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経営委員会後の経営委員長記者会見発言要旨

 

平成23年1月11日(火)(第1133回)小丸委員長、安田代行、井原委員

 

【経営委員会報告】

 (小丸委員長)

  • 今日は安西氏に大変ご迷惑、ご心配をおかけしたことをまずお詫びします。
    福地会長の続投が難しくなった頃から、人選する過程で、資料、あるいはネット等で調べ、NHK会長にもっともふさわしいのは誰であるかということに相当時間を費やし検討した。安西氏は、相当規模の組織、慶応義塾の塾長を2期務めている経験から適任ではないか、ということで経営委員会に諮った。
    さらに調べると、安西氏は、ある会社の社外取締役に昨年から就任しており、また共立薬科大学と合併して薬学部を新設するなど大学改革においてもさまざまな面で実績をあげ、中央教育審議会大学分科会の分科会長などでもご活躍をされているので、お話を聞こうということで、23日にお会いし、およそ1時間お話をした。
    まず私どもは、NHKの会長になっていただけるかどうか、就任の打診をしたと思う。その時に、放送法のことも説明した。その後のやり取りでは、終始、安西氏は、「経営委員会が一枚岩にならなければいけない。12人が結束をしないと受けられない」と申されていた。何名かの委員が「会いたい」ということで、1月5日には非公開の形で委員のみなさんに会ってもらった。いろいろ話をして、「会ってよかった。こういった方なら改革ができるのではないか」という委員もいた。
    そういう過程を踏んで、昨日、「状況を知らせて欲しい」ということで、私と安田代行、井原委員の3人でお会いし、「12名すべて賛成ということは難しい事態になっている」「9名の賛成も非常に厳しい」ということを申し上げた。
    安西氏に会長を受諾してもらうには、経営委員全員の意思が一致しなければいけないという思いがあったので、残念ながらこういう結果になった。
    安西氏の「経営委員全員が参加しなければ改革は進まない」という思いと、安西氏の改革の力をもって、NHKを改革していただきたいという思いで、私としては一生懸命やったつもりだが、残念な結果になって申し訳ない。
    経営委員全員で明日も引き続き審議し、少なくとも1月24日までには決めなければいけないという思いで、現在取り組んでいる。

 

 (安田代行)

  • 安西氏は、分野的には認知科学の方。今、NHKが抱える問題は二つあり、一つは若者の接触者率の低下。二つ目は通信と放送の融合。新しい技術革新をして、この通信と放送の融合にNHKがどう応えていくかということ。これらの課題に向けて安西氏はふさわしい方であると思い、私も推薦した。残念ながらこういう結果になり、誠に残念。

 

 (井原委員)

  • 安西氏は大学改革でご苦労、ご尽力されて成果を出しておられるが、私もちょうど改革のさなかに大学生活の最後を過ごしたので、それがどれほど大変だったのか理解するし、それをもってNHKでの改革に努めたいというお気持ちが実現できない状況になったことは残念でもあるし、申し訳ないと思う。
    今回は、平成20年の放送法改正後、初めての会長選挙だった。改正放送法では経営委員会の役割がかつてより重くなり、経営委員会としても、できるだけ主体的に視聴者のみなさまにもわかっていただけるよう、透明性の高い選考に取り組みたいということで、いろいろと議論をしてきた。率直に言って、取り組みが遅かったことが、今回の一因と思う。
    選考手続きは、経営委員会が主体的にということで、経営委員が推薦する候補者を挙げ、また、前もって交渉すると、不透明なことが起こるかもしれないので、交渉することなく推薦者を挙げようということになった。
    そしてその推薦者に対して、就任いただけるかという意向打診を行うことになった。交渉せずに推薦しているので、意向打診の手順を作った。意向打診において、推薦者が複数になった場合には順位をつけ、その意向打診を踏まえて、指名委員会が審議をし、1月前半の経営委員会で議決するという手続きで合意していた。
    その意味で、安西氏にお願いをしたのは、議決をさせていただいたときに受けてくださるかどうか、ということだと指名委員会ならびに経営委員会は理解をしていた。
    ただ、意向打診の過程で、委員長も言ったように、ぜひともこの方にお願いをしたい、という気持ちがおありになったことから、行き違いが起こったのだと思う。こうした行き違いが起こるようなやり方をとったことについて大変反省している。
    委員のみなさんには、完全デジタル化を迎える新生NHKのトップにふさわしい方を一生懸命考えよう、という思いがあり、いろいろな情報を取得する中で、「本当にいいのか」という意見がだんだんと出てきて、こういう結果になったと理解している。

