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経営委員会後の経営委員長記者会見発言要旨

 

平成23年1月15日(土)(第1134回)小丸委員長、安田代行、井原委員

 

【経営委員会報告】

 (小丸委員長)

  • 本日、第6回の指名委員会を開催し、今まで検討してきた「資格要件」及び「会長候補を選任する際の手続き」の確認をしました。そのうち、手続きについて一部見直し、人選に入りました。その結果、指名委員会にて現、東海旅客鉄道株式会社代表取締役副会長、松本正之氏を会長候補者として推薦することになり、ご本人に候補者となることの打診を行い、ご承諾をいただいた。これに基づき、指名委員会から経営委員会に報告があり、経営委員会にて松本氏の会長任命を12名の全会一致にて議決しました。
    推薦の理由としては、松本氏はNHKの改革を推進するために必要な国鉄を改革し、成功した実績を持っていること。改革を断行するために強いリーダーシップをもって、JR東海という大組織を率いてきたことが、NHKという大きな組織を引っ張っていくだけの力を持ち、なおかつ、公共放送としての使命と役割を発揮するには適切であると思ったことです。本人は、性格の明るいスポーツマンで、NHKで求心力を発揮するには、性格的にふさわしい人物であること、若き頃に北海道警察本部に勤務した経験もあり、清廉潔白な人であるということ。以上の理由でNHK会長に最適の人物であるということになりました。
    松本新会長にあたっての経営委員からのおもな意見は、JRの経営改革の最前線で活躍をされ、現在も優良企業の現役の経営者で実績もあり、年齢的にも若い、人望人柄がすばらしいとの評判。現役の副会長をやめて、来てくれる熱意、NHKの職員を束ねて、情熱を持って、諸課題にあたってくれるということ、NHK職員が受け入れて、一緒にやりたいと思わせる人物だ、というようなものでした。

 

 

<以下、質疑応答>

 

 (記者)

予定通り24日までに決められた今の気持ちは。

 (小丸委員長)

今日まで、6回の指名委員会を行いました。本来は11日、12日で決めたかったのですが、いろいろと難しい問題もありました。しかし、今回、経営委員のみなさんに一枚岩になっていただいたということと合わせて、今朝からいろいろな議論をしました。本当に充実して実のある指名委員会ならびに経営委員会だったと思います。なんとか1月24日までにできたということで、私自身は大変な喜びです。

 (記者)

推薦したのは、小丸委員長か。

 (小丸委員長)

いや、経営委員の中から挙がってきたということでご理解ください。

 (記者)

推薦者は一人か。

 (小丸委員長)

そうです。

 (記者)

名前は言えないのか。

 (小丸委員長)

言えません。

 (記者)

打診とか、受諾してもらったのは、あくまで今日ということだが、事前接触はどうだったのか。

 (小丸委員長)

その過程ではありません。

 (記者)

接触してないのか。

 (小丸委員長)

はい。

 (記者)

指名委員会は何人か。

 (小丸委員長)

6名です。

 (記者)

今、複数名候補者がいたと言っていたが、それは内部外部含めて複数名いたという理解でいいか。

 (小丸委員長)

そう理解してください。

 (記者)

複数名いる中で、なぜ松本氏なのかということを具体的に説明していただきたい。

 (小丸委員長)

委員のみなさんの意見を集約して最終的に、指名委員会で今回は1名だけを経営委員会にあげるという議論を、指名委員会以外の方も含めて行いました。そういった面では、開かれているというか、委員のみなさんにいろいろな意見を言っていただき、結果的に推薦で経営委員会にあがってきたと理解してください。

 (安田代行)

どうしてか、というのは、それぞれ委員によって違いますが、私が松本氏をふさわしいと思ったのは、これは福地会長も言っておられたが、NHKも鉄道も一瞬たりとも気の許せない仕事で、1秒でも気を許せば大事故に繋がります。放送も同じ。そうした同じような職種を体験されているということです。それから、日本のハイテク産業としての新幹線とNHKの持っている技術力、これは、これからの放送と通信の融合の時代に、国際戦略として世界に打って出なければいけない極めて高い技術力であると私は考えています。今後、21世紀の日本の世界への国威の発揚という意味においても、松本氏はたいへん大きな役割を果たしてくれるのではないか、と私は思いました。

 (記者)

