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「湯沸かし器や食洗機の事故多発 点検を!」(くらし解説)

水野 倫之  解説委員

湯沸かし器や風呂がま、食器洗浄機などが長期間の使用で部品が劣化し火災などにつながる事故が相次いでいる。こうした製品、法律で点検を受けることが義務づけ。
どんな点に注意が必要なのか、水野倫之解説委員の解説。

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ガス湯沸かし器、点検せず使い続けると排気口にほこりがたまり、酸素不足で火がつかず、ガスがたまり引火して爆発的に燃え広がる事故が起きている。
ただ湯沸かし器、建物の一部として組み込まれているので自分での点検は困難。
エラーメッセージが出てもついつい無理して使い続け、事故になるケース。
このように消費者の点検が困難で、簡単に買い換えできない作り付けの製品の中でも、湯沸かし器のように過去に事故が相次いだ製品については、法律で「特定保守製品」に指定され、点検を受けることが義務付けられている。

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指定されているのは湯沸かし器。都市ガスやLPガスを使う屋内式のものと石油を使うものあわせて3種類。
風呂釜。これもガス石油と3種類。
石油ストーブのうち壁に穴を開けて外気を取り入れるFF式。
システムキッチンに内蔵の電気式の食器洗浄乾燥機。
浴室の電気式乾燥機。
以上の9製品。
過去5年間で715件事故が報告され、10年以上使い続けた製品に事故が多い。
なかには火災や一酸化炭素中毒で死亡する事故も起きている。
風呂釜がある風呂場は湿気が多いので、長期間の使用で配管が劣化して穴があき、お釜の中にガスや灯油がたまって、引火する事故が多い。
食洗機の場合、電気配線が扉の開き閉めによって繰り返し力がかかって劣化して洗浄液などがもれてショート。最悪の場合火災になる事故も。
この9品目は多くの場合10年で点検を受けることになっている。
でも製品が取り付けられてから何年か覚えていないため、法律ではメーカーが点検時期を消費者に連絡して点検を受けるよう促すことも義務付け。
ただその連絡を受けるためには製品の登録が必要。

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登録用のはがきに住所などを書いてメーカーに送れば、10年を前に点検の案内が来る仕組み。
この制度が始まったのが9年前なので、そのころ買って登録した人のところには、メーカーから点検の案内が届き始めるころなので、必ず点検の依頼を。
また9年以上前に買った古い製品は点検の案内来ないが、点検は受けられる。メーカーに連絡を。
実際のガス風呂がまの点検では、ガス会社の担当者は風呂釜のカバーを外して、種火がつくかどうか、内部に水がたまったような痕跡はないかどうか調べる。
そして実際にお湯を出しながら、不完全燃焼で一酸化炭素が出ていないか専用の検出器でチェック。
さらには家の外に出て、排気口のまわりに草など燃えやすいものがないかどうかも。
点検には1万円近くかかる。
この制度、登録率がきわめて低いのが最大の問題で、39%しかない。

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この9品目だけで年間250万台販売されているので毎年150万台以上が登録されず、点検の案内もいかないことになる。
各メーカーに登録呼びかけが義務づけられているが、罰則はない。
実際に機器を取り付けるのは、メーカーの系列ではない街の工務店というケースも多く、メーカーから制度が周知されていないため、はがきが段ボールの底に放置されたままということが多い。
各メーカーでは登録すれば保証期間をのばしたり、抽選で商品券があたる取り組みなどを行ってきたがあまり効果ない。
そこでガス機器メーカーでは、製品に点検制度を知らせる大きくて目立つシールをはって目に付くようにした。これで登録率が7%上がったということ。

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メーカーは責任持って販売店や工務店に対してこの制度を周知して、機器を取り付け前に家の人にはがきに記入してもらうぐらいのことをして、登録率をもっとあげていくことが求められるし、消費者も対象の製品がある場合は、今一度、登録したか確認したり、古い製品を使っている場合はメーカーに依頼して点検を。

(水野 倫之 解説委員)


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