 

 

<以下、質疑応答>

 

 (記者)

先ほどから「打診」という言葉を使っているが、安西氏は先ほど会見で、「経営委員の総意として要請があった」と言っていた。経営委員会としては、総意として「要請」したのではなく、あくまでも「打診」したという位置づけだということなのか。
また、今回経営委員会が総意で要請した方に結果として辞退を促すことになったことについての責任は非常に重いと思う。経営委員会のもっとも大切な仕事は会長を決めることであるという点からも委員長自身の責任、進退についてどう思うか。

 (小丸委員長)

複数名の方が候補に挙がった中で、第1番目の候補として経営委員会の総意で打診したことは確か。NHKについてご存じではなかったので、いろいろ説明をした。最終的には議決になるということも説明したと思う。そうした中でいろいろあり、大変遺憾に思う。経営委員会としては、1月24日までに会長を選任しなければいけないと思う。ただ要件が難しいということも理解してもらわなければいけないし、経営委員12名が今回のようにいろいろな議論をして、最終的には安西氏が言うように、一枚岩にならなければいけない。
情報管理はしたつもりだったが流れてしまい、安西氏にはご迷惑をおかけした。これからは情報管理も徹底し、明日から議論をしたい。

 (記者)

1月24日までそのまま委員長職に留まるのか。

 (小丸委員長)

1月24日をひとつの区切りとして、まずは会長を選任しなければいけない。

 (記者)

今回責任についてどう思うか。

 (小丸委員長)

ルールは踏んだと思うし、安西氏は終始、全員一致と言われていたが、全員一致ができず、昨日の状況となった。

 (記者)

小丸委員長から、福地会長への続投要請が駄目になったので、改めて探し始めたという話があったが、福地会長は、おととしの12月ぐらいの時点で「辞めます」「任期前でも辞めます」とメッセージを出していたのに、ほぼ1年、人選しないまま、「福地会長で大丈夫だろう」と思っていたのではないか。1年間何をやっていたのか。それを考えたら、もう委員長の職責は辞めなくてはいけないと思うが、いかがか。

 (小丸委員長)

最終的にはこういう結果になったが、会長の選出をもう少しさせてもらいたい。

 (記者)

ほかの人を選ぶチャンスはずっとあったのに、その間、何をしていたのか。

 (安田代行)

委員長はずっとあたっていた。

 (記者)

それは財界人か。

 (小丸委員長)

いろいろと。

 (記者)

うまくいかなかったのか。

 (小丸委員長)

その当時、福地会長は正式に辞めるとは言ってなかったので、続投していただけるという確信を持っていた。

 (記者)

正式に辞めることを耳にしたのはいつか。

 (小丸委員長)

昨年12月の最初の経営委員会の時。

 (記者)

経営委員会は、昨年12月上旬の時点まで福地会長が辞めるという意志は確かなものではないという認識だったのか。

 (小丸委員長)

やっていただけると思っていた委員が大半だったと思う。

 (記者)

今問われているのは経営委員会の総意として安西氏にお願いしたにも関わらず、経営委員会として辞退を要請しているという状況。経営委員の見識が問われており、資質が欠けているのではないかという疑問が出てもおかしくない。24日までに今の経営委員で会長を決められるのか。この責任について小丸委員長はいかがお考えか。

 (小丸委員長)

1月24日までに、何がなんでも選ばなければいけないという議論をさきほどまで委員のみなさんとした。

 (記者)

経営委員の総意として要請したのに、なぜ12人が揃わなくなったのか。

 (井原委員)

経営委員会の総意としては、安西氏を議決したときに引き受けていただけるかどうかという意向を打診したという理解だった。たいへん紛らわしく、誤解を生むやり方だったと反省している。
この時点では、経営委員会12人全員で就任要請をしたという認識は経営委員になかったために、1月11、12日に指名委員会で審議をして、経営委員会で議決をするということで、議決したらお引き受けくださるということを前提にしながら、なお必死でいろいろと考えていたというのが私の理解。

 (記者)

どういう理解かよくわからないのだが。安西氏は受諾したわけですよね。

 (井原委員)

