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第1038回
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平成19年3月16日(金)公表

日本放送協会第1038回経営委員会議事録
(平成19年2月27日開催分)

第1038回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1038回経営委員会

 

<会 議 日 時>

平成19年2月27日(火)午後2時50分から午後6時10分まで

 

<出 席 者>

〔委  員〕

  石 原 邦 夫 梅 原 利 之 深 谷 紘 一
    小 丸 成 洋   保   ゆかり 一 力 徳 子
    小 柴 正 則   小 林   緑 佐々木 涼 子
    菅 原 明 子   多賀谷 一 照  
   ◎委員長 〇委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔監  事〕

  古 閑 監 事 坂 野 監 事 落 合 監 事

 

〔役  員〕

  橋 本 会 長
  永 井 副会長 原 田 理 事 畠 山 理 事
  小 林 理 事 金 田 理 事 中 川 理 事
  小 野 理 事 衣 奈 理 事 石 村 理 事
  西 山 理 事

 

<場   所>
放送センター  22階経営委員会室、21階役員会議室


<議   事>

 議事に先立ち、関係委員で評価・報酬部会を開催し、西山理事および永井副会長から個別ヒアリングを実施。引き続き、本日の議題等について経営委員のみの打ち合わせを実施。その後、石原委員長が開会を宣言し、本日の付議事項および日程について説明。第1037回経営委員会(平成19年2月13日開催)議事録を承認し、所要の手続きを経て、平成19年3月2日に公表することを決定。

 

付議事項


1 会長報告
  業務概況について

 

2 議決事項
  ラジオ中継放送局の設置計画について

 

3 審議事項
 (1) 日本放送協会放送受信規約の一部変更について
 (2) 日本放送協会放送受信料免除基準の一部変更について


4 報告事項
 (1) 事業所の受信料体系の見直しについて
 (2) 平成19年度「コンプライアンス推進のアクションプラン」について
 (3) 地方放送番組審議会委員の委嘱について
 (4) 「平成18年度 NHK歳末たすけあい NHK海外たすけあい」実施結果について
 (5) 営業業績(平成19年1月末)について
 (6) 財政の現況(平成19年1月末)について

5 その他
  NHK“約束”評価委員会との意見交換


議事経過

  

