特の受信料制度を維持するための経費が必要となっている構造をご理解いただければと考えています。制度維持経費の大半は訪問活動に要する経費です。全体の経費の大きな部分を占めています。営業経費の削減といった場合、ここが取り組みの中心となります。仮にこの訪問活動を一切やめてしまった場合、契約は大きく減少していきます。
 営業経費の効率化についてですが、営業経費は平成17年度の819億円から平成22年度決算で788億円にまで削減しています。次期経営計画においても、営業経費の抑制を図ります。4つの改革として、まず、事業所・世帯に対する未契約訴訟を拡大するとともに、文書督促等において支払督促に言及した文書を同封するなど、民事手続の効果を最大限に活用します。また、住所変更には本人の届け出が必要という受信規約の内容を変更し、公的情報を活用したNHKの調査により住所変更が判明した場合は、本人に通知の上、本人の届け出を不要とする方法や、郵便局など公営企業への住所変更届とNHKへの届け出の一本化等を検討します。
 次に、4点目のご意見についてご説明します。グループ経営については、2つの柱で考えています。1つは連結子会社に対しての指導力強化策で、もう1つはグループ全体の経営効率化に向けた3つの貢献です。1つ目の柱ですが、3つの施策を進めます。まず、ガバナンスの強化として、経営責任の明確化と環境変化への迅速な対応を図ります。また、関連団体の事業運営やNHKの指導監督等に関する基本事項を規定した基本契約書や基準の再点検を行います。事務系システムの統合は、経理・人事システムをグループ共通のシステムとして統合し、グループ全体でのコスト低減や効率的な人事運用につなげていこうとするものです。続いて、グループ経営全体の経営効率化に向けた3つの貢献についてです。まず、委託業務です。今後、調査データの活用により、営業利益率を抑制し、業務委託費の適正化に努めます。副次収入は、国際展開力の強化、新規チャンネル等への番組提供拡大などによるてこ入れを行い、番組活用収入を、5年後に現在の倍の100億円超を目指します。関連団体の3つ目の貢献の最後は、計画的な配当の実施です。
 経営委員会の要望の5点目ですが、基本的な考え方は、次の3年間で職員を純減させ給与費を抑制すること、処遇はNHKの財政状況や社会状況を見極め適正にコントロールすること、グループ総体として公共放送の質を保ち効率化に取り組んでいくことを柱に考えています。
 次に、6点目のご要望の大阪放送局の機能強化についてです。大阪放送局は、放送面でも営業面でも、東京に次ぐ重要な拠点として体制を強化してきていますが、大阪放送局長の位置づけについては、役員体制のあり方や営業を含めた経営全般にわたる総合的な観点から、今後の検討課題としたいと考えています。
 役員のコミットメントについては、計画の基本方針、4つの重点目標、現場管理の三段階で、一貫したマネジメントを実現させます。各理事は、4つの重点目標を分掌し、複数の指標を設定して進捗管理を行い、各部局は各理事のもとで現場管理目標を設け、理事の責任でコントロールしていくという仕組みです。
 最後のご説明になります。放送・通信融合時代の公共放送の在り方についてです。放送・通信が融合した新たなサービスの提供と開発からご説明します。自治体等の災害情報を取得し、災害・避難情報をパソコンや携帯端末などで提供する仕組みですが、こうしたことも次の3年間で進めていきます。また、この先のロンドンオリンピックなどの機会を捉え、インターネットの放送を活用した実験的なサービスにも取り組み、未来の放送サービスを開拓していきます。次に、NHKが開発中の放送・通信融合の技術等を核に、サービス提供のための新たな技術基盤の確立を目指します。自動字幕や手話CG技術、話速変換装置などの新技術を活用し、高齢者や障害のある方々を含め、あらゆる視聴者が利用しやすいユニバーサルサービスを充実させ、放送・通信の融合技術を大いに活用していく方針です。
 以上、経営委員からの意見・要望に対する執行部としての説明を終わります。

 (數土委員長)

 どうもありがとうございました。本日は、次期経営計画につきまして、松本会長と石田理事に約1時間いただいて説明していただきました。質疑応答にこれから約1時間とりたいと思いますが、われわれ全員は12人ですから、1人1つずつ質問いたしましても、時間がそんなにはない。タイトであるということを考慮していただきまして、それぞれプライオリティの高いと思われるものから質疑していただきたいと思います。

 (石原委員)