経営委員会は、受諾をしたとは理解しておらず、議決をしたときには受諾してくださるというふうに理解していた。

 (小丸委員長)

安西氏からは、12名の賛成がないと受けられないという仮定の話はあった。だから昨日、「こういう状況だから、ご理解していただきたい」という話をした。

 (記者)

つまり安西氏と最初に話した時点では、まだ全員は賛成していないが、見切り発車で打診し、これから全員賛成する方向に持っていくからということで、再度打診したということか。

 (小丸委員長)

安西氏は当初から「経営改革には経営委員会の力が要る、12名全員が一枚岩になって力を貸していただきたい」とおっしゃっており、「そうなれば当然、力を貸す」という話はした。しかし最終的には議決が必要なことは安西氏もご存知だったと思う。

 (記者)

当初、12月21日に安西氏に打診しようとなった時には、経営委員会の総意として合意ができていた、という理解ではないのか。

 (井原委員)

この人が会長になるかもしれないということは、合意していたと理解している。しかし、議決はされていない。だからこそ、何人かの委員がそれ以降、いろいろとご異論を出すようになったので、その段階では決定ではないというのが共通理解だったと思う。

 (記者)

今回やり方自体が紛らわしくて反省していると。このやり方についてはすべて白紙に戻すということか。

 (井原委員)

同じ轍を踏んではいけないので、明日また十分に検討しようということになっている。やり方そのものを再検討しなければいけないという意見も多く出ている。

 (記者)

安西氏が今日の会見で、「評価が、自身の実績等ではなく、風評に踊らされた評価であり、不信感、憤り、不愉快だ」とおっしゃっていたが、その指摘に対しては。

 (小丸委員長)

私は、終始変わらず安西氏にやっていただきたいという気持ちだった。
安西氏が最初からおっしゃっている、「全員に同じ方向を向いていただかなくてはいけない」ということ、「協力がないと改革ができない」ということに対して不安が出てきた。意見が割れて議決できなかった場合、安西氏に対して大変申し訳ないと思い、昨日お会いした。
安西氏は経験が豊富で、年齢も60代の半ば。NHK改革はそのぐらいの年代でないとできないのではないか。体力も判断力も必要。安西氏と会うたびに私は強く感じた。
しかし経営委員全員が同じような方向を向かなくてはいけない。今回、委員のみなさんが人選して、オープンにしたことが本当によかったのか。ある面でいえば、もっと時間を短く切ってやらなければいけなかったのではないかとも思う。
しかし、これは委員12名で決めたことなので、私がどうとは言えない。今日もいろいろ議論ができた。「こんなことをやっていたらだめだと」
先ほどの、この1年何をやっていたのかという指摘だが、ずいぶん探した。しかし大半が70歳過ぎた方。70歳を過ぎたから改革できないということは言えないが、やはり年齢はある。できるだけ若い方を人選したいという思いがあった。64、5歳という年齢が一番最適だと思う。残念でたまらない。

 (安田代行)

若者、特に大学生がテレビを見ないという現実があるので、慶應義塾の塾長を2回やられ、若者との接触があり、放送と通信の融合という新しい時代に工学系の技術を持っておられることで、これ以上ふさわしい人はいない。年齢も委員長がおっしゃったように、64歳。
NHKには外部の新しい血が必要。内部ではなく、外部の新しい血を入れることによって、改革は進む。私は大学にいるのでよく分かる。NHKも大学もつぶれることはない。そういうところにいると、どうしても改革がおろそかになる。委員長が安西氏と言ったときには、この方しかいないと、本当に大きな期待をしました。

 (記者)

風評で評価されたことによる不信感、憤りについてどう受け止めるか、という点について聞いているのだが。

 (小丸委員長)

風評ではなく、委員全員には賛同してもらえない状況になったということ。風評に対して、私は何もコメントする立場にないし、本当にそういうことがあったかどうかも分からない。私は、やっていただけると信頼していたが、12人全員が一致しなくてはいけないということが、問題だった。

 (井原委員)

風評そのものを信じて多くの委員が反対したとは思っていない。3条件であるとか、風評であるとか、事の真偽は分からないどころか、おそらく真実ではないというように私は思っているし、反対の方もそう思っているかもしれない。しかし、3条件とか風評のようなことが、次々と出るような方を公共放送NHKのトップにして、視聴者にご理解いただけるか、あるいは職員からの求心力を集めて、NHK改革が果たせるのか、ということを、すごく悩むので、賛成しがたいという声は多くあった。
昨日、状況を説明したときにも、風評を真実だと思っているから、あるいは、3条件の問題が真実だと思っているから反対の方がいるわけではないということは、ずいぶん申し上げたつもり。そういう状況になっている方をトップに据えることに懸念を示される委員が多い。