1 会長報告
  業務概況について
 (橋本会長)
 放送法改正をめぐる動きにつきましてご報告いたします。放送法改正をめぐっては、政府・与野党において、さまざまな議論が行われています。まず、支払い義務の明確化をめぐる動きとしましては、2月23日に、通信・放送に関し、菅総務大臣への助言や企画立案を行うタスクフォースの会合が開かれました。終了後、タスクフォースの松原聡座長が記者会見を行い、「受信料の支払い義務化を国民にお願いするには、NHKのガバナンスのあり方、その他の改革が不十分であり、義務化だけが先行して議論されることは疑問である」との考えで、5人のメンバーの意見がほぼ一致したと述べています。翌24日には、菅総務大臣が横浜市内の講演で、放送法改正案に支払い義務化を盛り込んで、今国会に提出するかどうかは、来週くらいまでに判断したいという考えを示しました。さらに、本日の閣議後の会見では、「そろそろ大詰めに来ている」、「義務化だけしてNHKを焼け太りさせるようなことでは、国民の理解を得られない」と述べています。こうした発言に対して、NHKとしては、次のような考え方を述べていきたいと思っています。まず、NHK改革につきまして、平成18年1月に公表した「3か年経営計画」に基づき全力で取り組み、着実にその成果をあげてきていると考えています。信頼回復のバロメーターの1つといえる受信料収入は、平成19年度予算で、前年度当初予算と比べ190億円の増となる6,130億円を計画しており、「3か年経営計画」で掲げた目標を1年前倒しで実現できる見通しとなっています。それから、NHK本体および関連団体のスリム化、業務改革にも着実に取り組んでいます。NHK本体の要員は、3年間で1,200人削減することとしており、平成18年度は385人、19年度は395人の削減を行います。また、不正の撲滅を目指すため「全部局業務調査」を行い、昨年12月に結果を公表しています。また、ガバナンスの強化に関しましては、昨年4月に経営委員会に「評価・報酬部会」および「指名委員会」が設置され、執行部に対する監督機能が強化されました。また、昨年9月には、NHKのコンプライアンスの取り組みに関する評価等を行う、外部の専門家からなる「コンプライアンス委員会」が経営委員会の諮問機関として設置されました。すでに一次答申が出され、それに基づく経営委員会からの申し入れを踏まえて、執行部としてコンプライアンスを徹底すべく、NHKの組織体質にも踏み込んだ抜本改革を行う考えです。また、「NHK“約束”評価委員会」を活用し、経営改革のブラッシュアップにも取り組んでおります。また、経営委員会議事録の発言者名の記載を含めた詳細化、理事会議事録の公表、ジャンル別の番組制作費の公表をはじめとする情報の公開も推進し、透明性の高い事業運営を進めています。このように、経営委員会と執行部が連携をとりながら、全力で改革を進めています。総務大臣は、「NHKの改革が見えない」とおっしゃっていますが、何をもって、そのような発言をされているのか、どう受け止めればよいのか戸惑っています。いずれにしても、NHKとして、改革を着実に進めているということは、しっかりと述べていきたいと思います。それから、支払い義務の明確化は、受信料の公平負担を徹底し、受信料制度を視聴者の皆さまに、わかりやすくするために意味あることと考えており、これ自体は否定するものではありません。ただし、値下げに関しては、経費削減策や視聴者の皆さまへのサービスの還元策を考慮する中で、支払い義務の明確化とは一線を画して検討したいと考えています。そして、公平で合理的な受信料体系を目指すための見直し、それに、放送のデジタル化等に要する今後の経費増などを総合的に勘案し、収支全体の見通しを立てたうえで、9月末までに、受信料のあり方も含めた経営計画の骨格をお示ししたいと考えています。総務大臣は、「平成20年度に受信料を2割値下げ」とおっしゃっていますが、受信料の値下げについて、NHKの事業運営に責任を持つ者として、現段階で約束することはできないと考えています。
 そのほかの放送法改正案としてあがっているもののうち、「放送番組のブロードバンドによる有償提供」については、デジタル時代の公共放送の役割のひとつとして、民間との公正競争の確保に配慮しながら進めたいと考えています。また、「外国人向けのテレビ国際放送」については、日本の情報発信の強化の観点から、NHKのノウハウを、子会社を通じて提供することに異論はなく、できる限りの協力をしたいと考えていますが、受信料を、海外の外国人向けの放送にこれまで以上の規模でつぎ込むことは、視聴者の皆さまの理解が必要となりますので、そうした面でも課題があるものと考えています。
 それから、民放の「発掘!あるある大事典2」のねつ造問題をきっかけに、総務省は、「事実でない内容が放送され、国民生活への悪影響や人権侵害のおそれがある場合には、放送事業者に再発防止計画の提出を求めることができるよう、放送法を改正したい」という考えを示し、NHKに対しても、直接、放送法改正案の説明がありました。今回の民放の番組のねつ造問題は、放送が果たすべき使命・役割を放棄したものであり、視聴者や社会に対する悪影響が大きく、きわめて重大な問題であると認識しています。NHKでは、番組制作を委託する場合には、企画の採択から、構成の検討、取材、収録、編集までの全制作過程において、何度も確認・チェックし、公共放送にふさわしい番組の質を確保する体制をとっています。しかし、一部の番組とはいえ、こうした問題があると、放送界全体の信頼を危うくしかねないこととなります。したがって、このようなことが起こらないよう、再発防止に向けて、放送界全体が自主的に、きちんと対応していくことが大事だと考えています。現在、視聴者と放送局をつなぐ第三者機関としてNHKと民放が平成15年に設立した「放送倫理・番組向上機構(BPO)」の機能・権限を強化するなど、新たな仕組みをつくることができないか検討しています。今回、総務省が提起している、放送法改正による行政処分の考えは、番組の編集過程そのものに、行政が関与することにつながる恐れがあり、国民の「知る権利」を担保している「表現の自由」が制約されるのではないかと危惧しています。大事なことは、放送事業者、放送界全体が、自主的・自律的に対応することだと考えています。
 前回の経営委員会において、コンプライアンスの徹底に関し、経営委員会から執行部に対し、申し入れをいただきましたが、それを踏まえた「平成19年度コンプライアンス推進のアクションプラン」について、後ほど、担当役員からご報告させていただきます。なお、この中で、モニタリング部門の機能強化につきまして、人事など運用上可能なものを盛り込んでいますが、組織の見直し、役割・責任の明確化、要員体制、検討スケジュール等につきましては、もう少しお時間を頂き、別途、工程表として3月中にお示ししたいと考えております。
 3月22日に第82回放送記念日記念式典を開催します。また、これにあわせて、第58回日本放送協会放送文化賞を6名の方に贈呈いたします。福岡ソフトバンクホークス監督の王貞治さん、料理研究家の城戸崎愛さん、歌舞伎俳優の坂田藤十郎さん、東京大学名誉教授の塩野宏さん、俳優・作家・歌手の高見のっぽさん、昭和女子大学学長の平井聖さん、以上6名の方々です。3月1日の私の定例会見で部外発表する予定です。

