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くらし☆解説

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(アナ)
ヒューマノイドや介護ロボットなど、コンピュータで動く機械が、私たちの生活に続々と入り込んでいる。そんな中、日本初の「ロボット法学会」設立の動きがでてきました。室山解説委員です。
 
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どんな状態?

(室山)
ロボットが生活にどんどん入り込み、人間とロボットの関係を考えなければならない状況が出てきた。先日、日本初のロボット法学会準備会が行われ、法律関係者、ロボット関係者などが集まり、熱気むんむんの議論が行われた。

(アナ)
そもそもロボットの種類は?
 
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(室山)
「産業ロボット」「サービスロボット」に分かれるが、「サービスロボット」が生活に入ってくる。ロボットとどう共存するか、今後ルールが必要となる。

(アナ)
なぜ法律まで必要なのか?

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(室山)
たとえば現在、自律型ロボットなどが公道を走ると道路交通法違反となる。そもそも、法律ができた時、ロボットのような移動体が道路を走る想定がなかったためだ。このように法律と社会の間に齟齬が出ており、新しい法律が求められている。

(アナ)
将来どんなトラブルが予想される?

(室山)
たとえば、自動運転の場合。
自動運転には「運転支援」(ドライバー責任)と「無人運転」の二つの考え方があるが、後者の場合、法体系をどうするかという課題が出てくる。

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たとえば自動運転の車が、何らかの原因で事故を起こした場合、責任は「運転手」なのか「メーカー」なのか?
あるいは「ナビの地図データ」が更新されていなかった時の事故責任はだれになるのか?

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今、脳や神経と接続したロボット(サイボーグ)が出てきているが、もし何者かがこのロボット義手を破壊したら、傷害罪になるのか?器物損壊となるのか?
 
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さらに、テレイグジスタンスロボットという「分身ロボット」の研究も進んでいる。これが国境を越えて動きだしたとき、身柄拘束をしたら「人権侵害」となるのか?出入国管理の扱いはどうなるのか?(物か?人か?)どの国の法律を適用するのか?ロボットが犯罪を犯した時は何罪になるのか?などなど。将来は、新しいテロ対策が必要になるという指摘もある。

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さらに自律型人工知能ロボットが創作活動(小説や作曲など)をした時、その著作権はどこに帰属するのか?そもそも「ロボットの人格」はどうなるのか?等枚挙にいとまがない。

(アナ)
今後、どのようにルールをつくっていけばいいのか?
 
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(室山)
アシモフ「われはロボット」のなかには「ロボット3原則」というのがあるが、これのようなものがさらに進化して、きちんとした法体系になる必要がある。

(アナ)
私たちはこのことにどう向き合えばいいのか?

(室山)
機械文明が進化し、人間の能力を道具や機械が補完して、人間の能力を拡大し続けてきた。手は、ハンマーやショベルカーになり、目は望遠鏡でさらに遠くが見えるようになり、といった塩梅。そして今、コンピュータが脳の機能の拡大をはじめ、ついには人工知能が出現した。このように底流には文明の問題が横たわっており、奥深い。
 
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事務局も「幅広い議論の蓄積が必要!」と訴えており、丁寧な準備が必要と思われる。

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