 A3の収支計画案概要の資料の左側のグラフで、原資が営業増収分のほかデジタル移行で生み出したもの、あるいは業務の棚卸しということであろうと思うのですが、それに加えて災害および生活保護の増加による全額免除の増加分を原資として認め、還元としようという考えですね。それから、視聴者に直接還元する部分は受信料の値下げですが、公共放送の機能強化と復興支援は、今回の大災害を踏まえて機能強化する設備増強分については還元と認めていいではないかということは、前回、松本会長が説明した基本的なシナリオですね。全額免除の拡大と受信料の値下げで6割ですが、この6割が妥当かどうかということが1番大きなポイントだと思います。そういった中で、原資のところで、例えばデジタル移行で生み出した原資は、収支計画案資料の2ページにある358億円という数字なのですが、原資以外に必要な経費としてなぜデジタル継続経費207億円があるのでしょうか。これは、運営のためのお金なのだろうと思います。現在、従来のアナログであっても、やはりこういったお金は当然かかっているのだろうと思いますので、なぜここに新たに207億円も発生するのかということです。それに加えて、地上デジタル整備で先送りしていた経費293億円というのは、デジタル化以外の設備について、デジタル移行時は、十分な設備投資ができなかったためと言っているのですね。しかし、必要な維持更新投資はしているはずなので、全体としてこのデジタル化以降で生み出す原資は358億円ではなくて、もっと出てくるのではないかと思います。余裕を持ち過ぎているのではないかという感じがします。
 もう1つ、放送センターの建て替えの件です。これがまた大変大きな金額だということですが、それは果たしてどんなものなのでしょうか。民放他社の建て替えの説明があり、それを参考にしたら高くないではないかという話なのですが、NHKの土地はここにあるわけですから、民放他社はどうだったか知りませんが、恐らく新しい土地を買ったのだろうと思うのです。そうすると、この金額は高過ぎると思います。大阪放送局や他の関係する放送局について、震災対応や災害対応でプラスの投資は、特別に今回認めてもいいという論理はあるかもしれませんが、NHKの放送センターについても、繰越金から400億円を入れるのは別にして、50億円を10年間還元に入れています。これも特別に災害対応という論理になっているのだろうと思うのですが、論理から言って世の中はそれで通るかどうかと感じます。NHKの放送センターは、既に40数年たっていますので、そろそろ建て替える時機だとは思いますが、金額があまりにも大きすぎます。したがって、6%の還元と書いてありますが、もっといけると思います。6%ではなくて7%か8%かは。この辺りの考え方をきちんとしておかないと、出るところへ出たときに、これが還元かという話になるのではないかと思います。

 (數土委員長)

 今後の進め方としては、3人ずつ質問していただいて、それにまとめて要領よく答えていただく方法で進めていきたいと思います。

 (浜田委員)

 関連してですが、全額免除の拡大というのは、新たな制度を作るということではなくて、最近の経済状況から、これだけ自然増で免除が拡大するという見込みなのでしょうか。その辺を少し教えてください。

 (數土委員長)

 これが2点目の質問です。次に、勝又委員からお願いします。

 (勝又委員)

 まず、10%受信料の値下げだということが出発点であったと思います。それがキャッシュリターン10%ではない理由を、やはりどこかで示す必要があるのではないかと思うのです。この計画案では既に10%キャッシュリターンではないという出発点に立っているので、その10%値下げができない理由というものを、もう一度知らせていただきたいと思います。それから、この還元の中に公共放送の機能強化という部分があります。それぞれ毎年違っていますが、これが事業支出の中に何となく組み込まれていると、一体これは何が還元なのかというのが、視聴者の目から見て非常に分かりにくいと思います。どういう工夫が必要かは分からないのですが、それを10%還元に組み入れるのであれば、ここの部分が10%還元部分だということを明確にしないと、国内放送の約3,000億円の中のこの150億がそうですとか、そういう言い方ではだめなのではないかと思います。それから、全額免除の拡大と受信料の増収というのは、あくまで見込みですね。それがこのとおりにいかなかった場合にでも、この2つを原資でといった場合に、例えば全額免除がここまで拡大しなかった場合は受信料の値下げの幅を大きくするのかどうかとか、その辺の割合をどう考えていくのかというのが私の質問です。

 (數土委員長)

 それでは、最初の建設あるいはデジタル化終了後の建設コストの問題、それから放送センター建て替えの問題、それから全額免除の問題、それから10%等とそういうものが関連づけられるアカウンタビリティの問題、これらについてご回答をお願いいたします。

 (永井技師長)

 デジタル化経費の中で継続して必要な207億円の中に、アナログ時代でも必要だった運用経費が含まれていないかという話ですが、それは含まれておりません。この経費はデジタル化でまだ継続して取り組まなければならないもの、例えばリパックといったチャンネル変更だとか、衛星によるセーフティネットはあと3年あまりで暫定措置が終わりますから、地上の施策で解決しなければならないことなど、そういう経費に207億円が必要ということです。さらに、デジタル化への投資で先送りした設備更新については、収支計画(案)資料の9ページにあるとおり、1,200億円規模を取り戻さなければならないので、3か年で見ると、減価償却費換算などで293億円が必要です。
  放送センターの建て替えについて、高いのではないかということですが、先ほど参考に出されていた民放他社については、土地の購入は別で、NHKの放送センターと同じような建物を建てる場合のコストです。NHKは放送センターの建物に加えNHKホールが付帯しています。さらに、NHKは民放他社と比較して、放送の波数も多く、先ほどご説明した公共放送としての機能も考慮しなければならないということです。ただし、最初にご説明しているとおり、これは現段階での想定ですので、今後経費の圧縮ということは取り組まなければいけないと考えています。

 (石原委員)

 50億円を毎年繰り入れているでしょう。これは放送センターの建て替えの資金であって、特に還元ではないと思います。

 (數土委員長)