(石原委員長)

 会長から、放送法改正に対する考え方についてご説明がありました。これについては、今後、対外的にも説明していくのですか。

(橋本会長)

 3月1日に予定されている私の定例会見において、所信を申し述べたいと考えています。

(多賀谷委員)

 「発掘!あるある大辞典2」のねつ造問題に関連して、総務省が放送法を改正しようとする動きがあることに関しては、原田放送総局長が会見で、「放送事業者が自主的・自律的に対応するのが大原則であり、行政が新たな規制を行うことは、表現の自由の観点から好ましくない」と発言されています。これについては、NHKが民放と同じような会見内容だったことに不満が残ります。私としては、NHKの番組は、そのようなことが起こらない仕組みとしており、信頼していただきたいとアピールすべきだったと思います。そうしたことを視聴者の皆さまに示すことで、公共放送の存在意義を示すことができたのではないかと思います。

(橋本会長)

 先日の放送総局長会見では、NHKでは、そのようなことが発生しないチェックシステムをとっていることを申し上げたうえで、そのような説明をしたと思います。

(原田理事)

 私が会見で申し上げた趣旨は、放送番組の内容や制作のあり方については、憲法が保障する表現の自由、言論の自由との関連で、放送事業者が自主的・自律的に対応するのが大原則だということです。問題があった場合は、放送事業者みずからが説明責任を果たし、再発防止策を示すことが最も大切であるということです。世間から見ると、テレビ全体の信用問題となっており、NHKとしても、しっかりと主張しなければならないと思いましたので、法制化によって規制することは“好ましくない”とお答えしました。

(石原委員長)

 NHKでは起こりえないということは、チェックシステムが違うということなのですか。

(原田理事)

 NHKの場合は、委託番組であれ、番組の最終編集責任を持っているのはNHKであるとの基本的考え方のもと、決して制作先に任せきりにすることはなく、企画提案の段階から、さまざまな形でチェックし、番組の質の確保に努めています。

(多賀谷委員)

 民放の番組制作の仕組みと比べると、リスクは少ないと言えるのではないでしょうか。

(石原委員長)

 民放とNHKでは、何が違うのですか。

(原田理事)

 しっかりした内容のチェックを行うことに本来違いはあってはならないと思います。

(石原委員長)

 きっちりと行っていれば、こうしたことは起こらないということですね。

(橋本会長)

 そうです。いずれにしても、放送事業者共通の課題として、NHKとしても取り組むべきだと思いますので、今後も民放等と連携しながら、放送倫理の確立と再発防止に取り組んでまいりたいと思います。

(石原委員長)

 それでは、そういうことにいたします。

 それから、さきほど会長から、放送法改正に関する考え方についてご説明がありましたが、経営委員会としても、現在、放送法改正に関する見解をとりまとめており、会長のお考えと、大きく矛盾するところはないように感じています。例えば、支払い義務化については、支払い義務の明確化にとどまる限りは、受信料の性格を大きく変えるものではなく、受信料の支払いの根拠を視聴者にわかりやすく伝えることにつながり、受信料の公平負担に一定の役割を果たすと考えられることから、必ずしも否定するものではないということや、受信料の値下げについては、NHKの財政が依然として予断を許さない状況の中、いっそうの緊張感をもって取り組む段階にあり、今後の放送の質やサービスの充実、技術開発の展望、デジタル時代のNHKの放送・サービスはどうあるべきかなどを比較考量しながら、視聴者の理解を得る努力を十分に尽くしたうえで、NHKが自主的・主体的に判断すべきであるということなどを、現時点でまとめています。今後、経営委員会としても、いつ、どのような形で公表していくのか、詰めてまいりたいと思います。