 (記者)

安西氏自身が12月19日に小丸委員長から就任の要請があったと言っているが、経営委員会の総意として19日に要請をしたのか。また、経営委員会で候補者を挙げたのは12月21日だが、それ以前に要請というのはどう理解すればよいのか。

 (小丸委員長)

12月21日に経営委員の総意で、数名の中の最初の方だと言うことでお伝えした。その前にも、安西氏に、NHKで改革していただける人をこれから探さなければいけないという趣旨のことは言ったと思う。しかし、正式には21日に、委員のみなさんの気持ちを伝えたのが初めて。そして、12月23日に面談をした。

 (記者)

そうすると19日は小丸委員長個人的に。

 (小丸委員長)

個人的に。いろいろな方々にお願いしなければいけないので、その一人として選択をしていた。

 (記者)

この時期になって、会長の有力候補とされた人が12分の9を得られない状況になって、辞退を申し入れたということだが、委員長は、責任を感じているのか。

 (小丸委員長)

何回も言うように、私としては、9票は取れるから、議決までいきたいという思いだった。しかし、委員のみなさんのご意見を聞くと、どうも9票は危ないということで、昨日の事態になった。思わぬことで、予期していなかった。少し甘いと言われれば、そうかと思うが、委員のみなさんも同じ方向にいっていただけると、思っていた。安田代行も井原委員も非常にびっくりされていた。2、3日前にそういう結果になったことで、安西氏には大変申し訳ないと思っている。
これは委員のみなさんで最終的に議決をするので、私一人の意見で、というわけにはいかない。

 (記者)

通常であれば引継ぎ等も始まっているこの時期になっても、まだ決まっていなくて、今日になって拒絶の会見をされるというのは異例の事態。こういう結果になったことについて委員長はどう受け止めているのか。

 (小丸委員長)

本当に申し訳ないと思っている。私を含め、経営委員全員が、少し甘かったのではないか。そして情報が外に漏れやすい環境であったということについても責任を感じている。
情報が漏れ、ご本人にご迷惑をかけたということが、最悪な事態を招いてしまった。

 (記者)

こういう状況を迎えて、NHK職員に対してはどう思っているか。

 (小丸委員長)

一番、心配しているのは職員のみなさんだと思うが、遅くとも、24日までには決めたい。このやり方で本当に良かったのか、もっと強引にやればよかったのではないか、というようにも思うが、やはり、冒頭井原委員が言ったように、民主的に、いろいろな委員から意見が出る開かれた経営委員会ということが頭の中にあったのでこういう選択を選んだ。24日までには、必ずや達成できるように私を含めて、委員全員が努力していきたいという思い。

 (記者)

24日までに、ということだが、時間がもうないと思うが自信はあるのか。また、選任のやり方について、オープンであったことがよかったのか、もっと強引にやらないといけなかったのではないか、というのは、具体的にどのようなことか。

 (小丸委員長)

時間的な問題については、明日からまた審議をして、なにがなんでも24日までには決めさせていただきたいと思う。可能性はあると思う。可能性を作っていかなければいけない。情報が流出して、安西氏に大変ご迷惑をおかけしたので、やり方はもう少し、変えなければいけないのかなと思っている。

 (井原委員)

オープンで透明性の高いものというのは、経営委員会に託されていることだと思っているので、反省すべきはその方法であり、今回のような事態を起こさないのはどうしたらいいのかを考えていかなければいけないのだと私は思っている。

 (記者)

実際、今日の経営委員会の中で、もう一度やり方を見直すとか、今後どういう形で選出するのかといった具体的なやり取りはあったのか。

 (小丸委員長)

あった。

 (記者)

委員から推薦者を募ってやる方法は改めるということか。

 (小丸委員長)

今日、今までのようなやり方には少し問題があるのではないかという議論に入った。
明日ももう一度その議論をして、ある程度の方向付けをしたいと思う。

 (記者)

ある程度の方向付けというのは、ある程度、候補者を絞るということを明日やるということか。

 (小丸委員長)

今はまだ言えない。

 (記者)