経営委員会の中に、JR九州の石原委員がいらっしゃるが、ガバナンス側と執行部側にJRの方がいる点についての議論はどうか。

 (小丸委員長)

そういう議論もありましたが、「問題はない」という委員のみなさんのご意見でした。

 (安田代行)

まったく別会社ですよね。

 (記者)

今日、松本氏に決まったということだが、経営委員会として、これまで混乱を招いた責任についてどう考えるか。

 (小丸委員長)

私は、1日も早い次期会長の選任でいっぱいでした。今後の件については、経営委員会のほうでいろいろ議論をしていきたいと思います。

 (記者)

ということは、今日辞めるわけではないのか。このまま引き続き、するのか。

 (小丸委員長)

このあと、経営委員会で引き続き議論したいと思います。

 (記者)

今日の委員会の中で、そういう話は出たのか。

 (小丸委員長)

出ません。

 (記者)

内外問わずふさわしい人物ということだが、それでも内部がいいのか、外部がいいのかという議論があったと思う。その中で、最終的に外部となったどういう経緯か。

 (小丸委員長)

内部、外部議論しました。委員のみなさんの意見は、外部が圧倒的でした。NHKは今、立派な組織となり、改革を進めた福地会長のような方がいいという意見が多数でした。

 (井原委員)

ご案内のとおり、資格要件を、時間をかけて指名委員会で議論し、経営委員会にも報告をいただいて、共有していました。その資格要件にもっともふさわしい、資格要件の全てに、かなうと判断したのが私なりの理解です。そういう意味では、先に内部・外部ありきではなくて、内部・外部問わず、会長としてもっともふさわしい方という考え方は、堅持をして結論づけたと考えています。

 (記者)

冒頭、小丸委員長の話のなかで、候補選任の手続きを確認をして、手続きの見直しをして選任したとあったが、手続きの見直しについてどのような問題の声があがり、どのように見直したのか。

 (小丸委員長)

前回は、複数名の方をあげて、第一候補を決めていきました。その方法が、疑問視されました。今回は、内部・外部問わず議論し、最終的には、全員一致を基本的な考え方として、指名委員会の過程でじっくりと委員のみなさんと議論をしました。

 (記者)

松本氏の名前は一部報道で挙がっていたが、経営委員会で論議されたのはこれが初めてか。

 (小丸委員長)

そうです。

 (記者)

今日、松本氏を推薦した委員の推薦理由を教えてほしい。推薦されたあと、今日の決着となったが、あらかじめ、ある程度の感触や脈があったのではないかと思うが、その辺はどうか。

 (小丸委員長)

先ほども申し上げましたが、国鉄を改革された方、そして強いリーダーシップを持っており、現役の代表取締役副会長をお辞めになってNHKに来られることに経営委員全員が感銘を受けました。

 (記者)

そういう風に、提案した方は説明したということか。

 (井原委員)

さきほど委員長がご説明した推薦理由として上げられた5点があります。この5点が推薦された方からの推薦理由です。そのあとが、経営委員会における主な意見でございます。前者の5点が推薦理由です。

 (記者)

さきほどの質問に答えていないようだが。これだけの電撃決着であると、あらかじめ、脈があって、この方でいけるのでないかと提案した方の話もあって、決着に至ったのではないか。

 (小丸委員長)

推薦した委員は、いろいろな意味でそういった内容を説明しました。いま井原委員が言ったように、5項目が主な推薦の理由です。

 (井原委員)

少し補足します。私は前もってのことが、あったのか、なかったのか、承知していませんが、全体としては本当に初めだった、と思っています。
なぜかと申しますと、議決されたときにこれまでご迷惑をかけたことは申し訳なく思いつつですが、こういう方にたどり着いたというか、議決されて本当に良かったと、期せずして拍手が起こったような状況でした。こういう方がいたのだ、そういう方がおいでくださるという意味で。ですから前もってということは、私はなかったと理解しています。

 (安田代行)

推薦された方のほかにもう一人よく知っている委員がいました。その2人の意見がほとんど同じ意見でした。今までは一人の委員しか知らなかったが、今回の場合は少なくとも確実に2人の委員が「間違いない」、という推薦でした。これが委員たちの心を動かしたのではないか、と思います。

 (井原委員)