(小林委員)

 2月20日の毎日新聞に、大阪国際大学の長沢彰彦教授の新聞時評が掲載されました。長沢教授は、このコラムで、放送の公共性の観点から、「発掘!あるある大事典2」の問題よりも、NHKの番組改編問題で政治からの中立性が踏みにじられたことのほうが問題であり、BBCの事例等も紹介しながら、NHKのあるべき姿、公共放送とはいかなるものか、NHKの独立性についてもっと議論すべきであると、わかりやすく主張されています。今後はこの点について、経営委員会として、もっときちんとした議論を重ね、公共放送のあるべき方向性を打ち出していかなければならないと考えております。
 それから、放送文化賞受賞者のうち、東京大学名誉教授の塩野宏さんのご専門は何ですか。

(永井副会長)

 行政法の専門家であり、これまで放送に関するさまざまな政策提言等をなさっています。



2 議決事項

  ラジオ中継放送局の設置計画について
 (西山理事)

 ラジオ中継放送局の設置計画についてご審議願います。鹿児島県奄美大島では、ラジオ第1放送が夜間に外国電波の混信を受けるため、その改善を図るべく、平成17年度に奄美宇検、18年度に奄美住用に中継放送局を設置して改善を図ってまいりました。今回は奄美大和地区について、諸条件が整ったため、中継放送局を設置したいと考えます。改善世帯数は約250世帯で、開局は平成19年9月を予定しています。設置にあたっては、ラジオ中波では混信を受けない周波数帯がないことから、FM波による整備を行います。用地の確保などについては地元自治体の協力を得て進めることとしています。

(石原委員長)

 このような地区は、まだ残っているのですか。

(西山理事)

 外国電波の混信による改善要望は依然として多く、現在13地区から要請がきており、1年間に1地区または2地区で、改善を行っているところです。

(保委員)

 地上デジタルテレビジョン放送の普及を推進する一方で、こうした難視聴の改善も重要だと思います。九州・沖縄地区には、まだまだ多くの難視聴地域が残されています。今回の地区からは、平成14年度に陳情があったようですが、もう少し早いペースで改善できなかったのですか。

(西山理事)

 要請のある地区について、電波の状況や設置場所等の条件が整ったところから、中継放送局の設置等をすることとしています。また、今回はFM波により整備することとしましたが、これは総務省に免許が頂けるよう調整してきたものです。このように、難視聴や混信の改善を図るためには、さまざまな条件をクリアする必要があり、時間もかなりかかります。

(橋本会長)

 使用できる周波数を選定するには、季節ごとの周波数の混信状況を調査する必要があるため、これだけで通常2〜3年かかります。

(保委員)

 高度情報化社会となっても、こうした情報の地域格差は存在し、それをNHKの受信技術でカバーしていただいていると、地元は本当に喜んでいます。こうした取り組みは、公共放送の基盤となり、その役割を果たす上で重要だと思いますので、今後とも地道に取り組んでいただきたいと思います。

(多賀谷委員)

 視聴者の皆さまに負担していただく受信料には、公共放送NHKが“あまねく”日本全国で受信できるよう、整備するためのコストも含まれているということです。

(西山理事)

 放送を“あまねく”日本全国にお届けしている、その1つの例だと思います。

(石原委員長)

 経済的合理性だけから言えば、実現しにくいけれども、放送を“あまねく”お届けするために、NHKの性格上、取り組まなければならないことだと思います。このことを区分経理するのは難しいのですか。

(多賀谷委員)

 視聴者1世帯あたりの受信環境整備にかかるコストは、都市部ではミニマムだと思いますが、このような地区では、かなり大きな金額になると思います。このことについても、数値で公表したほうがよいと思います。

(衣奈理事)

 過去、アナログ放送の全国展開をしていた時代に、1世帯あたりの建設単価を計算したことがありました。平成19年度以降、地上デジタルテレビジョン放送の中継局建設は本格化します。ご指摘の点についても、検討しなければならないと思います。

