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経営委員会後の記者ブリーフィングおよび石原経営委員長就任記者会見要旨

 

平成28年6月28日(火)(第1263回)石原委員長、本田代行、上田委員

 

【経営委員会報告】

 (石原委員長)

  • 本日は、6月20日付で経営委員に新任された4名、再任1名の委員が参加する初めての経営委員会となった。
    新任の4名は
     小林 いずみ (こばやし いずみ) 委員
     堰八 義博 (せきはち よしひろ) 委員
     宮原 秀夫 (みやはら ひでお) 委員
     渡邊 博美 (わたなべ ひろみ) 委員
    再任は、
     上田 良一 (うえだ りょういち) 委員
  • 会長報告として、「追跡“出家詐欺”」問題を受けた再発防止策のこの1年間の実施状況について報告をうけた。
  • 監査委員会から、「日本放送協会平成27年度業務に関する監査委員会の活動結果報告」をうけた。
  • 執行部からの付議事項は、議決事項が
    (1)日本放送協会平成27年度業務報告書について
    (2)日本放送協会平成27年度財務諸表について

      以上2件は、これらに添える監査委員会の意見報告も受けたうえで議決した。
    決算の内容は、

    ・ 一般勘定の事業収入は、前年度決算に対し2億円減収となる6,868億円。うち、受信料収入は前年度決算に対し131億円増収となる6,625億円。事業支出は、前年度決算に対し104億円増加となる6,580億円。これにより事業収支差金は288億円となり、このうち278億円を建設積立資産に繰り入れるというものだった。

    (3)株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構への出資について
    (4)NHK国際放送の完全ハイビジョン化に伴う協会国際衛星放送の開始について
  • 報告事項
    (1)平成28年度 国内放送番組編成計画(スーパーハイビジョン試験放送)について
    (2)平成27年度 NHK連結決算について
    (3)予算の執行状況(平成28年5月末)
    (4)契約・収納活動の状況(平成28年5月末)
    (5)地方放送番組審議会委員の委嘱について
  • 以上ののち、経営委員間で経営委員会の体制について議論した。
    まず空席となっている、委員長の互選を行った。その結果、私、石原が委員長に選出された。委員長職務代行者には、委員会の同意を得て引き続き本田委員を指名した。
    指名部会長は委員長である私が務める。

    評価・報酬部会長については、常勤の委員が務めるのが好ましいという考え方から、上田委員にお願いすることなった。
    以上の決定を踏まえ、新たな体制で経営委員会を行うことになった。

 

 

【記者会見】

 (石原委員長 就任の挨拶)

  •  あらためて、このたび委員長職を拝命した石原でございます。重責ではありますが、誠心誠意、他の委員のみなさまと協力して務めさせていただきたいと思います。
     現在のNHKは「放送と通信の融合」時代のなか、将来の公共放送を考える上にあたって、大変重要な時期にあると考えています。
     経営委員会の考える課題は、浜田委員長時代の平成27年1月、経営計画議決の際に執行部にお示しし、公表した「経営委員長見解」に示されていると考えています。また、今後行う会長の選任も大変重要な仕事だと考えています。

     経営委員会は、放送法で定められたNHKの最高意思決定機関であり、役員の職務執行の監視監督機関であります。その重責をしっかりと認識し、視聴者・国民のみなさまからあずかる受信料で成り立っている公共放送として、NHKが、みなさまからよりいっそう評価され、信頼され、放送法で定められた役割をしっかり果たしていけるよう、執行部ともよい緊張関係をもちながら、努めてまいりたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

 (本田代行)

  •  引き続き代行に指名された本田でございます。今、委員長からお話ししましたように、重い責任をしっかりと受け止めて、精一杯臨んでいきたいと思います。みなさま、よろしくお願いいたします。

 

【以下、質疑応答】(記がない場合、回答は石原委員長)

 

<委員長としての意気込み>

Q.どのような取り組みをしていきたいか。

A.NHKは非常なときにあると思っている。放送と通信の融合、受信料制度の問題。また国際放送でNHKが果たす役割も大事。グループ経営のガバナンスの問題、新放送センターの建設、どれも重要な課題として取り組んでいく必要がある。それらにおける基本として、視聴者のNHKに対する信頼をきちんと、さらに作っていく必要がある。執行部には、人材の育成なり、組織の活性化にいっそう真剣に取り組んでいただきたい。

 

Q.経営層にガバナンスをきかせていくという上で、新委員長の決意は。

A.ガバナンスについては、3月にNHKのグループ会社に対する業務執行のやりかたを見直した。マンネリ化にならないように、機会を見て執行部に対し報告を求めていきたい。

 

Q.委員長職は、どのようなものだと考えるか。

A.経営委員会をまとめてリードするのは経営委員長の役割で、非常に大事だと思っている。経営委員会はNHKの最高意思決定機関なので、その役割を果たす委員長の仕事はやりがいがあると考える。

 

