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「仮想通貨 トラブルを防ぐには」(くらし☆解説)

三輪 誠司  解説委員

利用が広がると見られる仮想通貨の安全対策についてお伝えします。

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仮想通貨は、簡単に言うと、インターネットで代金の支払いをしたり、お金を送ったりする仕組みです。

電子マネーの場合は、カードなどにお金、日本の場合は「円」がどれだけ入っているかが記録されています。結局は何円利用できるか記録するものです。

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しかし、仮想通貨は円ではない独自の財産です。その価格も変動しているんです。外国の通貨とか、株や金というようなイメージです。

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使うには、仮想通貨を入手しなければなりません。お金を出して「購入」するんですが、両替のようなものです。
よくある方法は、「取引所」いう両替専門の会社に行くことです。そこで現金を渡して仮想通貨に変えてもらいます。コインなどはなく、データだけです。データを受け取ったという記録がスマートフォンのアプリなどに入ります。そのデータを使ってお店で食事した代金を支払う時は、電子メールを送るように、アプリの送信ボタンを押します。するとデータが相手にわたり支払完了です。

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電子マネーとの違いは、まず私たち消費者の側からみると、仮想通貨は値上がりる可能性があることです。

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仮想通貨で最も普及している「ビットコイン」の、この半年の値動きを見ますと、全体的には値上がりしています。つまり、値上がりすれば、自分が持っている仮想通貨で多くの買い物ができるわけです。この値上がりを見越して投資目的で購入する人が多いです。

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しかし価格の変動は危険性の一つです。ビットコインの値上がりは、主に中国の投資家がここに資産を移しているためだと言われています。しかし一月には、中国当局が、海外に資金が流出しているおそれを懸念し、中国の中央銀行が取引所の調査を始めたことをきっかけに、大きく値を下げました。仮想通貨は、発行している国や中央銀行がありませんので、価格を安定させる仕組みがありません。暴落するリスクもあると思った方がいいです。

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また、お店側から見ると、仮想通貨は導入しやすいということもあります。クレジットカードや電子マネーをお店で使えるようにするには、発行する会社などの審査や読み取り装置が必要ですが、仮想通貨の場合は、スマートフォンのアプリだけでOKです。大手家電量販店の一部の店でも使えるようになります。外国人の利用者の方が多いので、今後東京オリンピックに向けて利用できる店が増えると見られています。

しかし最近、仮想通貨に絡むトラブルも相次いでいるんです。仮想通貨を販売している会社などの勧誘トラブルです。

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例えば「仮想通貨は5倍以上の価値になる。販売元が全て買い取る」とか「仮想通貨の投資セミナーに参加した人だけ配当がある」と誘われて購入したものの、言葉通りに買い取ってもらえないなどのトラブルがあるということです。

国民生活センターのまとめによりますと、昨年度はこうした相談が、634件と増加しているんです。

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怪しい業者かどうか、見極める方法としては、まず、仮想通貨の販売をしている業者が、国の登録をしているかどうかを確認する。
仮想通貨の利用者を保護するための法律が今月施行されました。仮想通貨の「取引所」は、国への登録が必要で、金融庁の金融検査を受けることも義務づけられました。登録をしないと国内での販売はできなくなりました。施行から6カ月の猶予期間
がありますので、しばらくは注意してください。

次に、どの勧誘でも同じですが「絶対もうかる」は嘘です。もし、ビットコインのこの半年の値上がりグラフを見せられたとしても、今後の値上がりはだれも保証できません。

そして「セミナーに参加した人は格安です」というケースは注意。仮想通貨は誰でも購入できるものです。

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それに加えて、インターネットならではの注意点もあります。ネットを通じて海外の業者と直接やり取りする場合、国内の法律の適用から外れることがありますので、悪徳業者にだまされる恐れもあります。

中には、仮想通貨投資クラブとうたって、ネズミ講のような会員募集をするケースも報告されています。十分に注意してください。

仮想通貨は価格が激しく変動するのが特徴で、暴落しても誰も補償しません。契約内容と法律、さらに仮想通貨の仕組みも理解した上で、利用するかどうか慎重に判断することをお勧めしたいと思います。

(三輪 誠司 解説委員)

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