(石原委員長)

 今回は改善世帯数が250世帯ですが、50世帯未満の地区からの要請というケースもありますね。

(橋本会長)

 最近では、世帯がないところでも、高速道路などを車が通行する時にラジオが途切れないようにしてほしいといった要望もあります。

(石原委員長)

 いろいろと考えさせられるテーマですが、本件については議決ということでよろしいでしょうか。

採決の結果、原案どおり議決。


3 審議事項
 (1) 日本放送協会放送受信規約の一部変更について
 (小林理事)
 日本放送協会放送受信規約の一部変更につきましてご審議願います。本議案は、平成19年10月1日から、普通契約をカラー契約へ統合するため、日本放送協会放送受信規約の一部を変更したいということです。
 現在の放送受信規約における契約の種別は、特別契約を除き、「カラー契約」、「普通契約」、「衛星カラー契約」、「衛星普通契約」となっていますが、このうち「普通契約」を「カラー契約」に統合して「地上契約」、「衛星普通契約」を「衛星カラー契約」に統合して「衛星契約」にしたいと考えております。ただし、付則第3項にありますように、施行時までに、白黒テレビのみを設置している方から、その旨の申請があった場合には、当分の間、「普通契約」または「衛星普通契約」のまま継続するといった経過措置を設けており、この経過措置は平成19年6月1日から施行したいと考えております。いずれにしても、変更するにあたっては、「普通契約」および「衛星普通契約」となっている契約者に対し、ご案内を送付して周知を図るとともに、経過措置を適用するための申請手続きをお願いする予定です。そして、申請のない方については、「地上契約」または「衛星契約」にそれぞれ移行していただくことといたします。なお、「普通契約」および「衛星普通契約」の平成18年度末における件数は、約32万件の見込みです。
 今回の変更の理由は、白黒テレビの国内生産中止から20年近く経過し、テレビの白黒受信がきわめて少なくなっている調査結果を踏まえたもので、不適切な契約の可能性を排除するとともに、視聴者にとって簡素でわかりやすく、公平な受信料体系を実現したいと考えております。
 本件に関しましては、次回の経営委員会で議決いただき、総務大臣に認可申請を行いたいと考えています。そして、電波監理審議会に諮られ、了とする旨の答申が得られれば、総務大臣が認可する運びとなります。


 (2) 日本放送協会放送受信料免除基準の一部変更について
 (小林理事)
 日本放送協会放送受信料免除基準の一部変更についてご審議願います。まず、変更の概要および理由としましては、「障害者自立支援法(平成17年法律第123号)」により、「児童福祉法」、「身体障害者福祉法」、「知的障害者福祉法」および「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」に規定される社会福祉事業の一部が法令から削除されるとともに、「障害者自立支援法」にあらためて社会福祉事業として定義されるなどの法改正が行われました。この法改正に対応し、従前の免除対象施設を継続して免除対象とするため、別表の文言の変更などを行います。今回の変更は、免除の範囲を変えるものではなく、法律の条文に応じて文言を整理するものであり、事業収支等への影響はありません。

(石原委員長)

 本件も、さきほどと同様の取り扱いになるのですか。

(小林理事)