 それは勝又委員も指摘されているわけで、ここに出てきた資金と10%還元とが関連があるということを、国会その他に対してわれわれがアカウンタビリティを持つことができるのかという質問だと思います。

 (松本会長)

 このNHKの放送センターというのは、公共放送維持のすべての基本になると考えています。その基本のところをきちんと整備していくということ自体が、視聴者のみなさまに対しての還元の一環と考えます。それからもともと放送センターの災害機能を強化させるという観点からこの事柄を捉えているわけで、その災害機能の強化と同時に全体の放送機能を将来にきちんと備えるという視点で捉えたという考え方です。

 (數土委員長)

 もし、今の説明が通るのであれば、3年前に10%還元ができるなどとても言えませんよ。10年後に建設費がかかるのですと言ったら、何を還元と言っているのかまったく分からなくなってしまいます。永久に使えるものではなくて、リフレッシュをあと10年で、40年ごとに行っていくということであれば、なぜ3年前に言わなかったのかということです。「借金したとしてもとてもできないのですよ」という論理が通るかどうかということは、やはり経営委員の中でもこれから議論していかないとだめだと思います。

 (松本会長)

 私は、現時点において将来に向かってやらなければいけないこと、そしてそれが視聴者のためになることということを考えた場合に、この事柄は切り離せないと思います。

 (數土委員長)

 論点が一つ非常にクリアになって、今後の議論になってくるということです。

 (大西理事)

 制度変更は自然増加を見込んだものかというご質問と、免除がそこまでいかなかったらどうするのかというご質問ですが、この3か年経営計画を作った当初は、全額免除は4万件ほど伸びていくだろうと計算していたのですが、20年以降、経済状況も反映して、17万件、21、22年度が18万件、23年度は20万件が全額免除になると見込んでいます。これから向こう3年間それほど大きな経済の変動はないということで、全額免除の件数をそう見込んだということです。制度の変更はありません。

 (數土委員長)

 これについても、過去の10年前の推定と今の推定値がシミュレーションモデルとして合致しているというバウチャー(数値)は、やはりわれわれは見たいと思います。このバウチャーを権威づけてくれたとどこかに書いてありますが、それは一体だれが権威づけてくれたのかということもわれわれは非常に気になるところで、そのモデルケースをやはりわれわれ自身の目で検証させてもらいたいと思います。次に幸田委員、倉田委員、北原委員という順番でお願いします。

 (幸田委員)

 重複するかもしれませんが、やはり国会でも、当時の会長あるいは経営委員長が10%還元は値下げであるということをきちんとおっしゃっており、その背景には経営委員も合意したということが事実としてあるわけです。それが今回10%値下げではなく、還元という意味を少し拡大して捉え、値下げと免除部分が6%ということになるとなれば、当時といまでは時代背景や外部環境のどこに違いがあるかということを考えてみる必要があります。私は、今回の震災が、過去に検討したときにない新しい要素だと思います。それは決して小さくない要素だとは思うのですが、そういうことを国民や周囲の方に説得するためには、やはりきちんとした説得材料が必要だと思います。ただ、その6%という数値がどこから来たのかというときに、まず6%ぐらいなら大丈夫だろうみたいのがあって、そこから数字の足し算引き算があったということではいけないと思います。収支計画案2ページの4番目の業務の棚卸しによる経費の削減の一部100億円という金額についても、100億円の内訳やどういう背景で出てきたのかということについてもっと知りたいところです。「100億円ぐらいだな」というところからつじつまを合わすのではなくて、「こういうことを積み重ねて100億円なのだ」とか、それはどういうところから捻出が可能で、逆に今まではなぜできなかったのかとか、そのあたりの説明が1つの説得材料になるかもしれないので、知りたいと思います。

 (倉田委員)

 2点質問します。まず10%還元の公共放送の機能強化と復興支援の還元の状況についてですが、その中で、かなり多くを占める災害関連番組の制作展開等について伺います。これは本来、番組の枠自体は決まっているはずなので、災害関連番組を作らなくても制作費というのはそもそもかかっているはずですね。ということは、通常の番組よりも災害関連番組の制作展開のほうがこれだけ多くかかると考えていいのかということが1点です。それから、これは分かればでいいのですが、以前、受信料の督促状について大変効果があるというお話を伺っており、督促状の経費が訪問活動の人件費に比べてずいぶん少ないと思うのですが、督促状1件当たりの効果として、督促状の場合と訪問活動の場合とで、経費はどちらが多くかかるのかなどその効果について伺いたいと思います。

 (北原委員)

 今回の執行部の案を拝見して、石原委員はもっとできるではないかとおっしゃいました。あるいは、勝又委員、幸田委員のように、そもそも出発点は10%の料金値下げでしょうという指摘をしました。いろいろこれからこの案を中心に煮詰めていい経営計画案を作成しなければいけないと思いますが、私なりに感想を言いますと、まあまあよくできている案ではないかと思います。何%か分かりませんけれども、受信料値下げも入っている。それから、委員長は世間に説明ができるのかという懐疑を呈していましたが、この新放送センターの建設積み立てにしても、それから公共放送の機能強化、復興支援にしても、3年前に委員長、会長が国会で約束した時点から、こういう新しい事態が発生していることを、きちんとそれなりに踏まえて出している。もちろん、これが完璧だとは言いません。しかし、議論の有力な取っかかりになるし、こういう考え方自体は十分世間に対して説明ができる。大ざっぱな印象ですが、私はそのように感じました。

