監修 辻製菓専門学校 立嶋 穣 先生 作家、幸田文が幼いころに親しんだ、明治から大正期、墨田川のほとりに出る掛け茶屋の花見だんごを、文の文章をもとに再現してみました。「ぐいと横食い」してみたくなる味です。
【初回放送】2014年3月14日
■蒸し器の底に水を入れ、火にかけ、十分に沸騰させておく。 ■竹串は先のとがった部分を切り、水につけて湿らせておく。
上新粉に分量のぬるま湯を一度に加え、なめらかになるまで手でしっかり混ぜる。
ぬらして固く絞ったさらしを敷き、生地を移して薄くのばし、蒸し器で30分蒸す。
さらしを使ってこね、ひとまとめにする。
氷水につけて、完全に冷ます。 ※生地を持って曲げると、少しもろくくずれるような状態になるくらいまで冷やす。
生地を取り出し、なめらかになるまでこねる。
生地を半分に分ける。一方はしょうゆだんご用にするので、そのままにしておく。もう一方はあんだんご用にするので、水を加えながらさらにこねる。 生地を両手で持って引っぱると、ある程度なめらかにのびるくらいが目安。 ※しょうゆだんごは、後で焼くので柔らかくなりすぎないようにし、あんだんごは、常温で食べるので、生地作りの段階でより柔らかく仕上げる。
両方の生地ともに水をつけながら、棒状にのばし、包丁で10等分に切る。
切っただんごを手の平で丸める。
竹串に4つずつ刺し、指で平らに押さえておく。
「赤生あん」を作る。 ※赤生あん…小豆をゆでてこし、砂糖を加える前の状態のもの ※レシピはこちら
鍋にグラニュー糖と分量の水を入れ、沸騰させる。グラニュー糖が溶ければ、赤生あんを加えて煮詰める。
あんをすくって、もったりと流れるような状態になれば、水あめを加える。
水あめを加えると少しやわらかくなるので、再びステップ3のかたさになるまで炊く。平らな容器に流して、冷ます。
七輪に網をのせ、だんごを並べ、焦げ目がつくまで両面を焼く。
生じょうゆをぬり、再度、焦げつかないように、表面を乾かす程度に焼く。
最後にもう一度、表面に生じょうゆをぬり、出来上がり。
スプーンで小豆こしあんをすくい、だんごの上にのせる。スプーンの背の部分を使って、表面を平らにならして、出来上がり。
香ばしいしょうゆとほんのり甘い昔ながらの素朴な味。
監修 辻製菓専門学校 立嶋 穣 先生
選別した小豆を水洗いし、たっぷりの水とともに鍋に入れて強火にかけ、沸騰させる。
豆が浮いてきて、ひき上げてみると皮にしわがよるような状態になったら、差し水(びっくり水)をし、沸騰を抑えるとともに温度を約50℃以下に下げる。
再度沸騰させ、皮のしわがのびて豆が乾燥時の2 ~ 2.5 倍に十分に膨らんでいるのを確認する。 豆の皮が破れる前に火を止めて、ゆですぎないこと。ちょうど良いゆで具合のタイミングはゆで汁の色でみきわめる。 透明な美しいワイン色になればOK。
ザルにあけ、ゆで汁を捨てる。(渋きり)
水をかけて表面の渋を洗い流す。豆の皮を破らないようにやさしく扱うこと。
鍋にステップ5の小豆とたっぷりの水を入れ、火にかける。
沸騰するまでは強火、沸騰したら弱火にしてコトコトと豆がゆるやかに躍る程度の火加減でゆでる。ゆで汁が少なくなったら水を加え、常に豆がゆで汁の中にある状態でゆでる。
指で簡単につぶれるくらいやわらかくなれば、ゆで上がり。
ボウルの上にザルをおき、ゆで上がった小豆をザルにあける。上から水をかけながら玉じゃくしの背などで豆の粒を潰す。
手で触れられる温度まで冷めれば、水をかけながら手で豆を潰してこす。ザルに残った豆の皮は取り除く。
下のボウルにたまった呉(豆の成分)の汁を、馬毛の裏ごし器に通す。
ステップ3の裏ごし器の上から適量の水を加え、手で混ぜながらこし、細かい皮を取り除く。
こした呉の入ったボウルをしばらくおき、呉が沈んだら、呉を捨てないように濁った上水を捨てる。
呉が残ったステップ5のボウルに再びたっぷりの水をそそぐ。ボウルの中を全体をよく混ぜる。
再びしばらくおき、上水を捨てる。上水が半透明になるまで、水を注いでは上水を捨てる作業を繰り返す。 ※およそ2回
上水を捨て、さらしに受けて水気をきる。水分がなくなるまで、しっかり絞る。
赤生あんのでき上がり。