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くらし☆解説 「どう防ぐ ネットバンキング被害」

三輪 誠司  解説委員

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Q: ネットバンキングの被害とは、どのような被害なのでしょうか。 

A:ネットバンキングは、パソコンやスマートフォンなどを使って、自分の預金口座の残高照会ができたり、家族などにお金を振り込んだりすることができるサービスです。実は、そのサービスが悪用され、口座からお金が無くなってしまうという被害なんです。

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警察庁によりますと平成25年の被害は一年間で14億600万円でした。大幅な増加となり深刻な状況でしたが、平成26年の被害額を見ると、6月までの半年間で18億5200万円となっています。去年一年間を上回り、過去最悪となっています。
 
Q:どうして被害が拡大しているんですか。

A:手口が巧妙になっていることがあげられます。被害の多くは、パソコンに感染したコンピューターウイルスによるものです。ネットバンキングを利用する際、金融機関のホームページに、会員番号や暗証番号を入力します。

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振込みをする際には第二暗証番号を入力する場合もあります。しかしパソコンに感染したコンピューターウイルスは、入力された情報を、ウイルスを仕込んだ人物に勝手に外に送信してしまいます。この人物は、だまし取った情報を使って、この金融機関に不正にログインし、口座に入っている金を別の口座に振り込んでしまうわけなんです。

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さらにことしの5月ごろからは、ウイルスがパソコンを操って、自動的に金を別口座に振り込んでしまうという悪質な手口も明らかになっています。

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Q:どのくらいのお金が口座から出されてしまうんですか。

A:ネットバンキングには、取引の限度額というものがありますが、その限度額ぎりぎりまで出されてしまう被害があります。個人の場合、数日間攻撃を受けて、あわせて数百万円の被害。限度額が高い法人の場合、数千万円の被害を受けた会社もあるということです。

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Q:取られたお金は戻ってこないんですか。

A:今は金融機関の補償制度が適用されます。しかし全員が補償されているわけではありません。また口座の中に手を突っ込まれているようなものですから、補償されるのならば問題ないということではないと思います。
 
Q:こういうウイルスはどこからやってくるんでしょうか。よく、あやしい電子メールは開かないようにするなどとも言われていますが。

A:実は、普通にいろいろなホームページを閲覧している時に感染してしまうケースが多いんです。
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例えば、通販サイトがあったとします。普段からよく見ているページです。しかし見た目にはわからないのですが、その一部が改ざんされていて、コンピューターウイルスをばらまくような仕組みが組み込まれてしまっているというケースが増えているんです。セキュリティ対策が不十分なパソコンで閲覧すると、見ているだけでネットバンキングからお金をだまし取るウイルスを取り込んでしまいます。
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このような改ざんは、平成26年では、、大手旅行会社H.I.S、大手自動車メーカーの日産自動車、観光バス会社のはとバス、大手出版社のKADOKAWAなど、よく見られている公式ホームページが被害を受け、ウイルスの配布に使われています。いずれも現在は復旧されていますが、普通のホームページを通じてウイルスが配布されるようになっているというのが、ネットバンキングの被害が拡大している原因の一つになっています。
 
Q:ウイルス対策ソフトを使えば大丈夫ですか。

A最新版のウイルス対策ソフトには一定の効果があります。しかし絶対に大丈夫だと過信してはいけません。最近のウイルスは、感染した直後に対策ソフトを無効にしてしまうなどの手口も確認されていますので、万全とは言い切れないのです。

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それに加えて、とても大切なことがあります。パソコンに入っているすべてのソフトウエアをバージョンアップしておくということです。古いバージョンのソフトには、セキュリティ上の欠陥が見つかっているものが少なくありません。時々、パソコンを使っていると、アップデートをしてください」という通知が出てきますが、これは「あなたが使っているソフトは、古いバージョンで危険です」という呼びかけです。放置すると、改ざんされたホームページを閲覧しただけでネットバンキングの被害をもたらすウイルスに感染してしまいますので、できるだけ早くアップデートすることが必要です。
 
Q:こうした表示が出てこなければ大丈夫ですか?

A:実は、あまりに古すぎるものを使っていると、表示されないこともあるんです。
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このため、情報セキュリティーの啓発をしている公的団体が、確認するための無料サービスを提供しています。「MyJVNバージョンチェッカ」です。検索すると見つけることができます。ホームページから起動すると、画面の左側には、狙われやすいソフトウエアの名前が並びます。
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実行ボタンを押すと、危険な古いバージョンを使用しているかを調べ、表示してくれます。複数のソフトを一度に調べてくれますし、アップデートの方法も教えてくれますので、おすすめだと思います。
 
Q:ほかにはどのような対策を進めているんですか。

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A:金融機関としては、「振り込みを電子メールで通知するサービス」を利用することを勧めています。これは、金融機関が振り込みを受け付けると、「あなたの振り込みで間違いありませんか」と尋ねる電子メールが携帯電話などに届くというサービスです。また、ネットバンキング専用のパソコンを使うよう呼びかけています。ほかのホームページを見ているパソコンの場合、ウイルスに感染している危険性があるからです。さらに、ときどき残高照会をして、被害を受けていないか確認することも勧めています。金融機関はいろいろな対策を利用者に呼び掛けているんですが、こうしたことをしていない人が被害を受けているというのが実態です。セキュリティ対策をすればするほど、面倒になるという側面はあるんですが、金銭的な被害を防ぐためにも積極的に利用しなければならない時代だと思います。

 

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