 (數土委員長)

 これで質問を一くくりします。先ほど幸田委員からは、6%の内容の定量化が一つ一つ必要で、100億円のコスト削減の積み上げ方についてはもう少し合理的かつ内容的に合うような説明が必要なのではないかということ。それから、10%値下げというものは、そもそも経営委員、執行部とも了としたのではないか、それをベースにした基準ではどうなのかという意見です。それから、倉田委員の意見は、番組を強化するといっても、もともとそれは本来のもので、特に今回金がかかるというのは理屈からいって少しおかしいのではないのかということと、営業施策について人的なエネルギーで行うということと督促状で行うことは、やはり効果をみせてほしい、また効果をみて変えてみるということもあるのではないかということだったと思います。北原委員は、まずまず評価できるのではないかということでした。3人の意見についてコメントをお願いしたいと思います。

 (石田理事)

 幸田委員のご質問の中にあった、最初は10%値下げではなかったかということについては、先ほど、北原委員がおっしゃったことと同じですが、会長の最初の説明の中にありましたように、要するに3年前に決めた後に、その当時想定しなかったことの1つは東日本大震災です。このような大災害が起きて、緊急的に対応しなければならないということは、当時は想定されていなかったことです。それから、3年前の計画を決めたときにもすでにリーマン・ショックは起こっていました。9月に起こって、10月に経営計画を決定しています。そのときにも、当時の福地前会長が、10%という数字は言えないと言った理由の1つは、こういう経済情勢の先行きが見えないのだということからです。結局、先ほど大西理事がご説明したように、4万件と見込んだ全額免除が18万件、もうことしは20万件ぐらいになりそうなので、その先も増えていくということです。この2つの要素というのは、当時3年前に計画を作ったときには想定しなかったというか、できなかったことなので、その分がこの10%還元に対応しなければいけないということから、こういう還元策の作り方になっていることが1点です。それから、幸田委員から業務の棚卸しの100億円について指摘されましたが、これは業務の棚卸しの一部を切り取った部分です。棚卸しに充てている中の内部作業としては、3年間で約500億円を超える棚卸しをして、一方で、新たに行わなければならない費用に、普通だったら削った分だけ重点事項に足すというスクラップ・アンド・ビルドになるのでしょうが、今回の場合、10%還元の原資を満たさなければいけないので、500億円棚卸しして、100億円は10%還元の原資に回して、残りの約400億円については、例えば国際放送など、ほかのいろいろな項目があるので、相当新たなことに充当するという形です。この100億円は10%還元の原資として充てているということですが、実際の中の作業として、スクラップ・アンド・ビルドをして業務の棚卸しと新たな業務を行っているということです。番組のことについては、放送総局の担当理事からお願いします。

 (金田専務理事)

 ご指摘のように、放送時間を増やすということではありませんので、そういう側面はありますが、それはごく一部です。それ以外にイベントとか3-Screensとか、それからアーカイブです。ですから、放送時間とは関係ない支出や取材に対する強化というものも入っていますので、全体からするとそちらのほうが大きいと思います。ただ、中身自体はこれでご承認いただくということではなくて、積み上げのときにわれわれがそういう積み上げをして算段したということです。

 (數土委員長)

 そのほかに、先ほどの3人の委員の意見についてコメントはございますか。

 (大西理事)

 督促の効果についてですが、22年度に、簡易裁判所に督促したのは750件、督促を始めた18年度からの累計で1,591件です。1件当たりの効果というものは、NHKもこういう督促をするというアナウンス効果から、請求を申し上げて払い込んでいただくという効果は、18年以降あったと思います。何度か新聞発表をしていますが、そのときには振込件数が上がってきますが、徐々に下がっていき、また振込件数が上がるということが繰り返されているという状況です。この経営計画にもありますように、民事による活動は、さらに次の3年間も広げていきたいと思います。とりわけ、未契約の訴訟についても今準備を進めていますので、近日中にさまざまな形で行っていきたいと思っています。

 (數土委員長)

 今のお答えについては、私は少し不満です。これは、やはり経営計画には、督促状を1年に1万件出すとか、あるいは民事を1年に200件起こすとか、そういうことに対する定量的な数字をやはり出してもらって、それで3か年を少しずつタイムアップして、努力を積み重ねていくということだと思います。その数字をはっきり見せてもわらないと、これから積み上げていくという説明は、私は非常に緊迫感に欠けるのではないかと思います。委員のご意見に対する理事のコメントに対するコメントということです。次は大滝委員、お願いします。

 (大滝委員)