Q.浜田前委員長の方針を引き継ぐところ、変えていきたいところは。

A.浜田前委員長は、委員の多様な意見をとりまとめ、NHKにとって一番よい方向は何かという観点で整理していかれた。経営計画策定時に経営委員長見解としてまとめた5項目はきわめて重要で、当然それは踏襲していく。

 

Q.12月で経営委員の任期満了となると思うが、その後はどうするつもりか。

A.私の任期は12月10日だが、再任されれば委員長をやりたいと思っている。

 

Q.委員長になったことで、拠点を東京に移すことは考えているか。

A.経営委員長になった以上、全力で委員長の仕事を全うしたい。必要ならば、東京に拠点を移す必要があるかと思っている。

 

Q.本田代行に伺う。改めて新体制について、こうあってほしいという考えは。

A.(本田代行)12名全員が一致して石原さんを委員長に選んだ。経営委員会は執行部との緊張感を持ちながら、しかし執行部とも一緒になってNHKの発展をはかっていく。そういう意味では、今回の新しい委員も含め、大変素晴らしい人たちの集まり。今後とも、頑張っていきたい。

 

<受信料について>

Q.受信料の公平負担の実現と引き下げについて、委員長の考えは。

A.受信料額の引き下げについては、まずNHKが必要な役割を果たすためにどのくらいのお金が必要か、ということがあり、それから先の問題として出てくる考えである。 また、経営計画では支払率80%を目標としているが、それでもまだ公平負担の観点からは問題があり、更に支払率を高める努力をしていかなければいけない。

 

<放送の不偏不党>

Q.政治権力と放送との関係性について所感を。

A.当然のことながら、業務は放送法に基づいて執行しなければならない。放送法には不偏不党、公平、自主自律、そういったことが明確に書いてあり、その考え方に尽きると考えている。

 

Q.経営委員会が政権に近いのではないか、という指摘についてどのように考えているか。

A.経営委員会が政権と近すぎるとは思わない。ただNHKは国民の意思を反映している国会で予算を通さなければ、業務を執行できないので、政治との関係は大切である。

 

<会長について>

Q.現在の籾井会長をどう評価をしているか。

A.誤解されるような発言がいくつかあるかなという感じもしている。その辺については、注意を申し上げることは必要だ。同時に、収入の確保、収支の改善、国際放送への注力、放送と通信の実験、こういった実績があると思っている。籾井会長については、是々非々ということで考えていきたい。

 

Q.籾井会長の再任についてどう考えるか。

A.これから12名の委員で手続きを含めて話し合う。会長選任は最も重要な事項のひとつ。選任については、来年の1月が任期なので、手続きを進めていきたい。その中でどうするかということで、いま、どうこう言える話ではない。指名部会の立ち上げはまだ決めていないが、そう遠い将来ではないと思っている。

 

Q.会長から提示された理事任命の同意人事案には担当業務が書かれていなかったことについて、経営委員長として改善を求めていくのか。

A.理事の担当業務については会長から説明をしてもらっているが、書いてくれれば時間の節約になると思う。

 

<委員長の互選>

Q.委員長の選出方法について。

A.これまでの実績も踏まえて以下のような手順で行った。まず、委員長として特に有するべき5つの要件の確認。①NHK関連団体と特別な利益関係にない。②合議制である経営委員会にふさわしい議事運営に徹する。③透明性のある運営と視聴者に説明責任を果たせる。④執行部と緊張関係を持ちつつ良好な連携を持った運営ができる。⑤このようなことに対応する時間と能力を持つことができる。2つ目に、用紙により委員長候補者を自薦または他薦。3つ目に推薦された方が委員長候補となるかどうかの意思を確認。4つ目に、委員長候補者の所信表明を受けたうえで質疑応答。私は、5つの要件は大丈夫。2つ目は、委員長候補者に自薦した。3つ目に、委員長候補者となる意思があると言い、4つ目の所信表明を行い、それに対する質問があった。そのあと、複数の候補者が残ったので、候補者は席を外し、残りの10名の委員で合議して決定した。その後、候補者である私どもが入って報告を受け、12名全員一致で決定した。その後、代行を指名した。

 

Q.合議したときの選考の理由は。

A.私は合議に直接参加していなかったが、所信表明や質問に対する答えを含めて、判断いただいたのだろうと思う。

A.(上田委員)候補に指名された方が席を外し、残りの委員で議論した。所信表明のやり取りや、新しい委員の方も過去の議事録などをチェックしており、経営委員会への貢献度などを総合的に判断して、最終的には全員で合意した。その上で、候補者も一緒に再確認し、12名全員で合意した。

 

<NHKの番組について>

Q.印象に残ったNHKの番組は。

A.『NHKスペシャル』の自然もの。それから、今でも続いているBSの番組で、『にっぽん百名山』とか。山歩きが趣味なので。それから、『さわやか自然百景』。休みの朝に見ている。非常にNHKらしくていい。

 

 

以上