やり方についての方向性は、明日までに決めるということか。

 (小丸委員長)

決めたい。

 (記者)

明日は、選定方法を話し合うということか。

 (小丸委員長)

明日、委員のみなさんとどういった選定をしたらいいのかをもう少し議論し、その中でいい考えがあれば、早い時期に決めていきたいということ。

 (記者)

それは1年ぐらい前にやらなければいけなかったことではないか。

 (小丸委員長)

従来の方法とは少し違うやり方なので。今回は、委員のみなさんから人選してくださいということで始まっている。

 (記者)

そもそも安西氏に声をかけたのは、「資料とかネット」と言ったが、誰か推薦者があったということではなく、資料とネットで決めたということか。

 (小丸委員長)

企業人は70歳以上とか、特定の方しかいらっしゃらない。60代の方を探そうとすると、どうしても大学関係の方になる。特に年齢を気にしながら人選させていただいた。いろいろな大学の方を調べた中で安西氏の名前が出てきた。

 (記者)

先月末の経営委員会では、候補者が複数名おり、その中の一人が安西氏だったということだが、今後ほかの候補者の方に会長就任を打診することはあるのか。または、選定方法から候補者までまったく白紙になったのか。

 (小丸委員長)

それはまだ十分に議論していない。明日、委員のみなさんと議論して、決定したい。委員のみなさんから安西氏に対していろいろな意見があり、選択方法に問題がなかったか、などいろいろな検証をした。最終的には、明日判断したい。

 (記者)

白紙にするかも白紙ということか。

 (小丸委員長)

まだわからない。まだ議論が足りないと思う。

 (記者)

外部の方にお願いするにしても、2週間を切っている状況だと、現実的に厳しいと思うが、例えば内部昇格とか、福地会長の続投ということも視野に入れて考えているのか。

 (小丸委員長)

まだそこまで考えていない。明日、委員のみなさんと考えたいと思う。

 (記者)

これから人選することについて、どのくらい厳しい山だと感じているか。

 (小丸委員長)

難しい質問だが、まずは24日までにできる限り決めたいと思う。

 (安田代行)

できるだけ24日までにお願いしたいと思っている。

 (記者)

経営委員会と執行部は分離されていて、会長は経営委員会のメンバーになっていないのだが、福地会長はこの前の会見のときに、「なぜ後任人事について自分の意見が反映されないのか」と放送法をチクリと批判したのだが、このような事態になり、福地会長も「自分に聞いてくれたら」という気持ちがあるかもしれない。福地会長に相談して、誰か推薦してもらえないかという気持ちはないか。

 (小丸委員長)

今はそういう気持ちはない。

 (記者)

あくまで経営委員会で決めるということか。

 (小丸委員長)

そう。

 (記者)

井原委員から説明のあった、事前交渉はしないで推薦するという方法は、いつ頃決まったのか。

 (井原委員)

指名委員会が立ち上がった11月の2回目の経営委員会。そこから始まった。

 (記者)

それまでは、福地会長が続投しないと言ったら、どういうシステムで決めていくかについて、全く考えていなかったということか。

 (井原委員)

全く考えていなかったということはなく、三々五々意見交換はしていた。しかし、組織としてどうするかという判断は委員長にあった。

 (記者)

組織としてと言っても、普通の委員でも報酬を約500万円もらっている。それを三々五々、ぼちぼち考えると言うのでは..

 (井原委員)

三々五々というのは「ぼちぼち考える」ことではなく、一生懸命意見交換をしていた。

 (記者)

それが形になったのが11月ということか。

 (井原委員)

そういうこと。

 (記者)

安田代行と井原委員に質問だが、今回こういう事態になって、安西氏にこれだけ迷惑をかければ、常識的に考えると、委員長は当然責任をとるべきとして、経営委員の方々にも責任があると思うが、委員の責任の処し方についてはどのように考えているか。

 (安田代行)

私は、経営委員全員に責任があると思う。全員の総意でお願いしたのだから。委員長だけに責任を押し付けるのはどうかと思う。

 (記者)

経営委員全員は辞職すべきだということか。

 (安田代行)

いや、辞職とは言えない。何らかの形で、謝罪をするようなことが必要だと思う。

 (記者)

全員で謝罪をするのか。

 (安田代行)

そう。

 (井原委員)

私も経営委員の責任については、安田代行と同じ考え。

 (記者)