 検討資料を読ませていただいて、グループ経営の姿というものがまだよく見えないという印象があります。例えば計画の中にグループ全体として総合的に支援する部署を本部に設置するという説明があるのですが、これについても具体的な姿がまだよく分からない。誰が何をやるのかということがよく見えない。また、グループ総体で人材育成を強化するという文言も出てくるのですが、これもグループ全体で、何をやることによって人材育成を強化するのかというようなことについてはよく見えない。それから、企画競争の問題は非常に重要な問題だと思いますが、それについてもまだほとんど言及されていない。また、これは最も重要だと思いますが、グループ経営と放送と通信の融合の関係性ということがよく分からなくて、本体と子会社との間でどのような関係性を作っていくのかということもよく見えません。そういう意味で、もう少しグループ経営の問題、あるいはそこでのいろいろな業務棚卸しを含めた経営の効率化の問題とか放送・通信の融合との関係性とか、あるいは先ほど申し上げたような、グループワイドでの人材育成とかというのは何なのかということをもっと明確に示してほしいというのが私のコメントです。

 (數土委員長)

 ありがとうございます。次に、竹中委員お願いします。

 (竹中委員)

 私は今回の計画案を拝見して、私自身は多くの皆さんと意見が違って、この大震災及び経済の低迷の中で、10%値引きという立場というものはもうやめるべきだというぐらいのつもりでいました。ただ、それをせざるを得ないとすると、定期的にきちんと支払ってくださっている顧客の皆さん、NHKを信頼して視聴してくださっている皆さんに多くの値引きをするということで、これは逆に増収にもつながる可能性もあるので、いいかと思います。それで、いつも言っているように、私はやはり、人にやさしい放送という言い方をされるのですけれども、これから恐らく数年以内にもっと本当に高齢化が進んで、見えない人、見えにくい人、聞こえない人、聞こえにくい人、例えば避難をするときに今までのように走って逃げられない状態の人、そういう方が非常に増えてくる中で、今回の震災報道でも思いましたが、やはりNHKが果たす役割、これはテレビ放送だけではなくて、ラジオだとかその他のさまざまな媒体ですが、ものすごく求められると思うのです。ですから、私は値下げと言ってしまったから値下げすればというよりも、やはり求められる安全・安心という部分の中に、きちんとすべての人に放送をいろいろな形で届けること、つまり、人にやさしいというより、もっと本当に必需品としての安全・安心を守るためのすべての人へ情報というところで、きちっと踏み込んだ形にしていただくほうが、むしろ国民の皆さんの共感が呼ばれるのではないかと思います。

 (數土委員長)

 どうもありがとうございます。次に、石島委員お願いします。

 (石島委員)

 今まで皆さんが発言されたことと重なる部分もあるかもしれませんが、1つ気になるのが、最初のキャッチフレーズが、「豊かで安心、たしかな未来へ」というところから始まっています。ここはこのままだと、何となくNHKが出しても、例えば東京都が出してもおかしくないキャッチフレーズで、業態とのマッチングがどうなのかという疑問があります。それから、全体を見ると、ひょっとすると視聴者視点を放棄されたのか、視聴者視点が見えてくるようなものがあまり感じられません。経営サイドの仕事の進め方についての指標としては、しっかりしたものだということはよく分かりますが、やはり視聴者視点ということは公共放送として重要だと思います。特にその関係で還元の話になっていくと、例えば、70円の還元は視聴者にとっては何%還元になっているのかというと、地上波だけの視聴者は月額1,300円ぐらい払っていますから、5.2%ぐらいです。それから、衛星放送も見ていますと、衛星契約の人たちにとっては3%ぐらいの還元にすぎないのです。そうすると、現金としての視聴者への還元だと言われると、若干不満が出るのではないかという気がします。その部分を、安心・安全な仕組みを作るということで、ある意味ではなかなか感じにくいけれども、実質的にそれが非常に重要なのだと説得をされるということなのですが、このことに関しては今のままで説得ができるのでしょうか。例えば、大阪局に代替機能を持たせると言いますが、100%の代替機能を持たせるのか、それとも非常時、災害時に必要な代替機能だけを持たせるのかなど、いろいろレベルの話もあると思います。そのあたりがよく分かりませんのでお聞かせいただければと思います。それから、技術の話に関しては、技術開発の観点から言えば、こういう課題が出てくるというのはよく理解できますが、それとまた違う、先ほどから申し上げている、本当に視聴者にとって重要な技術サービスはどれなのかというのは、少し立ち止まってお考えいただく必要があるのではないかと思います。今、技術研究所で行われているようなことは網羅されているのですが、それが果たして、新しい放送・通信融合時代に、本当に視聴者目線でいいものなのかどうかというチェックは一度必要だと思います。そのためには、技術的なルールという話もあり、私は以前から申し上げているように技術研究所はもう少し国際化を進める必要があると思いますので、そういうものを入れていただけないかと思います。いずれにしても、まだ途中の段階なので、これから出てくるのだと思いますが、表のところに評価指標、達成度指標としての数字が欲しいと思います。

 (數土委員長)

 大滝委員の意見は、やはり連結で、各社それぞれ社長単位でコミットメントさせているのか、そして、そこで競争がないとだめなのではないかということだと思います。例えば人事育成委員会などを作ったとしても、金と時間だけを使って何もなかったということになってしまいます。まずコミットする数字を上げないで一生懸命やりますというのはいかがなものかということではないかと思います。竹中委員は、国民の安心・安全、これを重要視しているから、計画案としてはいいのではないかと思うが、さらに重要視してもらったほうがいいということかと思います。石島委員は、技術といっても、本当にそれが国民のために成り立つのか、もう少し検証が必要なのではないかと言うことだと思います。この点についてコメントをしていただきたいと思います。