 本件につきましても、受信規約の一部変更とあわせて、次回あらためてご審議いただき、議決していただければ、総務大臣に認可申請を行いたいと考えております。



4 報告事項
 (1) 事業所の受信料体系の見直しについて
 (小林理事)
 事業所の受信料体系の見直しについてご報告いたします。まず、平成17年度末の事業所契約の状況についてご説明します。総務省の「事業所・企業統計調査」(平成13年)によると、総事業所数は635万件で、うち、住居の一部に店舗が併設され世帯契約扱いとなる事業所等を除く、有料事業所契約対象母体は282万件となっています。部外調査機関による「事業所契約率に関する調査」(平成13年)の結果によると、テレビを設置している事業所比率は44%、テレビ平均設置台数が2台であることから、契約対象テレビ設置台数は286万件と推計されます。一方、これに対する実際の事業所契約数は211万件であることから、事業所契約率は74%になります。これが事業所契約の状況です。
 NHKでは、受信料の公平負担の徹底を図るため、社会・経済状況の変化に対応した「より公平で合理的な受信料体系」への整備を順次進めてまいりました。平成18年6月には、受信料のクレジットカード継続払いを導入し、同12月には家族割引を導入しました。そして、平成19年度には、普通契約(白黒契約)のカラー契約への統合を計画しています。ホテルなどの事業所のより合理的な受信料体系への見直しは、「3か年経営計画」において「平成19年度中に実施することを検討」としており、会計検査院の指摘等も踏まえ、新たな事業所の受信料体系についての考え方のもと、公平負担の徹底を図ることといたします。
 事業所の受信料体系の見直しの方向につきましてご説明しますと、受信契約の単位は設置場所ごとで現行どおりとします。対象は、ホテル、病院などの事業所の受信契約です。事業所にテレビ設置数の申告を求め、適正な申告を基に全数分をお支払いいただくときのみ、衛星契約、地上契約ともに、敷地内の2契約目以降の受信料を半額程度といたします。見直しの時期は、平成20年度中を予定しています。これまでの多数契約一括支払の特例では、衛星契約で10件以上をまとめて、口座振替などでお支払いいただく場合についてのみ、契約件数に応じて1件あたり月額200円から300円を割り引いてきましたが、今回の新たな考え方では、複数支払いの特例として、テレビ設置数の申告を求め、適正な申告を基に、敷地内の設置場所全数分をお支払いいただくときにのみ、衛星契約、地上契約ともに、2契約目以降は半額程度にしたいとしています。なお、世帯を含む受信料体系全体の考え方については、契約・収納業務の改革を検討するとともに、今後のNHKの中長期的な事業展開などを踏まえながら、総合的に検討を進め、平成19年9月末までにまとめたいと考えています。
 受信料収入への影響については、2契約目以降を半額程度とすると、ホテルや病院については、特例により100%のお支払いとなる増収部分と、逆にこれまで高率でお支払いいただいていたところの減収部分が相殺され、おおむねプラス・マイナス・ゼロの影響と試算しております。しかし、一般の事業所については、中小の事業所で、今後どれだけお支払いいただけるようになるのか、詳細なシミュレーションが必要です。当初は減収が見込まれるものの、相応の期間内に減収額を増収額が上回るよう、努力していきたいと考えています。まずは公平負担の徹底を主眼に置いて、減収も覚悟して取り組んでまいりたいと考えています。
 世帯を含む受信料体系全体の見直しについては9月末までに成案を得ることとしており、今回ご説明した事業所の受信料体系の見直しについても具体的成案を得るのは同時期となりますが、事業所の受信料体系の見直しについては、事業者の方々の関心も高く、さまざまな議論が行われていることから、NHKとしても積極的に検討状況を明らかにすべきと考えますので、検討方向のみを先行して、本日公表したいと考えております。

(小柴委員)

 受信料収入への影響について、ホテルと病院については増収部分と減収部分が相殺されて、プラス・マイナス・ゼロという試算は一定理解できます。一方、一般事業所について、相応の期間内に減収額を増収額が上回るよう努力するとのことですが、その増収要因とは、何を想定しているのですか。

(小林理事)

 これは、ホテルや病院も含めた事業所全体でという意味です。ホテルや病院については契約率を少しずつ向上させるとともに、一般事業所についても未契約の解消に向けた取り組みを強化して、収入の増加を図ってまいります。そうすれば、全体として今後プラスに転じると考えています。

(梅原代行)

 事業所の問題は大きな問題ですので、慎重に進めるべきだと思います。今回の事業所の受信料体系の見直しは、これまでのクレジットカード継続払の導入や家族割引の導入などの施策とか、これまでの多数契約一括支払特例とも質的に違うことです。会計検査院に指摘されているとか、さまざまなところで議論されているにせよ、今回の見直し案を先行して公表することは、やや唐突な感じがいたします。事業所の受信料体系の見直しについて、考え方を否定するわけではありませんが、断定的に公表するのは避けたほうがよいと思います。本来ならば、受信料の基本的な考え方や哲学が基にあって、受信料体系全体の見直しの中で検討すべきものであり、こうした観点から説明しなければ、視聴者の皆さまには理解されないと思います。それから、2契約目以降を半額程度にするというのは、事業収支上きわめて危険な話だと思います。さきほどプラス・マイナス・ゼロとのお話がありましたが、事業所契約の現状を勘案すると、確実に減収になるのではないかと思います。