そのことも当然、指名委員会、経営委員会の中で披露された内容で、前もってではありません。

 (記者)

さきほどは経営委員会としての責任についてのコメントだったように思えた。委員長個人としての責任についてどう考えているのか、改めて伺いたい。

 (小丸委員長)

今回のようになったことに対しては、強く反省しています。この件についてはまた報告します。今日はとにかく新しく会長を任命することでいっぱいでした。

 (記者)

さきほどの委員会でいろいろ議論してというのは、自身の処遇についての意味か。

 (小丸委員長)

そうです。

 (記者)

これまで松本氏自身からNHKに対しての思いを聞く機会はなかったのか。

 (小丸委員長)

そうです。

 (記者)

安西氏の件もあるが、松本氏自身から意見を聞かずに議決してしまっていいのかという議論はなかったのか。小丸委員長の気持ちを聞かせてほしい。

 (小丸委員長)

推薦された委員には責任を持って、そうしたことに対して説明をしてもらったし、いま代行が言ったように委員の中からも発言がありました。そうしたことを考えれば、私は十分だったと思います。

 (記者)

今日、松本氏へは小丸委員長が電話で連絡したのか。

 (小丸委員長)

そうです。

 (記者)

小丸委員長からは何と伝え、それに対して松本氏はどう答えたのか。

 (小丸委員長)

気持ちよくお引き受けいただいた。指名委員会、経営委員会で議論し、最終的に全会一致で、松本氏で議決をしたということです。

 (記者)

それに対して松本氏は何と言ったのか。

 (小丸委員長)

一生懸命やります、と。

 (記者)

やってくださいますか、と言ったのか。

 (小丸委員長)

わかりました、とお答えになりました。

 (安田代行)

今のJR東海の副会長の給与とNHK会長の給与とでは、大きな差があります。それでもNHKのため、日本の国のために一命を捧げるという、その心意気は、今まで私たちがお会いした人にはないものでした。そのようなことは普通できないと私は思います。本当に感激しています。

 (記者)

安田代行は松本氏と話したのか。

 (安田代行)

私は話していません。

 (記者)

推薦理由を見て、そう思ったのか。

 (安田代行)

そうです。

 (記者)

松本氏を推薦した委員は、松本氏とこれまでに面識はあるのか、ないのか。

 (小丸委員長)

それについては答えにくい。いろいろな方を通じて紹介されました。

 (記者)

なぜ説明できないのか。

 (小丸委員長)

本人は松本氏とはお会いしていません。

 (記者)

わかりました。12人全員がお会いになっていないのか。

 (小丸委員長)

そうです。

 (安田代行)

いやいや、12人ではありません。さきほど申し上げたとおりです。

 (記者)

追加で推薦された方は面識があったと。

 (安田代行)

追加で、というか、全員が推薦したわけだが、その中の一人は同業者であり、ご存知でした。

 (記者)

拍手が巻き起こるすばらしい方にしては長い時間がかかった。どうしてこれだけの時間がかかったのか。選考のプロセスを具体的に教えてほしい。

 (小丸委員長)

今日は10時から指名委員会を開催しました。午前中は特にいままでの反省点や、検討の仕方を議論しました。そのあと、複数名の方の候補の名前があがり、それに対して委員の中から質問があり、推薦した委員からそれに対して説明がありました。
指名委員会として、最適な方を1名選んで、それを経営委員会であげるということで、過程に非常に長い時間を要しました。最適な方を選任できたと思っています。こうした過程を踏まなければ当然、私は、中で選ばれていたのではないかと思います。今回の過程については私なりによかったと思います。他の委員も同様の考えだと思います。

 (記者)

確認ですけど、推薦者は一人か。

 (小丸委員長)

そうです。

 (記者)

それで、よく知る人がもう一人いたということか。確認だが、事前に経営委員会としての打診はしなかったが、推薦者は松本氏に「声をかけるよ」といったような、打診というかアプローチはしていたのか。

 (安田代行)

本人は、直接はしていないと思う。第三者を介して聞いていたと思います。

 (記者)

推薦者がいて、第三者がいて、その第三者が松本氏に「NHKから声がかかるかもしれないよ」と。

 (安田代行)

それは知りません。そういう話があったかどうか、そこまではわかりません。

 (記者)

本人の内諾が、その第三者の人には入っていたのではないか。

 (安田代行)