 (松本会長)

 グループ会社の件ですが、NHKのグループ会社にどういうことができて、どのように収入を伸ばせるのかということを分析してみると、グループ会社の中にも、NHKを相手に行っている業務と、NHK以外と行っている業務があるのです。それが大体半々ぐらいですが、そのどちらの業務も法律上の制約下にあるNHKのグループ会社ということで、限定的にしかできないという網がかかっています。今のNHKを見ますと、できることが極めて限られているのですが、その範囲内でできることは何か。今回、そのできる部分のところは倍増しようという号令をかけています。また、関連会社のトップに頑張れと言うためには、トップの人事をきちんと見ていないといけないということで、現在の2年の任期を1年にするということを、関連会社を集めて話しました。来年の株主総会には間に合わせるようにしていこうと考えています。また、関連会社の管理を行うために、データなどが会社によってばらついているのを、統一するということを決めました。いろいろ意見はありましたが、今、作業を進めています。さらに、関連会社を仕事の質でいくつかのグループに分け、グループごとに実態に合った形で進めたいと考えます。この計画案にはそのような観点を入れています。

 (數土委員長)

 今の件は、われわれ経営委員の中で、1つの今回の経営計画の焦点になる問題だと思います。今のご意見もありますが、そういうことを含めて、なおかつ経営の効率性を高めるためにはどうしたらいいか、われわれも真剣に検討しますので、また意見の交換をさせていただきたいと思います。

 (小野副会長)

 私は、NHKエンタープライズという関連会社にいた経験もありますので、その立場から、大滝委員と石島委員のご質問に関連してご説明します。確かに、今、会長からも申し上げたように、NHKは法律で活動の範囲が決まっています。関連団体は、それをやや拡大して仕事ができるという、例えば映画を作ることなどは関連団体でできることであります。関連団体も含めたグループ経営の可能性を追求していくということを具体的にやっていくべきだと思っています。その先に視聴者にとっての重要な技術開発であるとか、放送・通信の融合とかさまざまな可能性を試していこうということだと思います。恐らく、この分野というのはいろいろな可能性を試して、トライをして、その中から伸びるものを伸ばしていくというような進み方になるのだと思っています。例えばソーシャルメディアとの関係とか、スマートフォンを使った技術とか、そういう可能性も含めて、次の経営計画の中で記述していけるかと思っています。

 (永井技師長)

 技術研究開発が視聴者へのサービス向上になっているのかというご指摘でありますが、われわれNHKの技術は、衛星放送、ハイビジョン、そしてデジタル放送と、わが国の放送の発展に寄与してきました。そういう歴史がありますから、これからもわれわれは、最新の技術を活用した放送の発展に貢献していかなければいけないと思っています。さらに、技術研究所の国際化の促進のご指摘がありました。ご指摘も踏まえ、取り組んでいきたいと思います。

 (今井理事)

 石島委員から大阪の代替機能のことについてご質問がありましたので、機能強化担当としてご説明します。NHKの最大のリスクというのは放送が出せなくなることだと考えています。これまでは、東京の放送センターから放送が出せない事態というのは想定していませんでした。ニュースセンターは震度7にも耐えられるという設計だったということで、これまでは、仮にケーブルが切れた状況への対応を中心に考えていたのですが、東日本大震災を見ますと、電力が欠けるという事態が想定されます。また、やはり放送が本当に出せなくなるという、言ってみればBCP(事業継続計画)のレベルを一段上げなければいけないという状況になったと思いますので、一義的には大阪放送局に災害時に放送機能を完全に委ねるという形を想定して、機能を強化します。例えば大阪放送局では、緊急ニュースを出すような送出卓もありませんので、そういったものも導入したいと思っています。想定としては、最低2週間は大阪から放送が出せるような体制という構想を持って、今いろいろと検討しているところです。さらに言いますと、東京の放送センターから放送が出せないという事態は最悪ですので、そのためには今の東京の放送センターが相当老朽化している状況を改善しなければいけない、新しい放送センターの建設を考えていかなければいけないということにつながります。

 (井原委員)

 「これが策というのだ」と一方ではお叱りをいただき、他方では、また前のことを言うと言われそうなのですが、今回の10%還元の案を見て、これが策かとなぜ申し上げたかというと、3年前の10%還元の理念は24年度から受信料収入の10%を還元できる収支構造を構築するということでしたが、そのつながりを考えるからです。これを素直に読めば、入りについて言えば、全額免除が拡大して少なくなった。出について言えば、災害報道を踏まえ、公共放送の充実のために想定しなかったものがたくさん出ていく。だとすれば、その2つは取り除いて、残ったものを還元できるという考えもあったのではないか思うのです。つまり、還元の論理構造が、とにかく10%を還元するということで、その枠に対して非常に工夫して入れ込んでいるけれど、若干息苦しさがあるという感じがします。繰り返しますが、入りは少なくなっている、出は必要になっている。結果としては同じですが、その残りの差額を還元しましょうという論理構造もあるのかなという感じがします。言い方を変えれば、3年前の10%を還元できる収支構造の構築と、今回の説明は筋道として同じでしょうかということを、1点お伺いしたいと思います。私は、だからといって「全部値下げの案を」と言っているわけではなくて、「還元」という言葉をリジッドに考えるとすれば、恐らくNHKの総括原価主義というのは、基本的には、お払いくださった視聴者に広義の還元をすることではないかと思っています。それゆえ、いわば一般還元とは違う特別還元と明らかに説明できる説明責任が果たせるものであれば、この10%還元の中に入れられるのだと思います。しかし、とにかく10%還元で形を作らないといけないから、あれもこれも入れてしまったという、若干の苦しさがあるのではないかという質問です。