(小林理事)

 事業所の2台目以降を半額程度にする特例は、設置台数が証明されないと適用されません。ですから、割引による減収は、一定程度覚悟しておりますが、全体の設置数を把握し契約することによって、プラスに転じることを想定していますので、リスクとは考えていません。また、唐突な印象を受けるとおっしゃいましたが、「3か年経営計画」の中で、平成19年度中に実施することを検討すると明らかにしていますので、NHKとしては、現在の検討状況について公表する責任があると考えています。未契約の事業所、ホテルなどで、新しい受信料体系に見直すのならば契約をするという事業者もありますので、早めに公表することも必要です。NHKの信頼回復の問題、会計検査院からの指摘、国会の附帯決議などに鑑み、今のタイミングで公表するのがベストだと考えました。

(梅原代行)

 設置台数を正しく申告しない事業所については、民事に訴えるのですか。

(小林理事)

 民事に訴えるとすると、当方に立証責任が生じますので、何台あるかということを証明しなくてはなりません。ホテルや病院などでは、部屋数などにより、設置台数の推定が可能ですが、一般企業の場合は、設置台数を正確に把握することができないため、申し出ていただくしかありません。そして、申し出ていただいた台数が少ない場合には、図面等の提示などにより、設置状況について説明を求めるしかないと考えています。

(小丸委員)

 私は、今回の事業所関係の見直しは、非常にスムーズに進むのではないかと思います。ホテルや病院については、リース会社などの事業者を通じてテレビを設置しているところが多いため、こうした事業者を確認していく方法を考えなければならないと思います。

(小林理事)

 ご指摘のとおりで、テレビのリース会社は病院との契約が多いようです。リース業界の団体が、支払いを凍結していた時期もありましたが、話し合いを進めてきた結果、今では、お支払いいただくことに理解を示していただいております。

(多賀谷委員)

 世帯契約は1世帯につき1台分の支払いで、それを事業所に当てはめた場合、1つのコンパートメントにつき1台分の契約でよいということになりますが、2台目以降が半額程度になるとしても、世帯に比べて、事業所は負担が重いと言えます。そういう実態をきちんと説明しないで、事業所の割引だけを公表されることになると、視聴者の皆さまに受信料の公平負担の趣旨が正しく理解されるのか、いささか心配なところがあります。

(小林理事)

 多賀谷委員のご指摘のとおりで、世帯契約との違いについては説明が必要かと思います。まず事業所の割引を公表することで、世帯はどうなのか、事業所のほうが有利ではないかという話になる可能性はあります。ご指摘のように、事業所が厳しい設置場所ごとの契約であったものを、少し緩和して、公平負担を徹底しますという説明をしようと考えています。なお、世帯契約についても、今後さまざまな観点から検討してまいりたいと思います。

(梅原代行)

 事業所についてですが、実態として未契約が多い中小企業にとっては、もともと台数が少ないので、2台目以降を半額程度にするからといって、負担が極端に軽減されるわけではないと思います。逆に、台数の多い大企業が割引の適用を多く受けられ、優遇されるということに少し疑問を感じます。そもそも、事業所にテレビを設置するのは、事業を行ううえで必要だから設置しているのであって、どうして2契約目以降を半額程度にしなければならないのか理解に苦しみます。事業所こそしっかり受信料をお支払いいただいてもよいのではないかと考えています。いずれにしても、事業所の受信料体系の見直しについては、まだまだ検討の余地があると思いますので、断定的な言い方は、避けられたほうがよろしいかと思います。

(小林理事)

 われわれとしては、不祥事発生以来、約束をしてきたことに対し、誠実に対応するというスタンスでおりますので、平成19年度中に実施することを検討すると約束してきたことについて、現在の検討状況がどうなっているのか、説明しないわけにはいきません。

(梅原代行)

 大企業の多くは、ほとんどがお支払いいただいていると思いますので、確実に減収になると思います。

(小林理事)

 今回発表するのは、ホテル、病院などの事業所契約が対象であり、一般企業については今後さらに検討したうえで決めたいと思います。一般企業の契約については、われわれとしても捕捉できていない部分も多いため、こうした問題について、解決していく努力が必要だと考えています。