それはわかりません。ないと思います。直接は、小丸委員長が電話しました。

 (記者)

少なくとも、推薦者は、直接的には松本氏に、「声をかけるよ」ということは言っていなのか。

 (安田代行)

確認したわけではないが、言ってないと思います。

 (記者)

小丸委員長に聞きたいのだが、松本氏には、いろいろ期待があるとは思うが、これをしていただきたい、というのがあれば、1つ教えていただきたい。

 (小丸委員長)

現会長もこの3年間、私は、いろいろ改革されたと思います。やはり、私たちは私たちなりにいろいろやり方はあるとは思いますが、まずは、その心を大切にし、NHKの職員が喜ぶような、改革をしていただきたいと思います。松本氏の場合は、安心・安全という、運輸事業では、一番大切なことを、今までずっとやられてきました。他の会社のような重大な事故もなかったように聞いているし、新幹線の安全神話という、すばらしい歴史を作られた副会長。NHKが改革に前進するための、大切な時期で、改革に実績のある松本氏なら、NHKの職員の方たちに受け入れられると思います。来年度は、現経営計画の最終年になるので、特に、7月24日の完全デジタル化の問題も含めて、ご活躍を期待しています。

 (記者)

今日、松本氏に打診したことをもう少し詳しく聞きたいのだが、小丸委員長が電話で話したのですよね。文言としてはどういうことを。

 (小丸委員長)

さきほども、少し言いましたけれども、まず、「全会一致で議決をしました」と。

 (井原委員)

議決の報告ではなくて、打診のです。

 (小丸委員長)

そういう過程を言い、それから「受けていただけますか」ということを言いました。全会一致ということを、根気よく、申し上げないと、松本氏も、いろいろなご不満があろうかと思いましたので。

 (記者)

その電話ですぐに、即答されたのか。

 (小丸委員長)

そうです。

 (記者)

ちょっと考えさせてください、とかそういうことは。

 (小丸委員長)

ありませんでした。

 (記者)

今の質問と関連するが、さきほど「わかりました」と松本氏からはひとことだったと。ただ、安田代行が、今の副会長の給料は、NHKの給料とこんなに違うのに引き受けてくれた心意気は今までお会いした方はいないと。給料がこんなに下がるということをあらかじめご存知だったというのを推し測って、言っているのかもしれないが、「わかりました」とひとことであったという。そういったところを理解されているという根拠はなにか。

 (安田代行)

わかりません。それは。直接電話したわけではありませんので。

 (記者)

そういった待遇面とかを、おそらく知っているのだろうと。

 (安田代行)

それは、ホームページを見てもわかりますし、給料がいくらかというのは。わからない、それは。ご存じないかもしれない。

 (記者)

さきほどは、推測で言ったのか。

 (安田代行)

私は知っていますよ。半額になるということは。でも、ご本人はご存じないかもしれません。

 (記者)

では、推測でおっしゃったのですね。

 (記者)

これまでずっと方法を議論してきて、このスピード決着。安西氏が拒絶してから3、4日しかない。この短期間で決められたことについてもう少し説明していただきたいのと、これだけの混乱を招いておいて、小丸委員長が、何も責任を取らないというのは、視聴者の納得を得られるのか、ということ。今後の委員会で議論していきたい、話を聞いていきたい、と言うが、小丸委員長本人が決めることではないのか。

 (小丸委員長)

おっしゃるとおりです。まずは、11、12日で議論を重ね、24日までに必ず、次期会長を議決しなければいけないという思いは、委員のみなさん一緒でした。今日、推薦をされる方を、委員のみなさんに持ち込んでいただきました。そして、今日1日やったわけです。それを早いとおっしゃるかもわかりませんが、委員のみなさんにいろいろ聞きましたところ、今日決める、という意見が圧倒的だったので、今日議決して、私がご本人に打診したら、気持ちよくお引き受けいただいたということです。
それから2つ目の結論については、私自身が考えることなので、また、日を改めて、いろいろ報告したいと思います。

 (安田代行)

経営委員会の大きな役割は、まず、差し迫った問題として、会長を選ぶということ。次に国会で予算を通過させるという重要な課題が残っています。私は代行だけれど、国会には一度も出たことはありません。私が国会を通すということは、考えもおよばない。小丸委員長は今まで何回もやられています。
まず、NHK予算を国会を通過させて、それから考えてください、と私はお願いしています。