 (安田代行)

 前回の経営目標は9方針で、全部覚えることはできませんでしたが、今回は4方針にまとめていただいて、非常に分かりやすくなったと思います。ただ、その中で私が少し危惧したことは、前回の方針1には組織風土の改革、そこにコンプライアンスという問題もありました。NHKの評価では、コンプライアンスの項目が全部三角になっています。ですから、組織風土の改革という問題は、計画案の資料の16ページに1行、「コンプライアンスが」と確かに書いていますので、意識はされておられるとは思いますが、もうすこし強調していただいてもいいのではないでしょうか。今までの経営計画はどちらかというと「みそぎ」の計画といいますか、組織風土を改革して、新しい改革、組織をきちんと立て直しますということが経営計画の1つの重要な柱だったのですが、今回は、安全・安心で豊かな生活、こういう新しいことをやりますということで、未来にバラ色の夢が広がってとてもいいのですが、NHKの足元、組織風土はどうなのかというところが少し弱いように私は思いました。この内部の問題をどう捉えられているのか、やはりコンプライアンスの問題は今後も残ると思います。

 (數土委員長)

 1点は、私は井原委員と同じ感覚がベースにあります。3年前といろいろ環境は違ってきました。21年度のスタートをしたときに、考えてみたら、収入は事業収入全体に6,000億円あるかないかでしたが、今は7,000億円を超えようとしています。3年間は地デジのことで大変でしたが、今はいろいろな課題は残っていますが、山は越えました。その前は、定常的に5年間、10年間の設備投資は550億円ぐらいでした。素人目で見たら、外部から見たら660億円という原資は払えないわけはないだろうということが原点ではないかと思います。
 また、皆さんも活躍していただきました東日本大震災に対しては、今われわれが非常に重要視しないとだめだと思っていますが、一時的なここ2、3年のものに対しては繰越金を充当したらよいのではないかと思います。ですから、キャッシュフローとしては全部あるのだということがもう1点です。
 3点目は、やはりこれから何かあったら、今井理事が言われたように、放送という機能だけは持たないとだめだということです。このために大阪放送局に放送機能を持たせるためにやる、あるいは、そのほかの放送局にも2箇所、3箇所分担して、ということは持たないとだめだと思います。しかし、それと放送センター建設は違うと思います。経営的な観点からいったら、二股かけていることになります。これは少し言い過ぎかもしれませんが、大阪放送局に機能を持たせるのであれば、万が一東京の機能がだめだったときには大阪にできればいいということを作っておけばいいのではないかと思います。また、他者に対するアカウンタビリティとして、3年前には放送センター建設の話は1つも出ていませんでした。われわれもきょう初めて聞きました。土曜日にこの経営計画案が来て初めてです。果たして、われわれがこれを成案として持っていったときに、3年前のことや、この案で国民の代表たる国会、それから一般の視聴者に十分なアカウンタビリティを持つことができるだろうかということを中心に考えていかないとだめだと思います。

 最後に、支払率と営業経費率について、経営上も厳秘にしないとだめなことがあるということは分かっていますが、都道府県別のデータや目標の設定方法などは、経営委員と執行部に等しく共有された経営のデータとして開示して、それに対して常に平等の立場で、あるいは平等の責任と義務においてディスカッションされていくべきだと、それが公平・公正・透明性だと思っています。

 (金田専務理事)

 私は、前回の経営計画策定に携わっていましたので1点だけ申し上げますと、前回のときは本当に期末になると再放送のような番組がどんどん増えて、放送費が非常にきついという感じが画面で見えるという状況の中で、実は地域の放送局を建て直すことについては平均して進めていかなければいけないのだが、当面は新規の建設はやめましょうということでしたので、当然その時点で、この渋谷の放送センターを建て替えるということは全く念頭にもないような状況でした。そういう状況だったので、そのときには全く議論にもなっていませんし、念頭になかったということです。その後、前触れは少しあるのですが、3・11以降、われわれがいろいろ考えて、放送センター建設は必要だと新たに考えたとご理解いただいたほうがよいかと思います。

 (今井理事)

 これまでの経緯を確認しますと、放送センターの建て替え構想というのは、以前からありました。福地前会長の指示で平成21年に検討委員会が設けられて、検討が進められました。そして、去年の5月に中間報告、11月に最終報告が出ています。したがって、突然出てきた数字ではないということです。

 (數土委員長)