(石原委員長)

 ホテル、病院とその他の事業所は、少し違うように感じています。テレビ設置台数の申告を求めるというのは、従来と変わりませんので、これを担保する何か確実な方策が必要でしょうし、そのあたりが、今後論議すべき点ではないかと思います。

(梅原代行)

 公表される際は、検討の余地はまだまだあるというニュアンスを含んだほうがよろしいと思います。

(小林理事)

 全体についての考え方は9月に公表しますが、事業所については早めに公表すると申し上げていたので、変更の余地があるという言い方をするのは、無責任な印象を与えてしまいます。

(小丸委員)

 すでに「3か年経営計画」で約束をしている内容ですので、実行されるべきです。この案が進まないと、全体の見直しの進捗状況に影響が及ぶと思います。

(石原委員長)

 見直しを行うことは、すでにお示ししていますので、見直しは行わなくてはいけませんが、半額程度という具体的な数値は、今回始めて明らかにすることなので、慎重に取り扱わなくてはいけないということなのです。

(佐々木委員)

 事業所の受信料体系が問題であることは、国会等でも指摘されていますので、考え方の公表を、あまり先延ばしにするのはよくないと思います。しかし、今回ご説明のあったような、事業所の2台目以降が半額程度というのは、考え方の根拠が理解できません。事業所では、その事業を行うために必要だからテレビを設置しているのであって、家庭におけるテレビと、その設置の重要度が全然違うと思います。

(中川理事)

 どの程度、割り引くのかということについては、いろんな考え方があると思います。半額程度にするという根拠を求められても、なかなか回答するのは難しいと思います。その根拠や方法論よりも、ホテルなど、契約がバラバラなものを公平負担に近づけることや、事業所の契約の実態を明らかにし、公平負担を呼びかけることなど、そういったところから取り組んでいこうとするものであるということもご理解ください。

(佐々木委員)

 それでは、検討中であるということにしてはいかがでしょうか。

(中川理事)

 いつまでも検討中というのでは問題があります。事業所の受信料体系の見直しについては、さまざまなところで言及されていますので、先行して公表しようとするものです。

(多賀谷委員)

 問題は、事業所のテレビ設置台数を正しく申告したかどうかが争点になった時、どちらが立証責任を負うかということではないでしょうか。税務調査の場合は、立ち入り調査権がありますが、NHKはそれができません。恐らく、事業所の大きさ、間口の広さなど、諸条件を当てはめて、何台ぐらい設置しているのか推測したうえで、判断するという、いわゆる推計課税に似たような手段をとることになるのではないでしょうか。

(小林理事)

 2台目以降を半額程度に割り引くためには、事業所から申請を出していただきますので、台数を証明するものを提出していただくことを基本に考えています。

(橋本会長)

 貴重なご意見をいただき、われわれも公表する以上は不退転の決意で進めていかなければならないと思っております。今回の公表をベースに、最終的には9月に受信料体系全体の見直しとして公表したいと思います。

(石原委員長)

 この件については、委員の中でもさまざまな思いがございます。各委員からの意見等についても、お含みいただき、今後の検討につなげていただきたいと思います。


 (2) 平成19年度「コンプライアンス推進のアクションプラン」について
 (3) 地方放送番組審議会委員の委嘱について
 (4) 「平成18年度 NHK歳末たすけあい NHK海外たすけあい」実施結果について
 (5) 営業業績(平成19年1月末)について
 (6) 財政の現況(平成19年1月末)について

(石原委員長)

 本日は時間の都合もありますので、上記5件の報告事項は、資料による報告とさせていただきたいと思います。

(畠山理事)

 平成19年度「コンプライアンス推進のアクションプラン」をお示ししていますが、3月中に工程表をお示しすることとしておりますので、次回でも結構ですから、ご意見等がございましたら、お寄せいただきたいと思います。

(石原委員長)

 資料をお読みいただき、経営委員の皆さまには、ご意見等がございましたら、ぜひお寄せいただきたいと思います。



5 その他
  経営委員とNHK“約束”評価委員会委員との間で意見交換を行った。


 以上で付議事項を終了した。

 

 上記のとおり確認する。

 

平成19年3月13日  

梅 原 利 之

 

多賀谷 一 照