先ほどから聞いていると、安西氏について、すばらしい方だと言っており、さらに経営委員の総意としてお願いしたようだが、一方で「風評が立つような人では困る」という一部の委員とあまりにレベルが違いすぎるのではないか。異論を唱えた方は、いったいどういうつもりで、安西氏を含めて3人の方にお願いしていこうと決めたのかと思ってしまう。異論のある委員の方の言い分には、もっと正当なものがあるのではないか。本当にそんなことで、重要な人事が決められてしまっていいのかという疑問がある。

 (小丸委員長)

何度も言うが、安西氏が「12名全員に同じ方向を向いていただかないとNHKの改革はできない」と言われたことは妥当だと思う。それに対して12名全員が同じ方向を向けなかったことに対して、本当に申し訳ないという気持ち。
安西氏を選んだ過程も、委員のみなさんの意見を尊重して進めてきたのだが、冒頭に井原委員が説明したように、開かれた経営委員会ということが第一にあった。視聴者のみなさまから信頼を得るという意味で、他の委員の方々はいろいろな判断をされたのではないか。

 (安田代行)

そう思う。NHKの会長という、特異な、ある意味で日本の方向を決める人を選ぶということだけに、発言された方も本当にまじめに、一生懸命発言されていると思った。委員長、代行ともその意見は真摯に受け止めなければいけないと考えた。

 (井原委員)

私も、レベルが違うか違わないかは別にして、「本当にこういう状況の中で、この方を選んで視聴者のみなさまにご理解いただけるか、NHK職員と一緒になってNHKの役割を果たせるのか、本当に悩む」という議論は、私は真摯だったと理解している。

 (記者)

悩むことは当然として、安西氏に対して「こういう人物だからふさわしい」という定見のようなものを持っていなかったのか。漫然と風評で流されてしまったように見えるのだが、小丸委員長、安田代行、井原委員は、「安西氏はこういう点ですばらしい」と、ほかの委員を説いて回らなかったのか。また、ほかの委員は、安西氏に会っても印象が変わらなかったということか。

 (記者)

まず、いつごろ安西さんを推薦するのがいいと考えたのか、その時期はいつか。また、「資料やネット」と説明されたが、いろいろな方に相談したりすることもあったと思うが、どなたかからの具体的な推薦があったのかどうか。
さらに、3条件という話があったが、安西氏は、「『質問』はしたが『条件』は言っていない」と言っているが、委員会側との認識はどうか。

 (小丸委員長)

安西氏については12月のはじめ頃、いろいろな情報を得ながら、複数名で話したという過程があった。それから、条件とかそういったことは一切なかった。記事が出たので、委員の中に多少アレルギーになった方もいたが、私から説明したし、そのようなことで左右されるような委員ではないと確信している。

 (記者)

委員長自身の頭の中に安西氏の名前が浮かんだということか。

 (小丸委員長)

そう。いろいろな調査をした。

 

※翌1月12日の記者ブリーフィングにおいて、小丸委員長より、記者会見の補足説明があった。

 

 (小丸委員長)

  • 昨日の会見について、委員長として、経営委員会の本意をお伝えしきれてない部分がありましたので、改めて説明させていただきます。
    2点あります。

  • 第1点は、経営委員会として、合意した手続きについてです。
    指名委員会の立ち上げが遅く、そのため会長選出の手続きの検討にかける時間が十分でなかった上に、安西氏への私の説明で、「要請」ではなく、「打診」であったことを正しくお伝えできませんでした。

    お詫びしたいと思います。
  • 第2点は、経営委員会が風評で評価しているという批判についてです。
    経営委員会は決して3条件や風評そのものを信じて、今回の結論に至ったわけではありません。
    3条件とか風評のようなことが出るような事態が、視聴者にご理解いただけるか、また、職員からの求心力を集めて、NHK改革が果たせるのかということを強く懸念し、賛成しがたいという委員が多くなったということです。
    委員長として、昨日の会見で経営委員会の状況を正しくお伝えできなかったことをお詫びいたします。
  • 経営委員会としては、放送法の趣旨を最大限尊重し、公正で透明度の高い選出をしたいと真摯に取り組んでいるからこそ、今回の事態が生じたものとご理解いただきたいと思います。
  • 今後も日本の方向に大きく影響する公共放送NHKの会長を選出するという責任を重く体し、一層真摯に努力してまいります。

 

以上