 しかし、それは国会も視聴者も突然だということを私は言いたかったのです。何を言いたいかというと、やはりNHKが健全であって、われわれがそのアカウンタビリティ持つということです。それともう1点、最後にここでわれわれが注意しなければいけないのは、NHKの職員にもっと元気を出してもらいたいと私は思うのです。先ほど聞いたら、30歳でのモデル年収は591万円だということです。例えば10人のグループで、仕事の多能化や工夫など、レベルを上げることで1人効率化できたとしたら、この経営委員会と執行役員は、その1人の590万円を、ほかの費用も入れたら1,000万円以上になるかと思いますが、それをほかの9人で分けて、職員の給料を上げるという発想をここに入れてもらいたいと思います。そういうことを入れたら罪悪だと思っておられるのか、申し訳ないと思っているのかもしれませんが、そうしないと元気が出ないのではないでしょうか。職員も元気が出て、視聴者も安くなったということは十分できると思います。10人のうち1人効率化できたら、590万円プラスほかの会社の負担も入れて1,000万円として、そのうち500万円だけ社員に還元するといったら、1人50万円になるではないかという考えを持ちましょうということを私は言いたかったのです。

 (吉国理事)

 安田代行からご質問のあった、組織風土改革、人事の改革については、全く手を緩めるつもりはありませんし、人事・労務部門で相当いろいろなことを考えています。ただ、今、例えばコンプライアンスについて言うならば、具体的に改革推進プロジェクトで、PDCAサイクルを回すとか、あるいは内部統制のリスク・コントロールを進めるという手順が出来上がってきているのですが、人事制度を改革し本当の意味で職員の意識なり職場の風土が変わらないとなかなか成果にはつながりません。今度あらためてご説明したいと思いますが、かなりのことを検討しています。その中で、人を減らすかどうかは別として、当然のことながら、職員の処遇、評価についても中期的課題として見直さなければならないと思っています。今その計画を作っているところですが、これは外部向けというより内部向けの一番大きな目標として取り組んでいきたいと考えています。

 (松本会長)

 風土改革は、そういう言葉が出ている、出ていないということではなくて、風土改革そのものがすべての項目の中の大きな柱になります。例えば、トータルとしての評価を受けるということは、評価をきちんとよくしていくためにみんなが風土についても努力するということです。個別の柱を立てて風土改革と言うのでなく、トータルの仕組みがそういうことになっているということです。それから、今、委員長がおっしゃった、職員に元気をという話は、やっていきたいと思うのですが、実際にベースアップも10年間やっていませんし、外からいろいろ言われて、そういう気持ちが外へ出せないという雰囲気になるのだと思います。今回の計画でもトータルの給与費を上げないということを至上命題にしていますから、それを抑えるということで計画を作っています。そういう意味合いから言うと、とても今の感じから見るとそんな雰囲気にはないという感じです。したがって、そこの気持ちをどのようにして前向きにして、努力をしながら将来はこのようになるということを示さなければいけません。その部分は相当苦労しているということだけは、よくご理解いただきたいと思います。

 (數土委員長)

 例えば、衆議院・参議院で国会審議があったとき、経営委員長としてはどういう経営方針で臨むかと聞かれた場合に、こういう形で還元したいし、コスト削減はこうしたいと言います。そのときに、例えば、コストの削減を10したら、職員に3とか4は還元すると言います。そうしないと世界一の公共放送の品位だとかモラルだとかが守れません。それは経営委員長として私が言います。そういうような心構えをわれわれはきちんと持っています。やはりチャンスではないですか。それをだめだからといって、あきらめてしまったらいけないと思います。
 われわれ経営委員も、成果が上がったら、まず視聴者に還元、次に職員に還元すべきではないかと考えています。

 (松本会長)

 私も通常であればそう思うのですが、21年間受信料を上げないで努力してきて、経営状態を改善し、財務諸表もよくしてきて、人も毎年減らしてきたということが実態として見えるのです。そこで、職員への還元はどうかというと、必ずしもそういうことにはなっていないのです。実際にNHKが外から見られている状況はもっと厳しく、そういう中で努力を続けているという感じがするわけです。

 (數土委員長)

 なでしこのワールドカップ優勝もありましたし、不可能と思っていたことも、やっていけばよいのではないでしょうか。

 (松本会長)

 それで私は、一番大事なことは、やはり世の中の信頼、NHKが公共的な使命を基にきちんと仕事をしていて、NHKは必要だというふうに思われることだと思います。ですから、その方針を立て、それを推進し、さらに部外の目で評価してもらうということが計画の柱となっています。

 (數土委員長)

 われわれもまたこれから時間かけて議論したいと思います。本日は、本当にどうも遅くまでありがとうございました。これをベースにして、われわれ経営委員で、きょうこのあとディスカッションします。また、いろいろ話を整理して、経営委員の総意ということで質問書をお渡ししたいと思っています。よろしくお願いします。

 

<経営委員による経営委員会>(資料)

 経営委員による意見交換の内容を整理し、経営委員の総意(第2回)として意見・要望書を作成し執行部に提出することとした。

 

 

 上記のとおり確認する。

 

 平成23年11月8日    

數 土 文 夫

 

井 原 理 代