 (記者)

それは、小丸委員長もそういう考えで、通過させようと。

 (小丸委員長)

それは、違います。私の考えは、考えでございます。

 (安田代行)

私の考えです。やはり、それをしていただかないと混乱しますので。

 (記者)

スピード決着だったということで、一部の委員の方はご存知だったようですが、委員長自身は、松本氏と面識はないのですよね。

 (小丸委員長)

面識はありませんけれども、お名前はよく存じ上げています。私が16年の6月に経営委員になったとき、ちょうど、JR東海の須田氏とご一緒という時期がありました。須田氏は、本当にご立派な方でございましたし、そうしたことから、JR東海のことについては、私なりに認識しているつもりです。さきほど安田代行も言ったように、現役の代表取締役副会長を辞めて、来ていただけるので、私からはもう何も言うことはありません。

 (記者)

小丸委員長自身はそのようなつながりがあっても、全くご存知のない委員もおそらくいらっしゃったと思うのですが、過去、あまり知らない委員の方だと、私は推せないというのもあった。そういう意味では、全経営委員がご本人とお会いしてからではないと決められない、という手続きもありえたと思うが。概況的に、「代表取締役を辞めてくるのだから」という意見ばかり目立つが、拙速なのではないかという、認識はあるか。

 (安田代行)

私たちも、今日、会見ができるとはまったく予想していませんでした。

 (記者)

今日、決めたかったのでは。

 (安田代行)

いや。決まる、決まらないではなく、次の会をいつにするかという、日程調整をしていました。だから今日、議決までいくとは、夢にも思いませんでした。

 (井原委員)

ご本人に会わないで委員のみなさんが決めた1つの理由として、推薦者とは別に、たまたまよくご存知の方がいらっしゃったので、お2人から同じ推薦理由にたどり着いたということで、委員のみなさんが、とても納得したということはあると思います。複数のお声によって、信頼できる、と私どもは理解いたしました。

 (記者)

今日の結果を福地会長にはどのようにご報告し、それに対してどのような言葉があったか。

 (小丸委員長)

議決をした後、執行部と全体会議を行いました。その時、福地会長には「大変遅くなって申し訳ない。今日、こういうことで議決させていただいた」という紹介をしました。福地会長も、今まで、次期会長になるべき人柄や、自分たちがやってきたことをいろいろとご指導いただいていたので、ある面で言えば、喜んでいただき、早く決まってよかったということでした。本来はもう少し早く決めなければいけなかったというお断りも、重ねて私からさせていただきました。

 (安田代行)

福地会長の言葉は、ひとつは、最初に私が申したように、「いい人を選んでいただいた」ということです。それは、放送も鉄道も、1秒たりとも気を緩めてはいけない、命に関わる商売です。委員長も「安全・安心」という言葉を使いましたけれども、人々の生命・財産を守る極めて重要な業務です。その共通した点を高く評価していただいた。
苦言も呈された。それは、情報の漏洩についてです。なぜ、これほど情報が漏れるのか、と。これは、今後、経営委員が考えてもらわなければならないことだと。

 (記者)

松本さんに就任を打診したときの様子を、もう少し詳しく教えていただきたい。新しい職場に移るわけだが、NHKの会長とはどういうものか、とかといった説明を求められることはなかったのか。

 (小丸委員長)

16時15分に議決をして、松本氏には電話で報告をしました。松本氏にはいろいろなご説明に参ろうと思いますが、まずは、「全会一致で決定させていただきましたので、よろしくお願いいたします。」と伝え、「わかりました。」というお答えでした。

 (記者)

事前に説明したということは、いっさいないのか。

 (小丸委員長)

ありません。

 (記者)

1日で決めたことがいいのか、悪いのかということについてはいろいろな考え方があると思う。会わなくても早く決めることがより重要であるという考え方もあると思うのだが、そういう考え方で、会うことよりも今日決めることを優先したということか。

 (安田代行)

それはありません。お会いする日程をはじめ決めていた。「いつお呼びしましょう。」「今、滋賀におられるので、日程調整をしましょう」と、次は会うということも決めていました。

 (記者)

2人の委員が同じ理由で推薦したということが、大きかったということか。

 (安田代行)

