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捜査で使う似顔絵をどう描くか?女性似顔絵捜査官  

執筆者のアイコン画像(記者)城之内緋依呂
2023年03月13日 (月)

似顔絵捜査で研究

タイトル

さまざまなテクノロジーが進歩する中でも、
目撃者の証言をもとに作る『似顔絵』は警察にとって重要な捜査手法の1つです。

一般に公開されているもの以外にも多くの似顔絵が作成されていて、
石川県でもそれらが犯人の検挙に結びついています。
似顔絵の精度向上を目指す現場を取材しました。

石川県警が金沢工業大学と共同研究

似顔絵捜査官

体格とかってどんな感じ?

ちょっとふくよかな感じ

ふくよかな感じで

眉毛もうちょっと山かな...

学生は、直前、一度だけ顔を見た男性の印象を思い出しながら答えていきます。

似顔絵

こうした似顔絵、捜査に活用する場合は顔のパーツの特徴が似ているかだけでなく、
その人物の印象イメージを全体的にとらえていることが何より大切だといいます。

どんな感じのイメージ

アクティブな感じで好奇心がある方なのかなって

答え合わせ

研究では似顔絵捜査官の質問と引き出される答え
それによって、捜査官がどのような顔をイメージするかなどをデータとして蓄積し、似顔絵技術の向上につなげることを目指しています。

髪型の印象って大事。聞き出し方ももうちょっとうまい聞き出し方もあったんじゃないか...

似顔絵が頼りになる事件 数多く

現場での鑑識技術やさまざまな映像の解析。
科学の進歩が多くを解決に導いています。
こうした中、今も欠かせない捜査手法の1つが似顔絵。

鮮明な映像や物証が乏しく、目撃者の証言が頼りになるケースは数多くあるからです。

石川県警は去年、声かけ事案性犯罪、ストーカーなど68の事件などの捜査で似顔絵を作成。
似顔絵が手がかりとなり、犯人検挙に結びついたケースもあったということです。

久安事件

去年6月に公開された殺人事件の重要参考人の似顔絵。
平成20年、金沢市のアパートで当時22歳の男性が殺害された事件の発生時間帯に現場で目撃された人物。

事件の現場が管内にある金沢中警察署の新人警察官たちが、似顔絵を覚えていました。

会議

▼重要参考人が女装していた場合
▼やせていた場合
▼髪型が異なっている場合

も想定して似顔絵を作成しています。

「こいつを見つけると事件の鍵になる可能性は十分ある。
15年前の似顔絵かもしれない。老けているかもしれない。整形しているかもしれない。絶対覚えて欲しい」

「被害者に報いたい」

捜査官大久保さん

似顔絵捜査官の大久保敏子警部補は性犯罪などに遭い、精神的にダメージを受けた多くの被害者と直接、向き合ってきました。

一緒に被害者の人と涙をこらえながら似顔絵を描いて。
これはもう絶対つかまえなきゃって思いで毎回描いている

新人警察官たちにも、被害者と心で向き合うことの大切さを伝えます。

絵を描く技術よりも関係性づくりとか、その場をなごます雰囲気作りというのが1番大事

大久保さんは、似顔絵の精度を向上させることが
1人でも多くの被害者の気持ちに報いることになると考えています。

少しでも被疑者に近づけられるような描き方、聞き取り方法について、
私だけじゃなく、県下の似顔絵捜査官捜査員にも生かせるように本当に被害者の方の思いに報いられればと思いながら、
みんな描いているので、似顔絵が犯人検挙につながるように願っています

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