それはきっかけで、それ以外にもいろいろな情報があります。先ほど申し上げたように、安全と安心という共通のお仕事に携わっているとか、あるいは新幹線と同じように、日本の技術力を世界に広めるとか、さまざまな貢献がお願いできるのではないかという期待がありました。

 (記者)

2人の意見が一致したというのが最大の理由であれば、心配なのは、2人が口裏をあわせれば、簡単にできるのではないかと思うのだが。

 (安田代行)

いや、全然そんな雰囲気ではありませんでした。

 (記者)

滋賀にいるので次に会う日程も決めていたのに、なぜ今日議決して、承諾を得るという行為をしたのか。

 (安田代行)

私は、議決しましょうとはひとことも言っていません。委員のみなさんから、今日議決しましょう、という意見が出ました。それはなぜか、私もわからない。委員長も私も、今日議決して下さい、とは、いっさい言っていません。

 (記者)

ということは、指名委員会で松本氏に絞って、経営委員会に諮ったときに会う日程も考え、滋賀にいて今日お呼びすることはできないので、別に会う日程も考えましょうという話をしたら、委員のみなさんから、いやもう会えなくても、今日議決しましょう、という話になったということか。

 (安田代行)

いや、そうでもありません。

 (記者)

説明してほしい。

 (安田代行)

滋賀にいたことと、日程調整をしたことは事実ですが、行くからどうだということでは。

 (記者)

小丸委員長にお願いしたい。

 (小丸委員長)

実は、今日、議決をできなければ、委員のみなさんはすでにいろいろ予定がありましたので、最悪次回は、来週の土曜日ということは、申しあげたと思います。その前に何回かという議論もしましたが、そういった中で、推薦された方、またもう一人の方も、ご本人の気持ち、性格、仕事のことを考慮された。最終的には、委員12名の意見が、今日議決しようと。今日あわててやったような感じをお持ちになるかもしれないが、決してそういうことではなく、真剣に議論をさせていただいたということです。

 (記者)

後日、就任前に経営委員と松本氏が対面する予定などは入っているのか。

 (小丸委員長)

まだそれは考えていませんが、私としては、ぜひそういう場を持っていただきたい、あるいは持つようにお願いしたいと考えています。そこまでまだ議論していません。

 (井原委員)

先ほどの議決をする前の面談について申し上げますと、その必要があるかということについて、委員のみなさんのご意見をいただきました。議決する前に面談がなくても今回は判断できる、というのが委員の考えでしたので、それだったら少しでも早く議決したほうがよいのではないか、ということにたどり着いたということです。

 (記者)

推薦された方が複数名いたということですけれども、外部で何人、内部で何人の方が推薦されたのか、それぞれの人数を知りたい。

 (小丸委員長)

それは申し上げられません。複数名ということです。

 (記者)

それは内部の方も外部の方も両方出たということか。

 (小丸委員長)

はい。

 (記者)

先ほど安田代行が「予算を通過させることが大事だと、それから考えてほしい」という発言をしたが、委員長が経営委員会で辞意を漏らされて、そういう発言につながったということか。

 (安田代行)

いや、それはありません。

 (記者)

では、どういう流れで安田代行の発言につながったのか。

 (安田代行)

いや、皆さんが前回のときに、責任はどうするのか、という質問がありました。それで私は委員長に、国会で予算を通すまで、そういうことは考えないでください、と言った。記者の方が質問されたから、私は申し上げました。

 (小丸委員長)

それは、私が考えることなので、それはまた後日、私なりに考えたいと思います。

 (記者)

松本氏から、就任にあたって条件や質問はあったのか。例えば、名古屋にいるので、東京に新たに住居を構える費用はどうなるのか、といったような。

 (小丸委員長)

そういった条件等は、前にも申し上げたとおり、いっさいありません。

 

なお、記者会見後、「記者会見内容の一部訂正」を文書にて行った。

 

  • 本日(1月15日)の次期NHK会長選出についての経営委員長記者会見で会見出席者が、松本氏と、松本氏の推薦者との間で面識がないと発言しましたが、推薦者との間でも面識がありました。

  • したがって、経営委員のうち2人が、松本氏と面識があることになります。

  • なお、2人が面識をもったのが、今回の次期会長の選考過程の中ではなく、以前から面識があったということです。

 

以上